JP2014040787A - 吸気ダクト - Google Patents

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Abstract

【課題】遮蔽部材を張った状態で取り付ける。
【解決手段】吸気ダクト10は、ダクト本体12の壁部に形成された開口部16を覆った遮蔽部材30の外周縁を、ダクト本体12に取り付けた保持部材40で保持するよう構成される。遮蔽部材30は、開口部16の全周を囲うようにダクト本体12に形成された第1支持部20と、保持部材40の外周縁全周に第1支持部20に対応して形成された第2支持部44との間に挟持されて、開口部16の開口面方向外側に向けて引っ張られた状態で固定される。
【選択図】図3

Description

この発明は、車両におけるエンジンの吸気系に用いられる吸気ダクトに関するものである。
特許文献1のように、エンジンの吸気系で発生する吸気騒音の低減を図った吸気ダクトが提案されている。特許文献1の吸気ダクトは、ダクト本体の壁面に複数の開口を設け、この開口の外側を覆った吸音材を、ダクト本体に取り付けた保持部材で固定している。
実公平6−10116号公報
前述した特許文献1の吸気ダクトは、開口を覆った吸音材がダクト本体内の吸気音を吸収することで、騒音を抑えている。そして、よりよい騒音低減効果を得るためには、ダクト本体の内部圧力変動(吸気音)に応じて、吸音材自体が振動する所謂振動膜を形成するように、吸音材を引っ張った状態でダクト本体に装着するのが好ましい。
すなわち本発明は、従来の技術に係る吸気ダクトに内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、効果的に吸気騒音を低減し得る吸気ダクトを提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の吸気ダクトは、
ダクト本体の壁部に形成された開口部を、通気性を有する遮蔽部材で覆い、該遮蔽部材の外周縁を、ダクト本体に取り付けた保持部材で保持するよう構成した吸気ダクトにおいて、
前記開口部の全周を囲うように前記ダクト本体に形成された第1支持部と、
前記保持部材の外周縁全周に前記第1支持部に対応して形成され、該第1支持部と噛み合って前記遮蔽部材を開口部の開口面方向外側に向けて引っ張るように挟持する第2支持部と、
前記開口部に隣接して前記ダクト本体に複数形成され、該開口部における遮蔽部材で覆われる開口面より前記ダクト本体の内方に延在する取付部と、
前記取付部に対応して前記保持部材に形成され、該保持部材を前記開口部に押し付けるように前記ダクト本体の内方へ引き込んだ状態で該取付部に固定された取付片とを備えたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、開口部を覆う遮蔽部材に適度なテンションをかけることで、ダクト本体の内部圧力変動に応じて遮蔽部材を振動させることができるから、ダクト本体の吸気騒音をより低減することができる。
請求項2に係る発明では、前記遮蔽部材は、エンボス加工が施された不織布からなるシート状物であることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、エンボス加工が施された不織布で遮蔽部材を構成することで、遮蔽部材の引っ張り強度を向上させることができ、遮蔽部材にテンションをかけて開口部を覆っても弛みにくい。
請求項3に係る発明では、前記第2支持部は、前記ダクト本体の外方に向けて開口する凹溝状に形成された第1支持部に対して、前記遮蔽部材を挟んで嵌り込む突条片を備えたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、両支持部の凹凸による簡単な構成で、遮蔽部材を適度に引っ張ることができる。
請求項4に係る発明では、前記取付部は、前記第1支持部よりも前記開口部の開口面方向内側に設けられたことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、取付部を第1支持部の内側に設けることで、保持部材を小型化できる。
本発明に係る吸気ダクトによれば、効果的に吸気騒音を低減し得る。
本発明の好適な実施例に係る吸気ダクトの一部を示す概略斜視図である。 実施例の吸気ダクトの一部を分解して示す概略斜視図である。 (a)は図1のA−A線断面図であり、(b)は図1のB−B線断面図である。 図1のB−B線に対応する断面で保持部材の取り付け過程を示す説明図である。
次に、本発明に係る吸気ダクトにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
図1および2に示すように、実施例に係る吸気ダクト10は、筒状のダクト本体12の周壁部(壁)に開口部16が設けられ、この開口部16を覆う遮蔽部材30が該ダクト本体12に取り付けられた保持部材40で固定されている。実施例のダクト本体12は、2つのダクト半体12A,12Bを組み合わせて構成される。2つのダクト半体12A,12Bは、爪と孔による係合などの機械的締結または接着などによって、ダクト本体12における空気流通方向に延在する側縁部を互いに突き合わせて組み付けられる。なお、ダクト半体12A,12Bは、ポリプロピレン(PP)または高密度ポリエチレン(HDPE)などの合成樹脂を材質とし、インジェクション成形等によって得られる成形品である。
図2に示すように、前記開口部16は、第1ダクト半体12Aにおいて壁部が外側に膨出するように形成された設置部14に設けられている。開口部16は、対向する開口縁間に縦横に架設された複数の区画片18によって、ダクト本体12の内外に連通する開口16aが区分された網目状に形成されている。また、設置部14には、開口部16の全周を囲うように第1支持部20が形成されている。第1支持部20は、外方に向けて開口する凹溝状に形成され、この溝が開口部16の全周に亘って連なっている(図2参照)。そして、区画片18は、第1支持部20を構成する内側の壁(開口部16を画成する壁)よりもダクト本体12の内方に延在しており、遮蔽部材30を該内側の壁に当接させて開口部16を覆った際に、遮蔽部材30と区画片18との間に隙間ができる。更に、設置部14には、開口部16に隣接して複数(実施例では6箇所)の取付部22が形成されている。取付部22は、第1支持部20よりも開口部16の開口面方向内側に設けられ、区画片18の間を塞ぐように、略矩形状の開口部16の4隅および長手方向に沿う側部中央部に配置されている。そして、各取付部22は、開口部16におけるダクト本体12の外方に臨む開口面(第1支持部20を構成する内側の壁)および区画片18よりも、ダクト本体12の内方に延在するよう構成され、保持部材40の取り付け時に該保持部材40の内面との間に隙間を画成し得るようになっている(図3参照)。各取付部22には、ダクト本体12の内外方向(板状の取付部22の厚み方向)に貫通する取付孔24が形成されている。
前記遮蔽部材30は、通気性を有する不織布からなるシート状物であり、開口部16および該開口部16を囲う第1支持部20を少なくとも覆い得る大きさに設定されている。また、遮蔽部材30は、撥水剤や止水剤などの表面処理等により撥水性および止水性を有している。ここで、不織布は、ポリエステル系繊維やポリプロピレン系繊維などの熱可塑性樹脂繊維からなり、スパンボンド法などによって得られるものを用いることができ、特に限定されないが70g/m〜300g/mの目付量であるのが好ましい。また、不織布は、所要パターンで型押しすることで、熱可塑性樹脂繊維が溶融して圧着した圧着部分と、圧着されていないまたは該圧着部分よりも圧着度合いが小さい一般部分とを設ける所謂エンボス加工が施されている。実施例の遮蔽部材30には、線状の圧着部分が互いに交わる格子状に延在するようにエンボス加工が施され、この圧着部分によって引っ張り強度が向上されると共に伸び難くなっている。また、遮蔽部材30は、エンボス加工による凹凸により表面積を大きくすることができる。遮蔽部材30には、保持部材40の後述する取付片48が挿通可能な挿通孔32が、該取付片48に対応して厚み方向に貫通形成されている。挿通孔32は、後述する第1支持部20と第2支持部44との噛み合いによる遮蔽部材30の引っ張りを阻害しないように、取付片48より大きく形成されている。
前記保持部材40は、開口部16の外側を囲う第1支持部20よりも一回り大きく形成された板状部材であり、ダクト半体12A,12Bと同様に樹脂成形品が用いられている。保持部材40は、前記開口部16の区画片18に合わせて縦横に架設された複数の保持片42によって、該保持部材40の表裏に連通する通口40aが区分された網目状に形成される。保持部材40は、該保持部材40を設置部14に取り付けた際に、通口40aが開口部16の開口16aに整合してダクト本体12の内外方向に連通するようになっている。保持部材40の外周縁には、第2支持部44が第1支持部20に対応して形成され、保持部材40を設置部14に取り付けた際に、第1支持部20と噛み合って遮蔽部材30を開口部16の開口面方向外側に向けて引っ張るように挟持するように構成される。ここで、保持部材40には、第2支持部44として、該保持部材40の外周縁裏面から突出する突条片が該外周縁全周に亘って形成され、この突条片が第1支持部20に嵌合するようになっている。また、保持部材40の外周端裏面には、壁片46が該外周縁全周に連ねて突出形成されている。そして、保持部材40は、設置部14に取り付けた際に、第2支持部44の外側に離間して延在する壁片46が、溝状の第1支持部20を画成する外側の壁(設置部14の外壁面)の外周を囲うようになっている。そして、保持部材40を設置部に取り付けた状態において保持片42は、第1支持部20を構成する内側の壁よりもダクト本体12の外方に延在しており、遮蔽部材30を該内側の壁に当接させて開口部16を覆った際に、遮蔽部材30と保持片42との間に隙間ができる。
前記保持部材40には、設置部14に形成された複数の取付部22の夫々に対応して複数の取付片48が形成されている(図4(a)参照)。各取付片48は、保持部材40の裏面から突出した棒状に形成される。また、取付片48は、第2支持部44よりも大きく突出するように設定され、開口部16の開口面よりも内方に位置する取付部22の取付孔24に挿入可能で、かつ挿入した取付片48の先端が取付部22から突出するよう構成される。保持部材40は、遮蔽部材30の挿通孔32から突き出た取付片48を対応の取付孔24に挿入し、取付部22から内方へ突出した取付片48の先端を熱によって潰す熱カシメなどにより、取付片48を取付部22に固定することで、設置部14に取り付けられる(図3参照)。ここで、保持部材40は、取付片48を取付部22に固定する際に、取付片48をダクト本体12の内方へ引き込むように力を加えたり、または保持部材40自体を設置部14に押さえ付けること等により、保持部材40を設置部14に押し付けるように付勢された状態で取り付けられる。
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る吸気ダクト10の作用について説明する。保持部材40を開口部16との間に遮蔽部材30を挟んで設置部14に取り付けた際には、遮蔽部材30の外周縁が凸状の第2支持部44によって凹状の第1支持部20に押し込まれることで、遮蔽部材30が開口部16の開口面外側に向けて引っ張られる(図4(b)参照)。ここで、第1支持部20および第2支持部44が遮蔽部材30の外周縁を全周に亘って挟持するので、遮蔽部材30における開口部16を覆う部分全体に四方に向けてテンションが一様にかけられる。このように、両支持部20,44の凹凸による簡単な構成で、遮蔽部材30を適度に引っ張ることができる。また、取付部22が開口部16の開口面よりも下がっているので、保持部材40の裏面が遮蔽部材30を挟んで開口部16に位置規制されても、取付部22と保持部材40の裏面との間の隙間を用いて取付片48をダクト本体12の内方へ引き込むことができる。従って、第2支持部44を第1支持部20により強く押し込むことが可能であるので、遮蔽部材30により強くテンションをかけることができる。そして、遮蔽部材30は、エンボス加工が施されて伸び難くなっているから、第1支持部20と第2支持部44との噛み合いによって強く引っ張られても伸びず、遮蔽部材30を開口16aに合わせてゆるみなく張ることができる。なお、取付部22を第1支持部20の内側に設けることで、保持部材40を小型化できる。
実施例の吸気ダクト10によれば、開口16aを覆う遮蔽部材30に適度なテンションがかけることで、ダクト本体12の内部圧力変動に応じて遮蔽部材30を振動させることができる。すなわち、遮蔽部材30が通気性を有する吸音材でありながら所謂振動膜としても機能するので、該振動膜としての消音効果も得られ、ダクト本体12の吸気騒音をより低減することができる。ここで、吸気ダクト10は、開口部16を覆った遮蔽部材30に対して、該開口部16に延在する区画片18がダクト本体12の内方に離間すると共に保持部材40の保持片42がダクト本体12の外方に離間している。従って、遮蔽部材30は、区画片18および保持片42との間の隙間で振動が許容され、前記振動膜としての好適な消音効果が得られる。そして、エンボス加工が施された不織布で遮蔽部材30を構成することで、遮蔽部材30の引っ張り強度を向上させることができ、遮蔽部材30にテンションをかけて開口部16を覆っても弛みにくい。このため、遮蔽部材30による騒音低減効果を長持ちさせることができる。
(変更例)
前述した構成に限定されず、以下のように変更することも可能である。
(1)保持部材の取り付けは、熱カシメに限定されず、孔と爪とによる機械的な締結、または接着などその他の手段を用いてもよい。
12 ダクト本体,16 開口部,20 第1支持部,22 取付部,30 遮蔽部材,
40 保持部材,44 第2支持部,48 取付片

Claims (4)

  1. ダクト本体の壁部に形成された開口部を、通気性を有する遮蔽部材で覆い、該遮蔽部材の外周縁を、ダクト本体に取り付けた保持部材で保持するよう構成した吸気ダクトにおいて、
    前記開口部の全周を囲うように前記ダクト本体に形成された第1支持部と、
    前記保持部材の外周縁全周に前記第1支持部に対応して形成され、該第1支持部と噛み合って前記遮蔽部材を開口部の開口面方向外側に向けて引っ張るように挟持する第2支持部と、
    前記開口部に隣接して前記ダクト本体に複数形成され、該開口部における遮蔽部材で覆われる開口面より前記ダクト本体の内方に延在する取付部と、
    前記取付部に対応して前記保持部材に形成され、該保持部材を前記開口部に押し付けるように前記ダクト本体の内方へ引き込んだ状態で該取付部に固定された取付片とを備えた
    ことを特徴とする吸気ダクト。
  2. 前記遮蔽部材は、エンボス加工が施された不織布からなるシート状物である請求項1記載の吸気ダクト。
  3. 前記第2支持部は、前記ダクト本体の外方に向けて開口する凹溝状に形成された第1支持部に対して、前記遮蔽部材を挟んで嵌り込む突条片を備えた請求項1または2記載の吸気ダクト。
  4. 前記取付部は、前記第1支持部よりも前記開口部の開口面方向内側に設けられた請求項1〜3の何れか一項に記載の吸気ダクト。
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