JP2014044516A - 生産スケジュールの変更支援システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生産単位を連続的に処理し製品を製造する工程で用いる生産スケジュールの変更作業の支援システム10であって、オペレータMが確認可能な表示器11とオペレータMが操作可能な入力デバイス12とを有し、表示器11には、生産単位の内容を示す生産項目を処理順に並べた「生産スケジュールエリアA1」が設定され、生産スケジュールに並べられた生産単位を選択すると、表示器11は、当該生産スケジュール内に並べられた他の生産単位のうち選択された生産単位と入れ替え可能な生産単位を、選択された生産単位の属性に基づいて表示し、入力デバイス12をオペレータMが操作することで、選択された生産単位と前記入れ替え可能な生産単位とを入れ替えて、生産スケジュールの変更作業を行うように構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
特許文献1は、製品を構成する部品の生産に要する各工程、設備での所要時間を考慮した予備生産計画に基づき、各工程、設備毎の合計負荷を計算し、各工程、設備の負荷容量を越えないように、かつ予備生産計画で生じた制約条件である製品の納期、入庫予定、ロット纏め等に抵触しないように各部品生産日程を前ずらしすることを特徴とする生産計画作成方法を開示する。
この状況を改善すべく、特許文献1や特許文献2の技術を採用しようとしても、特許文献1の技術は、生産に必要な工程、設備での工数に基づいて作成した予備生産計画を、予備計画での制約条件を維持しつつ、負荷容量を越えている工程、設備の負荷を軽減し、実現可能な生産計画を作成するためのプログラムに関する技術であり、製鋼工程における生
産スケジュール決定に適用できるものとは考え難い。すなわち、連続鋳造機における型組作業に適用できる技術を開示するものとはなっていない。
つまり、現状では、連続鋳造装置における生産スケジュールを決定するための技術は開発されるにいたっておらず、オペレータの経験に頼った人的作業に基づき、型組作業が行われているのが実情である。
本発明に係る生産スケジュールの変更支援システムは、生産単位を連続的に処理し製品を製造する工程で用いる生産スケジュールの変更作業の支援システムであって、前記支援システムは、オペレータが確認可能な表示器と当該オペレータが操作可能な入力デバイスとを有し、前記表示器には、生産単位の内容を示す生産項目を処理順に並べた「生産スケジュールエリア」が設定され、前記入力デバイスをオペレータが操作し前記生産スケジュールに並べられた生産単位を選択すると、前記表示器は、当該生産スケジュール内に並べられた他の生産単位のうち前記選択された生産単位と入れ替え可能な生産単位を、前記選択された生産単位の属性に基づいて表示し、前記表示器の表示を参照しつつ入力デバイスをオペレータが操作することで、前記選択された生産単位と前記入れ替え可能な生産単位とを入れ替えて、生産スケジュールの変更作業を行うように構成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記選択された生産単位の属性は、前記選択された生産単位と前記入れ替え可能な生産単位とを入れ替えた後での前記生産スケジュールにおける生産性であるとよい。
好ましくは、前記入力デバイスをオペレータが操作することで、前記生産スケジュールに並べられた生産単位を複数選択すると、前記表示器は、前記選択された複数の生産単位と共通する属性を有する生産単位を表示するとよい。
本実施形態による変更支援システム10Bは、例えば製鉄所内において様々な製品を製造するに際し、既に何らかの手法により決定された生産スケジュールの「変更作業」を支援するものであり、適用対象としては、様々な生産単位(生産タスク)を連続的に生産する工程が考えられる。
図1に示す連続鋳造装置1は、スラブ連続鋳造装置1であり、鋳型2の下端から引き抜かれた鋳片3は、複数のサポートロール4で支持されつつ曲げられ、最後は水平方向に引き抜かれるようになる。
このような構成の連続鋳造装置1では、取鍋により運ばれてきた溶鋼がタンディッシュ5に注がれ、注がれた溶鋼はタンディッシュ5に設けた浸漬ノズル6を介して鋳型2に注入される。鋳型2では注入された溶鋼が冷却(1次冷却)され、その表面部のみが凝固した状態の鋳片3となって、鋳型2下部から引き抜かれる。
このような複数のチャージ(生産単位)の生産順序を決定するには、例えば、鋼種が略同じであったり、納期が同じであったりするチャージが前後に並ぶように選択されることが多い。特に、類似の鋼種が連続するようにチャージを選択した場合は、両チャージ間で生じるクロップをできるだけ少なくしたり、両チャージの鋳造速度をほぼ同じにしたりといった良好な条件で鋳片3を製造することができる。
スケジュールを決定するのがよい。
言い換えれば、連続鋳造装置1をコントロールするオペレータMは、数多くのチャージから、受注している鋳片3の納期、鋳片3同士(鋼種同士)の接続可能性などの生産単位の属性、過去のトラブル情報などを考慮して生産スケジュールを決定する必要がある。
さらに、生産スケジュールが決定された後においても、生産スケジュール内に配列されたチャージを入れ替えて、一旦決定された生産スケジュールを変更することもある。この生産スケジュールの変更は、生産スケジュールを最適化するためや、鋳片3の受注の変動に合わせるために常に行われており、生産スケジュールの決定同様に、経験の浅いオペレータMにとって困難な作業であるとともに、経験豊富なオペレータMにとっても長時間を要する負担の大きな作業となっている。
[前提となる実施形態]
以下、本実施形態に係る連続鋳造装置1の生産スケジュールの変更支援システム10Bを説明する前に、その前提となる生産スケジュールの決定支援システム10Aについて、構成及び作動態様を説明する。その後に、この決定支援システム10Aで決定した生産スケジュールを変更する変更支援システム10Bについて説明する。
図2に示すように、決定支援システム10Aは、連続鋳造装置1を制御する操業システムとは別に設けられたオフラインのシステムであって、オペレータMが確認可能な表示器11(支援モニタ)と、オペレータMが操作可能な入力デバイス12とを有している。
図2に示すように、オペレータMが入力デバイス12を操作することで、支援モニタ11上に配置された生産スケジュールに関する項目、即ち、生産単位の内容を示す生産項目である属性(型番、鋼種、接続パターン、クロップ、各種成分の上限下限、納期など)を該支援モニタ11上で再配置することによって、支援モニタ11上で生産スケジュールの決定及び変更作業を行うことができる。
支援モニタ11の画面の下部分は、生産優先度エリアA2であり、この生産優先度エリアA2よりも上部側の部分は生産スケジュールエリアA1である。生産優先度エリアA2には、2つ以上のパラメータで生産単位の優先度(生産優先度)が評価された生産項目が、その生産優先度に応じて配置されている。この実施形態では、パラメータとして、納期と生産性が採用されている。なお、別のパラメータとして、鋳片3サイズなども考えられる。
なお、ある鋼種は、他の鋼種と鋳造した場合の生産性低下度合や、各鋼種を接続したときの接続方法やクロップ量は予め決定されてデータベースに記録されている。このデータベースに記録された生産性と鋼種との関係や、各鋼種を接続したときの接続方法やクロップ量等は、コンピュータ13内の型組決定モデルに送られるようになっている。
このように、生産優先度エリアA2をオペレータMが見ることによって優先度の高い生産単位(チャージ)を知ることができると共に、生産スケジュールエリアA1をオペレータMが見ることによって生産状況を把握することができる。そのうえで、オペレータMは、入力デバイス12を用いて、生産優先度エリアA2に配置された生産項目を生産スケジュールエリアA1に移動させることによって型組を行い、生産スケジュールを作成することができる。
[本発明の実施形態]
上述した生産スケジュールの決定支援システム10Aでは、様々な製品を製造するに際して、オペレータMの経験度合いに左右されることなく、効率的な生産スケジュールの決定を確実且つ迅速に行うことが可能となる。
まず、図3を参照しながら説明する。決定支援システム10Aによって生産スケジュールとして決定された生産スケジュールエリアA1のチャージのうち、前後のチャージのつながりが良好でない場合や、納期が変更になった場合などに、一旦決定された順番を変更する必要が生じる。そのとき、変更支援システム10Bは、変更の対象となるチャージの代替となりうる(交換しうる)チャージを生産スケジュールエリアA1及び生産優先度エリアA2から検索して、オペレータMに提示することができる。交換可能なチャージを検索するためには、オペレータMによる検索条件の指定が必要であり、変更支援システム10Bは、検索条件指定のための検索画面A3(検索インタフェース)を提供する。
図4(a)では、オペレータMが選択したチャージの属性が表示されている。チャージ
の属性として、例えば、鋳造納期が「2011年8月7日」、ビレットサイズが「△△△mm」、鋼種が「KL011MK」、所属グループが「グループA鋼種かつ強靭鋼」であることが示されている。この第1検索画面A31では、オペレータMが、選択されたチャージ(選択チャージ)を基準として検索条件を指定して、選択されたチャージと交換しうるチャージを検索することができる。
第1検索画面A31における「詳細」ボタンのクリックによって、図4(b)に示す第2検索画面A32が、第1検索画面A31に代わって表示される。
前鋼種及び後鋼種とも、「繋がり」の項目では、例えば、「マルチ」、「SB(シーケンスブロック)」、「希釈」、及び「不可」のいずれかが選択可能となっており、図4(b)では、前鋼種「AY322MI」の項目「繋がり」として、「希釈」にチェックマークが付され、クロップ量が5t(ton)生じることが示されている。クロップ量の右隣には、このクロップ量を基準として、より少ないクロップ量のチャージを検索するのか、同じクロップ量のチャージを検索するのか、又はより多いクロップ量のチャージを検索するのかを指定できるチェック欄が用意されている。
後鋼種「LH214MM」も同様に、「繋がり」として、「希釈」にチェックマークが付され、クロップ量が3t(ton)生じることが示されている。クロップ量の右隣チェック欄では、項目「同じ」に二重丸印のチェックマークが入っている。
勘案しつつ鋳造するのであれば、生産性が非常に良いものになる。すなわち、スケジュール変更の指標として、生産スケジュールにおける生産性を考慮していることになる。
図6は、交換チャージの前後のチャージと選択チャージとの繋がりやクロップ量を考慮した検索を行うための第3検索画面A33を示している。
また、クロップ量については、交換前の現状の繋がり方と同じ量(同じ)とするか、どのような量でもよい(任意)とするか、または現状よりも減らす(減らす)とするかを指定することができる。さらに、選択チャージと交換チャージを入れ替えた後における選択チャージ側と交換チャージ側で生じるクロップの総量を、入れ替え前の現状と同じとするか、任意とするか、または減らすとするかを指定することができる。
オペレータMが、生産スケジュールを変更する際に、ある複数のチャージを選択して、それら選択したチャージに共通する属性を持つチャージを探したい場合がある。補助検索画面A34は、このような共通属性を持つチャージを検索するためのインタフェースである。
上述のように、生産スケジュールの決定システム10によれば、製鉄所内において様々な製品(金属材製品など)を製造するに際して、オペレータMの経験度合いに左右されることなく、効率的な生産スケジュールの決定及び変更を行うことができる。また、熟練したオペレータMでも数時間といった多大な時間を要していた型組作業が、本発明の支援システム10を用いることで30分程度で済むようになり、作業の効率化を図ることが可能となった。
また、本実施形態の変更支援システム10Bの適用は、決定支援システム10Aにより決定された生産スケジュールの変更に限定されるものではない。オペレータMが経験を基に作成した生産スケジュールに対し、本実施形態の変更支援システム10Bを用いて変更を加えるようにしてもよい。
2 鋳型
3 鋳片
4 サポートロール
5 タンディッシュ
6 浸漬ノズル
10 支援システム
11 支援モニタ(表示器)
12 入力デバイス
13 コンピュータ
A1 生産スケジュールエリア
A2 生産優先度エリア
A3 検索画面
A31 第1検索画面
A32 第2検索画面
A33 第3検索画面
A34 補助検索画面
M オペレータ
Claims (6)
- 生産単位を連続的に処理し製品を製造する工程で用いる生産スケジュールの変更作業の支援システムであって、
前記支援システムは、オペレータが確認可能な表示器と当該オペレータが操作可能な入力デバイスとを有し、
前記表示器には、生産単位の内容を示す生産項目を処理順に並べた「生産スケジュールエリア」が設定され、
前記入力デバイスをオペレータが操作し前記生産スケジュールに並べられた生産単位を選択すると、前記表示器は、当該生産スケジュール内に並べられた他の生産単位のうち前記選択された生産単位と入れ替え可能な生産単位を、前記選択された生産単位の属性に基づいて表示し、
前記表示器の表示を参照しつつ入力デバイスをオペレータが操作することで、前記選択された生産単位と前記入れ替え可能な生産単位とを入れ替えて、生産スケジュールの変更作業を行うように構成されている
ことを特徴とする生産スケジュールの変更支援システム。 - 前記選択された生産単位の属性は、前記選択された生産単位と前記入れ替え可能な生産単位との間の類似性であることを特徴とする請求項1に記載の生産スケジュールの変更支援システム。
- 前記選択された生産単位の属性は、前記選択された生産単位と前記入れ替え可能な生産単位とを入れ替えた後での前記生産スケジュールにおける生産性であることを特徴とする請求項1又は2に記載の生産スケジュールの変更支援システム。
- 前記入れ替え可能な生産単位の属性は、前記選択された生産単位の納期であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生産スケジュールの変更支援システム。
- 前記入力デバイスをオペレータが操作することで、前記生産スケジュールに並べられた生産単位を複数選択すると、前記表示器は、前記選択された複数の生産単位と共通する属性を有する生産単位を表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生産スケジュールの変更支援システム。
- 前記生産単位を連続的に処理し製品を製造する工程は、連続鋳造装置で鋳片を鋳造する工程であり、
前記生産単位は、連続鋳造装置における鋳造単位であるチャージとされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の生産スケジュールの変更支援システム。
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