JP2000218498A - ワイヤソーのワイヤ断線検出装置 - Google Patents

ワイヤソーのワイヤ断線検出装置

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JP2000218498A
JP2000218498A JP1987899A JP1987899A JP2000218498A JP 2000218498 A JP2000218498 A JP 2000218498A JP 1987899 A JP1987899 A JP 1987899A JP 1987899 A JP1987899 A JP 1987899A JP 2000218498 A JP2000218498 A JP 2000218498A
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Masashi Nagatsuka
真史 永塚
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ワイヤソーに設置されたワイヤ断線検出装置の
メンテナンス性を向上させるワイヤ断線検出装置を提供
すること。 【解決手段】本発明は、ワイヤソー10のグルーブロー
ラ18A〜18Dが設置された加工室を覆うカバーを、
内カバー60と外カバー62とで2重に構成し、グルー
ブローラ18A〜18Dを支持するブラケット42が前
記内カバー60の一部を形成する。接触検出ワイヤ10
0は、ブラケット42に形成された貫通孔42Aを介し
て内カバー60に貫通状態で取り付けられ、その両端の
支持部材102、104は、ブラケット42の外部に取
り付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワイヤソーのワイヤ
断線検出装置に係り、特にシリコン、ガラス、セラミッ
ク等の脆性材料を切断するワイヤソーのワイヤ断線検出
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤソーは、複数個のグルーブローラ
にワイヤを巻きかけて形成したワイヤ列に加工液(スラ
リ)を供給しながらインゴットを押し付けることによ
り、前記被加工物を多数枚のウェーハに切断する装置で
ある。このようなワイヤソーには、ワイヤ断線検出装置
が設けられている。
【0003】従来のワイヤ断線検出装置は、ワイヤの走
行路の近傍に検出部材を設置し、この検出部材をセンサ
に連結することにより、断線したワイヤの検出部材への
接触を前記センサで検出し、ワイヤの断線を判断するよ
うに構成されている。前記検出部材は、通常、断線した
ワイヤに接触すると張力変動を生じる接触検出用ワイヤ
が用いられ、複数個のグルーブローラを支持する一対の
ブラケットの内側に設置された一対の支持部材によって
張設されていた。この支持部材には、前記センサや、接
触検出用ワイヤの張力調節手段が設けられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ワイヤ断線検出装置では、インゴットを切断した際に、
供給した加工液が飛散して、前記支持部材に加工液が付
着するという欠点があった。支持部材に加工液が付着す
ると、前記センサが加工液によって温度上昇して測定誤
差が生じたり、付着した加工液のために前記接触検出用
ワイヤの張力調節ができなかったりした。このため、接
触検出用ワイヤの交換作業や張力調節作業の際には、前
記支持部材を洗浄しなければならず、ワイヤ断線検出装
置のメンテナンス性が悪いという欠点があった。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、ワイヤ断線検出装置のメンテナンス性を向上さ
せることのできるワイヤソーのワイヤ断線検出装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、ワイヤを複数個のグルーブローラに巻き掛
けてワイヤ列を形成し、該ワイヤ列に被加工物を押し付
けて多数枚のウェーハに切断するワイヤソーに設けら
れ、断線したワイヤが接触されてワイヤの断線を検出す
る検出部材が備えられたワイヤ断線検出装置において、
前記複数個のグルーブローラが設置された加工室を覆う
カバーに貫通孔が形成され、該貫通孔を介して前記カバ
ーの内部に前記検出部材が挿通され、該検出部材を支持
する支持部材が前記カバーの外部に設けられたことを特
徴とする。
【0007】請求項1記載の発明によれば、前記検出部
材を支持する支持部材は、加工室を覆うカバーの外部に
設置されているので、加工室に供給した加工液が、支持
部材に付着することがない。したがって、支持部材を洗
浄する必要がなく、これにより、ワイヤ断線検出装置の
メンテナンス性を向上させることができる。請求項2記
載の発明によれば、前記検出部材は、一対の前記支持部
材によって張設された接触検出用ワイヤであり、該接触
検出用ワイヤの張力変動によって前記ワイヤの断線が検
出される。この場合も請求項1記載の発明と同様に、接
触検出用ワイヤの支持部材が前記カバーの外部に設けら
れているので、支持部材が加工液に付着することがな
い。したがって、接触検出部ワイヤの取り付け作業等を
容易に行うことができる。
【0008】請求項3記載の発明によれば、前記一対の
支持部材のうち一方の支持部材には、前記接触検出用ワ
イヤの張力調節手段が設けられ、他方の支持部材には、
接触検出用ワイヤの張力検知手段が設けられている。前
記一方の支持部材は、カバーの外部に設置されているの
で、張力調節手段に加工液が付着せず、前記一方の支持
部材を洗浄する必要がない。また、他方の支持部材もカ
バーの外部に設置されているので、張力検知手段が加工
液の熱影響を受けることが無く、接触検出用ワイヤの張
力を正確に測定することができる。
【0009】請求項4記載の発明によれば、前記検出部
材は、前記複数個のグルーブローラ間を走行するワイヤ
と、前記複数個のグルーブローラに対して出入するワイ
ヤとの間に設けられたことを特徴とするので、ワイヤの
断線位置にかかわらず、ワイヤの断線を迅速に検知する
ことができる。すなわち、複数個のグルーブローラ間を
走行するワイヤが断線した場合には、断線したワイヤの
端部が遠心力により前記検出部材に接触し、複数個のグ
ルーブローラの外部でワイヤが断線した場合には、前記
出入するワイヤが張力低下により垂れ下がって、前記検
出部材に接触する。したがって、ワイヤの断線を迅速に
検出することができ、断線したワイヤが暴れて他の機器
を傷付けるのを防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るワイヤソーのワイヤ断線検出装置の実施の形態につい
て詳説する。図1は、本発明の実施の形態のワイヤ断線
検出装置が採用されたワイヤソー10の斜視図であり、
図2は、図1に示したワイヤソー本体11の主要構成部
を露出させた斜視図である。
【0011】これらの図に示すように、ワイヤソー10
は、ワイヤソー本体11、加工液供給装置44、加工液
回収タンク40、洗浄液タンク76及びオーバーフロー
タンク56から構成される。ワイヤソー本体11には、
ワイヤリール12が設けられ、このワイヤリール12に
巻かれたワイヤ14は、多数のガイドローラ16、16
…、で形成される一方側のワイヤ走行路を経て4本のグ
ルーブローラ18A、18B、18C、18Dに複数回
巻き掛けられ、ワイヤ14同士が平行なワイヤ列20を
形成する。ワイヤ列20を形成したワイヤ14は、ワイ
ヤ列20を挟んで左右対称に形成されるとともに前記一
方側のワイヤ走行路と同一構造の他方側のワイヤ走行路
を経て、図示しないワイヤリールに巻き取られる。
【0012】前記ワイヤ列20の両側に形成されるワイ
ヤ走行路には、それぞれワイヤ案内装置22及びダンサ
ローラ24が配設され(一方側のみ図示)、ワイヤ案内
装置22によって、ワイヤ14がワイヤリール12から
一定ピッチで巻き取りまたは送りだされる。また、ダン
サローラ24には、所定重量のウェイト(図示せず)が
架設され、このウェイトによって走行するワイヤ14に
一定の張力が付与される。また、ワイヤ走行路には、ワ
イヤ洗浄装置(図示せず)が設けられ、このワイヤ洗浄
装置において走行するワイヤ14に洗浄液を噴射するこ
とによりワイヤ14に付着した加工液(スラリ)がワイ
ヤ14から除去される。
【0013】前記ワイヤ14が巻きかけられた4本のグ
ルーブローラ18A〜18Dは、その両端が対向する一
対のブラケット42、42に回転自在に支持され、各々
の回転中心を結んだ時にその形状が矩形状となる位置に
配設されている。前記一対のブラケット42、42は、
後述するオイルパン36の上部に設置されている。ま
た、前記グルーブローラ18C及び前記一対のワイヤリ
ール12は、それぞれ正逆回転可能なモータ26、28
に連結されている。前記ワイヤ14は、これらのモータ
26、28を駆動することにより、一対のワイヤリール
12間を高速で往復走行する。
【0014】前記ワイヤ列20の上方には、ワークフィ
ードテーブル30(送り装置)がフィードベース32に
上下にスライド自在に取り付けられ、フィードベース3
2に設けたモータ33によりワークフィードテーブル3
0は前記ワイヤ列20に対して垂直に昇降移動する。ま
た、ワークフィードテーブル30の下部には、図示しな
いインゴットが結晶方位合わせした状態で保持される。
【0015】前記ワイヤ列20の下方には、オイルパン
36が設置され、このオイルパン36によって前記ワイ
ヤ列20に供給された加工液が回収される。オイルパン
36の内側には、傾斜面が形成されており、傾斜面の下
端に回収パイプ38(図5参照)が接続されている。回
収パイプ38は、先端が加工液回収タンク40に連れ、
これにより、オイルパン36に回収された加工液は、回
収パイプ38を介して加工液回収タンク40に貯留され
る。
【0016】加工液供給ユニット44は、移動可能な台
車48に加工液タンク46、熱交換器50、供給ポンプ
52及び流量計54等を搭載して構成される。加工液タ
ンク46には、図示しない配管が接続され、この配管の
先端が前記加工液回収タンク40の上部の回収ポンプ4
1に着脱自在に接続される。これにより、前記加工液回
収タンク40に貯留された加工液は、回収ポンプ41に
より汲み上げられて加工液タンク46に回収される。加
工液タンク46に回収された加工液は、供給ポンプ52
で汲み上げられ、ワイヤ列20の上方に設置した加工液
ノズル(図示せず)からワイヤ列20に噴射される。そ
して、噴射された加工液は、前述したようにオイルパン
36で回収され、加工液回収タンク40を介して加工液
タンク46に戻され、循環供給される。なお、循環供給
される加工液は、熱交換器50により一定温度に調節さ
れている。
【0017】以上のように構成されたワイヤソー10に
おいて、インゴットは次のように切断される。まず、イ
ンゴットをワークフィードテーブル30に結晶方位を合
わせた状態で保持する。そして、ワイヤ14を高速で往
復走行させた後、ワークフィードテーブル30をワイヤ
列20に向けて下降させ、インゴットをワイヤ列20の
切断部に押し付ける。この際、前記ワイヤ列20の切断
部には、加工液タンク46から図示しないノズルを介し
て加工液が供給され、インゴットは、この加工液中に含
まれる砥粒のラッピング作用で多数枚のウェーハに一度
に切断される。
【0018】ところで、前記被加工物の切断を行う加工
室を覆うカバーは、内カバー60(カバーに相当)と外
カバー62とで2重に構成されている。図3は、図1に
示したワイヤソー本体11の斜視図である。同図に示す
ように、ワイヤソー本体11には、外カバー62が設け
られ、この外カバー62によってワイヤソー本体11の
内部と外部とが遮断される。この外カバー62には、図
3のA矢視において正面に折り畳み戸94が形成され、
左右側面にそれぞれ引き戸96が形成される。外カバー
62は、折り畳み戸94または引き戸96を開くことに
より、内カバー60の正面または左右側面が露出するよ
うに構成される。符号114は、外カバー62に着脱自
在に取り付けられた戸であり、ワークフィードテーブル
30のメンテナンスの際に取り外される。
【0019】図4は、内カバー60を示す斜視図であ
り、図5は、図4に示した内カバー60に形成された各
戸を開いた斜視図である。同図に示す内カバー60は、
箱状に形成され、図4のA矢視における内カバー60の
正面は、前記一対のブラケット42、42の一方と正面
板64で形成される。正面板64は、前記ブラケット4
2に支持された支柱66、66に取り付けられ、中央下
部にスライド板68が設置される。スライド板68は、
両側のガイドレール70を介して正面板64に取り付け
られ、上下方向にスライド自在に設置される。また、ス
ライド板68には、固定ネジ72が設けられ、スライド
板68を上方にスライドさせてこの固定ネジ72を正面
板64に形成したネジ穴74に螺合することにより、図
5に示したようにスライド板68を上方に固定して、切
断部を視認可能な窓76を形成することができる。
【0020】内カバー60の左右側面はそれぞれ、開き
戸78、折り畳み戸80、ワイヤカバー82及び側面板
84で構成される。側面板84は、前記一対のブラケッ
ト42、42の下端部に架設され、その下端はオイルパ
ン36に密着している。側面板84の上部には、ワイヤ
カバー82が取り付けられる。ワイヤカバー82は、前
記ワイヤリール12とグルーブローラ18A〜18Dと
の間のワイヤ14を覆うように構成され、カバー88と
カバー89とから構成される。カバー88は、ブラケッ
ト42に突設された固定板86に着脱自在に設置され
る。また、カバー89は、断面凹状に形成された下カバ
ー89Bと、該下カバー89Bに覆い被さる上カバー8
9Aとから構成され、上カバー89Aが、固設された下
カバー86に矢印93方向に回動自在に取り付けられ
る。これにより、カバー88を固定板86から取り外
し、上カバー89Aを回転させることにより、グルーブ
ローラ18A〜18Dとワイヤリール12との間のワイ
ヤ14を露出させることができる。
【0021】ワイヤカバー82の上部には、折り畳み戸
80が設けられる。折り畳み戸80は、上下一対の板8
0A、80Bを蝶番で取り付けて構成され、下側の板8
0Aが、前記ブラケット42にネジ部材等により着脱自
在に取り付けられている。これにより、折り畳み戸80
の上側の板80Aを矢印91方向に回転させることがで
きるとともに、下側の板80Bをブラケット42、42
から脱着して折り畳み戸80自体を取り外すことができ
る。
【0022】また、折り畳み戸80の上部には、開き戸
78が設けられる。開き戸78は、右開き戸78Aと左
開き戸78Bとから構成され、右開き戸78A及び左開
き戸78Bはそれぞれブラケット42に支持された支柱
66、66に回動自在に取り付けられている。また、右
開き戸78A及び左開き戸78Bは、それぞれ左右2枚
の板を蝶番で取り付けられて構成される。これにより、
右開き戸78A及び左開き戸78Bはそれぞれ、図5に
示したように折り畳みながら開くことができる。
【0023】また、前記折り畳み戸80の上部は、開き
戸78の下部に重なるように構成されている。これによ
り、開き戸78を閉じた後に、折り畳み戸80を閉じる
と、開き戸78の開閉を折り畳み戸80でロックするこ
とができる。また、折り畳み戸80の上側の板80Aを
矢印91方向に回転させ、開き戸78を開くことによ
り、図5に示したように、ワイヤ列20周辺に大きな開
口部を形成することができる。これにより、インゴット
をこの開口部から挿入してワークフィードテーブル30
に取り付けることができる。
【0024】内カバー60の背面は、もう一方のブラケ
ット42と前記フィードベース32で構成される。この
フィードベース32には、前述したように、ワークフィ
ードテーブル30が上下方向にスライド自在に設置され
ている。ワークフィードテーブル30は、モータ33を
駆動することにより、前記内カバー60の正面、左右側
面、背面によって筒状に形成された側壁に挿入される。
また、ワークフィードテーブル30の下端には、ブラシ
90が正面及び左右側面に取り付けられ、前記ワークフ
ィードテーブル30を側壁内に挿入した際にブラシ90
が側壁に摺接するように構成される。これにより、ワー
クフィードテーブル30を上下動すると、ブラシ90が
正面及び左右側面に付着した加工液を払い落とすので、
ワークフィードテーブル30と側壁との隙間から加工液
や切削塵が漏出するのを防止することができる。
【0025】また、前記内カバー60の下面は、オイル
パン36で形成されている。即ち、前述したように、前
記一対のブラケット42、42が、オイルパン38に載
置されるとともに、前記側面板がオイルパン36に密着
している。これにより、内カバー60の下面は、オイル
パン36と回収パイプ38との連結部を除いて密閉され
る。
【0026】このようにワイヤソー10の内カバー60
は、上面、下面、正面、左右側面及び背面によって切断
部を包囲しているので、加工液や切削塵が内カバー60
から漏洩することはない。次に、本発明の実施の形態に
係るワイヤソーのワイヤ断線検出装置の主要構成部につ
いて詳説する。
【0027】図6は、ワイヤソーのワイヤ断線検出装置
の主要構成部を示す斜視図である。同図に示すように、
ワイヤ14は、ガイドローラ16A、16Bにガイドさ
れた後、グルーブローラ18Aに巻き掛けられる。そし
て、ワイヤ14は、グルーブローラ18A〜18Dに複
数回巻き掛けられた後、グルーブローラ18Bに巻き掛
けられて、ガイドローラ16C、16Dにガイドされた
後、ワイヤリール12に巻き取られる。
【0028】前記グルーブローラ18A〜18Dは、対
向する一対のブラケット42、42に支持されている。
一対のブラケット42、42の外部にはそれぞれ、支持
部材102、104が設けられ、この支持部材102、
104に接触検出用ワイヤ100が架設されている。図
7は、本発明の実施の形態に係るワイヤ断線検出装置の
構造を説明する構造説明図である。
【0029】同図に示すように、前記接触検出用ワイヤ
100の両端部には、係合部106、106が設けら
れ、この係合部106が前記支持部材102、104に
形成したピン108、108に係合する。前記支持部材
102には、接触検出用ワイヤ100の張力を調節する
張力調節装置が設けられる。即ち、前記ピン108はス
ライド部材110に取り付けられ、このスライド部材1
10は、ブラケット42に取り付けられた取付具112
に矢印114方向にスライド自在に設置される。また、
前記取付具112には突出した支持部材118が設けら
れ、この支持部材118に調節ネジ120が回転自在に
支持される。調節ネジ120の先端には、雄ねじが形成
され、この雄ねじが前記スライド部材110の端面に形
成された雌ねじに螺合している。これにより、調節ネジ
120の他端に形成された調節摘まみを回動すると、前
記調節ネジ120のスライド部材110に螺合した量が
変化するので、前記スライド部材110を矢印114方
向にスライドさせることができ、ワイヤ14の張力を調
節することができる。なお、符号116は、ロックレバ
ーであり、前記スライド部材110のスライドを不能に
し、前記スライド部材110を固定することができる。
【0030】一方、前記支持部材104には、ロードセ
ル122が設けられている。ロードセル122は、微分
回路124を介してワイヤソー10の制御部126に接
続され、前記接触検出用ワイヤ100に張力変動が生じ
ると弾性変形を生じ、それを電気信号に変換して制御部
126に出力する。制御部126は、接触検出用ワイヤ
100に所定値以上の張力変動を検出すると、ワイヤ1
4が断線したと判断してワイヤソー10の運転を停止す
る。すなわち、ワイヤ14が断線して接触検出用ワイヤ
100に接触すると、その接触の衝撃によって接触検出
用ワイヤ100の張力変動し、その張力変動をロードセ
ル122が検知し、制御部126は、ワイヤ14の断線
を判断する。
【0031】ところで、前記接触検出用ワイヤ100
は、加工液が当たることにより微少な張力変動を起こす
が、その微少成分は、ノイズ成分として微分回路124
で取り除かれる。したがって、制御部126では、断線
したワイヤ14の接触時のようにインパルス状に入って
くる張力変動のみを検出することができ、ワイヤ断線時
以外の誤検出を防止することができる。
【0032】図8は、図6に示した主要構成部の側面の
拡大図である。同図に示すように、前記接触検出用ワイ
ヤ100は、ガイドローラ16Bからグルーブローラ1
8Aに出入するワイヤ14(以下、出入ワイヤ14Aと
称す)と、グルーブローラ18A〜18D間を周回走行
するワイヤ14(以下、周回ワイヤ14Bと称す)に近
接して配置される。具体的には、接触検出用ワイヤ10
0は、出入ワイヤ14Aと周回ワイヤ14Bとの間で、
且つ、グルーブローラ18Aとグルーブローラ18Dの
中間付近に配設される。
【0033】前記一対のブラケット42、42にはそれ
ぞれ、円形の貫通孔42Aが形成されている。この貫通
孔42Aは、接触検出用ワイヤ100に対して比較的大
きく形成されており、接触検出用ワイヤ100の係合部
106が挿通可能に構成されている。したがって、接触
検出用ワイヤ100を貫通孔42Aに挿通して支持部材
102、104に取り付ける接触検出用ワイヤ100の
張設作業を容易に行うことができる。
【0034】また、前記一対のブラケット42、42に
は、加工液の飛散防止カバー130が設置されている。
この飛散防止カバー130は、ブラケット42に形成さ
れた座に蝶ネジ132によって取り付けられ、飛散防止
カバー130には、この蝶ネジ132が挿入される長穴
130Aが形成されている。また、飛散防止カバー13
2には、前記接触検出用ワイヤ100の直径よりも若干
大きい幅の溝130Bが形成されている。これにより、
飛散防止カバー130は接触検出用ワイヤ100に接触
しない状態で、前記貫通孔42Aを一部を塞ぐので、前
記ブラケット42の内部に連通する面積を小さくするこ
とができ、貫通孔42Aからの加工液の飛散を防止する
ことができる。また、前記飛散防止カバー130は、蝶
ネジ132を緩めることにより、矢印134方向にスラ
イドするので、簡単に前記貫通孔42Aを露出させるこ
とができ、接触検出用ワイヤ100の張設作業を容易に
行うことができる。
【0035】前記のごとく構成された本発明の実施の形
態に係るワイヤソーのワイヤ断線検出装置の作用は次の
通りである。インゴットの切断中に走行するワイヤ14
が断線すると、その断線したワイヤ14は接触検出用ワ
イヤ100に接触し、接触検出用ワイヤ100の張力を
大きく変動させる。接触検出用ワイヤの張力は、ロード
セルにより常時検出されており、その検出値は微分回路
124を介して常に制御部126に出力されている。し
たがって、前記ワイヤ14の断線による接触検出用ワイ
ヤ100の張力変動は、制御部126によって検出さ
れ、検出された場合には、制御部126は、ワイヤ14
が断線したと判断して、ワイヤソー10の運転を停止す
る。
【0036】ところで、前記接触検出用ワイヤ100
は、ワイヤ14やグルーブローラ18A〜18Dの交換
作業の度に着脱作業を必要とし、装着した際には必ず張
力調節装置によって張力調節する必要があった。したが
って、張力調節装置に加工液が付着していると、張力調
節が正確にできないため、従来は、張力調節する度に張
力調節装置を洗浄していた。
【0037】これに対し、本実施の形態のワイヤ断線検
出装置は、張力調節装置が、内カバー60の外部に取り
付けられた支持部材102に設けられる。したがって、
ワイヤ列20に供給した加工液が張力調節装置に付着す
ることはない。これにより、張力調節装置を洗浄する必
要がなくなり、接触検出用ワイヤ100の着脱作業を容
易に行うことができる。
【0038】また、本実施の形態のワイヤ断線検出装置
では、接触検出用ワイヤ100の張力変動を検出するロ
ードセル122を、内カバー60の外部に設置された支
持部材104に設けているので、ロードセル122への
加工液の付着を防止することができる。これにより、前
記ロードセルが加工液によって温度変動することがない
ので、接触検出用ワイヤ100の張力変動を精度良く測
定することができる。
【0039】また、本実施の形態のワイヤ断線検出装置
では、接触検出用ワイヤ100が進入ワイヤ14Aと周
回ワイヤ14Bの間に設置されているので、ワイヤ14
がどこで断線しても直ぐに検知することができる。すな
わち、グルーブローラ18A〜18D間でワイヤ14が
断線した場合、断線したワイヤ14がグルーブローラ1
8A〜18D間を周回する際の遠心力によって前記接触
検出用ワイヤ100に接触する。また、グルーブローラ
18A〜18D間の外部でワイヤ14が断線した場合、
断線によって進入ワイヤ14Aの張力が瞬時に低下し、
進入ワイヤ14Aが垂れ下がって接触検出用ワイヤ10
0に接触する。このように、ワイヤ14がどの位置で断
線しても直ぐに検出し、制御部126が瞬時にワイヤソ
ー10の運転を停止するので、断線したワイヤ14が暴
れて他の機器を切断することがない。
【0040】また、本実施の形態のワイヤ断線検出装置
では、ブラケット42に接触検出用ワイヤ100の張設
するための貫通孔42Aを形成したので、接触検出用ワ
イヤ100の張設作業を容易に行うことができる。さら
に、飛散防止カバー130をブラケット42に取り付け
て、前記貫通孔42Aの一部を塞いたので、加工液の漏
出を防止することができる。
【0041】なお、上述した実施の形態では、ワイヤ1
4の断線検出部材として、接触検出用ワイヤ100を用
い、その接触検出用ワイヤ100の張力変動をロードセ
ル122で検出することによりワイヤ14の断線を検知
したが、これに限定するものではない。たとえば、前記
接触検出用ワイヤ100に一定の電圧を印加し、接触検
出用ワイヤ100を断線したワイヤ14との接触により
切断するように構成するとともに、電流計で前記接触検
出用ワイヤ100に流れる電流を検知するように構成す
る。この場合、ワイヤ14が断線すると、断線したワイ
ヤ14によって接触検出用ワイヤ100が断線し、接触
検出用ワイヤ100に流れる電流値が零になる。制御部
126は、電流計の測定値が零になったことにより、ワ
イヤ14の断線を判断する。
【0042】また、ワイヤ断線検出装置の別の例として
は、走行するワイヤ14に一定の電圧を印加するととも
に、前記接触検出用ワイヤ100に接続した電流計で前
記接触検出用ワイヤ100に流れる電流を検出する。こ
の場合、ワイヤ14が断線すると、断線したワイヤ14
に接触した接触検出用ワイヤ100が断線し、接触検出
用ワイヤ100に電流が流れる。制御部126は、この
通電状態を検知して、ワイヤ14の断線を判断する。
【0043】また、別の例としては、検出部材として接
触検出バーを使用し、振動センサでこの接触検出バーの
振動を検知する。この場合、ワイヤ14が断線すると、
断線したワイヤ14が接触検出バーに接触して振動し、
制御部126は、この振動を検知して、ワイヤの断線を
認識する。上述したどのワイヤ断線検出装置の場合に
も、検出部材の支持部材を内カバー60の外部に設置す
ることにより、支持部材への加工液の付着を防止するこ
とができ、ワイヤソーの断線検出装置のメンテナンスを
容易に行うことができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のワイヤソ
ーの断線検出装置によれば、加工室を一対の支持板を一
部とするカバーで覆い、検出部材の支持部材を前記カバ
ーの外部に設けたので、支持部材に加工液が付着するこ
とがなく、検出部材の着脱作業を容易に行うことができ
る。また、前記検出部材を、複数のグルーブローラ間を
走行するワイヤと、複数のグルーブローラへ出入するワ
イヤとの間に配置したので、ワイヤの断線位置にかかわ
らず、ワイヤの断線を迅速に検出することができ、ワイ
ヤソーの安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るワイヤ断線検出装置
を採用したワイヤソーの斜視図
【図2】図1に示したワイヤソー本体の構成機器を露出
させたワイヤソーの斜視図
【図3】図1に示したワイヤソーの外カバーを示す斜視
【図4】図1に示したワイヤソーの内カバーを示す斜視
【図5】図4に示した内カバーに形成した各戸や窓を開
放した斜視図
【図6】本発明に係るワイヤ断線検出装置の主要構成部
を示す斜視図
【図7】本発明の実施の形態に係るワイヤ断線検出装置
の概略構成図
【図8】図6に示した主要構成部を拡大した側面図
【符号の説明】
10…ワイヤソー 14…ワイヤ 20…ワイヤ列 42…ブラケット 100…接触検出用ワイヤ 102、104…支持部材 122…ロードセル 126…制御部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤを複数個のグルーブローラに巻き掛
    けてワイヤ列を形成し、該ワイヤ列に被加工物を押し付
    けて多数枚のウェーハに切断するワイヤソーに設けら
    れ、断線したワイヤが接触されてワイヤの断線を検出す
    る検出部材が備えられたワイヤ断線検出装置において、 前記複数個のグルーブローラが設置された加工室を覆う
    カバーに貫通孔が形成され、該貫通孔を介して前記カバ
    ーの内部に前記検出部材が挿通され、該検出部材を支持
    する支持部材が前記カバーの外部に設けられたことを特
    徴とするワイヤソーのワイヤ断線検出装置。
  2. 【請求項2】前記検出部材は、一対の前記支持部材によ
    って張設された接触検出用ワイヤであり、該接触検出用
    ワイヤの張力変動によって前記ワイヤの断線が検出され
    ることを特徴とする請求項1記載のワイヤソーのワイヤ
    断線検出装置。
  3. 【請求項3】前記一対の支持部材のうち一方の支持部材
    には、前記接触検出用ワイヤの張力調節手段が設けら
    れ、他方の支持部材には、接触検出用ワイヤの張力検知
    手段が設けられていることを特徴とする請求項2記載の
    ワイヤソーのワイヤ断線検出装置。
  4. 【請求項4】前記検出部材は、前記複数個のグルーブロ
    ーラ間を走行するワイヤと、前記複数個のグルーブロー
    ラに対して出入するワイヤとの間に設けられたことを特
    徴とする請求項1、2または3記載のワイヤソーのワイ
    ヤ断線検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7501831B2 (en) 2005-06-27 2009-03-10 Hct Shaping Systems Sa Process for the detection of a malfunction in a device for wire sawing and device for practicing said process
JP2014054685A (ja) * 2012-09-11 2014-03-27 Yasunaga Corp ワイヤソーの断線検出装置
CN110173261A (zh) * 2019-06-20 2019-08-27 巩辉 一种全绳锯洞采石材孔内导轮用稳定支架

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