JP2014053453A - 電磁誘導器 - Google Patents

電磁誘導器 Download PDF

Info

Publication number
JP2014053453A
JP2014053453A JP2012196956A JP2012196956A JP2014053453A JP 2014053453 A JP2014053453 A JP 2014053453A JP 2012196956 A JP2012196956 A JP 2012196956A JP 2012196956 A JP2012196956 A JP 2012196956A JP 2014053453 A JP2014053453 A JP 2014053453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
bobbin
shaped core
middle leg
core piece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012196956A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisao Nakamura
久男 中村
Takahiko Adachi
崇彦 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tabuchi Electric Co Ltd
Original Assignee
Tabuchi Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tabuchi Electric Co Ltd filed Critical Tabuchi Electric Co Ltd
Priority to JP2012196956A priority Critical patent/JP2014053453A/ja
Publication of JP2014053453A publication Critical patent/JP2014053453A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】整列性および絶縁性を確保しながら、巻線の巻付け工程の自動化が可能となる電磁誘導器を提供する。
【解決手段】ボビンの側部に立設され、端子が装着された端子台に、中脚部の幅方向に離間した両側面の少なくとも一方に対向する位置で、側方に開口し巻線の内周部に達する引出し溝が形成されるとともに、端子の装着位置よりもボビンの径方向の内方に配置されて、巻線の引出し線をガイドするガイド用突起が形成されている。E形コア片の中脚部は、引出し溝と対向する幅方向の側面が平面状に形成されて、E形コア片の長手方向の寸法をA、中脚部の平面状側面の長手方向の寸法をBとしたとき、0.1A<B<0.5Aの範囲内、または、B>3mmに設定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、巻線と、巻線が装着されるボビンと、EE形またはEI形コアとを備えた、トランスのような電磁誘導器に関するものである。
この種の電磁誘導器としては、図6(A)に示すボビン40Aと同図(B)に示すE形コア片41Aとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1)。E形コア片41Aは、これと同一形状のE形コア片41AまたはI形コア片と組み合わされてEE形コアまたはEI形コアに構成されるもので、円柱状の中脚部42と一対の外脚部44と、両者42、44を連結するアーム部43とを備えている。E形コア片41Aは、前記中脚部42の幅、つまり直径がアーム部43の上下幅よりも小さく設定され、かつ、アーム部43に、中脚部42の外面の接線に沿った切欠き43aが形成されている。一方、ボビン40Aは、前記中脚部4 2が挿入される挿入孔45を形成する円筒状の巻筒部46の両端(図の表裏方向の両端)につば部47、47を有しており、巻筒部46に巻線48が巻き付けられる。前記巻線48は、一次巻線48aの外周に絶縁テープを介して二次巻線48bが重ね巻きされている。
ボビン40Aは、幅方向(図の上下方向)の両側の各側部に複数本ずつのピン端子49が一列配置で装着されているとともに、隣接する各2本のピン端子49 の各間に、引出し溝50、51が形成され、さらに両側の各側部の中央部に、E形コア片41Aの切欠き43aに対応する形状の切欠き52が形成されている。前記各引出し溝50、51のうち、中央の第1引出し溝50のみは、巻筒部46つまり巻線48の最内周部まで達する溝深さを有しており、他の第2引出し溝51は第1引出し溝50よりも浅い溝深さになっている。
図6(A)に示した上側の引出し線48aaは、一次巻線48aの最内周部から引き出された巻始め側であり、チューブまたはテープからなる絶縁材53で被覆された状態で第2引出し溝51まで導かれて、この第2引出し溝51から引き出されて引出しピン端子49に半田付けされている。このように引出し線48aaを絶縁材53で被覆しているのは、一次巻線48aにおける電位差が存在する巻始め部と巻終り部との間に跨がる配置で引出し線48aaを巻回された一次巻線48aの軸方向端面に直接接触させて引き出すと、この一次巻線48aの端面との間でレアショート(層間短絡)による焼損等の可能性があるからである。一次巻線48aの巻終りの引出し線48abは、第1引出し溝50から引き出されて、別のピン端子49に半田付けされている。下側の引出し線48ba、48bbは二次巻線48bの巻始め側と巻終わり側であり、それぞれ第1および第1引出し溝51、50から引き出されてピン端子49に半田付けされている。
特開2002−231538号公報 特開平8−153630号公報
一方、図6(A)のボビン40AとE形コア片41Aとを備えた電磁誘導器では、図6(B)のアーム部43の切欠き43aの底面がE形コア片41Aの中脚部42の接線方向に延びた形状であるから、このE形コア片41Aの切欠き43aに対応した形状の切欠き52を有するボビン40Aでは、挿入孔45の頂点Pでのみ第1引出し溝50の溝底と巻筒部46の外周面とが面一になり、頂点Pから左右に若干でもずれると、第1引出し溝50の溝底が巻筒部46の外周面よりも径方向外方にずれる。
そのため、一次巻線48aの最内周部の引出し線48aaは、その引出し位置が頂点Pから僅かでもずれた場合には、この引出し線48aaが巻回された一次巻線48aの一部を径方向に横切ることになるので、図6(A)に図示したように、一次巻線48aを絶縁材53で被覆しなければならない。その結果、巻線48の巻付け工程を自動化するのが困難となるだけでなく、絶縁材53で被覆された引出し線48aaが巻線48の軸方向端面の一部分と重なるために、巻線48の整列性が悪くなる。
また、図6の平面状のE形コア片の切欠きに対応する形状の引出し溝と、円柱状のコアをもつのと異なり、V字溝でフラットコアのトランスも知られている(例えば、特許文献2)。この場合も、前記した同様に、一次巻線を絶縁材で被覆する必要があるため、巻線の巻付け工程の自動化が困難となり、また巻線の整列性が悪くなる。
他方、従来の電磁誘導器では、図7(A)のように、巻線の巻付け工程において、本来のピン49Aに巻始めの引出し線48Aをからげて巻筒部46に巻線48を巻き始めると、引出し線48Aが周方向に引っ張られて、径方向外方に浮いた状態となり、上記と同様に、巻線48の端面を径方向に横切ることになるので、レアショート(層間短絡)を防止するため巻線48を被覆する必要性が生じ、自動化および整列化が困難となる。このため、図7(B)のように、巻始めの引出し線48Aを、ボビン40Bの反対側のピン49Bまたは図示しない巻線機に一旦からげて、巻き始める仮からげを行う必要がある。巻線48を巻き終わると、巻線48の引っ張り状態もなくなるので、図7(A)の破線で示したように引出し線48Aを、巻線48の端面と重ならない経路を通して、本来のピン49Aにからげ直す。この場合、巻線工数が増加して作業性が低下するとともに、やはり巻線の巻付け工程の自動化が困難となる。
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、整列性および絶縁性を確保しながら、巻線の巻付け工程の自動化が可能となる電磁誘導器を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明に係る電磁誘導器は、巻線と、この巻線が装着されるボビンと、中脚部、外脚部およびこれらを連結したアーム部をもち、幅方向から見てE形であるE形コア片を有し、前記ボビンの挿入孔に前記中脚部が軸方向に挿入されるEE形またはEI形コアとを備えている。前記E形コア片の中脚部の幅方向の寸法が、アーム部の同寸法よりも小さく設定されている。前記ボビンの側部に立設され、端子が装着された端子台に、前記中脚部の幅方向に離間した両側面の少なくとも一方に対向する位置で、側方に開口し前記巻線の内周部に達する引出し溝が形成されるとともに、前記端子の装着位置よりもボビンの径方向の内方に配置されて、巻線の内周部からの引出し線をガイドするガイド用突起が形成されている。前記E形コア片の中脚部は、略四角形の横断面形状を有し、前記引出し溝と対向する前記幅方向の側面が平面状に形成されて、前記E形コア片の長手方向の寸法をA、前記中脚部の平面状側面の長手方向の寸法をBとしたとき、0.1A<B<0.5Aの範囲内、または、B>3mmに設定されている。
この電磁誘導器では、ボビンの側部に立設されて端子が装着された端子台に、端子の装着位置よりもボビンの径方向の内方に配置されて、巻線の引出し線をガイドするガイド用突起が形成されているので、巻線の引出し線が径方向外方へ浮いた状態にならないので、巻線の被覆および仮からげが不要となるため、整列性および絶縁性を確保しながら、作業性が向上し、巻線の巻付け工程を自動化することが可能となる。
また、コアを形成するE形コア片の中脚部の一方に対向する位置で、側方に開口し巻線の内周部に達する引出し溝が形成されており、E形コア片の長手方向の寸法をA、前記中脚部の平面状側面の長手方向の寸法をBとしたとき、0.1A<B<0.5Aの範囲内か、または、B>3mmに設定されているので、引出し溝の溝底は、この範囲にわたって巻線の内周面と面一となることが確保される。したがって、巻線の内周部から導出する巻始め側の引出し線は、その内周部の引出し位置から引出し溝を通して外方へ、巻線の端面と重なることなく、直接導き出したのち、端子に接続できるので、絶縁材で被覆する必要がなく、その際、引出し線の引出し位置が巻線の周方向に若干ずれても、巻線の端面との重なりが生じないので、整列性および絶縁性が確保される。
そのため、この電磁誘導器は、上記した構成が相俟って、引出し線の絶縁材による被覆が不要になることにより、整列性および絶縁性を確保しながら、巻線の巻付け工程を容易に自動化することが可能となる。さらに、中脚部の横断面形状がほぼ四角形であり、中脚部の幅がアーム部の幅よりも小さく設定されているので、中脚部の外周に配置される巻線の幅も小さくなるから、電磁誘導器を小型化できる。
また、巻線の整列性が向上するのに伴って、巻線は、互いに密着状態に詰めて巻付け可能であるから、線径の大きな線材を用いて巻数を増やした場合にも、全体の巻線径が大きくなって嵩張る形状となることがない。このように、線径の大きな線材を用いた場合には、電気抵抗が小さくなって温度上昇時の発熱を抑制でき、巻数を増やした場合は、飽和電流が大きくなり、直流重畳性が向上する利点もある。
本発明の好ましい実施形態では、前記ボビンが前記コアを形成するE形コア片のアーム部の側面に沿う立壁を有し、前記引出し溝が前記立壁の外面に達している。この構成によれば、前記立壁によって、E形コア片のアーム部と端子との間の絶縁性が向上する。
本発明は、ボビンの側部に立設されて端子が装着された端子台に、端子の装着位置よりもボビンの径方向の内方に配置されて、巻線の引出し線をガイドするガイド用突起が形成されているので、巻線の引出し線が径方向外方へ浮いた状態にならないから、巻線の被覆および仮からげが不要となる。これとともに、引出し溝の溝底が一定範囲で巻線の内周面と面一となることが確保されるので、巻線の引出し線と巻線の端面との重なりが生じない。このため、巻線の整列性および絶縁性を確保しながら、巻線の巻付け工程を自動化することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る電磁誘導器を示す分解斜視図である。 同上の電磁誘導器の側面図である。 同上の電磁誘導器の一方のE形コア片を除外して示す底面図である。 (A)、(B)はそれぞれE形コア片の変形例を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る電磁誘導器のEI形コアを示す分解斜視図である。 (A)、(B)は従来の電磁誘導器を構成するボビンおよびコア片をそれぞれ示す平面図および斜視図である。 (A)、(B)は従来の他の電磁誘導器を示す一部平面図、平面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電磁誘導器を示す分解斜視図である。この電磁誘導器は、例えばエアーコンディショナの電源装置における力率改善に使用されるものであり、ボビン1と、このボビン1に装着された巻線4と、ボビン1の挿入孔7に軸方向Xに各々の中脚部8、8が挿入された一対のE形コア片3A、3AからなるEE形コア2とを備えている。E形コア片3Aは、中央の中脚部8とその両側の一対の外脚部10とをアーム部9により連結したもので、ほぼ直方体形状のアーム部9の両端部に外脚部10が、アーム部9の中央部に中脚部8が、それぞれ同一方向に平行に延びるように突出して、幅方向Zの側面視でE字形状になっている。
前記E形コア片3Aの中脚部8は、長方形の四つの角部が斜めにカット(面取り)された、ほぼ長方形の横断面形状を有する角柱状を呈し、アーム部9の幅Cよりも小さな幅Dに設定されている。この中脚部8における幅方向Zの両側に位置する二辺を形成する平面状側面8a、8aは、その全面が外方(上下方向)に露出しており、この平面状側面8a、8aの左右両端部とアーム部9の側面との間が切欠き斜面11でつながっている。
また、E形コア片3Aの長手方向Yの長さ寸法をA、中脚部8の平面状側面8aの長手方向Yの長さ寸法をBとしたとき、0.1A<B<0.5Aの範囲内、または、B>3mmに設定されている。好ましくは、0.2A<B<0.3Aの範囲内、または、B>5mmに設定されている。
一方、ボビン1は、内方が前記挿入孔7となった角筒状の巻筒部12の両端にそれぞれ巻枠用鍔部13、14が互いに平行な配置で一体形成されて、巻筒部12と一対の巻枠用鍔部13、14とで囲まれた巻枠部が形成されており、この巻枠部に巻線4が巻装されている。一方(図の手前側)の巻枠用鍔部14にはそれぞれ、E形コア片3Aの長手方向(図の左右方向)Yの側面形状に対応した形状、つまりアーム部9の側面に沿う形状の立壁17が一体形成されている。すなわち、一対の立壁17、17は、E形コア片3Aの切欠き斜面11、凹入平面9aおよび中脚部8の平面状側面8aに対応した形状の内方への凹所17aを中央部に有して、中脚部8を挿入孔7に挿入させた状態で、各々の間にE形コア片3Aのアーム部9を嵌入させることができる間隔で相対向している。
ボビン1の一方の巻枠用鍔部14における各立壁17、17の外側の側部には、端子台18、18が形成され、各端子台18に、それぞれ5本ずつのピン端子(端子の一例)19が一列配置で植設されているとともに、前記端子台18、18における隣接する各2本のピン端子19間に、側方に開口する引出し溝20、21がそれぞれ形成されている。立壁17の凹所17aに対向する第1引出し溝20は、立壁17まで達する溝深さを有し、両側にそれぞれ2つずつ設けられている。この第1引出し溝20以外は、溝深さが第1引出し溝よりも浅い第2引出し溝21になっている。
ピン端子19の装着位置よりもボビン1の径方向の内方(図1では、幅方向Zの内方)に配置されて、巻線4aの内周部からの引出し線4aaをガイドする、例えば軸方向Xの底面視で楕円形のガイド用突起5が形成されている(図3)。この例では、引出し線4aaは、ガイド用突起5にガイドされ、ガイド用突起5の径方向外方のピン端子19に対して幅方向Zに隣接するピン端子19に接続されている。ガイド用突起5は、この例では楕円形であるが、これに何ら限定されるものではなく、長円形、四角形、長方形および円形など種々の形状が使用される。
このガイド用突起5により、巻線4aの引出し線4aaは径方向外方へ浮いた状態にならないので、径方向の内方を通って巻線4aの端面と重ならないようにできる。また、巻き始めの引出し線4aaをピン端子19にからげ、ガイド用突起5を介してそのまま巻線4aを巻筒部12に巻付けることができるので、仮からげおよびからげ直しが不要となり、作業性が向上する。したがって、巻線4aの被覆および仮からげが不要となるため、整列性および絶縁性を確保しながら、作業性が向上し、巻線の巻付け工程を自動化することが可能となる。
電磁誘導器は、矢印で示すように、一対のE形コア片3A、3Aの各々の中脚部8をボビン1の挿入孔7に挿入し、かつ、各々の一対の外脚部10、10を、ボビン1の左右の外側面に沿わせた状態で、一対のE形コア片3A、3Aを、ボビン1を挟み込んだ状態で嵌め合わせることにより、図2に示すように組み立てられる。一対のE形コア片3A、3Aは、相互に結合されることによりEE形コア2に組み立てられて、磁気回路を構成する。
図3は、図2の下方側のE形コア片3Aを除外した状態の底面図である。同図に図示していない下方側のE形コア片3Aはボビン1の一対の立壁17、17の間に嵌まり込む。一対の立壁17の凹所17aにおける直線部分の外周は巻筒部12の上下部の外面と面一になっている。したがって、立壁17の凹所17aに対向する、つまりE形コア片3Aの面状側面8aに対向する二つずつの第1引出し溝20は、巻筒部12に巻装された巻線4の最内周部まで達する溝深さを有している。
巻線4は、一次巻線4aの外周に、絶縁テープ31を介して二次巻線4bを巻き付けており、このような径方向の重ね巻きにより、巻線48の巻軸方向の厚みを小さくして薄型化が図られている。二次巻線4bの外周には絶縁テープ32が巻かれている。一次巻線4aの巻始め側の引出し線4aaは、一次巻線4aの最内周部から、上側の二つのうちの一方(左側)の第1引出し溝20を通じて端子台18上に引き出されたのち、ピン端子19に半田付けにより接続されている。一次巻線4aの巻終り側の引出し線4abは、上側の二つのうちの一方(右側)の第1引出し溝20を通じて端子台18上に引き出されたのち、ピン端子19に半田付けにより接続されている。二次巻線4bの巻始め側の引出し線4baは、下側の他方(左側)の第1引出し溝20を通じて端子台18上に引き出されたのち、ピン端子19に半田付けにより接続され、二次巻線4bの巻終り側の引出し線4bbは、下側の一方(左側)の第2引出し溝21を通して端子台18上に引き出されたのち、ピン端子19に半田付けにより接続されている。
一次巻線4aの巻始め側の引出し線4aaは、一次巻線4aにおける最内周部に引出し位置が存在するが、巻筒部12の外周面、つまり一次巻線4aの内周部まで達する溝深さを有する第1引出し溝20を通じて引き出されるので、図2に示すように、引出し位置から第1引出し溝20を通して軸方向(図2の下方向)へ直接引き出されたのち、ピン端子19に接続される。これにより、図3の一次巻線4aの巻始め側の引出し線4aaは一次巻線4aの端面と接触することがなくなるので、絶縁材による被覆が不要になる。
上記構成において、図1に示すE形コア片3Aの中脚部8がほぼ四角形の横断面形状に形成されているので、この中脚部8の対向する二辺を形成する平面状側面8aの全面が露出されているが、この平面状側面8aがアーム部9の切欠き斜面11との接点から外方側に突出しない。したがって、図1の中脚部8は、平面状側面8aの全面が露出されているにもかかわらず、その全体で有効に磁気回路を構成することができる。すなわち、中脚部8 の全横断面積が有効断面積となる。これにより、この一対のE形コア片3A、3AからなるEE形コア2は、所要の磁気容量を保持して、電磁誘導器の磁気特性を向上させる。
また、上記電磁誘導器では、中脚部8の横断面形状がほぼ四角形であり、中脚部8の幅方向Zに離間した両側面の一方に対向する位置で、側方に開口し巻線4の内周部に達する第1引出し溝20が、中脚部8の平面状側面8aの長手方向Yの長さ寸法BがE形コア片3Aの長手方向Yの長さ寸法Aに対して、上記した範囲で形成されているから、第1引出し溝20の溝底はこの範囲にわたって、巻線4の内周面と面一となる。したがって、巻線4の内周部から導出する一次巻線4aの巻始め側の引出し線4aaは、その内周部の引出し位置から第1引出し溝20を通して外方へ、巻線4の端面と重なることなく、直接引き出したのち、ピン端子19に接続できるので、絶縁材で被覆する必要がなく、その際、引出し線4aaの引出し位置が巻線4の周方向に若干ずれても、巻線4の端面との重なりが生じないので、絶縁性が確保される。
前記電磁誘導器は、引出し線4aa、4baの絶縁材による被覆が不要になることにより、巻線4の巻付け工程を容易に自動化することが可能となる。しかも、巻線4は、従来のように絶縁材で被覆した引出し線を巻線の端面とボビンの巻枠用鍔部との間を通して引き出す場合のような巻き乱れが生じないから、整列性が向上する。これに伴って、巻線4は、互いに密着状態に詰めて巻付け可能であるから、線径の大きな線材を用いて巻数を増やした場合にも、全体の巻線径が大きくなって嵩張る形状となることがない。このように、線径の大きな線材を用いた場合には、電気抵抗が小さくなって温度上昇時の発熱を抑制でき、巻数を増やした場合は、飽和電流が大きくなり、直流重畳性が向上する利点がある。
また、前記電磁誘導器は、E形コア片3Aの中脚部8の幅Dがアーム部9の幅Cよりも小さく設定されているので、中脚部8の外周に配置される巻線4の幅も小さくなるので、電磁誘導器の小型化を図ることができる。さらに、この電磁誘導器では、ボビン1がコア2を形成するE形コア片3Aのアーム部9の側面に沿う立壁17を有しているので、立壁17によってE形コア片3のアーム部9とピン端子19との間の絶縁性が向上する。
図4(A)、(B)は前記実施形態のE形コア片3Aに代えて用いることができる他の例のE形コア片3B、3Cを示す斜視図である。同図(A)のE形コア片3Bは、中脚部8がコーナ部に面取りのない長方形の横断面形状を有する形状に形成されており、同図(B)のE形コア片3Cは、中脚部8が、長方形の四隅がアール状に面取りされた横断面形状を有する形状に形成されている。何れのE形コア片3B、3Cも、中脚部8の幅方向で対向する平面状側面8aがアーム部9の切欠き斜面11によって側方に露出されているので、このE形コア片3B、3Cを用いた場合にも、前記実施形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
なお、前記実施形態では、一対のE形コア片3Aを組み合わせたEE形コア2を用いる場合を例示して説明したが、図5に示す第2実施形態に係るE形コア片3AとI形コア片3Dとを組み合わせたEI形コア2Aを用いる場合においても、上述と同様の効果を得ることができる。
また、本発明は、トランス以外に、チョークコイル、リアクトル等の誘導電磁器にも適用できる。
1:ボビン
2:EE形コア
2A:EI形コア
3A〜3C:E形コア片
3D:I形コア片
4:巻線
5:ガイド用突起
7:挿入孔
8:中脚部
8a:平面状側面
9:アーム部
17:立壁
18:側部(端子台)
19:ピン端子(端子)
20:第1引出し溝(引出し溝)
A:E形コア片の長さ
B:中脚部の平面状側面の長さ
C:アーム部の幅
D:中脚部の幅


Claims (2)

  1. 巻線と、この巻線が装着されるボビンと、中脚部、外脚部およびこれらを連結したアーム部をもち、幅方向から見てE形であるE形コア片を有し、前記ボビンの挿入孔に前記中脚部が軸方向に挿入されるEE形またはEI形コアとを備えた電磁誘導器であって、
    前記E形コア片の中脚部の幅方向の寸法が、アーム部の同寸法よりも小さく設定され、
    前記ボビンの側部に立設され、端子が装着された端子台に、前記中脚部の幅方向に離間した両側面の少なくとも一方に対向する位置で、側方に開口し前記巻線の内周部に達する引出し溝が形成されるとともに、前記端子の装着位置よりもボビンの径方向の内方に配置されて、巻線の内周部からの引出し線をガイドするガイド用突起が形成されており、
    前記E形コア片の中脚部は、略四角形の横断面形状を有し、前記引出し溝と対向する前記幅方向の側面が平面状に形成されて、
    前記E形コア片の長手方向の寸法をA、前記中脚部の平面状側面の長手方向の寸法をBとしたとき、0.1A<B<0.5Aの範囲内、または、B>3mmに設定されている、
    電磁誘導器。
  2. 請求項1において、前記ボビンが前記E形コア片のアーム部の側面に沿う立壁を有し、前記引出し溝が前記立壁の外面に達している電磁誘導器。


JP2012196956A 2012-09-07 2012-09-07 電磁誘導器 Pending JP2014053453A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012196956A JP2014053453A (ja) 2012-09-07 2012-09-07 電磁誘導器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012196956A JP2014053453A (ja) 2012-09-07 2012-09-07 電磁誘導器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014053453A true JP2014053453A (ja) 2014-03-20

Family

ID=50611659

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012196956A Pending JP2014053453A (ja) 2012-09-07 2012-09-07 電磁誘導器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014053453A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106816265A (zh) * 2015-09-17 2017-06-09 东京零件工业股份有限公司 线圈部件
CN109416979A (zh) * 2016-05-06 2019-03-01 韦沙戴尔电子有限公司 形成用于变压器和电感器的绕组的嵌套扁平缠绕线圈
JP2019054156A (ja) * 2017-09-15 2019-04-04 Tdk株式会社 コイル装置
CN111755206A (zh) * 2019-03-26 2020-10-09 株式会社村田制作所 电感器

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59182910U (ja) * 1983-05-20 1984-12-06 松下電器産業株式会社 トランス
JPH029418U (ja) * 1988-07-01 1990-01-22
JP2000156322A (ja) * 1998-11-19 2000-06-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd トランス
JP2005252107A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Tabuchi Electric Co Ltd 電磁誘導器

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59182910U (ja) * 1983-05-20 1984-12-06 松下電器産業株式会社 トランス
JPH029418U (ja) * 1988-07-01 1990-01-22
JP2000156322A (ja) * 1998-11-19 2000-06-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd トランス
JP2005252107A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Tabuchi Electric Co Ltd 電磁誘導器

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106816265A (zh) * 2015-09-17 2017-06-09 东京零件工业股份有限公司 线圈部件
CN109416979A (zh) * 2016-05-06 2019-03-01 韦沙戴尔电子有限公司 形成用于变压器和电感器的绕组的嵌套扁平缠绕线圈
US10998124B2 (en) 2016-05-06 2021-05-04 Vishay Dale Electronics, Llc Nested flat wound coils forming windings for transformers and inductors
CN109416979B (zh) * 2016-05-06 2022-09-09 韦沙戴尔电子有限公司 形成用于变压器和电感器的绕组的嵌套扁平缠绕线圈
JP2019054156A (ja) * 2017-09-15 2019-04-04 Tdk株式会社 コイル装置
JP7004142B2 (ja) 2017-09-15 2022-01-21 Tdk株式会社 コイル装置
CN111755206A (zh) * 2019-03-26 2020-10-09 株式会社村田制作所 电感器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7982576B2 (en) Transformer
JP5804628B2 (ja) コイル部品
JP2005101357A (ja) リーケージトランス
KR101240854B1 (ko) 트랜스포머
CN103915246B (zh) 线圈部件
JP6706148B2 (ja) コイル部品
WO2007066645A1 (ja) スイッチングトランス
JP2014053453A (ja) 電磁誘導器
JP2005158927A (ja) リーケージトランス
KR101218997B1 (ko) 트랜스포머 및 이를 구비하는 디스플레이 장치
CN204926996U (zh) 绝缘变压器
JP2012084776A (ja) 表面実装型閉磁コイル
JP5151432B2 (ja) 巻線部品のボビン
KR101328286B1 (ko) 트랜스포머
CN106158240A (zh) 线圈组件及其制造方法
KR20160042559A (ko) 코일 부품
JP2005252107A (ja) 電磁誘導器
JP2018107244A (ja) トランスおよびボビン
JP5464733B2 (ja) トランス
JP2011091136A (ja) コイル
JP6413639B2 (ja) 磁性素子
JP4930809B2 (ja) トランス
JP2013168476A (ja) コモンモードチョークコイル
JP7456195B2 (ja) コイル部品
JPS6348105Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160614

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160809

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170131