JP5962298B2 - 硬化体の製造方法 - Google Patents
硬化体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5962298B2 JP5962298B2 JP2012167142A JP2012167142A JP5962298B2 JP 5962298 B2 JP5962298 B2 JP 5962298B2 JP 2012167142 A JP2012167142 A JP 2012167142A JP 2012167142 A JP2012167142 A JP 2012167142A JP 5962298 B2 JP5962298 B2 JP 5962298B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- sheet
- laminated sheet
- prepreg
- fiber base
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
このような積層板は、以下のようにして製造されている(たとえば、特許文献1参照)。
シート状の素材に樹脂組成物を含浸させた塗工布に対して、金属箔を仮接着させる。具体的には、一対のロール間に、塗工布と、金属箔とを供給し、仮接着している。
その後、仮接着した塗工布と金属箔とを、一対の熱板間に配置して、熱板で挟圧して本接着している。
積層板の製造時に、塗工布と金属箔とを一対の熱板で挟圧して本接着している。塗工布と金属箔とが挟圧されて加熱されることで、塗工布は、引っ張られた状態で硬化することとなる。従って、積層体には内部に引っ張り方向の残留応力が存在している。リフロー等の加熱を行なった際、積層体が加熱され、塗工布内部の樹脂組成物がやわらかくなり、塗工布内部の引っ張り応力が緩和される。引っ張り応力が緩和されると、樹脂組成物は収縮しやすくなる。そのため、積層板は、リフロー後において収縮することとなり、積層板に寸法変動が生じる。積層板に寸法変動が生じることで、プリント配線板自体にも、寸法変動が起こる。
本発明によれば、繊維基材に熱硬化性の樹脂材料を含浸させたプリプレグと、このプリプレグの表面および裏面のうちの少なくとも一方の面に仮接着されたシートとを備える積層体を用意する工程と、前記積層体を加圧せずに、加熱して前記熱硬化性の樹脂材料の硬化を進行させて、前記シートと前記プリプレグとを本接着する工程とを含む硬化体の製造方法であって、積層体を用意する前記工程では、長尺状の前記繊維基材に対して、前記樹脂材料を含浸させて長尺の前記プリプレグを得るとともに、前記樹脂材料を加熱して硬化を進行させて、プリプレグの表裏面のうち少なくとも一方の面に長尺のシートを仮接着し、長尺の前記プリプレグと前記長尺のシートとを有する長尺の前記積層体を用意し、この積層体を所定の寸法に裁断し、本接着する前記工程では、裁断された前記積層体を治具に吊り下げた状態で、加圧を行なわずに、加熱する、硬化体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、繊維基材に熱硬化性の樹脂材料を含浸させたプリプレグと、このプリプレグの表面および裏面のうちの少なくとも一方の面に仮接着されたシートとを備える積層体を用意する工程と、前記積層体を加圧せずに、加熱して前記熱硬化性の樹脂材料の硬化を進行させて、前記シートと前記プリプレグとを本接着する工程とを含む硬化体の製造方法であって、積層体を用意する前記工程では、長尺状の前記繊維基材に対して、前記樹脂材料を含浸させて長尺の前記プリプレグを得るとともに、前記樹脂材料を加熱して硬化を進行させて、プリプレグの表裏面のうち少なくとも一方の面に長尺のシートを仮接着し、長尺の前記プリプレグと前記長尺のシートとを有する長尺の前記積層体を用意し、この積層体を所定の寸法に裁断し、本接着する前記工程では、裁断された前記積層体を水平方向に移動するコンベアに搭載し、コンベアで前記積層体を搬送しながら、加圧を行なわずに、加熱する、硬化体の製造方法が提供される。
また、積層体を加圧せずに加熱するとは、大気圧を超える圧力が外部から積層体にかからない状態で積層体の加熱を行なうことを意味する。
これにより、本接着時にプリプレグが加圧されないため、プリプレグ内部に応力が発生しにくくなり、硬化体内部に発生する残留応力を低減できる。
このような硬化体は、加熱した場合であっても、加熱前後で寸法変動が生じにくく、信頼性の高い硬化体となる。
<積層シート>
まず、積層シート40Bについて、図1を参照しつつ説明する。
なお、積層シート40Bにおいて、各樹脂層3,4は完全硬化しており、Cステージ状態である。
この積層シート40Bは、多層プリント配線板(回路基板)に使用されるものであり、コア材として使用されるものである。積層シート40Bの金属層を選択的に除去して回路層を形成し、さらに、この積層シート40Bの表裏面に、プリプレグと回路層とを交互に積層することで、多層プリント配線板(回路基板)が得られる。
この繊維基材2としては、例えば、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維や全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のアラミド繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等を主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙繊維基材等の有機繊維基材等の繊維基材等が挙げられる。
なお、繊維基材は、上述した繊維のいずれか1種を使用してもよいし、2種以上を使用したものであってもよい。
なお、第1樹脂層3のうち、繊維基材2に含浸されていない領域は、非含浸部32であり、第2樹脂層4のうち、繊維基材2に含浸されていない領域は、非含浸部42である。
本実施形態では、第1の含浸部31の厚みと、第2の含浸部41の厚みは等しい。
さらに、第1樹脂層3の第1の含浸部31を除く部分(第1の非含浸部32)の厚みと、第2樹脂層4の第2の含浸部41を除く部分(第2の非含浸部42)の厚みとは等しい。第1の非含浸部32の厚み、第2の非含浸部42の厚みは、たとえば、2〜20μmである。なお、第1の含浸部31の厚みと、第2の含浸部41の厚みは異なっていてもよく、また、第1の非含浸部32の厚みと、第2の非含浸部42の厚みとが異なっていてもよい。
なお、符号20は、第1の含浸部31と第2の含浸部41との境界線を模式的に示している。
なお、第1シート5aの第1樹脂層3の金属層12と反対側の面には、第1樹脂層3を支持するための支持基体51が設けられている(図3参照)。同様に、第2シート5bの第2樹脂層4の金属層12と反対側の面には、第2樹脂層4を支持するための支持基体51が設けられている(図3参照)。なお、図2においては、見易さを考慮して、支持基体51の図示は省略している。
支持基体51としては、例えば、樹脂フィルムが好ましい。樹脂フィルムを構成する樹脂材料としては、例えば、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等のいずれかが挙げられる。そして、樹脂フィルムを構成する樹脂材料としては、これらの中でも、耐熱性に優れ、安価であることから、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、樹脂フィルムは、その樹脂フィルムの樹脂層側の面に剥離可能な処理が施されたものであることが好ましい。これにより、後述するように支持基体51と樹脂層とを容易に分離することができる。
なお、シート5a、5bにおける各樹脂層3,4の厚みは、たとえば、3〜60μm、好ましくは5〜30μmである。
この金属層12の厚みは、たとえば、1〜70μmである。
次に、上述した積層シート40Bを製造するための製造装置30について説明する。
図2〜10を参照して、製造装置30の概要について説明する。
この製造装置30は、樹脂層3,4と繊維基材2とで構成されるプリプレグの表面および裏面の少なくとも一方の面に、シート(金属層)12が仮接着された積層体(積層シート)40Aを製造する装置30A(図2参照)と、積層シート40Aを裁断する裁断装置30B(図8参照)と、裁断された積層シート40Aを硬化させる硬化装置30C(図9参照)とを備える。
図2,3に示すように、積層シート製造装置30は、積層シート40Aを製造する装置30Aを有する。
この装置30Aは、熱硬化性の樹脂層(たとえば、樹脂層3)とこの樹脂層に設けられた金属層12とを備えるシート(たとえば、シート5a)の前記樹脂層を、繊維基材2の表面および裏面の少なくとも一方の面に当接させて、前記シートと前記繊維基材2とを積層して積層シート40Aを得る積層手段70と、
積層シート40Aを加熱して繊維基材2内部への前記樹脂層の含浸を進行させる第一の加熱手段60と、積層シート40Aを加熱して、繊維基材2内部への前記樹脂層の含浸を進行させる第二の加熱手段90とを含む。
なお、積層シート40Aは、その長手方向に沿って搬送される。
ここで、壁部751は、平板状のものであることが好ましいが、これに限られるものではない。第1のローラ71aおよび71bと、第2のローラ72aおよび72bと、第3のローラ73aおよび73bとで、シート搬送方向に沿った両端面が開口した筒状体が構成される。壁部751は、この筒状体の前記開口を閉鎖するものであればよい。なお、一対の壁部751は、各ローラ71a、71b、72a、72b、73a、73bが架け渡されるものであることが特に好ましい。
また、第2のローラ72a、72bを加熱ローラとすることで、繊維基材2に対して第1樹脂層3と第2樹脂層4とを含浸させやすくすることができる。なお、第2のローラ72a、72bの温度は、樹脂層3,4の溶融温度よりも高いことが好ましい。
第2のローラ72a、72bにより、積層シート40Aは後述する空間S外部に送り出される。ここで、第2のローラ72a、72bにより、積層シート40Aは大気圧以上の雰囲気下に送り出されることが好ましい。本実施形態では、第2のローラ72a、72bのシート搬送方向下流側は大気圧であり、第2のローラ72a、72bにより、積層シート40Aは大気圧下に搬送されることとなる。
第3のローラ73bは、繊維基材2の他方の面側(裏面側)に配置された第1のローラ71bのシート搬送方向下流側であり、繊維基材2の他方の面側(裏面側)に配置された第2のローラ72bのシート搬送方向上流側に配置されている。
第3のローラ73aと第3のローラ73bとは、互いに上下方向(鉛直方向)に離間し、水平方向には平行に対向配置されている。そして、第3のローラ73aが回転すると、第1シート5aの第1樹脂層3から支持基体51を剥離する(巻き取る)ことができる(図3参照)。これと同様に、第3のローラ73bが回転すると、第2シート5bの第2樹脂層4から支持基体51を剥離することができる(図3参照)。
減圧手段76は、ローラで囲まれた空間S内部を、空間S外部の領域よりも低い気圧とする。減圧手段76を駆動することで、第1のローラ71a、71bよりもシート搬送方向上流側の領域、第2のローラ72a、72bよりも、シート搬送方向下流側の領域よりも空間Sの気圧は低くなる。第1のローラ71a、71bを境界とし、この第1のローラ71a、71bよりもシート搬送方向上流側の領域は、大気圧以上(本実施形態では、大気圧下)である。
同様に、第2のローラ72a、72bを境界とし、第2のローラ72a、72bよりも、シート搬送方向下流側の領域は、大気圧以上(本実施形態では、大気圧下)である。
前述したように、一対の第2のローラ72a、72bにより、繊維基材2、第1樹脂層3および第2樹脂層4が圧着される。このとき、第1樹脂層3の幅方向の一方の端部と、第2樹脂層4の幅方向の一方の端部とが溶融して、圧着(熱圧着)されるとともに、第1樹脂層3の幅方向の他方の端部と、第2樹脂層4の幅方向の他方の端部とが溶融して、圧着(熱圧着)される。これにより、樹脂層3,4の端部同士が直接接合されて、接合部が形成され、繊維基材2が第1樹脂層3および第2樹脂層4内に内包される形となる。すなわち、積層シート40Aの幅方向の両端部は密閉された状態となる。
繊維基材2は、複数の孔が形成された多孔質材である。繊維基材2に形成された孔は、他の孔を介して、シート搬送方向に連通し、さらに、繊維基材2表裏面に連通する。そのため、空間S外部に位置する繊維基材2であっても、その内部は、空間Sに連通することとなる。空間S外部に位置する繊維基材2内部の気体(空気)は、繊維基材2内部の孔および空間Sを介して、減圧手段により吸引されることとなる。
積層手段70のローラ72a、72bから、金属層12、樹脂層4、繊維基材2、樹脂層3、金属層12で構成される積層シート40Aが連続的に送出される。ここで、ローラ72a、72bにより、樹脂層3,4は繊維基材2に圧着されるが、このとき、樹脂層3,4の一部が、繊維基材2内部に含浸される。ただし、ローラ72a、72bにより、繊維基材2内部が完全に樹脂層3,4で埋まってしまうことはない。
第一の加熱手段60には、連続的に積層シート40Aが供給され、積層シート40Aを加熱して繊維基材2内部への樹脂層3,4の含浸をさらに、進行させる。
第一の加熱手段60は、たとえば、少なくとも一対の加熱ローラ61a、61bを備える。本実施形態では、第一の加熱手段60は複数対の加熱ローラ61a、61bを有している。加熱ローラ61a、61b間に、積層シート40Aが供給され、積層シート40Aは、加熱ローラ61a、61bで挟圧されるとともに、加熱されることとなる。
加熱ローラ61a、61bは、回転することで、積層シート40Aを搬送する機能も有する。
なお、ここでは、第一の加熱手段60は、加熱ローラを備えるとしたが、これに限らず、第一の加熱手段は、積層シートの搬送方向に沿って延在するヒータ等の加熱部を有していてもよい。
第一の加熱手段60により、積層シート40Aは搬送されながら、加熱されることとなる。
第一の加熱手段60により、積層シート40Aを加熱する際の加熱温度は、後述する第二の加熱手段90による加熱温度よりも低いことが好ましい。また、積層シート40Aを加熱する際の加熱温度は、ローラ72a、72bによる加熱温度よりも低いことが好ましい。たとえば、第一の加熱手段60による積層シート40Aの加熱温度は、80〜180℃であることが好ましく、第二の加熱手段90による積層シート40Aの加熱温度は、80〜200℃であることが好ましい。第一の加熱手段60では、主として樹脂層3,4の繊維基材2内部への含浸を進行させる。第二の加熱手段90での加熱温度よりも低い温度で、第一の加熱手段60により、積層シート40Aを加熱することで、樹脂層3,4の硬化が進行しすぎることを防止するとともに含浸を進行させている。
一方で、第二の加熱手段90では、第一の加熱手段60よりも高い温度で加熱することで、樹脂層3,4の硬化を進行させて、硬化の程度を調整し、所望の硬化率とする。ただし、第二の加熱手段90において、樹脂層3,4の繊維基材2内部への含浸を進行させてもよい。
このようにすることで、第一の加熱手段60で積層シート40Aの加熱を行ない、繊維基材2内部へ樹脂層3,4を十分に含浸させることができる。
第一の加熱手段60のシート搬送方向下流側には、第一の加熱手段60から送出されたローラを後段の第二の加熱手段90へ搬送するための搬送ローラR1が配置されている。
搬送ローラR2,R3間の距離はたとえば、5m程度である。
各加熱炉91内部には、積層シート40Aをその長手方向に沿って搬送するとともに、積層シート40Aを厚み方向から挟圧する少なくとも一対の加圧ローラ92(本実施形態では複数対の加圧ローラ)が配置されている。
この加圧ローラ92は内部にヒータが配置されており、積層シート40Aを加圧するとともに加熱する。
また、加圧ローラ92とは別に、加熱炉91内部にはヒータ等の加熱手段が配置されており、加熱炉91内部を通過することで、積層シート40Aが加熱されることとなる。
なお、本実施形態では、第二の加熱手段90は、縦型加熱炉91を備えるとしたが、これに限らず、横型の加熱炉であってもよい。たとえば、エアーにより、積層シート40Aを裏面側から支持しながら、横型の加熱炉内を搬送してもよい。
また、繊維基材2の一方の面にのみ、シート5aあるいはシート5bを設ける場合には、加圧ローラ92はなくてもよく、また、加圧ローラ92の位置を移動させて、繊維基材2に触れないようにしてもよい。
第二の加熱手段90のシート搬送方向下流側には、巻き取りローラR4が配置されており、巻き取りローラR4により、積層シート40Aが巻き取られる。
なお、本実施形態では、巻き取りローラR4で積層シート40Aを巻き取るとしたが、積層シート40Aを巻き取らずに、所定の長さに裁断してもよい。
この製造装置30Aで製造された積層シート40Aの樹脂層3,4はいずれも、半硬化であり、Bステージの状態である。この製造装置30Aで製造されたプリプレグである積層シート40Aでは、繊維基材2内部は、樹脂層3,4により完全に埋め込まれている。ただし、繊維基材2内部が樹脂層3,4に完全に埋め込まれておらず、繊維基材2内部に空隙が形成されていてもよい。
この裁断装置30Bは、積層シート40Aの平坦化を行う平坦化手段81と、積層シート40Aを所定の寸法に裁断する裁断手段82とを備える。
平坦化手段81は、巻きとりローラから送出される積層シート40Aを挟んで配置された一対のローラ811であり、積層シート40Aの巻き癖をなおし、積層シート40Aを平坦化する。平坦化手段81には、積層シート40Aがその長手方向に沿って連続的に供給される。
この平坦化手段81よりも、積層シート搬送方向下流側には、裁断手段82が配置されている。この裁断手段82は、ブレードを有し、積層シート40Aを所定の寸法に裁断する。
裁断手段82で裁断された積層シート40Aは、ベルトコンベアB1により、載置台Dまで搬送される。このようにして裁断された積層シート40Aの樹脂層3,4はいずれも、半硬化であり、Bステージの状態である。
図9(A)に示すように、硬化装置30Cは、裁断された積層シート40Aを加熱して、硬化させる。このとき、積層シート40Aを外部から加圧せずに、積層シート40Aを加熱して硬化させる。具体的には、硬化装置30Cは、加熱炉85と、この加熱炉85内に配置されたヒータ86である加熱手段と、積層シート40Aをつりさげる治具87とを備える。
治具87は、積層シート40Aをその表裏面が鉛直方向と平行となるように、積層シート40Aをつりさげるためのものである。治具87により、積層シート40Aは、水平方向に延在する支持材88に取り付けられ、吊り下げられた状態となる。そして、治具87により、積層シート40Aの端部を把持した状態で、積層シート40Aの加熱硬化を行う。これにより、積層シート40Aは完全硬化(Cステージ)し、金属層12と樹脂層3,4とが本接着されることとなる。これにより積層シート40Bが得られる。
加熱炉85内には複数の積層シート40Aがつりさげられて、複数の積層シート40Aの加熱硬化が同時に行われる。なお、この加熱炉85内から、積層シート40Bを取り出し、冷却をおこなう。冷却も、図9(B)に示すように、積層シート40Bをその表裏面が鉛直方向と平行となるように、積層シート40Bをつりさげて行うことが好ましい。
次に、積層シート製造装置30による積層シート40Bの製造方法について説明する。
はじめに、製造方法の概要について説明する。
本実施形態の製造方法は、繊維基材2に対して、熱硬化性の樹脂材料が含浸したプリプレグと、このプリプレグの表面および裏面のうちの少なくとも一方の面に仮接着されたシート(金属層12)とを備える積層体(積層シート40A)を用意する工程と、前記積層体を加圧せずに、加熱して前記熱硬化性の樹脂層の硬化を進行させて、前記シートと前記プリプレグとを本接着する工程とを含む。
はじめに、装置30Aにより、積層シート40Aを製造する。
まず、シート5a、5bを用意する。
長尺の金属層12を用意して、この金属層12に対し、第1樹脂層3となる樹脂ワニスを塗布する。そして、乾燥装置で乾燥させて、所望の厚みの第1樹脂層3を形成する。
第1樹脂層3は、長尺であり、金属層12とともに、延在する。
さらに、第1樹脂層3を被覆する支持基体51を第1樹脂層3にラミネートする。
これにより、長尺のシート5aが得られる。
同様の方法で、シート5bも用意する。長尺の金属層12を用意して、この金属層12に対し、第2樹脂層4となる樹脂ワニスを塗布する。そして、乾燥装置で乾燥させて、所望の厚みの第2樹脂層4を形成する。第2樹脂層4は、長尺であり、金属層12とともに、延在する。さらに、第2樹脂層4を被覆する支持基体51を第2樹脂層4にラミネートする。
本実施形態では、あらかじめ金属層12上に第1樹脂層3となる樹脂ワニス(あるいは第2樹脂層4となる樹脂ワニス)を塗布しており、この樹脂ワニスを乾燥させて、第1樹脂層3(第2樹脂層4)を形成している。そのため、金属層12と、樹脂層とを加圧で張り合わせる場合に比べて、樹脂層と金属層との接着性を高めることができる。
空間S内の気圧は、たとえば、800Pa以下、100Pa以上である。
ここで、第1シート5aは、前述したように、支持基体51、第1樹脂層3、金属層12をこの順に積層してなるものである。
この第1シート5aは、支持基体51が第3のローラ73aの外周面に沿って巻き取られ(引張られ)、これにより、第1樹脂層3から支持基体51が剥離される。支持基体51が剥離した第1樹脂層3は、第2のローラ72aに沿って徐々に繊維基材2に接近していく。また、剥離された支持基体51は、第1のローラ71aと第3のローラ73aとにより、第2のローラ72a、72bとは異なる方向に送出される。具体的には、第1のローラ71aと第3のローラ73aとの間から外側(空間S外)に向かって送り出される。また、第1樹脂層3は、Bステージの状態であり、固形、半固形、あるいは液体の状態である。
この第2シート5bは、支持基体51が第3のローラ73bに巻き取られ、これにより、第2樹脂層4から支持基体51が剥離される。支持基体51が剥離した第2樹脂層4は、第2のローラ72bに沿って徐々に繊維基材2に接近していく。また、剥離された支持基体51は、第1のローラ71bと第3のローラ73bとにより、第2のローラ72a、72bとは異なる方向に送出される。具体的には、第1のローラ71bと第3のローラ73bとの間から外側に向かって送り出される。
また、第2樹脂層4は、Bステージの状態であり、固形、半固形、あるいは液体の状態である。
なお、ここで、繊維基材2等が連続的に供給される、あるいは排出されるとは、枚葉式のように、繊維基材等が間欠的に供給、あるいは排出されるものを除く趣旨である。たとえば、空間S内に繊維基材2等が存在する状態と、存在しない状態とが短期間で交互にいれかわるものを除く趣旨である。ただし、必要に応じて、繊維基材2等の搬送を停止してもよい。
さらに、空間S内を減圧することで、繊維基材2内部の気体が吸引されることとなり、繊維基材2内部に含浸した樹脂層中にボイドが発生しにくくなる。
なお、第2のローラ72aと第2のローラ72bにより、樹脂層3,4の一部が繊維基材2内部に含浸するものの、完全に含浸することはない。この工程において、樹脂層3,4は、繊維基材2に含浸するものの、第2のローラ72a、72bから送り出された積層シート40Aの繊維基材2内部は、空間S内に位置する繊維基材2内部と連通している。
また、第2のローラ72aと第2のローラ72bにより、樹脂層3,4を繊維基材2内部に含浸させることで、所望の含浸度の積層シート40Bを得ることができる。
すなわち、第二の加熱手段90による加熱後に、樹脂層3,4の含浸が不十分となってしまうことを防止できる。
第一の加熱手段60では、前述したように、加熱ローラ61a、61bで加熱されるとともに、加圧される。これにより、樹脂層3,4の繊維基材2内部への含浸が進行することとなる。また、第一の加熱手段60により、樹脂層3,4の硬化も進行する。ただし、第一の加熱手段60による加熱終了後においても、樹脂層3,4はBステージの状態である。第一の加熱手段60により積層シート40Aへの加熱を実施することで、樹脂層3,4の硬化を進行させる
繊維基材2は、複数の孔が形成された多孔質材である。繊維基材2に形成された孔は、他の孔を介して、シート搬送方向に連通し、さらに、繊維基材2表裏面に連通する。そのため、空間S外部に位置する繊維基材2であっても、その内部は、空間Sに連通することとなる。空間S外部に位置する繊維基材2内部の気体は、繊維基材2内部の孔および空間Sを介して、減圧手段により吸引されることとなる。第一の加熱手段60による加熱の際、加熱されている積層シート40Aの繊維基材2の内部は、空間S内部に存在する繊維基材2の内部と連通している。従って、空間S内を減圧することで、空間S内に位置する繊維基材2を介して、第一の加熱手段60により加熱されている積層シート40Aの繊維基材2内部が減圧されることとなる。すなわち、第一の加熱手段60では、繊維基材2内部の気体が減圧手段76に吸引されている間に、樹脂層3,4の繊維基材2への含浸が進行することとなる。これにより、樹脂層3,4が繊維基材2内部へ含浸する際に、繊維基材2内部に気体が残存してしまうことを抑制できて、繊維基材2内でボイドが発生することを抑制できる。
これに加えて、積層シート40Aにおいて、繊維基材2の搬送方向側の端面は、樹脂層3,4に被覆されており、露出していない。そのため、積層シート40Aの繊維基材2の前記端面側から気体が積層シート40Aの繊維基材2内部に流入してしまうことが防止され、積層シート40Aの繊維基材2内部を確実に減圧できる。これによっても、第一の加熱手段60で積層シート40Aを加熱して、樹脂層3,4が繊維基材2内部へ含浸する際に、繊維基材2内部に気体が残存してしまうことを抑制できる。
また、第一の加熱手段60により、繊維基材2内部に繊維基材2の搬送方向に沿った端面に連通する孔が存在しないように、繊維基材2内部へ樹脂層3,4を十分に含浸させる。
具体的には、搬送ローラR2により、積層シート40Aは、一方の縦型加熱炉91内を鉛直方向上向きに搬送されながら、加熱される。その後、一方の縦型加熱炉91から積層シート40Aが送り出されて、その後、他方の縦型加熱炉91内に積層シート40Aが送り込まれる。積層シート40Aは、他方の縦型加熱炉91内を鉛直方向下向きに搬送されながら、加熱される。
この加熱工程では、積層シート40Aを縦型加熱炉内で搬送している間に、樹脂層3,4の硬化が進行する。
第二の加熱手段90を縦型加熱炉91で構成することで、製造装置の設置スペースを省スペース化できる。
以上のようにして積層シート40Aが得られる。以上の工程が、プリプレグ(繊維基材2、樹脂層3,4とで構成される)と、プリプレグに対して仮接着された金属層12とを備える積層シート40Aを用意する工程である。
以上の工程では、ローラ72a、72b、第一の加熱手段60、第二の加熱手段90の加熱により樹脂層3,4の硬化が進行し、樹脂層3と金属層12との接着強度、樹脂層4と金属層12との接着強度が高まる。これにより、金属層12が、プリプレグに対して、仮接着された積層シート40Aが得られる。以上の工程では、後段で積層シート40Aを裁断し、裁断した積層シート40Aを吊り下げた際に、金属層12がプリプレグから剥離しないように金属層12がプリプレグに仮接着されている。
次に、図9(A)に示す硬化装置30Cの治具87で積層シート40Aの端部を把持し、加熱炉85内に複数の積層シート40Aをつりさげる。そして、大気圧下で外部から加圧せずに、無加圧の状態で、積層シート40Aの加熱硬化を行う。加熱硬化時において、積層シート40Aは、その厚さ方向および厚さ方向と直交する方向から、挟圧されることがない。
積層シート40Aは完全硬化(Cステージ)し、金属層12と樹脂層3,4とが本接着されることとなる。これにより積層シート40Bである硬化体が得られる。この本接着工程における積層シート40Aの加熱温度は、硬化体である積層シート40Bのガラス転移点未満であることが好ましい。このようにすることでリフロー工程時の寸法変化を小さくできる、という効果がある。また、前記ガラス転移点以下で積層シート40Aを加熱することで、樹脂層3、4、金属層12の変色や、樹脂層3,4の劣化を抑制することができる。なお、加熱硬化する際に、積層シート40Aのふらつきや、そりの発生を防止するために、積層シート40Aを固定する冶具を使用してもよい。
ただし、硬化体である積層シート40B内部に発生する残留応力を低減する観点からは、積層シート40Aには、自重を超える荷重や張力をかけないことが好ましい。
なお、Cステージとは、DSCにて加熱硬化した場合に、発熱がほとんど観察できない場合であり、硬化率が90%以上の状態である。
本実施形態では、加熱炉85内で積層シート40Aを吊り下げて、積層シート40Aの硬化を行なっている。このようにすることで、積層シート40Aの硬化を行なうスペースの省スペース化を図ることができる。また、積層シート40Aを吊り下げるため、積層シート40Aの端部のみが治具に接触するだけであり、積層シート40Aの表裏面の大部分は、治具等に接触しない。そのため、積層シート40Aの表裏面に積層シート40Aを支持する部材の痕が生じてしまうことを防止できる。
硬化率はDSCにより発熱ピークを計測することで算出することができる。また、硬化率を算出する際には、シート5a、5bの状態の樹脂層の硬化率を0%とする。
以上の工程により積層シート40Bが得られるが、積層シート40Bにおけるプリプレグと金属層12との接着強度は、プリプレグに対して仮接着された金属層12を有する積層シート40Aにおけるプリプレグと金属層12との接着強度よりも高い。
ここでいう接着強度は、ピール強度であり、JIS C 6481の90度引き剥がし法に準じて測定できる。具体的には、金属層をプリプレグの樹脂層に対して90度方向に引き剥がして測定することができる。
プリプレグに対して仮接着された金属層12を有する積層シート40Aにおけるピール強度は、たとえば、0.2〜0.4N/mm2であることが好ましく、積層シート40Bにおけるプリプレグと金属層12との接着強度は、たとえば、0.8〜1.0N/mm2であることが好ましく、上述した積層シート40Aにおけるピール強度の2〜5倍となることが好ましい。
これにより、樹脂層3,4および繊維基材2で構成されるプリプレグが加圧されないため、プリプレグ内部に応力が発生しにくくなり、硬化体である積層シート40B内部に発生する残留応力を低減できる。
また、仮接着工程では、積層シート40Aを加圧して、熱硬化性の樹脂層3,4を硬化させている。このとき、積層シート40A内部には、加圧による残留応力が発生するが、本接着工程において、積層シート40Aが再度加熱されるため、前記残留応力は開放されることなる。そして、前述したように、本接着工程において、積層シート40Aを加圧せずに、加熱して熱硬化性の樹脂層3,4の硬化を進行させることで、硬化体である積層シート40B内部に発生する残留応力を低減できる。
また、本実施形態では、本接着工程における樹脂層3,4の硬化率をβとし、前述した積層シート40Aを用意する工程の積層シート40Aの樹脂層3,4の硬化率をαとした場合、β-αは5%〜90%である。すなわち、本接着工程で樹脂層3,4の硬化が比較的大きく進行することとなる。このように硬化が比較的大きく進行する本接着工程にて、プリプレグを加圧した場合には、加圧により加わった力がプリプレグ内に残留しやすくなるが、本実施形態では、本接着工程において、プリプレグが加圧されないため、プリプレグ内部に応力が残留しにくくなり、硬化体である積層シート40B内部に発生する残留応力を確実に低減できる。
このような積層シート40Bは、残留応力が低減されているため、加熱により樹脂層が軟化して、残留応力が緩和されても、加熱前後での寸法変動が生じにくくなり、信頼性の高いシートとなる。
たとえば、前記実施形態では、硬化装置30Cの治具で積層シート40Aの端部を把持し、加熱炉内で複数の積層シート40Aをつりさげて、積層シート40Aの加熱硬化を行なったが、これに限られるものでない。たとえば、裁断された積層シート40Aをベルトコンベア上に載せて、加熱炉内を搬送しながら、大気圧下で積層シート40Aの加熱硬化を行なってもよい。この場合にも、積層シート40Aは外部から加圧されずに、硬化することとなる。
ただし、プリプレグを製造する際、繊維基材2にワニス状の第1樹脂層3、第2樹脂層4を含浸させるが、このとき、繊維基材2を、ワニスが充填された槽に浸し、この槽から引き上げる必要があるので繊維基材2に非常に大きな張力をかける必要がある。本実施形態のように、予め、樹脂層と金属層とを有するシート5a(5b)を用意し、樹脂層を繊維基材2に含浸させる方が、繊維基材2にかかる張力を小さくすることが可能となる。
さらに、たとえば、金属層12に樹脂基板が設けられたものを使用してもよい。この場合には、樹脂層3,4に対して前記実施形態と同様に金属層12を仮接着することとなる。この場合、硬化体として、回路基板用のコア材にビルドアップ層が設けられたビルドアップ層付コア材が得られる。
(実施例1)
1.樹脂層のワニスの調整
熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット PT−30、重量平均分子量約2,600)15重量%、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000、エポキシ当量275)12.7重量%、フェノール樹脂としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(日本化薬社製、GPH−65、水酸基当量200)2.3重量%をメチルエチルケトンに溶解させた。さらに、無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO−25H、平均粒径0.5μm)69.7重量%とエポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー社製、A−187)0.3重量%を添加して、高速攪拌装置を用いて60分間攪拌して、固形分70重量%の樹脂層のワニスを調製した。
厚み12μm、幅480mmの銅箔(古河電工社製・F2WS−12)上に、上述したワニスをコンマコーター装置で塗工し、170℃の乾燥装置で3分間乾燥させ、厚さ29〜33μmになるように形成した(第1樹脂層3を形成した)。尚、幅410mmの樹脂層が、幅480mmの銅箔の中心になるようにした。さらに、この樹脂層3上に支持基体51となるポリエチレンテレフタレートフィルム(パナック社製、TP−01、厚さ38μm、幅480mm)を設けて第1シート5aを得た。
また、同様の方法で塗工するワニスの量を調整して、厚さ29〜33μm、幅410mmの樹脂層が、幅480mmの銅箔(古河電工社製・F2WS−12)の幅方向の中心に位置するように形成した(第2樹脂層4を形成した)。この樹脂層4上に支持基体51を設けて、第2シート5bを得た。
前記実施形態の製造装置30を使用して、硬化体を製造した。
繊維基材としてTガラス織布(クロスタイプ♯2116、幅360mm、厚さ87μm、坪量104g/m2)を用いた。
はじめに、空間S内を10torr(1333Pa)に減圧し、空間S内に、第1シート5a、第2シート5bを供給した。前記実施形態と同様、第1シート5aの支持基体51、第2シート5bの支持基体51は、ローラ73a、73bにより、剥離された。
そして、70℃のローラ72a、72bで、第1樹脂層3に設けられた金属層12と、第1樹脂層3と、繊維基材2と、第2樹脂層4と、第2樹脂層4に設けられた金属層12とを挟圧した。
その後、第一の加熱手段60により、積層シート40Aを加熱した。このとき、加熱ローラの温度は、100℃であり、積層シート40Aにかかる張力は300Nであった。
その後、積層シート40Aを、第二の加熱手段90により加熱した。第二の加熱手段90のヒータの温度は150℃であり、縦型加熱炉91を積層シート40Aが通過する際の、積層シート40Aにかかる張力は50Nであった。
さらに、積層シート40Aが第二の加熱手段90を通過するのにかかった時間は2分であった。
以上のようにして、厚さ102μm(第1樹脂層の非含浸部の厚さ:7.5μm、繊維基材:87μm、第2樹脂層のの非含浸部の厚さ:7.5μm)の積層シート40Aを得た。積層シート40Aの樹脂層3,4の硬化率は5%〜30%であり、Bステージとなっていた。
次に、積層シート40Aを裁断し、硬化装置30Cの治具87で裁断された積層シート40Aの端部を把持し、加熱炉85内で複数の積層シート40Aをつりさげて、積層シート40Aの加熱硬化を行なった。加熱時間は2時間、加熱温度は225℃(後述する硬化体のガラス転移点未満)であった。このとき、積層シート40Aを加圧せずに、積層シート40Aの加熱硬化を行なった。
以上のようにして得られた硬化体(積層シート40B)の樹脂層3,4の硬化率は90%以上であり、Cステージとなっていた。すなわち、積層シート40Bにおける樹脂層3,4と金属層12との接着強度は、積層シート40Aにおける樹脂層3,4と金属層12との接着強度よりも高くなっていた。
裁断された積層シート40Aを一対のプレス板で加圧加熱して、積層シート40Aの加熱硬化を行なった。加圧力は、0.2〜4.0MPa、加熱時間は2時間、加熱温度は225℃であった。他の点は実施例1と同じである。
寸法変化率(%)=(B−A)/A×100
ここで、縦方向は硬化体の搬送方向(いわゆるMD)を指し、横方向は、硬化体の搬送方向と直交方向(いわゆるTD)を指す。なお、予備加熱処理の温度は雰囲気温度であり、リフロー処理の温度は硬化体の表面の温度である。
結果を図11,12に示す。図11,12においてリフロー×1は、上述したリフロー処理を1回行なったことを意味し、リフロー×3は、上述したリフロー処理を3回行なったことを意味する。また、図11,12の縦軸は%である。
実施例1に比べて、比較例1のリフロー前後における硬化体の寸法変化率は大きかった。
以下、参考形態の例を付記する。
1.繊維基材に熱硬化性の樹脂材料を含浸させたプリプレグと、このプリプレグの表面および裏面のうちの少なくとも一方の面に仮接着されたシートとを備える積層体を用意する工程と、前記積層体を加圧せずに、加熱して前記熱硬化性の樹脂材料の硬化を進行させて、前記シートと前記プリプレグとを本接着する工程とを含む硬化体の製造方法。
2.1に記載の硬化体の製造方法において、当該硬化体は、プリント配線板用である硬化体の製造方法。
3.1または2に記載の硬化体の製造方法において、前記繊維基材を構成する繊維は、ガラス、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、アラミド樹脂、ポリエステルのいずれかの材料で構成された硬化体の製造方法。
4.1乃至3のいずれかに記載の硬化体の製造方法において、前記積層体を用意する前記工程では、前記プリプレグの樹脂材料は、Bステージの状態であり、本接着する前記工程では、前記加熱により、前記プリプレグの樹脂材料をCステージまで硬化する硬化体の製造方法。
5.1乃至4のいずれかに記載の硬化体の製造方法において、
積層体を用意する前記工程では、
長尺状の前記繊維基材に対して、前記樹脂材料を含浸させて長尺の前記プリプレグを得るとともに、前記樹脂材料を加熱して硬化を進行させて、プリプレグの表裏面のうち少なくとも一方の面に長尺のシートを仮接着し、長尺の前記プリプレグと前記長尺のシートとを有する長尺の前記積層体を用意し、
この積層体を所定の寸法に裁断し、
本接着する前記工程では、裁断された前記積層体を治具に吊り下げた状態で、加圧を行なわずに、加熱する硬化体の製造方法。
6.1乃至4のいずれかに記載の硬化体の製造方法において、長尺状の前記繊維基材に対して、前記樹脂材料を含浸させて長尺の前記プリプレグを得るとともに、前記樹脂材料を加熱して硬化を進行させて、プリプレグの表裏面のうち少なくとも一方の面に長尺のシートを仮接着し、長尺の前記プリプレグと前記長尺のシートとを有する長尺の前記積層体を用意し、この積層体を所定の寸法に裁断し、本接着する前記工程では、裁断された前記積層体を水平方向に移動するコンベアに搭載し、コンベアで前記積層体を搬送しながら、加圧を行なわずに、加熱する硬化体の製造方法。
7.1乃至6のいずれかに記載の硬化体の製造方法において、本接着する前記工程では、当該硬化体における前記樹脂材料のガラス転移点未満の温度で、前記積層体を加熱する硬化体の製造方法。
8.1乃至7のいずれかに記載の硬化体の製造方法において、前記シートは、金属箔あるいは金属箔付樹脂基板である硬化体の製造方法。
9.1乃至8のいずれかに記載の硬化体の製造方法において、積層体を用意する前記工程では、前記樹脂材料で構成された樹脂層とこの樹脂層に設けられた前記シートとを有するシート材の前記樹脂層を、前記繊維基材の少なくとも一方の面に当接させて、前記樹脂層を前記繊維基材に含浸させて前記積層体を構成する硬化体の製造方法。
3 第1樹脂層
4 第2樹脂層
5a 第1シート
5b 第2シート
12 金属層
30 積層シート製造装置
30A 製造装置
30B 裁断装置
30C 硬化装置
31 含浸部
32 非含浸部
40A 積層シート
40B 積層シート
41 含浸部
42 非含浸部
51 支持基体
60 第一の加熱手段
61a 加熱ローラ
61b 加熱ローラ
70 積層手段
71a 第1のローラ
71b 第1のローラ
72a 第2のローラ
72b 第2のローラ
73a 第3のローラ
73b 第3のローラ
75 ハウジング
76 減圧手段
77 シール材
81 平坦化手段
82 裁断手段
85 加熱炉
86 ヒータ
87 治具
88 支持材
90 第二の加熱手段
91 縦型加熱炉
92 加圧ローラ
711 本体部
711A 外周面
712 軸
751 壁部
751A 凹部
751B 開口部
761 ポンプ
762 接続管
771軸受け
811 ローラ
F1 圧接力
F2 減圧力
G 空気
S 空間
D 載置台
B1 ベルトコンベア
Claims (8)
- 繊維基材に熱硬化性の樹脂材料を含浸させたプリプレグと、このプリプレグの表面および裏面のうちの少なくとも一方の面に仮接着されたシートとを備える積層体を用意する工程と、
前記積層体を加圧せずに、加熱して前記熱硬化性の樹脂材料の硬化を進行させて、前記シートと前記プリプレグとを本接着する工程とを含む硬化体の製造方法であって、
積層体を用意する前記工程では、
長尺状の前記繊維基材に対して、前記樹脂材料を含浸させて長尺の前記プリプレグを得るとともに、前記樹脂材料を加熱して硬化を進行させて、プリプレグの表裏面のうち少なくとも一方の面に長尺のシートを仮接着し、長尺の前記プリプレグと前記長尺のシートとを有する長尺の前記積層体を用意し、
この積層体を所定の寸法に裁断し、
本接着する前記工程では、裁断された前記積層体を治具に吊り下げた状態で、加圧を行なわずに、加熱する、硬化体の製造方法。 - 繊維基材に熱硬化性の樹脂材料を含浸させたプリプレグと、このプリプレグの表面および裏面のうちの少なくとも一方の面に仮接着されたシートとを備える積層体を用意する工程と、
前記積層体を加圧せずに、加熱して前記熱硬化性の樹脂材料の硬化を進行させて、前記シートと前記プリプレグとを本接着する工程とを含む硬化体の製造方法であって、
積層体を用意する前記工程では、
長尺状の前記繊維基材に対して、前記樹脂材料を含浸させて長尺の前記プリプレグを得るとともに、前記樹脂材料を加熱して硬化を進行させて、プリプレグの表裏面のうち少なくとも一方の面に長尺のシートを仮接着し、長尺の前記プリプレグと前記長尺のシートとを有する長尺の前記積層体を用意し、
この積層体を所定の寸法に裁断し、
本接着する前記工程では、裁断された前記積層体を水平方向に移動するコンベアに搭載し、コンベアで前記積層体を搬送しながら、加圧を行なわずに、加熱する、硬化体の製造方法。 - 請求項1または2に記載の硬化体の製造方法において、
当該硬化体は、プリント配線板用である硬化体の製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の硬化体の製造方法において、
前記繊維基材を構成する繊維は、ガラス、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、アラミド樹脂、ポリエステルのいずれかの材料で構成された硬化体の製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の硬化体の製造方法において、
積層体を用意する前記工程では、前記プリプレグの樹脂材料は、Bステージの状態であり、
本接着する前記工程では、前記加熱により、前記プリプレグの樹脂材料をCステージまで硬化する硬化体の製造方法。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の硬化体の製造方法において、
本接着する前記工程では、当該硬化体における前記樹脂材料のガラス転移点未満の温度で、前記積層体を加熱する硬化体の製造方法。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の硬化体の製造方法において、
前記シートは、金属箔あるいは金属箔付樹脂基板である硬化体の製造方法。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載の硬化体の製造方法において、
積層体を用意する前記工程では、
前記樹脂材料で構成された樹脂層とこの樹脂層に設けられた前記シートとを有するシート材の前記樹脂層を、前記繊維基材の少なくとも一方の面に当接させて、前記樹脂層を前記繊維基材に含浸させて前記積層体を構成する硬化体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012167142A JP5962298B2 (ja) | 2012-07-27 | 2012-07-27 | 硬化体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012167142A JP5962298B2 (ja) | 2012-07-27 | 2012-07-27 | 硬化体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014024269A JP2014024269A (ja) | 2014-02-06 |
JP5962298B2 true JP5962298B2 (ja) | 2016-08-03 |
Family
ID=50198399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012167142A Expired - Fee Related JP5962298B2 (ja) | 2012-07-27 | 2012-07-27 | 硬化体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5962298B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101975456B1 (ko) * | 2013-10-14 | 2019-05-07 | 삼성전기주식회사 | 동박적층판 및 그 제조방법 |
CN114449693A (zh) * | 2020-10-30 | 2022-05-06 | 肇昇精密科技有限公司 | 预浸料制造设备及其加热件 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5757652A (en) * | 1980-09-25 | 1982-04-06 | Kanegafuchi Chemical Ind | Device for continuously manufacturing one surface metallic foil lined laminated plate |
JPS5811138A (ja) * | 1981-07-13 | 1983-01-21 | 松下電工株式会社 | 金属箔張り積層板の製法 |
JPS61211016A (ja) * | 1985-03-18 | 1986-09-19 | Fujikura Ltd | フレキシブルプリント基板と補強板との接合方法 |
JPH02295737A (ja) * | 1989-05-10 | 1990-12-06 | Matsushita Electric Works Ltd | 積層板の連続製造方法 |
JPH08288646A (ja) * | 1995-04-11 | 1996-11-01 | Shinko Kagaku Kogyo Kk | 金属ベース基板の製造方法 |
JP2004174730A (ja) * | 2002-11-25 | 2004-06-24 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 積層板の連続製造方法 |
JP2006137011A (ja) * | 2004-11-10 | 2006-06-01 | Kuraray Co Ltd | 金属張積層体およびその製造方法 |
JP2008213481A (ja) * | 2008-03-07 | 2008-09-18 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 積層板の連続製造方法および装置 |
-
2012
- 2012-07-27 JP JP2012167142A patent/JP5962298B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014024269A (ja) | 2014-02-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5751063B2 (ja) | 積層シート連続体の製造方法および積層シート連続体 | |
JP5251866B2 (ja) | 積層板の製造方法および積層板 | |
JP5685946B2 (ja) | プリプレグの積層方法、プリント配線板の製造方法およびプリプレグのロール | |
JP5962289B2 (ja) | 積層シート製造装置および積層シートの製造方法 | |
JP2016203397A (ja) | プリプレグ製造方法 | |
JP5136712B1 (ja) | 積層板の製造方法 | |
JP6136157B2 (ja) | プリプレグの製造方法およびプリプレグの製造装置 | |
JP5962298B2 (ja) | 硬化体の製造方法 | |
JP5821733B2 (ja) | 積層シート製造装置、積層シートの製造方法 | |
JP5915301B2 (ja) | 積層シートの製造方法および積層シート製造装置 | |
JP2008239826A (ja) | 樹脂フィルム積層プリプレグの製造方法 | |
KR101907713B1 (ko) | 빌드업용 프리프레그 | |
JP5263420B2 (ja) | 積層シート製造装置、積層シートの製造方法 | |
JP5887561B2 (ja) | 金属張積層板の製造方法 | |
JP2015176894A (ja) | 積層板の製造方法、プリント配線基板の製造方法、絶縁層付きプラスチックフィルム、積層板、プリント配線基板および半導体装置 | |
JP2013004915A (ja) | 積層板の製造方法 | |
JP5887704B2 (ja) | 圧接装置および積層シートの製造方法 | |
JP2010137513A (ja) | 積層シートおよびプリント回路基板 | |
JP2007136835A (ja) | 積層板の製造装置および積層板の製造方法 | |
JP2010138355A (ja) | プリプレグシート | |
JP2009178885A (ja) | 積層板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150519 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160119 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160318 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160531 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160613 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5962298 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |