以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る映像収録再生装置10を備える映像送出システムの構成例を示す模式図である。図1に示す映像送出システムは、映像収録再生装置10、ビデオカメラ20、再生デッキ30、ノンリニア編集機40、操作端末50、映像確認用モニタ60及び放送設備70を備える。
ビデオカメラ20は、撮影により取得した映像信号を映像収録再生装置10へ出力する。
再生デッキ30には、映像データ又は映像ファイルが記録された映像記録メディア31が挿入される。映像データとは、映像信号が予め設定された所定の符号化方式により符号化されたものであり、映像ファイルとは、映像データが例えば、MXF(Material eXchange Format)等のファイル形式に変換されたものである。再生デッキ30は、映像記録メディア31から映像データ又は映像ファイルを読み出し、映像信号に変換して映像収録再生装置10へ出力する。
ノンリニア編集機40は、ユーザからの要求に従い、映像収録再生装置10に蓄積されている映像ファイルを読み出す。ユーザは、ノンリニア編集機40により、読み出した映像ファイルを編集する。ノンリニア編集機40は、編集済みの映像ファイルを映像収録再生装置10へ出力する。
操作端末50は、ユーザからのコマンドを受け付け、受け付けたコマンドを映像収録再生装置10へ出力する。ここで、ユーザが入力するコマンドには、映像信号の収録処理、映像ファイルの収録処理、映像信号の再生処理、映像ファイルの出力処理、及び、リビルド処理等を要求するコマンドがある。なお、リビルド処理とは、映像収録再生装置10内の記憶部に搭載される複数の記録部のいずれかを交換した際に、交換対象の記録部以外に記録されるデータに基づき、交換前の記録部に記録されていたデータを、交換後の記録部に復元することで、交換前の複数の記憶部に記録されていた映像データ又は映像ファイルを再構築する処理をいう。
映像確認用モニタ60は、映像収録再生装置10に蓄積される映像データ又は映像ファイルが再生された映像信号を受信する。映像確認用モニタ60は、映像収録再生装置10からの映像信号を表示する。ユーザは、映像確認用モニタ60の表示を見て、編集処理の必要性等を確認する。
放送設備70は、映像収録再生装置10に蓄積されている映像データ又は映像ファイルが再生された映像信号を受信する。放送設備70は、映像収録再生装置10からの映像信号を、放送サービスを提供するエリアへ向けて放送配信をする。
図2は、本実施形態に係る映像収録再生装置10の機能構成を示すブロック図である。図2に示す映像収録再生装置10は、収録部11、記憶部12、再生部14、主制御部15及び出力部13を具備する。なお、図2に示す映像収録再生装置10には、収録部11、再生部14及び出力部13が、それぞれ複数ずつ備えられている。収録部11、記憶部12、再生部14、主制御部15及び出力部13は、バス又はネットワーク等により接続される。
収録部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが処理を実行するためのプログラムやデータの格納領域等を含むROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等とを備える。収録部11は、CPUにプログラムを実行させる収録処理部111を有する。
収録処理部111は、主制御部15から映像信号の収録要求が与えられると、予め設定された符号化方式を用い、外部から供給される映像信号を映像データに変換する。予め設定された符号化方式とは、例えば、MPEG2(Moving Picture Experts Group 2)方式等である。収録処理部111は、映像データを記憶部12へ出力する。
また、収録処理部111は、主制御部15から映像ファイルの収録要求が与えられると、外部から供給される映像ファイルを解析し、解析後の映像ファイルを記憶部12へ出力する。
再生部14は、例えば、CPUと、CPUが処理を実行するためのプログラムやデータの格納領域等を含むROM及びRAM等とを備え、CPUにプログラムを実行させる再生処理部141を有する。
この再生処理部141は、主制御部15から再生要求が与えられると、記憶部12から供給される映像データを、収録部11での符号化方式に対応させて復号化し、映像信号に変換する。また、再生処理部141は、再生要求が与えられると、記憶部12から供給される映像ファイルを映像信号に変換する。再生処理部141は、変換後の映像信号を外部へ出力する。
出力部13は、例えば、CPUと、CPUが処理を実行するためのプログラムやデータの格納領域等を含むROM及びRAM等とを備え、CPUにプログラムを実行させる出力処理部131を有する。
この出力処理部131は、主制御部15から映像ファイルの出力要求が与えられると、記憶部12から供給される映像ファイルを外部へ出力する。
主制御部15は、例えば、CPUと、CPUが処理を実行するためのプログラムやデータの格納領域等を含むROM及びRAM等とを備え、CPUにプログラムを実行させる主制御処理部151と、メモリ152を有し、映像収録再生装置10における映像信号の収録処理、映像ファイルの収録処理、再生処理、出力処理及びリビルド処理等を制御する。
図3は、本実施形態に係る主制御処理部151の機能構成と、メモリ152に記録される情報とを示すブロック図である。図3に示す主制御処理部151は、制御受付部1511、メイン処理部1512及びリソース管理部1513を備える。また、図3に示すメモリ152は、構成管理情報テーブル及びリソース管理情報テーブルを記録する。
図4は、メモリ152に記録される構成管理情報テーブルの例を示す図である。ここでは簡略化のため、各種リソースの運用に必要な情報は概要を記載している。図4に示される構成管理情報テーブルでは、映像信号の収録処理、映像ファイルの収録処理、再生処理、出力処理及びリビルド処理等に必要な情報が、構成機器毎に管理される。
図5は、メモリ152に記録されるリソース管理情報テーブルの例を示す図である。図5に示されるリソース管理情報テーブルでは、記憶部12について、現在実行中の処理、実行中の処理の開始時刻及び使用帯域等が管理される場合を例に示す。主制御処理部151は、記憶部12の最大使用可能帯域から現在実行中の処理で使用している帯域を引いた残帯域を計算する。主制御処理部151は、計算した残帯域を参照し、同時に実行できる処理を管理する。
制御受付部1511は、操作端末50又は上位装置(図示せず)から入力されたコマンドを受け取り、受け取ったコマンドをメイン処理部1512へ出力する。
また、制御受付部1511は、メイン処理部1512から応答メッセージを受け取ると、受け取った応答メッセージを操作端末50又は上位装置へ出力する。
メイン処理部1512は、制御受付部1511から供給されるコマンドを受け取ると、受け取ったコマンドにより指定される処理要求が何かを判断する。
メイン処理部1512は、コマンドに基づいて得られた処理要求が、映像信号の収録要求、映像ファイルの収録要求、再生要求、出力要求又はリビルド要求である場合、映像信号の収録処理、映像ファイルの収録処理、再生処理、出力処理又はリビルド処理を実施する際に使用可能なリソースを、リソース管理部1513に対して要求する。なお、リソースとは、記憶部12の書込み速度、読出し速度及び記憶部12自体の処理能力と、バス又はネットワークのデータ転送能力等とに基づいて決められる、映像収録再生装置10が処理を実行する際に必要となる資源のことである。
メイン処理部1512は、リソース管理部1513から、映像信号の収録処理において使用可能な収録部11と、使用可能な記憶部12とについての情報を受け取ると、制御受付の応答メッセージを作成する。メイン処理部1512は、作成した応答メッセージを制御受付部1511へ出力する。メイン処理部1512は、収録部11及び記憶部12へ映像信号の収録要求を出力することで、記憶部12に映像データを収録する。
メイン処理部1512は、リソース管理部1513から、映像ファイルの収録処理において使用可能な収録部11と、使用可能な記憶部12とについての情報を受け取ると、制御受付の応答メッセージを作成する。メイン処理部1512は、作成した応答メッセージを制御受付部1511へ出力する。メイン処理部1512は、収録部11及び記憶部12へ映像ファイルの収録要求を出力することで、記憶部12に映像ファイルを収録する。
メイン処理部1512は、リソース管理部1513から、再生処理において使用可能な再生部14と、使用可能な記憶部12とについての情報を受け取ると、制御受付の応答メッセージを作成する。メイン処理部1512は、作成した応答メッセージを制御受付部1511へ出力する。メイン処理部1512は、再生部14及び記憶部12へ再生要求を出力することで、記憶部12から映像データを読み出し、再生部14から再生する。
メイン処理部1512は、リソース管理部1513から、出力処理において使用可能な出力部16と、使用可能な記憶部12とについての情報を受け取ると、制御受付の応答メッセージを作成する。メイン処理部1512は、作成した応答メッセージを制御受付部1511へ出力する。メイン処理部1512は、出力部13及び記憶部12へ出力要求を出力することで、記憶部12から映像ファイルを読み出し、出力部13から出力する。
メイン処理部1512は、リソース管理部1513から、リビルド処理のために使用可能なリソースについての情報を受け取ると、制御受付の応答メッセージを作成する。メイン処理部1512は、作成した応答メッセージを制御受付部1511へ出力する。メイン処理部1512は、記憶部12へリビルド要求を出力することで、記憶部12に記憶されている素材データ又は素材ファイルを再構築する。
また、メイン処理部1512は、リソース管理部1513から、記憶部12に対するリビルド処理を実行するためのリソースがない旨の情報を受け取った場合、リビルド待ちであることを制御受付部1511を介して操作端末50又は上位装置へ出力する。
メイン処理部1512は、実行中のリビルド処理のために映像信号の収録処理又は再生処理が実行できない旨の情報を、リソース管理部1513から受け取った場合、実行中のリビルド処理を一時停止する要求を記憶部12へ出力する。メイン処理部1512は、リビルド処理に割り当てられている記憶部12のリソースを解放する。メイン処理部1512は、記憶部12のリソースを解放したことをリソース管理部1513へ通知する。
メイン処理部1512は、映像信号の収録処理又は再生処理が終了した旨の終了通知を受けた場合、リビルド待ちとなっているリビルド処理を開始させるのに使用可能なリソースを、リソース管理部1513に対して要求する。また、メイン処理部1512は、映像信号の収録処理又は再生処理が終了した場合、リビルド一時停止となっているリビルド処理を再開させるのに使用可能なリソースを、リソース管理部1513に対して要求する。
リソース管理部1513は、メイン処理部1512から映像信号又は映像ファイルの収録要求に応じたリソース要求を受けると、メモリ152に記録されている構成管理情報テーブル及びリソース管理情報テーブルを参照し、収録部11のうち使用可能な収録部と、記憶部12において使用可能なリソースとを取得する。リソース管理部1513は、使用可能な収録部と、記憶部12において使用可能なリソースとについての情報をメイン処理部1512へ出力する。
リソース管理部1513は、メイン処理部1512から再生要求に応じたリソース要求を受けると、メモリ152に記録されている構成管理情報テーブル及びリソース管理情報テーブルを参照し、再生部14のうち使用可能な再生部と、記憶部12において使用可能なリソースとを取得する。リソース管理部1513は、使用可能な再生部と、記憶部12において使用可能なリソースとについての情報をメイン処理部1512へ出力する。
また、リソース管理部1513は、メイン処理部1512から映像信号の収録要求又は再生要求に応じたリソース要求を受けたが、リビルド処理が実行されているために収録要求又は再生要求へ割り当てるリソースがない場合、実行中のリビルド処理のために収録要求又は再生要求が実行できない旨の情報をメイン処理部1512へ出力する。リソース管理部1513は、メイン処理部1512から、リビルド処理に割り当てられていたリソースを解放したことが通知されると、リソース管理情報テーブルを更新する。リソース管理部1513は、構成管理情報テーブル及び更新後のリソース管理情報テーブルを参照し、収録部11のうち使用可能な収録部及び記憶部12において使用可能なリソース、又は、再生部14のうち使用可能な再生部及び記憶部12において使用可能なリソースを取得する。リソース管理部1513は、使用可能な収録部及び記憶部12において使用可能なリソース、又は、使用可能な再生部及び記憶部12において使用可能なリソースについての情報をメイン処理部1512へ出力する。
リソース管理部1513は、メイン処理部1512から出力要求に応じたリソース要求を受けると、メモリ152に記録されている構成管理情報テーブル及びリソース管理情報テーブルを参照し、出力部16のうち使用可能な収録部と、記憶部12において使用可能なリソースとを取得する。リソース管理部1513は、使用可能な出力部と、記憶部12において使用可能なリソースとについての情報をメイン処理部1512へ出力する。
リソース管理部1513は、メイン処理部1512からリビルド要求に応じたリソース要求を受けると、メモリ152に記録されている構成管理情報テーブル及びリソース管理情報テーブルを参照し、記憶部12に対してリビルド処理を実行するためのリソースを取得する。リソース管理部1513は、記憶部12において使用可能なリソースについての情報をメイン処理部1512へ出力する。記憶部12に対してリビルド処理を実行するためのリソースが十分にない場合、リソース管理部1513は、記憶部12に対するリビルド処理を実施するためのリソースがない旨の情報をメイン処理部1512へ出力する。
記憶部12は、記録制御部121及び記録部122−1〜122−Mを備える。
記録制御部121は、例えば、CPUと、CPUが処理を実行するためのプログラムやデータの格納領域等を含むROM及びRAM等とを備え、記録制御部121は、CPUにプログラムを実行させることで、第1の記録処理部1211及びメモリ1212を有する。
第1の記録処理部1211は、主制御部15から映像信号又は映像ファイルの収録要求が与えられると、収録部11から出力された映像データ又は映像ファイルを、RAID(Redundant Arrays of Independent Disks)と呼ばれる冗長化方式を用いて、記録部122−1〜122−Mに記録させる。第1の記録処理部1211は、映像信号又は映像ファイルの収録処理が終了すると、終了通知を主制御部15へ出力する。
第1の記録処理部1211は、主制御部15から再生要求が与えられると、RAID方式を利用して記録部122−1〜122−Mから映像データ又は映像ファイルを読み出す。第1の記録処理部1211は、読み出した映像データ又は映像ファイルを再生部14へ出力する。第1の記録処理部1211は、再生処理が終了すると、終了通知を主制御部15へ出力する。
図6は、第1の記録処理部1211がRAID方式を用いて、収録部11から供給される映像データを収録する処理、及び、記録部122−1〜122−5から読み出した映像データを再生部14へ出力する処理を説明する図である。図6では、記憶部12が記録部122−1〜122−5を備えるものとして説明する。
第1の記録処理部1211は、収録部11から映像データ「ABCD」を受け取ると、受け取った映像データを分割データA,B,C,Dに分割する。第1の記録処理部1211は、分割データA,B,C,Dを作成すると、分割データA,B,C,Dを復元するための冗長データであるパリティデータを作成する。第1の記録処理部1211は、分割データA,B,C,Dと、パリティデータとを記録部122−1〜122−5へそれぞれ出力する。第1の記録処理部1211は、収録部11から供給される映像データに対して上記処理を繰り返し、4個の分割データと、1個のパリティデータとを並列して記録部122−1〜122−5へ出力する。
また、第1の記録処理部1211は、記録部122−1〜122−5から分割データA,B,C,Dと、パリティデータとが読み出されると、分割データA,B,C,Dを結合して映像データ「ABCD」を構築する。第1の記録処理部1211は、結合した映像データ「ABCD」を、再生部14へ出力する。
図7は、記録部122−2の一部のメモリブロックが故障し、記録部122−2からデータの読み出しができない場合の、第1の記録処理部1211の処理を説明する図である。
図7において、記録部122−2が故障しているため、記録部122−2からは分割データBを読み出すことができない。一方、記録部122−1,122−3〜122−5からは、分割データA,C,Dと、パリティデータとが読み出される。第1の記録処理部1211は、分割データA,C,Dと、パリティデータとに基づいて分割データBを復元する。第1の記録処理部1211は、分割データA,C,Dと、復元した分割データBとを結合して映像データ「ABCD」を作成する。第1の記録処理部1211は、作成した映像データ「ABCD」を再生部14へ出力する。
第1の記録処理部1211は、主制御部15からリビルド要求が与えられると、交換前の記録部に記録されていたデータを復元し、復元したデータを交換後の記録部に記録する。
図8は、記録部122−2を交換した場合に、第1の記録処理部1211が、記録部122−1,122−3〜122−5に記録される分割データA,C,D及びパリティデータから、交換後の記録部122−2に交換前の分割データBを復元する処理を説明する図である。
第1の記録処理部1211は、主制御部15から通知される素材ID、先頭フレーム番号及びフレーム長を交換対象以外の記録部122−1,122−3〜122−5へ通知し、記録部122−1,122−3〜122−5から並列して分割データA,C,D及びパリティデータを読み出す。第1の記録処理部1211は、記録部122−1,122−3〜122−5から読み出される分割データA,C,D及びパリティデータを受け取り、分割データA,C,D及びパリティデータに基づいて、交換前の記録部に記録されていた分割データBを復元する。第1の記録処理部1211は、交換後の記録部122−2に、復元した分割データBを記録させる。
第1の記録処理部1211は、主制御部15から出力要求が与えられると、RAID方式を利用して記録部122−1〜122−Mから映像ファイルを読み出す。第1の記録処理部1211は、読み出した映像ファイルを出力部13へ出力する。第1の記録処理部1211は、出力処理が終了すると、終了通知を主制御部15へ出力する。
記録部122−1〜122−Mは、例えば、CPUと、CPUが処理を実行するためのプログラムやデータの格納領域等を含むROM及びRAM等とを備え、CPUにプログラムを実行させる第2の記録処理部1221をそれぞれが有する。また、記録部122−1〜122−Mは、それぞれが記録媒体1222を具備する。ここでは記録部122−1について説明するが、記録部122−2〜122−Mの動作は記録部122−1と同様である。
第2の記録処理部1221は、記録制御部121から供給される分割データ又はパリティデータを記録媒体1222に記録する。
また、第2の記録処理部1221は、記録制御部121から再生のための読出し要求が与えられると、記録媒体1222から分割データ又はパリティデータを読み出す。第2の記録処理部1221は、読み出した分割データ又はパリティデータを記録制御部121へ出力する。
次に、以上のように構成された映像収録再生装置10のリビルド処理を詳細に説明する。図9は、本実施形態に係る映像収録再生装置10がリビルド処理を実行する際の主制御部15の処理手順を示すフローチャートである。
まず、メイン処理部1512は、制御受付部1511を介してリビルド要求を受信する(ステップS91)。メイン処理部1512は、記憶部12に対してリビルド処理を実行するのに使用可能なリソースを、リソース管理部1513に対して要求する(ステップS92)。
リソース管理部1513は、メイン処理部1512からリソース要求を受けると、メモリ152に記録されている構成管理情報テーブル及びリソース管理情報テーブルを参照し、記憶部12に対してリビルド処理を実施するためのリソースがあるか否かを判断する(ステップS93)。リソースがある場合(ステップS93のYes)、リソース管理部1513は、リビルド処理のために使用可能なリソースについての情報をメイン処理部1512へ出力すると共に、リソース管理情報テーブルの記憶部12についての実行中機能を「リビルド中」とする(ステップS94)。記憶部12に対してリビルド処理を実施するためのリソースがない場合(ステップS93のNo)、リソース管理部1513は、記憶部12に対するリビルド処理を実施するためのリソースがない旨の情報をメイン処理部1512へ出力すると共に、リソース管理情報テーブルの記憶部12についての実行中機能を「リビルド待ち」とする(ステップS95)。
メイン処理部1512は、ステップS94において、リソース管理部1513から、リビルド処理のために使用可能なリソースについての情報を受け取ると、記憶部12へリビルド要求を出力することで、記憶部12にリビルド処理を開始させ(ステップS96)、処理を終了させる。
メイン処理部1512は、ステップS95において、リソース管理部1513から、リビルド処理のために使用可能なリソースがない旨の情報を受け取ると、記憶部12にリビルド処理の開始要求があるまで待機させ(ステップS97)、処理を終了する。
図10は、本実施形態に係る映像収録再生装置10が再生処理を実行する際の主制御部15の処理手順を示すフローチャートである。なお、主制御部15は、映像収録再生装置10が映像信号の収録処理を実行する際も同様の処理を行う。
まず、メイン処理部1512は、制御受付部1511を介して再生要求を受信する(ステップS101)。メイン処理部1512は、再生処理に使用可能な再生部14と、記憶部12について使用可能なリソースとをリソース管理部1513に要求する(ステップS102)。
リソース管理部1513は、メイン処理部1512からリソース要求を受けると、メモリ152に記録されている構成管理情報テーブル及びリソース管理情報テーブルを参照し、再生部14のうち使用可能な再生部と、記憶部12について使用可能なリソースとがあるか否かを判断する(ステップS103)。使用可能な再生部と、記憶部12について使用可能なリソースとがある場合(ステップS103のYes)、リソース管理部1513は、使用可能な再生部と、記憶部12について使用可能なリソースとについての情報をメイン処理部1512へ出力すると共に、リソース管理情報テーブルの記憶部12について使用可能なリソースの実効中機能を「再生」とする(ステップS104)。使用可能な再生部と、記憶部12について使用可能なリソースとがない、つまり、リソースが足りない場合(ステップS103のNo)、リソース管理部1513は、記憶部12のうち実行中機能が「リビルド中」であるリソースがあるか否かを判断する(ステップS105)。
実行中機能が「リビルド中」であるリソースがある場合(ステップS105のYes)、リソース管理部1513は、実行中機能が「リビルド中」であるリソースについての情報をメイン処理部1512へ通知すると共に、このリソースについての実行中機能を「リビルド一時停止」とする(ステップS106)。実行中機能が「リビルド中」であるリソースがない場合(ステップS105のNo)、リソース管理部1513は、処理を終了させる。
メイン処理部1512は、ステップS106において、リソース管理部1513から実行中機能が「リビルド中」であるリソースについての情報を受けると、このリソースを用いて実行されているリビルド処理を停止させることで、リビルド処理に割り当てられているリソースを解放し(ステップS107)、処理をステップS104へ移行する。
メイン処理部1512は、ステップS104において、使用可能な再生部と、記憶部12について使用可能なリソースとについての情報をリソース管理部1513から受け取ると、使用可能な再生部及び使用可能な記憶部へ再生要求を出力し(ステップS108)、処理を終了させる。
図11A,Bは、本実施形態に係る映像収録再生装置10がリビルド待ちになっていたリビルド処理を開始する際、及び、リビルド一時停止になっているリビルド処理を再開する際の主制御部15の処理手順を示すフローチャートである。なお、図11A,Bでは、再生処理が終了した場合を例に説明するが、映像信号の収録処理が終了した場合を例にしても構わない。
まず図11Aにおいて、メイン処理部1512は、再生処理の終了通知を受け取る(ステップS111)。メイン処理部1512は、受け取った終了通知をリソース管理部1513へ出力する。
リソース管理部1513は、リソース管理情報テーブルを参照し、記憶部12の状態がリビルド待ちとなっているか否かを判断する(ステップS112)。記憶部12の状態がリビルド待ちとなっている場合(ステップS112のYes)、リソース管理部1513は、記憶部12の状態がリビルド待ちとなっていることをメイン処理部1512へ通知する(ステップS113)。記憶部12の状態がリビルド待ちとなっていない場合(ステップS112のNo)、リソース管理部1513は、「A」へ移行し、記憶部12の状態がリビルド一時停止となっているか否かを判断する(図11BにおけるステップS114)。
ステップS113において、メイン処理部1512は、リソース管理部1513から、記憶部12の状態がリビルド待ちとなっている旨の通知を受けると、リビルド待ちとなっているリビルド処理を実行するのに使用可能なリソースを、リソース管理部1513に対して要求する(ステップS115)。
リソース管理部1513は、メイン処理部1512からリソース要求を受けると、メモリ152に記録されている構成管理情報テーブル及びリソース管理情報テーブルを参照し、リビルド待ちとなっているリビルド処理を実施するためのリソースがあるか否かを判断する(ステップS116)。リソースがある場合(ステップS116のYes)、リソース管理部1513は、リビルド待ちとなっているリビルド処理のために使用可能なリソースについての情報をメイン処理部1512へ出力すると共に、リソース管理情報テーブルの実行中機能を「リビルド待ち」から「リビルド中」へ更新する(ステップS117)。リビルド待ちとなっているリビルド処理を実施するためのリソースがない場合(ステップS116のNo)、リソース管理部1513は、リビルド待ちとなっているリビルド処理を実施するためのリソースがない旨の情報をメイン処理部1512へ出力する(ステップS118)。
メイン処理部1512は、ステップS117において、リソース管理部1513から、リビルド処理のために使用可能なリソースについての情報を受け取ると、リビルド待ちの対象となっている記憶部12へリビルド要求を出力することで、記憶部12にリビルド処理を開始させる(ステップS119)。
続いて、メイン処理部1512は、上位装置/操作端末50へ再生処理が終了したことを通知し(ステップS1110)、処理を終了させる。
図11Bに示すステップS114において、記憶部12の状態がリビルド一時停止となっている場合(ステップS114のYes)、リソース管理部1513は、記憶部12の状態がリビルド一時停止となっていることをメイン処理部1512へ通知する(ステップS1111)。記憶部12の状態がリビルド一時停止となっている場合(ステップS114のNo)、リソース管理部1513は、記憶部12の状態がリビルド一時停止となっていないことをメイン処理部1512へ通知し(ステップS1112)、「B」から図11Aに示すステップS1110の処理へ移行する。
ステップS1111において、メイン処理部1512は、リソース管理部1513から、記憶部12の状態がリビルド一時停止となっている旨の通知を受けると、リビルド一時停止となっているリビルド処理を実行するのに使用可能なリソースを、リソース管理部1513に対して要求する(ステップS1113)。
リソース管理部1513は、メイン処理部1512からリソース要求を受けると、メモリ152に記録されている構成管理情報テーブル及びリソース管理情報テーブルを参照し、リビルド一時停止となっているリビルド処理を実施するためのリソースがあるか否かを判断する(ステップS1114)。リソースがある場合(ステップS1114のYes)、リソース管理部1513は、リビルド一時停止となっているリビルド処理のために使用可能なリソースについての情報をメイン処理部1512へ出力すると共に、リソース管理情報テーブルの実行中機能を「リビルド一時停止」から「リビルド中」へ更新する(ステップS1115)。リビルド一時停止となっているリビルド処理を実行するためのリソースがない場合(ステップS1114のNo)、リソース管理部1513は、リビルド一時停止となっているリビルド処理を実行するためのリソースがない旨の情報をメイン処理部1512へ出力し(ステップS1116)、「B」から図11Aに示すステップS1110の処理へ移行する。
メイン処理部1512は、ステップS1115において、リソース管理部1513から、リビルド処理のために使用可能なリソースについての情報を受け取ると、リビルド一時停止の対象となっている記憶部12へリビルド要求を出力することで、記憶部12にリビルド処理を再開させ(ステップS1117)、「B」から図11Aに示すステップS1110の処理へ移行する。
以上のように、本実施形態では、主制御部15は、リビルド処理を実行している際に、リアルタイム性を要する処理要求、例えば、映像信号の収録要求又は再生要求を受信しても、リアルタイム性を要する処理を実行するのに十分なリソースがない場合、実行中のリビルド処理を一時停止する。すなわち、主制御部15は、リアルタイム性を要する処理を、リビルド処理よりも優先して実行するようにしている。これにより、RAID方式を利用してリビルド処理を実行している場合であっても、同時に再生できるチャンネルが減少し、再生要求が来てもエラーとなり再生できないチャンネルが発生する事態を避けることが可能となる。また、同時に収録できるチャンネルが減少し、映像信号の収録要求が来てもエラーとなり収録できないチャンネルが発生する事態を避けることが可能となる。
また、本実施形態では、主制御部15は、リアルタイム性を要する処理が終了すると、リソースに空きが出た段階で一時停止していたリビルド処理を再開するようにしている。また、主制御部15は、リアルタイム性を要する処理が終了すると、リソースに空きが出た段階でリビルド待ちしていたリビルド処理を開始するようにしている。これにより、他のリアルタイム性を要する処理が並行して実行されている場合であっても、リソースに空きがあればリビルド処理を開始又は再開することが可能となる。
したがって、本実施形態に係る映像収録再生装置によれば、映像収録再生装置に特有な処理に影響を及ぼさずに、RAID機能を利用したリビルド処理を行うことができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。