JP2014042444A - 振動発電ケーブル、その製造方法、および振動発電体 - Google Patents

振動発電ケーブル、その製造方法、および振動発電体 Download PDF

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Abstract

【課題】 様々な形態の設置場所へ適用することが可能であり、発電効率の高い振動発電ケーブル等を提供する。
【解決手段】 振動発電ケーブル1の中心には、中心電極3が設けられる。中心電極3の外周にはエレクトレット誘電体層5が設けられる。また、エレクトレット誘電体層5の外周側には、外部電極7が設けられる。すなわち、エレクトレット誘電体層5は、中心電極3と外部電極7とで挟まれる。また、外部電極7の外周には、被覆部9が設けられる。このように、振動発電ケーブル1は、中心電極3、エレクトレット誘電体層5、外部電極7、被覆部9が同軸状に配置され、構成されたケーブルである。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトレット誘電体を用いた振動発電ケーブル等に関するものである。
従来から、道路や橋梁、建築物、産業機械などの構造体の振動や、自動車や鉄道車両、航空機などの移動体の振動、人体の運動や環境に普遍的に存在する環境振動などを電気エネルギーに変換して有効利用する試みがなされている。
このような振動エネルギーを電気に変換する発電方式としては、電磁誘導を利用する方式、圧電素子を利用する方式、静電誘導を利用する方式に大きく分けられる。電磁誘導を利用する方式は、振動によってコイルと磁石との相対的な位置を変化させ、この際にコイルに生じる電磁誘導によって発電する方式である。また、圧電素子を利用する方式は、主としてセラミックス系の圧電素子を用い、振動によって圧電素子に歪が加わる際に、圧電素子の表面に電荷が誘起される現象を利用するものである。
また、静電誘導を利用する方式には、一般的に、半永久的に電荷を保持するエレクトレット誘電体が用いられる。エレクトレット誘電体と、これと距離を置いて配置された電極との相対位置を、振動等によって変化させることで、電荷が電極に静電誘導され、発電が行われるものである。このような原理を用いた発電装置は、例えば特許文献1、特許文献2に記載されている。
特開2010−136598号公報 特開2000−50394号公報
特許文献1に記載された振動発電装置は、固定基板の上面に短冊状の複数本のベース電極が平行に配列され、各ベース電極上には、それぞれエレクトレットが形成される。また、可動基板は、固定基板のエレクトレットが配置される側の面に対向し、所定のギャップをあけて平行に配置される。さらに、可動基板の対向面には、ベース電極と対向するように短冊状の対向電極が形成される。振動が付与されると、可動基板は、固定基板との距離を保った状態で、平行に移動する。したがって、エレクトレットと対向電極との相対位置が平行な方向に変化する。この際、各電極に電荷が静電誘導されて発電することができる。
また、特許文献2には、音波を電気信号に変換するエレクトレットコンデンサマイクロホンが記載されている。エレクトレットコンデンサマイクロホンは、固定電極であるカップ状背極にエレクトレット誘電体膜が形成され、エレクトレット誘電体膜と対向する側に対向電極である振動膜が形成される。また、エレクトレット誘電体膜と振動膜とのギャップはスペーサで保持される。中心孔から音波が伝播して振動膜が振動すると、振動膜とエレクトレット誘電体膜との相対位置が変化する。この際、各電極に電荷が静電誘導される。このようにして得られた電気信号を信号増幅およびインピーダンス変換して出力することができる。
しかしながら、前述した発電方式は、広範囲かつ様々な取り付け部位の形態に対応させることが困難である。例えば、特許文献1、2に記載された装置や、電磁誘導や圧電素子を利用する方式では、各部材が略リジッドに形成されるため、取り付け部位に応じて形状を変える等のフレキシブル性に劣る。
また、セラミックス製の圧電素子や高分子系の圧電フィルムは高価であるため、大面積に配置するには不向きである。また、大面積に配置するためには、多数の発電体を配置する必要があり、部品点数も多くなりコスト増および重量増を招く。
また、特許文献2のようなエレクトレットコンデンサマイクロホンは、入力される音波と出力される電気信号との線形性が重要であるため、得られる電気信号が小さく、かつ、発電部のインピーダンスが高い。このため、発電部で発電された電気は、半導体回路によって増幅され、インピーダンス変換される。したがって、半導体回路を駆動する外部電源が必要であり、そもそも発電した電気エネルギーを有効に利用できるものではない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、様々な形態の設置場所へ適用することが可能であり、発電効率の高い振動発電ケーブル等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、中心電極と、前記中心電極の外周に設けられ、電荷を保持したエレクトレット誘電体層と、前記エレクトレット誘電体層の外周に設けられる外部電極と、前記外部電極の外周を被覆する被覆部と、を具備し、外力が付与された際、少なくとも一部において、前記中心電極と前記外部電極との距離が変化可能であることを特徴とする振動発電ケーブルである。
このような構成とすることで、設置自由度が高い振動発電ケーブルを得ることができる。また、外力によって、少なくとも外部電極とエレクトレット誘電体層の互いの界面形状の部分的な変形が可能であるため、中心電極と外部電極との相対位置の変化による発電を行うことができる。
なお、外力とは、機械的に他の物質が振動発電ケーブルと接触して、振動発電ケーブルを変形させる力には限られない。例えば、振動発電ケーブルの取り付け部に生じる構造体自体の振動や、外部からの音波や空気圧変化、風(気流)、水流など、振動発電ケーブルに繰り返し付与され、振動発電ケーブルを変形させることが可能な外部から振動発電ケーブルへ作用する力を指すものである。この外力は微小なものであってもよい。また、振動発電ケーブルにおける振動とは、その振幅や周波数などが一定であるようなものに限られず、定期的または不定期に繰り返しの外力(慣性力などを含む)を付与可能であるものを指す。
また、前記中心電極または前記外部電極の少なくとも一方と、前記エレクトレット誘電体層との間には、互いに接合されない非接合部が形成され、外力が付与された際、前記非接合部の少なくとも一部において、前記エレクトレット誘電体層と、前記中心電極または前記外部電極との距離が変化可能であることが望ましい。
このような構成とすることで、振動発電ケーブルが外力を受けたとき、エレクトレット誘電体層と中心電極または外部電極との非接合部において、エレクトレット誘電体層と中心電極または外部電極との距離がそれらの厚み方向に変化し、これに応じて各電極に電荷が静電誘導され、発電を行うことができる。
また、前記中心電極は、中空の導体で形成されてもよい。また、前記中心電極は、弾性体と、前記弾性体の外周に設けられた導体部とで形成されてもよい。
このような構成とすることで、中心電極は容易に変形できるものになる。この結果、外力によって振動発電ケーブルが変形しやすくなり、これにより発電出力が高まる。また、内部に弾性体が設けられれば、より高い形状復元力を得ることができる。
また、前記エレクトレット誘電体層は、電気的な絶縁性を有するテープ状部材を前記中心電極の外周に巻いて形成されてもよい。
また、テープ状部材を巻いたとき、巻きつけたテープ状部材同士の層間に空隙を形成し、エレクトレット誘電体層の厚み方向に電界(電圧)を加えた際に、エレクトレット誘電体層内の空隙部において空気放電を生じさせやすくして、エレクトレット誘電体層の帯電処理を容易に行えるようにすることができる。
また、前記中心電極または前記外部電極の少なくとも一方と、前記エレクトレット誘電体層との間に、部分的にスペーサを設けることによって空隙(ギャップ)を形成してもよい。
このようにすることで、中心電極または外部電極の少なくとも一方と、エレクトレット誘電体層との間に、所定のギャップ長を保持することができる。このため、外力による中心電極または外部電極とエレクトレット誘電体層との距離(ギャップ長)の変化代を確保することができる。また、スペーサの配置する間隔や厚みを適正化することで、外力に対して中心電極または外部電極と、エレクトレット誘電体層との距離変化量を向上させ、互いに接触および剥離を繰り返させることもできる。したがって、振動発電ケーブルに外力や振動が付与された際に、中心電極または外部電極と、エレクトレット誘電体層との間の距離変化(ギャップ長の変化)が大きくなるため、発電効率の向上を図ることができる。
また、前記スペーサは、前記中心電極と前記エレクトレット誘電体層との間、または、前記外部電極と前記エレクトレット誘電体層との間の少なくとも一方の間に設けられた線材であってもよい。
このようにすることで、中心電極とエレクトレット誘電体層との間、または、外部電極とエレクトレット誘電体層との間に、容易にスペーサを配置することができる。
また、前記スペーサは、前記中心電極と前記エレクトレット誘電体層の対向面の少なくとも一方の表面、または、前記外部電極と前記エレクトレット誘電体層の対向面の少なくとも一方の表面に、部分的に形成された凸部であってもよい。
このようにすることで、エレクトレット誘電体層または電極自体の表面に形成される凸部によってスペーサを形成することができるため、スペーサを構成する部材を別途用いる必要がない。したがって、部品点数を削減することができ、スペーサの形成、配置も容易である。
第2の発明は、第1の発明にかかる振動発電ケーブルを、一対の板状部材の間に挟んだことを特徴とする振動発電体である。
このような構成とすることで、振動発電ケーブルの全体に対して均一に外力を付与することができる。このため、発電効率が高い。
また、一対の前記板状部材の間に、複数の前記振動発電ケーブルを併設した状態で挟んでもよい。
このような構成とすることで、板状部材に対して付与される外力が部位によって異なる場合や、外力が加わるタイミングが異なる場合において、それぞれの部位に配置された振動発電ケーブルがそれぞれの外力に応じて発電することができる。このため、板状部材の間に全体にわたって一つの振動発電ケーブルを配置して挟んだ場合に予想される、発電出力の打ち消し合いを防止することができる。
また、一対の前記板状部材の間に、前記振動発電ケーブルを厚み方向に複数積層して挟んでもよい。
このような構成とすることで、限られた領域にも多くの振動発電ケーブルを設置することができる。したがって、効率良く発電を行うことができる。
第3の発明は、振動発電ケーブルの製造方法であって、管状の高圧電極と、前記高圧電極の内周面に形成される複数の放電電極と、前記高圧電極の内側に前記放電電極を含む前記高圧電極と同軸状に所定の距離を保持して配置される管状のグリッド電極とを用い、中心電極と、前記中心電極の外周に設けられるエレクトレット誘電体層とを具備するケーブル素材を、前記グリッド電極の内側に前記グリッド電極と同軸状に所定の距離を保持して配置し、前記中心電極を基準電位とし、前記中心電極と前記グリッド電極との間に第1の電源を接続し、前記中心電極と前記高圧電極との間に第2の電源を接続し、前記第1の電源と前記第2の電源は、出力電圧を同一極性とし、前記第2の電源の出力電圧を前記第1の電源の出力電圧よりも高くし、前記高圧電極と前記グリッド電極との間にコロナ放電を発生させてエレクトレット誘電体層を帯電処理することを特徴とする振動発電ケーブルの製造方法である。
このような構成とすることで、振動発電ケーブルのエレクトレット誘電体層に対して、振動発電ケーブルの長手方向に均一にかつ確実に帯電させることができる。また、振動発電ケーブルの中心電極の外周にエレクトレット誘電体層を形成した後に、一連の工程としてエレクトレット誘電体層の帯電処理を行うことができるため、製造性に優れる。
なお、本願において「エレクトレット誘電体層」という用語は、帯電処理された状態のものについてだけではなく、帯電処理前の基材についても用いることがある。
本発明によれば、様々な形態の設置場所へ適用することが可能であり、発電効率の高い振動発電ケーブル等を提供することができる。
振動発電ケーブル1を示す断面図。 エレクトレット誘電体層5の帯電状態を示す図。 エレクトレット誘電体層5aの帯電状態を示す拡大図。 外部電極7の変形状態を示す概念図。 エレクトレット誘電体層5と外部電極7との非接合部における双方の間の距離変化を示す概念図。 振動発電ケーブルの発電出力電圧の変化を示す図。 (a)は振動発電ケーブル1aを示す断面図、(b)は振動発電ケーブル1bを示す断面図。 エレクトレット誘電体層5を樹脂テープ11で形成する構成を示す図。 帯電処理装置20を示す正面断面図。 帯電処理装置20を示す断面図で、図9のF−F線断面図。 振動発電ケーブル1、整流回路47、蓄電回路49で構成される振動発電装置50を示す図。 振動発電体40を示す図で、(a)は側面図、(b)は(a)のG−G線断面図。 振動発電体40aを示す図。 振動発電体40bを示す図。 振動発電装置50aを示す図。 (a)は振動発電ケーブル60aを示す断面図、(b)は振動発電ケーブル60bを示す断面図。 (a)は振動発電ケーブル60cを示す断面図、(b)は振動発電ケーブル60dを示す断面図。 (a)は振動発電ケーブル60eを示す断面図、(b)は振動発電ケーブル60fを示す断面図。
<実施形態1>
以下、本発明の実施の形態にかかる振動発電ケーブル1について説明する。図1に示すように、振動発電ケーブル1は、主に、中心電極3、エレクトレット誘電体層5、外部電極7、被覆部9等から構成される。
振動発電ケーブル1の中心には、中心電極3が設けられる。中心電極3の外周にはエレクトレット誘電体層5が設けられる。また、エレクトレット誘電体層5の外周には、外部電極7が設けられる。すなわち、エレクトレット誘電体層5は、中心電極3と外部電極7とで挟まれる。また、外部電極7の外周には、被覆部9が設けられる。このように、振動発電ケーブル1は、中心電極3、エレクトレット誘電体層5、外部電極7、被覆部9が同軸状に配置され、構成されたケーブルである。
外力を付与した際、少なくとも外部電極7とエレクトレット誘電体層5の互いの界面形状は、振動発電ケーブル1の長さ方向と直交する断面において、その部分的な変形が可能である。また、中心電極3、エレクトレット誘電体層5、外部電極7は、それぞれ可撓性を有し、振動発電ケーブル1を任意の形態に曲げて変形させることが可能である。
中心電極3、外部電極7としては、導電性が高い材料が望ましいが、半導電性の材料でも良い。導電性材料としては、例えばアルミニウム、銅、錫、鉄あるいはこれらの合金等の金属を用いることができる。また、これらの金属の表面に、錫、銀、亜鉛、ニッケル等のめっき処理を施しても良い。
なお、中心電極3は、例えば、単心の導体素線や、複数の導体素線を撚り合わせて形成すれば良い。また、外部電極7は、例えば、金属製の編組線や、金属テープ巻き、導体素線の螺旋巻きなどで形成することができるが、外力による柔軟性や耐久性を考慮すると、金属製の編組線であることが望ましい。
図2(a)に示すように、エレクトレット誘電体層5は、内面側である中心電極3側が正に帯電し、外面側である外部電極7側が負に帯電している。すなわち、エレクトレット誘電体層5の両面は、互いに逆極性の電荷で半永久的に帯電している。また、図2(b)に示すように、エレクトレット誘電体層5は、内面側である中心電極3側を負に帯電させ、外面側である外部電極7側を正に帯電させてもよい。なお、エレクトレット誘電体層5の内面と外面との間に表面電位差がある状態であればよく、例えば、エレクトレット誘電体層5の片面にのみ、いずれか一方の極性の電荷が帯電していても良く、あるいは、エレクトレット誘電体層5の両面に、いずれか一方の極性の電荷が帯電していてもよい。このようなエレクトレット誘電体層5は、所定の帯電処理を施すことで形成することができ、帯電処理の詳細は後述する。
エレクトレット誘電体層5の材質としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなどの樹脂を用いることができる。また、使用条件に応じて、例えば高温特性に優れるポリイミド系の樹脂やフッ素系の樹脂(例えばフルオロエチレンプロピレンやポリテトラフルオロエチレン)を用いることができる。また、ゴム材料として、例えばニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素系ゴムなどを用いることができる。
なお、図3に示すように、多孔質材からなるエレクトレット誘電体層5aを用いることもできる。内部に微細な空孔4が存在する多孔質材の両面に電圧を付与すると、空孔4内において容易にコロナ放電が生じる。このコロナ放電によって空孔壁面および空孔壁面近傍にも帯電したエレクトレット誘電体層5aを容易に製造できる。なお、エレクトレット誘電体層5aの空孔壁面および空孔壁面近傍の帯電状態は、図3に示すように、電圧印加方向(この場合にはエレクトレット誘電体層5aの厚さ方向)に正電荷と負電荷に帯電した領域が形成される状態になっていると考えられる。また、エレクトレット誘電体層5aの内部に空孔4が存在すると、エレクトレット誘電体層5aの変形が容易となる。このため、エレクトレット誘電体層5aの厚さを、より小さな外力で容易に変化させることができる。このため、発電効率を向上させることができる。なお、以下の説明では、エレクトレット誘電体層5を用いる例について示す。
次に、振動発電ケーブル1の発電機構について説明する。図4(a)に示すように、例えば定常状態(外力が付与されていない状態。以下同様。)では、中心電極3と外部電極7との間には、エレクトレット誘電体層5の厚み分の距離が保たれている。
これに対し、図4(b)に示すように、例えば外方から圧縮力(図中矢印A方向の力)が付与されると、外部電極7およびエレクトレット誘電体層5の互いの界面形状が部分的に変形する。したがって、中心電極3と外部電極7との距離が変化する。この際、中心電極3と外部電極7との相対位置変化に応じて、それぞれの電極に互いに極性を異にする電荷が誘起され、発電する。
このように、中心電極3と外部電極7とに電荷が誘起されるメカニズムとしては、以下のように考えられる。エレクトレット誘電体層5の両面において、極性を異にして帯電する電荷によって形成される双極子の双極子モーメントが、エレクトレット誘電体層5の変形に伴い変化する。この際、エレクトレット誘電体層5の内面側と外面側に配置される中心電極3と外部電極7とに逆極性の電荷がそれぞれ誘起されるものと考えられる。
また、中心電極3と外部電極7との相対的な位置が部分的に変化するため、中心電極3と外部電極7との間の静電容量が変化する。したがって、エレクトレット誘電体層5の存在によって、各電極に誘起される電荷量に変化が生じ、発電されるものと考えられる。
なお、実際には、エレクトレット誘電体層5の内面側と外面側とで帯電する電荷量が異なる点や、各構成部材が同軸状に配置されている点などから、中心電極3と外部電極7とに電荷が誘起されるメカニズムは複雑である。しかし、いずれのメカニズムを想定しても、中心電極3および外部電極7にそれぞれ誘起される電荷の極性は、中心電極3と外部電極7との距離が近づく方向に変形していく場合と離れる方向に変形していく場合とで逆極性となる。例えば、振動発電ケーブル1が押圧(圧縮方向であって図4(b)のA方向)されて変形していく過程で各電極に誘起される電荷の極性と、押圧が開放されて元の状態(図4(a)の状態)に戻っていく過程で各電極に誘起される電荷の極性とでは逆極性となる。
一方、振動発電ケーブル1に外力が加わっていても、振動発電ケーブル1の形状に変化がない状態(変形が止まっている状態)では、中心電極3と外部電極7とに誘起される電荷量には変化が生じない。したがって、振動発電ケーブル1は発電しない。例えば、中心電極3と外部電極7とに電気的に接続された外部回路のインピーダンスが非常に高い場合、仮にインピーダンスが無限大の場合には外部回路を介して電荷が流れないため、中心電極3と外部電極7との電位差は維持されるが、発電は行われない。一方、中心電極3と外部電極7との間に接続された外部回路のインピーダンスが低い場合には、外部回路を介して電荷が流れるため、中心電極3と外部電極7との電位差はゼロとなり、発電は行われない。以上のことから、繰り返しの外力変化(振動含む)を与えた際の振動発電ケーブル1から得られる出力電圧は交流電圧となる。
また、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7の少なくとも一方との間には非接合部が形成されることが望ましい。すなわち、エレクトレット誘電体層5は、中心電極3、外部電極7に対して、容易に剥離可能であることが望ましい。また、エレクトレット誘電体層5は、中心電極3あるいは外部電極7と、完全に接触していなくてもよく、部分的に空隙が形成されていても良い。
例えば、図5(a)に示すように、外部電極7とエレクトレット誘電体層5との間の非接合部には、部分的に空隙(ギャップ)が形成されていても良い。例えば、図5(a)のC部は、外部電極7とエレクトレット誘電体層5とが剥離してその間に空隙6が生じている状態を示す。
この状態から、例えば振動発電ケーブル1の径方向(図中矢印B方向)の外力変化が生じて外部電極7とエレクトレット誘電体層5の互いの界面形状が部分的に変形すると、図5(b)に示すように、外部電極7とエレクトレット誘電体層5との非接合部における接触状態が変化する。例えば、図5(b)のC部では、図5(a)のC部で示す外部電極7とエレクトレット誘電体層5とが剥離している状態から接触する状態へと変化した状態を示している。すなわち、外部電極7とエレクトレット誘電体層5との互いの距離が部分的に変化し、したがって、中心電極3と外部電極7との互いの距離が部分的に変化する。
このようにすることで、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との非接合部における界面において、振動発電ケーブル1の変形時に、互いに接触及び剥離または摩擦が生じる領域を形成することができる。この際、中心電極3および外部電極7に電荷が誘起され、発電を行うことができる。
このように、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との非接合部における接触状態が変化することで、各電極に電荷が誘起されるメカニズムとしては、以下のように考えられる。
第1は、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との非接合部において、互いに接触及び剥離を繰り返すことで、エレクトレット誘電体層5の表面と中心電極3あるいは外部電極7の表面との間の距離が繰り返し変化する。また、互いに剥離と接触とを繰り返すことで、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との間において、空隙の形成及び消失が繰り返される。それらの際に、静電誘導によって、各電極に極性を異にする電荷が誘起されるものと考えられる。
第2は、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との非接合部において、互いに接触及び剥離または摩擦が生じする際に、帯電する現象(剥離帯電、接触帯電、摩擦帯電など)が発生し、中心電極3および外部電極7にそれぞれ電荷が誘起されて発電するものである。なお、異種物質同士が接触、剥離、摩擦をする際の帯電現象は、その時の状態や条件によって、帯電量や極性が異なり、複雑な現象である。したがって、本発明においては、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との接触状態の変化に伴い、各電極に電荷が誘起されるメカニズムは、前者が支配的であると考えられる。
なお、発明者らは、エレクトレット誘電体層5と中心電極3および外部電極7とを完全に接合したものよりも、非接合状態として、エレクトレット誘電体層5と各電極とが互いに接触および剥離が可能な状態とした場合の方が、発電出力電圧が大きいことを見出した。したがって、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との間に非接合部を設けた振動発電ケーブル1では、前述したエレクトレット誘電体層5の変形に伴う双極子モーメントの変化に起因した発電よりも、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との非接合部における接触状態の変化(空隙のギャップ長の変化)に伴う発電の方が支配的であると考えられる。
図6は、振動発電ケーブル1の変形と発電出力電圧との関係を評価した結果を示す図であり、横軸が時間、縦軸が発電出力電圧である。なお、振動発電ケーブル1としては、中心電極3に直径1mmの銅線を用い、エレクトレット誘電体層5は、厚さ約1mmのポリエチレンを中心電極上に押し出し被覆して設けた。外部電極7には、錫メッキ銅編組線を用い、被覆部9としては厚さ約0.5mmのポリ塩化ビニルを用いた。なお、エレクトレット誘電体層5には、ポリエチレンの他に、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムを厚さ約1mmで中心電極3上に押し出して、同一構成とした振動発電ケーブル1についても同様に評価した。
得られた振動発電ケーブル1には、常温にて中心電極3と外部電極7との間に、直流電圧30kVを1時間印加して、エレクトレット誘電体層5の分極帯電処理を施した。なお、直流電圧の極性に関しては、中心電極3側を負極、外部電極7側を正極とした場合と、その逆とした場合の両方について評価した。また、いずれの振動発電ケーブル1においても、エレクトレット誘電体層5と中心電極3および外部電極7とは非接合状態であり、振動発電ケーブル1の変形によって、互いに接触及び剥離あるいは摩擦が生じることが可能である。ここでは、簡単のため、外部電極7とエレクトレット誘電体層5との互いの界面形状および接触状態の変化(空隙のギャップ長の変化)に着目して、図6の振動発電ケーブル1の変形と発電出力電圧の関係を説明する。
図6は、振動発電ケーブル1に対し、押圧力を付与し、一定時間保持後にその押圧を取り除いた際の発電出力波形をオシロスコープにて観測したものの一例である。ここで、オシロスコープの入力インピーダンスはDC1MΩとした。また、振動発電ケーブルの発電出力電圧としては、エレクトレット誘電体層5の負電荷が帯電する表面側に対向する電極の電位を基準電位とした。
まず、定常状態において、外部電極7とエレクトレット誘電体層5との互いの界面形状および接触状態が変化していない場合には、発電が行われない。この状態から、振動発電ケーブル1を押圧して変形させていくと、押圧を受けた領域の外部電極7とエレクトレット誘電体層5との界面形状が変化し、例えば図5(a)のC部に示すように空隙が形成されていた部分では、図5(b)のC部に示すように外部電極7とエレクトレット誘電体層5との間の距離が小さくなり、いずれは接触するように変化する。また、同時に、押圧を受けた領域では、外部電極7と中心電極3との間の距離も小さくなる方向に変化していく。この際、振動発電ケーブル1の発電出力電圧としては、正極性の電圧が発生する(図中I)。
その後、振動発電ケーブル1に押圧が付与された状態で、振動発電ケーブル1の形状変化が止まり、したがって、外部電極7とエレクトレット誘電体層5との互いの界面形状および接触状態の変化が止まり、その界面形状および接触状態が保持されると、振動発電ケーブル1では発電が行われなくなるとともに、双方の電極に誘起されていた電荷がオシロスコープの入力インピーダンスを介して流れてしまうため、振動発電ケーブル1の発電出力電圧は0となる(図中II)。この状態から、押圧を開放すると、押圧を受けた領域の振動発電ケーブル1の形状はもとの定常状態における形状に戻る方向に変形していくため、外部電極7とエレクトレット誘電体層5との互いの界面形状および接触状態も、定常状態における界面形状および接触状態に戻る方向に変形していく。すなわち、外部電極7とエレクトレット誘電体層5は剥離する方向に変形(空隙のギャップ長が長くなる方向に変化)していく。また、同時に、押圧が開放された領域では、外部電極7と中心電極3との間の距離も大きくなる方向に変化していく。この際の発電出力電圧としては、前述とは逆極性である負電圧が振動発電ケーブル1で発生する(図中III)。続いて、押圧を開放してから振動発電ケーブル1の形状変化が止まり、外部電極7とエレクトレット誘電体層5との互いの界面形状および接触状態の変化が止まると、前述と同様に振動発電ケーブル1の発電出力電圧は0となる。
このように、本発明では、振動発電ケーブル1におけるエレクトレット誘電体層5と外部電極7あるいは中心電極3との互いの界面形状および接触状態の変化(接触と剥離あるいは空隙のギャップ長の変化)によって、高い効率で発電を行うことができる。なお、このような傾向は、エレクトレット誘電体層5の材質を変えても同様であった。また、エレクトレット誘電体層5の帯電の極性を逆にしても、同様の傾向であった。また、エレクトレット誘電体層5の材質として、図3に示すような多孔質材(例えば発泡樹脂)を用いても、同様の傾向を得ることができた。
なお、振動発電ケーブル1が外力により変形を繰り返す場合、中心電極3あるいは外部電極7とエレクトレット誘電体層5との互いの界面形状が変化して接触および剥離を繰り返すが、その際に、中心電極3あるいは外部電極7とエレクトレット誘電体層5との間の空隙部で空気放電が生じることが考えられる。このような空気放電が生じると、エレクトレット誘電体層5の外表面と内表面との電位差が低下する恐れがある。したがって、振動発電ケーブル1を使用するにつれて発電が行われなくなる恐れがある。しかし、発明者らは、このような中心電極3あるいは外部電極7とエレクトレット誘電体層5とが互いに接触と剥離とを繰り返しても、振動発電ケーブル1の発電出力が直ちに低下して、発電が行われなくなることは生じないことを見出した。中心電極3あるいは外部電極7とエレクトレット誘電体層5との間の空隙部における空気放電の発生は、空隙部における電極表面とエレクトレット誘電体層5の表面との間の電位差と距離との関係で決まり、パッシェンの法則におよそ従うと考えられる。したがって、空隙部における中心電極3あるいは外部電極7とエレクトレット誘電体層5との間の距離と、エレクトレット誘電体層5の帯電電位(エレクトレット誘電体層5の外表面と内表面との電位差)とを、パッシェンの法則において空気放電が発生しない範囲に設定することが望ましい。
<実施形態2>
前述のように、本発明の振動発電ケーブル1は、外力による変形に応じて発電を行うことができる。したがって、振動発電ケーブル1は、容易に変形するものであることが望ましい。このため、図7(a)に示すように、中空の中心電極3を有する振動発電ケーブル1aを用いても良い。振動発電ケーブル1aでは、中心電極3の内部に空間33が形成されているため、外力による振動発電ケーブル1aの断面の変形が容易である。
また、図7(b)に示すように、中空の中心電極3の内部に弾性体35を配置した振動発電ケーブル1bを用いても良い。弾性体としては、容易に変形が可能であり、形状の復元力が高いものが望ましく、例えば、ゴム製の紐部材または線部材を用いることができる。この場合、弾性体35の外表面に、金属蒸着、金属メッキ等を施して中心電極3を形成しても良い。また、弾性体35の外周に、金属テープや金属素線を巻きつけて、中心電極3を形成しても良い。また、弾性体35の外周に、例えば管状に銅編組線を被せて中心電極3を形成しても良い。なお、中心電極3の断面形状は、真円でなくてもよく、楕円等のその他の形状であっても良い。
次に、振動発電ケーブル1の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、振動発電ケーブル1について説明するが、他の振動発電ケーブルも同様である。前述の通り、エレクトレット誘電体層5は、中心電極3の外周に押し出し被覆して形成することができる。エレクトレット誘電体層5を押し出し被覆後、さらに外周に外部電極7を形成し、被覆部9によって押し出し被覆すればよい。その後、中心電極3と外部電極7との間に直流電圧を付与し、エレクトレット誘電体層5の帯電処理を行えばよい。また、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との間に空隙部が存在する場合や、エレクトレット誘電体層5の内部に空隙や空孔が分散して存在する場合には、中心電極3と外部電極7との間に交流電圧を付与することでもエレクトレット誘電体層5の帯電処理を行うことができる。この場合には、空隙部や空孔部において、直流電圧と比較して、交流電圧の方が空気放電を発生させやすいため、エレクトレット誘電体層5内に帯電領域を形成しやすくなる。
<実施形態3>
また、エレクトレット誘電体層5は、他の方法で形成しても良い。例えば、樹脂テープ11を中心電極3の周囲に1層または複数層となるように巻き付けることで形成しても良い。この場合、図8(a)に示すように、樹脂テープ11が、互いの端部同士がラップするように螺旋状に巻きつけられてもよい。また、図8(b)に示すように、樹脂テープ11同士が、互いの端部間にギャップが形成されるように空隙6を空けて螺旋状に巻きつけられても良い。さらに、図8(c)に示すように、樹脂テープ11が互いの端部にラップ部やギャップ部が形成されないように隙間なく突き合わされて螺旋状に巻きつけられても良い。また、中心導体に樹脂テープ11を縦添えして1層または複数層巻いてもよい。
図8(a)、図8(b)のように樹脂テープ11を複数回巻きつけると、エレクトレット誘電体層5の内部に微小な空隙6を形成することができる。同様に、エレクトレット誘電体層5と中心電極3および外部電極7との間にも微小な空隙6を形成することができる。このため、前述したエレクトレット誘電体層5a(図3)と同様に、エレクトレット誘電体層5の厚さ方向に電界(電圧)を加えた時にエレクトレット誘電体層5内の空隙部で空気放電が発生しやすくなるため、エレクトレット誘電体層5の帯電処理が容易となる。また、エレクトレット誘電体層5の変形が容易となる。また、振動発電ケーブル1が外力によって変形を繰り返す場合、エレクトレット誘電体層5と中心電極3及び外部電極7との間に形成される空隙部において、エレクトレット誘電体層5と各電極との互いの界面形状および接触状態の変化(接触と剥離あるいは空隙のギャップ長の変化)、すなわちエレクトレット誘電体層5と各電極との間の距離変化が繰り返し発生しやすくなるため、効率よく各電極に電荷が誘起され、発電を得ることができる。
なお、樹脂テープ11の材質は、前述したエレクトレット誘電体層5の材質と同様のものを用いることができる。また、樹脂テープ11として、多孔質材(例えば発泡樹脂)を用いることもできる。
<実施形態4>
次に、エレクトレット誘電体層5に対する帯電処理の方法について説明する。前述のように、外部電極7を形成後に、中心電極3と外部電極7との間に直流電圧を付与することで、エレクトレット誘電体層5の帯電処理を行うことができる。この場合、振動発電ケーブル1の製造後に、帯電処理を行うため、製造設備等は既存のものを使用することができる。なお、各電極とエレクトレット誘電体層5との間には、空隙(非接合部)が形成されていても良く、接合されていても良い。
エレクトレット誘電体層5と中心電極3及び外部電極7との間に空隙がない場合、あるいはエレクトレット誘電体層5と各電極とが接合されている場合において、エレクトレット誘電体層5が帯電されるのは、主として、各電極からエレクトレット誘電体層5に電荷が注入されて空間電荷蓄積層が形成される場合と、エレクトレット誘電体層5内に含まれる添加剤やイオン性不純物が直流電界によって電極近傍に移動して空間電荷蓄積層が形成される場合とが考えられる。実際には、現象は複雑であるが、一般的に、前者のメカニズムにおいては、エレクトレット誘電体層5内に形成される空間電荷蓄積層の極性は、エレクトレット誘電体層5と接する電極の極性と同極性となる傾向にある。一方、後者の場合には、エレクトレット誘電体層5と接する電極の極性に対して、空間電荷蓄積層の極性は逆極性となる傾向にある。
なお、中心電極3と外部電極7との間に印加する直流電圧および印加時間は、エレクトレット誘電体層5に空間電荷蓄積層が形成されるのに十分な電圧および時間を設定すればよい。また、印加する直流電圧の極性に関しては、電極近傍での空間電荷蓄積層が形成される特性に極性効果があり、振動発電ケーブル1の発電特性に影響が出る場合には、発電効率が高くなる極性を選択すればよい。また、帯電処理を行う温度は常温でも良いが、振動発電ケーブル1の許容温度範囲内で空間電荷蓄積層が形成されやすい温度がある場合には、例えば、振動発電ケーブル1を加熱して所定の温度を保った状態で帯電処理を行い、その後冷却しても良い。
なお、エレクトレット誘電体層5内に空隙や空孔が分散して形成されている場合や、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との間に空隙部が形成されている場合には、これら空隙等がない場合と比較して、より低い直流電圧で帯電処理を行うことができる。これは、空隙内や空孔内で空気放電が発生し、印加電圧方向に沿ってエレクトレット誘電体層5内の空隙や空孔近傍に、帯電される領域が形成されるためである(図3)。すなわち、エレクトレット誘電体層5内において、空隙や空孔近傍に分極帯電した双極子が形成され、この分極方向が印加電圧(電界)方向に揃っているため、エレクトレット誘電体層5がマクロ的に分極した状態となるためである。
したがって、エレクトレット誘電体層5内に空隙や空孔が形成されている場合や、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との間に空隙部が形成されている場合におけるエレクトレット誘電体層5の帯電処理に必要な印加電圧および印加時間は、空隙等において空気放電が生じ、エレクトレット誘電体層5内の空隙等の近傍に、帯電した領域が形成されるのに十分な電圧および時間であれば良い。
また、エレクトレット誘電体層5内に空隙等が形成されている場合や、エレクトレット誘電体層5と中心電極3あるいは外部電極7との間に空隙部が形成されている場合には、中心電極3と外部電極7との間に直流電圧ではなく交流電圧を加えても良い。この場合には、空隙等において、直流電圧と比較して、交流電圧の方が空気放電を発生させやすいため、エレクトレット誘電体層5内に帯電領域を形成させやすくなる。以上のように、振動発電ケーブル1を形成後に、中心電極3と外部電極7との間に電圧(直流電圧あるいは交流電圧)を印加することで、特別な設備を用いることなく、エレクトレット誘電体層5の帯電処理を行うことができるため、生産性に優れる。
また、本発明では、図9、図10に示すような、帯電処理装置20を用いてエレクトレット誘電体層5の帯電処理を行うこともできる。帯電処理装置20は、高圧電極21、放電電極23、絶縁スペーサ25、グリッド電極27、電流計29、電源31a、31b等から構成される。また、中心導体の外周にエレクトレット誘電体層5を押出成形する装置と帯電処理装置20とを一連の製造工程として機能するように設けることにより、エレクトレット誘電体層5を連続して形成しながら、エレクトレット誘電体層5が形成された部分に対して一連の製造工程としてエレクトレット誘電体層5の帯電処理を行うことができるため、生産性に優れる。
図10に示すように、高圧電極21は管状の電極である。高圧電極21の内周面には、複数の突起状の放電電極23が形成される。高圧電極21の内側には、前記高圧電極21と同軸状に管状のグリッド電極27が配置される。グリッド電極27と放電電極23を含む高圧電極21との間は、絶縁スペーサ25によって所定の距離で保持される。グリッド電極27の内側には、中心電極3の外周にエレクトレット誘電体層5が形成されたケーブル素材が、グリッド電極27に対して同軸状に所定の距離を保持して配置される。
図9に示すように、中心電極3の外周にエレクトレット誘電体層5が押し出し被覆されたケーブル素材が帯電処理装置20内に導入される(図中矢印E方向)。この際、エレクトレット誘電体層5とグリッド電極27の間には、所定の距離が保持される。なお、エレクトレット誘電体層5は、樹脂の押し出しに代えて、前述した樹脂テープ11を連続して巻きつけて形成してもよい。
中心電極3は、直接接地電位に接続されるか、必要に応じて配置される電流計29を介して接地電位に接続される。また、電源31bは、中心電極3を基準電位として、高圧電極21に電圧を付与する。また、電源31aは、中心電極3を基準電位として、グリッド電極27に電圧を付与する。なお、各電極に印加する電圧は、振動発電ケーブル1の全長にわたって帯電処理を連続して行う際、エレクトレット誘電体層5の帯電極性を制御することが容易な直流電圧であることが望ましい。
ここで、電源31aの出力電圧V1よりも、電源31bの出力電圧V2の方が大きくなるように電圧を設定する。また、電源31aと電源31bの出力電圧の極性は一致させる。以下、電源31aと電源31bの極性が負極性とする場合について説明するが、正極性としても同様である。
この場合には、中心電極3と、グリッド電極27との間には、電圧V1が付与される。また、グリッド電極27と高圧電極21との間には、V3=V2−V1の電圧が付与される。したがって、高圧電極21の内周面に設けられている放電電極23とグリッド電極27との間でコロナ放電が発生するのに十分な電圧V3を設定することで、高圧電極21とグリッド電極27との間にコロナ放電を発生させることができる。なお、放電電極23の先端を針状とすることで、コロナ放電を生じさせやすくすることができる。また、放電電極23は、例えば、一本または複数本の細線で構成されていてもよく、放電電極23の先端を針状とする場合と同様に放電電極23近傍の電界を高めてコロナ放電を発生させやすくする効果が得られる。この場合、例えば、細線を高圧電極21の内側に保持部材等を用いて所定の距離を保持して複数配置させ、高圧電極21と細線とが同電位となるように電気的に接続させればよい。
一方、中心電極3とグリッド電極27との間には、電圧V1が付与されているため、高圧電極21とグリッド電極27との間のコロナ放電によって発生した荷電粒子のうち、負極性の荷電粒子(例えば電子や負極性イオンなど)が中心電極3側に向かって加速される。この際、加速された負極性の荷電粒子は、グリッド電極27とエレクトレット誘電体層5の外表面との間で、空気中の気体分子との衝突や、衝突による電離を繰り返しながら、エレクトレット誘電体層5の外表面に到達する。したがって、エレクトレット誘電体層5の外表面に負極性の帯電層(空間電荷蓄積層)が形成される。
このようなグリッド電極27とエレクトレット誘電体層5との間の負電荷の流れと、これによるエレクトレット誘電体層5の帯電は、エレクトレット誘電体層5の表面電位がグリッド電極27の電位と略一致するまで継続する。したがって、エレクトレット誘電体層5の帯電電位は、グリッド電極27の電圧V1によって制御することができる。
一方、エレクトレット誘電体層5の内表面側には、外表面とは逆極性の帯電層(上述の例では正極性の帯電層)が形成されやすい。すなわち、エレクトレット誘電体層5には、内表面と外表面とで逆極性の帯電層が形成されやすい。また、この際の、エレクトレット誘電体層5の内表面と外表面との表面電位差は、およそV1となる。
ここで、エレクトレット誘電体層5の外表面の電位が、グリッド電極27の電圧V1と略等しくなるまでの時間をt(s)とし、帯電処理装置20の長さをL(m)とし、ケーブル素材の送り出し速度をS(m/s)とする。この際、S<L/tの関係式が成立する条件でエレクトレット誘電体層5の帯電処理を実施すれば、振動発電ケーブル1の全長にわたって、エレクトレット誘電体層5の帯電処理を連続して行うことができる。
ここで、帯電時間tを求める方法としては、中心電極3と接地との間に接続された電流計29を用いればよい。高圧電極21とグリッド電極27との間でコロナ放電が開始した時点から、グリッド電極27と中心電極3との間に流れる電流が、十分小さな値で飽和するまでの時間を計測することで、エレクトレット誘電体層5を十分に帯電するまでに要する時間tを求めることができる。なお、この他、帯電時間をパラメータとして、各時間で帯電処理を行ったエレクトレット誘電体層5の表面電位を表面電位計によって計測し、目的とする表面電位に達するまでの時間を求めても良い。
上述したケーブル素材におけるエレクトレット誘電体層5の帯電処理が終了した後は、エレクトレット誘電体層5の外周に、外部電極7を設けて、さらにその外周に被覆部9を形成することで、振動発電ケーブル1を製造することができる。なお、外部電極7は、前述のように、エレクトレット誘電体層5の外周に金属線を編んで管状に編組線を設けることにより、あるいは導体素線を螺旋巻きすることにより、あるいは金属テープを巻くことにより形成できる。被覆部9は、プラスチック(ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂など)やゴム(エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素系ゴムなど)を押し出し被覆すればよい。
ここで、帯電処理が終了したエレクトレット誘電体層5の外周に外部電極7を設ける過程で、空気放電が発生することによって、エレクトレット誘電体層5の帯電電位が低下する場合がある。この空気放電の発生は、エレクトレット誘電体層5の外表面に外部電極7が接近、接触する過程におけるエレクトレット誘電体層5の外表面と外部電極7との電位差と距離との関係で決まり、パッシェンの法則におよそ従う。したがって、エレクトレット誘電体層5の外表面の帯電電位は、エレクトレット誘電体層5の外表面に外部電極7を設ける過程において、空気放電が発生しない範囲に設定することが望ましい。
以上、本実施の形態によれば、振動発電ケーブル1がケーブル状であるため、設置場所に対する自由度が大きい。また、中心電極3および外部電極7、エレクトレット誘電体層5がいずれも可撓性を有する材質で構成されるため、設置部の形態に応じて設置することができる。
特に、エレクトレット誘電体層5が、中心電極3および外部電極7に接合されず、振動発電ケーブル1の変形時にエレクトレット誘電体層5と中心電極3または外部電極7とが互いに接触及び剥離を繰り返すことが可能であれば、すなわちエレクトレット誘電体層5と中心電極3または外部電極7との間の距離を繰り返し大きく変化させることが可能であれば、より効率よく発電を行うことができる。また、エレクトレット誘電体層5を多孔質材(例えば発泡樹脂)で形成するか、中心電極3を管状(中空)としてその内側を空間33または弾性体35で満たすことで、振動発電ケーブルを外力に対しより容易に変形させることができ、発電効率を向上させることができる。
<実施形態5>
次に、本発明にかかる振動発電ケーブル1で発電した発電出力を蓄電する方法について説明する。図11に示すように、振動発電装置50は、振動発電ケーブル1、整流回路47、蓄電回路49等から構成される。
整流回路47には、4つのダイオード41を組み合わせた全波整流回路が用いられる。整流回路47は、振動発電ケーブル1からの出力電圧を整流する。また、蓄電回路49は、コンデンサや充電可能なバッテリーなどの蓄電部43とスイッチ45から構成される。なお、ダイオード41は、順方向の抵抗が小さく、逆方向の抵抗が大きく、かつ、時間応答速度が速く、ロスの少ないものが望ましい。また、コンデンサあるいはバッテリーは、充電状態での漏れ電流が小さく、充電ロスの小さなものが望ましい。
前述の通り、繰り返しの外力が付与された際の振動発電ケーブル1の出力電圧は交流となる。したがって、振動発電ケーブル1の出力電圧を整流回路47で整流し、整流回路47の出力を蓄電回路49に蓄電することが望ましい。なお、振動発電ケーブル1に代えて、後述する各種の振動発電体としても良い。
また、複数の振動発電ケーブル1を用いる場合には、全ての振動発電ケーブル1の中心電極3同士と外部電極7同士を接続した後に整流回路47に接続してもよいが、個々の振動発電ケーブル1に対して整流回路47を設けることが望ましい。すなわち、個々の振動発電ケーブル1に対して整流回路47を設けて接続し、各整流回路47からの出力を極性を合わせて並列に蓄電回路49に接続することが望ましい。これは、各振動発電ケーブル1における発電のタイミングや発電出力電圧の極性が一致しない場合に、互いの発電出力の打ち消しあいによる発電出力の低下を防止するためである。また、互いの発電出力の打ち消しあいがない場合でも、発電しない振動発電ケーブル1が含まれる場合には、発電しない振動発電ケーブル1が他の発電している振動発電ケーブル1に対して外部負荷として機能してしまうことによる発電出力の低下を防止するためである。
<実施形態6>
次に、振動発電ケーブル1を用いた振動発電体について説明する。図12に示すように、振動発電体40は、一対の板状部材51に振動発電ケーブル1が挟まれて形成される。板状部材51は、例えば一辺が300mm程度の床タイルや床マットである。なお、板状部材51としては、例えば板厚3mm程度のプラスチックまたはゴム部材を用いることができる。
振動発電ケーブル1は、板状部材51の中心近傍から外側に向かって渦巻状に配置される。すなわち、振動発電ケーブル1は、板状部材51の大部分の面積を占めるように配置される。一方の板状部材51上において、振動発電ケーブル1の外方の端部は、整流回路47に接続される。整流回路47の出力側には、出力端子53が設けられる。更には、振動発電体40の前記出力端子53へ蓄電回路49(図11)を接続することにより、振動発電装置50(図11)を構成することができる。
板状部材51で振動発電ケーブル1を挟み込むことで、外力を振動発電ケーブル1の全体に分散させることができる。すなわち、振動発電ケーブル1の局所的な変形ではなく、振動発電ケーブル1の略全体を略同時に変形させることができる。このため、発電効率を高めることができる。
<実施形態7>
また、図13に示すように、板状部材51の間に、渦巻状に形成した振動発電ケーブル1を複数層積層して配置した振動発電体40aとしても良い。この場合、それぞれの振動発電ケーブル1の端部において、中心電極3同士および外部電極7同士をそれぞれ接続すればよい。一方の板状部材51上において、振動発電ケーブル1の外方の端部には、整流回路47が接続される。整流回路47の出力側には、出力端子53が設けられる。なお、複数の振動発電ケーブル1のそれぞれに整流回路47を接続して、その出力を極性を合わせて並列に接続して出力端子53に接続してもよい。また、1本の振動発電ケーブル1を渦巻状に積層しても良い。
複数の振動発電ケーブル1を積層することで、所定の設置範囲内に、より長い振動発電ケーブル1を配置することができる。したがって、限られた設置範囲内においても効率よく発電を行うことができる。
<実施形態8>
また、図14に示すように、板状部材51の間に、渦巻状に形成した振動発電ケーブル1を複数併設して配置した振動発電体40bとしても良い。この場合、それぞれの振動発電ケーブル1の端部に整流回路47が接続される。整流回路47からの出力は、電圧極性を合わせて並列に接続されて出力端子53に接続される。なお、複数の振動発電ケーブル1の中心電極3同士と外部電極7同士を接続して、その一端に整流回路47を接続してもよい。なお、振動発電ケーブル1の併設数および配置は、図示した例には限られない。
例えば、振動発電体40(図12)を配置し、その上を人や車両が通過する際に、板状部材51に挟まれた振動発電ケーブル1の長手方向の各部において、必ずしも同じ外力を受ける訳ではない。したがって、板状部材51で挟まれている振動発電ケーブル1の各部によって、発電のタイミングや、発電出力電圧の極性等が一致しない場合がある。このような場合には、発電出力が互いに打ち消しあい、全体として発電出力が低下する恐れがある。
また、このような発電出力の打ち消しあいがない場合でも、振動発電ケーブル1が局所的に変形した場合には、他の部位では発電が行われず、発電が行われない部位は発電が行われる部位に対して見かけ上外部負荷として機能するために、結果的に発電出力が低下する恐れがある。
これに対し、振動発電体40b(図14)として、一対の板状部材51の間に、複数の振動発電ケーブル1を併設し、振動発電ケーブル1のそれぞれに整流回路47を接続することで、板状部材51を、複数の振動発電ケーブル1のそれぞれの領域に分割することができる。このようにすれば、各領域ごとに独立した振動発電ケーブル1が配置されるため、各振動発電ケーブル1における発電のタイミングや発電出力電圧の極性が一致しない等による発電出力の打ち消しあいによる発電出力の低下を抑制することができる。また、このように分割することで、発電しない振動発電ケーブル1が存在する場合においても、発電している振動発電ケーブル1に対して外部負荷として機能することによる発電出力の低下を抑制することができる。
なお、振動発電体40bにおいても、振動発電体40aと同様に、振動発電ケーブル1を複数層積層させても良い。
<実施形態9>
また、本発明では、前述した一対の板状部材51に振動発電ケーブル1が挟まれて形成される振動発電体同士をさらに複数接続してもよい。例えば、図15に示すように、振動発電体40の各出力端子53同士を出力電圧の極性に合わせて並列に接続してもよい。この場合には、各振動発電体40の出力端子53からの出力を蓄電回路49に接続することで、振動発電装置50aを構成することができる。なお、振動発電体40に代えて、他の振動発電体を用いることができることは言うまでもない。このようにすることで、大面積の設置場所にも対応することができる。
本発明によれば、設置自由度の高い振動発電ケーブル1(およびこれを用いた振動発電体、振動発電装置、以下同様)を得ることができる。本発明の振動発電ケーブル1としては、例えば、道路下や橋梁、高速道路等に設置される防音壁、鉄道のレールや枕木などの車両等が通行することで振動する対象物等へ設置することができる。この際、得られた電力によって、振動対象物の周囲の状態(温度、湿度、明るさ、振動加速度、歪、変位、風速、車両の通行速度や重量など)を感知し、計測するセンサを駆動させることができる。また、センサで得られた情報を有線または無線によって送信する情報収集システムや監視システムの電源として使用することができる。
また、得られる電力が大きい場合には、道路等の照明や信号機の補助電源や、スマートグリッド構想での分散電源の一つとして使用することもできる。また、道路等において、車両や人が通行した際の振動によって発電させ、これによって車両や人が通過したという情報と周囲の明るさを感知させてもよい。この場合、周囲が暗い場合にのみ、貯蔵していた電力を利用して車両や人の前方の照明や、案内板、誘導灯等を点灯させることもできる。
また、本発明の振動発電ケーブル1は、それ自体が振動等の外力変化を検知するセンサとして用いることもできる。例えば、敷地や通路などに振動発電ケーブル1を設置し、不審人物が侵入した際の振動で発電させ、不審人物侵入情報を送信するセキュリティシステムに使用することもできる。
また、本発明は、車両や航空機、人、動物などのそれ自体が振動する移動体に適用することもできる。例えば、自動車の車体やサスペンション、タイヤ(タイヤのゴム内部あるいはゴム内面、ホイール部など)などに振動発電ケーブル1を設置し、発電した電力で、各種センサを駆動させることもできる。また、得られる電力が大きい場合には、自動車の二次電池への補助充電用の電源としても使用できる。同様に、鉄道車両の車体、車両内部、車輪、ダンパー部、サスペンションなどに適用し、各種センサを駆動させて車両各部の健全性を監視するシステム用の電源、車内照明、非常灯、広告用表示パネル等の(補助)電源として使用することもできる。
また、車両等の座席に振動発電ケーブル1を設置し、人が着座した際または着座中の振動によって発電させ、人の着座を検知し、運転席や操縦席に情報を知らせるシステムのセンサおよび電源として使用することもできる。
また、ビルや工場、住宅等の建築構造物あるいは建築構造物に内包される構造物に振動発電ケーブル1を適用することもできる。例えば、上述の建築構造物は、地面の振動、風の影響、内部の人の移動、内部に設置された機械装置(例えば、モータなどの回転機や工場内の生産設備、エレベータやエスカレータなどの昇降機、空調ファンなど)が作動する際の振動等を受けて、それ自体が振動する。したがって、このような振動を受けやすい部位に振動発電ケーブル1を設置して発電させ、非常用電源や各種センサや通信用電源等の駆動電源として使用することもできる。
<実施形態10>
また、前述した振動発電ケーブル1、1a、1bに代えて、図16に示すような振動発電ケーブル60aを使用することもできる。振動発電ケーブル60aは、振動発電ケーブル1と略同様の構成であるが、エレクトレット誘電体層5と外部電極7との間に、部分的にスペーサ63が配置される。スペーサ63としては、例えば、導電性、半導電性または絶縁性の線材を用いることができる。この場合、複数本の線材をエレクトレット誘電体層5の外周へ周方向に略等間隔に配置し、エレクトレット誘電体層5の外周に螺旋状に巻きつけることでスペーサ63を形成しても良い。または、複数本の線材をエレクトレット誘電体層5の外周へ周方向に略等間隔に配置し、振動発電ケーブル60aの長手方向に沿って縦添え巻きすることでスペーサ63を形成しても良い。
スペーサ63を用いることで、エレクトレット誘電体層5と外部電極7との間に、スペーサ63の配置する間隔(線材を配置する間隔)及び厚さ(線材の径)に応じた空隙61を形成することができる。したがって、スペーサ63の配置する間隔及び厚みを調整することで、空隙61のギャップ長を調節することができ、スペーサ63の間隔及び厚みは、所望のギャップ長が確保できるように適宜設計される。例えば、振動発電ケーブル60aに外力、振動が付与された際に、エレクトレット誘電体層5と外部電極7との間の距離が繰り返し大きく変化するように、あるいは互いに接触と剥離を繰り返すように、スペーサ63の配置する間隔及び厚みを調整すればよい。なお、外力が付与されない状態での空隙61(非接合部)におけるエレクトレット誘電体層5と外部電極7との距離(ギャップ長)は、スペーサ63の配置する間隔(線材の本数と間隔)を調整することによって略スペーサ63の厚みに保持されることができる。その場合、例えばスペーサ63の厚みを30μm〜100μmとすれば、エレクトレット誘電体層5と外部電極7との間の空隙61のギャップ長を略30μm〜100μmの範囲にすることができる。
なお、定常状態におけるエレクトレット誘電体層5と外部電極7との空隙61の距離(ギャップ長)を30μm未満とすると、振動発電ケーブル60aへの外力付与時にエレクトレット誘電体層5と外部電極7とが接触するまでのギャップ長の変化量(ギャップ長の変化可能な範囲)も30μm未満となる。しかし、この場合の発電量は顕著に低下する。また、ギャップ長が100μmを超えると、エレクトレット誘電体層5と外部電極7とが接触するまでのギャップ長の変化量(ギャップ長の変化可能な範囲)が100μmを超えることとなる。しかし、この場合には、ギャップ長の変化量の増加に伴う発電量の増加量が小さくなる。また、エレクトレット誘電体層5と外部電極7とを接触させるまでに必要な外力が大きくなる。このようなことから、空隙61のギャップ長は30μm以上100μm以下とすることが望ましい。また、スペーサ63の厚み(線材の直径)は、30μm以上100μm以下とすることが望ましい。
外部電極7は、スペーサ63が設けられたエレクトレット誘電体層5の外周に金属箔テープを螺旋巻きして形成することができる。また、金属箔テープを長手方向に縦添え巻きして前記スペーサ63が設けられたエレクトレット誘電体層5の外周を包み込み、包み込んだ金属箔テープ同士のラップ部を接着することで形成することができる。金属箔テープとしては、例えば、アルミ箔、銅箔、錫箔、その他の金属箔を用いることができる。また、金属箔テープを金属箔層(導電層)と樹脂層(絶縁層)の2層構造としてもよい。この場合、エレクトレット誘電体層5との対向面(内周面)に金属箔層がくるように、金属箔テープを巻きつければよい。
なお、スペーサ63(線材)の断面形状は、図示したような円形に限られず、楕円形、長方形、正方形などいずれでもよい。また、スペーサ63は、線材に限られず、例えば、ドット状に間隔をあけてスペーサ部材を配置しても良い。例えば、エレクトレット誘電体層5の外周面または外部電極7の内周面の少なくとも一方の表面に、スペーサ部材をドット状に繰り返し配置させても良い。この場合、スペーサ63は、インク、接着剤、粘着材、ペースト剤などをエレクトレット誘電体層5の外周面または外部電極7の内周面に塗布あるいは印刷することで形成すれば良い。この際、インク、接着剤、粘着材、ペースト剤などの厚さがスペーサ63の高さとなる。
また、スペーサ63は、エレクトレット誘電体層5の外周面と外部電極7の内周面との双方に接合されていても良いが、少なくとも一方の表面とは接合されていない方が望ましい。このようにすることで、振動発電ケーブル60aに外力、振動が付与された際のエレクトレット誘電体層5と外部電極7との間のギャップ長の変化を大きくすることができる。したがって、発電効率の向上が図れ、振動発電ケーブル60aの製造性も向上する。
なお、スペーサ63は、図16(b)に示す振動発電ケーブル60bのように、エレクトレット誘電体層5と中心電極3との間に、配置されてもよい。中心電極3は、1本の導体素線であっても良く、複数の導体素線の撚り線であってもよい。また、中心電極3の材質は限定されないが、例えば銅、アルミニウム、またはこれらにめっき処理したものを使用することができる。なお、エレクトレット誘電体層5と中心電極3との間に、スペーサ63を配置する方法や、スペーサ63の態様は、振動発電ケーブル60aと同様である。また、エレクトレット誘電体層5は、押出し成形で形成しても良く、図8で示したように、樹脂テープ11を1層または複数層巻いて形成しても良い。また、樹脂製の熱収縮チューブを被せた後、加熱収縮して形成しても良い。
このようにスペーサ63を用いることで、定常状態においてエレクトレット誘電体層5と中心電極3または外部電極7との間の空隙61(ギャップ長)を保持することが容易となる。したがって、外力に応じて、より確実にエレクトレット誘電体層5と中心電極3または外部電極7との距離(ギャップ長)を変化させることができる。
<実施形態11>
また、図17(a)に示す振動発電ケーブル60cのように、スペーサ63に代えて、エレクトレット誘電体層5に対し、エレクトレット誘電体層5が外部電極7と対向する表面(外周面)を加工して凸部と凹部とからなる凹凸パターンを形成し、その凸部65aをスペーサとしてもよい。この際、凸部65aの高さがスペーサの厚みとなる。また、エレクトレット誘電体層5の外周面の凹部において、エレクトレット誘電体層5と外部電極7との間に空隙61が形成される。この場合、凸部65aの配置する間隔及び高さによって、空隙61のギャップ長が調節される。
エレクトレット誘電体層5の外周面に繰返しの凹凸形状を形成し、凸部65aを設けるための加工方法は、特に限定されるものではない。例えば、エレクトレット誘電体層5の外表面の一部を切削して凸部65aを形成してもよい。また、凹凸パターンを有する型によって、エレクトレット誘電体層5の外表面にプレス加工やエンボス加工等により凸部65aを形成してもよい。また、エレクトレット誘電体層5の外表面に、エッチング処理によって凹凸パターンを形成しても良い。また、樹脂の押出でエレクトレット誘電体層5を形成する場合には、押出し時の口金の形状を凹凸形状とすることで、押出し後のエレクトレット誘電体層5の外表面に振動発電ケーブル60cの長手方向に沿った凹凸パターンを形成することもできる。
なお、凸部65aの形態は、特に限定されない。例えば、凸部65aの繰り返しパターンが、所定の間隔で配置されたドット状、ライン状、螺旋状、格子状などであってもよい。また、凸部65aの配置する間隔や高さは前述したスペーサ63と同様に設計すればよい。
また、図17(b)に示す振動発電ケーブル60dのように、外部電極7に対し、外部電極7がエレクトレット誘電体層5と対向する表面(内周面)を加工して凸部と凹部とからなる凹凸パターンを形成し、その凸部65bをスペーサとしてもよい。この際、凸部65bの高さがスペーサの厚みとなる。また、外部電極7の凹部において、エレクトレット誘電体層5と外部電極7との間に空隙61が形成される。また、凸部65bの配置する間隔や高さによって、空隙61のギャップ長が調節される。
この場合、例えば、表面加工によって繰り返し凹凸パターンが設けられた金属箔テープ(アルミ箔、銅箔、錫箔、その他金属箔)を、エレクトレット誘電体層5と対向する面(内周面側)に凹凸パターンがくるように、エレクトレット誘電体層5の外周に螺旋巻き、または長手方向に縦添え巻きすればよい。なお、外部電極7を前述したように樹脂層と金属箔層とからなる2層構造とする場合には、金属箔層側に凹凸パターンを形成し、エレクトレット誘電体層5との対向面(内周面)に金属箔層がくるように、金属箔テープをエレクトレット誘電体層5の外周に巻きつければよい。
金属箔テープに凹凸パターンを形成するための加工方法は特に限定されない。例えば、凹凸パターンを有する型によって、金属箔テープの表面にプレス加工、エンボス加工を施しても良い。また、金属箔テープ表面に、エッチング処理によって凹凸を形成しても良い。なお、凸部65bの形態は、凸部65aと同様に決定すればよい。
<実施形態12>
また、図18(a)に示す振動発電ケーブル60eのように、エレクトレット誘電体層5に対し、エレクトレット誘電体層5が中心電極3と対向する表面(内周面)を加工して凸部と凹部とからなる凹凸パターンを形成し、その凸部65cをスペーサとしてもよい。この際、凸部65cの高さがスペーサの厚みとなる。また、エレクトレット誘電体層5の凹部において、エレクトレット誘電体層5と中心電極3との間に空隙61が形成される。この場合、凸部65cの配置する間隔や高さによって、空隙61のギャップ長が調節される。なお、エレクトレット誘電体層5の内周面への凸部65cの形成方法や形態は、振動発電ケーブル60cと同様である。
また、図18(b)に示す振動発電ケーブル60fのように、中心電極3の外周面を加工して凹凸パターンを形成し、その凸部65dをスペーサとしてもよい。この際、凸部65dの高さがスペーサの厚みとなる。また、中心電極3の凹部において、エレクトレット誘電体層5と中心電極3の間に空隙61が形成される。この場合、凸部65dの配置する間隔や高さによって、空隙61のギャップ長が調節される。なお、中心電極3の外周面への凸部65dの形成方法(加工方法)や形態は、振動発電ケーブル60cと同様である。また、中心電極3に撚り線を使用する場合には、導体素線の撚りあわせで生じる中心電極3の外周面の素線の凹凸を利用し、その凸部65dをスペーサとすることもできる。
このように、エレクトレット誘電体層5、中心電極3または外部電極7の表面を加工して凹凸形状を設けることで、別途スペーサを形成するための部材が不要となる。したがって、部品点数を削減することができ、スペーサの形成や配置も容易となる。また、凸部65a〜65dの高さの調整も容易である。
以上のように、エレクトレット誘電体層5と、中心電極3または外部電極7の間に、空隙を維持するためのスペーサを設けることで、各振動発電ケーブルに外力や振動が付与された際に、エレクトレット誘電体層5と、中心電極3または外部電極7との間のギャップ長の変化が大きくなるため、発電効率の向上を図ることができる。なお、エレクトレット誘電体層5の帯電処理方法は特に限定されない。先述した実施形態のように、例えば、エレクトレット誘電体層5を形成後に、コロナ放電によるエレクトレット誘電体層5の帯電処理を行い、その後、エレクトレット誘電体層5の外周に外部電極7、被覆部9を順次設けても良い。なお、エレクトレット誘電体層5の外周にスペーサ部材を配置する場合には、エレクトレット誘電体層5の帯電処理後に、スペーサ部材を配置すればよい。また、エレクトレット誘電体層5の外表面の表面加工によってスペーサを形成する場合には、エレクトレット誘電体層5の表面加工によるスペーサ形成後に帯電処理を行えばよい。また、振動発電ケーブルを製造後に、中心電極3と外部電極7との間に電圧を印加することによってエレクトレット誘電体層5の帯電処理を行ってもよい。
また、図16〜図18の振動発電ケーブル60a〜60fも、図1に示した振動発電ケーブル1と同様に図11〜図15に示した振動発電装置50、50a、振動発電体40、40a、40bを構成することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、1b、60a、60b、60c、60d、60e、60f………振動発電ケーブル
3………中心電極
4………空孔
5、5a………エレクトレット誘電体層
6………空隙
7………外部電極
9………被覆部
11………樹脂テープ
20………帯電処理装置
21………高圧電極
23………放電電極
25………絶縁スペーサ
27………グリッド電極
29………電流計
31a、31b………電源
33………空間
35………弾性体
40、40a、40b………振動発電体
41………ダイオード
43………蓄電部
45………スイッチ
47………整流回路
49………蓄電回路
50、50a………振動発電装置
51………板状部材
61………空隙
63………スペーサ
65a、65b、65c、65d………凸部

Claims (12)

  1. 中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられ、電荷を保持したエレクトレット誘電体層と、
    前記エレクトレット誘電体層の外周に設けられる外部電極と、
    前記外部電極の外周を被覆する被覆部と、
    を具備し、
    外力が付与された際、少なくとも一部において、前記中心電極と前記外部電極との距離が変化可能であることを特徴とする振動発電ケーブル。
  2. 前記中心電極または前記外部電極の少なくとも一方と、前記エレクトレット誘電体層との間には、互いに接合されない非接合部が形成され、
    外力が付与された際、前記非接合部の少なくとも一部において、前記エレクトレット誘電体層と、前記中心電極または前記外部電極との距離が変化可能であることを特徴とする請求項1記載の振動発電ケーブル。
  3. 前記中心電極は、中空の導体で形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動発電ケーブル。
  4. 前記中心電極は、弾性体と、前記弾性体の外周に形成された導体部とで構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動発電ケーブル。
  5. 前記エレクトレット誘電体層が、テープ状部材を前記中心電極の外周に巻いて形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の振動発電ケーブル。
  6. 前記中心電極または前記外部電極の少なくとも一方と、前記エレクトレット誘電体層との間に、部分的にスペーサが設けられ、空隙が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の振動発電ケーブル。
  7. 前記スペーサは、前記中心電極と前記エレクトレット誘電体層との間、または、前記外部電極と前記エレクトレット誘電体層との間の少なくとも一方の間に設けられた線材であることを特徴とする請求項6記載の振動発電ケーブル。
  8. 前記スペーサは、前記中心電極と前記エレクトレット誘電体層の対向面の少なくとも一方の表面に、または、前記外部電極と前記エレクトレット誘電体層の対向面の少なくとも一方の表面に、少なくとも一部に形成された凸部であることを特徴とする請求項6記載の振動発電ケーブル。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の前記振動発電ケーブルを一対の板状部材の間に挟んだことを特徴とする振動発電体。
  10. 一対の前記板状部材の間に、複数の前記振動発電ケーブルを併設した状態で挟んだことを特徴とする請求項9記載の振動発電体。
  11. 一対の前記板状部材の間に、前記振動発電ケーブルを厚み方向に複数積層して挟んだことを特徴とする請求項9記載の振動発電体。
  12. 振動発電ケーブルの製造方法であって、
    管状の高圧電極と、前記高圧電極の内周面に形成される複数の放電電極と、前記高圧電極の内側に前記放電電極を含む前記高圧電極と同軸状に所定の距離を保持して配置される管状のグリッド電極と、を用い、
    中心電極と、前記中心電極の外周に設けられるエレクトレット誘電体層とを具備するケーブル素材を、前記グリッド電極の内側に前記グリッド電極と同軸状に所定の距離を保持して配置し、
    前記中心電極を基準電位とし、前記中心電極と前記グリッド電極との間に第1の電源を接続し、前記中心電極と前記高圧電極との間に第2の電源を接続し、
    前記第1の電源と前記第2の電源は、出力電圧を同一極性とし、前記第2の電源の出力電圧を前記第1の電源の出力電圧よりも高くし、前記高圧電極と前記グリッド電極との間にコロナ放電を発生させてエレクトレット誘電体層を帯電処理することを特徴とする振動発電ケーブルの製造方法。
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