JP7197218B1 - 構造物点検装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 0007197218000001
【課題】本発明は、点検作業を行うことが難しい構造物の狭隘な箇所でも正確な三次元合成画像を生成して点検情報を得ることができる構造物点検装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る構造物点検装置は、点検区域において所定の移動方向に移動する基台10に、天井面を撮影する撮影カメラ16~18及び壁面を撮影する撮影カメラ19を取り付け、撮影カメラ16~19から取得した撮影画像に基づいて点検区域の三次元合成画像を生成する画像処理部及び生成された三次元合成画像に基づいて点検情報を取得する点検処理部とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、構造物を複数の撮影カメラにより撮影した画像に基づいて点検を行う点検装置に関する。
橋梁や建造物等の構造物は、屋外に構築されているため、経年劣化等により表面が腐食が進行するようになる。近年、過去に構築された構造物の老朽化に伴う強度劣化が問題となっており、強度劣化の程度を点検する作業が実施されている。
こうした点検作業では、構造物表面における外観観察、クラックの測定や打音検査といった点検が行われている。しかしながら、小規模の橋梁等の構造物のように、桁下空間が狭い構造物では、構造物表面が肉眼で見えづらい狭隘箇所での点検作業となり、正確な点検が困難となっている。
そのため、構造物表面を撮影カメラにより撮影した画像を用いて点検を行うことが提案されている。例えば、特許文献1では、水に浮かぶフロート部上に設けられ、橋梁の表面を下方から撮影するカメラを走行装置により移動させ、インフラ構造物を撮影する構造物検査装置が記載されている。また、特許文献2では、構造物の表面を打撃して点検する点検手段の打撃位置を撮影する撮影手段を備え、撮影された画像に基づいて打撃位置のデータを取得する構造物の点検装置が記載されている。また、特許文献3では、撮影装置を搭載した床下点検ロボットを遠隔操作して撮影してクラック幅を計測する点検装置が記載されている。
特開2017-025485号公報 特開2016-191661号公報 特開2009-85785号公報
特許文献1では、複数のカメラで橋梁の下面を撮影し、取得した撮影画像を解析してひび割れやその他疲労状態を検査するようにしているが、ひび割れ等を確認することはできるものの位置やサイズといったデータを定量的に分析することは難しいため、検査の正確性の点で課題がある。
特許文献2では、1つのカメラで撮影した複数の画像に基づいてステレオマッチングの手法で構造物の3次元モデルを作成するようにしているが、撮影領域全体の3次元モデルを精度よく作成することは難しい。
特許文献3では、撮影対象物の撮影画像とクラックスケール画像とを重ね合わせて表示した合成画像を生成しているが、撮影画像から撮影対象物全体の点検情報を得ることは難しい。
そこで、本発明は、点検作業を行うことが難しい構造物の狭隘な箇所でも正確な三次元合成画像を生成して点検情報を得ることができる構造物点検装置を提供することを目的とする。
本発明に係る構造物点検装置は、構造物の点検区域の天井面及び壁面を撮影して点検する構造物点検装置であって、基台を備えているとともに前記点検区域において所定の移動方向に移動する移動部と、前記移動方向と直交する左右方向に所定間隔で配列した複数の上方撮影カメラを前記天井面の撮影領域に対して正対する撮影方向で前記基台に取り付けるとともに複数の傾斜撮影カメラを前記天井面の撮影領域に対して所定角度で傾斜した撮影方向で前記基台に取り付けた天井面撮影部と、前記基台の左右両側に配列した複数の側方撮影カメラを前記壁面の撮影領域に対して正対する方向で取り付けるとともに前記基台の左右両側に複数の別の傾斜撮影カメラを前記壁面の撮影領域に対して所定角度で傾斜した撮影方向で取り付けた壁面撮影部と、前記天井面撮影部及び前記壁面撮影部から取得した撮影画像に基づいて前記点検区域の三次元合成画像を生成する画像処理部と、生成された前記三次元合成画像に基づいて点検情報を取得する点検処理部とを備えている。さらに、前記移動部は、前記上方撮影カメラの配列間隔と同じ間隔で設定された前記移動方向に沿う複数の撮影ラインを移動する。さらに、前記画像処理部は、前記上方撮影カメラと天井面との間の撮影距離及び前記上方撮影カメラの天井面の撮影領域におけるラップ率、前記側方撮影カメラと壁面との間の撮影距離及び前記側方撮影カメラ同士の壁面の撮影領域におけるラップ率、並びに前記移動方向に沿う複数の撮影ラインの間隔に基づいて三次元合成画像を生成する。さらに、前記点検処理部は、前記点検区域の外面を撮影して得られた三次元合成画像及び前記点検区域の三次元合成画像に基づいて点検情報を取得する。さらに、前記点検処理部は、前記点検区域の設計データに基づいて生成された三次元形状データ及び前記点検区域の三次元合成画像に基づいて点検情報を取得する。
本発明は、上記のような構成を有することで、上方撮影カメラ及び傾斜撮影カメラを備えた天井面撮影部並びに側方撮影カメラ及び傾斜撮影カメラを備えた壁面撮影部を備えているので、三次元合成画像を精度よく生成することができる。そして、上方撮影カメラの配列間隔と同じ間隔で移動方向に沿う複数の撮影ラインを設定することで、三次元合成画像を精度向上を図ることができる。また、撮影距離、ラップ率、撮影ラインの間隔を設定して画像処理を行うことで、高精度の三次元合成画像を生成することができる。
そして、点検区域の外面を撮影して得られた三次元合成画像との組み合わせにより、効率よくわかりやすい点検情報を得ることができる。また、点検区域の設計データに基づいて生成された三次元形状データとの比較で経年劣化等の点検情報を効率よく得ることができる。
本発明に係る実施形態に関する概略構成図である。 移動体に関する外観斜視図である。 撮影カメラの撮影領域の設定に関する説明図である。 構造物点検装置に関する概略ブロック構成図である。 構造物点検装置による点検区域以外の点検区域を撮影する携帯用撮影装置に関する外観斜視図である。 構造物点検装置の処理フローである。 点検対象の橋梁に対して撮影を行う様子を示す写真である。 生成された三次元合成画像に関する画面表示例である。 橋梁の点検処理の一例を示す画面表示例である。 コンクリート試験体を用いた点検処理の試験に関する様子を示す写真である。 撮影画像の一例を示している。 三次元合成画像を表示した画面表示例を示している。
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る構造物点検装置に関する概略構成図である。構造物点検装置は、撮影カメラを搭載する基台を有する移動体1と、画像処理、表示処理といった情報処理を行う情報処理装置2を備えており、構造物の点検区域の天井面及び壁面を撮影して点検するようになっている。この例では、小規模の橋梁Aの内部が点検区域となっており、作業者が点検作業を行うのが困難な狭隘な内部空間に移動体1を進入させ、内部の天井面B及び壁面Cについて点検作業を行うようになっている。
移動体1としては、点検区域の状況に応じた移動手段を用いることができる。図1に示す例では、移動手段として基台に取り付けた車輪構造を用いているが、川のような水路の場合には、フロート等の水上移動が可能な手段を用いることができる。また、小型ドローン等の移動手段を用いることで、空中移動を行うようにしてもよい。
情報処理装置2としては、パソコン、タブレット等の公知の情報機器を用いることができ、後述するように、撮影カメラから得られた撮影画像を処理して三次元合成画像を生成する画像処理及び生成された三次元合成画像に基づいて点検情報を取得する点検処理を行うために必要なプログラム及びデータが入力されている。情報処理装置2は、通信ケーブル等の有線通信又は無線通信により移動体1を遠隔操作が可能な機能を備えていることが好ましく、こうした機能を備えることで、作業者が直接点検できない様々な点検区域において遠隔操作により点検作業を行うことができる。
図2は、移動体1に関する外観斜視図である。移動体1は、平面視矩形状の基台10及び基台10の下部に取り付けられた収納ボックス11を備えている。収納ボックス11にはバッテリ等の電源及び制御装置が収納されている。
基台10の左右両側には棒状のフレーム部材12が取付固定されており、一対のフレーム部材12の前端部及び後端部には、それぞれ車輪14が軸支された棒状の支持部材14aが取付固定されている。基台10の前側には、フレーム部材12の前端部に取り付けた一対の支持部材14aの間に棒状のフレーム部材13が架設されており、基台10の後側にもフレーム部材12の後端部に取り付けた一対の支持部材14aの間に棒状のフレーム部材13が架設されている。
基台10の上面には、一対の発光パネル15が左右に取り付けられており、点検区域の天井面及び壁面全体を照明するようになっている。前側のフレーム部材13には、3台の撮影カメラ16が所定間隔で配置され、いずれも撮影方向が天井面と正対するように取り付けられている。
左右両側のフレーム部材12には、それぞれ1台の撮影カメラ17が取り付けられており、一対の撮影カメラ17の撮影方向は、天井面に正対する方向から所定角度内側に傾斜してそれぞれ天井面を撮影するように上向きに設定されている。
前側のフレーム部材13には、前方に突出するように取り付けられた支持バー18aの先端部に撮影カメラ18が固定されて配置されており、撮影カメラ18の撮影方向は、天井面に正対する方向から所定角度後側に傾斜して天井面を撮影するように上向きに設定されている。後側のフレーム部材13にも、後方に突出するように取り付けられた支持バー18aの先端部に撮影カメラ18が固定されて配置され、撮影方向が前側に所定角度傾斜して天井面を撮影するように上向きに設定されている。
後側のフレーム部材13の左右両端部には一対の撮影カメラ19が固定されて配置されており、後側の一対の支持部材14にはそれぞれ一対の撮影カメラ19が固定されて配置されている。下側に配置されたフレーム部材13に取り付けた左右一対の撮影カメラ19は、撮影方向が壁面と正対する方向に設定されており、上側に配置された支持部材14に取り付けられた左右一対の撮影カメラ19は、撮影方向が所定角度上向きに傾斜して壁面及び天井面の境界を含む領域を撮影するように設定されている。
なお、搭載する撮影カメラの数については、点検区域の広さ、形状等の条件に応じて適宜変更することが可能で、精度が十分確保できる場合には撮影カメラの数を減らすこともできる。
図3は、撮影カメラの撮影領域の設定に関する説明図である。天井面を撮影する上方撮影カメラである3台の撮影カメラ16は、左右方向に間隔Pの距離で等間隔に配置されている。間隔Pは、各撮影カメラの画角αで撮影カメラから天井面Bまでの撮影距離Lとすると、各撮影カメラの撮影領域が隣り合う撮影領域と重複する比率であるラップ率Rが80%以上となるように設定されている。撮影距離Lが点検区域で場所によって異なる距離となる場合には、最短距離でラップ率Rが80%以上となるように間隔Pを設定すればよい。
移動体1を前後方向を移動方向に設定して移動させる場合、1つの撮影ラインにおいて移動方向に間隔P毎に撮影することで、1つの撮影カメラでラップ率80%以上で撮影画像を得ることができる。また、移動方向と直交する左右方向に間隔Pだけ空けて次の撮影ラインを設定することで、隣り合う撮影ラインでの撮影領域がラップ率80%以上で設定することができる。
壁面を撮影する側方撮影カメラである撮影カメラ19についても、上方撮影カメラである撮影カメラ16を同じようにラップ率Rが80%以上となるように設定することが好ましい。天井面の高さが両側の壁面の間の間隔よりも狭い場合には、天井面の撮影距離よりも壁面の撮影距離が長くなるため、天井面に対するラップ率を80%以上に設定することで、壁面に対してもラップ率を80%以上とすることができる。
このように移動方向及び移動方向に直交する左右方向に沿ってマトリクス状に撮影位置を設定して撮影することで、撮影画像のラップ率を確実に80%以上に設定して取得することができ、後述するように、撮影画像を用いた三次元合成画像の生成処理を高精度で行うことが可能となる。そして、撮影方向が傾斜している傾斜撮影カメラの撮影領域を上方撮影カメラ及び側方撮影カメラの撮影領域とラップ率が80%以上となるように設定することで、さらに奥行方向の精度を向上させた三次元合成画像を生成することが可能となる。
また、点検区域には予め基準位置や基準長さ等の座標系を設定するための指標を取り付けておくことが好ましい。指標は平面に近い天井面に取り付けておくことが好ましい。こうした指標を撮影画像に映し込むことで、撮影された指標に基づいて座標系を設定し、座標系を基準に三次元合成画像を精度よく取り込むことが可能となる。
移動体1の移動手段としては、移動方向及び左右方向に沿ってマトリクス状の撮影位置を設定することが可能であればよく、特に限定されない。例えば、移動体1に押し出し棒を移動方向に沿って基台に取り付けることで、手動で移動させることができる。また、移動体1にモータ等の走行駆動機構を搭載して車輪を回転駆動し、GPS等の位置情報を検出して撮影位置を正確に設定することもできる。点検区域の移動条件に合わせて適宜移動手段を選択すればよい。
図4は、構造物点検装置に関する概略ブロック構成図である。情報処理装置2には、処理部20及び入力部21、記憶部22及び表示部23を備えており、処理部20は、移動体1の収納ボックス11、天井面撮影部16~18及び壁面撮影部19からから送信された情報を処理するようになっている。なお、収納ボックス11については、撮影処理する場合の位置情報が送信されるが、移動手段が手動である場合には、位置情報は処理部20において取得するようになる。
処理部20は、設定処理部201、撮影処理部202、画像処理部203及び点検処理部204を備えている。設定処理部201は、入力部21から入力された間隔P、撮影距離L、画角α、撮影方向、指標に関する基準位置及び基準長さ等の設定データを処理して、撮影情報の撮影位置等の付加情報を作成して記憶部22の設定情報DB221に登録処理を行う。撮影処理部202は、天井面撮影部及び壁面撮影部を撮影位置において一斉に撮影動作を行うように制御するとともに撮影部から送信された撮影画像を取得して必要な画質等の補正処理を行う。そして、取得した撮影画像について撮影位置との関連付けを行い、記憶部22の撮影情報DB222に保存処理を行う。
画像処理部203は、撮影情報DB222から必要な撮影画像を読み出し、静止している被写体を多視点から撮影した画像データに基づいて公知のSfM(Structure from Motion)処理により画像特徴点の三次元分布を推定して三次元合成画像を生成する。例えば、市販のソフトウェア(例えば、Bentley Systems社製ContextCapture)により高解像度の三角メッシュを出力して継ぎ目なく合成画像を再構築して出力することができる。そして、撮影方向及び撮影距離に基づいて被写体の位置情報を算出して被写体の位置合せを高精度で行うことが可能となる。
また、撮影画像に映し込んだ指標に関する画像データをSfM処理することで、座標系と関連付けて合成画像を構築することができ、高精度の三次元合成画像を生成することが可能となる。例えば、指標としてL字定規を取り付けておくことで、L字定規の端部及び中央の角部の3点をタイポイントに設定して基準となる座標系を設定できる。例えば、中央の角部とそれぞれの端部を結ぶ直交する2方向をXY方向に設定し、角部とそれぞれの端部との間の距離を設定すれば、三次元合成画像における距離、面積及び体積を正確に算出することができる。
画像処理部203において生成された三次元合成画像は、画像情報DB223に保存される。
点検処理部204は、画像情報DB223から点検を行う箇所の三次元合成画像を読み出して表示部23に表示し、ひび割れ、剥離等の目視での点検作業を行う。点検処理では、例えば、問題のある個所を拡大表示し、表示されたひび割れのポイントを指示することで、位置、長さ、幅等の点検情報を正確に算出することができ、表示された剥離の領域を指示することで、面積、深さ等の点検情報を正確に算出することができる。
また、点検区域全体を三次元で画像表示することができ、全体を俯瞰的に点検することが可能となる。例えば、天井面全体の断面形状を表示することで、全体的な剥落の状態を一目で点検することができる。
以上のような局所的な点検及び全体的な点検について三次元合成画像を表示処理することで、行うことができる。得られた点検情報は、記憶部22の点検情報DB224に保存する。
点検処理により得られたデータに基づいて補修の有無の判定及び補修作業に必要な設計データを算出することができる。
図5は、構造物点検装置による点検区域以外の点検区域を撮影する携帯用撮影装置に関する外観斜視図である。この例では、橋梁等の下面を構造物点検装置で撮影した場合に橋梁の上面を作業者が撮影する際に用いられる仕様となっている。携帯用撮影装置3は、電源及び通信機器等の装置を内蔵する装置本体部30、装置本体部30の両側に並行して取り付けられた一対の支持バー31、支持バー31に所定の間隔を置いて上下方向に配列された4台の撮影カメラ32~35を備えている。撮影カメラ32~35は、撮影方向が調整可能となるように上下方向に回動可能に取り付けられている。
撮影カメラ32~35は、構造物点検装置に搭載された撮影カメラと同様に、ラップ率が80%以上となるように撮影方向を角度調整されており、この例では、撮影カメラ32の撮影方向がほぼ水平方向に設定されており、撮影カメラ32より上側の撮影カメラの撮影方向は下向きに傾斜して設定され、下側の撮影カメラの撮影方向は上向きに傾斜して設定されている。
なお、撮影カメラの台数、配置レイアウト及び撮影方向については、点検対象物に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
作業者Mは、支持バー31を把持して所定の撮影位置に移動して撮影を行うようになっており、撮影位置はラップ率が80%となる間隔で設定すればよい。また、構造物点検装置の移動部に搭載された撮影カメラの撮影位置に対して、ラップ率が80%以上となるように撮影位置を設定しておけば、継ぎ目なく撮影情報を得ることができる。
各撮影カメラから得られた撮影情報は、装置本体部30から情報処理装置2に送信されて、構造物点検装置の撮影情報と同様に画像処理及び点検処理が行うことができる。そのため、構造物全体について三次元合成画像を生成して構造物全体を俯瞰した点検処理を行うことが可能となる。
図6は、構造物点検装置の処理フローである。設定処理では、上述したように、撮影に関する設定データ及び基準となる座標系に関する設定データ等について入力部21より入力して設定処理が行われる(S100)。そして、設定された撮影に関するデータに基づいて撮影が行われて得られた撮影情報が情報処理装置2に送信される(S101)。図7は、点検対象の橋梁に対して撮影を行う様子を示す写真である。図7(a)では、移動部に搭載された撮影カメラを橋梁の下部の点検区域に移動させる様子を示しており、図7(b)では、橋梁の上部を携帯用撮影装置により撮影する様子を示している。
得られた撮影情報は情報処理装置2において画像処理されて三次元合成画像が生成される(S102)。図8は、生成された三次元合成画像に関する画面表示例である。図8(a)では、三次元合成画像に基づいて点検対象の橋梁全体を上側から俯瞰して画面表示しており、図8(b)では、橋梁全体を下側から俯瞰して画面表示している。図8(c)では、橋梁の下部の天井面において剥離した部分を拡大して画面表示している。
生成された三次元合成画像に基づいて点検処理を行う(S103)。点検処理では、図8(a)及び図8(b)に示すように、点検対象の全体を俯瞰した画面表示により全体的な損傷状態を点検することができる。また、図8(c)に示すように、剥離した部分の外周縁を囲む線を描画して、描画した領域の面積を算出することが可能となる。
図9は、橋梁の点検処理の一例を示す画面表示例である。この例では、まず、点検対象の橋梁の上面全体を画面表示して損傷個所にマーキング等を描画する処理が行われる(図9(a))。そして、損傷個所の形状、サイズ等の寸法、面積といった定量的な分析を行う。次に、橋梁の断面処理が行われ、橋梁の断面形状に沿って白線を描画する処理が行われる(図9(b))。断面形状を断面に対して直交する方向から見た画面を拡大表示することで、損傷個所を一目で認識することができる(図9(c))。また、断面形状を斜め方向から見た画面を表示することで、橋梁の上面側及び下面側の画像を重ね合せて表示することができる。こうした画面表示を確認することで、上面側と下面側との間で損傷個所の関連性を容易に認識することができ、橋梁内部の損傷及び劣化の程度を把握することが可能となる、
このように様々な視点から点検処理を行うことで、補修処理を検討する場合の有用な情報を得ることができる。また、点検対象となる構造物の設計データに基づいて三次元形状データを予め生成して、構造物点検装置で生成された点検区域の三次元合成画像と組み合わせることで、さらに正確な点検情報を得ることができる。そして、定期的に点検情報を取得して蓄積することで、経年劣化を定量的に分析することも可能となり、より正確な点検作業を行うことができる。
図10は、コンクリート試験体を用いた点検処理の試験に関する様子を示す写真である。コンクリート試験体は、縦1,860mm×横1,000mm×厚さ230mmの矩形状に切り出されたものを3種類用いた。コンクリート試験体は、いずれも多数のひび割れが形成されており、その中で395箇所についてノギスにより長さを測定して実測値を得た。
コンクリート試験体は、図10に示すように、両側を支持台に設置し、下面側に移動部を移動させて、搭載された撮影カメラの撮影距離を測定し、ラップ率が80%以上となる撮影カメラ間隔を設定し、必要な設定データを入力した。そして、設定された撮影位置に移動して7台の撮影カメラ(天井面正対3台、天井面斜対2台、壁面正対2台)により撮影処理を行った。撮影された撮影画像は500枚であった。図11は、撮影画像の一例を示している。この例では、コンクリート試験体の下面側を斜め方向から見た撮影画像(図11(a))及び正対する方向から見た撮影画像(図11(b))を示している。撮影画像には、コンクリート試験体の下面に貼り付けたL字定規が映り込んでおり、基準となる座標系の方向及び寸法を設定するようになっている。
取得した撮影画像は情報処理装置(Bentley Systems社製ContextCaptureをインストール済)に送信されて三次元合成画像が生成される。図12は、三次元合成画像を表示した画面表示例を示している。得られた三次元合成画像に基づいて測定されたひび割れ箇所について長さを算出し、実測値との誤差について、実測値に対する誤差の比率を誤差率(%)として求めた。誤差率の平均値は1.39%で、標準偏差は0.79%であった。全体の誤差率がほぼ3%以内であることから、定量的な点検処理に十分対応できる結果であった。
1・・・移動体、2・・・情報処理装置、3・・・携帯用撮影装置、10・・・基台、11・・・収納ボックス、12・・・フレーム部材、13・・・フレーム部材、14・・・支持部材、15・・・発光パネル、16・・・上方撮影カメラ、17,18・・・傾斜撮影カメラ、19・・・側方撮影カメラ及び傾斜撮影カメラ、20・・・処理部、21・・・入力部、22・・・記憶部、23・・・表示部、30・・・装置本体、31・・・支持バー、32~35・・・撮影カメラ

Claims (5)

  1. 構造物の点検区域の天井面及び壁面を撮影して点検する構造物点検装置であって、基台を備えているとともに前記点検区域において所定の移動方向に移動する移動部と、前記移動方向と直交する左右方向に所定間隔で配列した複数の上方撮影カメラを前記天井面の撮影領域に対して正対する撮影方向で前記基台に取り付けるとともに複数の傾斜撮影カメラを前記天井面の撮影領域に対して所定角度で傾斜した撮影方向で前記基台に取り付けた天井面撮影部と、前記基台の左右両側に配列した複数の側方撮影カメラを前記壁面の撮影領域に対して正対する方向で取り付けるとともに前記基台の左右両側に複数の別の傾斜撮影カメラを前記壁面の撮影領域に対して所定角度で傾斜した撮影方向で取り付けた壁面撮影部と、前記天井面撮影部及び前記壁面撮影部から取得した撮影画像に基づいて前記点検区域の三次元合成画像を生成する画像処理部と、生成された前記三次元合成画像に基づいて点検情報を取得する点検処理部とを備えている構造物点検装置。
  2. 前記移動部は、前記上方撮影カメラの配列間隔と同じ間隔で設定された前記移動方向に沿う複数の撮影ラインを移動する請求項1に記載の構造物点検装置。
  3. 前記画像処理部は、前記上方撮影カメラと天井面との間の撮影距離及び前記上方撮影カメラの天井面の撮影領域におけるラップ率、前記側方撮影カメラと壁面との間の撮影距離及び前記側方撮影カメラ同士の壁面の撮影領域におけるラップ率、並びに前記移動方向に沿う複数の撮影ラインの間隔に基づいて三次元合成画像を生成する請求項2に記載の構造物点検装置。
  4. 前記点検処理部は、前記点検区域の外面を撮影して得られた三次元合成画像及び前記点検区域の三次元合成画像に基づいて点検情報を取得する請求項1から3のいずれかに記載の構造物点検装置。
  5. 前記点検処理部は、前記点検区域の設計データに基づいて生成された三次元形状データ及び前記点検区域の三次元合成画像に基づいて点検情報を取得する請求項1から4のいずれかに記載の構造物点検装置。
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