JP2012084776A - 表面実装型閉磁コイル - Google Patents

Abstract

【課題】機械による導線巻回が可能で、品質維持を図ることができるとともに、製造コストを低減でき、かつ特性に影響を及ぼすことがない表面実装型閉磁コイルを提供する。
【解決手段】表面実装型閉磁コイルであって、中央部に巻線部を有する導電性磁性材料からなる柱状の第１コア２と、導電性磁性材料で形成した略鞍型形状の第２コア４と、前記第１コア２を挿嵌固定する受入れ開口を有する一対の絶縁材製端子台３と、前記第１コア２の巻線部に巻回される導線６とで構成されている。第１コア２の両端部を端子台３への挿嵌部に形成するとともに、第２コア４との接触部に形成し、第１コア２に巻回されている導線６の端部を端子台３に形成された端子13に接合してある。柱状コアへの導線巻回が自動巻付け機で出来、樹脂介在による特性変動を抑制、安定特性を得ることができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、表面実装型閉磁コイルに関し、特に、モジュラージャックに組み込むのに適した表面実装型閉磁コイルの構造に関する。

従来、パルストランスやチョークコイル等に利用することのできる閉磁コイルの場合、磁芯としてトロイダルコアを用い、このトロイダルコアに一次コイルと二次コイルとを巻回したものが一般的であった。ところが、トロイダルコアを使用した閉磁コイルでは、自動巻きによる導線巻回が困難で、手作業に頼らざるを得ず、品質維持に問題があるうえ、製造コストの高騰化につながるという問題がある。

そこで、ドラム型に形成した第１コアと、板状の第２コアと、第１コアを収納する表面に複数端子を形成した樹脂カバーと、この樹脂カバーの第１コア巻芯部に巻回された巻線とで閉磁コイルとしたもの(特許文献１)が提案されている。

特開２００９−２２４６４９号公報

前記、ドラム型に形成した第１コアと、板状の第２コアと、第１コアを収納する表面に複数端子を形成した樹脂カバーと、この樹脂カバーの第１コア巻芯部に巻回された巻線とで閉磁コイルとしたものでは、機械による導線巻回が可能で、品質維持を図ることができるとともに、製造コストを低減できるという利点はあるが、樹脂カバーを使用し、この樹脂カバーの外側から巻線を巻回していることから、コアと巻線との間に樹脂層が生じ、特性に影響を及ぼす可能性があるという問題があった。

本発明は、このような点に着目してなされたもので、機械による導線巻回が可能で、品質維持を図ることができるとともに、製造コストを低減でき、かつ特性に影響を及ぼすことがない表面実装型閉磁コイルを提供することを目的とする。

上述の目的を達成するために、請求項１に記載の本発明は、中央部に巻線部(７)を有する導電性磁性材料からなる柱状の第１コア(２)と、導電性磁性材料で形成した略鞍型形状の第２コア(４)と、前記第１コア(２)を挿嵌固定する受入れ開口(11)を有する一対の絶縁材製端子台(３)と、前記第１コア(２)の巻線部(７)に巻回される導線(６)とからなり、第１コア(２)の両端部を端子台(３)への挿嵌部(８)に形成するとともに、第２コア(４)との接触部に形成し、端子台(３)に形成された端子(13)に第１コア(２)に巻回された導線(６)の端部を接合してあることを特徴としている。

請求項２に記載の本発明は、請求項１に記載の構成に加えて、端子台(３)は、略Ｌ型ブロック材(９)の立上がり壁(10)に第１コア(２)に形成されている挿嵌部(８)の受入れ開口(11)を形成するとともに、略Ｌ型ブロック材(９)の基礎壁端部に端子部(５)を形成していることを特徴としている。

請求項３に記載の本発明は、請求項１または請求項２に記載の構成に加えて、第２コア(４)は第１コア(２)の挿嵌部(８)での周壁面部分に接着されていることを特徴としている。

本発明では、導線を巻回する第１コアを柱状の磁性体で構成し、この柱状の第１コアを端子台に装着固定するとともに、第２コアと第１コアとを接合するようにしていることから、導線の巻回を自動巻付け機を使用して行うことができ、品質維持を図ることができるとともに、製造コストを低減することができる。

また、導電性磁性材料からなる柱状の第１コアに導線を直接巻回するようにしていることから、樹脂介在による特性変動を抑制して、安定した特性を得ることができる。

本発明に係る一実施形態を示す斜視図である。 図１に示す実施形態での概略分解斜視図である。 図１に示す実施形態の裏返し状態での斜視図である。 図１に示す実施形態での導線と端子との結線状態を示す底面図である。

本発明の実施形態に係るコイル装置について図１から図４を参照しながら説明する。
図１に示されるコイル装置(１)は、導電性磁性材料で中央部に巻線部を有する状態に形成された柱状に第１コア(２)と、この第１コア(２)の両端部を保持する一対の絶縁材製端子台(３)と、端子台(３)に保持されている第１コア(２)に被せ付けるように構成されている第２コア(４)と、前記端子台(３)の外面部分に配置されている端子部(５)と、第１コア(２)の巻線部に巻回された導線(６)とを有している。

第１コア(２)は、導電性磁性材料で形成した角柱の両端寄り部分での上下幅をそれぞれ中央付部分よりも狭く形成して、その中央部を導線(６)の巻線部(７)とするとともに、その両端部を端子台(３)への挿嵌部(８)としている。

端子台(３)は、耐熱樹脂などの絶縁材で略Ｌ型に形成した一対のブロック材(９)をその立上り壁(10)同士を体面させる状態に配置して構成されており、その各立上り壁(10)に前記第１コア(２)の挿嵌部(８)が貫通する受入れ開口(11)が窓孔としてそれぞれ開設されるとともに、Ｌ型ブロック材(９)の基礎壁(12)における立上り壁(10)を導出していない側での底面端部に金属製の端子(13)がそれぞれ三個づつ底面から側壁にかけて配設してある。なお、この端子台(３)の基礎壁(12)は、立設されている立上り壁(10)の第１コア(２)側端面から端子(13)が配設されている外側面までの長さを第１コア(２)における挿嵌部(８)の長さとほぼ等しくしてある。

第２コア(４)は、導電性磁性材料で鞍状に形成してあり、第１コア(２)の軸芯方向と直交する側壁(14)は、第１コア(２)の両端部に形成した挿嵌部(８)に上から嵌まり込むことができるようにその下縁が切り欠いてある。また、第１コア(２)の軸芯方向と平行に位置する側壁(15)は、Ｌ型に形成した端子台(３)の立上り壁(10)を挟込めるようにその下縁が切り欠いてある。

次に、このコイル装置の組み立て手順を説明する。
一対の端子台(３)の受入れ開口(11)に第１コア(２)の挿嵌部(８)をそれぞれ挿嵌して、第１コア(２)を一対の端子台(３)に組み付ける。端子台(３)に組み込まれた状態で第１コア(２)の巻線部(７)に導線(６)を自動機で所定数巻き付ける。

巻線(６)の端部を端子台(３)に設けられている端子部(５)にレーザー溶着などの接合手段を用いて接合する。

端子台(３)に装着された第１コア(２)に、第２コア(４)を被付け、第１コア(２)と第２コア(４)とを接着する。

上述の実施形態では、３つの端子部(５)に導線(６)の端部を個々に接合したものについて説明したが、端子部(５)の数や導線(６)の本数は任意に設定することができる。

このように本発明に係る表面実装型閉磁コイルでは、柱状に形成した第１コアの中央部に巻線部を形成し、その柱状コアの両端部を端子台に支持させるようにしてあることから、第１コアに対して、導線を自動巻付機を利用して直接巻回することができることから、コイルとしての品質維持を図ることができるとともに、その製造コストを低減することができるうえ、安定したコイル特性を得ることができることになる。

本発明に係る表面実装型閉磁コイルは、パルストランスやチョークコイルに利用することができる。

２…第１コア、３…端子台、４…第２コア、５…端子部、６…導線、７…巻線部、８…第１コアの挿嵌部、９…ブロック材、10…立上がり壁、11…受入れ開口部、13…端子。

Claims (3)

1. 中央部に巻線部を有する導電性磁性材料からなる柱状の第１コアと、
   導電性磁性材料で形成した略鞍型形状の第２コアと、
   前記第１コアを挿嵌固定する受入れ開口を有する一対の絶縁材製端子台と、
   前記第１コアの巻線部に巻回される導線とからなり、
   第１コアの両端部を端子台への挿嵌部に形成するとともに、第２コアとの接触部に形成し、端子台に形成された端子に第１コアに巻回された導線の端部を接合してあることを特徴とする表面実装型閉磁コイル。
2. 端子台は、略Ｌ型ブロック材の立上がり壁に第１コアに形成されている挿嵌部の受入れ開口を形成するとともに、略Ｌ型ブロック材の基礎壁端部に端子部を形成している請求項１に記載した表面実装型閉磁コイル。
3. 第２コアは第１コアの挿嵌部での周壁面部分に接着されている請求項１または２に記載した表面実装型閉磁コイル。

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