JP2014058136A - プリプレグの製造方法およびプリプレグの製造装置 - Google Patents
プリプレグの製造方法およびプリプレグの製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014058136A JP2014058136A JP2012205221A JP2012205221A JP2014058136A JP 2014058136 A JP2014058136 A JP 2014058136A JP 2012205221 A JP2012205221 A JP 2012205221A JP 2012205221 A JP2012205221 A JP 2012205221A JP 2014058136 A JP2014058136 A JP 2014058136A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber base
- prepreg
- base material
- resin layer
- sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【課題】樹脂層の繊維基材への含浸度合いを所望のものとすることができるプリプレグの製造方法および製造装置を提供すること。
【解決手段】製造装置30は、シート5a,5bの前記樹脂層3,4を、繊維基材2の表面および裏面のそれぞれに当接させて、前記シートと前記繊維基材2とを積層して積層体(積層シート)40Aを得る積層手段70と、積層シート40Aを加熱して繊維基材2内部への前記樹脂層の硬化を進行させる第一の加熱手段60と、積層シート40Aの樹脂層3,4から、シートの支持基体52を剥離する剥離手段80と、支持基体52が剥離された積層シートである積層シート40Bを加熱して、繊維基材2内部への前記樹脂層3の硬化を進行させる第二の加熱手段90とを含む。
【選択図】図2
Description
このようなプリプレグは、以下のようにして製造される(たとえば、特許文献1参照)。
上面に樹脂ワニスが塗布されたフィルムに対して、上側から繊維基材を重ね、繊維基材をフィルムに圧接させる。これにより、樹脂ワニスを繊維基材に含浸させている。その後、樹脂ワニスを加熱乾燥させて樹脂ワニスを半硬化状態としている。
これは、以下のような理由によるものであると推測される。
樹脂ワニスを硬化させる際、樹脂ワニスがフィルムに拘束される。そのため、樹脂ワニスは、自由に動けずに硬化することとなるので、プリプレグに内部応力が残留しやすくなる。従来は、硬化時に、樹脂ワニスがフィルムに引っ張られて発生する程度の内部応力による影響はないものと考えられていたが、本願発明者らが検討した結果、この内部応力がプリプレグの寸法変動に影響を大きく及ぼしていることがわかった。
熱硬化性の樹脂層とこの樹脂層を支持する支持基体とを備えるシートの前記樹脂層を、繊維基材の表面および裏面の少なくとも一方の面に当接させて、前記シートと前記繊維基材とを積層して積層体を得る積層工程と、前記シートと前記繊維基材との積層体を加熱して、前記樹脂層の硬化を進める第一の加熱工程と、前記積層体の前記樹脂層から、前記シートの前記支持基体を剥離する剥離工程と、前記支持基体が剥離された前記積層体を加熱して、前記樹脂層の硬化をさらに進める第二の加熱工程とを含むプリプレグの製造方法が提供される。
次に、樹脂層から支持基体を剥離し、第二の加熱工程では、支持基体が剥離された樹脂層を硬化している。第二の加熱工程では、樹脂層から支持基体が剥離されているので、硬化の際に樹脂層が支持基体に拘束されることなく、硬化できる。そのため、プリプレグに発生する内部応力を低減できる。
すなわち、本発明によれば、熱硬化性の樹脂層とこの樹脂層を支持する支持基体とを備えるシートの前記樹脂層を、繊維基材の表面および裏面の少なくとも一方の面に当接させて、前記シートと前記繊維基材とを積層して積層体を得る積層手段と、前記積層体を加熱して硬化させる第一の加熱手段と、前記積層体の前記樹脂層から、前記シートの前記支持基体を剥離する剥離手段と、前記支持基体が剥離された前記積層体を加熱してさらに硬化させる第二の加熱手段とを含むプリプレグの製造装置も提供できる。
はじめに、本発明のプリプレグの製造方法、製造装置により製造されるプリプレグ1について説明する。
<プリプレグ>
図1に示すように、プリプレグ1は、全体形状が帯状(長尺状)をなし、薄板状(平板状)の繊維基材(基材)2と、繊維基材2の一方の面(上面)側に位置し、第1の樹脂組成物で構成される第1の樹脂層(樹脂層)3と、繊維基材2の他方の面(下面)側に位置し、第2の樹脂組成物で構成される第2の樹脂層(樹脂層)4とを有する。各樹脂層3,4は、Bステージ状態である。
この繊維基材2としては、例えば、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維や全芳香族ポリアミド樹脂繊維等を含むアラミド繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等を主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙繊維基材等の有機繊維基材等の繊維基材等が挙げられる。
なお、繊維基材は、上述した繊維のいずれか1種を使用してもよいし、2種以上を使用したものであってもよい。
なお、第1樹脂層3のうち、繊維基材2に含浸されていない領域は、非含浸部32であり、第2樹脂層4のうち、繊維基材2に含浸されていない領域は、非含浸部42である。
本実施形態では、第1の含浸部31の厚みと、第2の含浸部41の厚みは等しい。
さらに、第1の樹脂層3の第1の含浸部31を除く部分(第1の非含浸部32)の厚みと、第2の樹脂層4の第2の含浸部41を除く部分(第2の非含浸部42)の厚みとは等しい。第1の非含浸部32の厚み、第2の非含浸部42の厚みは、たとえば、2〜20μmである。なお、第1の含浸部31の厚みと、第2の含浸部41の厚みは異なっていてもよく、また、第1の非含浸部32の厚みと、第2の非含浸部42の厚みとが異なっていてもよい。
符号20は、第1の含浸部31と、第2の含浸部41との境界を模式的に示している。
支持基体52の厚みは、10〜45μmであることが好ましく、とくに、25〜40μmであることが好ましい。本実施形態では、支持基体52が樹脂層3あるいは樹脂層4に貼りついた状態で、樹脂層3,4を繊維基材2内部に含浸させる。そのため、支持基体52の厚みを上述した範囲内とすることで、含浸時の樹脂層3,4の加熱を妨げることを防止できる。また、繊維基材2の表面形状に沿って、支持基体52を変形させることができ、樹脂層3,4を繊維基材2へ含浸しやすくすることができる。
なお、シート5a、5bにおける各樹脂層3,4の厚みは、たとえば、3〜60μm、好ましくは5〜50μmである。
次に、上述したプリプレグ1を製造するための製造装置30について説明する。
図2を参照して、製造装置30の概要について説明する。
この製造装置30は、熱硬化性の樹脂層(たとえば、樹脂層3)とこの樹脂層を支持するシート状の支持基体52とを備えるシート(たとえば、シート5a)の前記樹脂層を、繊維基材2の表面および裏面の少なくとも一方の面に当接させて、前記シートと前記繊維基材2とを積層して積層体(積層シート)40Aを得る積層手段70と、
積層シート40Aを加熱して繊維基材2内部への前記樹脂層の硬化を進行させる第一の加熱手段60と、
積層シート40Aの前記樹脂層から、シートの支持基体52を剥離する剥離手段80と、
支持基体52が剥離された積層シートである積層シート40Bを加熱して、繊維基材2内部への前記樹脂層3の硬化をさらに進行させる第二の加熱手段90とを含む。
なお、積層シート40A,40Bは、その長手方向に沿って搬送される。
なお、図2においては、見易さを考慮して、シート5a,5bの支持基体51については図示を省略している。
積層シート製造装置30は、前述した積層手段70と、第一の加熱手段60と、剥離手段80と、第二の加熱手段90、に加えて切断手段85を含む。
図3に示すように、積層手段70は、ハウジング75と、ハウジング75内に収納された第1のローラ71a、71b、第2のローラ72a、72bおよび第3のローラ73a、73bと、ハウジング75内を減圧する減圧手段76とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
ここで、壁部751は、平板状のものであることが好ましいが、これに限られるものではない。第1のローラ71aおよび71bと、第2のローラ72aおよび72bと、第3のローラ73aおよび73bとで、シート搬送方向に沿った両端面が開口した筒状体が構成される。壁部751は、この筒状体の前記開口を閉鎖するものであればよい。なお、一対の壁部751は、各ローラ71a、71b、72a、72b、73a、73bが架け渡されるものであることが特に好ましい。
また、第2のローラ72a、72bを加熱ローラとすることで、繊維基材2に対して第1の樹脂層3と第2の樹脂層4とを含浸させやすくすることができる。なお、第2のローラ72a、72bの温度は、樹脂層3,4の溶融温度よりも高いことが好ましい。
第2のローラ72a、72bにより、積層シート40Aは後述する空間S外部に送り出される。ここで、第2のローラ72a、72bにより、積層シート40Aは大気圧以上の雰囲気下に送り出されることが好ましい。本実施形態では、第2のローラ72a、72bのシート搬送方向下流側は大気圧であり、第2のローラ72a、72bにより、積層シート40Aは大気圧下に搬送されることとなる。
第3のローラ73bは、繊維基材2の他方の面側(裏面側)に配置された第1のローラ71bのシート搬送方向下流側であり、繊維基材2の他方の面側(裏面側)に配置された第2のローラ72bのシート搬送方向上流側に配置されている。
第3のローラ73aと第3のローラ73bとは、互いに上下方向(鉛直方向)に離間し、水平方向には平行に対向配置されている。そして、第3のローラ73aが回転すると、第一シート5aの第1の樹脂層3から支持基体51を剥離する(巻き取る)ことができる(図3参照)。これと同様に、第3のローラ73bが回転すると、第二シート5bの第2の樹脂層4から支持基体51を剥離することができる(図3参照)。
減圧手段76は、ローラで囲まれた空間S内部を、空間S外部の領域よりも低い気圧とする。減圧手段76を駆動することで、第1のローラ71a、71bよりもシート搬送方向上流側の領域、第2のローラ72a、72bよりも、シート搬送方向下流側の領域よりも空間Sの気圧は低くなる。第1のローラ71a、71bを境界とし、この第1のローラ71a、71bよりもシート搬送方向上流側の領域は、大気圧以上(本実施形態では、大気圧下)である。
同様に、第2のローラ72a、72bを境界とし、第2のローラ72a、72bよりも、シート搬送方向下流側の領域は、大気圧以上(本実施形態では、大気圧下)である。
前述したように、一対の第2のローラ72a、72bにより、繊維基材2、第1の樹脂層3および第2の樹脂層4が圧着される。このとき、第1の樹脂層3の幅方向の一方の端部と、第2の樹脂層4の幅方向の一方の端部とが溶融して、圧着(熱圧着)されるとともに、第1の樹脂層3の幅方向の他方の端部と、第2の樹脂層4の幅方向の他方の端部とが溶融して、圧着(熱圧着)される。これにより、樹脂層3,4の端部同士が直接接合されて、接合部が形成され、繊維基材2が第1の樹脂層3および第2の樹脂層4内に内包される形となる。すなわち、積層シート40Aの幅方向の両端部は密閉された状態となる。
繊維基材2は、複数の孔が形成された多孔質材である。繊維基材2に形成された孔は、他の孔を介して、シート搬送方向に連通し、さらに、繊維基材2表裏面に連通する。そのため、空間S外部に位置する繊維基材2であっても、その内部は、空間Sに連通することとなる。空間S外部に位置する繊維基材2内部の気体(空気)は、繊維基材2内部の孔および空間Sを介して、減圧手段により吸引されることとなる。
積層手段70のローラ72a、72bから、支持基体52、樹脂層4、繊維基材2、樹脂層3、支持基体52で構成される積層シート40Aが連続的に送出される。ここで、ローラ72a、72bにより、樹脂層3,4は繊維基材2に圧着されるが、このとき、樹脂層3,4の一部が、繊維基材2内部に含浸される。ただし、ローラ72a、72bにより、繊維基材2内部が完全に樹脂層3,4で埋まってしまうことはない。
第一の加熱手段60には、積層シート40Aが連続的に供給され、積層シート40Aを加熱して繊維基材2内部への樹脂層3,4の含浸をさらに、進行させる。
第一の加熱手段60は、たとえば、少なくとも一対の加熱ローラ61a、61bを備える。本実施形態では、第一の加熱手段60は複数対の加熱ローラ61a、61bを有している。加熱ローラ61a、61b間に、積層シート40Aが供給され、積層シート40Aは、加熱ローラ61a、61bで挟圧されるとともに、加熱されることとなる。
加熱ローラ61a、61bは、回転することで、積層シート40Aを搬送する機能も有する。
なお、ここでは、第一の加熱手段60は、加熱ローラを備えるとしたが、これに限らず、第一の加熱手段は、積層シートの搬送方向に沿って延在するヒータ等の加熱部を有していてもよい。
第一の加熱手段60により、積層シート40Aは搬送されながら、加熱されることとなる。
第一の加熱手段60により、積層シート40Aを加熱する際の加熱温度は、後述する第二の加熱手段90による加熱温度よりも低いことが好ましい。また、積層シート40Aを加熱する際の加熱温度は、ローラ72a、72bによる加熱温度よりも低いことが好ましい。たとえば、第一の加熱手段60による積層シート40Aの加熱温度は、80〜180℃であることが好ましく、第二の加熱手段90による積層シート40Bの加熱温度は、80〜200℃であることが好ましい。第一の加熱手段60では、主として樹脂層3,4の繊維基材2内部への含浸を進行させ、さらには、樹脂層3,4の硬化を進行させて、後段で、支持基体52を積層シート40Aから剥離しやすくする。ただし、第二の加熱手段90での加熱温度よりも低い温度で、第一の加熱手段60により積層シート40Aを加熱することで、樹脂層3,4の硬化が進行しすぎ、含浸しにくくなることを防止している。
一方で、第二の加熱手段90では、第一の加熱手段60よりも高い温度で加熱することで、樹脂層3,4の硬化を進行させて、硬化の程度を調整し、所望の硬化率とする。なお、第二の加熱手段90により、樹脂層3,4の繊維基材2内部への含浸を進行させてもよい。
このようにすることで、第一の加熱手段60で積層シート40Aの加熱を行ない、繊維基材2内部へ樹脂層3,4を十分に含浸させることができる。第一の加熱手段60のシート搬送方向下流側で、第1の樹脂層3と、第2の樹脂層4との幅方向の端部同士の接合部を切断するため、第一の加熱手段60を積層シート40Aが通過する際に、繊維基材2内部へ樹脂層3,4を十分に含浸させることが好ましい。より具体的には、繊維基材2内部に、繊維基材2の搬送方向に沿った端面に連通する孔が存在しないように、繊維基材2内部へ樹脂層3,4を十分に含浸させることが好ましい。
第一の加熱手段60のシート搬送方向下流側には、第一の加熱手段60から送出された積層シート40Aを後段の切断手段85へ搬送するための搬送ローラR1が配置されている。
この切断手段85は、図8に示すように、第1の樹脂層3と、第2の樹脂層4との幅方向の端部同士の接合部を切断するための一対のブレードである。本実施形態の切断手段85では、前述した接合部に加えて、繊維基材2の搬送方向に沿った一対の端部および繊維基材2の前記端部を被覆する樹脂層3,4も切断する。
図8は、積層シートの搬送方向と直交する方向の断面図である。
本実施形態では、剥離手段80で支持基体52を剥離する前段で、接合部を切断している。これにより、剥離手段80で支持基体52を剥離する際に、接合部の接合界面あるいは接合界面近傍から亀裂が生じ、樹脂層3,4の破片が生じることを防止することができる。
剥離手段80は、図9に示すように、樹脂層3から支持基体52を剥離する剥離ローラ81と、樹脂層4から支持基体52を剥離する剥離ローラ81とを備える。
各剥離ローラ81により剥離された各支持基体52は、巻き取りローラ(図示略)で巻き取られることとなる。
ここで、剥離ローラ81は、前述したローラ71aと同様の構造、材料のものを使用できる。
搬送ローラR2,R3間の距離はたとえば、5m程度である。
各加熱炉91内部には、加熱手段であるヒータ92が配置されている。そして、加熱炉91内を通過する積層シート40Bを加熱する。
なお、本実施形態では、第二の加熱手段90は、縦型加熱炉を備えるとしたが、これに限らず、横型の加熱炉であってもよい。たとえば、エアーにより、積層シートを裏面側から支持しながら、横型の加熱炉内を搬送してもよい。
図2に示すように、第二の加熱手段90のシート搬送方向下流側には、巻き取りローラR4が配置されており、巻き取りローラにより、プリプレグ1が巻き取られる。
次に、積層シート製造装置30によるプリプレグ1の製造方法について説明する。
第1のローラ71a、71bと、第2のローラ72a、72bと、第3のローラ73a、73bとが回転するのに先立ち、減圧手段76を作動させ、空間S内の気体を吸引して、空間S内を減圧しておく。
空間S内の気圧は、たとえば、800Pa以下、100Pa以上である。
ここで、第1のシート5aは、前述したように、支持基体51、第1の樹脂層3、支持基体52をこの順に積層してなるものである。
この第1のシート5aは、支持基体51が第3のローラ73aの外周面に沿って巻き取られ(引張られ)、これにより、第1の樹脂層3から支持基体51が剥離される。支持基体51が剥離した第1の樹脂層3は、第2のローラ72aに沿って徐々に繊維基材2に接近していく。また、剥離された支持基体51は、第1のローラ71aと第3のローラ73aとにより、第2のローラ72a、72bとは異なる方向に送出される。具体的には、第1のローラ71aと第3のローラ73aとの間から外側(空間S外)に向かって送り出される。また、第1の樹脂層3は、Bステージの状態であり、固形、半固形、あるいは液体の状態である。
また、第2の樹脂層4は、Bステージの状態であり、固形、半固形、あるいは液体の状態である。
なお、ここで、繊維基材2等が連続的に供給される、あるいは排出されるとは、枚葉式のように、繊維基材等が間欠的に供給、あるいは排出されるものを除く趣旨である。たとえば、空間S内に繊維基材2等が存在する状態と、存在しない状態とが短期間で交互にいれかわるものを除く趣旨である。ただし、必要に応じて、繊維基材2等の搬送を停止してもよい。
さらに、空間S内を減圧することで、繊維基材2内部の気体が吸引されることとなり、繊維基材2内部に含浸した樹脂層中にボイドが発生しにくくなる。
なお、第2のローラ72aと第2のローラ72bにより、樹脂層3,4の一部が繊維基材2内部に含浸するものの、完全に含浸することはない。この工程において、樹脂層3,4は、繊維基材2に含浸するものの、第2のローラ72a、72bから送り出された積層シート40Aの繊維基材2内部は、空間S内に位置する繊維基材2内部と連通している。
また、第2のローラ72aと第2のローラ72bにより、樹脂層3,4を加熱して溶融させて、樹脂層3,4を繊維基材2内部に含浸させることで、所望の含浸度のプリプレグ1を得ることができる。すなわち、第二の加熱手段90による加熱後に、樹脂層3,4の含浸が不十分となってしまうことを防止できる。
第一の加熱手段60では、前述したように、加熱ローラ61a、61bで加熱されるとともに、加圧される。これにより、樹脂層3,4の繊維基材2内部への含浸が進行することとなる。また、第一の加熱手段60により、樹脂層3,4の硬化も進行する。ただし、第一の加熱手段60による加熱終了後においても、樹脂層3,4はBステージの状態である。第一の加熱手段60により積層シート40Aへの加熱を実施することで、樹脂層3,4の硬化を進行させて、後段で、支持基体52を積層シート40Aから剥離しやすくすることができる。
繊維基材2は、複数の孔が形成された多孔質材である。繊維基材2に形成された孔は、他の孔を介して、シート搬送方向に連通し、さらに、繊維基材2表裏面に連通する。そのため、空間S外部に位置する繊維基材2であっても、その内部は、空間Sに連通することとなる。空間S外部に位置する繊維基材2内部の気体は、繊維基材2内部の孔および空間Sを介して、減圧手段により吸引されることとなる。第一の加熱手段60による加熱の際、加熱されている積層シート40Aの繊維基材2の内部は、空間S内部に存在する繊維基材2の内部と連通している。従って、空間S内を減圧することで、空間S内に位置する繊維基材2を介して、第一の加熱手段60により加熱されている積層シート40Aの繊維基材2内部が減圧されることとなる。すなわち、第一の加熱手段60では、繊維基材2内部の気体が減圧手段76に吸引されている間に、樹脂層3,4の繊維基材2への含浸が進行することとなる。これにより、樹脂層3,4が繊維基材2内部へ含浸する際に、繊維基材2内部に気体が残存してしまうことを抑制できて、繊維基材2内でボイドが発生することを抑制できる。
これに加えて、積層シート40Aにおいて、繊維基材2の搬送方向側の端面は、樹脂層3,4に被覆されており、露出していない。そのため、積層シート40Aの繊維基材2の前記端面側から気体が積層シート40Aの繊維基材2内部に流入してしまうことが防止され、積層シート40Aの繊維基材2内部を確実に減圧できる。これによっても、第一の加熱手段60で積層シート40Aを加熱して、樹脂層3,4が繊維基材2内部へ含浸する際に、繊維基材2内部に気体が残存してしまうことを抑制できる。
また、第一の加熱手段60により、繊維基材2内部に繊維基材2の搬送方向に沿った端面に連通する孔が存在しないように、繊維基材2内部へ樹脂層3,4を十分に含浸させる。少なくとも、繊維基材2内部から、繊維基材2端面にわたって連通するような連続した複数のボイドが消失する程度に、繊維基材2内部に、樹脂層3,4を含浸させることが好ましい。
第一の加熱手段60では、積層シート40Aを搬送しながら、繊維基材2への樹脂層3,4の含浸が進行することとなる。
図8に示すように、切断手段85により、第1の樹脂層3と、第2の樹脂層4との幅方向の端部同士の接合部を切断する。
切断手段85で、第1の樹脂層3と、第2の樹脂層4との幅方向の端部同士の接合部を切断するが、第一の加熱手段60により、繊維基材2内部に繊維基材の搬送方向に沿った端面に連通する孔が存在しないように、繊維基材2内部へ樹脂層3,4を十分に含浸させているため、繊維基材2内部に気体(空気)が流入してしまうことが抑制できる。
その後、図9に示すように、剥離手段80により、樹脂層3から支持基体52が剥離されるとともに、樹脂層4から支持基体52が剥離される。これにより積層シート40Bとなる。
次に、一対の支持基体52が剥離された積層シート40Bは、第二の加熱手段90により加熱されることとなる。
具体的には、図2,10に示すように、搬送ローラR2,R3により、積層シート40Bは、一方の縦型加熱炉91内を鉛直方向上向きに搬送されながら、加熱される。その後、一方の縦型加熱炉91から積層シート40Bが送り出されて、その後、他方の縦型加熱炉内に積層シート40Bが送り込まれる。積層シート40Bは、他方の縦型加熱炉91内を鉛直方向下向きに搬送されながら、加熱される。
この加熱工程では、積層シート40Bを縦型加熱炉内で搬送している間に、樹脂層3,4の硬化がさらに進行する。この加熱工程の前段で、樹脂層3,4から支持基体52が剥離されているので、樹脂層3,4が支持基体52に拘束されることない。そのため、樹脂層3,4を硬化する際に発生する内部応力を低減させることができ、寸法変動の小さいプリプレグを製造することができる。たとえば、リフロー等の加熱を行なうと、プリプレグを構成する樹脂層がやわらかくなり、樹脂層内部の応力が緩和される。応力が緩和されると、樹脂層は収縮しやすくなり、プリプレグに寸法変動が生じる。しかしながら、本実施形態では、樹脂層3,4内部の応力を低減することができるため、リフロー等の加熱工程を経た後における、プリプレグの寸法変動を小さくすることができる。
なお、第一の加熱手段60において、繊維基材2内部への樹脂層3,4の含浸を終了させておき、第二の加熱工程においては、樹脂層3,4は、繊維基材内部に含浸しなくてもよい。
また、第二の加熱工程においては、一対の支持基体52が剥離された積層シート40Bを加熱するため、支持基体52の耐熱温度を考慮することなく、積層シート40Bを加熱することができる。
さらには、第二の加熱工程を実施することで、樹脂層3,4の硬化を一定程度進行させることができ、積層シート40Bを折りたたむ等した場合に、樹脂層3,4同士が貼りついてしまうことを防止することができる。
以上のようにしてプリプレグ1が得られる。なお、プリプレグ1において、本実施形態では、繊維基材2内部は、樹脂層3,4により完全に埋め込まれている。ただし、繊維基材2内部が樹脂層3,4に完全に埋め込まれておらず、繊維基材2内部に空隙が形成されていてもよい。
次に、プリプレグ1を用いた基板10について、図11を参照しつつ説明する。この図11に示す基板10は、積層体11と、この積層体11の両面に設けられた金属層12とを有している。この基板は、多層プリント配線板のコア材として使用されるものである。この基板10の表裏面に、プリプレグ1と回路層とを交互に積層することで、多層プリント配線板(回路基板)が得られる。多層プリント配線板には、半導体素子が搭載される。
プリプレグ1は、所定の長さに切断して使用される。
たとえば、前記実施形態では、積層シート40Aから一対の支持基体52を剥離した後、第二の加熱手段90による加熱を実施したが、これに限られるものではない。たとえば、一方の支持基体を銅等の金属箔とし、他方の支持基体を支持基体52と同様、樹脂フィルムとする。そして、剥離手段により、他方の支持基体を剥離するとともに、一方の支持基体は、樹脂層に設けられた状態で、第二の加熱手段90で加熱を行なってもよい。
たとえば、繊維基材2の一方の面にのみ、シートの樹脂層を圧着して積層体を構成してもよい。
たとえば、容器内を減圧し、この容器内で繊維基材2と、支持基体52付の樹脂層3、4を積層する場合には、容器内部にローラ等の圧着手段を設け、支持基体52付の樹脂層3、4と、繊維基材2とを圧着した後、容器から、支持基体52付の樹脂層3、4、繊維基材2で構成される積層シートを送出してもよい。
(実施例1)
1.第1樹脂層および第2樹脂層のワニスの調製
エポキシ樹脂として、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)20質量部、シアネートエステル樹脂として、フェノールノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット PT−30)10質量部、フェノキシ樹脂(YX−6954BH45、固形分45重量%)を固形分で3質量部、触媒としてホスホニウム化合物(住友ベークライト社製、C05−MB)0.15質量部、シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A−187)0.55質量とを、メチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、充填材として球状シリカ(アドマテックス社製、SO−31R、平均粒径1.0μm)66.3質量部を、高速撹拌装置を用いて30分間撹拌して、不揮発分65質量%となるように調整し、樹脂ワニスを調製した。第1樹脂層および第2樹脂層はこの樹脂ワニスにより構成され、同じ樹脂組成物からなる。
キャリアフィルム(第二支持基体52)としてポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン製、NRA03、厚さ38μm、幅480mm)を用い、上述の第1樹脂層のワニスをコンマコーター装置で塗工し、140℃の乾燥装置で2分間乾燥させ、厚さ15μm、幅410mmの樹脂層が、キャリアフィルムの幅方向の中心に位置するように形成した。さらに、この樹脂層を前述したキャリアフィルムと同様のキャリアフィルム(第一支持基体51)ではさみ、シート5a、5bを得た。
前記実施形態の製造装置30を使用して、プリプレグを製造した。
繊維基材としてガラス織布(クロスタイプ#1037、幅360mm、厚さ25μm、坪量24g/m2)を用いた。
はじめに、空間S内を10torr(1333Pa)に減圧し、空間S内に、第一のシート5a、第二のシート5bを供給した。前記実施形態と同様、第一のシート5aの支持基体51、第二のシート5bの支持基体51は、ローラ73a、bにより、剥離された。
そして、70℃のローラ72a、72bで、第1の樹脂層3に設けられた支持基体52と、第1の樹脂層3と、繊維基材2と、第2の樹脂層4と、第2の樹脂層4に設けられた支持基体52とを挟圧した。これにより、樹脂層3,4の繊維基材2内部への含浸が進行した。
このとき、第1の樹脂層3の幅方向の一方の端部と、第2の樹脂層4の幅方向の一方の端部とが圧着(熱圧着)されるとともに、第1の樹脂層3の幅方向の他方の端部と、第2の樹脂層4の幅方向の他方の端部とが圧着(熱圧着)され、繊維基材2が第1の樹脂層3および第2の樹脂層4内に内包される形となった。
その後、第一の加熱手段60により、積層シート40Aを加熱した。このとき、加熱ローラの温度は、100℃であり、積層シート40Aにかかる張力は300Nであった。第一の加熱手段60での加熱時間は2分であり、樹脂層3,4の繊維基材2内部への含浸が進行するとともに、樹脂層3,4の硬化が進行した。
なお、第一の加熱手段60で積層シート40Aを加熱する際には、前記実施形態と同様、減圧手段で空間S内を減圧していた。これにより、第一の加熱手段60で積層シート40Aを加熱する際に繊維基材2内部は減圧されていた。
次に、切断手段85により、第1の樹脂層3と、第2の樹脂層4との幅方向の端部同士の接合部を切断した。さらに、剥離手段80により、樹脂層3から支持基体52を剥離するとともに、樹脂層4から支持基体52を剥離した。
その後、一対の支持基体52が剥離された積層シート40Bを、第二の加熱手段90により加熱した。第二の加熱手段90のヒータの温度は190℃であり、縦型加熱炉を積層シート40Bが通過する際の、積層シート40Bにかかる張力は50Nであった。
さらに、積層シート40Bが第二の加熱手段90を通過するのにかかった時間は1分であった。第二の加熱手段90により、樹脂層3,4の硬化が進行した。ただし、樹脂層3,4は、いずれもBステージの状態である。
以上のようにして、厚さ40μmのプリプレグを得た。
剥離手段による支持基体52の剥離を実施せずに、支持基体52を有する積層シート40Aを第二の加熱手段で加熱した。他の点は実施例1と同様である。
第一の加熱手段60による加熱のみを実施し、第二の加熱手段による加熱は実施しなかった。剥離手段による支持基体52の剥離及び第二の加熱手段は実施しなかった。他の点は実施例1と同様である。
実施例および比較例で作製したプリプレグ両面に厚さ12μmの電解銅箔を重ねて、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ0.64mmの両面銅張積層板を得た。中心付近を250mm×250mmサイズで切断し、IPC−TM−650の2.4.39に準拠した室温での初期寸法を測定した。
つぎに、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去した。次いで、加熱オーブンを用いて105℃で4時間の予備加熱処理し、IPC−TM−650の2.4.39に準拠した室温での予備加熱処理後寸法を測定した。つづいて、エアーリフロー炉(タムラ製作所社製、TAR−30−36LH)を用いて、金属張積層板に260〜265℃で5秒のリフロー処理をおこなった。その後、室温まで冷まし、IPC−TM−650の2.4.39に準拠した室温でのリフロー処理後寸法を測定した。下記式(1)〜(3)からリフロー前後における寸法変化率を算出した。具体的には、金属張積層板の縦方向(Y)および横方向(X)の寸法変化率を6点算出して平均値(表1の寸法変化率(X)、寸法変化率(Y))を算出した。縦方向(Y)の寸法変化率の最大値と最小値との差(Max−Min(Y))、横方向(X)の寸法変化率の最大値と最小値との差(Max−Min(X))も算出した。
A(%)=(予備加熱処理後寸法−初期寸法)/初期寸法×100 (1)
B(%)=(リフロー処理後寸法−初期寸法)/初期寸法×100 (2)
寸法変化率(%)=B−A (3)
なお、220℃2時間の加熱加圧後は、樹脂層3,4はいずれも完全硬化状態(Cステージ)となっている。
比較例2においても、樹脂層に比較的大きな内部応力が残留したと考えられ、プリプレグの寸法変動を大きくしたものと考えられる。
2 繊維基材
3 第1の樹脂層
4 第2の樹脂層
5a 第一シート
5b 第二シート
10 基板
11 積層体
12 金属層
13 内層回路板
30 積層シート製造装置
31 含浸部
32 非含浸部
40A 積層シート
40B 積層シート
41 含浸部
42 非含浸部
51 支持基体
52 支持基体
60 第一の加熱手段
61a 加熱ローラ
61b 加熱ローラ
70 積層手段
71a 第1のローラ
71b 第1のローラ
72a 第2のローラ
72b 第2のローラ
73a 第3のローラ
73b 第3のローラ
75 ハウジング
76 減圧手段
77 シール材
80 剥離手段
81 剥離ローラ
85 切断手段
90 第二の加熱手段
91 縦型加熱炉
92 加圧ローラ
711A 外周面
711 本体部
712 軸
751A 凹部
751B 開口部
751 壁部
761 ポンプ
762 接続管
771軸受け
F1 圧接力
F2 減圧力
G 空気
R1 搬送ローラ
R2,R3 搬送ローラ
R4 巻き取りローラ
S 空間
Claims (16)
- 熱硬化性の樹脂層とこの樹脂層を支持する支持基体とを備えるシートの前記樹脂層を、繊維基材の表面および裏面の少なくとも一方の面に当接させて、前記シートと前記繊維基材とを積層して積層体を得る積層工程と、
前記シートと前記繊維基材との前記積層体を加熱して、前記樹脂層の硬化を進める第一の加熱工程と、
前記積層体の前記樹脂層から、前記シートの前記支持基体を剥離する剥離工程と、
前記支持基体が剥離された前記積層体を加熱して、前記樹脂層の硬化をさらに進める第二の加熱工程とを含むプリプレグの製造方法。 - 請求項1に記載のプリプレグの製造方法において、
当該プリプレグは、プリント配線板用のプリプレグであるプリプレグの製造方法。 - 請求項1または2に記載のプリプレグの製造方法において、
前記繊維基材は、ガラス、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、アラミド樹脂ポリエステルのいずれかの材料で構成された繊維からなるプリプレグの製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載のプリプレグの製造方法において、
前記積層工程では、減圧室内に、前記シートと、前記繊維基材とを供給し、減圧手段により前記減圧室を減圧することで、前記樹脂層と前記繊維基材とを密着させるプリプレグの製造方法。 - 請求項4に記載のプリプレグの製造方法において、
前記積層工程において、前記樹脂層と前記繊維基材とを密着させた後、前記樹脂層を、前記繊維基材に含浸させるプリプレグの製造方法。 - 請求項4または5に記載のプリプレグの製造方法において、
前記繊維基材および前記シートは、長尺状であり、前記減圧室内に連続的に搬送されるとともに、前記減圧室内から連続的に送出され、
前記繊維基材の搬送方向と直交する方向の幅寸法は、前記シートの搬送方向と直交する方向の幅寸法よりも小さく、
前記積層工程では、前記減圧室内に、前記繊維基材と、前記繊維基材の表裏面に当接される一対の前記シートとを供給し、
前記減圧手段により前記減圧室を減圧することで、前記各樹脂層と繊維基材とを密着させた後、前記各シートの搬送方向に沿った各前記樹脂層の対向する端部同士を接合して接合部を形成して、一対の前記樹脂層間に前記繊維基材が内包された前記積層体を構成し、
前記第一の加熱工程では、前記減圧室から送出され、前記接合部が形成された前記積層体を加熱しながら、前記減圧室内に位置する前記繊維基材内部の気体を、前記減圧手段で吸引することにより、前記接合部が形成された前記積層体の前記繊維基材内の気体を吸引しながら、前記樹脂層を前記繊維基材に含浸させるプリプレグの製造方法。 - 請求項6に記載のプリプレグの製造方法において、
前記第一の加熱工程では、前記減圧室から送出された前記積層体を大気圧以上の雰囲気下で加熱するプリプレグの製造方法。 - 請求項6または7に記載のプリプレグの製造方法において、
前記第一の加熱工程後、前記剥離工程の前段にて、前記接合部を切断する切断工程を実施するプリプレグの製造方法。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載のプリプレグの製造方法において、
前記支持基体は、樹脂フィルムであり、その厚みが10〜45μmであるプリプレグの製造方法。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載のプリプレグの製造方法において、
前記積層工程では、減圧室内に、前記シートと、前記繊維基材とを供給し、減圧手段により前記減圧室を減圧することで、前記樹脂層と前記繊維基材とを密着させ、
前記繊維基材および前記シートは、長尺状であり、前記減圧室内に連続的に搬送されるとともに、前記減圧室内から連続的に送出され、
前記第一の加熱工程および前記第二の加熱工程では、前記繊維基材および前記シートを搬送しながら加熱するプリプレグの製造方法。 - 熱硬化性の樹脂層とこの樹脂層を支持する支持基体とを備えるシートの前記樹脂層を、繊維基材の表面および裏面の少なくとも一方の面に当接させて、前記シートと前記繊維基材とを積層して積層体を得る積層手段と、
前記積層体を加熱して硬化させる第一の加熱手段と、
前記積層体の前記樹脂層から、前記シートの前記支持基体を剥離する剥離手段と、
前記支持基体が剥離された前記積層体を加熱してさらに硬化させる第二の加熱手段とを含むプリプレグの製造装置。 - 請求項11に記載のプリプレグの製造装置において、
当該プリプレグは、プリント配線板用のプリプレグであるプリプレグの製造装置。 - 請求項11または12に記載のプリプレグの製造装置において、
前記積層手段は、
前記シートと前記繊維基材とが供給される減圧室と、
この減圧室内を減圧する減圧手段と、
前記減圧室内に供給された前記シートと前記繊維基材とを圧着する圧着手段とを備えるプリプレグの製造装置。 - 請求項13に記載のプリプレグの製造装置において、
前記繊維基材および前記シートは、長尺状であり、前記繊維基材および前記シートを前記減圧室内に連続的に搬送するとともに、前記減圧室内から連続的に送出する搬送手段を備え、
前記繊維基材の搬送方向と直交する方向の幅寸法は、前記シートの搬送方向と直交する方向の幅寸法よりも小さく、
前記積層手段の前記圧着手段は、前記繊維基材の表裏面それぞれに、前記シートの樹脂層を圧着するとともに、前記各シートの搬送方向に沿った各前記樹脂層の対向する端部同士を接合して接合部を構成して、一対の前記樹脂層間に前記繊維基材を内包させ、
前記圧着手段は、前記減圧室から送出され、前記接合部が形成された前記積層体の前記繊維基材内部の空間が、前記減圧室内部に位置する前記繊維基材内部の空間と連通する程度に、前記樹脂層を前記繊維基材に含浸させ、
前記減圧室内に位置する前記繊維基材内部の気体を前記減圧手段で吸引しながら、前記減圧室から送出され前記接合部が形成された前記積層体を、前記第一加熱手段により、加熱するように構成されたプリプレグの製造装置。 - 請求項14に記載のプリプレグの製造装置において、
前記第一加熱手段よりも積層体搬送方向下流側に配置されるとともに、前記剥離手段よりも積層体搬送方向上流側に配置され、前記接合部を切断する切断手段を備えるプリプレグの製造装置。 - 請求項11乃至15のいずれかに記載のプリプレグの製造装置において、
前記繊維基材および前記シートは、長尺状であり、
前記剥離手段により、前記支持基体が剥離された前記積層体を、鉛直方向下方側から鉛直方向上方側に向かって、あるいは、鉛直方向上方側から鉛直方向下方側に向かって搬送する搬送手段を備え、
前記第二加熱手段は、前記搬送手段により、鉛直方向下方側から鉛直方向上方側に向かって、あるいは、鉛直方向上方側から鉛直方向下方側に向かって搬送される、前記支持基体が剥離された前記積層体を加熱する加熱炉を有するプリプレグの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012205221A JP6136157B2 (ja) | 2012-09-19 | 2012-09-19 | プリプレグの製造方法およびプリプレグの製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012205221A JP6136157B2 (ja) | 2012-09-19 | 2012-09-19 | プリプレグの製造方法およびプリプレグの製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014058136A true JP2014058136A (ja) | 2014-04-03 |
JP6136157B2 JP6136157B2 (ja) | 2017-05-31 |
Family
ID=50615070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012205221A Expired - Fee Related JP6136157B2 (ja) | 2012-09-19 | 2012-09-19 | プリプレグの製造方法およびプリプレグの製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6136157B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017135575A1 (ko) * | 2016-02-03 | 2017-08-10 | (주)엘지하우시스 | 프리프레그 제조 장치 및 이를 이용한 프리프레그 제조 방법 |
JP2020093504A (ja) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | 日立化成株式会社 | Frp前駆体の製造方法、金属張積層板の製造方法、プリント配線板の製造方法及び半導体パッケージの製造方法 |
JP7224706B1 (ja) | 2022-11-14 | 2023-02-20 | 株式会社エヌ・シー・ティ | 真空ラミネート装置 |
EP4151406A1 (en) * | 2021-09-01 | 2023-03-22 | Formosa Plastics Corporation | Impregnation device for fiber prepreg and method thereof |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59127751A (ja) * | 1983-01-11 | 1984-07-23 | 東レ株式会社 | プリプレグ材料 |
JPS60165211A (ja) * | 1984-02-09 | 1985-08-28 | Toray Ind Inc | プリプレグの製造装置 |
JPH0959400A (ja) * | 1995-08-28 | 1997-03-04 | Matsushita Electric Works Ltd | プリプレグの製法 |
JPH09202834A (ja) * | 1996-01-26 | 1997-08-05 | Hitachi Chem Co Ltd | プリント配線板用のプリプレグ及びその製造方法 |
JP2004123870A (ja) * | 2002-10-01 | 2004-04-22 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | プリプレグの製造方法および転写シート |
US20060020074A1 (en) * | 2002-10-23 | 2006-01-26 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Prepreg and method of manufacturing the prepreg |
WO2007040125A1 (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Sumitomo Bakelite Co., Ltd. | キャリア付きプリプレグの製造方法、キャリア付きプリプレグ、薄型両面板の製造方法、薄型両面板、及び多層プリント配線板の製造方法 |
JP2009090581A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | キャリア付きプリプレグの製造方法、キャリア付きプリプレグおよびその製造装置 |
JP2010047706A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | 樹脂ワニス含浸方法および樹脂ワニス含浸装置並びにプリプレグの製造方法 |
-
2012
- 2012-09-19 JP JP2012205221A patent/JP6136157B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59127751A (ja) * | 1983-01-11 | 1984-07-23 | 東レ株式会社 | プリプレグ材料 |
JPS60165211A (ja) * | 1984-02-09 | 1985-08-28 | Toray Ind Inc | プリプレグの製造装置 |
JPH0959400A (ja) * | 1995-08-28 | 1997-03-04 | Matsushita Electric Works Ltd | プリプレグの製法 |
JPH09202834A (ja) * | 1996-01-26 | 1997-08-05 | Hitachi Chem Co Ltd | プリント配線板用のプリプレグ及びその製造方法 |
JP2004123870A (ja) * | 2002-10-01 | 2004-04-22 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | プリプレグの製造方法および転写シート |
US20060020074A1 (en) * | 2002-10-23 | 2006-01-26 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Prepreg and method of manufacturing the prepreg |
WO2007040125A1 (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Sumitomo Bakelite Co., Ltd. | キャリア付きプリプレグの製造方法、キャリア付きプリプレグ、薄型両面板の製造方法、薄型両面板、及び多層プリント配線板の製造方法 |
JP2009090581A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | キャリア付きプリプレグの製造方法、キャリア付きプリプレグおよびその製造装置 |
JP2010047706A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | 樹脂ワニス含浸方法および樹脂ワニス含浸装置並びにプリプレグの製造方法 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017135575A1 (ko) * | 2016-02-03 | 2017-08-10 | (주)엘지하우시스 | 프리프레그 제조 장치 및 이를 이용한 프리프레그 제조 방법 |
US11235493B2 (en) | 2016-02-03 | 2022-02-01 | Lg Hausys, Ltd. | Prepreg preparation device and prepreg preparation method using same |
JP2020093504A (ja) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | 日立化成株式会社 | Frp前駆体の製造方法、金属張積層板の製造方法、プリント配線板の製造方法及び半導体パッケージの製造方法 |
EP4151406A1 (en) * | 2021-09-01 | 2023-03-22 | Formosa Plastics Corporation | Impregnation device for fiber prepreg and method thereof |
JP7224706B1 (ja) | 2022-11-14 | 2023-02-20 | 株式会社エヌ・シー・ティ | 真空ラミネート装置 |
JP2024071246A (ja) * | 2022-11-14 | 2024-05-24 | 株式会社エヌ・シー・ティ | 真空ラミネート装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6136157B2 (ja) | 2017-05-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5751063B2 (ja) | 積層シート連続体の製造方法および積層シート連続体 | |
JP5251866B2 (ja) | 積層板の製造方法および積層板 | |
JP6136157B2 (ja) | プリプレグの製造方法およびプリプレグの製造装置 | |
JP5962289B2 (ja) | 積層シート製造装置および積層シートの製造方法 | |
JP6728529B2 (ja) | プリプレグ及び多層基板 | |
JP2023126302A (ja) | 多層配線基板および半導体装置 | |
JP5915301B2 (ja) | 積層シートの製造方法および積層シート製造装置 | |
JP5821733B2 (ja) | 積層シート製造装置、積層シートの製造方法 | |
JP4545682B2 (ja) | 弗素樹脂積層基板 | |
JP5962298B2 (ja) | 硬化体の製造方法 | |
JP5263420B2 (ja) | 積層シート製造装置、積層シートの製造方法 | |
KR20140016934A (ko) | 빌드업용 프리프레그 | |
JP5887704B2 (ja) | 圧接装置および積層シートの製造方法 | |
JP2010137513A (ja) | 積層シートおよびプリント回路基板 | |
WO2013171994A1 (ja) | 積層シートの製造方法および積層シートの製造装置 | |
TW202348103A (zh) | 輥狀的撓性金屬積層板、其製造方法和撓性印刷電路基板 | |
JP2012167260A (ja) | プリプレグ連続体およびプリプレグ | |
JP2007136835A (ja) | 積層板の製造装置および積層板の製造方法 | |
JP2009178885A (ja) | 積層板の製造方法 | |
JP2007016101A (ja) | フレキシブルプリント配線板用補強材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150818 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160719 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160830 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161007 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170404 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170417 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6136157 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |