JP2014054685A - ワイヤソーの断線検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】切断用ワイヤの断線を常に確実且つ正確に検出でき、もって迅速に装置を停止させて断線した切断用ワイヤによる加工物の破壊を未然に防止できるワイヤソーの断線検出装置を提供する。
【解決手段】ワイヤ列4の走行経路の近傍に張力をもって検出用ワイヤ15を架設し、ワイヤ列4の切断用ワイヤ4aが断線したときに切断用ワイヤ4aの接触を受けて検出用ワイヤ15を切断するようにし、このときの検出用ワイヤ15の弛みによる位置変位をセンサユニット17により検出し、検出結果に基づきワイヤ列4の走行を停止させる。
【選択図】図2

Description

本発明はワイヤソーの断線検出装置に係り、加工物の切断中にワイヤ列で発生した切断用ワイヤの断線を検出する断線検出装置に関する。
従来より、複数の溝ローラ間に切断用ワイヤを多列に巻き掛けてワイヤ列を形成し、溝ローラの回転により走行させたワイヤ列に加工物を押し付けて多数枚に切断するワイヤソーが実用化されている。この種のワイヤソーは、シリコンカーバイドやダイヤモンド等の砥粒を含んだスラリをワイヤ列に供給したり(遊離砥粒方式)、或いは前記砥粒を切断用ワイヤの表面に付着・固定したりして(固定砥粒方式)、加工物の切断作用を得ている。
何れの方式においてもワイヤ列の切断用ワイヤは加工中に常に加工負荷を受けており、例えば加工物の送り速度が速過ぎたり、或いは加工物の破片が溝ローラに噛み込んだりした場合には、加工負荷が急増して切断用ワイヤが断線してしまうことがある。断線した切断用ワイヤは溝ローラの回転に伴って鞭のように加工物を攻撃して破壊してしまうため、加工物を温存して切断作業を再開するには、切断用ワイヤの断線を確実に検出して速やかに装置を停止させることが重要である。
このような観点の下に種々の対策が提案されている。例えば特許文献1に記載された技術では、ワイヤ列の走行経路の近傍にワイヤ列と直交する方向に検出用ワイヤを架設して電流を流し、断線した切断用ワイヤにより検出用ワイヤが切断したときの電流変化に基づき断線判定を下して装置を停止させている。
又、特許文献2に記載された技術では、同じくワイヤ列の走行経路の近傍に直交方向に検出用ワイヤを架設し、断線した切断用ワイヤが検出用ワイヤに接触したときの張力変化(振動)に基づき断線判定を下して装置を停止させている。
特開2011−143510号公報 特開2000−218498号公報
しかしながら、上記電流変化を利用した特許文献1の技術では、検出用ワイヤの切断、ひいては切断用ワイヤの断線を確実に検出できないという問題がある。即ち、遊離砥粒方式で用いられるスラリは砥粒の混入により導電性を有する場合があり、検出用ワイヤが切断されても切断端同士がスラリを介して通電することから断線判定できない事態が生じる。又、検出用ワイヤの切断端が装置の導電箇所に接触した場合も同様であり、導電箇所を介して電流が流れ続けるため断線判定できない。
一方、上記張力変化を利用した特許文献2の技術では、装置の設置時に手間を要する上に断線判定が不確実であるという問題を抱えている。即ち、検出用ワイヤの張力変化は、断線した切断用ワイヤが接触したときのみならず、加工中の装置に生じる種々の振動によっても発生する。例えばモータ等による溝ローラの回転駆動に起因する振動、切断用ワイヤによる加工物の切断に起因する振動、或いは検出用ワイヤにクーラントが降りかかったときの振動等がこれに相当する。
このため、これらの装置に生じた振動により検出用ワイヤが張力変動しても断線判定せず、且つ切断用ワイヤの接触により張力変動した場合に限って断線判定する必要がある。このような要求を満たすためには、例えば検出用ワイヤを架設したときに張力を綿密に調整する必要があると共に、張力変化に基づき断線判定するか否かを判定するための閾値を事前の試験により綿密に設定する必要がある。よって、装置の設置時に多大な手間を要すると共に、何らかの外的な要因が作用すると、断線判定を誤判定する可能性があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、切断用ワイヤの断線を常に確実且つ正確に検出でき、もって迅速に装置を停止させて断線した切断用ワイヤによる加工物の破壊を未然に防止することができるワイヤソーの断線検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、複数の溝ローラ間に切断用ワイヤを多列に巻き掛けてワイヤ列を形成し、溝ローラの回転により走行させたワイヤ列に加工物を押し付けて多数枚に切断するワイヤソーにおいて、ワイヤ列の走行経路の近傍にワイヤ列と略直交する方向に張力をもって架設され、ワイヤ列の切断用ワイヤが断線したときに切断用ワイヤの接触を受けて切断される検出用ワイヤと、検出用ワイヤが切断されたときに、検出用ワイヤの弛みによる位置変位を検出するワイヤ変位検出手段と、ワイヤ変位検出手段により検出用ワイヤの位置変位が検出されたときに、溝ローラによるワイヤ列の走行を停止させるワイヤ走行停止手段とを備えたものである。
請求項2の発明は、請求項1において、検出用ワイヤが、溝ローラに対応する切断領域に加えて、切断領域の何れか一側からピンを介して略直角に架設された検出領域を形成し、ワイヤ変位検出手段が、検出用ワイヤの検出領域に接続されてワイヤ切断時の位置変位を検出するものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、各溝ローラを回転可能に支持する一対の軸受フレームに対して両端を脱着可能に固定されたワイヤフレームを備え、検出用ワイヤが、ワイヤフレームの両端に設けられたピンの間に架設されているものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3において、ワイヤ変位検出手段が、検出用ワイヤの弛みによる位置変位を検出していないときにワイヤ走行停止手段に信号を出力し、弛みによる位置変位を検出したときにワイヤ走行停止手段への信号出力を中断し、ワイヤ走行停止手段が、ワイヤ変位検出手段からの信号入力が中断されたときにワイヤ列の走行を停止させるものである。
以上説明したように請求項1の発明のワイヤソーの断線検出装置によれば、ワイヤ列の走行経路の近傍に張力をもって検出用ワイヤを架設し、ワイヤ列の切断用ワイヤが断線したときに切断用ワイヤの接触を受けて検出用ワイヤを切断するようにし、このときの検出用ワイヤの弛みによる位置変位をワイヤ変位検出手段により検出し、検出結果に基づきワイヤ走行停止手段によりワイヤ列の走行を停止させるようにした。
従って、検出用ワイヤが切断されたときの電流変化のような不確定な現象に基づくことなく、又、検出用ワイヤの張力変動のような微細な現象に基づくことなく、明確な変化が生じる検出用ワイヤの弛みによる位置変位に基づき切断用ワイヤの断線を判定する。結果として検出用ワイヤの切断、ひいては切断用ワイヤの断線を常に確実且つ正確に検出でき、切断用ワイヤの断線時には迅速に装置を停止して加工物の破壊を未然に防止することができる。
請求項2の発明のワイヤソーの断線検出装置によれば、請求項1に加えて、検出用ワイヤにより溝ローラに対応する切断領域に加えて、切断領域の何れか一側からピンを介して略直角に架設された検出領域を形成し、その検出領域にワイヤ変位検出手段を接続した。
従って、ワイヤ変位検出手段は溝ローラと対応することなく外れた位置に設置され、加工物の破片やクーラントがワイヤ変位検出手段に直接的に降りかからないため、これに起因する故障を防止して耐久信頼性を向上することができる。
請求項3の発明のワイヤソーの断線検出装置によれば、請求項1又は2に加えて、ワイヤソーの軸受フレームに対してワイヤフレームの両端を脱着可能に固定し、その両端に設けられたピンの間に検出用ワイヤを架設した。
従って、検出用ワイヤの切断時には、ワイヤソーからワイヤフレームを取り外して検出用ワイヤを架設し直すことができ、その整備性を向上することができる。
請求項4の発明のワイヤソーの断線検出装置によれば、請求項1乃至3に加えて、検出用ワイヤの弛みによる位置変位を検出したときに、ワイヤ変位検出手段からワイヤ走行停止手段への信号出力を中断してワイヤ列の走行を停止させるようにした。
従って、切断用ワイヤの断線時のみならずワイヤ変位検出手段の故障時にも、ワイヤ走行停止手段への信号入力が中断されてワイヤ列の走行が停止される。よって、切断用ワイヤが断線したときに、ワイヤ列の走行を確実に停止して加工物の破壊を未然に防止できる。また、ワイヤ列の走行停止によりワイヤ走行停止手段の故障を察知できるため、速やかに修理等の対処を実施することができる。
実施形態の断線検出装置が設置されたワイヤソーの箇所を斜め後方から見た部分斜視図である。 断線検出装置を斜め前方から見た斜視図である。 センサユニットのオフ状態を示す図2の矢視Aに相当する断面図である。 同じくセンサユニットのオン状態を示す断面図である。 別例のセンサユニットのオフ状態を示す断面図である。 同じく別例のセンサユニットのオン状態を示す断面図である。
以下、本発明を具体化したワイヤソーの断線検出装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の断線検出装置が設置されたワイヤソーの箇所を斜め後方から見た部分斜視図である。以下、説明の便宜上、図中の左側を左方、右側を右方、図中の奥側を前方、手前側を後方として規定した上で、まず、ワイヤソーの全体的な構成を述べる。
ワイヤソーの一対の軸受フレーム1,2は、左右方向に所定間隔をおいて離間配置されている。両軸受フレーム1,2の間には一対の溝ローラ3が前後方向に所定間隔をおいて配設され、各溝ローラ3の左右両端は軸受フレーム1,2内に設けられた図示しない軸受により回転可能に支持されている。図示はしないが、各溝ローラ3は左側の軸受フレーム1内に内蔵されたギヤ列を介してモータにより回転駆動されるようになっている。
両溝ローラ3の間には切断用ワイヤ4aが多列に巻き掛けられ、これにより両溝ローラ3間の上段及び下段には多列の切断用ワイヤ4aから構成されるワイヤ列4が形成されている。これらのワイヤ列4は、両溝ローラ3の回転に伴って一方向に向けて走行するようになっている。
図示はしないが、切断用ワイヤ4aの一端は供給リールに巻回され、他端は回収リールに巻回されている。供給リール及び回収リールは上記溝ローラ3と連動して回転駆動され、供給リールから繰り出された切断用ワイヤ4aが上記のようにワイヤ列4として両溝ローラ3間で走行し、その後に回収リールに巻き取られるようになっている。尚、この例ではワイヤ列4を一方向に走行させているが、切断用ワイヤ4aの走行状態はこれに限定されるものではなく、例えばワイヤ列4を往復走行させてもよい。
両溝ローラ3間には補助ローラ5が配設され、この補助ローラ5の左右両端は上記軸受フレームに回転可能に支持されている。補助ローラ5は両溝ローラ3間に架設された上段のワイヤ列4に対して下方より接触し、ワイヤ列4を形成する各切断用ワイヤ4aに対して張力を付与している。
図示はしないが、両溝ローラ3間に架設された上段のワイヤ列4の上方位置には、補助ローラ5を挟んだ前後両側に昇降テーブルがそれぞれ配設され、これらの昇降テーブルの下面にはシリコン、ガラス、セラミック等の加工物がチャックにより脱着可能に固定されるようになっている。両昇降テーブルの下降に伴って加工物は上段のワイヤ列4に上方より押し付けられ、シリコンカーバイドやダイヤモンド等の砥粒の切断作用を利用して他数枚に切断されるようになっている。尚、砥粒の形態については、切断用ワイヤ4aに砥粒を付着・固定する固定砥粒方式と砥粒を含んだスラリを用いる遊離砥粒方式との何れを採用してもよい。
尚、溝ローラ3や補助ローラ5の上方位置にはクーラントノズル6が配設され、加工中の加工物やワイヤ列4の冷却のためにクーラントノズル6からクーラントが供給されるようになっている。又、遊離砥粒方式を採用した場合には、クーラントとして砥粒を含んだスラリが用いられる。
本実施形態のワイヤソーは以上のように構成されている。そして、[背景技術]で述べたように、加工中に切断用ワイヤ4aが断線した場合には、断線した切断用ワイヤ4aにより加工物が破壊される以前に装置を停止させる必要があり、そのためにワイヤソーには断線検出装置8が備えられている。以下、当該断線検出装置8の構成を詳述する。
本実施形態では、断線検出装置8が後側の溝ローラ3の後方位置に配設されている。但し、この設置位置に限定されるものではなく、ワイヤ列4の近接位置であれば任意に変更可能である。
図2は断線検出装置8を斜め前方から見た斜視図である。断線検出装置8のワイヤフレーム9は溝ローラ3に沿って左右方向に延びる細長い板状をなし、その左右両端は、左右の軸受フレーム1,2に固定されたL字状のブラケット10に対してそれぞれ蝶ネジ11により脱着可能に固定されている。ワイヤフレーム9の右側前面にはL字状のピンプレート12の一端が溶接され、このピンプレート12の他端は前方に向けて水平に突出している。又、ワイヤフレーム9上の左側には前後方向に延びる細長い板状のピンプレート13が溶接され、このピンプレート13はワイヤフレーム9から前方及び後方に突出している。
右側のピンプレート12上の前側、及び左側のピンプレート13上の前後両側にはそれぞれピン14が突設され、これらのピン14間を結ぶように検出用ワイヤ15が架設されている。結果として検出用ワイヤ15は、溝ローラ3に沿って左右方向に延設されて溝ローラ3に対応する切断領域15aと、この切断領域15aの左側から直角に屈曲して後方に延びる検出領域16bとからなる略L字状をなすように、張力をもって架設されている。
検出用ワイヤ15は、破断した切断用ワイヤ4aの接触により容易に切断される強度のものであれば、その材質は限定されるものではない。よって、例えば金属線材或いは合成樹脂製の線材等により検出用ワイヤ15を製作すればよい。
図3はセンサユニットのオフ状態を示す図2の矢視Aに相当する断面図、同じく図4はセンサユニットのオン状態を示す断面図である。
左側の軸受フレーム1の後面にはセンサユニット17(ワイヤ変位検出手段)が固定されており、センサユニット17は上記検出用ワイヤ15の検出領域15bの左方に位置している。センサユニット17のハウジング18内には作動室19が形成され、この作動室19内には可動子20が左右方向に移動可能に収容されている。
図4に示すように作動室19内で可動子20はバネ21により常に左方に付勢されると共に、図3に示すようにバネ21の付勢力に抗して作動室19内で右方に移動し得るようになっている。ハウジング18の右端面には誘導形近接スイッチ22が取り付けられ、この誘導型近接スイッチ22は作動室19内に露出し、金属製の可動子20が接近したときにオンし、可動子20が離間したときにはオフする。
センサユニット17の可動子20はハウジング18内から右方に突出し、可動子20の先端には牽引ワイヤ23の一端が接続されている。牽引ワイヤ23の他端にはS字状金具24が固定され、このS字状金具24は上記検出用ワイヤ15の検出領域15bに掛止されている。
検出用ワイヤ15は張力をもって架設されているため、張力を受けることによって検出領域15bの左右方向及び上下方向の位置は定まっている。このため、センサユニット17の可動子20は牽引ワイヤ23により引っ張られてバネ21の付勢力に抗して作動室19内の右方に位置し、誘導型近接スイッチ22をオフ状態に保持している。
誘導型近接スイッチ22はワイヤソーの動作を制御するための制御装置25(ワイヤ走行停止手段)に接続され、オン状態のときに信号が制御装置25に入力されるようになっている。制御装置25は誘導型近接スイッチ22からの信号が入力されていることを条件としてワイヤソーを運転し、信号入力が中断されるとワイヤソーの運転を直ちに停止させるようになっている。
次に、以上のように構成されたワイヤソーの断線検出装置8の作動状況を説明する。
ワイヤ列4による加工物の切断作業が正常に行われている通常時には、検出用ワイヤ15も切断されることなく張力をもって架設されている。このため、図3に示すようにセンサユニット17の可動子20はバネ21の付勢力に抗して作動室19内の右方に位置し、誘導型近接スイッチ22から信号入力に基づき制御装置25はワイヤソーの運転を継続している。
そして、加工中に切断用ワイヤ4aが断線すると、断線した切断用ワイヤ4aは溝ローラ3の回転に伴って鞭のように検出用ワイヤ15の切断領域15aに接触し、切断領域15aの何れかの箇所を切断する。結果として検出用ワイヤ15は張力を失って弛み、その影響を受けて切断領域15aのみならず検出領域15bも位置変位を生じる。換言すれば、検出領域15bは弛みにより位置変位し得る状態となる。
結果として、図4に示すようにセンサユニット17の可動子20はバネ21の付勢力により作動室19内で左方に移動し、誘導型近接スイッチ22はオフからオンに切り換えられる。よって、信号入力の中断により制御装置25がワイヤソーの運転を停止し、溝ローラ3によるワイヤ列4の走行も直ちに中止されるため、加工中の加工物は破損することなく温存されて切断作業の再開時に利用可能となる。
次に、本実施形態のワイヤソーの断線検出装置8による作用を上記特許文献1及び特許文献2の技術と比較する。
まず、特許文献1の技術では、検出用ワイヤ15に生じる電流変化を利用して切断用ワイヤ4aの断線を判定しているため、切断された検出用ワイヤ15がスラリ或いは装置の導電箇所を介して導通したときには断線判定不能となる場合がある。この電流変化のような不確定な現象を利用することなく、本実施形態では検出用ワイヤ15の機械的な変化を利用して断線判定しているため、上記不具合が発生する余地は一切ない。
又、特許文献2の技術では、検出用ワイヤ15の張力変化を利用して断線判定しており、この張力変化は機械的な変化ではあるが、本実施形態のような検出用ワイヤ15の切断とは全く相違する。即ち、断線した切断用ワイヤ4aの接触による検出用ワイヤ15の張力変動は微細な現象であることから、加工中の装置に生じる種々の振動に紛れ込んでしまう。
よって、検出用ワイヤ15の張力変動が切断用ワイヤ4aの接触によるものか装置の振動によるものであるかを、センサ検出に基づき判別することは非常に困難である。このため特許文献2の技術では、検出用ワイヤ15の綿密な張力調整、或いは事前の試験による綿密な断線判定の閾値の設定が不可欠である上に、このような対策を講じたとしても断線判定を誤判定する可能性がある。
これに対して検出用ワイヤ15の切断を利用する本実施形態では、張力をもって検出用ワイヤ15を架設しさえすれば、その張力に多少の過不足があったとしても上記のように非切断状態と切断状態とで検出用ワイヤ15には明らかな相違が生じる。このため特許文献2の技術のような手間のかかる事前作業を不要とした上で、検出用ワイヤ15の切断、ひいては切断用ワイヤ4aの断線を常に確実且つ正確に検出できる。結果として本実施形態によれば、切断用ワイヤ4aの断線時には迅速に装置を停止でき、断線した切断用ワイヤ4aによる加工物の破壊を未然に防止することができる。
一方、図1から明らかなように、検出用ワイヤ15の切断領域15aの左側に検出領域15bを形成し、その検出領域15bにセンサユニット17を接続した結果、センサユニット17は左右方向において溝ローラ3と対応することなく左方に外れた位置に設置されている。ワイヤソーの運転中には加工物の破片やクーラントが溝ローラ3から放射状に飛散するが、これらの破片やクーラントがセンサユニット17に直接的に降りかからないため、これに起因するセンサユニット17の故障を防止して耐久信頼性を向上できるという利点も得られる。
又、上記のように検出用ワイヤ15はワイヤフレーム9上に架設され、そのワイヤフレーム9の左右両端が、溝ローラ3を支持する軸受フレーム1,2のブラケット10に対して蝶ネジ11で脱着可能に固定されている。検出用ワイヤ15が切断されたときには架設し直す必要があるが、このような構成によりワイヤフレーム9をワイヤソーから取り外して当該作業を実施できることから、装置の整備性を向上することができる。
ところで、上記実施形態では、切断用ワイヤ4aの断線時にオフからオンに切り換えられるようにセンサユニット17を構成したが、この切換を逆転させた構成としてもよく、以下に別例として説明する。図5,6は別例のセンサユニット31を示す断面図であり、図5はオン状態を示し、図6はオフ状態を示す。
この別例では、ワイヤソー全体の構成のみならずセンサユニット31の基本構成についても上記実施形態と同様であり、主な相違点はセンサユニット31の誘導型近接スイッチ32の取付位置にある。このため、共通する構成の箇所は同一部材番号を付して説明を省略し、相違点を重点的に説明する。
誘導型近接スイッチ32はハウジング18の右端面に代えて側面に取り付けられ、作動室19内の左右方向のほぼ中間位置に露出している。実施形態と同じく可動子20は、通常時には検出用ワイヤ15の張力を受けて作動室19内の右方に位置し、検出用ワイヤ15の切断時にはバネ21の付勢力により作動室19内の左方に位置する。このため可動子20は、図5に示すように作動室19内の右方位置で誘導型近接スイッチ32と対応し、図6に示すように作動室19内の左方位置では誘導型近接スイッチ32と対応しなくなる。
一方、制御装置25は、センサユニット31からの信号の入力を条件としてワイヤソーを運転し、信号入力の中断によりワイヤソーの運転を停止させるようになっている。
このように構成された別例では、図5に示す通常時には、可動子20の接近により誘導型近接スイッチ32がオンし、センサユニット31からの信号を入力した制御装置25によりワイヤソーが運転される。そして、図6に示す切断用ワイヤ4aの断線時には可動子20の離間により誘導型近接スイッチ32がオフし、センサユニット31からの信号入力の中断を受けて制御装置25によりワイヤソーの運転が停止される。
よって、上記実施形態と同様の作用効果が得られると共に、センサユニット31のオン・オフ切換を逆転させたことにより、センサユニット31の故障等に関わらず切断用ワイヤ4aの断線をより確実に検出できる。即ち、実施形態のセンサユニット17では、切断用ワイヤ4aの断線時に誘導型近接スイッチ22がオンし、その信号を入力した制御装置25によりワイヤソーの運転が停止される。
しかし、センサユニット17の故障時、例えば誘導型近接スイッチ32自体の故障や制御装置25への信号線の断線等が発生した場合には、切断用ワイヤ4aが断線してもセンサユニット17から制御装置25に信号が入力されず、ワイヤソーの運転は停止されない。
この別例では、切断用ワイヤ4aの断線時に誘導型近接スイッチ22をオフさせている。このため、切断用ワイヤ4aの断線時のみならずセンサユニット17の故障時にも、制御装置25への信号入力が中断されてワイヤソーの運転が停止される。よって、切断用ワイヤ4aが断線したときに、ワイヤソーの運転を確実に停止して加工物の破壊を未然に防止することができる。また、センサユニット17の故障時にも修理等の何らかの対処が必要になるが、ワイヤソーの運転停止により事態を察知できるため、速やかに修理等を実施できるという利点も得られる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、一対の溝ローラ3を回転駆動してワイヤ列4を走行させると共に、ワイヤ列4に対して下方より加工物を押し付けることにより切断したが、ワイヤソーの構成はこれに限るものではなく任意に変更可能である。例えば溝ローラ3の数や配置状態を変更したり、或いは加工物の送り方向を変更したりしてもよい。
又、上記実施形態では、検出用ワイヤ15の切断領域15aの左側に検出領域15bを形成してセンサユニット17を接続することにより、溝ローラ3から左方に外れた位置にセンサユニット17を設置したが、このレイアウトに限ることはない。例えば検出用ワイヤ15に検出領域15bを形成することなく切断領域15aの後方にセンサユニット17を配設し、この切断領域15aに牽引ワイヤ23を介してセンサユニット17を接続するようにしてもよい。
又、上記実施形態では、検出用ワイヤ15をワイヤフレーム9上に架設したが、これに限ることはない。例えばワイヤフレーム9を省略して、左右のブラケット10に直接的に検出用ワイヤ15の左右両端を接続してもよい。
又、上記実施形態では、誘導型近接スイッチ22を備えたセンサユニット17により検出用ワイヤの位置変位を検出したが、センサの種別はこれに限ることはない。例えばファイバーセンサ、レーザーセンサ、変位センサ、超音波センサ、タッチセンサ、リミットスイッチ、マグネットスイッチ、ロータリエンコーダ、画像センサ、リニアスケール等を用いてもよい。
3 溝ローラ
4 ワイヤ列
4a 切断用ワイヤ
9 ワイヤフレーム
14 ピン
15 検出用ワイヤ
15a 切断領域
15b 検出領域
17 センサユニット(ワイヤ変位検出手段)
25 制御装置(ワイヤ走行停止手段)

Claims (4)

  1. 複数の溝ローラ間に切断用ワイヤを多列に巻き掛けてワイヤ列を形成し、前記溝ローラの回転により走行させたワイヤ列に加工物を押し付けて多数枚に切断するワイヤソーにおいて、
    前記ワイヤ列の走行経路の近傍に該ワイヤ列と略直交する方向に張力をもって架設され、前記ワイヤ列の切断用ワイヤが断線したときに該切断用ワイヤの接触を受けて切断される検出用ワイヤと、
    前記検出用ワイヤが切断されたときに、該検出用ワイヤの弛みによる位置変位を検出するワイヤ変位検出手段と、
    前記ワイヤ変位検出手段により前記検出用ワイヤの位置変位が検出されたときに、前記溝ローラによる前記ワイヤ列の走行を停止させるワイヤ走行停止手段と
    を備えたことを特徴とするワイヤソーの断線検出装置。
  2. 前記検出用ワイヤは、前記溝ローラに対応する切断領域に加えて、該切断領域の何れか一側からピンを介して略直角に架設された検出領域を形成し、
    前記ワイヤ変位検出手段は、前記検出用ワイヤの検出領域に接続されて前記ワイヤ切断時の位置変位を検出することを特徴とする請求項1記載のワイヤソーの断線検出装置。
  3. 前記各溝ローラを回転可能に支持する一対の軸受フレームに対して両端を脱着可能に固定されたワイヤフレームを備え、
    前記検出用ワイヤは、前記ワイヤフレームの両端に設けられたピンの間に架設されていることを特徴とする請求項1又は2記載のワイヤソーの断線検出装置。
  4. 前記ワイヤ変位検出手段は、前記検出用ワイヤの弛みによる位置変位を検出していないときに前記ワイヤ走行停止手段に信号を出力し、前記弛みによる位置変位を検出したときに前記ワイヤ走行停止手段への信号出力を中断し、
    前記ワイヤ走行停止手段は、前記ワイヤ変位検出手段からの信号入力が中断されたときに前記ワイヤ列の走行を停止させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載のワイヤソーの断線検出装置。
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