JP2014041971A - 有機導電体、有機導電体の製造方法、電子デバイス、及び固体電解コンデンサ - Google Patents

有機導電体、有機導電体の製造方法、電子デバイス、及び固体電解コンデンサ Download PDF

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【課題】導電性と耐熱性の高い、固体電解コンデンサ用の有機導電体を提供する。
【解決手段】固体電解コンデンサの固体電解質層が、ピロール、チオフェン、アニリン、アセチレン、エチレンビニリデン、フルオレン等の導電性高分子と、ドデシル硫酸、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキル基を有するスルホン酸化合物と、硫酸バナジル、シュウ酸バナジル、バナジルアセチルアセトナト、塩化バナジル等んのバナジル化合物とを含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機導電体、前記有機導電体の製造方法、前記有機導電体を備える電子デバイス、及び前記有機導電体を備える固体電解コンデンサに関する。
導電性高分子とドーパントとを含む有機導電体は、固体電解コンデンサ等の種々の電子デバイスに適用されている。有機導電体の導電率σは、一般にσ=e・n・μの式で表される。この式において、eは電荷素量、nはキャリア密度、μは移動度を示す。従って、キャリア密度nと移動度μとを高めることで、有機導電体の導電率σを高めることができる。キャリア密度nを高めるためには、有機導電体におけるドーパントの量を増やすことが重要であり、移動度μを高めるためには、導電性高分子の配向性を高めることが重要である。そこで、従来、有機導電体の導電率σを高めるために、種々の試みがなされている。
例えば特許文献1では、メトキシベンゼンスルホン酸第二鉄塩又はエトキシベンゼンスルホン酸第二鉄塩からなる導電性高分子合成用酸化剤兼ドーパントを使用することで、導電性の高い導電性高分子を得ることが、提案されている。
特開2008−121025号公報
しかし、従来、有機導電体の導電率を充分に向上することは困難であった。例えば、特許文献1に記載の技術では、導電性高分子の配向性は充分に高くならず、このため導電性高分子の導電率は充分には向上しない。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、導電性と耐熱性の高い有機導電体、前記有機導電体の製造方法、前記有機導電体を備える電子デバイス、及び前記有機導電体を備える固体電解コンデンサを提供することにある。
本発明の第1の態様に係る有機導電体は、導電性高分子と、アルキル基を有するスルホン酸化合物と、バナジル化合物とを含有する。
本発明の第2の態様では、第1の態様において、前記アルキル基を有するスルホン酸化合物が、下記式(1)で示される化合物と、下記式(2)で示される化合物と、下記式(3)で示される化合物とのうち、少なくとも一種を含有する。
Figure 2014041971
式(1)において、X+はカチオンを示し、Rは、アルキル基を示す。
式(2)において、X+はカチオンを示し、Rはアルキル基を示し、nは1〜5の整数を示し、mは1〜5の整数を示す。但し、nとmの和は6以下である。
式(3)において、X+はカチオンを示し、Rはアルキル基を示し、pは1〜7の整数を示し、qは1〜7の整数を示す。但し、pとqの和は8以下である。
本発明の第3の態様に係る有機導電体の製造方法では、アルキル基を有するスルホン酸化合物及びバナジル化合物の存在下で、モノマーを重合させることで導電性高分子を生成させることにより、導電性高分子と、アルキル基を有するスルホン酸化合物と、バナジル化合物とを含有する有機導電体を得る。
本発明の第4の態様に係る電子デバイスは、第1又は第2の態様に係る有機導電体を備える。
本発明の第5の態様に係る固体電解コンデンサは、第一の電極と、前記第一の電極上に積層している誘電体層と、第二の電極と、前記誘電体層と前記第二の電極との間に介在する固体電解質層とを備え、前記固体電解質層が、第1又は第2の態様に係る有機導電体から形成される第一の電解質領域を含んでいる。
本発明の第6の態様では、第5の態様において、前記第一の電解質領域が前記誘電体層上に積層しており、前記固体電解質層が、前記第一の電解質領域と前記第二の電極との間に介在する第二の電解質領域を更に含んでいる。
本発明は、非常に高い導電性と耐熱性を有する有機導電体を得ることができるという効果を奏する。
また、本発明は、前記有機導電体を備えることにより、特性が向上された電子デバイス又は固体電解コンデンサを得ることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態における固体電解コンデンサの構造を示す概略的な断面図である。 前記固体電解コンデンサの一部の微視的な構造を示す概略的な断面図である。 本発明の一実施形態における有機太陽電池の構造を示す概略的な断面図である。 本発明の一実施形態における透明導電性基板の構造を示す概略的な断面図である。 前記透明導電性基板を備える抵抗膜方式のタッチパネルの構造を示す概略的な断面図である。
本実施形態による有機導電体10は、導電性高分子と、アルキル基を有するスルホン酸化合物と、バナジル化合物とを含有する。このため、有機導電体10が優れた導電性と耐熱性を発揮する。これは、スルホン酸化合物とバナジル化合物とが組み合わされて使用されることで、これらが導電性高分子のドーパント兼酸化防止剤として優れた性能を発揮するためであると考えられる。
また、アルキル基を有するスルホン酸化合物とバナジル化合物との存在下で、重合反応によって導電性高分子が生成する際は、アルキル基を有するスルホン酸化合物とバナジル化合物とが錯体を形成することで、重合反応が抑制されて、この重合反応がゆっくりと進行すると考えられる。このために、導電性高分子の配向性が高まり、移動度μが向上すると考えられる。
更に、アルキル基を有するスルホン酸化合物は、導電性高分子のドーパントとしても働くため、導電性高分子のドープ率が増し、このためキャリア密度nが向上すると考えられる。
本実施形態による有機導電体10の製造方法では、アルキル基を有するスルホン酸化合物及びバナジル化合物の存在下で、モノマーを重合させることで導電性高分子を生成させることにより、有機導電体10が得られる。この場合、バナジル化合物は、モノマーの重合時に重合酸化剤として機能し、これにより導電性高分子の生成が促進される。このようにして有機導電体10が適宜の基材上に形成されると、有機導電体10と基材との密着性が非常に高くなり、基材の表面が凹凸状である場合や基材が多孔質である場合にも、基材と有機導電体10との間に隙間が生じにくくなる。これは、バナジル化合物によってモノマーの反応性が比較的穏和に制御されるためであると考えられる。すなわち、仮にモノマーの反応性があまりにも高いとするならば、モノマーは基材上の凹部内、細孔内等に侵入する前に重合してしまい、このため有機導電体10と基材との間に隙間が生じてしまうが、本実施形態では、モノマーの反応性が穏和に制御されることで、モノマーが基材上の凹部内、細孔内等に侵入してから重合することが可能となり、このため基材と有機導電体10との間に隙間が生じにくくなると考えられる。本実施形態では、バナジル化合物が、アルキル基を有するスルホン酸化合物と錯体を形成することで、アルキル基を有するスルホン酸化合物が界面活性剤のように機能し、これにより、バナジル化合物の、導電性高分子のモノマー中及び導電性高分子中における分散性が向上し、これにより、バナジル化合物が、モノマーの反応性を全体的に穏和に制御することができると、推察される。
また、従来における導電性高分子の熱劣化の原因としては、高温下で反応性の増した酸素によって導電性高分子が酸化されることで、導電性高分子内の共役系が失われ、これにより導電性高分子の導電率が低下することが、考えられる。これに対し、本実施形態では、有機導電体10が、バナジル化合物を含有し、このバナジル化合物中のバナジウムが、複数の酸化数をとることができるため、高温下においてバナジウムが酸化されることで、導電性高分子の酸化が抑制され、これにより、有機導電体10の耐熱性が向上すると推察される。
本実施形態による有機導電体10及びその製造方法について、更に詳しく説明する。
導電性高分子を構成するモノマーは、例えばピロール、チオフェン、アニリン、アセチレン、エチレンビニリデン、フルオレン、ビニルカルバゾール、ビニルフェノール、ベンゼン、ピリジン、及びこれらの誘導体等から選択される。このモノマーは、一種のみであっても二種以上であってもよい。特に、導電性高分子が、ポリピロールと、ポリ(3,4−エチレンジオキソチオフェン)とのうち、少なくとも一方を含有すると、有機導電体10の導電性が特に高くなると共に、その耐熱性が向上する。
アルキル基を有するスルホン酸化合物は、スルホン酸基及びスルホン酸塩基から選択される官能基と、アルキル基とを有する。アルキル基は、スルホン酸基及びスルホン酸塩基に直接結合していてもよいし、芳香族骨格等を介して結合していてもよい。また、アルキル基は、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。また、アルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、特に4〜12であることが好ましい。
アルキル基を有するスルホン酸化合物は、特に下記式(1)で示される化合物と、下記式(2)で示される化合物と、下記式(3)で示される化合物とのうち、少なくとも一種を含有することが、好ましい。
Figure 2014041971
式(1)において、X+はカチオンを示し、Rは、アルキル基を示す。
式(2)において、X+はカチオンを示し、Rはアルキル基を示し、nは1〜5の整数を示し、mは1〜5の整数を示す。但し、nとmの和は6以下である。
式(3)において、X+はカチオンを示し、Rはアルキル基を示し、pは1〜7の整数を示し、qは1〜7の整数を示す。但し、pとqの和は8以下である。
式(1)〜(3)の各々において、カチオンX+としては、例えば水素イオン及びアルカリ金属イオンから選ばれるイオンが挙げられる。
式(1)〜(3)の各々において、アルキル基Rは直鎖状でも分岐を有していてもよい。また式(1)〜(3)の各々において、アルキル基Rの炭素数は、1〜20であることが好ましく、特に4〜12であることが好ましい。
アルキル基を有するスルホン酸化合物の好ましい具体例としては、ドデシル硫酸、下記式(11)に示されるドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、下記式(21)に示されるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸、下記式(31)に示されるブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等が、挙げられる。
Figure 2014041971
アルキル基を有するスルホン酸化合物におけるスルホン酸基又はスルホン酸塩基の数及び置換位置は、限定されるものではない。
バナジル化合物は、例えば硫酸バナジル、シュウ酸バナジル、バナジルアセチルアセトナト、塩化バナジル等から選択される。バナジル化合物は、一種のみであっても二種以上であってもよい。
有機導電体10中の、アルキル基を有するスルホン酸化合物及びバナジル化合物の割合は、特に制限されない。
有機導電体10の形状は、特に制限されず、粉末状であっても、膜状であってもよい。
膜状の有機導電体10を得る場合、有機導電体10は、例えば次に示す方法により製造される。
まず適宜の基材を用意する。この基材に、アルキル基を有するスルホン酸化合物及びバナジル化合物を付着させる。そのためには、例えばアルキル基を有するスルホン酸化合物及びバナジル化合物を含有する溶液を、基材上に塗布する。この溶液中のアルキル基を有するスルホン酸化合物及びバナジル化合物の含有量は、適宜設定される。特にこの溶液中のアルキル基を有するスルホン酸化合物の割合が0.1〜5質量%の範囲であることが好ましい。またこの溶液中のバナジル化合物の割合が0.5〜20質量%の範囲であることが好ましい。また、この溶液中のバナジル化合物が酸化剤として働くための触媒として、溶液が酸を更に含有することが好ましい。この酸の例として、硫酸、硝酸、塩酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。この溶液中の酸の割合は、適宜設定されるが、0.1〜5質量%の範囲であることが好ましい。
続いて、基材を、導電性高分子のモノマーを含有する溶液中に浸漬する。これにより、基材上でモノマーの化学的酸化重合反応が進行して、導電性高分子が生成する。これにより、基材上に、導電性高分子と、アルキル基を有するスルホン酸化合物と、バナジル化合物とを含有する膜状の有機導電体10が、形成される。
また、基材に、導電性高分子のモノマーと、アルキル基を有するスルホン酸化合物と、バナジル化合物とを含有する溶液を塗布してもよい。或いは、基材に、導電性高分子のモノマーを含有する溶液を塗布し、続いてアルキル基を有するスルホン酸化合物とバナジル化合物とを含有する溶液を塗布してもよい。或いは、基材にアルキル基を有するスルホン酸化合物とバナジル化合物とを含有する溶液を塗布し、続いて導電性高分子のモノマーを含有する溶液を塗布してもよい。これらの場合も、基材上で、モノマーの化学的酸化重合反応が進行して、導電性高分子が生成し、これにより、基材上に膜状の有機導電体10が形成される。
基材に上記各溶液を塗布する方法は、特に限定されないが、例えばスピンコート法、ディップ法、ドロップキャスト法、インクジェット法、スプレー法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が、挙げられる。
基材上にスルホン酸化合物を付着させる場合、スルホン酸化合物を含有する水溶液を基材上に塗布すると、スルホン酸化合物の水に対する分散性が高いため、スルホン酸化合物を、基材上に分散性よく付着させることができる。また、基材上にバナジル化合物を付着させる場合に、バナジル化合物を含有する水溶液を用いると、バナジル化合物は水に対する分散性が高いため、バナジル化合物を、基材上に分散性よく付着させることができる。勿論、スルホン酸化合物及びバナジル化合物を含有する水溶液を基材上に塗布すると、スルホン酸化合物及びバナジル化合物を、基材上に分散性よく付着させることができる。これらの場合、有機導電体10中におけるスルホン酸化合物及びバナジル化合物の分散性が向上し、このため有機導電体10の導電性を全体に亘って向上させることができる。
導電性高分子のモノマーの化学的酸化重合反応を進行させる際の、反応系の温度は、モノマーの種類等に応じて適宜設定されるが、例えば25〜150℃の範囲であることが好ましい。
本実施形態では、導電性高分子のモノマーの化学的酸化重合反応が進行する際、上述のとおり、バナジル化合物が重合酸化剤として機能し、これにより導電性高分子の生成が促進される。この際、上述のとおり、アルキル基を有するスルホン酸化合物とバナジル化合物とが錯体を形成すると考えられる。例えば、アルキル基を有するスルホン酸化合物としてヘキサ硫酸ナトリウムが用いられ、バナジル化合物としてシュウ酸バナジルが用いられる場合、下記構造式で示される錯体が形成されると考えられる。
Figure 2014041971
基材上でモノマーの重合反応が進行する際、上記のような錯体が形成されることで、バナジル化合物がモノマーの反応性を比較的穏和に制御し、このため、基材と有機導電体10との間に隙間が生じにくくなり、基材と有機導電体10との密着性及び接触面積が増大すると考えられる。
また、上記のような錯体が形成されることで、アルキル基を有するスルホン酸化合物が界面活性剤のように機能し、これにより、モノマーの重合反応が進行する際、バナジル化合物の、モノマー中及び導電性高分子中における分散性が向上する。これにより、バナジル化合物が、モノマーの反応性を全体的に穏和に制御することができると、推察される。更に、有機導電体10中におけるアルキル基を有するスルホン酸化合物及びバナジル化合物の分散性が高くなり、このため、有機導電体10の導電性が全体に亘って向上すると、考えられる。
本実施形態に係る有機導電体10を備える電子デバイスとしては、固体電解コンデンサ、有機太陽電池、透明導電性基板等が挙げられる。有機導電体10は高い導電性を有するため、この有機導電体10を利用することで、電子デバイスの性能を向上することができる。
本実施形態に係る有機導電体10を備える固体電解コンデンサ100について説明する。
図1は、本実施形態による固体電解コンデンサ100を示す概略的な断面図である。この固体電解コンデンサ100は、第一の電極1、誘電体層2、第二の電極4、及び固体電解質層3を備える。誘電体層2は、第一の電極1上に形成されている。固体電解質層3は、誘電体層2と第二の電極4との間に介在している。この固体電解質層3が、本実施形態に係る有機導電体10から形成される電解質領域31を含んでいる。
第一の電極1は、固体電解コンデンサ100の陽極として機能する。本実施形態では、第一の電極1は略直方体状の形状を有する。第一の電極1は、例えば弁作用金属又はその合金からなる粉末を焼結させて得られる多孔質な焼結体から構成される。弁作用金属としては、例えばタンタル、ニオブ、チタン、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム等が挙げられる。弁作用金属の合金としては、二種以上の弁作用金属の合金、弁作用金属と弁作用金属以外の金属との合金等が、挙げられる。
誘電体層2は、例えば弁作用金属の酸化物から形成される。例えば、弁作用金属又はその合金からなる粉末を焼結させることで多孔質の焼結体からなる第一の電極1を形成し、この第一の電極1の表面を陽極酸化することにより、第一の電極1上に誘電体層2を形成することができる。
第二の電極4は、固体電解コンデンサ100の陰極として機能する。第二の電極4は、カーボン粒子を含有する第一層41と、銀粒子を含有する第二層42とを備える。第一層41と第二層42とが積層することで、第二の電極4が構成されている。第二の電極4は、第一の電極1の周囲に、誘電体層2とは間隔をあけて配置されている。第二の電極4において、第一層41が、誘電体層2側に配置され、第二層42が、誘電体層2とは反対側に配置されている。
固体電解質層3は、第二の電極4における第一層41と、誘電体層2との間に介在している。固体電解質層3は、本実施形態に係る有機導電体10から形成される電解質領域31(第一の電解質領域31)のみから構成されてもよい。また、固体電解質層3は、本実施形態に係る有機導電体10から形成される電解質領域31(第一の電解質領域31)と、この第一の電解質領域31とは異なる電解質領域32(第二の電解質領域32)とから構成されてもよい。固体電解質層3が第一の電解質領域31と第二の電解質領域32とを備える場合、第一の電解質領域31が誘電体層2上に配置され、且つ第二の電解質領域32が第一の電解質領域31と第二の電極4との間に配置されることが、好ましい。
第二の電解質領域32は、例えば適宜の導電性高分子から構成される。この導電性高分子を構成するモノマーは、例えばピロール、チオフェン、アニリン、アセチレン、エチレンビニリデン、フルオレン、ビニルカルバゾール、ビニルフェノール、ベンゼン、ピリジン、及びこれらの誘導体等から選択される。このモノマーは、一種のみであっても二種以上であってもよい。特に、導電性高分子が、ポリピロールと、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とのうち、少なくとも一方を含有することが好ましい。第二の電解質領域32は、化学酸化重合、電解酸化重合、導電性高分子の分散体の含浸等の、適宜の手法により形成される。
また、本実施形態による固体電解コンデンサ100は、第一の電極1に電気的に接続される第一のリード9と、第二の電極4に電気的に接続される第二のリード6とを備える。第一のリード9は、その一部が第一の電極1に埋め込まれることで、第一の電極1に電気的に接続されている。また、第一のリード9には、端子7が、溶接等により電気的に接続されている。また、第二のリード6は、その一部が導電性の接着剤5を介して第二の電極4における第二層42に接着されることで、第二の電極4に電気的に接続されている。
また、本実施形態による固体電解コンデンサ100は、この固体電解コンデンサ100の外装を構成する外装体8を備える。この外装体8が、第一の電極1、誘電体層2、固体電解質層3、及び第二の電極4を、覆っている。端子7及び第二のリード6の端部は、外装体8から引き出されることで、固体電解コンデンサ100の外部に露出している。
このように構成される固体電解コンデンサ100は、本実施形態に係る有機導電体10から形成される第一の電解質領域31を備え、この第一の電解質領域31が高い導電性を発揮するため、固体電解コンデンサ100の等価直列抵抗(ESR)が低減される。このため、固体電解コンデンサ100の高周波特性が向上する。
また、特に誘電体層2上に第一の電解質領域31が形成されると、固体電解コンデンサ100の静電容量が増大する。その理由について説明する。
図2に、固体電解コンデンサ100の一部の拡大断面図を示す。図2に示されるように、第一の電極1は、微視的には多数の粉末から構成され、これらの粉末の表層に誘電体層2が層に形成されている。これにより、第一の電極1及び誘電体層2が、一つの多孔質体を構成している。この誘電体層2上に第一の電解質領域31が形成されると、第一の電極1及び誘電体層2から構成される多孔質体の細孔内に、第一の電解質領域31が侵入する。このため、第一の電解質領域31と誘電体層2との接触面積が増大し、これにより、第一の電極1の実効面積が増大する。このため、固体電解コンデンサの静電容量が増大する。
また、第一の電解質領域31を形成するにあたり、誘電体層2を基材とし、この誘電体層2上に本実施形態に係る有機導電体10を化学的酸化重合により形成すると、固体電解コンデンサ100の静電容量が更に増大する。これは、上述のようにアルキル基を有するスルホン酸化合物及びバナジル化合物によってモノマーの反応性が比較的穏和に制御されるために、有機導電体10が多孔質体の細孔内に更に侵入しやすくなって、第一の電解質領域31と誘電体層2との接触面積が更に増大するためであると、推察される。
また、第一の電解質領域31は導電性が高いため、固体電解コンデンサを製造する際に、第一の電解質領域31に積層して第二の電解質領域32を形成するにあたり、第一の電解質領域31を電解用電極として利用することで、電解酸化重合によって第二の電解質領域32を容易に形成することができる。
第二の電解質領域32を電解酸化重合により形成する方法の具体例について説明する。まず、誘電体層2上に第一の電解質領域31を形成した後、この第一の電解質領域31を、第二の電解質領域32を形成するためのモノマーを含有する水溶液中に、浸漬する。続いて、第一の電解質領域31をアノードとして、水溶液に電流を流すことにより、モノマーを第一の電解質領域31上で電解酸化重合させる。これにより、第一の電解質領域31上に第二の電解質領域32が、形成される。この場合、第一の電解質領域31が高い導電性を発揮するため、電解効率が向上し、このため、第二の電解質領域32が容易に形成される。
本実施形態に係る有機導電体10を備える有機太陽電池200について説明する。
図3は、本実施形態に係る有機太陽電池200を示す概略的な断面図である。この有機太陽電池200は、基板210、透明電極211、ホール輸送層212、活性層213、電子輸送層214、及び上部電極215を備え、これらの要素が前記の順番に積層している。
この有機太陽電池200における透明電極211は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)などからなる薄膜から形成される。ホール輸送層212は、本実施形態に係る有機導電体10から形成されている。活性層213は、例えばポリ(3−ヘキシルチオフェン)膜から形成される。電子輸送層214は、例えば、C60フラーレン膜から形成される。上部電極215は、例えば、アルミニウム膜などの金属膜から形成される。
本実施形態に係る有機太陽電池200では、上記のようにホール輸送層212が、本実施形態に係る有機導電体10から形成されているため、ホール輸送層212は、優れた導電性を有する。このため、有機太陽電池200における界面抵抗及びバルク抵抗に起因するIRドロップが抑制され、これにより有機太陽電池200の開放電圧が上昇する。
本実施形態に係る有機導電体10を備える透明導電性基板300について説明する。
図4は、本実施形態に係る透明導電性基板300を示す概略的な断面図である。この透明導電性基板300は、基板340と、この基板340を覆う導電性高分子膜341とを備える。
基板340は、例えばガラス基板又はプラスチック基板から形成される。導電性高分子膜341は、本実施形態に係る有機導電体10から形成される。
本実施形態に係る透明導電性基板300では、上記のように導電性高分子膜341が、本実施形態に係る有機導電体10から形成されているため、導電性高分子膜341は、優れた導電性を有する。このため、透明導電性基板300の導電性が向上する。また、導電性高分子膜341の高い導電性を維持しながら、この導電性高分子膜341を薄型化することが可能となり、このため、透明導電性基板300の光透過性が向上する。
この透明導電性基板300を、例えばタッチパネル又はディスプレイに適用することができる。ディスプレイ用途としては、例えば透明導電性基板300を、有機エレクトロルミネッセンス、液晶、又は電子ペーパー用の、電極に適用することができる。
図5は、本実施形態に係る透明導電性基板300を備える抵抗膜方式のタッチパネル400を示す概略的な断面図である。このタッチパネル400は、二つの透明導電性基板300を備える。これらの透明導電性基板300は、二つの導電性高分子膜341が間隔をあけて対向するように配置されている。二つの導電性高分子膜341同士は、貼り合わせ剤444によって貼り合わされている。また、二つの導電性高分子膜341の間には、絶縁性のドットスペーサー443が、導電性高分子膜341の全面に亘って、一定間隔で一様に配置されている。これにより、フィルム基板340のたわみによる導電性高分子膜341同士の接触が防止されている。
このタッチパネル400における一方のフィルム基板340が、ペンや指などで押し付けられると、その押圧力により、ドットスペーサー443間で二つの導電性高分子膜341同士が接触して導通する。この状態での、タッチパネル400の端から、導電性高分子膜341同士が接触する位置までの導電性高分子膜341の抵抗値を検出することで、導電性高分子膜341同士が接触する位置を検出することができる。
[実施例1]
本発明に係る有機導電体を、次のようにして作製した。
シュウ酸バナジルを5質量%の割合、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムを1質量%の割合、硫酸を1質量%の割合で含有する水溶液を調製した。この水溶液を室温下で激しく攪拌しながら、この水溶液に、シュウ酸バナジルと同じ量の3,4−エチレンジオキシチオフェンを、ゆっくりと適下した。続いて、この水溶液を、25℃の温度下で24時間攪拌し続けることで、水溶液中で重合反応を進行させた。これにより、水溶液中に沈殿物が生成した。続いて、水溶液を濾過してから、沈殿物を純水とエタノールで洗浄し、更に沈殿物を100℃で30分間乾燥した。これにより、有機導電体の粉末を得た。この粉末を、加圧成形することで、直径1cm、厚さ1mmの、円柱状のペレットを作製した。
有機導電体のペレットを作製した直後に、このペレットの導電率を、抵抗率計(株式会社ダイヤインスツルメンツ社製、品番レスタMCパラT610)で測定したところ、その結果は、75S/cmであった。また、このペレットを恒温槽中で125℃の温度下に24時間曝露してから、このペレットの導電率を、前記と同じ方法で測定したところ、その結果は、50S/cmであった。
[実施例2]
実施例1において、シュウ酸バナジルに代えて硫酸バナジルを用いた。それ以外は実施例1と同じ条件で、有機導電体のペレットを作製した。
有機導電体のペレットを作製した直後のペレットの導電率、及びペレットを125℃の温度下に24時間曝露した後のペレットの導電率を、実施例1の場合と同じ方法で測定したところ、その結果は、それぞれ70S/cm及び45S/cmであった。
[実施例3]
実施例1において、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムに代えてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた。それ以外は実施例1と同じ条件で、有機導電体ペレットを作製した。
有機導電体のペレットを作製した直後のペレットの導電率、及びペレットを125℃の温度下に24時間曝露した後のペレットの導電率を、実施例1の場合と同じ方法で測定したところ、その結果は、それぞれ60S/cm及び45S/cmであった。
[実施例4]
実施例1において、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムに代えてドデシル硫酸ナトリウムを用いた。それ以外は実施例1と同じ条件で、有機導電体ペレットを作製した。
有機導電体のペレットを作製した直後のペレットの導電率、及びペレットを125℃の温度下に24時間曝露した後のペレットの導電率を、実施例1の場合と同じ方法で測定したところ、その結果は、それぞれ80S/cm及び50S/cmであった。
[比較例1]
実施例1において、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムを使用しなかった。それ以外は、実施例1と同じ条件で、有機導電体ペレットを作製した。
有機導電体のペレットを作製した直後のペレットの導電率、及びペレットを125℃の温度下に24時間曝露した後のペレットの導電率を、実施例1の場合と同じ方法で測定したところ、その結果は、それぞれ25S/cm及び15S/cmであった。
[比較例2]
実施例1において、シュウ酸バナジルを使用しなかった。それ以外は、実施例1と同じ条件で、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の粉末を作製しようとしたが、粉末は得られなかった。これは、重合酸化剤として機能する化合物が使用されなかったために、導電性高分子が生成しなかったためであると、考えられる。
[比較例3]
実施例1において、シュウ酸バナジルに代えて硫酸バナジルを用い、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムは使用しなかった。それ以外は実施例1と同じ条件で、有機導電体ペレットを作製した。
有機導電体のペレットを作製した直後のペレットの導電率、及びペレットを125℃の温度下に24時間曝露した後のペレットの導電率を、実施例1の場合と同じ方法で測定したところ、その結果は、それぞれ20S/cm及び12S/cmであった。
以上の結果を下記表1にまとめて示す。
Figure 2014041971
上記の通り、実施例1〜4による有機導電体は、導電性高分子と、キノン骨格を有するスルホン酸化合物と、バナジル化合物とを含有する有機導電体から形成されることで、比較例1,3に較べて導電率が高く、且つ加熱されても導電率が低下しにくかった。
[実施例5]
図1に示す構造を有する固体電解コンデンサを、次のようにして作製した。
4.5mm×3.3mm×1.0mmの寸法を有する直方体状の第一の電極(陽極)を、タンタル粉末の焼結体から形成した。この第一の電極の一つの側面(3.3mm×1.0mmの寸法の面)には、第一のリードの一部を埋め込んだ。この第一の電極の表面を、リン酸水溶液中で陽極酸化することにより、誘電体層を形成した。
続いて、シュウ酸バナジルを5質量%の割合、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムを1質量%の割合、硫酸を1質量%の割合で含有する水溶液中に、誘電体層を浸漬してから引き上げることで、この水溶液を誘電体層上に付着させた。続いて、誘電体層を空気中で乾燥させた。
続いて、液状の3,4−エチレンジオキシチオフェン中に誘電体層を浸漬してから引き上げることで、この水溶液を誘電体層に付着させた。続いて、誘電体層を50℃の恒温槽内に30分間配置することで、誘電体層上で3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合反応を進行させた。これにより、誘電体層上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、シュウ酸バナジル、及びブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムを含有する有機導電体からなる第一の電解質領域を形成した。
続いて、ピロールとアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムとを含有する水溶液中に、第一の電解質領域を浸漬し、この状態で、第一の電解質領域をアノードとして水溶液中に電流を流した。これにより、第一の電解質領域上に、ポリピロールからなる第二の電解質領域を形成した。また、これにより、第一の電解質領域と第二の電解質領域とからなる固体電解質層を形成した。
次に、固体電解質層上に、カーボンペーストを塗布してからこれを乾燥することで、固体電解質層上に、カーボン粒子を含有する第一層を形成した。続いて、第一層上に、銀ペーストを塗布してからこれを乾燥することで、第一層上に、銀粒子を含有する第二層を形成した。これにより、第一層と第二層とからなる第二の電極(陰極)を形成した。
次に、第一のリードには端子を溶接して接続し、陰極には第二のリードを導電性接着剤で接着した。続いて、エポキシ樹脂を用いて、トランスファー成形により外装体を形成することで、この外装体で第一の電極、誘電体層、固体電解質層、及び第二の電極を覆った。第二のリードの端部並びに端子は、外装体から引き出して外部に露出させた。これにより、固体電解コンデンサを得た。
この固体電解コンデンサの静電容量を、周波数120HzでLCRメータを用いて測定したところ、その結果は493.6μFであった。また、この固体電解コンデンサの等価直列抵抗(ESR)を、周波数100kHzでLCRメータを用いて測定したところ、その結果は7.5mΩであった。
[実施例6]
実施例5において、第一の電解質領域を形成するにあたり、シュウ酸バナジルに代えて硫酸バナジルを用いた。それ以外は実施例5と同じ条件で、固体電解コンデンサを作製した。
この固体電解コンデンサの静電容量及び等価直列抵抗(ESR)を、実施例5の場合と同じ方法で測定したところ、その結果は、それぞれ496.0μF及び7.7mΩであった。
[実施例7]
実施例5において、第一の電解質領域を形成するにあたり、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムに代えてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた。それ以外は実施例5と同じ条件で、固体電解コンデンサを作製した。
この固体電解コンデンサの静電容量及び等価直列抵抗(ESR)を、実施例5の場合と同じ方法で測定したところ、その結果は、それぞれ486.0μF及び8.1mΩであった。
[実施例8]
実施例5において、第一の電解質領域を形成するにあたり、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムに代えてドデシル硫酸ナトリウムを用いた。それ以外は実施例5と同じ条件で、固体電解コンデンサを作製した。
この固体電解コンデンサの静電容量及び等価直列抵抗(ESR)を、実施例5の場合と同じ方法で測定したところ、その結果は、それぞれ487.9μF及び7.2mΩであった。
[比較例4]
実施例5において、第一の電解質領域を形成するにあたり、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムを使用しなかった。それ以外は、実施例5と同じ条件で、固体電解コンデンサを作製した。
この固体電解コンデンサの静電容量及び等価直列抵抗(ESR)を、実施例5の場合と同じ方法で測定したところ、その結果は、それぞれ187.6μF及び27.1mΩであった。
[比較例5]
実施例5において、第一の電解質領域を形成するにあたり、シュウ酸バナジルを使用しなかった。それ以外は、実施例5と同じ条件で、固体電解コンデンサを作製した。
この固体電解コンデンサの静電容量及び等価直列抵抗(ESR)を、実施例5の場合と同じ方法で測定しようとしたところ、これらを測定することができなかった。これは、第一の電解質領域を形成するにあたり、重合酸化剤として機能する化合物が使用されなかったために、導電性高分子が生成しなかったためであると、考えられる。
[比較例6]
実施例5において、第一の電解質領域を形成するにあたり、シュウ酸バナジルに代えて硫酸バナジルを用い、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムは使用しなかった。それ以外は実施例5と同じ条件で、固体電解コンデンサを作製した。
この固体電解コンデンサの静電容量及び等価直列抵抗(ESR)を、実施例5の場合と同じ方法で測定したところ、その結果は、それぞれ434.3μF及び8.9mΩであった。
以上の結果を下記表2にまとめて示す。
Figure 2014041971
上記の通り、実施例5〜8では、第一の電解質領域を、導電性高分子と、アルキル基を有するスルホン酸化合物と、バナジル化合物とを含有する有機導電体から形成したことで、静電容量が高く、且つ等価直列抵抗の低い固体電解コンデンサが、得られた。
1 第一の電極
2 誘電体層
3 固体電解質層
4 第二の電極
10 有機導電体
100固体電解コンデンサ

Claims (6)

  1. 導電性高分子と、アルキル基を有するスルホン酸化合物と、バナジル化合物とを含有する有機導電体。
  2. 前記アルキル基を有するスルホン酸化合物が、下記式(1)で示される化合物と、下記式(2)で示される化合物と、下記式(3)で示される化合物とのうち、少なくとも一種を含有する請求項1に記載の有機導電体。
    Figure 2014041971
    式(1)において、X+はカチオンを示し、Rは、アルキル基を示す。
    式(2)において、X+はカチオンを示し、Rはアルキル基を示し、nは1〜5の整数を示し、mは1〜5の整数を示す。但し、nとmの和は6以下である。
    式(3)において、X+はカチオンを示し、Rはアルキル基を示し、pは1〜7の整数を示し、qは1〜7の整数を示す。但し、pとqの和は8以下である。
  3. アルキル基を有するスルホン酸化合物及びバナジル化合物の存在下で、モノマーを重合させることで導電性高分子を生成させることにより、導電性高分子と、アルキル基を有するスルホン酸化合物と、バナジル化合物とを含有する有機導電体を得る有機導電体の製造方法。
  4. 請求項1に記載の有機導電体を備える電子デバイス。
  5. 第一の電極と、前記第一の電極上に積層している誘電体層と、第二の電極と、前記誘電体層と前記第二の電極との間に介在する固体電解質層とを備え、前記固体電解質層が、請求項1又は2に記載の有機導電体から形成される第一の電解質領域を含む固体電解コンデンサ。
  6. 前記第一の電解質領域が前記誘電体層上に積層しており、
    前記固体電解質層が、前記第一の電解質領域と前記第二の電極との間に介在する第二の電解質領域を更に含む請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
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