JP2014046443A - 産業用ロボットのケーブル処理構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】手首部の動きに追従したケーブルのスムーズな動きを阻害せずに、周囲機器との干渉の問題の解消に寄与する。
【解決手段】上部アーム10の外側に沿って手首部11のブラケット12までケーブル20が配索されたロボットにおいて、上部アーム10の外側面の先端側に上下方向の遊動空間を有するケーブル支持枠31が設けられ、このケーブル支持枠31の遊動空間に、長手方向基端部51が上部アーム10に固定されると共に長手方向先端部53が手首部11のブラケット12に固定されたコイルスプリングよりなる伸縮自在の筒状ガイド50の長手方向中間部52が上下方向スライド自在且つ上部アームの左右幅方向に移動を拘束された状態で挿通され、筒状ガイド50の中にケーブル20が長手方向スライド自在に挿通されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、産業用ロボットのロボットアームの外側に沿って配索されたケーブルの処理構造に関するものである。
ロボットアームの基端側からロボットアームの先端に取り付けられた作業用ハンド等の可動部まで、ロボットアームの外側に沿ってケーブルが配索されていて、ロボットアームや可動部の動きにケーブルが追従するように構成された産業用ロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ロボットアームやハンドの動きに対する追従性を良くするために、ロボットハンド用のケーブルとして、メカトロコイルチューブ(ケーブル自体にコイルスプリング状の巻き癖が付けられたもの)と呼ばれる柔軟性と伸縮性を兼ね備えたケーブルが使われている例も多くある。
一方、ロボットアームに沿って配索したケーブルの過剰な動きを規制するために、ケーブルの外側をカバー状の部材で覆った例も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−224689号公報 特開2012−61565号公報
前記特許文献1に記載の例のように、ロボットアームの外側にケーブルを配索している場合、ケーブルがロボットアームやハンド等の可動部の動きに従って自由に動くので、動き方によっては、周囲機器にケーブルが干渉する問題が起こりやすい。例えば、ベンダーの刃間などの狭小エリアにロボットアームを挿入するような場合、ハンド用のケーブルが周囲機器と干渉するおそれが多い。そのため、それを防ぐようにロボットアームやハンドの動きを制限せざるを得ないことがあった。
また、ロボットハンド用のケーブルとしてメカトロコイルチューブを使用している場合は、ロボットアームやハンドの動きに対する追従性は向上するものの、周囲機器との干渉の問題が大きくなることがあった。
また、前記特許文献2に記載の例のように、ケーブルの外側をカバー状の部材で覆った場合は、ケーブルの動く範囲を規制することができるので、周囲機器との干渉の問題の解消に役立つ。しかしながら、単純にケーブルの外側をカバー状の部材で覆っただけでは、ケーブルのスムーズな動きを阻害するおそれがあった。
本発明は、上記事情を考慮し、ロボットアームやその先端に取り付けられたハンド等の可動部の動きに追従したケーブルのスムーズな動きを阻害せずに、周囲機器との干渉の問題の解消に役立ち、これにより、ロボットアームや可動部の動きに特別な制限を設けないですむようにした産業用ロボットのケーブル処理構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ロボットアームの先端に作業用の可動部が設けられると共に、前記ロボットアームの外側に沿って該ロボットアームの基端側から前記可動部に向けてケーブルが配索され、前記ロボットアームの動き並びに前記可動部の動きに前記ケーブルが追従して動くように構成された産業用ロボットのケーブル処理構造において、前記ロボットアームの外側面の先端側に上下方向の遊動空間を有するケーブル支持枠が設けられ、該ケーブル支持枠の遊動空間に、長手方向基端部が前記ロボットアームに固定されると共に長手方向先端部が前記可動部に固定されたコイルスプリングよりなる伸縮自在の筒状ガイドの長手方向中間部が上下方向スライド自在且つ前記ロボットアームの左右幅方向に移動を拘束された状態で挿通され、該筒状ガイドの中に前記ケーブルが長手方向スライド自在に挿通されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、コイルスプリングよりなる筒状ガイドの中にケーブルがスライド自在に挿通されているので、ケーブルは筒状ガイド(コイルスプリング)により保護された状態で、ロボットアームや可動部の動きにスムーズに追従する。この際、筒状ガイドはコイルスプリングにより構成されているので、可動部の動きに伴って自在に伸縮し、これにより、筒状ガイド部材の中に通されたケーブルは、一定の位置で引っ張られたり押し戻されたりするようになり、余分な弛みや曲がりをケーブル途中に発生することがなくなる。また、筒状ガイドの中間部がケーブル支持枠の遊動空間内で上下にスライドするようになっているので、筒状ガイドやケーブルの上下方向の動作範囲を規制しながら、最短の経路でケーブルを案内することができるようになる。また、ケーブル支持枠による拘束作用により、筒状ガイドやその中に挿通されたケーブルの上下方向及びロボットアームの左右幅方向の動きが規制されることになり、これにより、ケーブルが周囲機器と干渉するおそれのある領域を小さく限定することができるようになる。このため、ロボットアームや可動部の動きに、ケーブルと周囲機器との干渉を避けるための制限を特に設けなくてよくなる。
本発明の実施形態のケーブル処理構造を採り入れた産業用ロボットの先端側の構成を示す側面図である。 同ロボットにおいて、手首部を下方に曲げてハンド部を旋回させた場合のケーブルとコイルスプリング(筒状ガイド)の動きを説明するための側面図である。 同ロボットにおいて、手首部を水平姿勢となる位置に持ち上げた場合のケーブルとコイルスプリング(筒状ガイド)の動きを説明するための側面図である。 同ロボットにおいて、手首部を図3の位置より更に上方に持ち上げた場合のケーブルとコイルスプリング(筒状ガイド)の動きを説明するための側面図である。 図2のX矢視図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は実施形態のケーブル処理構造を採り入れた産業用ロボットの先端側の構成を示す側面図、図2は手首部を下方に曲げてハンド部を旋回させた場合のケーブルとコイルスプリング(筒状ガイド)の動きを説明するための側面図、図3は手首部を水平姿勢となる位置に持ち上げた場合のケーブルとコイルスプリング(筒状ガイド)の動きを説明するための側面図、図4は手首部を図3の位置より更に上方に持ち上げた場合のケーブルとコイルスプリング(筒状ガイド)の動きを説明するための側面図、図5は図2のX矢視図である。
このロボットは垂直多関節ロボット1であり、固定部(図示略)と、固定部に軸支されて垂直軸回りに旋回する旋回部(図示略)と、旋回部に軸支されて前後方向の揺動する下部アーム5と、下部アーム5に軸支されて上下方向に揺動する上部アーム(ロボットアーム)10と、上部アーム10の先端に取り付けられて上下方向(矢印C方向)に回動自在とされた手首部(可動部)11と、手首部11のブラケット12に取り付けられて矢印D方向に旋回自在とされたハンド部13と、からなる。
ケーブル20は、固定部、旋回部、下部アーム5、上部アーム10の外側に沿って配索され、手首部11のブラケット12に至る。ケーブル20は、上部アーム10の基端側から上部アーム10の先端側を経て、手首部11のブラケット12に向けて配索されており、上部アーム10の動きや手首部11やハンド部13の動きに追従して動くように構成されている。
上部アーム10の外側面の先端側と基端側には、先端側ケーブル支持枠31と基端側ケーブル支持枠32とがそれぞれ取り付けられている。先端側ケーブル支持枠31には、図5に示すように、上下方向の遊動空間31aが設けられている。
上部アーム10を含めたケーブル20の先端側は、コイルスプリングよりなる長手方向(図中矢印A方向)伸縮自在の筒状ガイド50の中に長手方向スライド自在に挿通されている。筒状ガイド50は、長手方向中間部52が先端側ケーブル支持枠31の遊動空間31aに上下方向(図中矢印B方向)スライド自在且つ上部アーム10の左右幅方向に移動を拘束された状態で挿通されている。また、筒状ガイド50の長手方向基端部51は基端側ケーブル支持枠32により上部アーム10の基端側に固定され、筒状ガイド50の長手方向先端部53は手首部11のブラケット12に固定されている。
次に作用を説明する。
まず、図1に示すように、手首部11を下方に向けた状態のときは、ケーブル20にある程度の引っ張り力が作用することになるので、コイルスプリングよりなる筒状ガイド50は、多少長さを伸ばしながら先端側ケーブル支持枠31の遊動空間31aの中で下側に移動する。
また、図2に示すように、手首部11が下方を向いている状態でハンド部13を旋回させると、その動きに従ってケーブル20が更に引っ張られることになるので、コイルスプリングよりなる筒状ガイド50が長く伸びる。
また、図3に示すように、手首部11を水平姿勢となる位置まで持ち上げた場合は、ケーブル20に押し戻し力が作用することになるので、コイルスプリングよりなる筒状ガイド50は、短く縮みながら先端側ケーブル支持枠31の遊動空間31aの中で上側に移動する。
また、図4に示すように、手首部11を更に持ち上げた場合は、ケーブル20に引っ張り力が作用することになるので、コイルスプリングよりなる筒状ガイド50は伸びながら先端側ケーブル支持枠31の遊動空間31aの中で上側に移動する。
以上のように筒状ガイド50やケーブル20が、手首部11やハンド部13の動きに伴って動く際に、筒状ガイド50の中にケーブル20がスライド自在に挿通されているので、ケーブル20は筒状ガイド(コイルスプリング)50により保護された状態で、手首部11及びハンド部13の動きにスムーズに追従する。
この場合、筒状ガイド50はコイルスプリングにより構成されているので、手首部11やハンド部13の動きに伴って自在に伸縮し、それにより、筒状ガイド50の中に通されたケーブル20は、一定の位置で引っ張られたり押し戻されたりするようになり、余分な弛みや曲がりをケーブル途中に発生することがなくなる。
また、筒状ガイド50の中間部が先端側ケーブル支持枠31の遊動空間31a内で上下にスライドするようになっているので、筒状ガイド50やケーブル20の上下方向の動作範囲を規制しながら、最短の経路でケーブル20を案内することができるようになる。
また、先端側ケーブル支持枠31による拘束作用により、筒状ガイド50やその中に挿通されたケーブル20の上下方向及び上部アーム10の左右幅方向の動きが規制されることになり、それにより、ケーブル20が周囲機器と干渉するおそれのある領域を小さく限定することができるようになる。そのため、手首部11やハンド部13の動きに、ケーブル20と周囲機器との干渉を避けるための制限を特に設けなくてよくなる。
1 垂直多関節ロボット
10 上部アーム(ロボットアーム)
11 手首部(可動部)
20 ケーブル
31 先端側ケーブル支持枠
50 コイルスプリングよりなる筒状ガイド
51 長手方向基端部
52 長手方向中間部
53 長手方向先端部

Claims (1)

  1. ロボットアームの先端に作業用の可動部が設けられると共に、前記ロボットアームの外側に沿って該ロボットアームの基端側から前記可動部に向けてケーブルが配索され、前記ロボットアームの動き並びに前記可動部の動きに前記ケーブルが追従して動くように構成された産業用ロボットのケーブル処理構造において、
    前記ロボットアームの外側面の先端側に上下方向の遊動空間を有するケーブル支持枠が設けられ、該ケーブル支持枠の遊動空間に、長手方向基端部が前記ロボットアームに固定されると共に長手方向先端部が前記可動部に固定されたコイルスプリングよりなる伸縮自在の筒状ガイドの長手方向中間部が上下方向スライド自在且つ前記ロボットアームの左右幅方向に移動を拘束された状態で挿通され、該筒状ガイドの中に前記ケーブルが長手方向スライド自在に挿通されていることを特徴とする産業用ロボットのケーブル処理構造。
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