JP2014056757A - 非水電解液ガス電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイクル特性の良好な非水電解液ガス電池を提供する。
【解決手段】非水電解液ガス電池10は、負極12とガス極としての正極13との間にセパレータ14を介在させ、非水電解液17を充填したものである。正極13を覆っている封口板16は、空気を流通可能な材質で構成されている。負極12は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を有する。正極13は、ハロゲン及び気体からの酸素を正極活物質とする。ハロゲンは、気体からのハロゲンであることが好ましく、ヨウ素ガスであることがより好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液ガス電池に関する。
従来、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を有する負極と、空気中の酸素を正極活物質とし酸素の酸化還元触媒を含む正極と、負極と正極との間に介在するイオン伝導媒体とを備えた非水電解液空気電池が知られている(特許文献1〜3、非特許文献1参照)。例えば、非特許文献1では、負極として金属リチウムを、正極としてリチウム過酸化物と多孔質炭素と二酸化マンガン触媒とフッ素系樹脂との混合物を、非水電解液としてLiPF6を溶解したプロピレンカーボネートを用い、外部から酸素を供給して用いることが記載されている。
また、外部から酸素を供給する代わりに、二酸化炭素や、酸素と二酸化炭素との混合ガスを供給することも提案されている(特許文献4,5参照)。
こうした非水電解液ガス電池では、正極活物質となるガスが外部から供給されるため、体積エネルギー密度の高い電池として期待されている。
特開2003−7357号公報 特開2005−166685号公報 特開2006−286414号公報 特開2011−70834号公報 特開2011−70835号公報
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、128巻、1390−1393頁、2006年
しかしながら、上述した非水電解液ガス電池では、充電ができなかったり、充電ができても、充放電サイクルを繰り返すにつれて放電容量が大きく低下してしまうなど、サイクル特性が良好でないことがあった。このため、サイクル特性の良好な非水電解液ガス電池が望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、サイクル特性の良好な非水電解液ガス電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、非水電解液ガス電池において、酸素ガスとヨウ素ガスとを混合した混合ガスを正極側から供給したところ、サイクル特性を向上させることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の非水電解液ガス電池は、
ハロゲン及び気体からの酸素を正極活物質とする正極と、
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を有する負極と、
前記正極と前記負極との間に介在し、リチウムイオンを伝導する非水電解液と、
を備えたものである。
この非水電解液ガス電池では、サイクル特性を向上させることができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推察される。ハロゲンを用いない非水電解液ガス電池では、放電時にリチウムイオン伝導性に乏しい過酸化リチウムが正極上に生成する。このようなものでは、充電時に過酸化リチウムを分解することになるが、過酸化リチウムがリチウムイオン伝導性に乏しいため、分解しきれない過酸化リチウムが残存する。これが、サイクル劣化の要因の一つになると推察される。これに対して、ハロゲンを用いる本発明では、放電時に酸素よりも先にハロゲンがリチウムと反応することにより、リチウムイオン伝導性のあるハロゲン化リチウムが正極上に最初に形成される。これにより、正極上での放電生成物の生成状況が変わったり、充電時に分解しきれず残存する過酸化リチウム量が減少したりするため、結果として充放電サイクル特性が向上するものと推察される。
本発明の非水電解液ガス電池10の一例を模式的に示す説明図。 F型セル20の構成の概略を示す説明図。 実施例1及び比較例1,2のサイクル数と放電容量との関係を示すグラフ。 実施例2及び比較例3のサイクル数と放電容量との関係を示すグラフ。 実施例3のサイクル数と放電容量との関係を示すグラフ。
本発明の非水電解液ガス電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在する非水電解液とを備えたものである。
本発明の非水電解液ガス電池において、正極は、ハロゲン及び気体からの酸素を正極活物質とするものである。ここで、気体としては、空気や酸素ガスなどが挙げられる。ハロゲンは、気体からのハロゲンでもよいし、予め非水電解液に溶解されたハロゲンでもよいが、気体からのハロゲンであることが好ましい。ここで、気体としては、ハロゲンガスが挙げられる。ハロゲンの種類は、特に限定されるものではなく、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を単独で又は組み合わせて用いることができるが、このうち、ヨウ素が好ましい。ヨウ素とリチウムイオンが反応する電圧と、酸素とリチウムイオンが反応する電圧とが、極めて近いからである。なお、「気体からの」とは、充放電時に気体として供給されることを意味する。酸素とハロゲンの比率は特に限定されるものではないが、酸素1molに対してヨウ素が0.01mol以上0.5mol以下であることが好ましい。0.01mol未満ではハロゲンの効果が十分でないことがあり、0.5molより多いと液の粘性が高くなり、電池性能が低下することがあるからである。
この正極は、導電材を含んでいてもよい。導電材としては、導電性を有する材料であれば特に限定されない。導電材としては、例えばカーボンが挙げられる。このカーボンとしては、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、木炭や石炭などを原料とする活性炭類でもよいし、合成繊維や石油ピッチ系原料などを炭化した炭素繊維類でもよい。また、金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、ニッケル、アルミニウムなどの金属粉末類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、二酸化マンガンやニッケル、安定なラジカル化合物(例えば特開2009−143855号公報参照)などの、酸素の酸化還元触媒を含んでいてもよい。酸素の酸化還元触媒を含むものとすれば、正極における酸素の反応が促進されるため、電池性能を高めることができる。
この正極は、バインダを含んでいてもよい。バインダとしては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリロニトリル、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。バインダは、導電材100重量部に対して3〜25重量部であることが好ましい。
この正極は、例えば上記導電材やバインダなどを、適当な溶剤を加えて湿式混合してペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成されたものとしてもよい。溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード法、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。また、この正極は、例えば上記導電材やバインダなどを、乳鉢などを使って乾式混合したあと、集電体にプレス成形して形成してもよい。集電体としては、酸素の拡散を速やかに行わせるため、網状やメッシュ状など多孔体を用いることが好ましく、ステンレス鋼やニッケル、アルミニウム、銅などの多孔体の金属板を用いることができる。なお、この集電体は、酸化を抑制するためにその表面に耐酸化性の金属または合金の被膜を被覆してもよい。
本発明の非水電解液ガス電池において、負極は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を有するものである。こうした負極としては、金属リチウムやリチウム合金のほか、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質、金属酸化物などが挙げられる。リチウム合金としては、例えばアルミニウムやスズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、シリコンなどとリチウムとの合金が挙げられる。リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質としては、例えば黒鉛、コークス、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素、グラフェンなどが挙げられ、黒鉛・シリコン複合体、グラフェン・チタン酸リチウムなどの金属酸化物複合体などとしてもよい。金属酸化物としては、例えばスズ酸化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物などが挙げられる。この他、リン化鉄などを用いてもよい。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。
本発明の非水電解液ガス電池において、非水電解液は、正極と負極との間に介在し、リチウムイオンを伝導するものである。この非水電解液は、支持塩を非水系溶媒に溶解させたものであってもよい。支持塩は、負極が吸蔵放出するリチウムイオンとそのカウンターイオンとで構成されている。支持塩としては、例えば、LiPF6,LiClO4,LiBF4,Li(CF3SO22N,LiN((C25SO22),Li(CF3SO3),Li(C49SO3)などの公知の支持塩を用いることができる。このうち、Li(CF3SO22Nが好ましい。支持塩は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。非水系溶媒としては、エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジエチルカーボネート,ジメチルカーボネート,エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート、ガンマブチロラクトン,ガンマバレロラクトンなどの環状エステルカーボネート、テトラヒドロフラン,2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメトキシエタン,エチレングリコールジメチルエーテルなどの鎖状エーテルなどのほか、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、スルホラン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、テトラメチレンスルホンなどの公知の有機溶媒を用いることができる。このうち、スルホラン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、テトラメチレンスルホンなどの、S=O結合やO=S=O結合を有する溶媒が好ましい。これらの溶媒は、ヨウ素と緩く結合しやすく、かつ、酸素ラジカルに対して耐久性が高いからである。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。支持塩の濃度としては、上述したリチウムイオンが0.1〜2.0Mとなるものであることが好ましく、0.8〜1.2Mとなるものであることがより好ましい。また、これらの有機溶媒の水素の全部又は一部が重水素である重水素化溶媒を用いてもよく、例えば、ジメチルスルホキシド―d6などを用いることができる。また、非水電解液としては、そのほかにイオン性液体やゲル電解質などを用いてもよい。イオン性液体としては、N,N−ジエチル−N−エチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロスルホニル)イミドなどを用いることができる。また、イオン性液体と上述した有機溶媒及び重水素化溶媒のうち1以上が含まれる混合溶媒であってもよい。ゲル電解質としては、公知のゲル電解質を用いることができ、例えば、ポリフッ化ビニリデンやポリエチレングリコール、ポリアクリロニトリルなどの高分子、アミノ酸誘導体、ソルビトール誘導体などの糖類に、上述した非水電解液を含ませてなるゲル電解質が挙げられる。
本発明の非水電解液ガス電池は、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、非水電解液ガス電池の使用に耐え得る組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明の非水電解液ガス電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。
本発明の非水電解液ガス電池の一例を図1に示す。図1は、非水電解液ガス電池(コイン型電池)10の構成の概略を表す断面図である。このコイン型電池10は、金属リチウムからなる負極12とガス極としての正極13との間にセパレータ14を介在させ、非水電解液17を充填したものである。正極13は、集電体上に導電材とバインダーとの混合物を圧着したものであり、正極13を覆っている封口板16は、ガスを流通可能な材質で構成されている。また、コイン型電池10は、以下のようにして組み立てられる。まず、カップ形状の電池ケース11の内部に負極12を配置し、非水電解液17を注入しながらセパレータ14を負極12に重ねて配置する。続いて、セパレータ14の上に負極12と対向するように正極13を配置し、電池ケース11の内周に沿って絶縁材により形成されたガスケット15を配置し、必要に応じて非水電解液17を追加注入する。最後に、電池ケース11の開口部にガスを流通可能な封口板16を配置し、電池ケース11の端部をかしめ加工することにより、コイン型電池10を得る。このコイン型電池10は、充放電時に、封口板16上にハロゲンと酸素ガスを入れたボンベを気密に接続し、ハロゲンガスと酸素ガスとの混合ガスを供給して用いる。この際、必要に応じてボンベを加温して、ハロゲンをガス化させてもよい。例えば、臭素を用いる場合には、30〜60℃に加温することが好ましい。また、ヨウ素を用いる場合には、25〜60℃に加温することが好ましい。
このようなコイン型電池10では、サイクル特性を向上させることができる。また、正極活物質である酸素やハロゲンを外部から供給できるため、コイン型電池10の体積に対するエネルギー密度を高めることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。例えば、上述したコイン型電池10は、充放電時に、封口板16上にボンベを気密に接続して、ハロゲンガスと酸素ガスとの混合ガスを供給したが、このようにしなくてもよい。例えば、非水電解液17に予めハロゲンを溶解させておき、酸素ガスとして、空気中の酸素を供給するものとしてもよい。こうすれば、ボンベを接続する必要がない。もちろん、非水電解液17に予めハロゲンを溶解させておいた場合でも、充放電時に、封口板16上に酸素を充填したボンベを気密に接続して酸素ガスを供給してもよい。
次に、本発明の非水電解液ガス電池を具体的に作製した例を実施例として説明する。
[実施例1]
正極は次のようにして作製した。導電助剤としてケッチェンブラック(三菱化学製ECP−600JD,以下同じ)を85重量部、バインダーとしてテフロンパウダー(テフロンは登録商標,ダイキン工業製T−104以下同じ)を15重量部の比率で、乳鉢を用いて混合かつ練り合わせた後、薄膜状に成形した合材約4mgの円径シート(直径10mm)を、白金メッシュ(ニラコ製)2枚の間に圧着して、真空乾燥を行い、非水電解液ガス電池の正極とした。負極には直径10mm、厚さ0.4mmの金属リチウム(本城金属製)を用いた。電解液には1モル/リットルのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学)のテトラメチレンスルホン(アルドリッチ製)を調製した。
上述した正極、負極、電解液及びポリエチレン製セパレータ(東燃化学製)を用いてF型セル20を作製した。図2は、F型セル20(北斗電工製)の断面図である。F型セル20はアルゴン雰囲気下のグローブボックス内で次のようにして組み立てた。まず、SUS製のケーシング22に負極24を設置し、正極26を負極24とセパレータ30を挟んで対向するようにセットし、電解液28を0.5mL注入した。その後、正極26に発泡ニッケル板32を載せ、その上に、ガスが正極26側へ流通可能なガス溜め34を配置し、セルに固定して実施例1のF型セルを得た。F型セル20のガス溜め34にはヨウ素粉末0.3gを入れ、2気圧のドライ酸素を充填した。
作製したF型セルを北斗電工製の充放電装置(HJ1001SM8A,以下同じ)に接続し、60℃の恒温器内にセットし、正極と負極の間で正極材料あたり0.05mAの電流を流して2.3Vまでの放電と3.7Vまでの充電を繰り返し行った。なお、この場合、60℃の恒温器内で充放電を行うため、ガス溜め34に入れられたヨウ素粉末は昇華してヨウ素ガスとなる。
[比較例1]
ガス溜め34に2気圧のドライ酸素のみを充填した以外は実施例1と同様にして比較例1のF型セルを作製し、充放電試験を行った。
[比較例2]
ガス溜め34に0.3gのヨウ素のみを入れた以外は実施例1と同様にして比較例1のF型セルを作製し、充放電試験を行った。
図3には、実施例1及び比較例1,2のサイクル数と放電容量との関係を示すグラフを示した。図3から、ヨウ素ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いることで充放電サイクル特性が向上することが分かった。
[実施例2]
実施例2では、ヨウ素ガスと酸素ガスとの混合ガスを供給しながら60℃で充放電試験を行うのに代えて、充放電試験前に予めヨウ素ガスを電解液28に溶解させ、酸素ガスのみを供給しながら25℃で充放電試験を行った以外は実施例1と同様である。
具体的には、ヨウ素0.3gを入れたガス溜め34を充放電試験前のF型セルにセットし、ガス溜め34のみを60℃の恒温器内にセットして内部のヨウ素を昇華させ、昇華したヨウ素ガスを電解液28に溶解させた。その後、ガス溜め34を2気圧のドライ酸素を充填したものに取り替え、F型セルを25℃の恒温器内にセットして充放電試験を行った。
[比較例3]
実施例2において、ヨウ素ガスを電解液に溶解させなかった以外は実施例2と同様にして比較例3のF型セルを作製し、充放電試験を行った。
図4には、実施例2及び比較例3の放電曲線を示した。図4から、予めヨウ素ガスを電解液に溶解させておいて、充放電時には酸素ガスのみを供給するものとしても、充放電サイクル特性が向上することが分かった。
[実施例3]
実施例3では、電解液にヨウ素ガスと酸素ガスとの混合ガスを供給しながら60℃で充放電試験を行うのに代えて、F型セルを作製する際に予め電解液28にヨウ素粉末を加えて溶解させ、酸素ガスのみを供給しながら25℃で充放電試験を行った以外は実施例1と同様である。
具体的には、0.5mLの電解液を注入する際にこの電解液にヨウ素粉末106mgを予め溶解させた。その後、2気圧のドライ酸素を充填したガス溜め34をセットし、F型セルを25℃の恒温器内にセットして充放電試験を行った。なお、実施例3では、充電において、電流を0.25mAで3.5Vまで定電流充電し、その後、定電圧を維持して電流が0.01mAになるまで充電を続けた。
図5には、実施例3の放電曲線を示した。実施例3のように、予め電解液にヨウ素粉末を溶解させ、充放電時には酸素ガスのみを供給するものとしても、比較例1〜3よりも充放電サイクル特性が向上することが分かった。実施例2と実施例3は、予め電解液28にハロゲンを溶解させておいた点で共通するが、実施例2では初期の放電容量が高く、実施例3ではサイクルを重ねたときの放電容量の低下が少なかった。この違いは、電解液中のヨウ素濃度の違いによるものと考えられる。ヨウ素濃度の低い実施例2では、少量のLiIが生成した後でLi22が多量に生成するのに対して、ヨウ素濃度の高い実施例3では、多量のLiIが生成する。LiIはLi22に比べて分子の大きさが大きいため、実施例3では、正極内の空間をLiIが覆うことにより、Li22の生成空間が減少したものと推察される。
本発明は、電池産業に利用可能である。
10 非水電解液ガス電池、11 電池ケース、12 負極、13 正極、14 セパレータ、15 ガスケット、16 封口板、17 非水電解液、20 F型セル、22 ケーシング、24 負極、26 正極、28 電解液、30 セパレータ 32 発泡ニッケル板、34 ガス溜め。

Claims (4)

  1. ハロゲン及び気体からの酸素を正極活物質とする正極と、
    リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在し、リチウムイオンを伝導する非水電解液と、
    を備えた、非水電解液ガス電池。
  2. 前記ハロゲンは、気体からのハロゲンである、請求項1に記載の非水電解液ガス電池。
  3. 前記ハロゲンは、ヨウ素である、請求項1又は2に記載の非水電解液ガス電池。
  4. 前記非水電解液は、S=O結合及びO=S=O結合の少なくとも一方を有する溶媒を含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解液ガス電池。
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