JP4885313B2 - 基礎用鋼製部材、基礎用鋼製部材の打設方法、及び基礎用鋼製連続壁 - Google Patents

基礎用鋼製部材、基礎用鋼製部材の打設方法、及び基礎用鋼製連続壁 Download PDF

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Description

本発明は、土木建築分野において構造物を鉛直方向に支持する基礎構造に適用される基礎用鋼製部材、基礎用鋼製部材の打設方法、及び基礎用鋼製連続壁に関する。
本願は、2009年2月4日に、日本に出願された特願2009−023655号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
土木建築分野において、土留め壁、基礎構造、港湾河川の護岸・岸壁、さらには止水壁に用いる構造部材として用いられる鋼矢板には、その幅方向の両端部に継手部が設けられている。隣接する鋼矢板の継手部同士が嵌合するように複数の鋼矢板を地盤に打設することによって連続壁が形成される。
特に近年において、鋼矢板の鉛直支持力を向上させるための技術として、例えば特許文献1は以下に示すような鋼矢板を開示している。この特許文献1の開示技術では、例えば図13に示すように、鋼矢板102の先端部に閉合鋼材103を接合することにより、鋼矢板102と閉合鋼材103とによる閉断面部を形成させている。このため、組合せ鋼矢板101が地盤に打設される際に、閉断面部に入り込んだ土塊が締め固められて鋼矢板101の先端部が閉塞される。従って、ある程度の鉛直支持力(先端支持力)を得ることが期待できる。この閉断面部を大きくするほど先端支持力を向上させることが可能となる。また、閉合部材を有していない通常の鋼矢板を地中に打設する際においても、鋼矢板の凹面側(内側)に土砂が詰まり、先端閉塞部が形成される。
鋼矢板の地中への打設工法としては、バイブロハンマ工法や圧入工法が挙げられる。バイブロハンマ工法とは、鋼矢板を地中に貫入する際に、鋼矢板を通して地盤に振動を与え、地盤に流動化または鋭敏化現象を起こさせて鋼矢板の貫入を容易にする工法である。圧入工法とは、打設すべき鋼材を圧入機のチャックで把持するとともに、圧入機のシリンダーで静荷重を加えてその鋼材を地中に押し込む工法である。
何れの工法においても、この打設すべき鋼矢板が長尺となる場合、又は地盤内に硬質な土層や、石等の障害物がある場合には、打設容易性を向上させる必要がある。このため、配管を介して鋼矢板下端付近から高圧水を噴出させる、いわゆるウォータージェットが用いられる。
ところで、上述の如き先端閉塞部が形成されるべき箇所にウォータージェットを配置すると、容易に先端閉塞部が乱されてしまい、先端支持力を発揮させることができなくなるという問題点があった。
なお、構造物を鉛直方向に支持しない護岸構造等に適用することを前提とした鋼矢板については、支持層において先端閉塞部を形成させることによる鉛直支持力が要求されないため、地盤内への打設完了までウォータージェットを併用してもよい。これに対して、鉛直方向上部にある構造物を鋼矢板からなる連続壁を介して鉛直方向に支持する基礎構造に適用することを前提とした鋼矢板については、支持層をウォータージェットで乱してしまうと、支持層において先端閉塞部を形成させることができず、鉛直支持力を発揮させることができなくなる。
特開2008−248503号公報
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ウォータージェットによる噴射を併用して鋼矢板を地中に打設する際において、ウォータージェットによる打設容易性を向上させるとともに、先端閉塞部を確実に形成させて鉛直支持力を発揮させることが可能な基礎用鋼製部材、基礎用鋼製部材の打設方法、及び基礎用鋼製連続壁を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を用いた。
(1)本発明の第1の態様は、ウェブ部と、前記ウェブ部の両端に連設される一対のフランジ部と、前記一対のフランジ部の側端部に設けられる一対の継手部と、を有する鋼矢板と、前記鋼矢板の外側のみにおいて、前記鋼矢板の長手方向に沿って取り付けられるとともに、その下端部に、鉛直下向きに液体を噴出可能なノズルが備えられた第1のウォータージェット管と、前記鋼矢板の内側に接合する両端部を有する閉合部材と、を備え、前記第1のウォータージェット管が、Bを前記継手部の継手嵌合中心位置からの距離、Wを前記鋼矢板の有効幅、Hを前記鋼矢板の有効高さとして、下記(1)式を満たすように設けられており、更に、前記第1のウォータージェット管から水を噴出させつつ前記基礎用鋼製部材を打設することで、地中に厚入した当該基礎用鋼製部材の下端が支持層の近傍に近づくまで前記第1のウォータージェット管による水の噴出を行う際、前記下端が前記支持層の1〜3m上から前記支持層に到達するまでに、前記第1のウォータージェット管の水噴出圧力を5MPa以下に低減させるように制御する制御装置を備える基礎用鋼製部材である。
B ≦ 0.80×√((W/2)+H) ・・・・・・(1)
(2)上記(1)に記載の基礎用鋼製部材では、前記閉合部材の外側のみにおいて前記閉合部材の長手方向に沿って設けられる第2のウォータージェット管を更に備え、前記第2のウォータージェット管が、Bを前記継手部の継手嵌合中心位置からの距離、Wを前記鋼矢板の有効幅、Hを前記鋼矢板の有効高さとして、下記(1)式を満たすように設けられており、さらに、前記制御装置が、地中に圧入した当該基礎用鋼製部材の下端が、支持層の1〜3m上から前記支持層に到達するまでに、前記第2のウォータージェット管の水噴出圧力を5MPa以下に低減させるように制御するように設けられてもよい
B ≦ 0.80×√((W/2)+H) ・・・・・・(1
(3)本発明の第2の態様は、上記(1)又は(2)に記載の基礎用鋼製部材を地中に打設する基礎用鋼製部材の打設方法である。この打設方法は、前記第1又は第2のウォータージェット管から水を噴出させながら前記基礎用鋼製部材を前記地中に埋め込む工程と、前記基礎用鋼製部材の下端が、前記地中の支持層の1〜3m上から前記支持層に到達するまでに、前記水の噴出を停止させ、該水の噴出の停止を継続させつつ前記下端を前記支持層内に貫入させる打設を継続させる工程と、を備える。
)本発明の第3の態様は、上記(1)又は(2)に記載の基礎用鋼製部材を地中に打設する基礎用鋼製部材の打設方法である。この打設方法は、前記第1又は第2のウォータージェット管から水を噴出させながら前記基礎用鋼製部材を前記地中に埋め込む工程と、前記基礎用鋼製部材の下端が、前記地中の支持層の1〜3m上から前記支持層に到達するまでに、前記ウォータージェット管からの水噴出圧力を5MPa以下に低減させ、該水噴出圧力を低減させた状態で、前記下端を前記支持層内に貫入させる打設を継続させる工程と、を備える。
)上記()に記載の基礎用鋼製部材の打設方法は、前記水噴出圧力を5MPa以下に低減させる工程の後に、前記第1又は第2のウォータージェット管からの水噴出圧力が2.5MPa以上5MPa以下に保持する工程を更に備えてもよい。
)本発明の第4の態様は、上記(1)又は(2)に記載の少なくとも2つの基礎用鋼製部材を互いの継手部で連結して構成される基礎用鋼製連続壁であり、前記少なくとも2つの基礎用鋼製部材の下端が支持層まで貫入される。
)本発明の第5の態様は、上記(1)又は(2)に記載の少なくとも2つの基礎用鋼製部材を互いの継手部で連結して構成される基礎用鋼製連続壁であり、前記少なくとも2つの基礎用鋼製部材は、下端が中間層まで貫入される第1の基礎用鋼製部材と、下端が支持層まで貫入される第2の基礎用鋼製部材とを含む。
上記(1)に記載の本発明の構成によれば、第1のウォータージェット管が鋼矢板の外側に取り付けられる。このため、先端閉塞部の形成が阻害されず、確実に鉛直支持力が発揮できる。また、第1のウォータージェット管が所定の距離Bの範囲内に取り付けられるため、第1のウォータージェット管による噴出により、特に継手部に詰まった土砂を排除することが可能となる。このため、高い鉛直支持力と打設容易性を発揮することができる。また、鋼矢板の断面と閉合部材の断面とで囲まれる断面閉塞部が形成されるため、更に確実に鉛直支持力を発揮することができる。
上記(2)に記載の本発明の構成によれば、第2のウォータージェット管が閉合部材の外側に取り付けられるため、高い鉛直支持力と打設容易性とを発揮することができ、また、更に高い打設容易性を発揮することができる
上記()〜()に記載の本発明の構成によれば、基礎用鋼製部材を地中に打設する際において、地中に打設した基礎用鋼製部材の下端が、支持層の1〜3m上から支持層に到達するまでに、ウォータージェットを停止させるか、又は水噴出圧力を5MPa以下に低減させる。これにより、ウォータージェット管を介した水の噴出により支持層が乱されるのを防止することが可能となる。そして乱されていない状態の支持層に基礎用鋼製部材を埋入させることにより、構造物を鉛直方向に支持する基礎構造に適用される際において、高い鉛直支持力を発揮させることが可能となる。
上記()に記載の本発明の構成によれば、上記()の構成による場合よりも確実に高い鉛直支持力を発揮させることができる。
上記()に記載の本発明の構成によれば、上記(1)又は(2)の構成による基礎用鋼製部材を連ねるため、高い鉛直支持力を有する連続壁を得ることができる。
上記()に記載の本発明の構成によれば、上記(1)又は(2)の構成による基礎用鋼製部材のみで連続壁を形成する場合と比べて安価且つ容易に、高い鉛直支持力を有する連続壁を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る基礎用鋼製部材の断面図である。 同基礎用鋼製部材における、鋼矢板と仮想線Lとにより形成される閉合断面部を示す断面図である。 同基礎用鋼製部材の斜視図である。 ウォータージェット管の取り付け位置を変更した例を示す断面図である。 4本のウォータージェット管が取り付けられる例を示す断面図である。 4本のウォータージェット管が取り付けられる他の例を示す断面図である。 継手部の継手嵌合中心位置からの距離Bの範囲内にウォータージェット管が取り付けられる構成について説明するための図である。 断面U形の鋼矢板10における距離Bを説明するための図である。 圧入工法により基礎用鋼製部材を圧入する際に使用する圧入機の構成を示す図である。 同圧入機におけるチャック45を上から見た図である。 本発明の第2の実施形態に係る基礎用鋼製部材を示す断面図である。 同基礎用鋼製部材における、鋼矢板と閉合部材とにより形成される閉合断面部を示す断面図である。 上記第2の実施形態に係る基礎用鋼製部材の変形例を示す断面図であり、閉合部材として鋼板が用いられる場合の基礎用鋼製部材を示す断面図である。 同基礎用鋼製部材における、鋼矢板と閉合部材とにより形成される閉合断面部を示す断面図である。 上記第2の実施形態に係る基礎用鋼製部材の変形例を示す断面図であり、鋼矢板及び閉合部材として断面ハット形鋼矢板が用いられる場合の基礎用鋼製部材を示す断面図である。 上記第2の実施形態に係る基礎用鋼製部材の変形例を示す断面図であり、鋼矢板として断面ハット形鋼矢板が用いられ、閉合部材として鋼板が用いられる場合の基礎用鋼製部材を示す断面図である。 本発明を適用した基礎用鋼製部材の打設方法のステップ1について説明するための図である。 同打設方法のステップ2について説明するための図である。 同打設方法のステップ3について説明するための図である。 同打設方法のステップ4について説明するための図である。 本発明を適用した基礎用鋼製部材の他の打設方法のステップ1’について説明するための図である。 同打設方法のステップ2’について説明するための図である。 同打設方法のステップ3’について説明するための図である。 同打設方法のステップ4’について説明するための図である。 ウォータージェット管による水の噴出停止又は、噴出を弱める場合の具体的な例を示す図である。 従来技術について説明するための図である。
本発明者らは、土木建築分野において構造物を鉛直方向に支持する基礎構造に適用可能な高い鉛直支持力と打設容易性とを併せ持つ基礎鋼製部材を提供するために、ウォータージェットの噴射により地盤の支持層を乱すことの無い構成について鋭意検討した。
その結果、ウォータージェット管は鋼矢板の外側に取り付けることにより、先端閉塞部の形成が阻害されず、確実に鉛直支持力が発揮できること、さらに、ウォータージェット管は、下記(1)式で定義される、上記継手部の継手嵌合中心位置からの距離Bの範囲内に取り付けられていることにより、圧入機における把持機構と干渉することなく、バイブロ工法、圧入工法のいずれの打設方法においても、継手部に土砂を詰まらせることなく、掘削を行うことが可能であることを見出した。尚、継手嵌合中心位置とは、隣り合う鋼矢板の継手部同士が嵌合した状態を示す断面図における、嵌合部分の中心位置である。
Figure 0004885313
ここで、W:上記鋼矢板の有効幅、H:上記鋼矢板の有効高さ、を示す。
また、ウォータージェットの噴射により支持層を乱さないためには、鋼矢板の下端が支持層に到達する前に、ウォータージェットによる噴射を停止させることが最も効果的であるものの、逆に支持層への鋼矢板の打設容易性が低下してしまう。このため、必要とされる鉛直支持力に応じて、鋼矢板が支持層に到達した後、支持層内にこれをある程度打設した後に、ウォータージェットを停止する、又はウォータージェットを完全停止させることなく減圧することで、支持層の乱れを抑制し、かつ打設容易性を確保する方法も考えられる。
仮に打設中にウォータージェットを一度停止してしまうと、ジェット下端のノズルに土砂が入り込み、鋼矢板の打設容易性が極端に低下する。このときにウォータージェットによる噴出を行おうとしても、実際のところノズルに入り込んだ土砂により、水噴出圧力を向上させることができない場合がある。その結果、打設容易性を向上させることができない。
しかしながら、ウォータージェットを停止させることなく、あくまで減圧のみ行うことにより、ジェットのノズル内への土砂の入り込みを防ぐことができ、再度ジェットの水噴出圧力を高めることが可能となる。一般にウォータージェットは、約10MPa以上の圧力で施工される場合が多いが、本発明者らは、鋼矢板下端が支持層に到達前後において10MPaの半分以下、即ち5MPa以下にウォータージェット圧力を低減することにより、ウォータージェットによる支持層の乱れを抑制することが可能となることを見出した。すなわち、鋼矢板の先端部において先端閉塞部を強固に作り出すことが可能となり、ひいては鉛直支持力を確保することが可能となる。また本発明者らは、ウォータージェットの圧力が2.5MPa以上であれば、ジェットのノズルへの土砂の入り込みを防ぐことができることも見出した。
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための好ましい形態として、土木建築分野において構造物を鉛直方向に支持する基礎構造に用いられる基礎用鋼製部材、基礎用鋼製部材の圧入方法、及び基礎用鋼製連続壁について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、図中、aは基礎用鋼製部材の長手方向(基礎用鋼製部材が埋め込まれる方向)、bは基礎用鋼製部材の幅方向、cは基礎用鋼製部材の厚さ方向を示す。また、本発明においては、図面に示すように、基礎用鋼製部材における断面凹部側(谷側)を内側と呼び、断面凸部側(山側)を外側と呼ぶ。
図1Aは、本発明の第1実施形態二係る基礎用鋼製部材1の断面図であり、図2は、その斜視図を示している。
基礎用鋼製部材1は、鋼矢板10と、ウォータージェット管18とを有する。
鋼矢板10は、ウェブ部11の両側に図中内側に向かって傾斜するようにフランジ部12が一体に設けられ、そのフランジ部12の先端から継手部14が設けられている。この左右の継手部14のうち、一方の継手部14と、他方の継手部14は、互いに左右線対称となっており、共に図中上向きに開口した形状となるように設計されている。この継手部14は、隣接する他の基礎用鋼製部材1における他の継手部14と互いに嵌合可能な形状を有する。なお、この継手部14は、実際に上述した左右線対称の形状からなる継手に加えて、更にウェブ部11に対して略垂直方向に伸びた部分も含まれる。
ウォータージェット管18は、鋼矢板の長手方向Aに沿って取り付けられ、第1の端部18aにおいて水を噴出させるためのノズル19が設けられている。ここで図1Aに示す鋼矢板10の山側を外側と定義し、また谷側を内側と定義する。すなわち、このウォータージェット管18は、鋼矢板10における外側において取り付けられている。この例では、ウォータージェット管18は、フランジ部12と継手部14の境界位置近辺に取り付けられている。ウォータージェット管18における管の内径は5cm程度を想定しているが、これに限定されるものではない。
ウォータージェット管18における第2の端部18bには、図示しない制御装置及び送水ポンプに接続される。この図示しない送水ポンプから送られてくる高圧水は、このウォータージェット管18を通じてノズル19へと送られ、このノズル19を介して噴射される。このノズル19を介して高圧水を噴射させることにより、鋼矢板10直下に地盤を掘削することが可能となり、より少ない力で地中へ埋入させることが可能となる。
また、図1Bは、この基礎用鋼製部材1の下端を地中の支持層まで打設した状態における断面図を示す。図中、L線は鋼矢板10の一対の継手部14を結ぶ仮想線である。鋼矢板10と、L線とにより囲まれる断面部により閉合断面部31が形成される。この閉合断面部31の存在により、支持層の土砂を締め固めることができる。従って、高い鉛直支持力を得ることが可能となる。
ウォータージェット管18の取り付け位置や個数は、上述した例に限定されない。図3は、このウォータージェット管18の取り付け位置を変更した例を示している。この図3の変形例では、ウォータージェット管18がフランジ部12上に取り付けられる。
図4Aは、鋼矢板10の形状を変更した例を示している。この変形例においても、ウェブ部11の両側に図中内側に向かって傾斜するようにフランジ部12が一体に設けられ、そのフランジ部12の先端に継手部14が設けられる。しかしながらこの変形例では、鋼矢板10が断面ハット形形状を有し、一方の継手部14と、他方の継手部14とが、互いに左右点対称となっている。その結果、継手部14aは図中上向きに、また継手部14bは図中下向きになるように形成されている。
この図4Aの変形例では、4本のウォータージェット管18が鋼矢板10に取り付けられている。これらのウォータージェット管18は、図4A中、左右に2本ずつ配置される。左側については、フランジ12aと継手部14aにそれぞれ1本ずつ配置されている。また右側については、フランジ12bに2本配置されている。下向きの継手部14bには、特にウォータージェット管18が配置されていない。
図4Bは、図4Aに示す断面ハット形の鋼矢板10において、ウォータージェット管18の配置を変更した例を示している。この例においても4本のウォータージェット管18が鋼矢板10に取り付けられている。このウォータージェット管18は、左右に2本ずつフランジ12a、フランジ12bにおいて2本配置しており、継手部14a、14bにはウォータージェット管18を特段配置しない形態としている。
なお、隣接する基礎用鋼製部材1の継手部14を互いに連結することにより、基礎用鋼製連続壁として構成することができる。
次に、本発明を適用した基礎用鋼製部材1におけるウォータージェット管18の取り付け位置の詳細について説明をする。
ウォータージェット管18の取り付け位置は、図5Aに示すように、継手部14の継手嵌合中心位置Pからの距離Bの範囲内であることが好ましい。ここでいう継手嵌嵌合中心位置Pは、ハット形形状の鋼矢板10における継手部14を構成するアーム部分13の板厚方向の中心線L1と、有効幅Wを示す線L2との交点により定義される。尚、有効幅Wは、一対の継手部それぞれの嵌合中心位置P−P間の距離である。
図5Bは、断面U形の鋼矢板10における距離Bを説明するための図である。継手嵌合中心位置Pは、断面U形の場合には、ウェブ部11と平行であって、かつウェブ部11から有効高さの位置にある直線L3と、有効幅Wの線L2の交点により定義される。
また距離Bは、上述した(1)式により定義される。(1)式において、W:鋼矢板10の有効幅、H:鋼矢板10の有効高さ、を示す。ハット形鋼矢板10の有効高さHは、アーム部分13の底面からウェブ部11の上面までの高さに相当する。
ウォータージェット管18は、上述した(1)式により定義されるBの範囲内にあることが望ましい。以下、その理由について説明をする。
図6Aは、圧入工法により基礎用鋼製部材1を圧入する際に使用する圧入機4の構成を示している。圧入機4は、クランプ41と、サドル42と、メインシリンダー43と、マスト44と、チャック45とを備えている。クランプ41は、既に打設された基礎用鋼製部材1を掴むための機構が実装されている。また、クランプ41は、これら基礎用鋼製部材1上を自走するための機能も有する。サドル42は、マスト44が前後方向に移動させるための移動機構が設けられており、圧入機4が各種動作を実行するための動力源が実装されている場合も多い。メインシリンダー43は、図中上下方向へ駆動自在に構成されており、チャック45により把持された基礎用鋼製部材1を地中へ圧入する。即ち、このメインシリンダー43の動力によりチャック45を下降させ、基礎用鋼製部材1を地中へ圧入させる。
このような圧入機4は、既に地盤に押し込まれた基礎用鋼製部材1の引抜抵抗力を利用し、油圧によって次の基礎用鋼製部材1を地中へと押し込んでいく。
図6Bは、圧入機4におけるチャック45を上から見た図である。チャック45は、継手把持機構47により継手部14を図中矢印D3に示される方向へ押圧することによりこれを把持することができる。そして、このチャック45内部には、開口46が設けられている。この開口46は、通常の鋼矢板におけるウェブ部やフランジ部に接触することが無いよう、余裕を持たせて設定されているのが通常である。但し、このチャック45における継手把持機構47近傍においては、図6B中における領域H1に示すように、開口46と継手把持機構47との間隔が非常に狭くなる。特にフランジ12と開口46との間隔が非常に狭くなるところ、フランジ12の外側にウォータージェット管18を設けることが困難になる。このため、図6Bに示すように、ウォータージェット管18は、継手嵌合中心位置Pから、より離間した位置、即ち領域H1から逸脱する程度まで離間した位置において設けることが望ましい。また、ハット形鋼矢板では、継手アーム部の中央付近を継手把持機構47が把持するため、ウォータージェット管18がこの把持部に位置しないよう、距離Bは、下限値を90mmとし、上述した式(1)で規定される上限値とした範囲内にあることが、より好ましい。
なお、上述した式(1)で規定される範囲内にあるウォータージェット管18は、少なくとも1本であればよい。その理由として、継手部14の土砂の排出には、少なくとも1本以上のウォータージェット管18の配置により実現可能であるためである。またウォータージェット管18は、2本以上であってもよい。
しかしながら、このウォータージェット管18の取り付け位置が継手嵌合中心位置Pからあまりに離間してしまい、距離Bが(1)式の右辺の値よりも超えてしまう場合には、ウォータージェット管18による噴出により、特に継手部14に詰まった土砂を排除することができず打設容易性を低下させてしまう。継手嵌合中心位置Pからウォータージェット管18の取り付け位置までの距離Bが(1)式の右辺の値よりも超えた位置に取り付けた場合であっても、ウォータージェット圧力を高めることにより打設容易性を確保することが考えられるが、これは、施工費が高くなり不経済であること、さらには中間層及び支持層を大きく乱すことになり鉛直支持力の発揮に支障をきたす。このため、本発明では、上述したように距離Bが(1)式の右辺以下となるように規定している。
なお、圧入工法ではなく、あくまでバイブロハンマ工法により掘削を行う場合には、上述したような圧入機4における継手把持機構47との干渉を考慮する必要もなくなる。従って、ウォータージェット管18の取り付け位置を継手嵌合中心位置Pのより近傍に設定することが可能となる。バイブロハンマ工法では、継手嵌合中心位置Pからの距離Cを(2)式により定義した範囲としてもよい。
Figure 0004885313
バイブロハンマ工法において、ウォータージェット管18の取り付け位置が継手嵌合中心位置Pからあまりに離間してしまい、距離Cが(2)式の右辺の値を超えてしまう場合には、ウォータージェット管18による噴出により、特に継手部14に詰まった土砂を排除することができず打設容易性を低下させてしまう。また、継手嵌合中心位置Pからウォータージェット管18の取り付け位置までの距離Bが(1)式の右辺の値よりも超えた位置に取り付けた場合であっても、ウォータージェット圧力を高めることの他にバイブロハンマの大型化すること等が考えられるが、これは、施工費が高くなり不経済であること、さらには中間層及び支持層を大きく乱すことになり鉛直支持力の発揮に支障をきたす。このため、本発明では、バイブロハンマ工法において、上述したように距離Cが(2)式の右辺以下となるように規定している。
なお本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、鋼矢板10の外側のみにおいて長手方向に沿って取り付けられたウォータージェット管18を備えるものであればいかなる形態であってもよい。
(第2実施形態)
以下、図7Aから図9Bを参照して本発明の第2実施形態に係る基礎用鋼製部材1’について説明を行う。以下の説明において、上述した実施形態で述べた事項についての重複説明を省くため、同一部材には同じ参照番号を付す。尚、本実施形態において、閉合部材20の内側とは、閉合部材20における閉合断面部31’に臨む表面側を指す。
第2の実施形態においては、前述した第1実施例で説明した鋼矢板10の継手部に対し、閉合部材20が設けられる。なお、閉合部材はフランジ部に設けられてもよい。図7Aに示す例では、閉合部材20として、ウォータージェット管18が設けられた鋼矢板10に対して面対称となるように接合される断面U形鋼矢板20Uが用いられている。即ち、断面U形を有する鋼矢板10に、閉合部材20として機能する断面U形鋼矢板20Uを対面させて、これらを接合することにより、基礎用鋼製部材1’が構成される。この閉合部材20の外側に第2のウォータージェット管18’を設けてもよい。第2のウォータージェット管18’を設ける位置は、上述した第1の実施形態において説明した範囲内であってもよい。これらの鋼矢板10と閉合部材20との接合は、例えば、溶接、接着、ボルト、リベット、ビス、鋲等の何れかを適用してもよい。また、鋼矢板10と閉合部材20との接合は、工場で行ってもよいし、施工現場で打設前あるいは打設時に行ってもよい。
ウォータージェット管18(18’)を鋼矢板10の内側において固着させる場合、その鋼矢板10と閉合部材20とによる閉合断面部31’の内側に作業員が入ってこれを溶接する作業を行わなければならず、作業が困難になる。このため、本発明では、鋼矢板10の外側のみにおいてウォータージェット18が取り付けられる。また、閉合断面部31’の外側のみにウォータージェット管18(18’)が設けられるため、閉合断面部31’の面積がウォータージェット管18の断面面積により減少させられることがない。このため、高い鉛直支持力を保つことができる。
このように、鋼矢板10に対して断面U形の鋼矢板20Uから成る閉合部材20を対面させて接合することにより、図7Bに示すように鋼矢板10と閉合部材20とにより囲まれる部分である閉合断面部31’が形成される。そして、この基礎用鋼製部材1’を地中へ圧入することにより、閉合断面部31’の内部に土塊を入り込ませることが可能となる。さらにこの閉合断面部31’内に入り込んだ土塊が締め固められて、基礎用鋼製部材1’を閉塞させることができる。このように、本実施形態においては閉合部材20を鋼矢板10に接合することにより、第一の実施形態における閉合断面部31よりも大きい断面積を有する閉合断面部31’を得ることができる。このため、より高い鉛直支持力を得ることができ、しかも、閉合部材側の鋼矢板にもウォータージェット管18’を設けることができるため、打設容易性を向上させることができる。
この実施形態では、上述のように閉合部材20として鋼矢板を用いることに限定されない。即ち、例えば図8Aに示すように、断面U形の鋼矢板10に対して閉合部材20として鋼板20Bを設けてもよい。この閉合部材20の接合も上述した溶接や接着等を介して行うようにしてもよい。この場合、図8Bに示すように、鋼矢板10と鋼板20Bの内側に、閉合断面部31’を形成することが可能となる。そして、基礎用鋼製部材1’を地中へ圧入することにより、閉合断面部31’の内部に土塊を入り込ませることが可能となる。このため、基礎用鋼製部材1’を強固に閉塞させることができる。この場合においても、閉合部材20(鋼板20B)の外側に第2のウォータージェット管を設けてもよい。
また、図9Aに示すように、鋼矢板10としてハット形鋼矢板を用い、この鋼矢板10に対して閉合部材20として第2の断面ハット形鋼矢板20Hを対面させて、これらを接合することにより、基礎用鋼製部材1’を構成してもよい。更に、図9Bに示すように、鋼矢板10として断面ハット形鋼矢板を用い、この鋼矢板10に対して閉合部材20として鋼板20Bを対面させて、これらを接合することにより、基礎用鋼製部材1’を構成してもよい。いずれの形態においても、第2のウォータージェット管18’を閉合部材側に設置可能である。また、いずれの形態においても、閉合断面部31’を形成することが可能であるため、基礎用鋼製部材1’を地中へ圧入することにより、閉合断面部31’の内部に土塊を入り込ませることが可能となる。このため、基礎用鋼製部材1’を強固に閉塞させることができる。
次に、本発明を適用した基礎用鋼製部材の圧入方法について、図面を参照しながら詳細に説明をする。ここでは、前述した第1実施形態に係る基礎用鋼製部材1を打設する場合を例にとって説明する。先ず、図10Aに示すように、ウォータージェット管18を介してノズル19により水を噴出させつつ、基礎用鋼製部材1の打設を行う(ステップ1)。この打設においては、上述した圧入機4を使用して行うようにしてもよいし、バイブロハンマ工法によって行ってもよい。最初に中間層61内に対して基礎用鋼製部材1の打設を行う。この間、ウォータージェット管18による水の噴出を継続して行うことにより、中間層61における基礎用鋼製部材1の打設を容易に行うことが可能となる。そして図10Bに示すように、基礎用鋼製部材1の下端が支持層62の近傍に近づくまでウォータージェット管18による水の噴出を行った後、そのウォータージェット管18による水の噴出を停止する(ステップ2)。そして、図10Cに示すように、その止水を継続させつつ、基礎用鋼製部材1の下端を支持層62内に貫入させる(ステップ3)。この支持層62への打設をさらに継続させ、図10Dに示すように打設施工を完了させる(ステップ4)。この完了時までウォータージェット管18による水の噴出は停止させた状態のままとする。
図11A〜図11Dは、本発明を適用した基礎用鋼製部材の他の打設方法について示している。先ず、図11Aに示すように、ウォータージェット管18を介してノズル19により水を噴出させつつ、基礎用鋼製部材1の打設を行う(ステップ1’)。この間、ウォータージェット管18による水の噴出を継続して行うことにより、中間層61における基礎用鋼製部材1の圧入を容易に行うことが可能となる。そして図11Bに示すように、基礎用鋼製部材1の下端が支持層62の近傍に近づくまでウォータージェット管18による水の噴出を行った後、そのウォータージェット管18におけるウォータージェットの水噴出圧力を低減させることにより、水の噴出を弱める(ステップ2’)。そして、図11Cに示すように、水の噴出を弱めた状態のまま、基礎用鋼製部材1の下端を支持層62内に貫入させる(ステップ3’)。この支持層62への打設をさらに継続させ、図11Dに示すように打設施工を完了させる(ステップ4’)。この完了時までウォータージェット管18による水の噴出は停止させた状態とするか、又はウォータージェットの水噴出圧力を低減させた状態のままとする。
図12は、このウォータージェット管18による水の噴出停止又は、噴出を弱める場合の具体的な例を示している。この例では、地中(中間層61)に打設した基礎用鋼製部材1の下端が、支持層62の3m上から上記支持層に到達するまでに、上記ウォータージェットを停止させるか、又は水噴出圧力を低減させる。そして低減させてから打設終了時まで、ウォータージェット管18による水の噴出停止又は噴出を弱めることを継続させる。この打設終了時における基礎用鋼製部材1の下端の、支持層62上端からの深さをαmとしたとき、このウォータージェット管18による水の噴出停止又は噴出を弱める動作は、(3+α)mの間継続させて実行することになる。なお、この例では、地中(中間層61)に圧入した基礎用鋼製部材1の下端が、支持層62の1m上から上記支持層に到達するまでに、上記ウォータージェットを停止させるか、又は水噴出圧力を低減させ、その後打設終了時までにこれを継続させるようにしてもよい。このような場合には、(1+α)mの間に亘り、ウォータージェット管18による水の噴出停止又は噴出を弱める動作を継続して行う。
即ち、この例では、地中(中間層61)に打設した基礎用鋼製部材1の下端が、支持層62の1〜3m上から支持層62に到達するまでに、ウォータージェットを停止させるか、又は水噴出圧力を低減させる。これにより、ウォータージェット管18を介した水の噴出により支持層62が乱されるのを防止することが可能となる。そして乱されていない状態の支持層62に基礎用鋼製部材1を埋入させることにより、構造物を鉛直方向に支持する基礎構造に適用される際において、高い鉛直支持力を発揮させることが可能となる。
また、これと同時に、本発明では、基礎用鋼製部材1の下端が支持層62に到達する直前まで、ウォータージェット管18による水の噴出を継続させる。その結果、中間層61における掘削を非常に容易に行うことが可能となる。
従って、本発明を適用した基礎用鋼製部材の打設方法では、ウォータージェットによる噴射を併用して基礎用鋼製部材1を地中に打設する際において、ウォータージェットによる施工性を向上させるとともに、先端閉塞部を確実に形成させて鉛直支持力を発揮させることが可能となる。
なお、ウォータージェット管18による水の噴出を停止させた場合、ジェットのノズル19に土砂が入り込むため、仮に中間層61や支持層62における打設容易性が極端に低下したときに再度ジェットの圧力を高めようとしたときに、そのノズル19に入り込んだ土砂が障害となって打設容易性を回復することができない虞がある。
これに対して、ウォータージェット管18を停止させることなく、あくまでウォータージェットを減圧させることにより、ノズル19への土砂の入り込みを防止することが可能となり、仮に中間層61や支持層62における打設容易性が極端に低下したときに再度ジェットの圧力を容易に高めることが可能となる。
一般的に、このウォータージェット管18による水噴出圧力は、10MPa以上の圧力で施工されることが多い。しかし本発明では、上述したウォータージェット管18による水の噴出力を弱める際に、その10MPaの半分、即ち5MPa以下の水噴出圧力とする。従って、支持層61の乱れを抑制しつつ、ノズル19への土砂の入り込みを防止することで再度の水噴出圧力上昇を容易化でき、更には基礎用鋼製部材1の下端部における支持力を確保することが可能となる。
ちなみに、ウォータージェット管18による水の噴出力を弱める際に、その水噴出圧力が5MPaを超えてしまうと、支持層61の乱れを抑制することができず、支持力が低下してしまう。また、ウォータージェットの水噴出圧力が2.5MPa未満では、ノズル19内への土砂の入り込みを防止することができない。逆に、ウォータージェットの水噴出圧力が2.5MPa以上とすることにより、少なくともノズル19内への土砂の入り込みを防止することは可能となる。このため、ウォータージェットの水噴出圧力を低減させる場合には、当該水噴出圧力を2.5MPa以上5MPa以下に保持することが望ましい。
表1は、本発明を適用した基礎用鋼製部材1における各型式についての、有効幅W、有効高さH、及び(1)式、(2)式に基づいて計算した距離B、Cを示している。この表1では、(1)式、(2)式の右辺における{(W/2)+H1/2をAと置いている。
Figure 0004885313
各型式について、それぞれ圧入工法の場合には、Bの範囲内に、またバイブロハンマ工法の場合には、Cの範囲内に、ウォータージェット管18を配置することにより、継手部14に詰まった土砂を排除すること、および、より少ないウォータージェット圧力またはより少ない施工機械出力での施工が可能となる。このため、効率的な打設によって高い鉛直支持力を得ることができる。
本発明によればウォータージェットによる噴射を併用して鋼矢板を地中に打設する際において、ウォータージェットによる施工性を向上させるとともに、先端閉塞部を確実に形成させて鉛直支持力を発揮させることが可能な基礎用鋼製部材、基礎用鋼製部材の打設方法、及び基礎用鋼製連続壁を提供することができる。従って、産業上の利用可能性は大きい。
1 基礎用鋼製部材
10 鋼矢板
11 ウェブ部
12 フランジ部
14 継手部
18 ウォータージェット管
19 ノズル

Claims (7)

  1. ウェブ部と、前記ウェブ部の両端に連設される一対のフランジ部と、前記一対のフランジ部の側端部に設けられる一対の継手部と、を有する鋼矢板と、
    前記鋼矢板の外側のみにおいて、前記鋼矢板の長手方向に沿って取り付けられるとともに、その下端部に、鉛直下向きに液体を噴出可能なノズルが備えられた第1のウォータージェット管と
    前記鋼矢板の内側に接合する両端部を有する閉合部材と、を備え、
    前記第1のウォータージェット管が、Bを前記継手部の継手嵌合中心位置からの距離、Wを前記鋼矢板の有効幅、Hを前記鋼矢板の有効高さとして、下記(1)式を満たすように設けられており、
    更に、前記第1のウォータージェット管から水を噴出させつつ前記基礎用鋼製部材を打設することで、地中に厚入した当該基礎用鋼製部材の下端が支持層の近傍に近づくまで前記第1のウォータージェット管による水の噴出を行う際、前記下端が前記支持層の1〜3m上から前記支持層に到達するまでに、前記第1のウォータージェット管の水噴出圧力を5MPa以下に低減させるように制御する制御装置を備えることを特徴とする基礎用鋼製部材。
    Figure 0004885313
  2. 前記閉合部材の外側のみにおいて前記閉合部材の長手方向に沿って設けられる第2のウォータージェット管を更に備え、
    前記第2のウォータージェット管が、Bを前記継手部の継手嵌合中心位置からの距離、Wを前記鋼矢板の有効幅、Hを前記鋼矢板の有効高さとして、下記(1)式を満たすように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基礎用鋼製部材。
    Figure 0004885313
  3. 請求項1又は請求項2の何れか1項に記載の基礎用鋼製部材を地中に打設する基礎用鋼製部材の打設方法であって、
    前記第1又は第2のウォータージェット管から水を噴出させながら前記基礎用鋼製部材を前記地中に埋め込む工程と、
    前記基礎用鋼製部材の下端が、前記地中の支持層の1〜3m上から前記支持層に到達するまでに、前記水の噴出を停止させ、該水の噴出の停止を継続させつつ前記下端を前記支持層内に貫入させる打設を継続させる工程と、
    を備えることを特徴とする基礎用鋼製部材の打設方法。
  4. 請求項1又は請求項2の何れか1項に記載の基礎用鋼製部材を地中に打設する基礎用鋼製部材の打設方法であって、
    前記第1又は第2のウォータージェット管から水を噴出させながら前記基礎用鋼製部材を前記地中に埋め込む工程と、
    前記基礎用鋼製部材の下端が、前記地中の支持層の1〜3m上から前記支持層に到達するまでに、前記ウォータージェット管からの水噴出圧力を5MPa以下に低減させ、該水噴出圧力を低減させた状態で、前記下端を前記支持層内に貫入させる打設を継続させる工程と、
    を備えることを特徴とする基礎用鋼製部材の打設方法。
  5. 前記水噴出圧力を5MPa以下に低減させる工程の後に、前記第1又は第2のウォータージェット管からの水噴出圧力が2.5MPa以上5MPa以下に保持する工程を更に備えることを特徴とする請求項に記載の基礎用鋼製部材の打設方法。
  6. 請求項1又は請求項2の何れか1項に記載の少なくとも2つの基礎用鋼製部材を互いの継手部で連結して構成される基礎用鋼製連続壁であって、
    前記少なくとも2つの基礎用鋼製部材の下端が支持層まで貫入されることを特徴とする基礎用鋼製連続壁。
  7. 請求項1又は請求項2の何れか1項に記載の少なくとも2つの基礎用鋼製部材を互いの継手部で連結して構成される基礎用鋼製連続壁であって、
    前記少なくとも2つの基礎用鋼製部材は、下端が中間層まで貫入される第1の基礎用鋼製部材と、下端が支持層まで貫入される第2の基礎用鋼製部材とを含むことを特徴とする基礎用鋼製連続壁。
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