JP2014043781A - 排気浄化装置 - Google Patents

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洋之 木村
Seiji Matsuda
征二 松田
Yusuke Isobe
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Abstract

【課題】簡素な構成で、触媒温度が低い状態での排気性能を改善させる。
【解決手段】内燃機関10の排気通路23に介装され、排気中に含まれる有害成分を浄化する触媒31と、触媒31よりも下流側の排気通路23に介装された排気絞り弁33と、触媒31の上流側と排気通路23と触媒31及び排気絞り弁33の間の排気通路23とを接続する還流通路32と、触媒31の上流側の上流圧力P1を取得する圧力取得手段5と、触媒31の温度が活性温度未満のときに、圧力取得手段5により取得された上流圧力P1に基づいて排気絞り弁33の開閉を制御する制御手段4と、を備え、制御手段4が、触媒31の上流側の排気脈動による周期的な圧力変化の一周期中において、上流圧力P1が低下中であって大気圧以上の第一所定値に達したときに排気絞り弁33を閉弁して還流通路32に排気を流通させ、上流圧力P1が上昇中であるときに排気絞り弁33を開弁する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関の排気通路には、内燃機関から排出された排気に含まれるHCやCO等の物質を酸化除去する触媒を備えた排気浄化装置が介装される。排気は触媒で浄化された後、車外へ排出されるが、触媒の温度が所定の活性温度以上に達していない状態では、触媒の機能が十分に発揮されないため浄化不十分のまま車外へ排出されてしまう。そのため、触媒温度が低い状態での排気性能の向上を目的とした技術が種々提案されている。
例えば特許文献1に記載の排気ガス浄化装置は、触媒装置の下流側の排気通路が二つに分岐され、一方の通路(バイパス流路)に排気中のHCを吸着する吸着剤が設けられ、さらに吸着剤の下流と排気マニホールドとを接続する還流通路が設けられている。この排気ガス浄化装置には、還流通路のさらに下流側の排気通路に、バイパス流路及び他方の通路(排気主路)の出口の開閉状態を切り替える切替弁が設けられ、エンジン始動時(つまり、触媒温度が低いとき)は排気主路が閉じられて、吸着剤によりHCが捕集される。また、温度が上昇し触媒が活性化するとバイパス流路が閉じられて、吸着剤に捕集されていたHCが脱離して排気マニホールドに戻され、触媒で浄化される。これにより、エンジン始動時のHCの捕集と浄化を適切に行うことができるとされている。
また、特許文献2に記載の排気浄化装置は、触媒コンバータが配設された部位の排気管の周囲に、触媒コンバータを通過した排気の少なくとも一部が流通する構成されている。これにより、大気中に放出される排気の廃熱によって触媒コンバータが加熱され、触媒コンバータの温度低下が抑制されて触媒活性を促進させることができるとされている。
特開平6−229223号公報 特開2008−232090号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載の装置は、触媒装置の下流側の排気通路を二つに分岐し、さらにバイパス流路に触媒装置とは別体のHC吸着剤を設けるため、装置が大型化して搭載性が低下する上、コスト増を招くおそれがある。また、上記の特許文献2に記載の装置は、触媒活性を促進させることができても、触媒が活性化されるまでの間はHC等を含んだ排気がそのまま車外へ排出されることとなる。
また、搭載性を考慮して、車両の床下に配置されるマフラ(消音器)と触媒とが一体型にされる場合がある。この場合、触媒とマフラとの間に空気の層が形成されるため、触媒の保温効果が期待される。しかしながら、この場合は、内燃機関の直下流に配置される場合に比べて内燃機関から触媒までの距離が長いため、触媒に流入するときの排気温度が低くなってしまう。そのため、保温効果に優れていたとしても肝心な触媒の昇温に時間を要し、触媒温度が活性温度に昇温するまでの間、HC等を含んだ排気がそのまま車外へ排出されることとなる。なお、このような課題は、マフラと触媒とが一体型のものに限られず、触媒の昇温に時間を要する排気浄化装置全てが有する課題である。
本件はこのような課題に鑑み案出されたもので、簡素な構成で、触媒温度が活性温度未満での排気性能を改善させることができるようにした、排気浄化装置を提供することを目的とする。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する排気浄化装置は、車両に搭載された内燃機関の排気通路に介装され、前記内燃機関の排気中に含まれる有害成分を浄化する触媒と、前記触媒よりも下流側の前記排気通路に介装された排気絞り弁と、を備える。また、前記触媒の上流側の前記排気通路と、前記触媒と前記排気絞り弁との間の前記排気通路とを接続する還流通路を備える。さらに、前記触媒の上流側の上流圧力を取得する圧力取得手段と、前記触媒の温度が活性温度未満のときに、前記圧力取得手段により取得された前記上流圧力に基づいて前記排気絞り弁の開閉を制御する制御手段と、を備える。前記制御手段は、前記触媒の上流側の排気脈動による周期的な圧力変化の一周期中において、前記上流圧力が低下中であって大気圧以上の第一所定値に達したときに前記排気絞り弁を閉弁して前記還流通路に前記排気を流通させ、前記上流圧力が上昇中であるときに前記排気絞り弁を開弁することを特徴としている。
(2)前記制御手段は、前記第一所定値を、前記排気絞り弁の開弁時の前記排気脈動の振幅中心の圧力とすることがより好ましい。つまり、前記排気絞り弁は、前記一周期中において、前記上流圧力が低下中であって、前記排気絞り弁の開弁時の前記排気脈動の振幅中心の圧力に達したときに前記制御手段によって閉弁されることが好ましい。
(3)前記制御手段は、前記一周期中において、前記上流圧力が大気圧以上且つ前記排気絞り弁の開弁状態における前記排気脈動の最大圧力以下である第二所定値に達したときに、前記排気絞り弁を開弁することが好ましい。言い換えると、前記排気絞り弁は、前記一周期中において、前記上流圧力が上昇中であって第二所定値に達したときに前記制御手段によって開弁される。このときの第二所定値は、大気圧以上であって、且つ、前記排気絞り弁が開弁状態であるときの前記排気脈動の最大圧以下の値であることが好ましい。
(4)前記制御手段は、前記第二所定値を、前記排気絞り弁の開弁時の前記排気脈動の振幅中心の圧力とすることが好ましい。換言すると、前記排気絞り弁は、前記一周期中において、前記上流圧力が上昇中であって、前記排気絞り弁の開弁時の前記排気脈動の振幅中心の圧力に達したときに前記制御手段によって開弁されることが好ましい。
(5)前記圧力取得手段は、前記排気絞り弁の上流側であって前記触媒の下流側の下流圧力を取得し、前記制御手段は、前記第二所定値を、前記上流圧力と前記下流圧力とが等しくなる圧力とすることが好ましい。
触媒の上流側の圧力が排気脈動によって周期的に変化すると、触媒の上下流で圧力差が生まれ、上流圧力が下流圧力よりも低い状態になるときがある。この状態では、触媒の上流側の排気通路と触媒の下流側の排気通路とを接続する還流通路を通じて、触媒を通過した排気が触媒上流側へ還流する。そのため、開示の排気浄化装置では、上流圧力の排気脈動の一周期中において、上流圧力が低下中であって大気圧以上の第一所定値に達したときに、触媒下流側の排気絞り弁を閉弁する。
これにより、下流圧力は速やかに上昇する一方、上流圧力は低下し続けるため、下流圧力から上流圧力を差し引いた圧力の差をさらに生み出すことができる。言い換えると、下流圧力が上流圧力よりも高くなる状態が長くなって、還流される排気流量を増大させることができる。したがって、触媒で浄化しきれなかった排気に含まれるHC等が車外へ排出される量を抑制することができ、触媒が活性温度に達する前の排気性能を改善させることができる。
また、排気絞り弁の開閉制御により還流される排気流量を増大させることができるため、触媒が活性温度に達する前では、排気を複数回触媒に通過させることができる。そのため、これによっても触媒が活性温度に達する前の排気性能を改善させることができる。
このように触媒が活性温度に達する前の排気性能を改善させることができるため、活性温度の低い触媒貴金属(例えば白金)の量を減らすことができる。また、全体の触媒貴金属担持量の低減や触媒容量自体の低減も可能となり、コストを削減することができる。
なお、上流圧力が上昇中であるときに排気絞り弁が開弁されるため、上流圧力の過上昇を抑制することができ、上流圧力が最大圧力を大幅に超えてエンジンに影響を与えるおそれをなくすことができる。
一実施形態に係る排気浄化装置のブロック構成及びこの排気浄化装置が適用されたエンジンを例示する図である。 一実施形態に係る排気浄化装置で実施される制御内容を説明するためのフローチャートである。 一実施形態に係る排気浄化装置での制御内容を説明するためのグラフであり、(a)は圧力変化、(b)は排気絞り弁の開閉状態を示す。
以下、図面により実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
[1.装置構成]
図1に示すように、本実施形態の排気浄化装置は、車両に搭載されたディーゼルエンジン10(以下、エンジン10という)に適用される。図1には、エンジン10のシリンダブロックに設けられる複数のシリンダ11のうちの一つを示すが、他のシリンダ11も同様の構成である。エンジン10のシリンダ11内には、上下方向に往復摺動し、その頂面に燃焼室となるキャビティが形成されたピストン12が設けられる。ピストン12は、コネクティングロッド13を介してクランクシャフト14に接続される。
シリンダ11上部のシリンダヘッド15には、燃料噴射用のインジェクタ16が設けられる。インジェクタ16は、その先端部がシリンダ11の筒内空間に突出して設けられ、シリンダ11内に直接燃料を噴射する。インジェクタ16の基端部には燃料配管が接続され、この燃料配管から加圧された燃料がインジェクタ16に供給される。インジェクタ16からの燃料噴射量及び燃料噴射のタイミングは、図示しないエンジンECU(エンジン制御装置)で制御される。
シリンダヘッド15には、シリンダ11の筒内空間と連通する吸気ポート17及び排気ポート18が設けられ、これらの各ポート17,18を開閉するための吸気弁19及び排気弁20が設けられる。吸気ポート17には、吸気マニホールド21(以下、インマニ21という)が接続され、インマニ21の上流には、図示しないエアフローセンサやエアクリーナ等を備えた吸気通路が接続される。排気ポート18には、排気マニホールド22(以下、エキマニ22という)が接続される。エキマニ22は複数のシリンダ11から合流するように形成され、その下流側には排気通路23が接続される。
ここで、エンジン10が例えば4気筒であって、#1気筒,#3気筒,#4気筒,#2気筒の順番で燃焼が行われる場合、まず#1気筒の排気がエキマニ22に排出され、次に#3気筒の排気がエキマニ22に排出される。次いで#4気筒の排気がエキマニ22に排出され、最後に#2気筒の排気がエキマニ22に排出される。これが繰り返され、その結果エキマニ22及びその下流の排気通路23内には、周期的な排気圧力の変動(すなわち、排気脈動)が生じる。
また、このエンジン10の吸排気系には、排気圧を利用してシリンダ11内に吸気を過給するターボチャージャ24が設けられる。ターボチャージャ24は、吸気通路と排気通路23との両方にまたがって介装された過給機である。ターボチャージャ24は、排気通路23内の排気圧でタービン(図示略)を回転させ、その回転力を利用してコンプレッサ(図示略)を駆動することにより、吸気通路側の吸気を圧縮してエンジン10への過給を行う。
ターボチャージャ24の下流側の排気通路23には、エンジン10の燃焼室から排出された排気に含まれる炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO),窒素酸化物(NOx)等の有害成分を浄化する機能を有する排気浄化装置30が介装される。排気浄化装置30は、排気中のHC等の成分を酸化除去する触媒31と、触媒31を通過した排気が触媒31の下流から上流へと流通する還流通路32と、触媒31よりも下流側の排気通路23に介装された排気絞り弁33とを有する。
触媒31は、円柱状や角柱状といった柱状に形成され、金属やセラミックス等からなるハニカム状の担体に触媒貴金属が担持されたものであり、排気中の成分(HC,CO,NO等)に対して酸化能を有する触媒である。ここでは、白金(Pt)やパラジウム(Pd)等の触媒貴金属が触媒物質として担持されている。触媒31は、例えば円筒状のケーシング内にサポート材(図示略)を介して固定される。エンジン10の燃焼室から排出された排気は、触媒31の柱状の軸方向(図1では左から右へ向かう方向)に流通し、触媒31を昇温させる。触媒31は、担体の温度T(以下、触媒温度Tという)が所定の活性温度TA以上になるとその酸化能を十分に発揮する。
還流通路32は、一端32aが触媒31の下流と排気絞り弁33の上流との間の排気通路23に接続され、他端32bが触媒31の上流側に接続された流路である。還流通路32には逆止弁34が介装されており、還流通路32を流れる排気は、触媒31の下流から上流へ(一端32aから他端32bへ)一方通行に流通する。なお、図1では、還流通路32の他端32bが触媒31の上流側のケーシングに接続されているが、接続箇所はこれに限られず、触媒31よりも上流の排気通路23に接続されていてもよい。
排気絞り弁33は、排気通路23を流通する排気の流量や流速,圧力等を制御するバルブ(例えば、圧力制御バルブ)であり、排気通路23の下流端近傍に配置される。排気絞り弁33は、ここでは後述の車両ECU1に設けられるバルブ制御部4によってその開閉が制御される。なお、排気絞り弁33は、少なくとも排気通路23を開閉できる弁(バルブ)であればよく、開閉のみでなく開度調節機能を有するバルブであってもよい。
本実施形態の排気浄化装置30は、排気が車外へ排出される際の音を低減する消音装置としてのマフラ40と一体型に形成されたものである。マフラ40は、車両の床下に配置され、排気通路23の最下流に設けられるいわゆるメインマフラであり、筒状に形成された消音器本体41と、消音器本体41の一端側(図中左側)41aで消音器本体41と連通するように接続され、他端側(図中右側)41bに向かって延設されたエンドパイプ42とを有する。
排気通路23は、消音器本体41の一端側41aに形成された孔部41hに挿通され、消音器本体41の内部に延設される。排気通路23の下流端は、他端側41bで消音器本体41内に開放されている。本実施形態の場合、消音器本体41の内部は、排気流通部43hを有する複数のセパレータ43によって区画される。セパレータ43は、排気流れに対して垂直に配置された板状の壁体であり、それぞれのセパレータ43には穴あけ加工が施されて排気流通部43hが形成されている。排気浄化装置30は、これら複数のセパレータ43によって消音器本体41の内部に支持される。
したがって、排気ポート18から排出された排気は、図1中に白抜き矢印で示すように、エキマニ22を通って排気通路23を流通し、マフラ40に内蔵された排気浄化装置30を通過して消音器本体41の他端側41bから消音器本体41内へ流れ込む。そして、消音器本体41の他端側41bで流れ方向が反転され、複数の排気流通部43hを通り、消音器本体41の一端側41aでさらに流れ方向が反転されてエンドパイプ42を流通して、車外へ排出される。
なお、本実施形態では、エンジン10及びターボチャージャ24は、車両のエンジンルームER内に配置され、マフラ40はエンジンルームERではなく車両の床下に配置される。つまり、排気浄化装置30は、エンジン10から離れた車両の床下に配置される。
マフラ40の直上流(孔部41hに到達していない部分)の排気通路23には、触媒31の上流側の圧力P1(以下、上流圧力P1という)を検出する上流側圧力センサ(圧力取得手段)5が設けられる。上流側圧力センサ5のサンプリングレートは、少なくとも排気通路23内の排気脈動が把握される程度に高周期である。
触媒31の上流側のケーシングには、触媒31に流入する直前の排気温度TEXを検出する温度センサ6が設けられる。エンジン10のクランクシャフト14の近傍には、エンジン回転速度Neを検出する回転速度センサ8が設けられる。これら上流側圧力センサ5,温度センサ6及び回転速度センサ8で検出される上流圧力P1,排気温度TEX及びエンジン回転速度Neの情報は、随時車両ECU1に伝達される。
車両には、車両を統合制御する車両ECU1(電子制御装置;Electric Control Unit)が設けられる。車両ECU1は、各種演算処理を実行するCPU,その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM,CPUでの演算結果等が一時的に記憶されるRAM,外部との間で信号を入出力するための入出力ポート,制御時間をカウントするタイマ等を備えたコンピュータである。車両ECU1の入力側には、上流側圧力センサ5,温度センサ6及び回転速度センサ8が接続される。また、車両ECU1の出力側には、排気絞り弁33が接続される。なお、車両ECU1は図示しない他のECU(例えばエンジンECU,空調ECU,ブレーキECU等)とも接続され、情報の送受信も行う。
[2.制御構成]
車両ECU1は、ここでは触媒31の触媒温度Tが活性温度TA未満のときに、上流圧力P1に基づいて排気絞り弁33の開閉制御を実施する。車両ECU1は、開閉制御を実施するために、温度判定部2としての機能要素と、圧力判定部3としての機能要素と、バルブ制御部4としての機能要素とを有する。
温度判定部2は、温度センサ6で検出された排気温度TEXに基づいて触媒温度Tを演算し、触媒温度Tが活性温度TA未満であるか否かを判定するものである。触媒温度Tの演算手法としては、例えば、排気温度TEXと触媒温度Tとの関係を示すマップを予め記憶しておき、検出された排気温度TEXとマップとから触媒温度Tを演算する。この触媒温度Tと比較する活性温度TAは、触媒31の種類に応じた値であり、予め車両ECU1に記憶されている。温度判定部2における判定結果はバルブ制御部4に伝達される。
圧力判定部3は、上流側圧力センサ5で検出された上流圧力P1の挙動(排気脈動による周期的な圧力変化)を監視し、この挙動に応じて上流圧力P1と所定の値とを比較して判定するものである。圧力判定部3は、排気脈動の一周期中において、以下の条件が成立するか否かを判定する。
条件1.上流圧力P1が低下中であって、上流圧力P1が第一所定値PTH1以下である。
条件2.上流圧力P1が上昇中であって、上流圧力P1が第二所定値PTH2以上である。
条件1中の第一所定値PTH1は、大気圧PA以上の圧力値であり、後述するバルブ制御部4によって設定される。ここでは排気絞り弁33の開弁時(排気絞り弁33が全開の状態のとき)の排気脈動の振幅中心の圧力PC(以下、中心圧力PCともいう)に設定されている場合を説明する。中心圧力PCは、バルブ制御部4において、以下の式1を用いて演算される。
PC=(PMAX+PMIN)/2 ・・・(1)
ここで、圧力PMAXは、排気脈動によって周期的に変化する圧力の振り幅(振幅)の最大値(すなわち上流圧力P1の最大圧力)であり、圧力PMINは、排気脈動によって周期的に変化する圧力の振り幅(振幅)の最小値(すなわち上流圧力P1の最小圧力)である。つまり、上流圧力P1は、最大圧力PMAXと最小圧力PMINとを周期的に繰り返すように変動する。これらの最大圧力PMAX及び最小圧力PMINは、上流側圧力センサ5で検出される。なお、中心圧力PCは、当然大気圧PAよりも高い。
また、条件2中の第二所定値PTH2は、大気圧PA以上且つ通常時の排気脈動の最大圧力PMAX以下の圧力値であり、後述するバルブ制御部4によって設定される。ここでは排気絞り弁33の開弁時の排気脈動の振幅中心の圧力(すなわち中心圧力)PCに設定されている場合を説明する。つまり、本実施形態では、第一所定値PTH1と第二所定値PTH2とが同じ中心圧力PCに設定されている。
なお、圧力判定部3は、上流側圧力センサ5から随時伝達される上流圧力P1の値を監視することで、上流圧力P1が低下中であるか上昇中であるかを判断する。圧力判定部3における判定結果はバルブ制御部4に伝達される。
バルブ制御部(制御手段)4は、触媒31の触媒温度Tが活性温度TA未満のときに、上流圧力P1に基づいて排気絞り弁33の開閉を制御し、還流通路32を通じて触媒31の上流側へ還流される排気の流量を制御する。また、バルブ制御部4は、開閉制御を実施する際の閾値(条件)となる第一所定値PTH1及び第二所定値PTH2を設定する。なおここでは、第一所定値PTH1及び第二所定値PTH1が何れも中心圧力PCに設定されている場合を例示する。バルブ制御部4による排気絞り弁33の開閉制御が実施される理由について説明する。
触媒31の上流圧力P1は、上記したように排気脈動により最大圧力PMAXと最小圧力PMINとを周期的に繰り返すように変動する一方、触媒31と排気絞り弁33との間の圧力P2(触媒31の下流側の圧力、以下、下流圧力P2という)は大気圧と略同一の一定値である。そのため、触媒31の上下流には圧力差ΔPが生まれ、この圧力差ΔPは上流圧力P1に応じて変化する。なお、圧力差ΔPは、以下の式2で表現され、下流圧力P2の方が上流圧力P1よりも高い場合は圧力差ΔPが負の値となる。
ΔP=P1−P2 ・・・(2)
ここで、上流圧力P1が下流圧力P2よりも低い状態(圧力差ΔPが負の値)になると、触媒31を通過した排気が還流通路32に流れ込み、再び触媒31の上流側へ導かれる。排気絞り弁33の開弁時では、上流圧力P1が排気脈動によって下流圧力P2よりも低くなったときのみ(ΔP<0のときのみ)、還流通路32を排気が流通する。なお、この圧力差ΔPが負の値である状態が長く続くほど、還流通路32から還流される排気流量が多くなる。
ところで、触媒温度Tが活性温度TAよりも低い場合、触媒31は本来の酸化能力を十分に発揮することができず、排気に含まれるHC等の成分が十分に浄化されないまま車外に排出される。そこで、バルブ制御部4は、HC等の成分を含んだ排気が車外へ排出される量を抑制するため、以下の制御を実施する。
バルブ制御部4は、温度判定部2から「触媒温度Tが活性温度TA未満である」という判定結果が伝達されると、圧力判定部3から伝達される判定結果に応じて、排気絞り弁33を全開又は全閉に制御する。
まず、圧力判定部3から「条件1が成立した」という判定結果が伝達された場合は、バルブ制御部4は、排気絞り弁33を全閉にして閉弁状態にする。これにより、下流圧力P2は速やかに上昇する一方、上流圧力P1は排気脈動により低下し続けるため、負の圧力差ΔPをさらに生み出すことができる。言い換えると、下流圧力P2が上流圧力P1よりも高くなる状態(ΔP<0の状態)が長くなり、還流される排気流量が増大する。なお、排気絞り弁33が閉弁されると、上流圧力P1は最小圧力PMINよりも僅かに高い圧力までしか低下せず、圧力変化の振幅が僅かに小さくなる。
また、圧力判定部3から「条件2が成立した」という判定結果が伝達された場合は、バルブ制御部4は、排気絞り弁33を全開にして開弁状態にする。これにより、下流圧力P2は元の大気圧PAまで低下し、上流圧力P1は元の排気脈動の圧力変動に戻る。つまり、この場合は還流通路32に排気は流通しない。
また、圧力判定部3から条件1,条件2の何れも成立していないという判定結果が伝達された場合は、バルブ制御部4は、排気絞り弁33の開度を現状のまま維持する。
一方、バルブ制御部4は、温度判定部2から「触媒温度Tが活性温度TA未満ではない」という判定結果が伝達されたときは、圧力判定部3の判定結果にかかわらず排気絞り弁33を全開にする。
[3.フローチャート]
図2を用いてバルブ制御部4で実行される排気絞り弁33の開閉制御の手順の例を説明する。図2はバルブ制御部4で実行されるフローチャートであり、イグニッションキーのオンと同時にスタートされ、予め設定された所定周期(例えば、数ミリ秒サイクル)で繰り返し実施される。
図2に示すように、ステップS10では温度判定部2において触媒温度Tが取得され、続くステップS20では触媒温度Tが活性温度TA未満であるか否かが判定される。触媒温度Tが活性温度TAに達していない場合はステップS30へ進み、触媒温度Tが活性温度TA以上の場合はステップS130へ進む。ステップS30では上流圧力P1が検出され、続くステップS40ではフラグFがF=0であるか否かが判定される。フラグFは、排気絞り弁33が開弁状態であるのか、それとも閉弁状態であるのかを意味するものであり、F=0が開弁状態,F=1が閉弁状態にそれぞれ対応する。なお、初期値はF=0に設定されている。
ステップS40においてフラグFがF=0である(排気絞り弁33は開弁状態である)と判定されると、ステップS50では上流圧力P1が低下中であるか否かが判定される。上流圧力P1が低下中であるときは、続くステップS60において上流圧力P1が第一所定値PTH1以下であるか否かが判定される。ここでは、第一所定値PTH1は中心圧力PCに設定されているため、ステップS60では上流圧力P1が中心圧力PC以下であるか否かの判定が実施される。つまり、ステップS50及びステップS60の判定は、上記条件1が成立したか否かの判定に対応する。
ステップS60において上流圧力P1が第一所定値PTH1以下であると判定されると、ステップS70では排気絞り弁33が閉弁され、ステップS80でフラグFがF=1に設定されて、この演算周期での制御を終了する。一方、上流圧力P1が低下中でない場合、又は低下中であっても上流圧力P1が第一所定値PTH1よりも大きい場合は、ステップS50又はステップS60でNOルートへ進み、この演算周期での制御を終了する。つまり、この場合は排気絞り弁33は開弁状態のまま維持される。
排気絞り弁33が閉弁されてフラグFがF=1に設定されると、次の制御周期のステップS40では、フラグFがF=1である(排気絞り弁33は閉弁状態である)と判定され、ステップS90へ進み、上流圧力P1が上昇中であるか否かが判定される。排気絞り弁33を閉弁した次の制御周期では、通常、未だ上流圧力P1は低下中であるため、NOルートへ進み、この演算周期での制御を終了する。
そして、ステップS90の判定が繰り返し実施され、上流圧力P1が上昇中になると、YESルートからステップS100へ進み、上流圧力P1が第二所定値PTH2以上であるか否かが判定される。ここでは、第二所定値PTH2も中心圧力PCに設定されているため、ステップS100では上流圧力P1が中心圧力PC以上であるか否かの判定が実施される。つまり、ステップS90及びステップS100の判定は、上記条件2が成立したか否かの判定に対応する。
ステップS100において上流圧力P1が第二所定値PTH2以上であると判定されると、ステップS110では排気絞り弁33が開弁され、ステップS120でフラグFがF=0に設定されて、この演算周期での制御を終了する。一方、上流圧力P1が上昇中であっても上流圧力P1が第二所定値PTH2未満の場合は、ステップS100でNOルートへ進み、この演算周期での制御を終了する。つまり、上流圧力P1が上昇中でない場合、又は上昇中であっても上流圧力P1が第二所定値PTH2未満の場合は、排気絞り弁33は閉弁状態のまま維持される。
また、ステップS20において触媒温度Tが活性温度TA以上であると判定されると、ステップS130では排気絞り弁33が開弁され、フラグFがF=0に設定されてこのフローを終了する。
[4.作用]
次に、図3を用いて、上流圧力P1及び下流圧力P2の圧力の変化を説明する。図3(a)には、排気絞り弁33を開弁状態のままにした場合(開閉制御を実施しない従来の手法の場合)の圧力変化を細実線で示し、上記のバルブ制御部4による開閉制御を実施した場合の圧力変化を太実線で示す。また、従来の手法による圧力変化と本排気浄化装置30による圧力変化とが共通する部分については、細実線で示している。例えば、下流圧力P2のグラフでは、圧力が上昇又は低下している部分のみ太実線で示しているが、この太実線の部分のみ開閉制御を実施しているのではなく、この太実線の部分以外は細実線と同様の圧力変化であることを意味する。なお、図3(b)は、本排気浄化装置30による排気絞り弁33の開閉制御状態を示す。
図3(a)中に細実線で示すように、排気絞り弁33が常に開弁状態のとき(従来の手法)は、上流圧力P1は排気脈動により最大圧力PMAXと最小圧力PMINとを周期的に繰り返すように変動し、下流圧力P2は大気圧PAで略一定値となる。この場合、上流圧力P1が下流圧力P2よりも低くなるのは、上流圧力P1が大気圧PA未満になるときである。ここでは便宜上、上流圧力P1の二周期目の部分にだけドットで模様を付して上流圧力P1が下流圧力P2よりも低く領域を表しているが、他の周期においても同様である。この領域のときは、触媒31を通過した排気が還流通路32を流通して触媒31の上流側へ還流される。以下、上流圧力P1が下流圧力P2よりも低くなる領域のことを、還流可能領域と呼ぶ。従来の手法の場合の還流可能領域は、ドットを付した領域及び他の周期でのドットの領域と同様の領域である。
排気絞り弁33の開閉制御を行わない場合は、一周期中において、上流圧力P1が大気圧PA未満となる還流可能領域が小さく、触媒31を通過した排気のうち僅かな量しか還流されず、ほとんどが車外へ排出される。このとき、触媒31の温度Tが活性温度TA未満であると、排気に含まれるHC等が十分酸化除去されないため、HC等の成分を含んだ排気がそのまま車外へ排出されることになる。
これに対して、本排気浄化装置30では、図3(a)中に太実線で示すように、上流圧力P1が低下中であって中心圧力PC(第一所定値PTH1)に達したときに(左から一つ目の白丸で)、排気絞り弁33が閉弁される。これにより、下流圧力P2が速やかに上昇する一方、上流圧力P1は排気脈動によりそのまま低下し続けるため、還流可能領域の開始時間が早まる。また、上流圧力P1は、最小圧力PMINよりも僅かに高い圧力で上昇し始めるものの、下流圧力P2が大気圧PAに比べて高くなっていく。そのため、図3(a)中の上流圧力P1の一周期目の部分にだけ斜線で模様を付して示すように、一周期中における還流可能領域が増大する。つまり、触媒31を通過した後に還流される排気流量が増大する。なお、ここでも便宜上一周期目の部分にだけ斜線の模様を付しているが、他の周期でも斜線の領域と同様の領域が還流可能領域である。
その後、本排気浄化装置30では、上流圧力P1が上昇中であって中心圧力PC(第二所定値PTH2)に達したときに(左から一つ目の黒丸で)排気絞り弁33が開弁される。これにより、下流圧力P2は速やかに低下するとともに、上流圧力P1は過上昇(上昇のし過ぎ)が抑制されて、元の排気脈動の挙動(つまり、細実線で示す排気絞り弁33の開弁時の排気脈動の挙動)に近付いていく。なお、図3(a)中に二点鎖線で示すように、排気絞り弁33を開弁しなかった場合、上流圧力P1は最大圧力PMAXを大幅に超えてエンジン10に影響を与えるおそれが生じうるため、本排気浄化装置30は上流圧力P1が上昇中の適当なタイミングで排気絞り弁33を開弁する。
[5.効果]
したがって、本実施形態に係る排気浄化装置30によれば、上流圧力P1の排気脈動の一周期中において、上流圧力P1が低下中であって大気圧PA以上の第一所定値PTH1に達したときに、触媒31の下流側の排気絞り弁33を閉弁する。これにより、下流圧力P2は速やかに上昇する一方、上流圧力P1は低下し続けるため、負の圧力差ΔPをさらに生み出すことができる。言い換えると、下流圧力P2が上流圧力P1よりも高くなる状態が長くなり(還流可能領域が増大され)、還流される排気流量を増大させることができる。したがって、触媒31で浄化しきれなかった排気に含まれるHC等が車外へ排出される量を抑制することができ、触媒31が活性温度TAに達する前の排気性能を改善させることができる。
また、排気絞り弁33の開閉制御により還流される排気流量を増大させることができるため、触媒31が活性温度TAに達する前では、排気を複数回触媒31に通過させることができる。つまり、一回触媒31を通過しただけでは排気に含まれるHC等が全て浄化されなかったとしても、複数回触媒31を通過することでHC等の浄化効率が向上する。そのため、これによっても、触媒31が活性温度TAに達する前の排気性能を改善させることができる。
このように触媒31が活性温度TAに達する前の排気性能を改善させることができるため、活性温度TAの低い触媒貴金属(例えば白金)の量を減らすことができる。また、全体の触媒貴金属担持量の低減や触媒容量自体の低減も可能となり、コストを抑制することができる。
なお、上流圧力P1が上昇中であるときに排気絞り弁33が開弁されるため、上流圧力P1の過上昇を抑制することができ、上流圧力P1が最大圧力PMAXを大幅に超えてエンジン10に影響を与えるおそれをなくすことができる。
また、上流圧力P1が上昇中であって、大気圧PA以上且つ排気絞り弁33の開弁状態における排気脈動の最大圧力PMAX以下である第二所定値PTH2に達したときに、排気絞り弁33が開弁されるため、上流圧力P1の過上昇をより適切に抑制することができ、エンジン10に影響を与えるおそれをより確実になくすことができる。
さらにここでは、第二所定値PTH2が、排気絞り弁33の開弁時の排気脈動の振幅中心の圧力PCに設定されているため、簡単に第二所定値PTH2を設定することができ、第二所定値PTH2を設定するための演算負荷をより低減することができる。
同様に、ここでは第一所定値PTH1も、排気絞り弁33の開弁時の排気脈動の振幅中心の圧力PCに設定されているため、簡単に第一所定値PTH1を設定することができ、第一所定値PTH1を設定するための演算負荷をより低減することができる。
また、本実施形態では、排気浄化装置30がマフラ40と一体型に形成されたものであるため、排気浄化装置30の外側に、排気浄化装置30の外面とマフラ40の内面とで囲まれた空間が形成される。これにより、この空間が空気の層となり、排気浄化装置30の温度低下を抑制でき、保温効果が得られる。
[6.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
上記実施形態では、第一所定値PTH1及び第二所定値PTH2が、何れも排気絞り弁33の開弁時の排気脈動の振幅中心の圧力PCに設定されている場合を例示したが、第一所定値PTH1は大気圧PA以上且つ最大圧力PMAX以下の値であればよく、第二所定値PTH2も大気圧PA以上且つ最大圧力PMAX以下の値であればよい。また、第一所定値PTH1及び第二所定値PTH2が異なる値であってもよい。
例えば、図1中に二点鎖線で示すように、触媒31と排気絞り弁33との間に、触媒31の下流圧力P2を検出する下流側圧力センサ(圧力取得手段)7を設けて、下流側圧力センサ7で検出された下流圧力P2が車両ECU1へ伝達される構成とした場合、第二所定値PTH2を、上流圧力P1と下流圧力P2とが等しくなる圧力に設定してもよい。言い換えると、排気脈動による周期的な圧力変化の一周期中において、下流圧力P2が上流圧力P1と等しくなったときに排気絞り弁33を開弁してもよい。
つまり、上流圧力P1が上昇中であって下流圧力P2と等しい圧力に達した後は、次の排気脈動の周期まで排気は還流しないため、これ以降排気絞り弁33を閉弁している意味がなくなってしまう。そこで、第二所定値PTH2を、上流圧力P1と下流圧力P2とが等しくなる圧力に設定することで、還流可能領域を最大にすることができるとともに、無駄に排気絞り弁33を閉じている状態を回避し、エンジン10への影響を確実に防止することができる。
なお、第二所定値PTH2が設定されていなくてもよく、上流圧力P1の上昇中の適当なタイミングで排気絞り弁33が開弁される構成であってもよい。
また、上記したエンジン10や排気浄化装置30の構成は一例であって、上記したものに限られない。例えば、排気浄化装置30はマフラ40に内蔵された一体型でなくてもよく、別体で排気通路23に介装されていてもよい。また、排気浄化装置30をマフラ40に内蔵する場合も、マフラ40の方式や形状,排気浄化装置30の内蔵態様は、上記実施形態のものに限られない。
また、排気浄化装置30の位置は床下に限られない。同様に、エンジン10は、ディーゼルエンジンに限られず、ガソリンエンジンであってもよい。また、ターボチャージャ24が搭載されていない車両であってもよい。さらに、エンジン10に加え走行用のモータが搭載されたハイブリッド自動車にも適用可能である。また、触媒温度Tを取得する方法は上記した演算方法に限られず、触媒31に直接温度センサを設けてもよい。
1 車両ECU
2 温度判定部
3 圧力判定部
4 バルブ制御部(制御手段)
5 上流側圧力センサ(圧力取得手段)
6 温度センサ
7 下流側圧力センサ(圧力取得手段)
8 回転速度センサ
10 エンジン(内燃機関)
23 排気通路
30 排気浄化装置
31 触媒
32 還流通路
33 排気絞り弁
34 逆止弁
40 マフラ
P1 上流圧力
P2 下流圧力
PA 大気圧
PC 中心圧力(振幅中心の圧力)
PTH1 第一所定値
PTH2 第二所定値
T 触媒温度
TA 活性温度

Claims (5)

  1. 車両に搭載された内燃機関の排気通路に介装され、前記内燃機関の排気中に含まれる有害成分を浄化する触媒と、
    前記触媒よりも下流側の前記排気通路に介装された排気絞り弁と、
    前記触媒の上流側の前記排気通路と、前記触媒と前記排気絞り弁との間の前記排気通路とを接続する還流通路と、
    前記触媒の上流側の上流圧力を取得する圧力取得手段と、
    前記触媒の温度が活性温度未満のときに、前記圧力取得手段により取得された前記上流圧力に基づいて前記排気絞り弁の開閉を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段が、前記触媒の上流側の排気脈動による周期的な圧力変化の一周期中において、前記上流圧力が低下中であって大気圧以上の第一所定値に達したときに前記排気絞り弁を閉弁して前記還流通路に前記排気を流通させ、前記上流圧力が上昇中であるときに前記排気絞り弁を開弁する
    ことを特徴とする、排気浄化装置。
  2. 前記制御手段は、前記第一所定値を、前記排気絞り弁の開弁時の前記排気脈動の振幅中心の圧力とする
    ことを特徴とする、請求項1記載の排気浄化装置。
  3. 前記制御手段は、前記一周期中において、前記上流圧力が大気圧以上且つ前記排気絞り弁の開弁状態における前記排気脈動の最大圧力以下である第二所定値に達したときに、前記排気絞り弁を開弁する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の排気浄化装置。
  4. 前記制御手段は、前記第二所定値を、前記排気絞り弁の開弁時の前記排気脈動の振幅中心の圧力とする
    ことを特徴とする、請求項3記載の排気浄化装置。
  5. 前記圧力取得手段は、前記排気絞り弁の上流側であって前記触媒の下流側の下流圧力を取得し、
    前記制御手段は、前記第二所定値を、前記上流圧力と前記下流圧力とが等しくなる圧力とする
    ことを特徴とする、請求項3記載の排気浄化装置。
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