JP2014051821A - 組合せ鋼製壁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の鋼矢板が継手により連結されて壁体が設けられるとともに、前記壁体に対して複数の鋼管が壁体を挟んで地盤面の高い側にその長手方向が前記鋼矢板の長手方向と略平行となるよう、かつ前記壁体の幅方向に所定ピッチで鋼管の一部が鋼矢板壁の凹部に入り込むように配置されており、前記鋼矢板と前記鋼管の頭部を連結している組合せ鋼製壁であって、前記壁体の前記鋼管のピッチをL、鋼管径をDとすると、L≦10Dとなっている。そのことにより、隣り合う鋼管の中間付近における鋼矢板の発生応力を低減し、鋼管と組合せる効果を見られ、壁体の幅方向にわたって鋼管の補剛効果が発揮できる。
【選択図】図8
Description
組合せ鋼製壁の中でも、鋼管を補剛材として適用した場合は、様々な施工上の長所を有する。H形鋼を補剛材として用いる場合、H形鋼を地盤に打ち込む際に地盤の抵抗によりフランジ部分が変形しやすい等の課題があるが、鋼管の場合はH形鋼のフランジのように突出部分を有していないため、安定した施工がしやすい。また、鋼管を用いることで回転させながら地盤に打設することもできる。
鋼管と鋼矢板を組み合わせてなる鋼製壁の一例として特許文献1および特許文献2に記載のものが知られている。
特許文献2に記載の鋼製壁は、複数の鋼矢板が継手により連結されて壁体が設けられるとともに、前記壁体の全てまたは一部の前記鋼矢板に鋼管がその長手方向を前記鋼矢板の長手方向に沿わせて接していることを特徴とする。鋼管と鋼矢板とを組み合わせた壁体とすることで、高い止水性と高い剛性を兼ね備えた鋼製壁を提供することができる。
しかし、補剛材のピッチを大きくしていくと、鋼矢板壁に対する補剛効果が均等に及ばなくなり、隣り合う補剛材の中間付近で鋼矢板壁の変形が大きくなって、壁体としての変形は壁の幅方向に不均一になる。さらに、ピッチを大きくし過ぎると、もはや隣り合う補剛材の中間付近の鋼矢板には、補剛効果が及ばない状態になる。すなわち、補剛材近傍では鋼矢板壁と補剛材とを組み合わせた剛性の高い壁として挙動するが、隣り合う補剛材の中間付近では鋼矢板壁単体としての挙動、あるいはそれに近い挙動を示すことになる。この場合、壁体としての剛性を平均化して取り扱うことはできず、隣り合う補剛材の中間付近では、鋼矢板壁が塑性化したり、場合によっては局所的に過度な変形を生じて、壁体としての安定性を維持できず倒壊する事態も考えられる。
前記既往の発明では、鋼矢板壁に対して補剛材の効果が適切に得られるピッチの範囲などについては言及されていない。
そこで、本発明では、鋼管と鋼矢板との組み合わせ鋼製壁に構造を絞って検討することとし、その組合せ鋼製壁において、壁体を挟んで地盤面の高い側(背面側)に鋼管を配置し、鋼管のピッチを飛ばした構造に対して、室内模型試験を行い、鋼矢板壁に対して鋼管の補剛効果が適切に得られるピッチの範囲について検討を行った。
図1に示すように、幅1957×高さ1000×奥行き940mmの剛な土槽D内の中央に、アクリルの供試体Kを接着剤により下端固定し、左右にケイ砂5号(乾燥砂)Sを空中落下法により設置し、この状態より、掘削側を下端まで掘り下げて壁体(アクリルの供試体K)の挙動を確認した。
なお、鋼管を配置した反対側(前面側)を掘削し、鋼管側から土圧が作用するケースに着目して試験を実施することとし、鋼管と鋼矢板の接触状況、頭部コーピングの有無による影響について検討するために、下記の表にまとめたように条件を変えて試験を実施した。なお、鋼管と鋼矢板が接触していない(ケース(3))についても、鋼矢板壁の中心位置と鋼矢板の外周が一致するようにして鋼矢板壁の凹部に鋼管の一部が入り込むようにしており、いずれのケースにおいても鋼矢板壁の凹部に鋼管の一部が入りこむように設置されている。試験にあたっては、鋼管に対しては土層中央部に配置した鋼管の矢板設置反対側の外周面と、鋼矢板に対しては中央部に配置した鋼管を含む隣り合う2本の鋼管に挟まれた中間位置のウェブ中央部にひずみゲージを貼りつけ、掘削により発生したひずみを計測した。
また、中央部に配置した鋼管では、鋼管の上部に変位計測用の冶具を取り付けて、下端から1050mmの位置で頭部の変位を計測した。
これに対し、鋼管と鋼矢板とを頭部で連結した場合には、鋼矢板壁の壁体浅部で壁体深部とは逆向きの曲げモーメントが発生している。これは、鋼矢板に対しては頭部で鋼管により支えられたような挙動を示しているからであると考えられる。そこで、図6に示すように、下端固定の片持ち梁として考慮していた鋼矢板壁に対して、さらに頭部で水平方向に単純支持されたとして鉛直方向に発生するひずみ計算した。その結果と各ケースにおいて計測された鉛直方向ひずみの深度方向の分布と併せて図7に示す。なお、計算にあたって考慮する土圧については、上記と同様幅分の換算土圧を考慮している。
図6に示すように、鋼矢板壁単体を下端固定して頭部を単純支持した梁と仮定して(L−D)/L倍の土圧を作用させた場合、鋼矢板に発生する曲げモーメントの最大値Msfmaxは下記(1)式で求められる。
前述した通り、鋼管と鋼矢板との組み合わせ鋼製壁において、壁体を挟んで地盤面の高い側(背面側)に鋼管を配置し、鋼管と鋼矢板の頭部を連結した場合には、隣り合う鋼管の中間位置における鋼矢板の鉛直挙動は、鋼矢板壁単体を下端固定の梁として、頭部を自由にした場合と、単純支持した場合の間の挙動を示す。したがって、図5(a)及び図6(a)に示すように壁体に最深部の荷重をpとする三角形分布荷重が作用する場合、鋼管から最も離れた位置で鋼矢板に発生する曲げモーメントの最大値Msmaxは下記(3)式で表わされる。
したがって、鋼管のピッチLが下記(4)式を満たせば、隣り合う鋼管の中間付近における鋼矢板の発生応力を低減し、鋼管と組み合せる効果が見られる。つまり、壁体の幅方向にわたって鋼管の補剛効果が発揮できる。
L≦10D・・・(4)
σs:隣り合う鋼管の中間付近の鋼矢板に発生する最大応力
Zs:鋼矢板壁の壁幅1mあたりの断面係数
L:鋼管のピッチ
p:三角形分布荷重の最大値
D:鋼管径
Mmax:壁体に発生する最大曲げモーメント
前記壁体の前記鋼管のピッチをL、鋼管径をDとすると、L≦10Dとなっていることを特徴とする。
L≦10Dとすることで、隣り合う鋼管の中間付近の鋼矢板においても発生するひずみを鋼矢板のみの場合に比べて低減でき、鋼管と鋼矢板を組み合わせる効果が発揮できる。
本願の請求項2に係る組合せ鋼製壁は、請求項1に係る組合せ鋼製壁において、下記(6)式または(7)式が成立するように鋼管のピッチが設定されていることを特徴とする。
図8は本発明の第1実施形態に係る組合せ鋼製壁の例である。
図8に示すように、この実施形態の鋼製壁3は、鋼矢板としてのハット形鋼矢板1と鋼管2とを組み合わせて構成されている。ハット形鋼矢板1の長手方向に、長手方向を沿わせて鋼管2が接しており、鋼管2は背面側(壁体を挟んで地盤面の高い側)に配置されている。
鋼製壁3の必要とされる剛性から必要に応じて鋼管の径、板厚、ピッチ等を設定し、鋼管2のピッチをL、鋼製壁3の高さをHとすると、L≦10Dとなるように鋼管のピッチを設定すれば良い。
2 鋼管
3 鋼製壁
4 壁体
Claims (2)
- 複数の鋼矢板が継手により連結されて壁体が設けられるとともに、前記壁体に対して複数の鋼管が壁体を挟んで地盤面の高い側にその長手方向が前記鋼矢板の長手方向と略平行となるよう、かつ前記壁体の幅方向に所定ピッチで鋼管の一部が鋼矢板壁の凹部に入り込むように配置されており、前記鋼矢板と前記鋼管の頭部を連結している組合せ鋼製壁であって、
前記壁体の前記鋼管のピッチをL、鋼管径をDとすると、L≦10Dとなっていることを特徴とする組合せ鋼製壁。 - 複数の鋼矢板が継手により連結されて壁体が設けられるとともに、前記壁体に対して複数の鋼管が壁体を挟んで地盤面の高い側にその長手方向が前記鋼矢板の長手方向と略平行となるよう、かつ前記壁体の幅方向に所定ピッチで鋼管の一部が鋼矢板壁の凹部に入り込むように配置されており、前記鋼矢板と前記鋼管の頭部を連結している組合せ鋼製壁であって、
前記壁体の前記鋼管のピッチをL、鋼管径をD、鋼矢板の降伏応力をσy、鋼矢板壁の壁幅1mあたりの断面係数をZs、
壁体に作用する最大曲げモーメントをMmaxとすると、下記(6)式または(7)式が成立するように鋼管のピッチが設定されていることを特徴とする請求項1に記載の組合せ鋼製壁。
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CN109024637A (zh) * | 2018-07-21 | 2018-12-18 | 四川启创建设工程有限公司 | 一种组合围堰及其建造施工方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006241816A (ja) * | 2005-03-03 | 2006-09-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 地中連続壁 |
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JPWO2011142367A1 (ja) * | 2010-05-10 | 2013-07-22 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼製壁および鋼製壁の施工方法 |
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