JP5370060B2 - 生産計画作成方法、生産計画作成装置、及びコンピュータプログラム - Google Patents

生産計画作成方法、生産計画作成装置、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、生産計画作成方法、生産計画作成装置、及びコンピュータプログラムに関し、特に、ロットに複数の製品を纏めてロット単位で製品を生産するための計画を作成するために用いて好適なものである。
製造業において製品の生産計画を立案する場合には、複数のオーダの製品を製造することにより製品の品質が低下してしまうことを防止することや、設備の段取り替えのコストの上昇を防止すること等の観点から、複数の製品を適切な規模で適切な数のロットに纏めてロット単位で製造するように生産計画を立案することが多い。
ここで、複数の製品をロットに纏めて製造する場合の一例として、製鋼プラントで連続鋳造を行う場合について説明する。図15は、連続鋳造機の構成の一例を示す断面図である。
図15において、精錬後の溶鋼10は取鍋11に入れられて搬送され、回転式のテーブル12に置かれる。取鍋11内の溶鋼10はタンディッシュ13を経由して、浸漬ノズル19によって鋳型14へ連続的に注がれる。鋳型14に注がれた溶鋼10は、スプレーノズル16により冷却されて凝固し、サポートロール15に支持されながら鋳型14の下方へゆっくりと連続的に引き抜かれる。凝固した溶鋼10は、切断機17で所定の長さに切断されてスラブ、ビレット、又はブルームと呼ばれる鋼片18となる。ここで、取鍋11の一杯分の鋳造単位をチャージという。連続鋳造機では、取鍋11内の溶鋼10がなくなると、回転式のテーブル12を回転させることで、溶鋼10が入っている他の取鍋11をセットし、当該取鍋11から連続的に溶鋼10を鋳型14に供給することができ、複数のチャージの溶鋼10を連続して連続鋳造することが可能である。このように複数のチャージの溶鋼10を連続して連続鋳造することを連続連続鋳造、略して連々鋳という。この連々鋳の回数を多くし過ぎると、タンディッシュ13や鋳型14の耐火物や浸漬ノズル19の溶損が生じるため、10〜20チャージで連続鋳造機を停止させ、これらを交換する必要がある。連続鋳造機が連続して稼働する1つの連々鋳の鋳造単位をキャストという。すなわち、1つのキャストは10〜20チャージで構成される。
このようなキャストとキャストとの切れ目では、鋳型14、タンディッシュ13、浸漬ノズル19を交換した後、ダミーバーと呼ばれる冶具を鋳型14に挿入し、ダミーバーを支えとして鋳型14へ注入した溶鋼10をゆっくりと引き抜くことで鋳造を開始する。このため、キャストとキャストの切れ目では設備の交換に長時間かかり、また、キャストの先頭と最後の部分では、製造安定性の低下や不純物の巻き込み等により鋼片18の品質が低下する虞がある。よって、鋼片18の生産能力や歩留まりの向上のためには、1つのキャスト内のチャージ数を極力多くすることが望ましい。一方で、合金成分の含有量(以下、必要に応じて合金成分量と称する)が相互に異なる2つのチャージを連々鋳する場合、チャージの切れ目の部分には、合金成分量が異なる溶鋼10が混ざるために、鋼片18の品質や歩留まりが低下する。また、合金成分量が相互に極端に異なる2つのチャージについては、チャージの切れ目の部分での鋼片18の品質が著しく低下するので、連々鋳ができない。したがって、各チャージの合金成分量等を考慮して、適切にキャストを計画しなければならない。すなわち、キャストにおける鋳造順を考慮してチャージを適切に纏めて、鋼片18の生産能力と歩留まりとを共に向上させる生産計画(キャスト計画)を立案する必要がある。
このようなキャスト計画を立案するための従来の方法としては、熟練者がほとんど手作業で行う方法が一般的である。しかしながら、長い経験を積んだ熟練者でも、例えば週のはじめに1週間分のキャスト計画を立案するためには、数時間掛かるのが一般的である。このようにキャスト計画を立案するのに時間を要するため、例えば、週の後半になって実操業と計画とのずれが拡大し、立案したキャスト計画が適切でないと知りつつも、キャスト計画が見直されないという問題点がある。また、熟練者の中でも技術のばらつきがあり、熟練者のキャスト計画が必ずしも適切ではないという問題点もあった。
そこで、キャスト計画を自動的に行うようにする技術が提案されている。
まず、特許文献1では、人手、又は、熟練作業者の持っている編成ノウハウをルール化したエキスパートシステム等で初期のキャスト計画を立案した後、各キャストを前半と後半との2つに分割し、2つのキャストの後半を入れ替える操作を、設定された評価関数の値(評価値)が改善されなくなるまで繰り返すという手順で、キャスト計画を立案する手法が開示されている。
また、特許文献2では、製造順番に関する規則に基づいて初期スケジュールを作成し、次いで初期スケジュールを基準に予め定められた評価関数の値が最良となるように、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて初期スケジュールを改善する手法が開示されている。
また、特許文献3では、複数のチャージを、鋼種と精錬方法とが同一な複数のグループに集約した後、各グループを鋼種と精錬方法とで順序付け(ソート)を行い(1列に並べ)、合金成分量が異なるチャージを連々鋳する際の制約と、1つのキャストに含めることができるチャージ数の上限の制約とを満足し、且つ、キャスト数が少なくなるように、グループを複数に分割・結合することで、キャスト計画を求める手法が開示されている。
また、特許文献4では、初期のキャスト計画を立案した後、設定された評価関数の値が小さくなるよう、任意の2つのチャージの交換を繰り返し、シミュレーティッド・アニーリング法を用いて、評価関数の値が最小となるキャスト計画を立案する手法が開示されている。
特開平7−88605号公報 特開平8−305763号公報 特開平11−314146号公報 特開2004−348436号公報
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、2つのキャストの後半を入れ替える操作を行うだけである。したがって、探索範囲が狭くなるため(多様性が少ないため)、評価値の悪い局所最適解に陥り易く、良いキャスト計画が得られない虞がある。
また、特許文献2に記載の手法では、遺伝的アルゴリズムを用いているため、良い計画を得るためには、遺伝子の入れ替え、突然変異の繰り返し回数が多くなり、計算時間が掛かる虞がある。
また、特許文献3に記載の手法では、鋼種と精錬方法とが同一な複数のグループを鋼種と精錬方法とで順序付けしているが、鋼種は合金成分の含有量を表すものではなく、単なる愛称(呼称)にしか過ぎない。このため、鋼種を元に順序付けしても、必ずしも合金成分量の近い溶鋼が連続する訳ではない。このため、キャスト数が多く、且つ、歩留りの低い計画しか得られない虞がある。
また、特許文献4に記載の手法では、2つのチャージの交換を行っているだけであるので、探索範囲が狭くなり、評価値の悪い局所最適解に陥り易い。したがって、良い計画を得るためには、係数を調整して温度パラメータをゆっくりと下げなければならない。このため、計算時間が掛かってしまう虞がある。
以上のように従来の技術では、キャスト(ロット)に複数のチャージ(製品)を纏めてキャスト(ロット)単位でチャージ(製品)を鋳造(生産)するための鋳造(生産)計画を立案するに際し、良好な計画を出来るだけ短時間に立案することが困難であるという問題点があった。
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、ロットに複数の製品を纏めてロット単位で製品を生産するための生産計画を、従来よりも良好に且つ短時間で作成することを目的とする。
本発明の生産計画作成方法は、複数の製品をロットに纏めて該ロット単位で該製品を生産するために、該製品の該ロットへの割り振りと、該製品の生産順とを表す生産計画を作成する生産計画作成方法であって、前記製品の識別コードである製品IDのなかで、生産順が前後して隣り合う2つの該製品のうちの、先行して生産される製品の製品IDを一次元配列のインデックス情報とし、後行して生産される製品の製品IDを該インデックス情報に対応する要素情報として、生産計画を記憶する記憶ステップと、同一の前記ロット内において生産順で連続する複数の前記製品から、起点と終点を指定して選択される製造範囲であって、少なくとも該起点及び該終点以外では相互に重複しない2つの製造範囲を選択して、該2つの製造範囲のそれぞれの起点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作と、該2つの製造範囲のそれぞれの終点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作とを行う操作ステップと、前記生産計画の良否を表す所定の評価関数によって、前記操作ステップにより操作が行われた後の生産計画の評価値を導出する評価ステップと、前記評価値に基づいて最も評価が高いと判定された生産計画を出力する出力ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の生産計画作成装置は、複数の製品をロットに纏めて該ロット単位で該製品を生産するために、該製品の該ロットへの割り振りと、該製品の生産順とを表す生産計画を作成する生産計画作成装置であって、前記製品の識別コードである製品IDのなかで、生産順が前後して隣り合う2つの該製品のうちの、先行して生産される製品の製品IDを一次元配列のインデックス情報とし、後行して生産される製品の製品IDを該インデックス情報に対応する要素情報として、生産計画を記憶する記憶手段と、同一の前記ロット内において生産順で連続する複数の前記製品から、起点と終点を指定して選択される製造範囲であって、少なくとも該起点及び該終点以外では相互に重複しない2つの製造範囲を選択して、該2つの製造範囲のそれぞれの起点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作と、該2つの製造範囲のそれぞれの終点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作とを行う操作手段と、前記生産計画の良否を表す所定の評価関数によって、前記操作手段により操作が行われた後の生産計画の評価値を導出する評価手段と、前記評価値に基づいて最も評価が高いと判定された生産計画を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、複数の製品をロットに纏めて該ロット単位で該製品を生産するために、該製品の該ロットへの割り振りと、該製品の生産順とを表す生産計画を作成することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記製品の識別コードである製品IDのなかで、生産順が前後して隣り合う2つの該製品のうちの、先行して生産される製品の製品IDを一次元配列のインデックス情報とし、後行して生産される製品の製品IDを該インデックス情報に対応する要素情報として、生産計画を記憶する記憶ステップと、同一の前記ロット内において生産順で連続する複数の前記製品から、起点と終点を指定して選択される製造範囲であって、少なくとも該起点及び該終点以外では相互に重複しない2つの製造範囲を選択して、該2つの製造範囲のそれぞれの起点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作と、該2つの製造範囲のそれぞれの終点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作とを行う操作ステップと、前記生産計画の良否を表す所定の評価関数によって、前記操作ステップにより操作が行われた後の生産計画の評価値を導出する評価ステップと、前記評価値に基づいて最も評価が高いと判定された生産計画を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、生産順が前後して隣り合う2つの製品のうちの、先行して生産される製品の製品IDを一次元配列のインデックス情報とし、後行して生産される製品の製品IDをインデックス情報に対応する要素情報としたものを生産計画とし、同一のロット内において生産順で連続する複数の製品から、起点と終点を指定して選択される製造範囲であって、少なくとも起点及び終点以外では相互に重複しない2つの製造範囲のそれぞれの起点の製品のインデックス情報に対応した要素情報同士を入れ替える操作と、終点の製品のインデックス情報に対応した要素情報同士を入れ替える操作とを行うようにした。したがって、要素情報同士を入れ替える操作を2回行うだけで、多様な近傍計画を作成することができる。よって、ロットに複数の製品を纏めてロット単位で製品を生産するための生産計画を、従来よりも、良好に且つ短時間で作成できる。
本発明の第1の実施形態を示し、生産計画作成装置の機能的な構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、製品情報の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、初期計画の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、現在計画の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、現在計画に対して行われる操作の第1の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、現在計画に対して行われる操作の第2の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、現在計画に対して行われる操作の第3の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、現在計画に対して行われる操作の第4の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、現在計画に対して行われる操作の第5の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、生産計画作成装置の動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態を示し、本実施形態の手法で作成したキャスト計画と、従来の手法で作成したキャスト計画の評価値と計算時間との関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、本実施形態の手法における探索範囲と、従来の手法における探索範囲を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、選択可能な配列番号と選択不可能な配列番号を表す1次元配列の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、選択不可能な製品番号をグレーで示した現在計画の一例を示す図である。 連続鋳造機の構成の一例を示す断面図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。本実施形態では、生産計画として、連続鋳造機におけるキャスト計画を作成する場合を例に挙げて説明する。この場合、「チャージ」が「製品」に対応し、「キャスト」が「ロット」に対応し、「鋳造」が「製造」に対応する。また、本発明において「製品」は、原料に手が加えられた物を指し、市場に出回る最終製品等に限定されるものではない。
図1は、生産計画作成装置の機能的な構成の一例を示す図である。生産計画作成装置100は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、USBインターフェース、ディスクドライブ、ユーザインターフェース、及びコンピュータディスプレイ等を備えた情報処理装置を用いることにより実現できる。
<製品情報取得部101>
製品情報取得部101は、製品情報を取得する。製品情報取得部101は、例えば、ユーザがユーザインターフェースを操作して直接的に入力した製品情報を取得したり、ユーザがユーザインターフェースを操作して指示した記憶領域に記憶されている製品情報を取得したりすることができる。本実施形態では、製品情報には、鋳造する必要のあるチャージの番号(以下の説明ではチャージ番号と称する)と、当該チャージ番号のチャージの属性とが含まれている。
図2は、製品情報の一例を示す図である。図2では、チャージの属性が、納期、鋼種、C含有量、及びSi含有量である場合を例に挙げて示している。ここで、納期とは、鋳造されたチャージ(鋼片)を後工程に渡すことができるようになる日を指す。また、鋼種とは、鋳造によって得られる鋼片の種類を表すものである。また、C(Si)含有量とは、当該チャージの溶鋼全体の量に対する、当該溶鋼に含まれるC(Si)の含有量の割合を百分率で表したものである。尚、チャージの属性は、キャスト計画を立案する際に必要になる「チャージに関する情報」であれば、必ずしも図2に示したものに限定されない。
製品情報取得部101は、例えば、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。ユーザがユーザインターフェースを操作して直接的に製品情報を入力する場合、CPUは、ユーザインターフェースによる操作の内容を認識することにより製品情報を取得することになる。また、ユーザがユーザインターフェースを操作して製品情報が記憶されている記憶領域を指示した場合、CPUは、ユーザインターフェースによる操作の内容を認識した上で、HDDや、USBインターフェースに接続された記憶媒体等にアクセスすることにより製品情報を取得することになる。
<初期計画作成部102>
初期計画作成部102は、予め設定されているルールに基づいて、キャスト計画の初期計画(以下、初期計画と略称する)を作成する。例えば、図2に示した製品情報において、納期を第一優先順位、鋼種を第二優先順位としてチャージ番号をソートし、最初のキャストの先頭から、ソートした順にチャージ番号を割り付け、割り付けたチャージ番号の数が1つのキャストで鋳造可能なチャージ数の上限となったら、次のキャストの先頭から、ソートした順に残りのチャージ番号を割り付けることを順次行うというルールに基づいて初期計画を作成することができる。
図3は、初期計画の一例を示す図である。図3では、1つのキャストで鋳造可能なチャージ数の上限が「5」であり、前述したルールに従って図2に示した製品情報に含まれるチャージ番号をソートした結果、チャージ番号が11、12、2、1、8、5、3、9、6、7、4、10、14、18、16、17、15、13の順に並んだ場合の初期計画を例に挙げて示している。ただし、キャストにチャージを割り付けることができれば、必ずしも図3に示したようにして初期計画を作成する必要はない。
初期計画作成部102は、例えば、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。CPUは、作成した初期計画を例えばRAMに一時的に記憶する。尚、以下では、製品情報が図2に示したものであり、初期計画が図3に示したものである場合を例に挙げて説明する。
<現在計画作成部103>
現在計画作成部103は、初期計画作成部102で作成された初期計画を、要素数が「22」(チャージ数である「18」と最大キャスト数「4」との合計)の1次元配列xに格納して、現在計画とする。ここで、最大キャスト数は、製品情報に含まれるチャージ番号の数(チャージ数)を、1つのキャストで鋳造可能なチャージ数の上限で除算した値以上の整数となる。図2に示した製品情報の例ではチャージ数は「18」であり、図3に示した初期計画の例では1つのキャストで鋳造可能なチャージ数の上限は「5」であるため、最大キャスト数は「3.6(=18/5)」以上の整数となる。そこで、ここでは、最大キャスト数を「4」とする。
本実施形態では、現在計画作成部103は、キャスト番号kのキャストの先頭にチャージ番号iのチャージを鋳造する場合にはx[k+18(チャージ数)]=iとし、チャージ番号pのチャージの次にチャージ番号qのチャージを鋳造する場合にはx[p]=qとし、チャージ番号qのチャージがキャストの最後の場合には(チャージ番号qのチャージの次に何も鋳造せず、チャージ番号qのチャージがキャストの切れ目の場合には)x[q]=−1とする。そうすると、図3に示した初期計画から、図4に示すように、一次元配列xの現在計画が得られる。ここで、[ ]内は配列番号である。
このように本実施形態では、生産順が前後して隣り合う2つの製品のうちの、先行して生産される製品の製品IDの一例である「チャージ番号」を一次元配列のインデックス情報(本実施形態では、配列番号と同じ)とする。また、後行して生産される製品の製品IDの一例である「当該チャージ番号の次に鋳造されるチャージのチャージ番号」を該インデックス情報に対応する要素情報とする。そして、これらのインデックス情報と要素情報とにより定まる一次元配列を現在計画としている。ただし、キャストの最後のチャージ番号を示すインデックス情報に対応する要素情報には、当該チャージ番号のチャージがキャストの最後であることを識別する情報の一例として「−1」を用いる。また、キャストの最初のチャージ番号を示す要素情報に対応するインデックス情報には、ロットを識別するロットIDの一例として、チャージIDと重複しないよう、チャージ数にキャスト番号を加えた番号を用いる。
現在計画作成部103は、例えば、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。CPUは、作成した現在計画を例えばRAMに一時的に記憶する。
<配列番号選択部104>
配列番号選択部104は、次の(a)〜(c)の条件を満たす配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)のうち、未選択の組み合わせを1つ選択する。
(a) 配列番号(チャージ番号)jのチャージが、配列番号(チャージ番号)iのチャージ以降に鋳造され、配列番号(チャージ番号)iのチャージと、配列番号(チャージ番号)jのチャージとが同一のキャストで鋳造される。
(b) 配列番号(チャージ番号)vのチャージが、配列番号(チャージ番号)uのチャージ以降に鋳造され、配列番号(チャージ番号)uのチャージと、配列番号(チャージ番号)vのチャージとが同一のキャストで鋳造される。
(c) 配列番号(チャージ番号)x[i]〜配列番号(チャージ番号)jの鋳造範囲と、配列番号(チャージ番号)x[u]〜配列番号(チャージ番号)vの鋳造範囲とが相互に重ならない。
ここで、配列番号>チャージ数(=18)の場合も、(a)〜(c)の条件に含まれる。このような配列番号の場合、例えば、i>18のときに、「配列番号(チャージ番号)iのチャージと、配列番号(チャージ番号)jのチャージとが同一のキャストで鋳造される」とは、「(i−チャージ数(=18))番目のキャストでチャージ番号jのチャージを鋳造する」ことを意味する。このように本実施形態では、同一のロット内において生産順で連続する複数の製品から、起点と終点を指定して選択される製造範囲であって、少なくとも該起点及び該終点以外では相互に重複しない2つの製造範囲を選択する。ここで、選択される製造範囲は、起点と終点とが同一であるものであっても、起点と終点とが異なるものであってもよい。ただし、チャージ番号と異なる番号を示す配列番号については、前記鋳造順が、当該配列番号(インデックス情報)に対応するキャスト番号(要素情報)が属するロットの最初のものであると仮定する。
尚、配列番号選択部104は、配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)が未探索の状態のときには、i=j=u=v=チャージ数+1(図4に示す例では「19」であり、キャスト番号が「1」のキャストを表す)とし、それ以外のときには、i,j,u,vの値を(a)〜(c)の条件が成り立つように、鋳造順に配列番号を選択する。
図4に示した現在計画から配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)を選択する場合、配列番号選択部104は、例えば、iの値として、キャスト番号が「1」のキャストの先頭のチャージ番号を格納する配列番号である「19」から選択を開始し、鋳造順に全ての配列番号を順番に選択すればよい。具体的に配列番号選択部104は、iの候補として、19、11、12、2、1、8、20、5、3、9、6、7、21、4、10、14、18、16、22、17、15、13を順番に選択する。同様に配列番号選択部104は、jの値として、j=iが成り立つjから選択を始め、現在の配列番号(チャージ番号)iと同一のキャストの配列番号を鋳造順に選択すればよい。例えば、i=3の場合、配列番号選択部104は、jの候補として、3、9、6、7を順番に選択する。また、配列番号選択部104は、u、vの値も、i、jと同様に、鋳造する順番に配列番号を選択すればよい。ただし、(c)の条件が成り立つように、配列番号選択部104は、例えば、鋳造順にチャージj以降の配列番号を代入すれば良い。例えば、j=9の場合、配列番号選択部104は、uの候補として、9、6、7、21、4、10、14、18、16、22、17、15、13を順番に選択し、u=10の場合、vの候補としてjの候補と同様に、10、14、18、16を順番に選択する。
配列番号選択部104は、例えば、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
<近傍計画作成部105>
近傍計画作成部105は、配列番号選択部104により選択された配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)に対して、以下の(A)〜(B)の操作を行うことにより、現在計画に対する1つの近傍計画を作成する。
(A) x[i]⇔x[u]
(B) x[j]⇔x[v]
ここで、⇔は、配列の要素を交換することを意味する。このように本実施形態では、(A)〜(B)の操作を行うことにより、選択された2つの範囲の起点同士を入れ替える操作と、終点同士を入れ替える操作とを行うようにしている。
図5〜図9は、現在計画に対して行われる操作の第1〜第5の例を示す図である。尚、図5〜図9では、キャスト毎にチャージ番号を製造順に並べて示している。
図5(a)は、x[i]=j、且つ、x[u]=vの場合の操作の一例を概念的に示す図であり、図5(b)は、図3、図4に示した計画に対して、x[i]=j、且つ、x[u]=vの場合(i=3、j=9、u=4、v=10の場合)の操作の一例を示す図である。図5に示すように、x[i]=j、且つ、x[u]=vの場合には、2つのチャージ番号を入れ替える操作となる。
図6(a)は、x[j]=−1、且つ、x[v]=−1の場合の操作の一例を概念的に示す図であり、図6(b)は、図3、図4に示した計画に対して、x[j]=−1、且つ、x[v]=−1の場合(i=12、j=8、u=5、v=7の場合)の操作の一例を示す図である。図6に示すように、x[j]=−1、且つ、x[v]=−1の場合には、2つのキャストの後半のチャージ番号(チャージ番号iの次以降のチャージ番号、チャージ番号uの次以降のチャージ番号)を入れ替える操作となる。
図7(a)は、i=jの場合の操作の一例を概念的に示す図であり、図7(b)は、図3、図4に示した計画に対して、i=jの場合(i=2、j=2、u=5、v=9の場合)の操作の一例を示す図である。図7に示すように、i=jの場合には、チャージ番号i、jとその次のチャージ番号との間に、チャージ番号uの次のチャージ番号からチャージ番号vのチャージ番号までを移動(挿入)する操作となる。尚、この場合には、(B)の操作を行ってから(A)の操作を行う。また、u=vの場合には、チャージ番号u、vとその次のチャージ番号との間に、チャージ番号iの次のチャージ番号からチャージ番号jのチャージ番号までを移動(挿入)する操作となる。
図8(a)は、i>N、且つ、u>N(Nはチャージ数(=18))の場合の操作の一例を概念的に示す図であり、図8(b)は、図3、図4に示した計画に対して、i>N、且つ、u>Nの場合(i=19、j=2、u=20、v=6の場合)の操作の一例を示す図である。図8に示すように、i>N、且つ、u>Nの場合には、2つのキャストの前半のチャージ番号(チャージ番号jが属するキャストの先頭からチャージ番号jまでのチャージ番号と、チャージ番号vが属するキャストの先頭からチャージ番号vまでのチャージ番号)を入れ替える操作となる。
図9(a)は、x[i]=x[j]=−1、且つ、u>N(Nはチャージ数(=18))、且つ、x[v]=−1の場合の操作の一例を概念的に示す図であり、図9(b)は、図3、図4に示した計画に対して、x[i]=x[j]=−1、且つ、u>N、且つ、x[v]=−1の場合(i=8、j=8、u=20、v=7の場合)の操作の一例を示す図である。図9に示すように、x[i]=x[j]=−1、且つ、u>N、且つ、x[v]=−1の場合には、チャージ番号i、jが属するキャストの後ろに、チャージ番号u、vが属するキャストを結合する操作となる。尚、この場合には、(B)の操作を行ってから(A)の操作を行う。また、x[u]=x[v]=−1、且つ、i>N(Nはチャージ数(=18))、且つx[j]=−1の場合には、チャージ番号u、vが属するキャストの後ろに、チャージ番号i、jが属するキャストを結合する操作となる。
図5〜図9に示すように、本実施形態では、1次元配列x[s]の2つの要素を入れ替える操作を行うだけで、多様な近傍計画を作成することができる。尚、図5〜図9は、多様なパターンの一部を示したものであり、配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)に応じて、図5〜図9に示した以外のパターンの近傍計画が作成される。この場合、図7及び図9に示したように、配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)によっては、所望のパターンが得られるように、(A)の操作と(B)の操作の順番を予め決めておき、その順番に従って操作を行うようにする。
近傍計画作成部105は、例えば、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。CPUは、RAM等に記憶されている現在計画を近傍計画に書き換えて現在計画を新たな現在計画に更新する。
<評価部106>
評価部106は、現在計画と近傍計画(新たな現在計画)とを比較し、近傍計画が現在計画に対して改善されたかどうかを調べる。本実施形態では、評価部106は、以下の(1)式に示す評価関数を予め用意し、現在計画の評価値Jと近傍計画の評価値Jとを算出し、近傍計画の評価値Jの方が現在計画の評価値Jよりも小さければ、近傍計画が現在計画に対して改善されたと判断し、そうでなければ改善されなかったと判断する。
J=Wd×Σw{max(チャージ番号wのチャージの鋳造日−チャージ番号wのチャージ
の納期,0)}
+Wt×Σw{max(チャージ番号wのチャージの鋳造位置−キャストの最大連々数,
0)}
+Wc×Σw{|チャージ番号wのチャージのC含有量−次のチャージのC含有量|

+WSi×Σw{|チャージ番号wのチャージのSi含有量−次のチャージのSi含有量
|} ・・・(1)
(1)式の評価関数の右辺の各項で使われているmax(a,b)は、入力値a、bのうち、値の大きい方を出力する関数である。右辺第1項の{}内の値は、チャージ番号wのチャージの納期遅れ日数であり、右辺第1項のΣw{}の値は、全てのチャージの納期遅
れ日数の合計値である。右辺第2項の「チャージ番号wのチャージの鋳造位置」とは、キャストの先頭のチャージから数えた場合の、チャージ番号wのチャージの鋳造順番である。「キャストの最大連々数」とは、1つのキャストで鋳造可能なチャージ数の上限値を意味し(図3に示す例では「5」である)。よって、右辺第2項の{}内の値は、キャストの最大連々数制約の違反度を表し、右辺第2項のΣw{}の値は、キャストの最大連々数
制約の違反度の合計値である。右辺第3項の{}内の値は、チャージ番号wのチャージと、その次のチャージ(チャージ番号wのチャージの次に鋳造するチャージ)との合金成分Cの含有量の差である。これは、チャージ番号wと、その次のチャージとの溶鋼混合部の合金成分Cに関する品質劣化度を表す。例えば、図2に示したチャージ番号1のチャージと、チャージ番号2のチャージとが連続して鋳造される場合、C含有量の差は、0.03%(=|0.05%−0.02%|)となる。右辺第3項のΣw{}の値は、溶鋼混合部
の合金成分Cに関する品質劣化度の合計値である。右辺第4項は、右辺第3項のC(炭素)をSi(シリコン)にしたものであり、右辺第4項のΣw{}の値は、溶鋼混合部の合
金成分Siに関する品質劣化度の合計値である。
以上のように、(1)式の右辺第1項のΣw{}の値は納期に関する評価値、右辺第2
項のΣw{}の値は最大連々数に関する評価値、右辺第3項のΣw{}の値は溶鋼混合部
の合金成分Cに関する評価値、右辺第4項のΣw{}の値は溶鋼混合部の合金成分Siに
関する評価値である。(1)式の評価関数は、それらの評価値に重要度を表す係数Wd、Wt、Wc、WSiを乗じた値の合計値を出力する関数であり、係数Wd、Wt、Wc、WSiを調整することにより、納期や最大連々数の遵守度や溶鋼混合部の合金成分含有量に優れたバランスの良い計画を立案することができる。
評価部106は、例えば、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。尚、キャスト計画に応じて値が変わる変数を有していれば、評価関数は(1)式に示したものに限定されない。(1)式では、評価値Jが小さい方が評価の高い評価関数を示したが、評価値Jが大きい方が評価の高い評価関数としてもよい。
<現在計画変更部107>
現在計画変更部107は、評価部106による評価の結果、近傍計画が現在計画に対して改善された((1)式では、現在計画の評価値Jよりも近傍計画の評価値Jの方が小さい)と判断されると、新たな現在計画に対する近傍計画を漏れなく探索するために、選択済みの配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)を未選択の状態に戻す。そして、配列番号選択部104は、新たな現在計画の近傍計画を作成できるように、配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)を最初から選択し直す。
現在計画変更部107は、例えば、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
<配列番号リセット部108>
配列番号リセット部108は、評価部による評価の結果、近傍計画が現在計画に対して改善されていない((1)式では、現在計画の評価値Jよりも近傍計画の評価値Jの方が大きいか等しい)と判断されると、新たな現在計画に対して、前述した(A)〜(B)の操作を再度行い、新たな現在計画を元の現在計画に戻す。そして、配列番号選択部104は、元の現在計画の残りの近傍計画を作成できるように、前述した(a)〜(c)の条件を満たす配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)のうち、未選択のものを選択する。
配列番号リセット部108は、例えば、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。CPUは、RAM等に記憶されている近傍計画を元の現在計画に書き換えて現在計画を元に戻す。
<現在計画出力部109>
現在計画出力部109は、現在計画変更部107により配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)が未選択の状態に戻されることなく、配列番号選択部104により、前述した(a)〜(c)の条件を満たす全ての配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)が選択されると、そのときの現在計画(一次元配列x)の値を最良のキャスト計画としてHDD等に出力する。また、現在計画出力部109は、最良のキャスト計画をコンピュータディスプレイに表示するようにしてもよい。
現在計画出力部109は、例えば、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。CPUは、最良のキャスト計画を、例えば、ユーザによるユーザインターフェースの操作により指定された記憶領域に記憶したり、ユーザによるユーザインターフェースの操作に従って表示用の画像データを作成したりする。
<動作フローチャート>
次に、図10のフローチャートを参照しながら、本実施形態の生産計画作成装置100の動作の一例を説明する。
まず、ステップS1において、製品情報取得部101は、図2に示したような製品情報を取り込む。
次に、ステップS2において、初期計画作成部102は、ステップS1で取り込まれた製品情報に対して、予め設定されているルールを適用して図3に示したような初期計画を作成する。
次に、ステップS3において、現在計画作成部103は、ステップS2で作成された初期計画を1次元配列xに格納して、図4に示したような現在計画を作成する。
このように本実施形態では、例えば、ステップS3の処理を行うことにより記憶ステップの一例が実現される。
次に、ステップS4において、配列番号選択部104は、前述した(a)〜(c)の条件を満たす配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)のうち、未選択の組み合わせを1つ選択する。尚、ステップS4を最初に実行するとき、又は、後述するステップS9の直後にステップS4を実行するときには、配列番号選択部104は、i=j=u=v=チャージ数+1(図4に示す例では「19」であり、キャスト番号が「1」のキャストを表す)を選択するものとする。
次に、ステップS5において、配列番号選択部104は、後述するステップS9の処理が行われることなく、前述した(a)〜(c)の条件を満たす全ての配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)が選択されたか否かを判定する。この判定の結果、全ての配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)が選択されると、ステップS11に進む。ステップS11に進むと、現在計画出力部109は、現在計画(一次元配列x)の値を最良のキャスト計画として出力する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS5、S11の処理を行うことにより出力ステップの一例が実現される。
一方、ステップS5の判定の結果、全ての配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)が選択されていない場合には、ステップS6に進み、近傍計画作成部105は、ステップS4で選択された配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)に対して、前述した(A)〜(B)の操作を行うことにより、現在計画に対する1つの近傍計画を作成する。
このように本実施形態では、例えば、ステップS4、S6の処理を行うことにより操作ステップの一例が実現される。
次に、ステップS7において、評価部106は、ステップS6で得られた近傍計画の評価値Jを(1)式に従って算出する。
このように本実施形態では、例えば、ステップS7の処理を行うことにより評価ステップの一例が実現される。
次に、ステップS8において、評価部106は、近傍計画の評価値Jの方が現在計画の評価値Jよりも小さいか否か、すなわち、近傍計画が現在計画に対して改善されたか否かを判定する。この判定の結果、近傍計画の評価値Jの方が現在計画の評価値Jよりも小さく、近傍計画が現在計画に対して改善された場合には、ステップS9に進む。
ステップS9に進むと、現在計画変更部107は、新たな現在計画に対する近傍計画を漏れなく探索するために、選択済みの全ての配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)を未選択の状態に戻す。そして、ステップS4に戻り、配列番号選択部104は、新たな現在計画の近傍計画を作成できるように、配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)を最初から選択し直す。
一方、近傍計画の評価値Jの方が現在計画の評価値Jよりも小さくなっておらず、近傍計画が現在計画に対して改善されていない場合には、ステップS10に進み、配列番号リセット部108は、新たな現在計画(ステップS6で作成された近傍計画)に対して、前述した(A)〜(B)の操作を行い、新たな現在計画を元の現在計画に戻す。そして、ステップS4に戻り、配列番号選択部104は、元の現在計画の残りの近傍計画を作成できるように、前述した(a)〜(c)の条件を満たす配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)のうち、未選択のものを選択する。
図11は、本実施形態の手法で作成したキャスト計画と、従来の手法で作成したキャスト計画の評価値と計算時間との関係を示す図である。ここでは、製品情報及び初期計画を同一の条件にして本実施形態の手法と従来の手法とでキャスト計画を作成した。尚、図11(a)と図11(b)は、計算時間のスケールが異なるだけであり、同一の計算結果を示している。
図11において、グラフ111は、本実施形態の手法において、最適解の探索方法をローカルサーチ法として作成したキャスト計画に対するグラフである。また、グラフ112は、2つのチャージ番号を単純に入れ替える操作、及び一方のチャージ番号の後に他方のチャージ番号を挿入する操作を行う2要素近傍の手法において、最適解の探索方法をローカルサーチ法として作成したキャスト計画に対するグラフである。また、グラフ113は、2要素近傍の手法において、最適解の探索方法をシミュレーティッド・アニーリング法として作成したキャスト計画に対するグラフである。
図11(a)のグラフ112から分かるように、2要素近傍を用いたローカルサーチ法では、約0.05秒で評価値の悪い局所最適解に陥ってしまい、計算が終了した。一方、図11(a)、図11(b)のグラフ113から分かるように、2要素近傍を用いたシミュレーティッド・アニーリング法では、2要素近傍を用いたローカルサーチ法よりも良い評価値が得られた。しかしながら、図11(a)、図11(b)のグラフ111から分かるように、本実施形態の手法を用いたローカルサーチ法の方が、2要素近傍を用いたシミュレーティッド・アニーリング法よりも短時間で評価値の良いキャスト計画が得られた。
以上のように本実施形態では、チャージ番号を配列番号、当該チャージ番号の次に鋳造されるチャージのチャージ番号をその要素とする1次元配列xをキャスト計画とする。ただし、キャストの最後のチャージ番号に対応する要素には、当該チャージ番号のチャージがキャストの最後であることを識別する情報として「−1」を記憶し、キャストの最初のチャージ番号は、チャージ数に当該キャスト番号を加えた配列番号の要素に記憶する。そして、同一キャストに存在する1つ又は連続する複数の配列番号からなる鋳造範囲を、少なくとも起点及び終点を除いて相互に重ならないように2組選択する。そして、2つの範囲の起点に対応する要素同士と終点に対応する要素同士を夫々入れ替える操作を行うことで、現在計画に対する多様な近傍計画を作成する。現在計画より評価値の良い近傍計画が見つかれば、近傍計画を新たに現在計画とし、その近傍を前記入れ替え操作により探索する。したがって、2組の配列要素の入れ替え操作のみで、多様な近傍計画を作成することが出来る。ここで、2つのチャージを組み合わせた場合の探索範囲の大きさはN2/2(Nはチャージ数)となるので、図12(a)に示すように探索範囲(円で示す範囲)は小さくなり、評価値の悪い局所最適化に陥りやすい。一方、3つのチャージを組み合わせた場合の探索範囲の大きさはN3に比例するので、図12(b)に示すように探索範囲が大きくなり過ぎ、計算時間が膨大になる。これに対し、本実施形態で近傍計画を生成する場合の探索範囲の大きさは、(L2/8)×N2(Lはキャスト内の最大チャージ数)になるので、図12(c)に示すように、局所最適解に陥らず、且つ、計算時間が膨大にならない適切な大きさの探索範囲にすることができる。したがって、本実施形態では、評価値の悪い局所最適化に陥り難く、評価値の良好なキャスト計画を容易に作成することができる。また、計算ステップが少ないので、高速に近傍計画を作成することが可能である。
(変形例)
本実施形態では、生産計画として、鋼片の連続鋳造におけるキャスト計画を作成する場合を例に挙げて説明したが、ロットに複数の製品を纏めてロット単位で製品を生産するための計画を作成するようにしてれば、生産計画の適用範囲はキャスト計画に限定されるものではない。例えば、圧延計画を作成することもできる。圧延計画を作成する場合には、「スラブ(被圧延材)」が「製品」に対応し、「圧延ロット(圧延単位)」が「ロット」に対応し、「圧延」が「製造」に対応する。すなわち、前述した説明において、「チャージ」を「スラブ(被圧延材)」に、「キャスト」を「圧延ロット(圧延単位)」に、「鋳造」を「圧延」にそれぞれ置き換えることにより、圧延計画を作成することができる。
また、本実施形態では、ローカルサーチ法(山登り法)を用いて最適解を探索する場合を例に挙げて説明したが、シミュレーティッド・アニーリング法(焼き鈍し法)等を用いて最適解を探索するようにしてもよい。例えば、シミュレーティッド・アニーリング法を採用する場合には、図10のステップS8において、近傍計画が現在計画に対して改善されなかった場合にも、擬似温度をパラメータとする所定の確率で改善されたとみなしてステップS9に進むようにすればよい。
また、本実施形態では、チャージ番号をインデックス情報とし、当該チャージ番号の次に鋳造されるチャージのチャージ番号を当該インデックス情報に対応する要素情報とした一次元配列xを生産計画とした場合を例に挙げて説明した。しかしながら、製品の識別コードである製品IDのなかで、生産順が前後して隣り合う2つの製品のうちの、先行して生産される製品の製品IDを一次元配列のインデックス情報とし、後行して生産される製品の製品IDを当該インデックス情報に対応する要素情報としたものを生産計画としていれば、インデックス情報及び要素情報は、本実施形態で説明したものに限定されない。例えば、製品IDとして整数の連番を用いずに記号を用いるようにしてもよい。また、生産計画として、例えば、Fをインデックス情報、Gをそのインデックス情報対応する情報要素情報とした場合に、(F,G)という2つの数値のペアの形で生産計画を一次元配列として表してもよい。
また、本実施形態では、前述した配列番号の2つの範囲の起点及び終点を、配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)として選択する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はなく、前述した配列番号の2つの範囲の起点及び終点に対応する要素の組み合わせ(x[i],x[j],x[u],x[v])を直接選択するようにしてもよい。このようにした場合、前述した(a)〜(c)は、例えば以下の(d)〜(f)にすることができる。
(d) 要素x[j]のチャージが、要素x[i]のチャージ以降に鋳造され、要素x[i]のチャージと、要素x[j]のチャージとが同一のキャストで鋳造される。
(e) 要素x[v]のチャージが、要素x[u]のチャージ以降に鋳造され、要素x[u]のチャージと、要素x[v]のチャージとが同一のキャストで鋳造される。
(f) 配列番号(チャージ番号)x[i]〜配列番号(チャージ番号)jの鋳造範囲と、配列番号(チャージ番号)x[u]〜配列番号(チャージ番号)vの鋳造範囲とが相互に重ならない。
ここで、キャストの切れ目のチャージ番号の要素は「−1」であるので、このような要素の場合、例えば、「要素x[i]のチャージと、要素x[j]のチャージとが同一のキャストで鋳造される」とは「要素x[i]に対応する配列番号(チャージ番号)のチャージと、要素x[j]に対応する配列番号(チャージ番号)のチャージとが同一のキャストで鋳造される」ことを意味する。
また、本実施形態では、キャスト番号kのキャストの先頭にチャージ番号iのチャージを鋳造する場合にはx[k+18(チャージ数)]=iとする場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、チャージ番号pのチャージの次にチャージ番号qのチャージを鋳造する場合にはx[p+キャスト数]=qとし、キャスト番号kのキャストの先頭にチャージ番号iのチャージを鋳造する場合にはx[k]=iとするようにしてもよい。すなわち、各ロットの最初の生産順の各製品の製品IDを示す要素情報に対応する各インデックス情報(ここで説明した例では「k+18」又は「k」)は、各ロットを識別するコードである各ロットIDであればよい。ただし、これらのロットIDは、一次元配列に格納される製品ID(本実施形態ではチャージ番号)と重複しないようにするのが好ましい。また、本実施形態では、チャージ番号qのチャージがキャストの最後の場合にはx[q]=−1としたが、「−1」の代わりに、チャージ番号qのチャージがキャストの最後であること識別する別の情報(記号や数値)を用いてもよい。ただし、この情報も、一次元配列に格納される製品ID(本実施形態ではチャージ番号)と重複しないようにするのが好ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、(a)〜(c)の条件を満たす配列番号の組み合わせ(i,j,u,v)を全て選択し得る場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、予め指定された配列番号については選択しないようにする場合を例に挙げて説明する。このように本実施形態と前述した第1の実施形態では、配列番号の選択の方法の一部が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図12に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図13は、選択可能な配列番号と選択不可能な配列番号を表す1次元配列の一例を示す図である。図13に示すような情報が生産計画作成装置(HDD等)に予め記憶されている。図13に示す例では、一次元配列xと同じサイズの一次元配列yを、選択可能な配列番号と選択不可能な配列番号を識別する情報としている。一次元配列yのk番目の要素(y[k])には、値kを配列番号の組合せ(i,j,u,v)に含めて良い時は「1」、含めないときには「0」をセットすることとする。このようにすることで、例えば、一次元配列yが図13に示すように設定されているとき、2、12、16、20はi、j、u、vのいずれの値にもならないため、x[2]、x[12]、x[16]、x[20]の値については、前述した(A)と(B)の交換処理の対象から除外される。すなわち、配列番号選択部104は、図8のステップS4において、i、j、u、vの少なくとも1つに、2、12、16、又は20を含む配列番号の組合せ(i,j,u,v)を選択しないようにする。例えば、図4に示した現在計画に対して、図13に示すような交換の制限がなされている場合には、チャージ番号2の次のチャージ、チャージ番号12の次のチャージ、チャージ番号16の次のチャージ、キャスト2の先頭のチャージは変更されず、常に同じになる。すなわち、図14においてグレーで表示されているチャージ番号のチャージの鋳造順番は変らず、チャージ番号12〜チャージ番号1のチャージは1つのグループ(まとまり)として鋳造される。また、チャージ番号5のチャージは常にキャスト2の先頭に鋳造され、そして、チャージ番号16のチャージは常にキャスト3の最後に鋳造される。
以上のように本実施形態では、予め指定された配列番号の要素については入れ替えを行わないようにしたので、前述した第1の実施形態の効果に加えて、初期計画の中で変更したくない部分をユーザが指定し、その指定を反映した生産計画を作成することが可能となり、利便性を向上させることができる。例えば、連続して鋳造したい複数のチャージについてはその鋳造順が変わらない生産計画を作成することができる。また、キャストの最初又は最後に鋳造することが適しているチャージについては、必ずキャストの最初又は最後に鋳造する生産計画を作成することができる。
尚、本実施形態においても、第1の実施形態で説明した変形例を採用することができる。また、配列番号を指定するのではなく、要素を直接指定し、その要素については入れ替えを行わないようにしてもよい。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体、又はかかるプログラムを伝送する伝送媒体も本発明の実施の形態として適用することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体などのプログラムプロダクトも本発明の実施の形態として適用することができる。前記のプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100 生産計画作成装置
101 製品情報取得部
102 初期計画作成部
103 現在計画作成部
104 配列番号選択部
105 近傍計画作成部
106 評価部
107 現在計画変更部
108 配列番号リセット部
109 現在計画出力部

Claims (11)

  1. 複数の製品をロットに纏めて該ロット単位で該製品を生産するために、該製品の該ロットへの割り振りと、該製品の生産順とを表す生産計画を作成する生産計画作成方法であって、
    前記製品の識別コードである製品IDのなかで、生産順が前後して隣り合う2つの該製品のうちの、先行して生産される製品の製品IDを一次元配列のインデックス情報とし、後行して生産される製品の製品IDを該インデックス情報に対応する要素情報として、生産計画を記憶する記憶ステップと、
    同一の前記ロット内において生産順で連続する複数の前記製品から、起点と終点を指定して選択される製造範囲であって、少なくとも該起点及び該終点以外では相互に重複しない2つの製造範囲を選択して、該2つの製造範囲のそれぞれの起点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作と、該2つの製造範囲のそれぞれの終点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作とを行う操作ステップと、
    前記生産計画の良否を表す所定の評価関数によって、前記操作ステップにより操作が行われた後の生産計画の評価値を導出する評価ステップと、
    前記評価値に基づいて最も評価が高いと判定された生産計画を出力する出力ステップと、を有することを特徴とする生産計画作成方法。
  2. 前記記憶ステップは、前記ロットのそれぞれの最後の生産順の製品の各製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報のそれぞれとして、前記製品IDの製品の次に生産する製品の製品IDの代わりに、当該製品IDの製品が前記ロットの最後の生産順の製品であることを識別する情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の生産計画作成方法。
  3. 前記記憶ステップは、前記ロットのそれぞれの最初の生産順の各製品の製品IDを示す前記要素情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記一次元配列のインデックス情報のそれぞれとして、該ロットのそれぞれを識別するコードであるロットIDを記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の生産計画作成方法。
  4. 前記製品IDとして整数の連番を用い、前記ロットIDとして、該製品IDと重複しない整数の連番を用いることを特徴とする請求項3に記載の生産計画作成方法。
  5. 前記操作ステップは、予め指定された前記一次元配列のインデックス情報に対応する要素情報の入れ替えを行わないようにすることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の生産計画作成方法。
  6. 複数の製品をロットに纏めて該ロット単位で該製品を生産するために、該製品の該ロットへの割り振りと、該製品の生産順とを表す生産計画を作成する生産計画作成装置であって、
    前記製品の識別コードである製品IDのなかで、生産順が前後して隣り合う2つの該製品のうちの、先行して生産される製品の製品IDを一次元配列のインデックス情報とし、後行して生産される製品の製品IDを該インデックス情報に対応する要素情報として、生産計画を記憶する記憶手段と、
    同一の前記ロット内において生産順で連続する複数の前記製品から、起点と終点を指定して選択される製造範囲であって、少なくとも該起点及び該終点以外では相互に重複しない2つの製造範囲を選択して、該2つの製造範囲のそれぞれの起点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作と、該2つの製造範囲のそれぞれの終点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作とを行う操作手段と、
    前記生産計画の良否を表す所定の評価関数によって、前記操作手段により操作が行われた後の生産計画の評価値を導出する評価手段と、
    前記評価値に基づいて最も評価が高いと判定された生産計画を出力する出力手段と、を有することを特徴とする生産計画作成装置。
  7. 前記記憶手段は、前記ロットのそれぞれの最後の生産順の製品の各製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報のそれぞれとして、前記製品IDの製品の次に生産する製品の製品IDの代わりに、当該製品IDの製品が前記ロットの最後の生産順の製品であることを識別する情報を記憶することを特徴とする請求項6に記載の生産計画作成装置。
  8. 前記記憶手段は、前記ロットのそれぞれの最初の生産順の各製品の製品IDを示す前記要素情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記一次元配列のインデックス情報のそれぞれとして、該ロットのそれぞれを識別するコードであるロットIDを記憶することを特徴とする請求項6又は7に記載の生産計画作成装置。
  9. 前記製品IDとして整数の連番を用い、前記ロットIDとして、該製品IDと重複しない整数の連番を用いることを特徴とする請求項8に記載の生産計画作成装置。
  10. 前記操作手段は、予め指定された前記一次元配列のインデックス情報に対応する要素情報の入れ替えを行わないようにすることを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の生産計画作成装置。
  11. 複数の製品をロットに纏めて該ロット単位で該製品を生産するために、該製品の該ロットへの割り振りと、該製品の生産順とを表す生産計画を作成することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記製品の識別コードである製品IDのなかで、生産順が前後して隣り合う2つの該製品のうちの、先行して生産される製品の製品IDを一次元配列のインデックス情報とし、後行して生産される製品の製品IDを該インデックス情報に対応する要素情報として、生産計画を記憶する記憶ステップと、
    同一の前記ロット内において生産順で連続する複数の前記製品から、起点と終点を指定して選択される製造範囲であって、少なくとも該起点及び該終点以外では相互に重複しない2つの製造範囲を選択して、該2つの製造範囲のそれぞれの起点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作と、該2つの製造範囲のそれぞれの終点の製品の製品IDを示す前記一次元配列のインデックス情報に対応づけられて前記生産計画として記憶されている前記要素情報同士を入れ替える操作とを行う操作ステップと、
    前記生産計画の良否を表す所定の評価関数によって、前記操作ステップにより操作が行われた後の生産計画の評価値を導出する評価ステップと、
    前記評価値に基づいて最も評価が高いと判定された生産計画を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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