JP2014059368A - 光学積層体、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

光学積層体、偏光板及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低屈折率性能に優れるとともに、耐擦傷性及び耐溶剤性にも優れた低屈折率層を備えた光学積層体を提供する。
【解決手段】光透過性基材の上に、低屈折率層を有する光学積層体であって、上記低屈折率層は、中空状シリカ微粒子を含有し、上記中空状シリカ微粒子は、平均粒子径が上記低屈折率層の厚みに対して50%以上、100%未満であり、かつ、上記低屈折率層の一方の界面側に整列した状態、上記低屈折率層の両方の界面側に整列した状態、及び、上記低屈折率層の両方の界面に接することなく整列した状態からなる群より選択される少なくとも1の状態で上記低屈折率層に含有されていることを特徴とする光学積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体、偏光板及び画像表示装置に関する。
陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、タッチパネル、電子ペーパー、タブレットPC等の画像表示装置における画像表示面は、外部光源から照射された光線による反射を少なくし、その視認性を高めることが要求される。これに対して、光透過性基材に、反射防止層を形成した光学積層体を利用するにより、画像表示装置の画像表示面の反射を低減させ、視認性を向上させることが一般的に行われている。
反射防止層を有する光学積層体としては、従来、光透過性基材よりも屈折率の低い低屈折率層を最表面に設けた構造が知られている。
このような低屈折率層には、光学積層体の反射防止性能を高めるために低屈折率であること、透明性等の優れた光学的特性を有すること、最表面に設けられることから傷付き防止等のために高い硬度を有することに加えて、耐溶剤性に優れること等が求められる。
このような低屈折率層が最表面に形成された光学積層体としては、例えば、特許文献1等に、中空状シリカ微粒子、フッ素原子含有ポリマー及び防汚剤を含有する低屈折率層を有する光学積層体が開示されている。
ところが、近年、画像表示装置に要求される表示品質は非常に高いものとなってきており、合わせて光学積層体に要求される光学的特性等も非常に高いものとなってきている。
しかしながら、従来の防汚性能が付与された低屈折率層を備えた従来の光学積層体では、近年の画像表示装置の高い表示品質に対する要求に充分に応えることができないものであった。
特開2007−301970号公報
本発明は、上記現状に鑑み、低屈折率性能に優れるとともに、耐擦傷性及び耐溶剤性にも優れた低屈折率層を備えた光学積層体、該光学積層体を用いてなる偏光板及び画像表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、光透過性基材の上に、低屈折率層を有する光学積層体であって、上記低屈折率層は、中空状シリカ微粒子を含有し、上記中空状シリカ微粒子は、平均粒子径が上記低屈折率層の厚みに対して50%以上、100%未満であり、かつ、上記低屈折率層の一方の界面側に整列した状態、上記低屈折率層の両方の界面側に整列した状態、及び、上記低屈折率層の両方の界面に接することなく整列した状態からなる群より選択される少なくとも1の状態で上記低屈折率層に含有されていることを特徴とする光学積層体である。
本発明の光学積層体において、上記低屈折率層は、中空状シリカ微粒子の平均粒子径よりも小さな平均粒子径を有する第2の中空状シリカ微粒子を更に含有することが好ましい。
また、上記中空状シリカ微粒子は、低屈折率層の一方の界面側に整列した状態で含有されており、第2の中空状シリカ微粒子は、上記中空状シリカ微粒子が整列した側の界面と反対側の界面に整列した状態で含有されていることが好ましい。
また、上記低屈折率層の光透過性基材側とは反対側の表面から、中空状シリカ微粒子又は第2の中空状シリカ微粒子が突出していることが好ましい。
また、本発明の光学積層体において、上記中空状シリカ微粒子は、平均粒子径が75nmであり、シェルの厚みが5〜12nmであることが好ましい。
また、上記低屈折率層の屈折率が1.350未満であることが好ましい。
本発明はまた、偏光素子を備えてなる偏光板であって、上記偏光板は、偏光素子表面に上述の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板でもある。
本発明はまた、上述の光学積層体、又は、上述の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の光学積層体は、光透過性基材の上に、低屈折率層を有する。
上記低屈折率層とは、本発明の光学積層体を構成する光透過性基材等低屈折率層以外の構成物の屈折率よりも低い屈折率であるものをいう。
本発明の光学積層体において、上記低屈折率層は、中空状シリカ微粒子を含有する。
上記中空状シリカ微粒子は、低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げる役割を果たすものである。なお、本明細書において、「中空状シリカ微粒子」とは、内部に気体が充填された構造であり、シリカ微粒子本来の屈折率に比べて気体の占有率に反比例して屈折率が低下するシリカ微粒子を意味する。
上記中空状シリカ微粒子の具体例としては特に限定されず、例えば、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製したシリカ微粒子が好ましく挙げられる。中空状シリカ微粒子は、製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、後述するバインダー樹脂と混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率が低くなるよう調整することが可能となる。
本発明の光学積層体において、上記中空状シリカ微粒子は、平均粒子径が上記低屈折率層の厚みに対して、50%以上、100%未満である。50%未満であると、低屈折率層の屈折率を充分に低くすることができず、本発明の光学積層体の反射防止性能が劣ることとなる。一方、100%以上であると、本発明の光学積層体のヘイズが悪化し、また、上記低屈折率層の表面から上記中空状シリカ微粒子が後述する範囲を超えて大きく突出して大きな凸凹ができてしまい、該突出した中空状シリカ微粒子が外力によって剥がれ落ちて耐擦傷性が悪化したり、耐薬品性が悪化したりする。
上記中空状シリカ微粒子の平均粒子径は、上記低屈折率層の厚みに対して、好ましい下限は70%であり、好ましい上限は80%である。上記中空状シリカ微粒子の平均粒子径がこの範囲にあることで、本発明の効果をより好適に奏することが可能となる。
なお、上記中空状シリカ微粒子の平均粒子径とは、該中空状シリカ微粒子単独の場合、動的光散乱法により測定された値を意味する。一方、上記低屈折率層中の中空状シリカ微粒子の平均粒子径は、低屈折率層の断面をSTEM等で観察し、任意の中空状シリカ微粒子30個を選択してその断面の粒子径を測定し、その平均値として算出される値である。
また、上記中空状シリカ微粒子は、より具体的には、平均粒子径が75nmであり、シェルの厚みが5〜12nmであることが好ましい。平均粒子径が75nmの中空状シリカ微粒子を用いることで、上述した本発明の効果を最も好適に奏することができる。
また、上記シェルの厚みが5nm未満であると、中空状シリカ微粒子の強度が不充分となることがあり、12nmを超えると、低屈折率層を充分に低屈折率化できないことがある。シェルの厚みのより好ましい下限は6nm、より好ましい上限は10nmである。なお、上記シェルとは、上記中空状シリカ微粒子の中心部分に存在する気体を除いたシリカにより構成される外殻を意味し、該シェルの厚みは、上記低屈折率層の断面顕微鏡観察により測定することができる。
上記低屈折率層における上記中空状シリカ微粒子の含有量としては、後述する低屈折率層における中空状シリカ微粒子の含有状態により適宜調整されるが、後述するバインダー樹脂(固形分)100質量部に対して、50〜120質量部であることが好ましい。50質量部未満であると、中空状シリカ微粒子の含有量が少ないため、低屈折率層の屈折率が充分に低くならず、本発明の光学積層体の反射防止性能が不充分となることがある。一方、120質量部を超えて中空状シリカ微粒子を含有させても低屈折率層の屈折率をそれ以上低くできないばかりでなく、低屈折率層の強度が不充分となることがある。より好ましい下限は60質量部、より好ましい上限は100質量部である。
本発明の光学積層体において、上記中空状シリカ微粒子は、上記低屈折率層の一方の界面側に整列した状態、上記低屈折率層の両方の界面側に整列した状態、及び、上記低屈折率層の両方の界面に接することなく整列した状態からなる群より選択される少なくとも1の状態で上記低屈折率層に含有されている。
なお、本発明において、「界面側に整列した状態」とは、中空状シリカ微粒子又は後述する第2の中空状シリカ微粒子が低屈折率層の界面に接して整列している状態のほか、該低屈折率層の界面に整列しつつ該界面から突出している状態を意味する。
図1〜4は、本発明の光学積層体における低屈折率層の断面を模式的に示す断面図である。
図1に示した低屈折率層10は、図示しない光透過性基材側の界面側に中空状シリカ微粒子11が整列した状態で含有されており、低屈折率層10の光透過性基材側とは反対側の界面側に第2の中空状シリカ微粒子12が整列した状態で含有されている。また、図2に示した低屈折率層20は、図示しない光透過性基材側とは反対側の界面側に中空状シリカ微粒子21が整列した状態で含有されており、低屈折率層の光透過性基材側の界面側に第2の中空状シリカ微粒子22が整列した状態で含有されている。なお、図1、2に示した第2の中空状シリカ微粒子12、22については後述する。
また、図3に示した低屈折率層30は、該低屈折率層30の両方の界面側に整列した状態で中空状シリカ微粒子31が含有されており、図4に示した低屈折率層40は、該低屈折率層40の両方の界面に接することなく整列した状態で中空状シリカ微粒子41が含有されている。
ここで、図1〜3では、低屈折率層の光透過性基材側とは反対側の界面側に整列した状態で含有されている中空状シリカ微粒子又は第2の中空状シリカ微粒子は、図示したように低屈折率層の表面からその一部が突出した状態であってもよいが、低屈折率層の光透過性基材側と反対側の界面に接した状態で含有されていてもよい。
上記中空状シリカ微粒子が低屈折率層中で上述したような特定の状態で含有されていることで、本発明の光学積層体は、充分な低屈折率性能とともに、優れた耐擦傷性及び耐薬品性を有するものとなる。
上記中空状シリカ微粒子が上記低屈折率層の一方の界面側、例えば、図1に示したように、光透過性基材側に整列した状態で含有されていると、本発明の光学積層体の耐擦傷性をより優れたものとすることができる。これは、上記低屈折率層の光透過性基材側の界面に、硬化反応性に優れる後述するバインダー樹脂が多く存在するためであると考えられる。
また、上記中空状シリカ微粒子が、例えば、図2に示したように、上記低屈折率層の光透過性基材側とは反対側の界面側に整列した状態で含有されていると、本発明の光学積層体の耐溶剤性をより優れたものとすることができる。これは、溶剤による低屈折率層へのダメージは、通常、低屈折率層のバインダー樹脂と中空状シリカ微粒子との界面部分で生じるが、上記中空状シリカ微粒子は、上述した平均粒子径を有するものであるため、バインダー樹脂との界面が従来の低屈折率層と比較して大きく、このため、耐溶剤性がより優れたものとなると考えられる。
また、上記中空状シリカ微粒子が、例えば、図3に示したように、上記低屈折率層の両方の界面側に整列した状態で含有されていると、本発明の光学積層体の低屈折率性能をより優れたものとすることができる。これは、中空状シリカ微粒子の中空部分の割合が多くなり、その結果、低屈折率層の屈折率を充分に低くできるためであると考えられる。
更に、上記中空状シリカ微粒子が、例えば、図4に示したように、上記低屈折率層の両方の界面に接することなく整列した状態で含有されていると、本発明の光学積層体の耐擦傷性及び耐溶剤性の向上を図ることができる。これは、低屈折率層の表面から中空状シリカ微粒子が突出しておらずバインダー樹脂が多く存在するので耐擦傷性及び耐溶剤性が良好になり、また、低屈折率層の光透過性基材側の界面部分にもバインダー樹脂が多く存在するので、例えば、低屈折率層と光透過性基材との間に後述するハードコート層を設けた場合、該ハードコート層と低屈折率層との密着性が良好となり、これによっても耐擦傷性が良好になると考えられる。
なお、本明細書において、「低屈折率層の光透過性基材側の界面側に整列した状態」、及び、「低屈折率層の光透過性基材側とは反対側の界面側に整列した状態」とは、電子顕微鏡による上記低屈折率層の断面観察において、観察される上記中空状シリカ微粒子のうち、60%以上が上記低屈折率層の界面に接している及び/又は突出している状態をいう。後述する第2の中空状シリカ微粒子の場合も同様である。
また、「低屈折率層の両方の界面に接することなく整列した状態」とは、電子顕微鏡による上記低屈折率層の断面観察において、観察される上記中空状シリカ微粒子のうち、上記低屈折率層の界面に接している及び/又は突出している中空状シリカ微粒子が40%未満である状態をいう。
本発明の光学積層体において、上記低屈折率層は、上記中空状シリカ微粒子の平均粒子径よりも小さな平均粒子径を有する第2の中空状シリカ微粒子を含有することが好ましい。上記第2の中空状シリカ微粒子を含有することで、上記中空状シリカ微粒子を好適に上記低屈折率層の一方の界面側に整列した状態で含有させることができる。
上記第2の中空状シリカ微粒子の平均粒子径としては、上記中空状シリカ微粒子の平均粒子径よりも小さいものであれば特に限定されないが、例えば、40〜65nmであることが好ましい。40nm未満であると、上記低屈折率層の屈折率が充分に低くならないことがあり、65nmを超えると、上記中空状シリカ微粒子の平均粒子径と同等の大きさとなり、第2の中空状シリカ微粒子をより小さな平均粒子径としたことの効果が得られないことがある。上記第2の中空状シリカ微粒子の平均粒子径のより好ましい下限は45nm、より好ましい上限は55nmである。
また、上記第2の中空状シリカ微粒子は、シェルの厚みが5〜12nmであることが好ましい。5nm未満であると、第2の中空状シリカ微粒子自体の硬度が悪化し、低屈折率層中で潰れてしまうことがある。一方、12nmを超えると、上記低屈折率層の屈折率が低くならないことがある。上記第2の中空状シリカ微粒子のシェルの厚みのより好ましい下限は6nm、より好ましい上限は10nmである。
なお、上記第2の中空状シリカ微粒子の平均粒子径及びシェルの厚みは、上述した中空状シリカ微粒子と同様にして求めることができる。
上記第2の中空状シリカ微粒子の含有量としては、例えば、上記中空状シリカ微粒子100質量部に対して、30〜160質量部であることが好ましい。30質量部未満であると、第2の中空状シリカ微粒子の含有割合いが小さくなり過ぎて、目的とする構造にならないことがある。一方、160質量部を超えると、上述した中空状シリカ微粒子の含有割合いが小さくなり過ぎて、目的とする構造にならないことがある。上記第2の中空状シリカ微粒子の含有量のより好ましい下限は40質量部、より好ましい上限は150質量部である。
本発明の光学積層体は、図1〜3に示したように、低屈折率層の光透過性基材側とは反対側の表面から上記中空状シリカ微粒子又は第2の中空状シリカ微粒子が突出していることが好ましい。このように中空状シリカ微粒子又は第2の中空状シリカ微粒子が含有されていることで、上述した本発明の効果をより好適に得ることができる。
このとき、上記中空状シリカ微粒子又は第2の中空状シリカ微粒子は、上記低屈折率層の表面から、1〜20nmの範囲で突出していることが好ましく、より好ましい下限は2nm、より好ましい上限は15nmである。20nmを超えると、上記中空状シリカ微粒子又は第2の中空状シリカ微粒子が外力によって剥離して耐擦傷性が悪化し、また、ヘイズも上昇することがある。更に、本発明の光学積層体の製造時にロールTOロールで巻き取った時に、低屈折率層の表面が滑りすぎてしまい、巻きズレを発生させてしまうことがある。一方、1nm未満であると、本発明の光学積層体の製造時にロールTOロールで巻き取った時にブロッキングが起こり、変形や貼り付き跡がのこってしまい、品質が悪化することがある。
なお、上記低屈折率層の表面とは、上記低屈折率層の光透過性基材側とは反対側の表面であって、上記中空状シリカ微粒子又は第2の中空状シリカ微粒子が突出しいる場合、該中空状シリカ微粒子又は第2の中空状シリカ微粒子が突出した部分以外の領域を意味する。
また、上記低屈折率層は、バインダー樹脂を含有すことが好ましい。
上記バインダー樹脂としては、紫外線硬化型樹脂が挙げられ、本発明では、特に(メタ)アクリル樹脂が好適に用いられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリルモノマーの重合体又は共重合体が挙げられ、上記(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート等が好適に挙げられる。
また、これら(メタ)アクリレートモノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
これらの(メタ)アクリルモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの(メタ)アクリルモノマーは、後述するような屈折率の範囲を満たすとともに硬化反応性に優れ、得られる低屈折率層の硬度を向上させることができる。
上記(メタ)アクリルモノマーは、屈折率が1.47〜1.53であることが好ましい。屈折率を1.47未満とすることは事実上不可能であり、1.53を超えると、充分に低い屈折率の低屈折率層を得ることができないことがある。
また、上記(メタ)アクリルモノマーは、重量平均分子量が250〜1000であることが好ましい。250未満であると、官能基数が少なくなるため、得られる低屈折率層の硬度が低下する恐れがある。1000を超えると、一般的には、官能基当量(官能基数/分子量)が小さくなるため、架橋密度が低くなり充分な硬度の低屈折率層が得られなくなることがある。
なお、上記(メタ)アクリルモノマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により求めることができる。GPC移動相の溶剤には、テトラヒドロフランやクロロホルムを使用することができる。測定用カラムは、テトラヒドロフラン用又はクロロホルム用のカラムの市販品カラムを組み合わせて使用するとよい。上記市販品カラムとしては、例えば、Shodex GPC KF−801、GPC−KF800D(いずれも、商品名、昭和電工社製)等を挙げることができる。検出器には、RI(示差屈折率)検出器及びUV検出器を使用するとよい。このような溶剤、カラム、検出器を使用して、例えば、Shodex GPC−101(昭和電工社製)等のGPCシステムにより、上記重量平均分子量を適宜測定することができる。
上記低屈折率層は、更に防汚剤を含有することが好ましい。
上記低屈折率層が防汚剤を更に含有することで、本発明の光学積層体は、防汚性能を有することとなり、特に低屈折率層中の中空状シリカ微粒子が光透過性基材側の界面側に整列した状態で含有されている場合、上記低屈折率層の光透過性基材側とは反対側の界面側における防汚剤の含有割合が大きくなるため、本発明の光学積層体の防汚性能は特に優れたものとなる。
なお、上記低屈折率層において、中空状シリカ微粒子が光透過性基材側とは反対側の界面側に整列した状態で含有されている場合、上記防汚剤は、上述した中空状シリカ微粒子と同様に、低屈折率層の光透過性基材側とは反対側の界面側にある程度偏在することとなり、この場合も上記防汚剤による防汚性能のある程度の向上を図ることができる。このように防汚剤が光透過性基材側とは反対側の界面側にある程度偏在する理由は明確ではないが、例えば、上記低屈折率層は、後述するように、低屈折率層用組成物を用いて塗膜を形成し、該塗膜中で中空状シリカ微粒子を光透過性基材側とは反対側の界面側に移動させることで形成されるが、この中空状シリカ微粒子の移動が影響しているものと推測される。
上記防汚剤としては、反応性官能基と、フッ素原子及び/又はケイ素原子とを含有する化合物であることが好ましい。このような防汚剤を含有することで、形成する低屈折率層の防汚性能をより向上させることができる。
上記反応性官能基とフッ素原子とを含有する化合物としては、例えば、反応性フッ素化合物、特にエチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができ、より具体的には、例えば、フルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)が挙げられる。
また、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロ(メタ)アクリル酸メチル等の分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物;分子中にフッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14の、フルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物等も挙げられる。
更にまた、主鎖にフッ素化アルキレン基を有するフッ素ポリマー、オリゴマーや、主鎖及び側鎖にフッ素化アルキレン基、フッ素化アルキル基を有するフッ素化ポリマー、オリゴマー等も挙げられる。これらの中でも、特に、主鎖及び側鎖にフッ素化アルキレン基、フッ素化アルキル基を有するフッ素化ポリマーは、低屈折率層からのブリードアウトの問題が生じにくいことから特に好適に用いられる。
また、上記反応性官能基とケイ素原子とを含有する化合物としては、例えば、反応性シリコーン化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、(メタ)アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものは、低屈折率層からのブリードアウトの問題が生じ難いことから好ましい。
また、上記反応性官能基と、フッ素原子及びケイ素原子とを含有する化合物としては、例えば、上記反応性フッ素化合物に上記反応性シリコーン化合物を反応させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体等が挙げられる。
上記防汚剤の含有量としては、目的とする低屈折率層の防汚性能により適宜決定されるが、上述した中空状シリカ微粒子と(メタ)アクリル樹脂との合計100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、形成する低屈折率層に充分な防汚性能を付与することができないことがあり、10質量部を超えると、添加した防汚剤が低屈折率層からブリードアウトすることがある。また、防汚剤を添加しただけの効果が見られず、製造コストが高くなり、得られる低屈折率層の硬度、外観が低下し、更に、反射率上昇の原因となることもある。上記防汚剤の含有量のより好ましい下限は2質量部、より好ましい上限は8質量部である。
本発明の光学積層体において、上記低屈折率層は、屈折率が1.350未満であることが好ましい。1.350以上であると、本発明の光学積層体の反射防止性能が不充分となり、近年の画像表示装置の高レベルな表示品質に対応することができないことがある。より好ましい下限は1.315、より好ましい上限は1.345である。
また、上記低屈折率層は、上述した防汚剤ではなくバインダー樹脂として、紫外線硬化タイプで、フッ素原子を含有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを含有していてもよい(以下、フッ素原子含有バインダーともいう)。
上記フッ素原子含有バインダー自体の屈折率は、好ましくは1.370〜1.440である。1.370未満の場合、フッ素原子の割合が高くなるので、一般的な溶剤に溶けにくく、フッ素原子含有溶剤にしか溶解しなくなる。また、中空状シリカ微粒子や上述した(メタ)アクリル樹脂のモノマー成分との溶解性が悪いので、低屈折率層を形成する際に調製する組成物自体ゲル化したり、塗膜自体白化したりすることがある。一方、1.440を超える場合は、上述したバインダー樹脂の屈折率に近くなってしまい、低屈折率化の効果が少なくなってしまうことがある。
なお、上記バインダー樹脂が上記フッ素原子含有バインダーのみであると、低屈折率層の硬度が悪くなるため、上述した(メタ)アクリル樹脂は必須となる。
上記低屈折率層の膜厚(nm)dは、下記式(I):
=mλ/(4n) (I)
(上記式中、
は低屈折率層の屈折率を表し、
mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、
λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)
を満たすものが好ましい。
また、本発明にあっては、低屈折率層は下記数式(II):
120<n<145 (II)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
また、上記低屈折率層は、ヘイズ値が1%以下であることが好ましい。1%を超えると、本発明の光学積層体の光透過性が低下したり、解像度が低下したりして、画像表示装置の表示品質低下の原因となることがある。より好ましくは0.5%以下である。なお、本明細書において、ヘイズ値とはJIS K7361に準拠して求められた値である。
また、上記低屈折率層は、JIS K5600−5−4(1999)による鉛筆硬度試験による硬度がH以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましい。
更に、上記低屈折率層は、例えば、#0000番のスチールウールを用いた摩擦荷重300g/cm、10往復摩擦する耐擦傷試験で傷が生じないことが好ましい。
上記低屈折率層は、上述した中空状シリカ微粒子と(メタ)アクリル樹脂のモノマー成分、及び、第2の中空状シリカ微粒子及び(メタ)アクリル樹脂のモノマー成分並びに必要に応じて防汚剤等を含有する低屈折率層用組成物を調製し、該低屈折率層用組成物を用いて形成することができる。
ここで、上記中空状シリカ微粒子の表面が疎水性であり、上記第2の中空状シリカ微粒子の表面が親水性である場合、上記中空状シリカ微粒子は、上記低屈折率層用組成物を用いて形成した塗膜中で、光透過性基材側の界面方向に移動し、上記第2の中空状シリカ微粒子は、上記塗膜の光透過性基材側とは反対側の界面方向に移動する。これは、上記塗膜の光透過性基材側とは反対側の表面は空気に接した状態にあるためであると考えられる。すなわち、上記中空状シリカ微粒子は、表面が疎水性であるため、上記塗膜中で空気から離れる方向に移動し、一方、上記第2の中空状シリカ微粒子は、表面が親水性であるため、上記塗膜中で空気に近づく方向に移動するためであると考えられる。この結果、図1に示したような、中空状シリカ微粒子が光透過性基材側の界面側に整列した状態で含有され、第2の中空状シリカ微粒子が光透過性基材側とは反対側の界面側に整列した状態で含有された低屈折率層を形成することができる。
上記中空状シリカ微粒子の表面を疎水性とする方法としては、該中空状シリカ微粒子の表面を疎水化処理する方法が挙げられる。具体的には、例えば、上記中空状シリカ微粒子の表面に、フッ素基含有のシランカップリング剤、(メタ)アクリート基含有シランカップリング剤、アルキル基含有のシランカップリング剤等を反応させる方法が挙げられる。特に(メタ)アクリート基含有シランカップリング剤を反応させる方法が好ましい。
なお、一般的にシリカ微粒子は表面にヒドロキシル基等の親水性官能基を有するため、上記第2の中空状シリカ微粒子は、未処理状態であることで、親水性を有するものとなる。
あるいは、上記第2の中空状シリカ微粒子は、上記と同様の疎水化処理をその程度下げて処理し、未処理の割合が上記中空状シリカ微粒子よりも高目となるようにしたものであってもよい。すなわち、「中空状シリカ微粒子の表面を疎水処理割合>第2の中空状シリカ微粒子の表面を疎水処理割合」という関係を有するものとしてもよい。
また、上記中空状シリカ微粒子の表面が疎水性であり、上記第2の中空状シリカ微粒子を含有していない場合、上記低屈折率層用組成物を用いて形成した塗膜において、上記中空状シリカ微粒子は、表面が疎水性であるため、上述したように、上記塗膜の光透過性基材側とは反対側の界面から離れるように移動する。この結果、図4に示したような、中空状シリカ微粒子が両方の界面に接することなく整列した状態で含有された低屈折率層を形成することができる。なお、上述したバインダー樹脂に親水性の材料を用いることでも、上記中空状シリカ微粒子が塗膜の光透過性基材側とは反対側の界面から離れるように移動しやすくすることができる。これは、中実シリカ微粒子を上記塗膜に含有する場合、通常、該中実シリカ微粒子は該塗膜中で浮きにくく、沈みやすいが、本発明では、上記中空状シリカ微粒子が中空構造であるため、上記バインダー樹脂よりも比重が軽く完全に沈むことは少ないからであると推定される。
また、上記中空状シリカ微粒子の表面が親水性であり、上記第2の中空状シリカ微粒子の表面が疎水性であると、上記中空状シリカ微粒子は、上記低屈折率層用組成物を用いて形成した塗膜中で、光透過性基材側とは反対側の界面方向に移動し、上記第2の中空状シリカ微粒子は、上記塗膜の光透過性基材側の界面方向に移動する。この結果、図2に示したような、中空状シリカ微粒子が光透過性基材側とは反対側の界面側に整列して含有され、第2の中空状シリカ微粒子が光透過性基材側の界面側に整列した状態で含有された低屈折率層を形成することができる。
なお、上記第2の中空状シリカ微粒子の表面を疎水性とする方法としては、上述した中空状シリカ微粒子の表面を疎水性とする方法と同様の方法が挙げられる。
また、上記第2の中空状シリカ微粒子を含有せず、上記中空状シリカ微粒子として、表面が親水性のものと、表面が疎水性のものとを含有している場合、表面が親水性の中空状シリカ微粒子は、上記低屈折率層用組成物を用いて形成した塗膜中で、光透過性基材側とは反対側の界面方向に移動し、表面が疎水性の中空状シリカ微粒子は、上記塗膜の光透過性基材側の界面方向に移動する。この結果、図3に示したような、中空状シリカ微粒子が両方の界面側に整列した状態で含有された低屈折率層を形成することができる。
上述したように、本発明においては、上記低屈折率層が中空状シリカ微粒子と第2の中空状シリカ微粒子とを含有する場合、これらの微粒子の表面は、親水性、疎水性が互いに異なる状態にあることが好ましい。
更に、本発明の光学積層体が後述するハードコート層又は防眩層上に上記低屈折率層を有する構造であり、上記中空状シリカ微粒子又は第2の中空状シリカ微粒子の表面が親水性である場合、該ハードコート層又は防眩層自体を疎水性にすることで、上記中空状シリカ微粒子又は第2の中空状シリカ微粒子を光透過性基材側の界面側に整列した状態で含有させることができる。
上記ハードコート層又は防眩層自体を疎水性とする方法としては、これらの形成時に使用する組成物中に添加されるレベリング剤を適度に疎水性とする方法が挙げられる。このようなレベリング剤としては、例えば、フッ素原子を含有するレベリング剤(以下、F系レベリング剤ともいう)又はケイ素原子を含有するレベリング剤(以下、Si系レベリング剤ともいう)が挙げられ、なかでもF系レベリング剤が好適に用いられる。ただし、ハードコート層又は防眩層におけるF系レベリング剤の含有量が多い場合、上記低屈折率層用組成物をハードコート層等の上に塗工したとき、ハジキが生じて形成する低屈折率層に欠陥が生じることがあるため、その含有量を適宜調整する必要がある。なお、上記レベリング剤として、上記Si系レベリング剤とF系レベリング剤とを併用してもよい。
上記低屈折率層用組成物は、更に溶剤を含有していてもよい。
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、PGMEA等のエステル;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン等のアミド;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル;1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテルアルコール等が挙げられる。なかでも、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、PGME、PGMEAが好ましい。
また、上記低屈折率層用組成物は、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
上記その他の成分としては、例えば、光重合開始剤、レベリング剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、帯電防止剤、上述した以外の樹脂等が挙げられる。
上記光重合開始剤としては、上記低屈折率層用組成物がラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系を含有する場合、アセトフェノン類(例えば、商品名イルガキュア184(BASF社製)として市販されている1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等が挙げられ、これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記低屈折率層用組成物がカチオン重合性官能基を有する樹脂系を含有する場合、上記光重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられ、これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。具体的には、チバスペシャリティーケミカルズ社製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア127、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173;日本シーベルヘグナー社製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46;日本化薬社製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。なかでも、イルガキュア369、イルガキュア127、イルガキュア907、Esacure ONE、SpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、KAYACURE DETX−Sが好ましい。
上記光重合開始剤の添加量は、上記バインダー樹脂の固形分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
上記レベリング剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、帯電防止剤、その他の樹脂は、公知のものを使用することができる。
また、上記低屈折率層用組成物の粘度を好ましい塗布性が得られる0.5〜5cps(25℃)、好ましくは0.7〜3cps(25℃)の範囲のものとすることが好ましい。可視光線の優れた反射防止膜を実現でき、かつ、均一で塗布ムラのない薄膜を形成することができ、更に、被塗布物に対する密着性に特に優れた低屈折率層を形成することができる。
上記低屈折率層用組成物の調製方法としては特に限定されず、例えば、上述した中空状シリカ微粒子、バインダー樹脂のモノマー成分、及び、必要に応じて添加される第2の中空状シリカ微粒子、防汚剤、溶剤、光重合開始剤等の成分を混合することにより得ることができる。混合には、ペイントシェーカー又はビーズミル等の公知の方法を使用することができる。
上記低屈折率層は、後述するハードコート層又は防眩層上に、上記低屈折率層用組成物を塗布し形成した塗膜を必要に応じて乾燥し、電離放射線の照射及び/又は加熱により塗膜を硬化させることにより形成することができる。
上記低屈折率層用組成物を塗布する方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法が挙げられる。
本発明の光学積層体は、光透過性基材を有する。
上記光透過性基材は、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。光透過性基材を形成する材料の具体例としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
上記光透過性基材は、上記熱可塑性樹脂を柔軟性に富んだフィルム状体として使用することが好ましいが、硬化性が要求される使用態様に応じて、これら熱可塑性樹脂の板を使用することも可能であり、又は、ガラス板の板状体のものを使用してもよい。
その他、上記光透過性基材としては、脂環構造を有した非晶質オレフィンポリマー(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)フィルムが挙げられる。これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体等が用いられる基材で、例えば、日本ゼオン社製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト社製のスミライトFS−1700、JSR社製のアートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学社製のアペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製のTopas(環状オレフィン共重合体)、日立化成社製のオプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記光透過性基材の厚さはとしては、5〜300μmであることが好ましく、より好ましくは下限が20μmであり、上限が200μmである。光透過性基材が板状体の場合には、これらの厚さを超える厚さであってもよい。上記光透過性基材は、その上に後述するハードコート層等を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布が予め行われていてもよい。トリアセチルセルロースの場合には、アルカリ処理(ケン化処理)等の化学処理が予め行われていてもよい。
本発明の光学積層体は、上記光透過性基材と低屈折率層との間にハードコート層又は防眩層を有することが好ましい。
本明細書において、上記「ハードコート層」とは、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で2H以上の硬度を示すものをいう。硬度は、3H以上であることがより好ましい。また、上記ハードコート層の膜厚(硬化時)としては0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmである。
上記ハードコート層としては特に限定されず、例えば、樹脂と任意成分とを含有するハードコート層用組成物により形成されてなるものが挙げられる。
上記樹脂としては、透明性のものが好適に用いられ、具体的には、紫外線若しくは電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、又は、熱硬化型樹脂等が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
上記電離放射線硬化型樹脂の具体例としては、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマー、反応性希釈剤等が挙げられる。
上記電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤を用いることが好ましい。
上記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。
また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等が挙げられる。
上記電離放射線硬化型樹脂に混合して使用される溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可塑性樹脂が挙げられ、該熱可塑性樹脂としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
上記溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。本発明の好ましい態様によれば、光透過性基材の材料がセルローストリアセテート等のセルロース系樹脂の場合、熱可塑性樹脂の好ましい具体例としては、セルロース系樹脂、例えば、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を更に添加して使用することができる。
上記ハードコート層は、上述した各材料を用いて調製したハードコート層用組成物を、上記光透過性基材上に塗布して形成した塗膜を、必要に応じて乾燥し、電離放射線照射又は加熱等により硬化させることで形成することができる。なお、上記ハードコート層用組成物の調製方法及び塗膜の形成方法等は、上述した低屈折率層と同様の方法が挙げられる。
上記防眩層とは、内包する防眩剤によりその表面に凹凸形状が形成された層や更に内部散乱性を有する層や、凹凸形状がなく内部散乱性だけを有する層であり、本発明の光学積層体の表面での外光反射を低減させる機能や、内部からの透過光や外部からの反射光を拡散する機能を有するものである。
上記防眩層としては特に限定されず、例えば、樹脂と防眩剤とを含有する防眩層用組成物により形成されてなるものが挙げられる。
本発明の光学積層体において、上記防眩層は、防眩剤としての微粒子の平均粒径をR(μm)とし、防眩層の凹凸の十点平均粗さをRz(μm)とし、防眩層の凹凸平均間隔をSm(μm)とし、凹凸部の平均傾斜角をθaとした場合に、下記式:
30≦Sm≦600
0.05≦Rz≦1.60
0.1≦θa≦2.5
0.3≦R≦15
を全て同時に満たすものが好ましい。
なお、本明細書において、上記Sm、Rzは、JIS B 0601−1994に準拠する方法で得られる値であり、θaは、表面粗さ測定器:SE−3400 取り扱い説明書(1995.07.20改訂)(株式会社小坂研究所)に記載の定義により得られる値であり、基準長さLに存在する凸部高さの和(h+h+h+・・・+h)のアークタンジェントθa=tan−1{(h+h+h+・・・+h)/L}で求めることができる。
このようなSm、θa、Rzは、例えば、表面粗さ測定器:SE−3400/株式会社小坂研究所製等により測定して求めることができる。
また、防眩剤の平均粒径Rは、上述した中空状シリカ微粒子と同様の方法で測定することができる。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、上記防眩層は、防眩剤と樹脂の屈折率をそれぞれ、n1、n2とした場合に、Δn=│n1−n2│<0.1を満たすものであり、かつ、防眩層内部のヘイズ値が55%以下であることが好ましい。
上記防眩層の膜厚(硬化時)としては0.1〜100μmであることが好ましく、より好ましい下限は0.8μm、より好ましい上限は10μmである。膜厚がこの範囲にあることにより、防眩層としての機能を充分に発揮することができる。
上記防眩剤としては、微粒子が挙げられる。その形状としては、真球状、楕円状等特に限定されないが、真球状のものが好適に用いられる。
上記防眩剤が微粒子である場合、無機材料からなるものであってもよく、有機材料からなるものであってもよい。また、上記微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性のものが好ましい。また、上記微粒子の平均粒径は、上述した範囲のものが用いられる。
上記無機材料からなる微粒子としては、具体的には、例えば、不定形、球状などのシリカビーズ等が挙げられる。
また、有機材料からなる微粒子としては、具体的には、例えば、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.53〜1.58)、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ(屈折率1.66)、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ(屈折率1.66)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.57)、ポリエチレンビーズ(屈折率1.50)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.60)等が挙げられる。上記有機材料からなる微粒子は、その表面に疎水性基を有してもよい。
上記防眩層における上記防眩剤の含有量としては、該防眩層中の樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましい下限は1質量部、より好ましい上限は25質量部である。
上記防眩層における樹脂としては特に限定されず、例えば、上述したハードコート層において説明した樹脂と同様の紫外線若しくは電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂との混合物、又は、熱硬化型樹脂等が挙げられる。
上記防眩層は、上述した各材料を用いて調製した防眩層用組成物を、上記光透過性基材上に塗布して形成した塗膜を、必要に応じて乾燥し、電離放射線照射又は加熱等により硬化させることで形成することができる。なお、上記防眩層用組成物の調製方法及び塗膜の形成方法等は、上述した低屈折率層と同様の方法が挙げられる。
上述したハードコート層及び防眩層には、更に公知のレベリング剤、帯電防止剤、高屈折率剤、コロイダルシリカ等の高硬度・低カール材料等が含まれていてもよい。上述したように上記レベリング剤としてF系レベリング剤及び/又はSi系レベリング剤を含有することで、形成するハードコート層又は防眩層を疎水性とすることができる。なお、上記F系レベリング剤及びSi系レベリング剤としては特に限定されず、フッ素原子又はケイ素原子を含有する公知のレベリング剤が挙げられる。
上記光透過性基材と低屈折率層との間に上記ハードコート層又は防眩層が形成された構造の本発明の光学積層体は、更に、上記ハードコート層又は防眩層と、光透過性基材又は低屈折率層との間に、公知の帯電防止剤とバインダー樹脂とからなる帯電防止層が形成された構造であってもよい。
本発明の光学積層体は、上記光透過性基材上に、上述した低屈折率層を有するものであるが、必要に応じて任意の層として、上述したハードコート層又は防眩層の他に、他のハードコート層、防汚染層、高屈折率層、中屈折率層等を備えてなるものであってよい。上記防汚染層、高屈折率層、中屈折率層は、一般に使用される防汚染剤、高屈折率剤、中屈折率剤、低屈折率剤や樹脂等を添加した組成物を調製し、それぞれの層を公知の方法により形成するとよい。
本発明の光学積層体の全光線透過率は、90%以上であることが好ましい。90%未満であると、ディスプレイ表面に装着した場合において、色再現性や視認性を損なうおそれがある。上記全光線透過率は、95%以上であることがより好ましく、96%以上であることが更に好ましい。
本発明の光学積層体のヘイズは、1%未満であることが好ましく、0.5%未満であることがより好ましい。上記防眩層を有する場合、本発明の光学積層体のヘイズは、80%未満であることが好ましい。上記防眩層は、内部拡散によるヘイズと、最表面の凹凸形状によるヘイズからなってよく、内部拡散によるヘイズは、3.0%以上79%未満であることが好ましく、10%以上50%未満であることがより好ましい。最表面のヘイズは、1%以上35%未満であることが好ましく、1%以上20%未満であることがより好ましく、1%以上10%未満であることが更に好ましい。
本発明の光学積層体の製造方法は、光透過性基材上に、必要に応じて上述したハードコート層用組成物又は防眩層用組成物を塗布してハードコート層又は防眩層を形成する工程、及び、形成したハードコート層又は防眩層上に上述した低屈折率層用組成物を塗布して低屈折率層を形成する工程を有する方法が挙げられる。
上記ハードコート層、防眩層及び低屈折率層を形成する方法としては、上述したとおりである。
本発明の光学積層体は、偏光素子の表面に、本発明による光学積層体を該光学積層体における低屈折率層が存在する側の面と反対側の面に設けることによって、偏光板とすることができる。このような偏光板も、本発明の1つである。
上記偏光素子としては特に限定されず、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等が挙げられる。
上記偏光素子と本発明の光学積層体とのラミネート処理においては、光透過性基材(好ましくは、トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。
本発明は、最表面に上記光学積層体又は上記偏光板を備えてなる画像表示装置でもある。
上記画像表示装置は、LCD、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT、タブレットPC、タッチパネル、電子ペーパー等の画像表示装置であってもよい。
上記の代表的な例であるLCDは、透過性表示体と、上記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなるものである。本発明の画像表示装置がLCDである場合、この透過性表示体の表面に、本発明の光学積層体又は本発明の偏光板が形成されてなるものである。
本発明が上記光学積層体を有する液晶表示装置の場合、光源装置の光源は光学積層体の下側から照射される。なお、液晶表示素子と偏光板との間に、位相差板が挿入されてよい。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられてよい。
上記画像表示装置であるPDPは、表面ガラス基板(表面に電極を形成)と当該表面ガラス基板に対向して間に放電ガスが封入されて配置された背面ガラス基板(電極及び微小な溝を表面に形成し、溝内に赤、緑、青の蛍光体層を形成)とを備えてなるものである。本発明の画像表示装置がPDPである場合、上記表面ガラス基板の表面、又はその前面板(ガラス基板又はフィルム基板)に上述した光学積層体を備えるものでもある。
上記画像表示装置は、電圧をかけると発光する硫化亜鉛、ジアミン類物質:発光体をガラス基板に蒸着し、基板にかける電圧を制御して表示を行うELD装置、又は、電気信号を光に変換し、人間の目に見える像を発生させるCRTなどの画像表示装置であってもよい。この場合、上記のような各表示装置の最表面又はその前面板の表面に上述した光学積層体を備えるものである。
本発明の画像表示装置は、いずれの場合も、テレビジョン、コンピュータ、電子ペーパー、タッチパネル、タブレットPCなどのディスプレイ表示に使用することができる。特に、CRT、液晶パネル、PDP、ELD、FED、タッチパネルなどの高精細画像用ディスプレイの表面に好適に使用することができる。
本発明の光学積層体は、低屈折率性能に優れるとともに、耐擦傷性及び耐溶剤性にも優れた低屈折率層を備えたものとなる。
このため、本発明の光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー、タッチパネル、タブレットPC等に好適に適用することができる。
本発明の光学積層体における低屈折率層の断面を模式的に示す断面図。 本発明の光学積層体における別の態様に係る低屈折率層の断面を模式的に示す断面図。 本発明の光学積層体における更に別の態様に係る低屈折率層の断面を模式的に示す断面図。 本発明の光学積層体における更に別の態様に係る低屈折率層の断面を模式的に示す断面図。
本発明の内容を下記の実施例により説明するが、本発明の内容はこれらの実施態様に限定して解釈されるものではない。特別に断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1)
光透過性基材(厚み60μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム;富士写真フィルム社製、TF60UL)を準備し、該光透過性基材の片面に、以下のハードコート層用組成物を塗布して塗膜を形成した。その後、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、ドライ膜厚10μmとなるようにし、紫外線を積算光量が50mJ/cmとなるように照射して塗膜を硬化させてハードコート層を形成した。
(ハードコート層用組成物)
UV1700B(日本合成化学社製、10官能、ウレタンアクリレート) 70質量部
M315(東亜合成社製、3官能、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート) 30質量部
光重合開始剤(イルガキュア184、BASF社製) 4質量部
溶剤(MEK) 100質量部
レベリング剤(F477、DIC社製、F系レベリング剤) 0.1重量部
次に、下記組成となるように調製した低屈折率層用組成物を形成したハードコート層上に塗布し塗膜を形成した。その後、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が200mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、光学積層体を製造した。
(低屈折率層用組成物)
中空状シリカ微粒子:平均粒子径(外径)75nm、シェル厚7nm、表面処理は3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)
固形換算で50質量部
バインダー樹脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30) 50質量部
光重合開始剤(イルガキュア127、BASF社製) 3質量部
溶剤(MIBK) 1900質量部
溶剤(PGMEA) 100質量部
(実施例2)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子として、平均粒子径(外径)75nm、シェル厚5nm、表面処理は3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例3)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製;DPHA)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例4)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を55質量部とし、バインダー樹脂の含有量を45質量部とした以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例5)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を58質量部とし、バインダー樹脂の含有量を42質量部とした以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例6)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を45質量部とし、バインダー樹脂の含有量を55質量部とした以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例7)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬社製;TMPTA)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例8)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬社製;TMPTA)/トリメチロールプロパントリメタクリレート(日本化薬社製;TMP)=7/3(質量比)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例9)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(東亜合成社製;M408)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例10)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのEO変性品(日本化薬社製;DPEA12)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例11)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(東亜合成社製;M−450)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例12)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの2量体(大阪有機化学工業社製;V802)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例13)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)に代えて、N−オクチルトリエトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製;A137)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例14)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)に代えて、構造式;CF(CFCHCHSi(OCHで表されるシランカップリング剤を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例15)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)に代えて、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−502)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例16)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)に代えて、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−5103)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例17)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を25質量部とし、更に、第2の中空状シリカ微粒子として、平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nmのもの(表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503))を、25質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例18)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を35質量部とし、更に、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503))を15質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例19)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を35質量部とし、更に、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503))を15質量部添加し、バインダー樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製;DPHA)を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例20)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を20質量部とし、更に、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503))を30質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例21)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を35質量部とし、更に、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤としてN−オクチルトリエトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製;A137))を15質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例22)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)に代えて、N−オクチルトリエトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製;A137)を35質量部、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503))を15質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例23)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を35質量部とし、更に、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤として、構造式;CF(CFCHCHSi(OCHで表されるシランカップリング剤)を15質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例24)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)に代えて、構造式;CF(CFCHCHSi(OCHで表されるシランカップリング剤を用いて含有量を35質量部とし、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503))を15質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例25)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)に代えて、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−502)を用いて含有量を35質量部とし、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503))を15質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例26)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を35質量部とし、更に、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−502))を15質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例27)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、PETA/TU2225(フッ素原子含有紫外線硬化型樹脂、JSR社製)/LINC3A(フッ素原子含有紫外線硬化型樹脂、共栄社化学社製)=2/7/1(質量比)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例28)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、PETA/TU2225(フッ素原子含有紫外線硬化型樹脂、JSR社製)/LINC3A(フッ素原子含有紫外線硬化型樹脂、共栄社化学社製)=3.5/1/5.5(質量比)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例29)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、DPHA/AR110(フッ素原子含有紫外線硬化型樹脂、ダイキン工業社製)=1/9(質量比)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(実施例30)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、PETA/MIBKSD(反応性シリカ微粒子、日産化学社製、平均粒子径12nm)=7/3(質量比)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(比較例1)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子を添加せず、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503))を50質量部添加した以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(比較例2)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子を添加せず、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503))を60質量部添加し、バインダー樹脂の含有量を40質量部とした以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(比較例3)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子を添加せず、第2の中空状シリカ微粒子(平均粒子径(外径)55nm、シェル厚7nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503))を45質量部添加し、バインダー樹脂の含有量を55質量部とした以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(参考例1)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子として、平均粒子径(外径)75nm、シェル厚15nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(参考例2)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子として、平均粒子径(外径)75nm、シェル厚3nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(参考例3)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子として、平均粒子径(外径)75nm、シェル厚15nm、表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製;KBM−503)を60質量部用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(参考例4)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を67質量部とし、バインダー樹脂の含有量を33質量部とした以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(参考例5)
低屈折率層用組成物において、中空状シリカ微粒子の含有量を33質量部とし、バインダー樹脂の含有量を67質量部とした以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(参考例6)
低屈折率層用組成物において、バインダー樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製;PET30)に代えて、ポリエチレングリコールジアクリレート(東亜合成社製;M240)を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体について、以下の評価を行った。その結果を表1に示した。
(反射率)
測定側である、各光学積層体の低屈折率層を設けた側とは反対側に、黒ビニールテープ(ヤマトビニールテープNo200−38−21 38mm幅を貼った後、反射率測定装置(V7100型VAR−7010 日本分光社製)を用いて、光学積層体の表面への5°正反射率(%)を測定した。
(耐擦傷(SW)性)
各光学積層体の低屈折率層表面を、#0000番のスチールウール(商品名:BON STAR、日本スチールウール社製)を用いて、摩擦荷重を変化させ、10往復摩擦し、その後の塗膜の傷、剥がれの有無を目視し下記の基準にて評価した。
○:500g/cmで傷なし
×:500g/cmで傷又は塗膜の剥がれがあった
(ヘイズ)
各光学積層体のヘイズを、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号:HM−150)を用いて、JIS K7361に準拠して測定した。
(貼付防止性)
実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体を、1330mm幅の光透過性基材を用い、クリーンルーム室内(室温25度、湿度50%の環境内で、1280mm幅でハードコート層と低屈折率層を積層した光学積層体を製造し、3900m相当分の巻取りを行った。巻取り後、同じくクリーンルーム内で、24時間経過後に、巻返して、ロール内部の貼り付きの状況を評価した。
○:貼り付き発生なし
×:貼り付き発生あり
Figure 2014059368
表1に示したように、実施例に係る光学積層体は、いずれの評価にも優れていた。
一方、比較例1及び3に係る光学積層体は、反射率が高く、比較例2に係る光学積層体は、耐擦傷性に劣っていた。
また、参考例1、3及び5に係る光学積層体は反射率が高く、参考例5に係る光学積層体は、更に貼付防止性の評価に劣っていた。参考例2、4及び6に係る光学積層体は耐擦傷性に劣り、参考例4に係る光学積層体は、更にヘイズの評価に劣っていた。
本発明の光学積層体は、上述した構成からなる低屈折率層を有するため、低屈折率性能に優れるとともに、耐擦傷性及び耐溶剤性にも優れたものとなる。そのため、本発明の光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー、タッチパネル、タブレットPC等に好適に適用することができる。
10、20、30、40 低屈折率層
11、21、31、41 中空状シリカ微粒子
12、22 第2の中空状シリカ微粒子

Claims (8)

  1. 光透過性基材の上に、低屈折率層を有する光学積層体であって、
    前記低屈折率層は、中空状シリカ微粒子を含有し、
    前記中空状シリカ微粒子は、平均粒子径が前記低屈折率層の厚みに対して50%以上、100%未満であり、かつ、前記低屈折率層の一方の界面側に整列した状態、前記低屈折率層の両方の界面側に整列した状態、及び、前記低屈折率層の両方の界面に接することなく整列した状態からなる群より選択される少なくとも1の状態で前記低屈折率層に含有されている
    ことを特徴とする光学積層体。
  2. 低屈折率層は、中空状シリカ微粒子の平均粒子径よりも小さな平均粒子径を有する第2の中空状シリカ微粒子を更に含有する請求項1記載の光学積層体。
  3. 中空状シリカ微粒子は、低屈折率層の一方の界面側に整列した状態で含有されており、第2の中空状シリカ微粒子は、前記中空状シリカ微粒子が整列した側の界面と反対側の界面に整列した状態で含有されている請求項2記載の光学積層体。
  4. 低屈折率層の光透過性基材側とは反対側の表面から、中空状シリカ微粒子又は第2の中空状シリカ微粒子が突出している請求項2又は3記載の光学積層体。
  5. 中空状シリカ微粒子は、平均粒子径が75nmであり、シェルの厚みが5〜12nmである請求項1、2、3又は4記載の光学積層体。
  6. 低屈折率層の屈折率が1.350未満である請求項1、2、3、4又は5記載の光学積層体。
  7. 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
    前記偏光板は、偏光素子表面に請求項1、2、3、4、5又は6記載の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板。
  8. 請求項1、2、3、4、5若しくは6記載の光学積層体、又は、請求項7記載の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置。
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