JP2014051490A - 入浴剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者に与える肌のなめらか感又はすべすべ感に優れるO/W型エマルションの入浴剤を提供すること。
【解決手段】本発明に係るO/W型エマルションの入浴剤は、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子からなる乳化剤を含む。閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子は、8nm以上500nm以下の平均粒子径を有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、入浴剤、特にO/W型エマルションの入浴剤に関する。
入浴は、身体を清潔にし、精神的にリラックスさせる効果を有する。かかる入浴に際し、芳香によるリラックス効果を得るため、また血行促進効果を増強する目的で種々の入浴剤が用いられている。
入浴剤には、一般に、入浴後の肌のなめらかさ感やすべすべ感を与える目的で、油性成分が配合される。そこで、O/W型エマルションの入浴剤が従来開発され、かかる入浴剤において、多様な油剤が安定に配合される等の目的で、種々の界面活性剤が使用されている(例えば、特許文献1〜2)。
特許4806601号公報 特許4814745号公報
しかし、従来のO/W型エマルションの入浴剤は、使用者に与える肌のなめらか感又はすべすべ感において、十分とはいえない。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、使用者に与える肌のなめらか感又はすべすべ感に優れるO/W型エマルションの入浴剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子からなる乳化剤を用いると、使用者に与える肌のなめらか感又はすべすべ感が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1) 自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子からなる乳化剤を含むO/W型エマルションの入浴剤。
(2) 前記閉鎖小胞体又は前記重縮合ポリマー粒子は、8nm以上500nm以下の平均粒子径を有する(1)記載の入浴剤。
(3) 油相は前記入浴剤に対して1質量%以上の量で含まれ、前記乳化剤は前記入浴剤に対して5質量%以下の量で含まれる(1)又は(2)記載の入浴剤。
(4) 前記閉鎖小胞体及び前記重縮合ポリマー粒子のいずれでもない両親媒性物質の量は、前記入浴剤に対して10質量%以下(ゼロも含む)である(1)から(3)いずれか記載の入浴剤。
本発明のO/W型エマルションの入浴剤は、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子からなる乳化剤を含むことで、使用者に与える肌のなめらか感又はすべすべ感を向上することができる。
本発明の一実施例に係る入浴剤を用いたときの角層水分量の変動を示すグラフである。 本発明の一実施例に係る入浴剤を用いたときの血流量の変動を示すグラフである。 本発明の一実施例に係る入浴剤を用いたときの下肢の表面温度の平均温度を示すグラフである。 本発明の一実施例に係る入浴剤を用いたときの下肢の表面温度の平均温度の変化比を示すグラフである。 本発明の一実施例に係る入浴剤を用いたときのケラチンに対する吸着性を示すグラフである。 本発明の一実施例に係る入浴剤を用いたときの皮膚に対する刺激性の予測を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を説明するが、これらに本発明が限定されるものではない。
本発明に係るO/W型エマルションの入浴剤は、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子からなる乳化剤を含む。閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子は、いずれも親水性の粒子であり、ファンデルワールス力によって水相と油相との界面に介在することで、乳化状態を維持する。この作用は、親水性部分及び疎水性部分をそれぞれ水相及び油相に向け、相間の界面張力を下げることで乳化状態を維持する界面活性剤(両親媒性物質)とは全く異なる。結果的に、閉鎖小胞体又は粒子のいずれでもない両親媒性物質を用いる入浴剤に比べ、本発明の入浴剤は、使用者に与える肌のなめらか感又はすべすべ感に優れる。
従って、O/Wエマルションは、水相と油相との界面に閉鎖小胞体及び/又は上記粒子が介在することで乳化状態を維持するものであることが好ましい。これにより、風呂水への入浴剤の投入後も、内相が十分に保護される。この状態は、入浴剤を原子間力顕微鏡(AFM)で観察することで確認される(例えば、特許第3855203号公報)。
また、従来の界面活性剤を用いた入浴剤(閉鎖小胞体又は粒子のいずれでもない両親媒性物質を用いた入浴剤)において、その使用感を強めるために油剤を増量する場合は、エマルション安定性や浴湯への分散性に対処するために、界面活性剤の量を増量する必要がある。しかし、界面活性剤の増量により、皮膚への刺激性や肌本来の保湿成分流出が発生する等の問題から、スキンケアに対応するものではない。つまり、従来のエマルション剤型の入浴剤では、製剤安定性、分散性、皮膚安全性及びスキンケア効果の両立することができなかった。しかし、本発明の入浴剤は、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子による上記乳化作用によって、閉鎖小胞体又は粒子のいずれでもない両親媒性物質を用いる入浴剤に比べ、すべすべ感等の使用感に加え、皮膚への吸着性、安全性、保湿性、分散性、スキンケア効果においても優れる。
更に、本発明の入浴剤は、本発明の上記乳化状態によって、閉鎖小胞体又は粒子のいずれでもない両親媒性物質を用いる入浴剤に比べ、使用者に与える温浴効果に優れる。
自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質としては、特に限定されないが、下記の一般式1で表されるポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導体、もしくは一般式2で表されるジアルキルアンモニウム誘導体、トリアルキルアンモニウム誘導体、テトラアルキルアンモニウム誘導体、ジアルケニルアンモニウム誘導体、トリアルケニルアンモニウム誘導体、又はテトラアルケニルアンモニウム誘導体のハロゲン塩の誘導体が挙げられる。
一般式1
Figure 2014051490
式中、エチレンオキシドの平均付加モル数であるEは、3〜100である。Eが過大になると、両親媒性物質を溶解する良溶媒の種類が制限されるため、親水性ナノ粒子の製造の自由度が狭まる。Eの上限は好ましくは50であり、より好ましくは40であり、Eの下限は好ましくは5である。
一般式2
Figure 2014051490
式中、R1及びR2は、各々独立して炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基であり、R3及びR4は、各々独立して水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、XはF、Cl、Br又はIである。
両親媒性物質としては、リン脂質やリン脂質誘導体等、特に疎水基と親水基とがエステル結合したものを採用してもよい。
リン脂質としては、下記の一般式3で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPC(1,2−Dilauroyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)、炭素鎖長14のDMPC(1,2−Dimyristoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)、炭素鎖長16のDPPC(1,2−Dipalmitoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)が採用可能である。
一般式3
Figure 2014051490
また、下記の一般式4で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPG(1,2−Dilauroyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH4塩、炭素鎖長14のDMPG(1,2−Dimyristoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH4塩、炭素鎖長16のDPPG(1,2−Dipalmitoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH4塩を採用してもよい。
一般式4
Figure 2014051490
更に、リン脂質として卵黄レシチン又は大豆レシチン等のレシチンを採用してもよい。
閉鎖小胞体又は粒子状の両親媒性物質は、皮膚への吸着性、安全性、保湿性、保湿持続性において特に優れるという点で、ジラウロイルグルタミン酸リシンNaを用いるのが好ましい。
水酸基を有する重縮合ポリマーは、天然高分子又は合成高分子のいずれであってもよく、乳化剤の用途に応じて適宜選択されてよい。ただし、安全性に優れ、一般的に安価である点で、天然高分子が好ましく、乳化機能に優れる点で以下に述べる糖ポリマーがより好ましい。なお、粒子とは、重縮合ポリマーが単粒子したもの、又はその単粒子同士が連なったもののいずれも包含する一方、単粒子化される前の凝集体(網目構造を有する)は包含しない。
糖ポリマーは、セルロース、デンプン等のグルコシド構造を有するポリマーである。例えば、リボース、キシロース、ラムノース、フコース、グルコース、マンノース、グルクロン酸、グルコン酸等の単糖類の中からいくつかの糖を構成要素として微生物が産生するもの、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、フコイダン、クインシードガム、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、カードラン、ジェランガム、フコゲル、カゼイン、ゼラチン、デンプン、コラーゲン等の天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、セルロース結晶体、デンプン・アクリル酸ナトリウムグラフト重合体、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキシド等の合成高分子が挙げられる。
水酸基を有する重縮合ポリマーは、皮膚への吸着性、安全性に優れるという点で、ヒドロキシプロピルメチルセルロース誘導体を用いるのが好ましい。
閉鎖小胞体及び粒子は、エマルション形成前では平均粒子径8nm〜800nm程度であるが、O/Wエマルション構造においては平均粒子径8nm〜500nm程度である。なお、両親媒性物質の閉鎖小胞体及び水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子は、一方のみが含まれても、双方が含まれてもよい。双方が含まれる場合には、例えば、別々に乳化したエマルションを混合してよい。閉鎖小胞体及び上記粒子の平均粒子径は、原子間力顕微鏡(AFM)画像を解析して求められる。
閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子の量は、油相の量に応じて適宜設定されてよく、特に限定されないが、合計で0.0001〜5質量%であってよい。これにより、入浴剤の使用前における乳化状態を良好に維持することができる。従来の界面活性剤と異なり、閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子は、優れた乳化特性を有するため、5質量%以下(具体的には、4質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1.0質量%以下、0.75質量%以下)という少量でも、投入後の湯の汚れや油浮き等を十分に抑制することができる。
ただし、投入後の湯の汚れや油浮き等を抑制できる点では、閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子は、入浴剤に対して0.001質量%以上の量で含まれることが好ましい。これにより、入浴剤の使用前における乳化に必要な量を超えた量の乳化剤が存在し、かかる過剰な乳化剤が湯の汚れを効率的に乳化分散するものと推測される。より好ましくは、閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子の量は、入浴剤に対して0.01質量%以上である。なお、上記量は、いずれも固形分含量である。
内相は、乳化物に求められる性能に応じ、種々の油性成分を含んでもよい。
流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素系油剤;オクタン酸セチル、アジピン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル系油剤;米胚芽油、オリーブ油、ホホバ油、大豆油、アーモンド油、ヒノキ油、桂皮油、ひまし油、ヤシ油、ラベンダー油、ユーカリ油、ローズ油、セージ油等の植物油が含まれ、少なくとも1種以上の炭化水素系の液状油を含むことが好ましい。なお、上記油性成分は、1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子は、乳化性能に極めて優れる。このため、入浴剤における油相の量は、0.1〜95質量%の範囲から幅広く選択することができ、必要とされる特性の発揮に望まれる成分の性質(水溶性、油溶性、水又は油への溶解度)及び量等に応じて、適宜選択されてよい。
特に、本発明の入浴剤では、油相が入浴剤に対して1重量%以上、好ましくは50質量%以上という相応量で含まれ、乳化剤が入浴剤に対して5質量%以下、1質量%以下、特に0.01質量%以下という少量で含まれる場合でも、十分な乳化性を発揮することができる。
閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子は、乳化性能に極めて優れる。このため、入浴剤における水の量は、4.5〜95質量%の範囲から幅広く選択することができ、必要とされる特性の発揮に望まれる成分の性質(水溶性、油溶性、水又は油への溶解度)及び量等に応じて、適宜選択されてよい。
本発明の入浴剤には、上記成分以外に、生薬/植物エキス/ビタミン類等の薬効成分、多糖/蛋白/アミノ酸/酵素類、アルコール類、水溶性高分子類、香料、染料/色素/顔料等を配合することができる。
生薬/植物エキス/ビタミン類としては、ソウジュツ、ビャクジュツ、カノコソウ、ケイガイ、コクボク、センキュウ、橙皮、トウキ、ショウキョウ末、ニンジン、ケイヒ、シャクヤク、ハッカ葉、オウゴン、サンシン、ブクリョウ、ドクカツ、ショウブ、ガイヨウ、マツブサ、ビャクシ、ジュウヤク、リュウノウ、サフラン、オウバクエキス、チンピ、ウイキョウ、カンピ末、カミツレ、アロエ、アロエベラ、メリッサ、ローズマリー、マロニエ、西洋ノコギリ草、米糠エキス、オニオンエキスやガーリックエキス、アルニカ、ビタミンA、B、C、D、E、F、K等が挙げられる。
多糖/蛋白/アミノ酸/酵素類としては、澱粉、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、キチン、キトサン等の多糖類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のムコ多糖類、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、ヒブロイン、カゼインやその誘導体、アラニン、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、スレオニン等のアミノ酸、セルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等の酵素類、セラミドや核酸(DNA、RNA)等が挙げられる。
アルコール類としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、(イソ)ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール等が挙げられる。
水溶性高分子類としては、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
香料としては、各種精油、例えばジャスミン、カモミル、ネロリ、はっか、レモン、ペルペナ、シトロネラ、カヤプテ、サルピア、タイム、ローズマリー、ヒソップ、ページル、ペリラ、マジョラム、ローレル、ジュニパーベリー、ナッツメグ、ジンジャー、オニオン、ガーリック、ベルガモット、クラリーセージ、ペパーミント、ジャスミン、プチグレン、ナッツメグ、シナモン、クローブ、メース、オレンジ、樟脳、アルテミジア、サルビア、サンダルウッド油、コスタス油、ラブダナム油等、蟻酸、酢酸、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸エステル、亜硝酸アミル、トリメチルシクロヘキサノール、アリルサルファイド等の覚醒用香料や、ノニルアルコール、デシルアルコール、フェニルエチルアルコール、炭酸メチル、炭酸エチル等の催眠用香料や、フェニル酢酸エステル、グアヤコール、インドール、クレゾール、チオフェノール、p−ジクロロベンゼン、p−メチルキノリン、イソキノリン、ピリジン、カンファー、メルカプタン、アンモニア、硫化水素等の食欲抑制用香料や、カルボン、エストラゴール、エレモール等の食欲促進用香料や、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、ロジノール等の不安解消・抗うつ用香料や、その他の香料として、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、ヒドロキシシトロネラール、アブシンス油酢酸、アンバー、ムスク、α−ピネン、リモネン、サリチル酸メチル、テルペン系化合物等が挙げられる。
染料/色素/顔料類としては、赤色106号、赤色2号、黄色4号、緑色3号、青色1号、赤色213号、橙色205号、黄色202号の1、緑色204号、青色2号等の厚生省令タール色素別表I及びIIの色素、クロロフィル、リボフラビン、アンナット、カンタキサンチン、クロシン、コチニール、べにばな、アントラキノン等の食品添加剤として認められる天然色素や酸化チタン、酸化亜鉛、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄(ベンガラ)、黒色酸化鉄、群青等の無機顔料が挙げられる。
本発明の入浴剤は、酸性からアルカリ性まで液性を問わず、用途に応じた液性であってもよい。例えば、老化角質の剥離を促す場合、アルカリ性入浴剤として用いるのが好ましい。別の観点で、殺菌目的の酸性入浴剤、角質膨潤によるアミノ酸類等のNMF(Natural Moisturizing Factor)や細胞間脂質の流出を抑制するための弱酸性入浴剤として用いる場合や、皮膚への刺激性の点においては弱酸性であるのが好ましく、具体的にpHが4〜7であってよい。また、入浴剤の粘度は、投入のしやすさ、分散性の点で、10〜50000mPa・sや10〜2000mPa・sであってもよく、より具体的には20〜20000mPa・s、20〜1000mPa・sであってよい。
従来の界面活性剤(閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子のいずれでもない両親媒性物質)は、皮膚を被覆し、水分や入浴剤中の有効成分が体内へと浸透するのを抑制すると推測される。また、従来の界面活性剤は、その配合量が多いと親水性が高いため浴湯への局在性が高くなり皮膚へ配向せず、更に皮膚へ配向しても油剤を内包したまま皮膚吸着性や皮膚親和性を維持できないばかりか返って皮膚刺激性の懸念が高まる。これに対し、閉鎖小胞体及び重縮合ポリマー粒子は、配合量が多くても浴湯への局在性や皮膚配向性に影響せず、また油剤を内包したまま皮膚へ吸着できるため、皮膚刺激性の懸念なく皮膚親和性が期待できる。或いは、親水性部分を外側に有するため、疎水性である皮膚を被覆して水分や入浴剤中の有効成分が体内へと浸透するのを抑制するということが想定されにくいとも推測される。このため、従来の界面活性剤の量は少ないことが好ましく、具体的には入浴剤に対して10質量%以下、5質量%以下、1質量%以下、好ましくは実質的にゼロ(迂回目的等による効果に有意差を生じない僅少量を含む)である。
このような界面活性剤としては、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン性界面活性剤;グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤;並びに各種のカチオン性界面活性剤や両性界面活性剤が挙げられる。
入浴剤は、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマー粒子を含む分散液と、油性成分(ベースオイルと、油溶性の任意成分とを含む)と、を混合してO/W型エマルションを形成することで調製することができる(工程自体については、特許第3855203号参照)。水溶性の任意成分は、混合前の分散液に添加してもよく、混合後のエマルションに添加してもよい。
<実施例1>
0.5質量%ヒドロキシプロピルメチルセルロース誘導体及び3質量%ペンタンジオールの溶液と、1質量%カルボキシビニルポリマー溶液から重縮合ポリマー粒子の分散液を調製した。この分散液に、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、スクワラン及びミリスチン酸オクチルドデシルを添加し、撹拌し、その後、フェノキシエタノール及び1%NaOH溶液を加えて、入浴剤を調製した。なお、この入浴剤を原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ、8nm以上500nm以下の平均粒子径を示す粒子群が存在し、油相と水相との間に介在することが確認された。
(比較例1)
0.5質量%ヒドロキシプロピルメチルセルロース誘導体及び3質量%ペンタンジオールと、1質量%カルボキシビニルポリマー溶液とを分散させた後、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、スクワラン及びミリスチン酸オクチルドデシルを添加し、撹拌し、その後、フェノキシエタノール及び1%NaOH溶液を加えて、入浴剤を調製した。なお、この入浴剤を原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ、8nm以上500nm以下の平均粒子径を示す粒子群は存在しなかった。
なお、実施例1及び比較例1における各成分の配合量は、表1に示す通りである。
Figure 2014051490
(評価)
実施例1及び比較例1の入浴剤0.8mLを、8Lのぬるま湯(37±2℃)に溶解した。両腕の前腕部を水洗した被験者(女性3名、男性2名)に、一方の腕を実施例、他方の腕を比較例の入浴剤を溶解した湯に、5分間に亘って浸し、その後、両腕を湯から出し、タオルドライした。その後、被験者は、水洗した後の指先で前腕部を触り、使用感、肌のなめらか感及び肌のすべすべ感について、5段階で評価した。また、上記湯における入浴剤の溶解状態、並びに翌日まで放置した後の湯における汚れ及び油浮きについても、5段階で上記被験者が評価した。なお、点数は、2:(良い)、1(やや良い)、0(どちらとも言えない)、−1(やや悪い)、−2(悪い)である。
この結果を表2〜5に示す。また、各項目について、実施例と比較例のいずれが優れていたかについて、被験者が評価した結果を、表6に示す。
Figure 2014051490
Figure 2014051490
Figure 2014051490
Figure 2014051490
Figure 2014051490
表2〜6に示されるように、実施例1の入浴剤は、比較例1の入浴剤に比べ、使用者に与える肌のなめらか感及びすべすべ感に優れていた。それに加え、実施例1の入浴剤は、入浴剤の湯への、分散性、溶解性、使用感、残り湯の汚れ及び油浮きの点でも、優れていることが分かった。実施例1の入浴剤は、成分及びその配合量の点では比較例1の入浴剤と同一であることから、上記優位性は、実施例1にのみ確認されたポリマー粒子(具体的には、8nm以上500nm以下の平均粒子径を有する粒子)に起因すると考えられる。
<実施例2>
0.5質量%ヒドロキシプロピルメチルセルロース誘導体及び3質量%ペンタンジオールの溶液から重縮合ポリマー粒子の分散液を調製した。この分散液に、「マーコールN72」(炭化水素系溶媒)と米胚芽油を添加し、撹拌して、入浴剤を調製した。なお、この入浴剤を原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ、8nm以上500nm以下の平均粒子径を示す粒子群が存在し、油相と水相との間に介在することが確認された。
(比較例2)
0.5質量%ヒドロキシプロピルメチルセルロース誘導体及び3質量%ペンタンジオールの溶液に代わりに、従来の界面活性剤であるジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル及びペンタンジオールを用いた点を除き、実施例2と同様の手順で入浴剤を調製した。なお、この入浴剤を原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ、8nm以上500nm以下の平均粒子径を示す粒子群は存在しなかった。
なお、実施例2及び比較例2における各成分の配合量は、表7に示す通りである。
Figure 2014051490
(評価1)
実施例1における評価と同様の手順で、被験者(女性4名、男性2名)に、使用者に与える肌のなめらか感、肌のすべすべ感及び肌の保湿感について評価を行った結果を、表8及び9に示す。また、各項目について、実施例と比較例のいずれが優れていたかについて、被験者が評価した結果を、表10に示す。
Figure 2014051490
Figure 2014051490
Figure 2014051490
表8〜10に示されるように、実施例2の入浴剤は、比較例2の入浴剤に比べ、使用者に与える肌のなめらか感、すべすべ感及び肌の保湿感に優れていた。実施例2の入浴剤は、乳化剤を除く成分及びその配合量の点では比較例2の入浴剤とほぼ同一であることから、上記優位性は、乳化が、実施例2にのみ確認されたポリマー粒子(具体的には、8nm以上500nm以下の平均粒子径を有する粒子)によって行われたことに起因すると考えられる。これは、界面活性剤によるO/Wエマルションでは油剤が皮膚よりも浴湯に局在しやすい、又は皮膚に配向しても油剤を内包した乳化状態のまま皮膚に吸着できず油剤を供与できない一方、ポリマー粒子によるO/Wエマルションでは油剤を内包した乳化状態のまま皮膚に吸着し油剤を供与した結果が保湿感に現れたものと推察する。
(評価2)
評価1にて実施例1が保湿感に優れたことから、この現象を一般化するべく角質水分量と温浴効果増強の根拠として皮膚血流量の測定にて評価した。具体的には、以下の手順により、被験者の角層水分量を、前腕部について、「SKICON−200EX」(IBS社)を用いて測定し、皮膚血流量を、手の中指について、「PeriScan PIM−3」(PeriMed社)を用いて測定した。
被験者(男性4名、女性5名、平均年齢27.3±3.5歳)に手及び前腕部を洗浄させた後、測定室にて15分間訓化させた。その後、被験者の腕を、実施例2及び比較例2を溶解した湯(湯は測定者、被験者以外のものが調製し、実施例2又は比較例2のいずれの入浴剤かは、測定者、被験者には伝えなかった)に5分間浸させたうえで、両腕を湯から出し、タオルドライした。その後、5分、15分、30分後に、角層水分量及び皮膚血流量を測定した。この試験を、日を空けて、前回用いなかった入浴剤を用いて、再度行った。この結果を表11及び12、並びに図1及び2に示す。なお、表11及び12において、「*」及び「**」は、同じ測定時点における実施例2及び比較例2の測定値の差が、対応のあるt検定により5%未満、1%未満で有意差ありと判断されたことを示す。
角層水分量の測定値
Figure 2014051490
皮膚血流量の変化値
Figure 2014051490
表11及び12、並びに図1及び2に示されるように、実施例2の入浴剤は、比較例2の入浴剤に比べ、角層水分量及び皮膚血流量の上昇、及びその持続において優れていると考えられる。実施例2の入浴剤は、乳化剤以外の成分及びその配合量の点では比較例2の入浴剤と同一であることから、上記優位性は、乳化が、実施例2にのみ確認されたポリマー粒子(具体的には、8nm以上500nm以下の平均粒子径を有する粒子)によって行われたことに起因すると考えられる。これは、界面活性剤によるO/Wエマルションでは油剤が皮膚よりも浴湯に局在しやすい、又は皮膚に配向しても油剤を内包した乳化状態のまま皮膚に吸着できず油剤を供与できない一方、ポリマー粒子によるO/Wエマルションでは油剤を内包した乳化状態のまま皮膚に吸着し油剤を供与した結果が角質水分量の増大および皮膚血流量の上昇および持続に現れたものと推察する。特に、前腕という部分的評価では、浸漬後の水分蒸散と気化熱による皮膚温と皮膚血流量の低下を生じることが、比較例2の経時的な皮膚血流量低下に現れている一方、実施例1で持続が見られたことから油剤を皮膚に均一に吸着し被覆したことで保温効果を発揮したものと推察する。
(実施例3、4、比較例3、4)
自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質として、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(実施例3)、又はレシチン(実施例4)を用い、閉鎖小胞体の分散液を調製し、表13に示す処方の通りに、入浴剤を調製した。また、界面活性剤であるポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20E.O.)を用い、分散液を調製し、表13に示す処方の通りに、入浴剤を調製した(比較例3)。更に、実施例4と同様に、レシチンを用い、閉鎖小胞体を形成せずに分散液を調製し、表13に示す処方の通りに、入浴剤を調製した(比較例4)。なお、以下の評価3を行うために、基準として水のみからなるさら湯を対照として併せて準備した。
Figure 2014051490
(評価3)
評価2にて、実施例1が保温効果に優れたことから、この現象を血管構造からみて気化熱による皮膚温低下の影響が小さい下肢における皮膚温測定にて評価した。まず、お湯13Lに対して、実施例3、4、比較例3、4、対照の入浴剤をそれぞれ3.9ml配合した。入浴剤毎に被験者を準備し、それぞれの入浴剤を溶かしたお湯(温度:40℃、湯量13L)に、被験者の下肢部(ひざ下〜足先まで)を5分間浸した。タオルドライで下肢部を乾かした後、各被験者を測定室で安静に過ごさせ、それぞれの表面温度を経時的に測定した。測定は、足浴の終了時から1分後、3分後、5分後、10分後、20分後に行った。その際の各被験者のすね部分の表面温度の平均温度を表14及び図3、その平均温度の変化比を表15及び図4に示す。なお、被験者は、健常成人女性とした。また、表15中の数値は、足浴前の温度に対する、足浴終了時から1分後、3分後、5分後、10分後、20分後の各温度の比を示す。
Figure 2014051490
Figure 2014051490
表14及び15、並びに図3及び4に示されるように、比較例3、4または対照の入浴剤を用いた場合、足浴終了時から20分経過後には皮膚温は足浴前と同程度または足浴前よりも低い温度まで低下したのに対し、実施例3、4の入浴剤を用いた場合には足浴終了時から20分経過後であっても皮膚温は依然として足浴前よりも高い温度に保たれていた。このことから、実施例3、4の入浴剤は入浴後も長時間にわたって皮膚温を高い状態のまま維持することができ、保温効果に優れることが確認された。これは、比較例3は界面活性剤を用い、比較例4のレシチンは閉鎖小胞体を形成しなかったことから、実施例3、4の閉鎖小胞体によって乳化が行われたことに起因すると考えられる。
(実施例5〜7、比較例5〜7)
自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質として、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(実施例5)、ジステアリン酸デカグリセリル(実施例6)を用い、閉鎖小胞体の分散液を調製し、表16に示す処方の通りに、入浴剤を調製した。水酸基を有する重縮合ポリマーとして、ヒドロキシプロピルメチルセルロース誘導体を用い、その粒子の分散液を調製し、表16に示す処方の通りに入浴剤を調製した(実施例7)。実施例6と同様に、ジステアリン酸デカグリセリルを用い、閉鎖小胞体を形成せずに分散液を調製し、表16に示す処方の通りに、入浴剤を調製した(比較例5)。実施例7と同様に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース誘導体を用い、ヒドロキシプロピルメチルセルロース誘導体を粒子化せずに分散液を調製し、表16に示す処方の通りに、入浴剤を調製した(比較例6)。更に、界面活性剤であるポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20E.O.)を用い、分散液を調製し、表16に示す処方の通りに、入浴剤を調製した(比較例7)。なお、以下の評価4〜7を行うために、乳化剤を含まない入浴剤を対照として併せて準備した。
Figure 2014051490
(評価4)
評価1〜3では、実使用における保湿、保温、温浴効果を実施例にて確認した。これらの効果は入浴剤の皮膚への吸着性が根拠の一つと考えられる。肌への吸着性を評価するために、実施例5〜7、比較例5〜7、対照の入浴剤と、肌を想定してケラチンパウダーとを用い、以下の手順により、各入浴剤の吸着性について評価した。まず、実施例5〜7、比較例5〜7、対照の入浴剤をそれぞれ5質量%の水溶液に調製した。各水溶液を30gずつ用い、ケラチンパウダー0.1gを加えたものと加えないものを準備した。30分後、各水溶液を10倍希釈して各水溶液の上澄の濁度(OD600:波長600nmの光で検出した濁度)を測定した。その測定値から、ケラチンパウダーを加えた各水溶液と、ケラチンパウダーを加えていない各水溶液との濁度の差を算出した。その結果を表17及び図5に示す。なお、表17中の「吸着性の評価」の項目における数値及び図5の縦軸の数値は、ケラチンパウダーを加えた各水溶液と、ケラチンパウダーを加えていない各水溶液との濁度(OD600)の差を示す。また、表17中の「吸着性の評価」の項目における+は、吸着性があることを示し、−はケラチンからのアミノ酸等のケラチン構成物質の溶出又は分解があったものと推察されることを示す。
(評価5)
人体でのタンパク変性は、皮膚の障害(肌荒れ、湿疹等)を引き起こす一因である。そこで、人体を卵白に置き換え、実施例5〜7、比較例5〜7の入浴剤が卵白中のタンパク質に及ぼす作用を調査し、人体への刺激性を予測するために、以下の手順でタンパク質変性評価試験(刺激性の予測)を行った。まず、実施例5〜7、比較例5〜7、対照の入浴剤をそれぞれ5質量%水溶液とし、各水溶液5gと、卵白5gとを混合し、室温で1時間保持した。その後、2000gで10分間遠心分離し、生じた固形物質の内、処方中の油分を上方に、変性タンパク質量を、下方沈殿として分離し、沈殿度合いを遠沈管中の沈殿の短・長辺の目視確認にて数値化し、対照を基準に算出した。その結果を表17及び図6に示す。なお、表17中の「刺激性の予測」の項目における数値と、図6の縦軸の数値は、遠沈管中の沈殿を取り出し、高さを一定として平面状に広げた際の短辺(mm)と長辺(mm)との積(mm)、つまり、沈殿の体積に比例する数値であり、沈殿の量を表す。
(評価6)
入浴剤の皮膚への保湿持続性は、入浴剤の皮膚への親和性、すなわち、肌なじみの結果もたらされると考えられる。以下の手順で実施例5、6、比較例7の入浴剤の皮膚への保湿性、親和性及び保湿持続性を角質状態(保水され膨潤した状態や油剤が補給されたことによるツヤの状態)から目視評価した。まず、実施例5、6、比較例7の入浴剤をそれぞれ5質量%水溶液に調製した。各水溶液800μlを4cm四方のコットンに含ませ、被験者の前腕内側に貼付した。貼付してから20分経過後、コットンを剥離し、剥離直後及び剥離後30分後における貼付部の角質を観察し、官能評価を行った。観察は、マイクロスコープ175倍の拡大観察を用いて行い、肌のキメの状態から保湿性、親和性及び保湿持続性を推察した。その結果を表17に示す。
なお、表17中の評価項目の意味は以下の通りである。また、表17中の「ND(No Data)」は、評価を行っていないことを意味する。

(吸着性の評価)
+++ : 基準(対照)より非常に優れている
++ : 基準(対照)より優れている
+ : 基準(対照)よりやや優れている
± : 基準(対照)と同等である
− : 基準(対照)よりやや劣っている
−− : 基準(対照)より劣っている
−−− : 基準(対照)より非常に劣っている

(刺激性の予測)
+ : 基準(対照)より刺激性が強い
± : 基準(対照)と刺激性が同程度である
− : 基準(対照)より刺激性が弱い

(皮膚への保湿性及び親和性)
++++ : 保湿性があり、親和性もある
+++ : 保湿性があり、やや親和性もある
++ : 保湿性があるが、親和性がない
+ : やや保湿性があるが、親和性がない
± : 保湿性がなく、親和性もない
(評価7)
上記評価6において、皮膚を観察する際に、角質の目視観察及び官能評価によって、各入浴剤の皮膚への安全性評価を行った。その結果を表17に示す。
Figure 2014051490
表17、図5及び6に示されるように、実施例5〜7の入浴剤、特に実施例5の入浴剤は、比較例5〜7の入浴剤に比べ、肌への吸着性、安全性に優れることが確認された。更に、実施例5、6の入浴剤は、比較例7の入浴剤に比べ、皮膚への保湿性、安全性に優れることが確認された。特に、実施例5の入浴剤は、保湿持続性にも優れることが確認された。これらの結果より、両親媒性物質の閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子からなる乳化剤を用いた入浴剤は、閉鎖小胞体を形成していない両親媒生物質、粒子化されていない重縮合ポリマー、界面活性剤を用いた入浴剤と比較して、皮膚への吸着性、安全性、保湿にも優れていることが示唆された。特に、ジラウロイルグルタミン酸Naの閉鎖小胞体を用いた入浴剤は、これらの全ての面で優れることが示唆された。

Claims (4)

  1. 自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子からなる乳化剤を含むO/W型エマルションの入浴剤。
  2. 前記閉鎖小胞体又は前記重縮合ポリマー粒子は、8nm以上500nm以下の平均粒子径を有する請求項1記載の入浴剤。
  3. 油相は前記入浴剤に対して1質量%以上の量で含まれ、前記乳化剤は前記入浴剤に対して5質量%以下の量で含まれる請求項1又は2記載の入浴剤。
  4. 前記閉鎖小胞体及び前記重縮合ポリマー粒子のいずれでもない両親媒性物質の量は、前記入浴剤に対して10質量%以下(ゼロも含む)である請求項1から3いずれか記載の入浴剤。
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