JP3871937B2 - 水中骨組構造物の施工方法 - Google Patents

水中骨組構造物の施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3871937B2
JP3871937B2 JP2002019705A JP2002019705A JP3871937B2 JP 3871937 B2 JP3871937 B2 JP 3871937B2 JP 2002019705 A JP2002019705 A JP 2002019705A JP 2002019705 A JP2002019705 A JP 2002019705A JP 3871937 B2 JP3871937 B2 JP 3871937B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pile
jacket
leg
pedestal
grout
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002019705A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003221816A (ja
Inventor
政弘 萩原
章 岡村
安弘 常盤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Engineering Co Ltd filed Critical Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority to JP2002019705A priority Critical patent/JP3871937B2/ja
Publication of JP2003221816A publication Critical patent/JP2003221816A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3871937B2 publication Critical patent/JP3871937B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は水底地盤上に設置されるジャケット等の水中骨組構造物の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
水底地盤上に設置される水中骨組構造物の代表例としては、石油掘削用構造物をベースとしたジャケットが知られている。このジャケットは、レグとブレースを陸上ヤードであらかじめ組み立てたものを設置場所に移送し、水底地盤上に杭で固定するものであり、設置現場での工期短縮を図ることができる。そのため最近、埋立護岸、防波堤、消波堤等に採用されてきており、今後、桟橋や海上空港等にも適用が検討されている。
【0003】
従来のジャケットの構造およびその施工方法については、多数の先行文献があるが、その中から2例をあげると図9、図10に示すものがある。図9のジャケットは特公平5−43808号公報に開示されているものであり、石油掘削用足場に用いられる最も一般的なジャケットである。
【0004】
このジャケットは、鉛直および鉛直に近い斜方向の複数の鋼管からなるレグ4と、水平材5aおよび斜材5bのブレース5とによって構成されたものであり、陸上ヤードで製作・組立られた後、バージによって建設場所迄移送される。建設場所では、小型ジャケットの場合は、フローティングクレーン等の揚重機で吊上げられて海底1aに立設される。大型ジャケットの場合は、レグ4の上端部と下端部に蓋を設けて密閉して海中に滑落させ、横向きに浮上させた後、レグ4 内に注水して浮力を減じるとともに揚重機を使用して立設する。
【0005】
両者のジャケットとも立設された後は、レグ4(鋼管)の上端から杭2を挿入し、水底地盤1内にフローティングハンマー等により打設する。この公報には説明がないが、全ての杭2の打設が終了したら、杭2とレグ4の間隙にレグ4の下方からグラウト材6を注入し、水をグラウト材6と置換させて排除する。かくして充填したグラウト材6によってレグ4と杭2を固定する。
【0006】
図10のジャケットは特公昭60−56845号公報に開示されているジャケット護岸の例である。この護岸では前部管柱4、中間管柱4、後部管柱4の鉛直レグ4と、水平方向5a、斜方向5bに配設された連結材5(ブレース)によってジャケットが構成されており、各レグ4には上端まで杭2が挿入され、杭2とレグ4はモルタルのグラウト材6で固定されている。施工手段は前記説明と同様であるので省略する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のジャケットに代表される水中骨組構造物には、以下の課題があった。
(1) 事前に設置したジャケットのレグ内に杭を挿入して打設するため、レグは鋼管の如き中空管体とし、かつ内径を杭の外径より大きくする必要があった。このため、特に軟弱地盤等の水底地盤において大径の杭を使用する必要がある場合には、レグの外径をさらに大きくしなければならないので、過剰設計となり、その分ジャケットの重量が重くなり、製作費と建設費が高くなった。
【0008】
(2) 事前に設置したジャケットのレグ内に杭をレグ上端から挿入して打設し、杭の上端をレグ上端(ジャケット天端)と同じにしてレグと杭の隙間にグラウト材を注入するため、ジャケットレグと杭の結合強度に必要な長さ以上の過剰な結合長となり、杭材、グラウト材が無駄になるばかりか、グラウト材の注入作業に時間を要した。
【0009】
(3) ジャケットとブレースが交差する格点部には応力が集中し、特に疲労強度が問題となるため、部分的にレグの板厚を厚くする必要があり、加えて残留応力除却のため焼鈍処理を必要とする場合があり、製作コストが高くなった。
【0010】
(4) ジャケットの設置時(杭の打設前)には水底地盤の表層が軟らかい場合、不等沈下を防止するためにジャケット下端部にマッドマットと称する広幅の面板を設けて、載荷圧を低減させる必要があり、この分不経済であった。
【0011】
(5) また、杭打施工時にレグ内壁に杭が接触して共下りを生じさせ、ジャケットを傾斜させてしまうことがあり、その修正作業が必要となる場合があった。
【0012】
出願人は前記課題を解決するため、水底地盤近傍において打設杭とジャケットをグラウト結合した水中骨組構造を特願平6−35273として出願している。本発明は、前記出願特許に関連してこれをさらに改良するものであって、ジャケットと杭の合理的設計が可能であり、かつ経済的に有利な水中骨組構造物を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、所定位置の水底地盤にあらかじめ打設された複数の杭に、脚柱と前記脚柱下端を連結する水平材5a及び斜材5bのブレースで構成されたジャケットの脚柱下部をグラウト結合する水中骨組構造物の施工方法であって、ジャケット底面の外周側に位置する少なくとも3箇所以上の結合部において、せん断抵抗材付杭の杭頭を所定高さに調整し、かつ前記杭を挿入するジャケットの脚柱内周に杭頭を支持するリブ7bからなる支持部材を所定奥行で溶接してジャケット仮支持用結合部を設け、水底地盤から所要高さ以上に突出する前記杭を、杭径より内径を大きくした脚柱下部に挿入させ、前記ジャケット仮支持用結合部によって水平状態でジャケットを仮支持させ、この結合部の脚柱内周と杭外周間の所定長さにグラウト材を充填して結合したことを特徴とする。
<作用>
前記請求項1の発明では、杭2の外周と脚柱4の内周でグラウト結合するようにしているため、杭内の土砂の排出が不要となる。また、本発明ではジャケット3の下端部の脚柱内を結合部4aにしているため、ジャケット3下端を水中骨組構造体に作用する最大曲げモーメントの生じる水底地盤面1aまで下げることができ構造的に有利となる。
【0014】
また、請求項1の発明は、ジャケット3を結合する際に水平に仮支持するための手段に関するものである。すなわち、請求項1の発明では、ジャケット3底面の外周側に位置する少なくとも3箇所の杭頭を所定高さに調整して杭2を設置し、これに対応するジャケット3の脚柱4内周に杭頭を支持する支持部材7を所定奥行で溶接してジャケット仮支持用結合部(A,B,C)を構成する。これにより杭2にジャケット3を設置する際に水平状態で仮支持して、ジャケット仮支持用結合部以外のすべての結合箇所をグラウト結合することが出来る。なお、仮支持用以外の杭2は所定長さ以上であれば不揃いとしてもよく、脚柱4の内周に支持部材7を溶接しておく必要もない。なお、ジャケット仮支持用結合部は少なくとも3箇所にすれば安定してジャケット3を仮支持できるが、ジャケット重量と杭本数、安全面を考慮して3箇所以上にしても構わない。
【0015】
本発明は、先に出願の特願平6−35273の実施例に開示したものと同様に、ジャケット3の下端から突設した結合部4aを杭2内に所定長L挿入し、脚柱4と杭頭部2aをグラウト材6で固定した結合構造において、あらかじめ打設した杭2にジャケット3を水平に仮支持するための手段を加えたものである。請求項3,4,5の発明では、前記結合部材4bの外周にレベル調整可能な杭頭仮支持材7aを取付けておき、杭2にジャケット3を設置する際に杭頭仮支持材7aによってジャケット3を水平状態で仮支持し、この状態を保持したまま全ての結合箇所をグラウト結合する。
【0016】
本発明は、前記発明のレベル調整可能な杭頭仮支持材7aとして、鋸刃状に上面が形成されたリングA13と、リングA13の鋸刃状下面と噛合する鋸刃状上面が形成されたリングB14を用いる。結合部材4bにリングA13を溶接し、このリングA13に対向するように杭頭支持板14b付きのリングB14を回動可能に設けておき、ジャケット3を水平保持(吊下げ)した状態でリングB14を回動してリングA13のテーパ部13aとリングB14のテーパ部14aとをずらして杭頭仮支持材7aの杭頭支持板14bを杭頭2aに接触支持させる。そして、この状態でリングA13とリングB14との接触部をダイバーによる水中溶接15で固定し、ジャケット3を水平状態で仮支持した状態ですべての結合箇所をグラウト結合するものである。なお、杭頭仮支持材7aは全ての結合部に設けてもよいが、前記請求項2の発明と同様にジャケット底面の外周側に位置する少なくとも3箇所の結合部のみに設けてもよい。
【0017】
本発明におけるジャケット3と杭2の結合固定は、従来のように脚柱4の全長に渡って行うことなく、脚柱と杭との結合部4aにおいて下記に示す設計上必要な長さ(L)とする。ここで、設計上必要な長さ(L)はジャケット3に作用する外力、グラウト材6の強度、脚柱4と杭2のサイズおよびせん断抵抗材(シアキー)12a,12bの有無等に応じて決定することができる。
【0018】
この際、グラウト結合強度は、APIの下記算定式により決定することができる。
fba=20 psi (0.138 MPa)+0.5fcu・(h/s) ・・・・・・・ 平常時
fba=26.7 psi (0.184 MPa)+0.67fcu・(h/s) ・・・・・・ 暴風時
fba:許容結合強度
fcu:グラウト材の圧縮強度
h:シアキー突起高さ(インチ,mm)
s:シアキー間隔(インチ,mm)
シアキーが無い場合はそれぞれの式において第1項のみとする。
【0019】
また、従来はジャケット3の脚柱4内に杭2を貫通させていたため、応力が集中する格点部4cの補強にあたり、脚柱4内に補強材を施すことができず、脚柱4の板厚を増加する等の手段を用いていたが、本発明に係るジャケット3では、最下段の格点部を除いて内部を貫通するものがないため、インナーリング等による格点部4cの内部補強が可能であり、また、コンクリートを充填した合成構造にすることもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1〜図8は本発明に係る水中骨組構造物の実施例を示した図であり、図1は水中骨組構造の側面図、図2はその平面図、図3は杭打設用のテンプレート、図4は杭にジャケットを吊下げて挿入する作業中の側面図である。
【0021】
図5および図6は第1実施例における杭2とジャケット3の固定部の詳細を示すものである。水底地盤1の所定位置に水中ハンマー等の杭打機等で打設された複数の杭2(鋼管杭)は、上端が水底地盤1から一定高さに打ち止め(または切断)されている。杭2の上部には、レグ4(脚柱、鉛直材)とブレース5(水平材5a、斜材5b)を組合せたジャケット3が所定長さLの結合長で固定されている。
【0022】
杭2には、水底地盤1から所要高さ以上に突出したシアキー(せん断抵抗材)12b付の杭頭部2aが設けられている。杭2とジャケット3との固定部は、杭径より内径を大きくしたレグ結合部4aに杭頭部2aを挿入し、このレグ結合部4aの内周と杭2外周間の所定長さLにグラウト材6を充填して結合した構造である。
【0023】
この施工にあたっては、結合時にジャケット3を水平状態に保つため、ジャケット3底面の外周側に位置する少なくとも3箇所以上の結合部(図2のA,B,C)において、杭2は杭頭2aを所定高さに調整して設置される。また、杭2に挿入するレグ結合部4a内周には、リブ7bで補強された支持部材7がレグ4の下端から所定奥行で溶接されており、打設杭2にジャケット3を設置する際に水平状態で仮支持可能としている。
【0024】
なお、ジャケット仮支持用結合部(A,B,C)はジャケット3底面の外周側に位置する少なくとも3箇所に設ければ安定よく支持できるが、ジャケット3の荷重が重かったり杭本数が多い場合はさらに仮支持箇所を増やしても良い。
【0025】
また、ジャケット仮支持用結合部以外の結合部は、図6aに示すようにレグ4内周に支持部材7を設けず、また杭頭高さも所要の結合長さL以上確保して、かつ杭先端はジャケット3の挿入を容易にするため斜めに切断されている。さらに、仮支持に用いられない杭2は所定長さL以上であれば、杭頭高さは不揃いとしてもよい。
【0026】
図6bは杭2とレグ結合部4aの先端部の詳細を示した図である。ジャケット3におけるレグ接続部4aの内周にはグラウト結合を強固にするためのせん断抵抗材としてシアキー12aが設けられている。このシアキー12aは10mm前後の丸鋼や帯鋼を数十cm間隔にリング状またはスパイラル状に溶接したり、溶接ビードを盛って形成したものである。杭2の頭部外周の結合部2bにも同様にシアキー12aと高さをずらしてシアキー12bが設けられている。
【0027】
また、ジャケット3下部のレグ結合部4a内周と杭2外周の間隙11には、モルタルまたはコンクリート等のグラウト材6を充填するため、レグ4下端の内周面にゴム製のグラウトシール6bが固定されている。そして、レグ4にはグラウト配管6aが設けられている。
【0028】
なお、杭2の杭頭部2aとレグ結合部4aとの結合長さLは、ジャケット3に作用する波力、潮力、その他の外力を杭2に伝達させるために必要な設計結合長を前述した算定式によって決定する。
【0029】
次に第1実施例に係る水中骨組構造物の施工手順を説明する。
【0030】
(1) まず、 建設場所の水底地盤1に打設される杭配置に対応したガイド枠10dを設けたテンプレート10を設置する。そして、ガイド枠10d内に杭2を挿入して、フローティングハンマーや水中ハンマーによって所定位置に杭2を打設する。
【0031】
テンプレート10は杭2をあらかじめ所定位置に正確に打設するためのもので、図3に示すようにH型鋼10a,10b,10cを縦・横に組合せて杭2の配置に対応したガイド枠10dを形成している。全ての杭2を打設後にテンプレート10は撤去され、次のジャケット設置箇所に移設して使用する。なお、ガイド枠10dはテンプレート10の他、仮設杭等で代用してもよい。
【0032】
また、ジャケット3を杭2に対して結合時に水平状態に保つべく、ジャケット3底面の外周側に位置する少なくとも3箇所以上の結合部(図2のA,B,C)において、杭打時の最終打止め、または打設後水中切断によって杭頭部2aを所定高さに正確に揃えてジャケット仮支持用結合部とする。他の杭は所定の結合長さLを確保できる高さ以上であれば不揃いであってもよい。なお、第1実施例では杭内土砂を排出する必要はない。
【0033】
(2) 次に、図4に示すように陸上ヤード等で製作・組立られ、バージ等で移送されたジャケット3をクレーンで吊上げ、所定位置に打設された前記杭2の杭頭部2aにジャケット3下端のレグ結合部4aを合致させて吊下し、挿入する。
【0034】
ジャケット仮支持用結合部A,B,Cにおいて、杭2を挿入するレグ結合部4aの内周には、リブ7bで補強された支持部材7が杭頭2aを支持するために所定高さで溶接固定されている。この結果、打設杭2にジャケットを吊下げて設置すると、高さ調整された仮支持用の杭2によって支持部材7が支持されて、自動的にジャケット3は水平状態で仮支持される。
【0035】
(3) 杭2上へのジャケット3の設置が完了した後、レグ結合部4aと杭頭部2aとの固定作業を行う。この固定手段は、図6a,図6bに示すように杭頭部の所定長Lにおいて、杭頭部2a外周と結合部レグ4aの内周との間隙11にモルタル又はコンクリートのグラウト材6を注入することによる。グラウト材6の注入は、グラウト配管6aを通してレグ下部に設けた注入口から行う。
【0036】
グラウト材6は、レグ下端部に設けたグラウトシール6bによって下方に漏れることなく、海水を置換しながら上方に向けて間隙11に充填される。グラウト材6が杭頭部2aとレグ結合部4aの所定結合長さLに十分充填されているか否かはグラウト材6の注入量で管理することができる。なお、グラウト材6を杭2内に充填してもよい。
【0037】
図7および図8は、本発明の水中骨組構造の第2実施例を示した図である。第2実施例の水中骨組構造は、ジャケット3のレグ下端に設けられた結合部材4bを所定長さLだけ杭2に挿入してジャケット3を仮支持し、結合部材4bの外周と杭2内周との間にグラウト材6を充填して結合するものである。なお、第2実施例において、第1実施例と共通する構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
第2実施例の水中骨組構造では、ジャケットのレグ下端に杭内径より小径の結合部材4bが下方に突設されている。結合部材4bの長さは少なくとも結合長さL以上に設定される。また、結合部材4bの外周面にはシアキー12aが設けられる。
【0039】
また結合部材4bの上方には杭頭仮支持材7aが設けられている。杭頭仮支持材7aは、結合部材4bの上方に溶接固定されたリングA13と、リングA13の下方に配置され、かつ杭外径よりも大きな鍔状の杭頭支持板14bを備えたリングB14とから構成される。リングB14の中央には結合部材4bを挿通可能な開口が設けられ、リングB14は結合部材4bに対して回動可能となっている。なお、それぞれ対向するリングA13およびリングB14の外径はほぼ同径に設定される。
【0040】
リングA13の下面は、テーパ部13aの始点と終点とを接続して環状に連続させた鋸刃状に形成されており、一方、リングA13に対向するリングB14の上面は、リングA13の鋸刃状下面と噛合するような鋸刃状上面に形成されている。そのため、杭頭仮支持材7aでは、リングB14を回動させてリングAのテーパ部13aとリングBのテーパ部14aとの接触部長さを調整することで、ジャケットの設置高さの調整が可能となっている。なお、図8bに杭頭仮支持材7aのリングAとリングBの断面を示す。
【0041】
また杭2の杭頭部2aには結合部材4bを上方から挿入可能となっている。杭2における挿入部深さは少なくとも結合部材4bの長さよりも長く設定され、挿入部内周面にはシアキー12bが設けられている。
【0042】
次に第2実施例に係る水中骨組構造物の施工手順を説明する。
【0043】
(1) 前記第1実施例と同様に建設場所の水底地盤1にテンプレート10を設置し、所定位置に杭2を打設する。そして、結合長さLと同じ長さだけ杭2を水底地盤1から上方に突出させて杭頭高さを水平状態に揃える。なお、ジャケット底面の外周側に位置する少なくとも3箇所以上の仮支持用の杭のみ杭頭を水平に揃えるようにしても良い。
【0044】
(2) 杭2の打設後において杭頭部2aの開口内に管内土砂がある場合は、結合長さLが確保されるように杭2の管内土砂を掘削排除する。
【0045】
(3) 次に結合部材4bの上方に杭頭仮支持材7aを取り付けたジャケット3を吊下し、ジャケットの結合部材4bを杭2の開口内に挿入する。このとき、ダイバー作業で結合部材4bに溶接固定されていないリングB14を回動させ、リングAのテーパ部13aとリングBのテーパ部14aとの接触部長さを調整することで、杭頭支持板14bを杭頭に接触支持させてジャケットの設置高さを調整する。そして、図8cに示すようにリングAのテーパ部13aとリングBのテーパ部14aとの接触部をダイバー作業で水中溶接15し、ジャケット3を杭に水平状態で仮支持する。なお、図8dはジャケット3を水平状態に保った状態で杭頭仮支持材7aのテーパ部を水中溶接で固定した状態を示したものである。
【0046】
(4) 打設杭2内にジャケット3の結合部材4bを挿入し、水平状態に仮支持した状態で杭内周と結合部レグの外周4aとの間隙11および結合部材4bの内部にグラウト配管6aを通してグラウト材6を注入する。
【0047】
なお、第1実施例および第2実施例では鉛直レグとブレースからなるジャケットに適用した例を示したが、傾斜レグで構成したジャケットであっても結合部を鉛直にすることで本発明を適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、ジャケットの下部に設けたレグ結合部を打設杭に所定長挿入してグラウト固定したものであるため、従来のようにジャケットレグ内に全長に渡って杭を挿入する必要がない。ジャケットと杭は設計上必要な長さ(L)のみグラウト固定するので、従来のような無駄な杭材、グラウト材を排除できるとともに、固定に要する作業量を軽減でき合理的設計となる。さらにジャケットのレグ内に杭を貫通させないため、応力が集中する格点部の補強材をレグ内に設けたり、あるいはレグ内にコンクリートを充填した合成構造にすることができるため、従来のように格点部のレグ板厚を厚くするようなコストの高い補強手段を用いる必要がない。
【0049】
また、請求項1に係る発明は、打設杭内の管内土砂を排出する必要がなく、ジャケットの下端高さを曲げモーメントの作用が大きい水底地盤に位置することができるため構造的に有利な水中骨組構造物とすることができる。さらに、少なくとも3箇所以上の結合部においてジャケットを水平状態に仮支持してグラウト結合するためジャケットを容易に且つ、精度よく施工できる。
【0050】
また、本発明においては、ジャケット結合部材にレベル調整可能な杭頭仮支持材を設け、ジャケットを水平状態に仮支持してグラウト結合するためジャケットを容易に且つ、精度よく施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る水中骨組構造物の側面図である。
【図2】 図1に示す水中骨組構造物の平面図である。
【図3】 杭打設用のテンプレートの平面図である。
【図4】 水中骨組構造物の施工過程を示す側面図である。
【図5】 第1実施例に係るジャケットと杭の結合構造図である。
【図6】 (a)はジャケット仮支持用結合部以外の結合部を示した詳細図であり、(b)はジャケット仮支持用結合部の詳細図である。
【図7】 第2実施例に係るジャケットと杭の結合構造図である。
【図8】 (a)から(d)は第2実施例に係るジャケットと杭の結合構造の詳細図である。
【図9】 従来例(特公平5−43808号公報)におけるジャケットの側面図である。
【図10】 従来例(特公昭60−56845号公報)におけるジャケット護岸の側面図である。
【符号の説明】
1 水底地盤
1a 海底面
2 杭
2a 杭頭部
3 ジャケット
4 レグ(脚柱、鉛直材)
4a レグ結合部
4b 結合部材
4c 格点部
5 ブレース
5a 水平材
5b 斜材
6 グラウト材
6a グラウト配管
6b グラウトシール
7 支持材
7a 杭頭仮支持材
7b リブ
10 テンプレート
10a,10b,10c H型鋼
10d ガイド枠
11 杭とレグの間隙
12a,12b シアキー(せん断抵抗材)
13 リングA
13a テーパ部
14 リングB
14a テーパ部
14b 杭頭支持板
15 水中溶接部
16 作業船
A,B,C ジャケット仮支持用結合部

Claims (1)

  1. 所定位置の水底地盤にあらかじめ打設された複数の杭に、脚柱と前記脚柱下端を連結する水平材5a及び斜材5bのブレースで構成されたジャケットの脚柱下部をグラウト結合する水中骨組構造物の施工方法であって、
    ジャケット底面の外周側に位置する少なくとも3箇所以上の結合部において、せん断抵抗材付杭の杭頭を所定高さに調整し、かつ前記杭を挿入するジャケットの脚柱内周に杭頭を支持するリブ7bからなる支持部材を所定奥行で溶接してジャケット仮支持用結合部を設け、
    水底地盤から所要高さ以上に突出する前記杭を、杭径より内径を大きくした脚柱下部に挿入させ、
    前記ジャケット仮支持用結合部によって水平状態でジャケットを仮支持させ、
    この結合部の脚柱内周と杭外周間の所定長さにグラウト材を充填して結合したこと
    を特徴とする水中骨組構造物の施工方法。
JP2002019705A 2002-01-29 2002-01-29 水中骨組構造物の施工方法 Expired - Lifetime JP3871937B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002019705A JP3871937B2 (ja) 2002-01-29 2002-01-29 水中骨組構造物の施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002019705A JP3871937B2 (ja) 2002-01-29 2002-01-29 水中骨組構造物の施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003221816A JP2003221816A (ja) 2003-08-08
JP3871937B2 true JP3871937B2 (ja) 2007-01-24

Family

ID=27743447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002019705A Expired - Lifetime JP3871937B2 (ja) 2002-01-29 2002-01-29 水中骨組構造物の施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3871937B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8517638B2 (en) 2009-12-02 2013-08-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Underwater structure, construction method therefor, and design method and renovation method of underwater-side structure

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4492146B2 (ja) * 2004-02-12 2010-06-30 Jfeスチール株式会社 上部構造物と杭との接合構造および接合方法
JP6814627B2 (ja) * 2016-12-22 2021-01-20 鹿島建設株式会社 放水路の施工方法、水中における曲部付管体の支持構造
CN107190735A (zh) * 2017-07-13 2017-09-22 中交武汉港湾工程设计研究院有限公司 基于深水条件下钢管桩水下平联施工装置及施工方法
CN109356021A (zh) * 2018-11-27 2019-02-19 中铁六局集团有限公司 水上临时支墩及其施工方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5080613A (ja) * 1973-11-21 1975-06-30
JP3423394B2 (ja) * 1994-02-08 2003-07-07 新日本製鐵株式会社 水中骨組構造物
JP3477339B2 (ja) * 1997-03-25 2003-12-10 三菱重工業株式会社 ジャケット構造物と杭との結合構造の作製方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8517638B2 (en) 2009-12-02 2013-08-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Underwater structure, construction method therefor, and design method and renovation method of underwater-side structure

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003221816A (ja) 2003-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9567720B2 (en) Offshore platform for a marine environment
CN108914931B (zh) 一种装配式竖向盾构环型基桩与施工方法
JP6762800B2 (ja) 既設杭基礎の補強工法及び補強構造
WO2015135471A1 (zh) 水上平台结构水底固定用空心筒墩及其安装施工方法
CN109339065B (zh) 一种深水裸露基岩密排桩支护施工承台的方法
JP3423394B2 (ja) 水中骨組構造物
KR101106219B1 (ko) 시트파일을 이용한 일괄설치형 수중 대구경 케이싱 가설구조물 및 그 시공방법
CN111501772A (zh) Smw工法桩结合注浆钢管支撑支护施工方法
JP4712456B2 (ja) 基礎補強工法
CN110359476A (zh) 一种钢板桩围堰内支撑与钻孔桩钢护筒安装用施工平台的施工方法
KR101256274B1 (ko) 조립케이슨 및 쟈켓을 이용한 알시디(rcd)공법
JP5825644B2 (ja) 桟橋構築方法
CN108570996B (zh) 浅水淤泥条件下筑坝围堰方法
JP3871937B2 (ja) 水中骨組構造物の施工方法
CN101392521A (zh) 嵌岩钢架码头结构及其施工方法
CN109024236A (zh) 一种钢栈桥及其施工方法
JP6477565B2 (ja) 既設鋼矢板壁の補強構造及び補強方法
CN110593258B (zh) 既有建筑桩基钢套管桩加固施工方法及加固结构
US3255591A (en) Horizontally stabilized foundation
KR20040039271A (ko) 교량 우물통 기초신설 및 기초보수 보강을 위한(철재형틀)슈가물막이 공법.
CN110258600A (zh) 一种适用于深水水域的立式围堰施工工法
CN210975801U (zh) 既有建筑桩基钢套管桩加固结构
JP3673158B2 (ja) 杭の埋設方法及び治具
CN112709252A (zh) 一种半水淹陡峻岩质边坡内的承台施工方法
CN219732049U (zh) 一种涉水砂卵石地层锁口钢管桩围堰施工结构

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060627

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060804

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20060818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061018

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3871937

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term