JP2013177787A - 鋼管矢板基礎の施工法 - Google Patents

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嘉一 西山
Kenji Takahashi
健二 高橋
Yukichi Suzuki
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Takuzo Katsura
拓造 葛
Masatake Tatsuta
昌毅 龍田
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Abstract

【課題】鋼管矢板としては継手としてH鋼の雄継手や雌継手を設けた鋼管矢板を使用することで、従来の鋼管矢板よりも継手強度を増すことになり、その結果、密閉空間が止水効果を発揮し、止水工による水質汚染が縮小され、経済効果も増し環境対策となり、しかも水中締切や鋼管矢板の水中切断作業を必要とせず、鋼管矢板を無駄にすることなく有効に活用できる鋼管矢板基礎工法を提供する。
【解決手段】起振機20の下方に複数個のチャックを設けたチャック盤21が設けられていて、起振機20とチャック盤21の間はヤットコ用の柱体23で所定長さ分離間させて連結した打設装置を使用し、起振機20は水面上に位置させ、ヤットコ用の柱体23の長さ分だけチャック盤21を水中に押し下げて、鋼管矢板上端24を水中の水底地盤上近くにまで下降させるように鋼管矢板を打ち込む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水中構造物の施工方法として鋼管矢板基礎の施工法に関するものである。
従来・地盤掘削時の土留め工法には鋼矢板が用いられてきた。鋼矢板より長尺で断面剛性の大きい鋼管矢板は、昭和38年に日本で初めて矢板式岸壁に用いられた。その後、昭和41年に鋼管矢板の特性を生かした鋼管矢板基礎が、溶鉱炉の基礎に採用された。
この基礎形式は、支持層の深い軟弱な地盤における確実な施工性が評価され、昭和44年に橋梁基礎として、石狩河口橋の基礎に採用された。鋼管矢板基礎は、水中基礎において仮締切り兼用方式(仮設の締切り壁を本体壁として採用する方式)が開発されたことにより、現在までに1000基を超える基礎が建設されている。
鋼管矢板基礎は、鋼管矢板を現場で、図7に示すような円形(a)、小判形、(b)、矩形(c)の閉鎖形状に連続して打ち込み、鋼管矢板の頭部に頂版を設けて結合することにより、鋼管矢板個々の剛性ばかりでなく井筒全体としての剛性を持たせ、大きな水平抵抗と鉛直支持力を期待できる基礎構造物である。鋼管矢板基礎の特徴を、以下に列挙する。
1.施工的には鋼管杭と同様な機械化施工や急速施工が可能である。
2.設計的にはケーソンと杭の中間的な考え方が用いられる。
3.仮締切り兼用工法を取り得る。
3.の仮締切り兼用工法は、水中に橋梁基礎を施工する場合、鋼管矢板基礎が仮締切り壁と基礎本体とを兼用した工法であり、他の工法に比べ工期が短縮でき、鋼管矢板の高剛性により施工時の安全性が極めて高いという特徴を有する。
鋼管矢板井筒基礎は、例えば、図9に示すように橋脚11の基礎とする場合、複数本の鋼管矢板12を小判形に組み合わせて並べ、小判形の内部が閉鎖空間となるように締め切り、該小判形の内部に下層から敷砂13、底版コンクリートの打設により底版14、頂版コンクリートの打設により頂版15を順に施工し、鋼管矢板12の内部には中詰コンクリート16を充填する。
発明者は先に、継手を嵌合しながら複数本の鋼管矢板を閉鎖形状に組み合わせてなる鋼管矢板井筒基礎において、鋼管矢板としては、従来の鋼管矢板よりも全体の強度を増すことになり、その結果、密閉空間が止水効果を発揮し、止水工による水質汚染が縮小され、経済効果も増し環境対策となり、しかも、継手の降伏耐力を高めることで、継手のせん断耐力を著しく向上させることができる鋼管矢板井筒基礎として下記特許文献のものを提案した。
特開2004−197403号公報
この特許文献は、図7に示すように、H鋼連結型鋼管矢板1は並列させる鋼管2の相互を各鋼管2の周面にフランジ端縁が結合するつなぎ部材としてH形鋼4でこのH形鋼4の幅分だけ間隔を存して一体的に連結し、また、かかる相互連結と反対側にはH鋼雄継手7、H鋼雌継手8を設けるH鋼連結型鋼管矢板を使用する。
前記H鋼連結型鋼管矢板の1ユニットは、図8に示すように、H鋼連結型鋼管矢板1は並列させる鋼管2の相互を各鋼管2の周面にフランジ端縁が結合するつなぎ部材としてH形鋼4でこのH形鋼4の幅分だけ間隔を存して一体的に連結し、また、かかる相互連結と反対側にはH鋼雄継手7、H鋼雌継手8を設けるようにした。
このH形鋼4は形鋼圧延によるものでもまた、適宜溶接により工場等で独自に組み立てたものでもよい。圧延形鋼を利用する場合はフランジ4aの左右端縁を鋼管周面に溶接することになり、これら平行するフランジ4aと鋼管2、2とで四方を囲繞した密閉空間5を形成する。図中4bはウエブである。
前記H鋼雄継手7、H鋼雌継手8は鋼管2の相互のつなぎ部材と同じく、横断面形がH形のものとしてフランジ7a、8aとウエブ7b、8bの組み合わせからなり、フランジ7a、8aの端縁が鋼管2の周面に結合するものである。H鋼雄継手7はH鋼雌継手8に対して多少小振りなものとする。
H鋼雄継手7とH鋼雌継手8との嵌合は、H鋼雌継手8のフランジ8a間にH鋼雄継手7のフランジ7aが入り込み、さらにフランジ7aの先端はH鋼雌継手8のウエブ8bに近接し、フランジ7a、8a、ウエブ7b、8bで囲繞された密閉空間が形成できる。
図7は前記H鋼連結型鋼管矢板1をもって円形の井筒になるように組み合わせたものである。
このようにH鋼連結型鋼管を用いることにより、施工性、環境への影響、水平耐力の視点から下記作用が得られる。
(1)2本同時打設が可能
従来型鋼管矢板では鋼管杭を1本ずつ打設する必要があるが、H鋼連結型鋼管矢板では施工前に2本の鋼管杭とH鋼が溶接で繋がれているため、2本同時に打設することが可能になる。これにより、施工時間が大幅に短縮できる。施工手間の低減率の一例として、周径、同肉厚の鋼管杭を用いたH鋼連結型鋼管矢板と従来型鋼管矢板を施工した場合、従来型鋼管矢板を使用する場合の打設手間を100%とするとH鋼連繕型鋼管矢板では49%に減少する。
(2)施工時の鉛直精度の向上
従来型鋼管矢板は、鋼管杭を1本ずつ打設するため、鉛直精度を保つにはかなりの注意と施工経験が必要である。しかし、H鋼連結型鋼管矢板は、施工前に2本の鋼管が連結されていることで鉛面精度が向上し、鋼管矢板および鋼管矢板基礎の施工時において、継手管がせりあったり外れたりする可能性が無くなり、施工精度が向上する。また、先に打設したH鋼連結型鋼管矢板の継手をガイドとして、後で打設するH鋼連結型鋼管矢板の継手を嵌合しながら打込むことができ、より精度を向上させることができる。
(3)止水処理剤の削減
鋼管矢板および鋼管矢板基礎を施工する際、継手管内にモルタルや薬液を注入し、止水処理を施す必要がある。しかし、H鋼連結型の場合はH鋼のつなぎ部材に止水処理を施す必要が無い。よって、単純に止水処理剤の注入量を半分に減らすことができ、止水処理剤(モルタルや薬液)の流出による水質汚染を縮小できる。止水処理剤の注入量を従来型鋼管矢板の48%に削減できる。これにより、従来型鋼管矢板よりも環境にやさしいものとなる。
(4)単位長さ当りの曲げ剛性の増加
従来型鋼管矢板では、継手部がずれるため十分に曲げ剛性を考慮できないが、H鋼連結型鋼管矢板の鋼管同士はH鋼のつなぎ部材で連結されるので、適切に鋼管杭と溶接されていれば、曲げ剛性を十分考慮できる。よって、単位長さ当りの曲げ剛性は、従来型鋼管矢板よりも増加する。従来型鋼管矢板の並列方向の単位長さ当りの曲げ剛性は9.47×10(k N・m2/m)、H鋼連結型鋼管矢板の並列方向の単位長さ当りの曲げ剛性は1.35×10(k N・m2/m)となり、43%増加する。よって、H鋼連結型鋼管矢板の鋼管径および肉厚を縮小し、鋼材料の削減が可能となる。また、曲げ剛性の増加により水平耐力の増加が見込まれる。
鋼管矢板基礎としてH鋼連結型鋼管矢板を用いる掲合、継手部分に応力集中が発生する可能性がある。この継手部分においてもH鋼雄継手とH鋼雌継手の嵌合として剛性を高めることができ、鋼管矢板を矩形などに繋ぎ合わせた(井筒)模型鋼管矢板基礎として十分な強度を得ることができる。
(5)任意の断面形状に閉合可能
使用するH鋼連結型鋼管矢板は、H鋼雄継手はH鋼雌継手のフランジ内側面とウエブ面に囲繞された空間に嵌合するものであり、従来型の鋼管矢板のように継手部分の接合の自由度がないが、これらH鋼雄継手はH鋼雌継手の突出する向きに適宜角度をつけることで、任意の形状の鋼管矢板基礎の施工が可能となる。
(6)土砂流出の防止
港湾構造物としてH鋼連結型鋼管矢板を用いた場合、矢板背面の裏込め地盤が波浪等の影響によって湾内に流出する可能性が長期的になくなる。すなわち、背面地盤が土砂流出の影響によって陥没することを防止できる。
また、発明者は、前記H鋼連結型鋼管矢板に対して杭打抜専用の構成部材を溶接する必要無く、しかも多種類の連結鋼管に順応し得る、結鋼管杭の把持技術を下記特許文献において提案した。
特開2006−299562号公報
これは図6に示すように、図外の起振機の下部に固着されているベース板18の下側(本図(A)において紙面の手前側)に、スライド機構19を介して4組のチャック22A〜22Dが配設されている。
2本の鋼管2、2の中心点を結ぶ線をX軸とし、該2本の鋼管の中心点間の中央の点を座標原点0と名付ける。前記4組のチャックは、平面図形において座標原点に関して対称に配置されている。
チャック22Aとチャック22Dとは座標原点0に関して対称に配設され、チャック22Bとチャック22Cとも座標原点0に関して対称に配設されている。
さらに、チャック22A、22Cとチャック22B、22Dとは、X軸に関して対称を成している。
このようにすれば、チャックを介して連結鋼管杭に加えられる重力荷重および杭打荷重の合力の作用線が、該連結鋼管杭の中心線と一致する。
このため、連結鋼管杭に対して、その長手方向に、均一な杭打抜力が与えられ、該連結鋼管杭を正しい方向に効率良く打ち込み、または引き抜くことができる。
前記従来の鋼管矢板井筒基礎の施工では、鋼管矢板を現場で打設して円形、小判形、長方形などの井筒状の閉鎖断面を形成し、この井筒の頭部に頂版を設けて剛結することにより、鋼管矢板単独の剛性のみならず全体としての剛性を持たせ、所定の水平抵抗・鉛直支持力が得られるようとする。
橋脚における従来の鋼管矢板基礎の構造と標準的な施工方法は、図10に示すように、概略、次のような手順で施工が行われる。
(1)橋脚の設置箇所に作業台・導材を設置し、鋼管矢板101を導枠102を利用して打設する。外周の鋼管矢板101により円形等の閉鎖断面の井筒103が形成される。井筒103の内部には、必要に応じて、隔壁鋼管矢板や中打ち単独杭が打設される。
(2)井筒103の頭部に支保工105を設置し、外周鋼管矢板101の継手の止水工・外周鋼管矢板の中詰めコンクリート工を行った後、井筒103内を掘削し、底面の敷砂(砂利)上に底盤コンクリート104を打設する。
(3)井筒103内に支保工105(腹起し、切梁、火打ち梁)を設置しながら井筒103内の水を段階的に汲み上げ、井筒103内をドライアップする。
(4)井筒103の内面の頂版部位置にコネクタ106を取付け、頂版部の鉄筋を配置した後、頂版コンクリート107を打設する。頂版コンクリート107打設後、支保工105を解体撤去すると共に、躯体外周に鋼製型枠と足場支保工を組み、躯体コンクリート108を順次打設する。
(5)頂版コンクリート107の上部を埋め戻し、井筒103内に水を注入した後、水中切断機を外周の鋼管矢板101内に挿入して鋼管矢板101を基礎本体部の上端で切断し、鋼管矢板101の仮締切り部を引き抜く。
(6)仮設材を撤去することにより、鋼管矢板基礎本体部の頭部に下部が一体的に剛結された上部躯体(橋脚)が完成する。
しかし、前記のような従来の鋼管矢板基礎の構造および施工方法の場合、次のような課題があった。
上部躯体の構築のため井筒内を掘削してドライアップするため、井筒内に支保工が必要となり、コストおよび工期が増加する。
上部躯体を施工する際に型枠の足場を井筒内に組む必要があり、この作業スペースを確保するため、井筒の径が必要以上に大きくなる。
さらに、頂版コンクリートの上部を埋め戻し、井筒内に水を注入した後、水中切断機で鋼管矢板を基礎本体部の上端で切断するという作業が必要となる。
このように鋼管矢板の水中切断作業を行うことは、非常な手間を要し、また、切断される上部部分に鋼管矢板の無駄が生じ、水中切断機の水中への油漏れなど環境汚染のおそれもある。
なお、従来型鋼管矢板ではなく、前記H鋼連結型鋼管矢板を使用する場合でも前記問題点は同様にある。また、H鋼連結型鋼管矢板では従来型鋼管矢板のように中切断機を挿入して基礎本体部の上端で切断することができないので、外側からの断機となり、難しい作業を強いられる。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、鋼管矢板としてはH鋼連結型鋼管矢板を使用することで、従来の鋼管矢板よりも継手強度を増すことになり、その結果、密閉空間が止水効果を発揮し、止水工による水質汚染が縮小され、経済効果も増し環境対策となり、しかも水中締切や鋼管矢板の水中切断作業を必要とせず、鋼管矢板を無駄にすることなく有効に活用できる鋼管矢板基礎工法を提供することにある。
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、鋼管矢板は、継手としてH鋼の雄継手や雌継手を設け、H鋼雄継手はH鋼雌継手のフランジ内側面とウエブ面に囲繞された空間に嵌合可能であるように多少小振りなものとし、継手を嵌合しながら複数本の鋼管矢板を閉鎖形状に組み合わせてなる鋼管矢板井筒基礎工法において、起振機の下方に複数個のチャックを設けたチャック盤が設けられていて、起振機とチャック盤の間はヤットコ用の柱体で所定長さ分離間させて連結した打設装置を使用し、起振機は水面上に位置させ、ヤットコ用の柱体の長さ分だけチャック盤を水中に押し下げて、鋼管矢板上端を水中の水底地盤上近くにまで下降させるように鋼管矢板を打ち込むことを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明は、鋼管矢板は、鋼管相互を各鋼管の周面にフランジ端縁が結合するH鋼のつなぎ部材で一体的に連結したH鋼連結型鋼管に、継手としてH鋼の雄継手や雌継手を設け、H鋼雄継手はH鋼雌継手のフランジ内側面とウエブ面に囲繞された空間に嵌合可能であるように多少小振りなものとし、継手を嵌合しながら複数本の鋼管矢板を閉鎖形状に組み合わせてなる鋼管矢板基礎工法において、鋼管の中心線に垂直な面を想定して、2本の鋼管の中心点を結ぶ線をX軸とし、起振機の下方に複数個のチャックを設けたチャック盤が設けられていて、該チャックが前記並列させた鋼管を、X軸に関して対称な箇所で把持し得るようになっている打設装置を使用し、起振機とチャック盤の間はヤットコ用の柱体で所定長さ分離間させて連結し、起振機は水面上に位置させ、ヤットコ用の柱体の長さ分だけチャック盤を水中に押し下げて、鋼管矢板上端を水中の水底地盤上近くにまで下降させるように鋼管矢板を打ち込むことを要旨とするものである。
請求項1および請求項2記載の本発明によれば、継手としてH鋼の雄継手や雌継手を設けた鋼管矢板またはH鋼連結型鋼管矢板を使用することにより、応力集中が発生する可能性がある継手部分においても剛性を高めることができ、鋼管矢板を矩形などに繋ぎ合わせた(井筒)模型鋼管矢板基礎として十分な強度を得ることができ、また、この鋼管矢板を押し込むのに適した打設装置で鋼管矢板上端を水中の水底地盤上近くにまで下降させるように鋼管矢板を打ち込むことができ、これにより水中締切や鋼管矢板の水中切断作業を必要としないですむ。
また、水中に入るのはヤットコ用の柱体とその先のチャック盤の部分だけであり、起振機は水面上に位置しているので、油漏れ等での水質汚染のおそれも少ない。
請求項3記載の本発明は、鋼管矢板は、先に鋼管矢板上端を水面上に位置させて下端を水中の水底地盤中に打ち込んで継手を嵌合しながら組み合わせ、その状態から打設装置を使用して一ピースづつ下降させて打ち込むことを要旨とするものである。
請求項3記載の本発明によれば、鋼管矢板は先に鋼管矢板上端を水面上に位置させて下端を水中の水底地盤中に打ち込んで継手を嵌合しながら組み合わせ、その状態から打設装置を使用して一ピースづつ下降させて打ち込むことで、その後、鋼管矢板上端を水中の水底地盤上近くにまで下降させるように鋼管矢板を継手での連結状態を保ちながら打ち込むことが容易かつ確実に行うことができる。
請求項4記載の本発明は、打設装置には、CEC規格(CEC−L−33−A−93)において生分解率が90%以上あり、鉱物油系油圧作動油と比較して生分解性が優れた生分解性油圧作動油を使用することを要旨とするものである。
請求項4記載の本発明によれば、生分解性油圧作動油を使用することで油漏れ等での水質汚染のおそれもなく、環境に易しいものとなる。
以上述べたように本発明の鋼管矢板基礎工法は、鋼管矢板としては継手としてH鋼の雄継手や雌継手を設けた鋼管矢板を使用することで、従来の鋼管矢板よりも継手強度を増すことになり、その結果、密閉空間が止水効果を発揮し、止水工による水質汚染が縮小され、経済効果も増し環境対策となり、しかも水中締切や鋼管矢板の水中切断作業を必要とせず、鋼管矢板を無駄にすることなく有効に活用できるものである。
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の鋼管矢板基礎工法の第1実施形態を示す側面図、図2は同上平面図、図3は図1のA−A線矢視図である。
図中1はH鋼連結型鋼管矢板であり、これは前記図10に示したように、並列させる鋼管2の相互を各鋼管2の周面にフランジ端縁が結合するつなぎ部材としてH形鋼4でこのH形鋼4の幅分だけ間隔を存して一体的に連結し、また、かかる相互連結と反対側にはH鋼雄継手7、H鋼雌継手8を設けるものである。
このH形鋼4は平行するフランジと鋼管2、2とで四方を囲繞した密閉空間5を形成する。
前記H鋼雄継手7、H鋼雌継手8は鋼管2の相互のつなぎ部材と同じく、横断面形がH形のものとしてフランジ7a、8aとウエブ7b、8bの組み合わせからなり、フランジ7a、8aの端縁が鋼管2の周面に結合するものである。H鋼雄継手7はH鋼雌継手8に対して多少小振りなものとする。
H鋼雄継手7とH鋼雌継手8との嵌合は、H鋼雌継手8のフランジ8a間にH鋼雄継手7のフランジ7aが入り込み、さらにフランジ7aの先端はH鋼雌継手8のウエブ8bに近接し、フランジ7a、8a、ウエブ7b、8bで囲繞された密閉空間5が形成できる。
図5は本発明で使用する打設装置の起振機20とチャック盤21とを示すもので、起振機20はその中に加振シリンダユニットが設けられている。この加振シリンダユニットは、偏心重錘式と往復ピストンシリンダ式とがあるがそのいずれでもよい。
ちなみに、往復ピストンシリンダ式の場合は図示は省略するが、慣性錘の重心を通る中心線上にロッドの軸心がくるように慣性錘の内部に振動シリンダ及び定位シリンダが組み込まれ、振動シリンダと定位シリンダとの間にロッドが配設され、振動シリンダに圧力流体の給排を行う切換弁が設けられ、定位シリンダにこの定位シリンダまたは振動シリンダのいずれかのロッドに応動して定位シリンダ内の制御室内へ圧力流体の給排を行う応動制御弁が設けられ、慣性錘に定位シリンダのピストンが制御室内の圧力流体の圧縮によりまたは制御室に連通して設けたアキュムレータによりあるいは定位シリンダ内に設けたスプリングにより剛性低く支えられ、定位シリンダ又は振動シリンダのロッド下端に杭をつかむチャックが設けられていて、この構成によれば、他の建設機械による下引きおよび上引きが可能であり、比較的軽量の機械装置によって大きい杭打込力が得られる。
チャック盤21は、図6に示すように、起振機20の下部に固着されているベース板18の下側(本図(A)において紙面の手前側)に、スライド機構19を介して4組のチャック22A〜22Dが配設されている。
2本の鋼管2、2の中心点を結ぶ線をX軸とし、該2本の鋼管の中心点間の中央の点を座標原点0と名付ける。前記4組のチャックは、平面図形において座標原点に関して対称に配置されている。
チャック22Aとチャック22Dとは座標原点0に関して対称に配設され、チャック22Bとチャック22Cとも座標原点0に関して対称に配設されている。
さらに、チャック22A、22Cとチャック22B、22Dとは、X軸に関して対称を成している。
このようにすれば、チャックを介して連結鋼管杭に加えられる重力荷重および杭打荷重の合力の作用線が、該連結鋼管杭の中心線と一致する。
図5の例は従来型として起振機20とチャック盤21は、図9に示すように、起振機20にチャック盤21が直接ボルト固定されたものを示したが、本発明は起振機20とチャック盤21の間はヤットコ用の柱体23で所定長さ分離間させて連結した。
このヤットコ用の柱体23は起振機20の振動を効率良くチャック盤21に伝えるべく、太さと剛性を備えるものであり、上端には起振機20へのボルト締結用の結合フランジ23aを、下端にはチャック盤21へのボルト締結用の結合フランジ23bを形成した。
また、ヤットコ用の柱体23の長さは、水中の水底地盤αと水面βとの長さ、すなわち、水深を考慮してそれに相当するものを選択するものとする。
前記H鋼連結型鋼管矢板1は、H鋼雌継手8のフランジ8a間にH鋼雄継手7のフランジ7aが入り込み、さらにフランジ7aの先端はH鋼雌継手8のウエブ8bに近接し、フランジ7a、8a、ウエブ7b、8bで囲繞された密閉空間5が形成できるようにして円形の井筒になるように組み合わせたものである。
H鋼連結型鋼管矢板1は、鋼管矢板上端24を水面β上に位置させて下端を水中の水底地盤α中に打ち込んで継手を嵌合しながら組み合わせている。
このような井筒に組み合わせた状態から、打設装置を使用して一ピースづつ下降させて打ち込むが、その際、起振機20は水面β上に位置させ、ヤットコ用の柱体23の長さ分だけチャック盤21を水中に押し下げて、鋼管矢板上端24を水中の水底地盤上β近くにまで下降させるようにH鋼連結型鋼管矢板1を打ち込む。
井筒を構成するH鋼連結型鋼管矢板1のすべてを打ち込むと、地中に鋼管矢板井筒基礎が形成できる。
なお、起振機20とチャック盤21からなる打設装置には、CEC規格(CEC−L−33−A−93)において生分解率が90%以上あり、鉱物油系油圧作動油と比較して生分解性が優れた生分解性油圧作動油を使用する。
この生分解性油圧作動油には、昭和シェル石油株式会社の商品名「Shell Naturelle HF−E」「シェルナチュラーレHF−E」が好適である。
このような生分解性油圧作動油を使用することで、機械から油漏れした場合、天然のバクテリアにより生分解され、環境汚染を防止できる。
図5は本発明の第2実施形態を示すもので、鋼管矢板1′H鋼連結型鋼管矢板ではなく通常の1本のみの鋼管であり、これは図11に示したように鋼管2の周面にH鋼雄継手7、H鋼雌継手8を設けるものである。
H鋼雄継手7とH鋼雌継手8との嵌合は、H鋼雌継手8のフランジ8a間にH鋼雄継手7のフランジ7aが入り込み、さらにフランジ7aの先端はH鋼雌継手8のウエブ8bに近接し、フランジ7a、8a、ウエブ7b、8bで囲繞された密閉空間が形成できる。
鋼管矢板1′を打設する打設装置としては起振機20とチャック盤21との間にヤットコ用の柱体23を前記第1実施形態のように介在させたものであれば、特に、 ベース板18の下側のチャックの配置は問わない。
この第2実施形態のように、単管としての鋼管矢板1′であっても、H鋼雌継手8のフランジ8a間にH鋼雄継手7のフランジ7aが入り込み、さらにフランジ7aの先端はH鋼雌継手8のウエブ8bに近接し、フランジ7a、8a、ウエブ7b、8bで囲繞された密閉空間が形成できるようにして円形の井筒になるように組み合わせたものに対して、打設装置を使用して一ピースづつ下降させて打ち込むが、その際、起振機20は水面β上に位置させ、ヤットコ用の柱体23の長さ分だけチャック盤21を水中に押し下げて、鋼管矢板上端24を水中の水底地盤上β近くにまで下降させるように鋼管矢板1′を打ち込むことにより地中に鋼管矢板井筒基礎が形成できる。
以上述べた実施形態では鋼管矢板井筒基礎を形成する場合について説明したが、本発明は井筒のような締切の鋼管矢板基礎以外の解放形の鋼管矢板基礎、例えば、桟橋や構台等にも適用できるものである。
本発明の鋼管矢板基礎工法の第1実施形態を示す側面図である。 本発明の鋼管矢板基礎工法の第1実施形態を示す平面図である。 図1のA−A線矢視図である。 本発明の鋼管矢板基礎工法の第2実施形態を示す側面図である。 打設装置のヤットコ用の柱体を除いた側面図である。 打設装置のチャック盤部分の説明図である。 H鋼連結型鋼管矢板による鋼管矢板井筒基礎の1例を示す平面図である。 本発明の第1実施形態で使用するH鋼連結型鋼管矢板の1ユニットを示す平面図である。 橋脚基礎の施工に用いる鋼管矢板井筒基礎の一部切り欠いた正面図である。 従来の橋脚の鋼管矢板基礎の施工方法を工程順に示す断面図である。 本発明の第2実施形態で使用するH鋼連結型鋼管矢板の1ユニットを示す平面図である。
1…H鋼連結型鋼管矢板 1′…鋼管矢板
2…鋼管
4…H形鋼 4a…フランジ
4b…ウエブ
5…密閉空間 5a…鋼管
7…H鋼雄継手 8…H鋼雌継手
7a、8a…フランジ 7b、8b…ウエブ
11…橋脚 12…鋼管矢板
13…敷砂 14…底版
15…頂版 16…中詰コンクリート
18…ベース板 19…スライド機構
20…起振機 21…チャック盤
22A、22B、22C、22D…チャック
23…ヤットコ用の柱体 23a、23b…結合フランジ
24…鋼管矢板上端
101…鋼管矢板 102…導枠
103…井筒 104…底盤コンクリート
105…支保工 106…コネクタ
107…頂版コンクリート 108…躯体コンクリート

Claims (4)

  1. 鋼管矢板は、継手としてH鋼の雄継手や雌継手を設け、H鋼雄継手はH鋼雌継手のフランジ内側面とウエブ面に囲繞された空間に嵌合可能であるように多少小振りなものとし、継手を嵌合しながら複数本の鋼管矢板を組み合わせてなる鋼管矢板基礎工法において、起振機の下方に複数個のチャックを設けたチャック盤が設けられていて、起振機とチャック盤の間はヤットコ用の柱体で所定長さ分離間させて連結した打設装置を使用し、起振機は水面上に位置させ、ヤットコ用の柱体の長さ分だけチャック盤を水中に押し下げて、鋼管矢板上端を水中の水底地盤上近くにまで下降させるように鋼管矢板を打ち込むことを特徴とした鋼管矢板基礎の施工法。
  2. 鋼管矢板は、鋼管相互を各鋼管の周面にフランジ端縁が結合するH鋼のつなぎ部材で一体的に連結したH鋼連結型鋼管に、継手としてH鋼の雄継手や雌継手を設け、H鋼雄継手はH鋼雌継手のフランジ内側面とウエブ面に囲繞された空間に嵌合可能であるように多少小振りなものとし、継手を嵌合しながら複数本の鋼管矢板を組み合わせてなる鋼管矢板基礎工法において、鋼管の中心線に垂直な面を想定して、2本の鋼管の中心点を結ぶ線をX軸とし、起振機の下方に複数個のチャックを設けたチャック盤が設けられていて、該チャックが前記並列させた鋼管を、X軸に関して対称な箇所で把持し得るようになっている打設装置を使用し、起振機とチャック盤の間はヤットコ用の柱体で所定長さ分離間させて連結し、起振機は水面上に位置させ、ヤットコ用の柱体の長さ分だけチャック盤を水中に押し下げて、鋼管矢板上端を水中の水底地盤上近くにまで下降させるように鋼管矢板を打ち込むことを特徴とした鋼管矢板基礎の施工法。
  3. 鋼管矢板は、先に鋼管矢板上端を水面上に位置させて下端を水中の水底地盤中に打ち込んで継手を嵌合しながら組み合わせ、その状態から打設装置を使用して一ピースづつ下降させて打ち込む請求項1または請求項2記載の鋼管矢板基礎の施工法。
  4. 打設装置には、CEC規格(CEC−L−33−A−93)において生分解率が90%以上あり、鉱物油系油圧作動油と比較して生分解性が優れた生分解性油圧作動油を使用する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の鋼管矢板基礎の施工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015187330A (ja) * 2014-03-26 2015-10-29 株式会社クボタ 仮締切兼用鋼管矢板基礎の施工方法
CN108842775A (zh) * 2018-08-02 2018-11-20 中交武汉港湾工程设计研究院有限公司 桩顶夹钳支撑式钢管桩沉桩导向定位装置及其施工方法
CN109736347A (zh) * 2019-03-28 2019-05-10 中交第一航务工程局有限公司 一种水下基槽挡泥墙的施工工艺

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