JP2014059063A - 絞り弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弁シート部(10a)が形成された弁座部材(10)と、弁シート部(10a)と接離する弁本体(20)と、を備えた絞り弁装置(1)であって、弁座部材(10)と弁本体(20)との間には、弁本体(20)が弁シート部(10a)と当接した状態において、弁座部材(10)と弁本体(20)との間を流体が通過する流体流路(30A)が形成されており、流体流路(30A)の少なくとも一部には、その上流から下流に向かって断面積が連続的に小さくなる断面縮小部が形成され、流体流路(30A)の下流には、流体流路(30A)を通過した流体を案内する流体案内部(22)が形成され、流体案内部が、流体流路(30A)の断面縮小部の最小流路断面積以上の流路断面積を有する。
【選択図】図3
Description
この従来のフィルター方式の絞り弁装置100は、図12に示したように、ハウジング106の内部に弁座部材110が固定されているとともに、ハウジング106の上方側には、上下移動可能に構成された弁本体120が収容されている。
図12に示した状態では、弁本体120が下方に移動し、その外周面120aが弁座部材110の弁シート部110aと当接して、弁ポート112が弁本体120によって閉止された弁閉状態となっている。
そして、主として流体流路130で減圧が行なわれるとともに、フィルター121、および多孔体123、125によって、冷媒に混入している気泡を微細化し、これにより冷媒通過音を低減できるようになっている。
本発明の絞り弁装置は、
弁シート部が形成された弁座部材と、該弁シート部と接離する弁本体と、を備えた絞り弁装置であって、
前記弁座部材と弁本体との間には、前記弁本体が弁シート部と当接した状態において、前記弁座部材と弁本体との間を流体が通過する流体流路が形成されており、
前記流体流路の少なくとも一部には、その上流から下流に向かって断面積が連続的に小さくなるように形成された断面縮小部が形成されているとともに、
前記流体流路の下流には、前記流体流路を通過した流体を案内する流体案内部が形成され、
前記流体案内部が、前記流体流路の断面縮小部の最小流路断面積以上の流路断面積を有するように形成されていることを特徴とする。
弁シート部が形成された弁座部材と、該弁シート部と接離する弁本体と、を備えた絞り弁装置であって、
前記弁座部材と弁本体との間には、前記弁本体が弁シート部と当接した状態において、前記弁座部材と弁本体との間を流体が通過する流体流路が形成されており、
前記流体流路の少なくとも一部には、その上流から下流に向かって断面積が連続的に小さくなるように形成された断面縮小部が形成されているとともに、
前記流体流路の下流には、前記流体流路を通過した流体を案内する流体案内部が形成され、
前記流体流路が、前記弁本体に形成された溝と、前記弁シート部の外周面とによって構成され、
前記流体案内部が、前記流体流路の断面縮小部の最小流路断面積以上の流路断面積を有するように形成されていることを特徴とする。
このような断面縮小部が、流体流路の少なくとも一部に形成されていれば、流体がこの断面縮小部を通過する際に、流体中に含まれる気泡が微細化されるため、流体通過音を低減することができる。
前記流体案内部が、
前記弁本体の下端外周面と、流体案内部の外周面とのなす角度αと、前記弁本体の下端外周面と、弁座部材の内周面とのなす角度βとした時に、
0<α≦βとの関係を満たすように形成されていることを特徴とする。
図1は、除湿機能を備える空気調和機を示したブロック図である。図2および図3は、本発明の絞り弁装置を示した断面図であり、図2は弁開状態における断面図、図3は弁閉状態における断面図である。また、図4は、本発明の絞り弁装置の弁座部材を示した斜視図である。
この空気調和機50は、図1に示したように、圧縮機52と、室外熱交換器54と、膨張弁56と、第1の室内熱交換器58Aと、第2の室内熱交換器58Bと、四方弁60とが、それぞれ冷媒配管を介して環状に接続されることで構成されている。
そして、圧縮機52において吸引圧縮されて冷媒配管を循環する冷媒が、室外熱交換器54、第1の室内熱交換器58A、および第2の室内熱交換器58Bなどで熱交換されることで、室内の空気を暖房、冷房、および除湿できるように構成されている。
なお、四方弁60は、暖房運転時および冷房・除湿運転時とで、冷媒の循環方向を切り換えるために配置されている。
この空気調和機50は、冷房・除湿運転時には、図中の矢印で示した方向に冷媒が流れるようになっている。そして、絞り弁装置1は、冷房運転時には、後述する図2に示したような弁開状態となり、除湿運転時には後述する図3に示したような弁閉状態となるように構成されている。
図2に示した状態では、弁本体20が上方に移動して、弁ポート12が開放された弁開状態となっている。この図2に示した弁開状態では、図2中の矢印で示したように、第1の入出口ポート2から弁室8A内に流入した冷媒が、弁ポート12を通過して、第2の入出口ポート4へ流出する。
図5(A)は、図3のa部を拡大して示した拡大断面図、図5(B)は、図5(A)のb−b線における断面図、図5(C)は、図5(A)のc−c線における断面図である。また、図6は、流体流路30Aを冷媒が通過している状態を概念的に示した図である。
また、その下流端30cの溝深さH2も、上流端30bの溝深さH1よりも浅くなっている。すなわち、流体流路30Aの全体は、その上流端30bから下流端30cに向かって断面積が連続的に小さくなるように形成されている。
すなわち、図6に概念的に示したように、流体流路30Aに流入した冷媒中に含まれている大きな気泡33bは、流体流路30Aを通過する際に、気泡が徐々に圧縮されて微細化し、小さい気泡33cとなって下流端30cから流出することとなる。
この際、図5(A)に示したように、流体案内突部22の外周面22aにR部21aが形成され、このR部21aが弁本体20の外周面20aと接続するように形成されていれば、流体流路30Aを通過した冷媒の流路方向をスムーズに下向きに変えることができるため、好ましい。
流体案内突部22が、このように突設されていれば、流体流路30Aを通過した冷媒流の流路方向を略下向きに変えることができ、弁本体210の外周面210aが約30°傾いて形成されている従来の絞り弁装置200に対して、その冷媒通過音を大きく低減することができる。
このように構成されていれば、限られた流体流路30Aの長さの中で、冷媒中に含まれる気泡をスムーズに微細化することができるため好ましいが、本発明の絞り弁装置1はこれに限定されない、すなわち、少なくとも流体流路30Aの一部が、その上流から下流に向かって断面積が連続的に小さくなるように形成されていればよい。
また、図示しないが、このような断面縮小部34Aが、流体流路30Aの下流端30c側に形成されていてもよい。また、図示しないが、このような断面縮小部34Aが、流体流路30Aの中間部に形成され、その上流端30b側、およびその下流端30b側は均一な断面積に形成されていてもよい。
このような断面拡大部34Bが形成されていれば、流体流路30Aを通過した冷媒が、第2の入出口ポート4に流出する際に生ずる冷媒の圧力変化を緩やかにすることができ、冷媒通過音も小さくすることができる。
0<α≦βとの関係を満たすように形成されているのが望ましい。
この実施例の絞り弁装置1は、図2に示した絞り弁装置1と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
この場合、流体案内溝部36は、水平部36aと鉛直部36bとから構成されている。
0<α≦βとの関係を満たすように形成されているのが望ましい。
さらに、図10に示したように、R部36cを有するように形成することも可能である。
この実施例の絞り弁装置1は、図2に示した絞り弁装置1と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例の絞り弁装置1では、弁開時に、バネ受け部材38の下端の下方に延設された囲繞部40によって、弁本体20の下端部、すなわち、流体案内突部22が取り囲まれる。
例えば、上述した実施形態では、弁座部材10の弁シート部10aに溝30を形成し、この溝30と弁本体20の外周面20aとによって、流体流路30Aを画成している。
しかしながら、本発明の絞り弁装置1はこれに限定されず、例えば、弁本体20の外周面20aに溝30を形成し、この溝30と弁座部材10の弁シート部10aとによって流体流路30Aを画成するように構成してもよい。
例えば、流体案内突部22を弁座部材10や第2の入出口ポート4の一部分として構成することや、また、例えば、流体案内突部22を弁本体20、弁座部材10、第2の入出口ポート4とは別体の部材によって構成することも可能である。
このように、流体流路30Aと流体案内突部22とが両方とも形成されていれば、流体流路30Aによって気泡が微細化される効果と、流体案内突部22によって冷媒流同士の衝突が回避されることの効果とが相まって、冷媒通過音をより低減することができるため、好ましい。
すなわち、例えば、少なくとも流体流路30Aの一部は、その上流から下流に向かって断面積が連続的に小さくなるように形成されているが、流体案内突部22は形成されていない絞り弁装置1であってもよい。
また、例えば、複数の流体流路30Aの下流には流体案内突部22が各々形成されているが、流体流路は従来のように均一な断面積に形成されている絞り弁装置1であってもよいものである。
しかしながら、本発明の絞り弁装置1の用途はこれに限定されず、弁閉状態において膨張弁として作用する絞り弁装置として、広く他の用途にも適用可能である。また、流体も冷媒には限定されず、例えば、水などであってもよいものである。
なお、以下の説明において特に断りのない場合は、後述する実施例1〜3、比較例、および参考例ともに、同じ条件で試験を行っているものとする。
実施例1では、図2〜図5に示した絞り弁装置1を用いて試験を行った。
すなわち、この実施例1で用いた絞り弁装置1は、上述したように、流体流路30Aの全体が、上流端30bから下流端30cに向かって断面積が連続的に小さくなるように形成されているとともに、弁本体20の先端部には、流体案内突部22がその外周から鉛直方向に突設して形成されている。
実施例2で用いた絞り弁装置1は、上述した実施例1の絞り弁装置1に対して、流体流路30Aの一部または全体に断面縮小部34Aが形成されていない点だけが異なっている。
すなわち、この実施例2で用いた絞り弁装置1は、上述した実施例1の絞り弁装置1と同様に、弁本体20の先端部に流体案内突部22が形成されているが、その流体流路は、図13および図14に示した従来の溝方式の絞り弁装置200における流体流路230Aと同様に、流体流路の全体にわたって同じ断面形状に形成されている。
実施例3で用いた絞り弁装置1は、上述した実施例1の絞り弁装置1に対して、流体流路30Aの下流に流体案内突部22が形成されていない点だけが異なっている。
すなわち、この実施例3で用いた絞り弁装置1は、上述した実施例1の絞り弁装置1と同様に、流体流路30Aの全体が、上流端30bから下流端30cに向かって断面積が連続的に小さくなるように形成されているが、その弁本体は、図13および図14に示した従来の溝方式の絞り弁装置200の弁本体220と同じ形状に形成されている。
比較例では、図13および図14に示した従来の溝方式の絞り弁装置200を用いて試験を行った。
すなわち、この比較例で用いた絞り弁装置200は、上述したように、流体流路230Aの全体が、上流端230bから下流端230cに至るまで同じ断面形状に形成されているとともに、流体流路230Aの下流には流体案内突部が形成されておらず、図14に示したように、弁閉状態において、弁本体220の先端部は、矢印232の延長線と交差しない位置にある。
また、その他の条件については、上述した実施例1と同じである。
参考例では、図12に示した従来のフィルター方式の絞り弁装置100を用いて試験を行った。
この参考例で用いた絞り弁装置100は、上述したように、弁座部材110の弁シート部110aと弁本体120の外周面120aとの間に流体流路は形成されておらず、フィルター121、および多孔体123を介して、弁本体120の内部に形成されている流体流路130を冷媒が通過するようになっている。
なお、使用しているフィルター121、および多孔体123、125は、溝方式の絞り弁装置用のフィルターおよび多孔体として、標準的なものを使用している。
上述した実施例1〜3、比較例、および参考例の試験結果を表1に示す。
2 第1の入出口ポート
2a 上部内壁
4 第2の入出口ポート
6 ハウジング8A 弁室
10 弁座部材
10a 弁シート部
12 弁ポート
20 弁本体
20a 外周面
20b 弁シート部の上端と当接する位置
20c 外周面の下端
21a R部
22 流体案内突部
22a 外周面
30 溝
30A 流体流路
33b 大きな気泡
33c 小さな気泡
34A 断面縮小部
34B 断面拡大部
36 流体案内溝部
36a 水平部
36b 鉛直部
36c R部
38 バネ受け部材
40 囲繞部
50 空気調和機
52 圧縮機
54 室外熱交換器
56 膨張弁
58A 第1の室内熱交換器
58B 第2の室内熱交換器
60 四方弁
100 フィルター式の絞り弁装置
102 第1の入出口ポート
104 第2の入出口ポート
106 ハウジング
108A 弁室
110 弁座部材
110a 弁シート部
112 弁ポート
120 弁本体
120a 外周面
121 フィルター
123、125 多孔体
130 流体流路
132 連絡路
200 溝方式の絞り弁装置
202 第1の入出口ポート
204 第2の入出口ポート
206 ハウジング
208A 弁室
210 弁座部材
210a 弁シート部
212 弁ポート
220 弁本体
220a 外周面
230 溝
230A 流体流路
300 電磁弁
302 弁座シート部材
304 弁座部材
306 入口側パイプ
308 弁体
O 中心軸線
Claims (8)
- 弁シート部が形成された弁座部材と、該弁シート部と接離する弁本体と、を備えた絞り弁装置であって、
前記弁座部材と弁本体との間には、前記弁本体が弁シート部と当接した状態において、前記弁座部材と弁本体との間を流体が通過する流体流路が形成されており、
前記流体流路の少なくとも一部には、その上流から下流に向かって断面積が連続的に小さくなるように形成された断面縮小部が形成されているとともに、
前記流体流路の下流には、前記流体流路を通過した流体を案内する流体案内部が形成され、
前記流体案内部が、前記流体流路の断面縮小部の最小流路断面積以上の流路断面積を有するように形成されていることを特徴とする絞り弁装置。 - 弁シート部が形成された弁座部材と、該弁シート部と接離する弁本体と、を備えた絞り弁装置であって、
前記弁座部材と弁本体との間には、前記弁本体が弁シート部と当接した状態において、前記弁座部材と弁本体との間を流体が通過する流体流路が形成されており、
前記流体流路の少なくとも一部には、その上流から下流に向かって断面積が連続的に小さくなるように形成された断面縮小部が形成されているとともに、
前記流体流路の下流には、前記流体流路を通過した流体を案内する流体案内部が形成され、
前記流体流路が、前記弁本体に形成された溝と、前記弁シート部の外周面とによって構成され、
前記流体案内部が、前記流体流路の断面縮小部の最小流路断面積以上の流路断面積を有するように形成されていることを特徴とする絞り弁装置。 - 前記流体流路が、複数形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の絞り弁装置。
- 前記流体案内部が、前記複数形成された流体流路に対応して各々形成されていることを特徴とする請求項3に記載の絞り弁装置。
- 前記流体流路の全体が、その上流端から下流端に向かって断面積が連続的に小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の絞り弁装置。
- 前記流体案内部が、
前記弁本体の下端外周面と、流体案内部の外周面とのなす角度αと、前記弁本体の下端外周面と、弁座部材の内周面とのなす角度βとした時に、
0<α≦βとの関係を満たすように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の絞り弁装置。 - 前記流体案内部が、弁本体下部に突設した流体案内突部から構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の絞り弁装置。
- 前記流体案内部が、弁本体下部に形成した流体案内溝部から構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の絞り弁装置。
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