JP7372821B2 - ダクト部材およびその製造方法、ダクト - Google Patents

ダクト部材およびその製造方法、ダクト Download PDF

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Description

この発明は、ダクトを構成するダクト部材およびこのダクト部材の製造方法に関するものである。
ダクトを構成する分割体として、独立気泡構造の発泡体からなる内層部と、不織布からなる外層部との積層したものを用いることで、結露の発生を抑えることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、発泡体と不織布とを積層した積層シートを不織布側から空気を吸引するように真空成形することで、凹状の型面に不織布を押し付けて、積層シートから溝形の分割体を得ている。
特許第6208420号公報
特許文献1では、真空成形時に不織布全体が型面に押し付けられることで圧縮されて、不織布における繊維間の空隙が潰れるため、不織布特有の吸音性が損なわれてしまう。
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、吸音性に優れたダクト部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るダクト部材は、
発泡体層と不織布層とを積層した積層シートの成形品であるダクト部材であって、
前記発泡体層を凹みの内側に配置した溝形に形成されたダクト本体と、
前記ダクト本体と一体的に形成され、該ダクト本体における対向する端縁のそれぞれから該ダクト本体の凹みの外側へ延びるフランジ部と、を備え、
前記ダクト本体は、非圧縮の前記不織布層が少なくとも存在するように構成され、
前記フランジ部は、少なくとも前記ダクト本体に連なる内側部分が、圧縮された前記不織布層で構成されていることを要旨とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るダクト部材の製造方法は、
発泡体層と不織布層とを積層した積層シートを成形して得られるダクト部材の製造方法であって、
前記積層シートの発泡体層を凸型に向けて配置し、
前記積層シートを、前記凸型の基部から突出する凸状部を挟む位置で該基部へ向けて押圧部によって押さえることで該積層シートを該凸状部に沿わせて、該凸状部に沿わせた前記不織布層の少なくとも一部を圧縮することなく溝状のダクト本体を成形し、
前記押圧部によって前記積層シートを前記基部に押さえて、前記ダクト本体の端縁から延びるフランジ部を成形することを要旨とする。
本発明に係るダクト部材によれば、不織布層による吸音性に優れている。
本発明に係るダクト部材の製造方法によれば、不織布層による吸音性に優れたダクト部材を得ることができる。
本発明の実施例に係るダクト部材を示す概略斜視図である。 実施例のダクト部材を示す断面図である。 実施例のダクト部材の製造過程を示す説明図である。 製造過程の変更例を示す説明図である。
次に、本発明に係るダクト部材およびダクト部材の製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
図1および図2に示すように、車両の屋根をなすルーフパネル(図示せず)と車両において車室の天井をなすルーフトリム(パネル部材)10との間には、ダクト12が設置されている。実施例に係るダクト12は、ルーフトリム10と、ルーフトリム10の上面に取り付けられたダクト部材20とによって構成されている。
図1に示すように、実施例に係るダクト部材20は、溝状に形成されて、ルーフトリム10との間に空気流通路Eを画成するダクト本体22と、このダクト本体22における空気流通路Eの空気流通方向に沿う端縁に設けられたフランジ部24とを備えている。実施例のダクト部材20には、2つのダクト本体22,22が並行するように形成され、2つのダクト本体22,22の間がフランジ部24で繋がっている。ダクト本体22は、軒樋のように一面が開口する樋形状に形成されている。実施例のダクト本体22は、ルーフトリム10に間をあけて向かい合う上壁部と、この上壁部からルーフトリム10に向けて延びる横壁部とを有する角溝状に形成されている。フランジ部24は、ダクト本体22の横壁部の下縁から外方(ダクト本体22の凹みの外側)へ延出するように形成されている。ダクト部材20は、フランジ部24(ダクト本体22における凹みの開口側の端縁)をルーフトリム10の上面に突き合わせて、接着剤や溶着などによってルーフトリム10に固定される。
ダクト部材20は、発泡体層28と不織布層30とが積層された積層シート26の成形品であることで、軽量化が図られている。ダクト部材20は、同じ(1枚の)積層シート26を所要形状に成形して得られたものであり、ダクト本体22およびフランジ部24が一体的に形成されている。図2に示すように、発泡体層28は、溝形状のダクト本体22における凹みの内側に配置されると共に、フランジ部24におけるダクト本体22の凹みの内側に連なる側に配置されている。不織布層30は、溝形状のダクト本体22における凹みの外側に配置されると共に、フランジ部24におけるダクト本体22の凹みの外側に連なる側に配置されている。ダクト部材20は、ルーフトリム10に取り付けた際に、ダクト本体22の発泡体層28が空気流通路Eに面すると共に、フランジ部24の発泡体層28がルーフトリム10に面するようになっている。また、ダクト部材20は、ルーフトリム10に取り付けた際に、不織布層30がダクト本体22およびフランジ部24の外面を構成する。ここで、ダクト部材20は、フランジ部24の発泡体層28側が、前述したルーフトリム10に接着剤や溶着などによって固定される。
発泡体層28は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂などの発泡体で構成されている。発泡体層28は、通気性がない、あるいは通気性が非常に低い発泡体で構成されており、例えば、独立気泡構造を有する発泡体を用いることが好ましい。また、発泡体層28は、その表面にスキン層を有していてもよい。この場合、発泡体層28は、スキン層をダクト部材20の内側(空気流通路E)に向けて配置することで、空気流通路Eにおいて空気がスムーズに流れるため、圧力損失が高くなることを防止できる。
不織布層30は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタラートなどのポリエステル系、アラミド系、ガラス系、セルロース系、ナイロン系、ビニロン系、レーヨン系などの繊維を、単体または組み合わせて構成されたものを用いることができる。ここで、不織布層30としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂繊維または熱可塑性樹脂繊維を含んでいることが好ましい。不織布層30のフリース形成法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法などの何れであってもよい。不織布層30のフリース結合法としては、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法(水流絡合法)、ステッチボンド法、スチームジェット法などの何れであってもよい。
積層シート26は、シート状の発泡体とシート状の不織布とを、例えばホットメルト接着剤等により接着して得ることができる。また、積層シート26は、オレフィン系樹脂(熱可塑性樹脂)からなる発泡体と熱可塑性樹脂繊維を含む不織布とを組み合わせる場合、両者を熱融着により接合したものであってもよい。積層シート26は、成形前の厚さが例えば5mm~20mmの範囲にあるものを用いることが好ましい。積層シート26において、例えば、発泡体層28の厚さが3mm~10mmの範囲にあり、不織布層30の厚さが2mm~10mmの範囲にあることが好ましい。積層シート26は、不織布層30が、例えば、目付量が150g/m~1000g/mの範囲にあるものを用いることが好ましい。また、積層シート26は、不織布層30が、例えば、嵩密度が15kg/m~500kg/mの範囲にあるものを用いることが好ましく、30kg/m~250kg/mの範囲にあるものを用いることがより好ましい。
ダクト部材20のダクト本体22は、非圧縮の不織布層30が少なくとも存在するように構成されている。ここで、実施例では、ダクト本体22を構成する不織布層30の全体が非圧縮状態である。ダクト部材20は、積層シート26の不織布層30を厚み方向へ圧縮することなく、ダクト本体22を形作ることで、ダクト本体22を構成する不織布層30(特に区別する場合は本体不織布層30Aという。)を非圧縮状態としている。ダクト部材20は、フランジ部24におけるダクト本体22に連なる内側部分が、圧縮された不織布層30で構成されている。ダクト部材20は、積層シート26の不織布層30を厚み方向へ圧縮して、フランジ部24の内側部分を形作ることで、フランジ部24の内側部分を構成する不織布層30(特に区別する場合は内側不織布層30Bという。)を圧縮状態としている。ダクト部材20は、フランジ部24における内側部分の外側に連なる外側部分が、非圧縮の不織布層30で構成されている。ダクト部材20は、積層シート26の不織布層30を厚み方向へ圧縮することなく、フランジ部24の外側部分を形作ることで、フランジ部24の外側部分を構成する不織布層30(特に区別する場合は外側不織布層30Cという。)を非圧縮状態としている。
図2に示すように、ダクト部材20は、本体不織布層30Aが内側不織布層30Bよりも厚く形成されている。また、ダクト部材20は、本体不織布層30Aおよび外側不織布層30Cが同様に非圧縮であっても、後述するように積層シート26が面方向(ダクト本体22からフランジ部24側に向けて)へ伸ばされつつダクト本体22に成形されるので、本体不織布層30Aが外側不織布層30Cよりも薄く形成される。更に、ダクト部材20は、内側不織布層30Bが外側不織布層30Cよりも薄く形成されている。ダクト部材20は、フランジ部24の内側部分、ダクト本体22、フランジ部24の外側部分の順に、不織布層30の板厚が厚くなっている。ダクト部材20は、略一様な厚さの積層シート26が厚さ方向へ圧縮されたり、面方向へ伸びたりして、各部位における不織布層30の厚みの違いが形成される。
ダクト部材20は、非圧縮の本体不織布層30Aの嵩密度が、圧縮された内側不織布層30Bの嵩密度よりも小さくなっている。ダクト部材20は、積層シート26が面方向へ伸びて成形されるダクト本体22の本体不織布層30Aの目付量が、積層シート26を圧縮するものの積層シート26を面方向へ伸ばして成形しない内側不織布層30Bの目付量よりも小さくなっている。ダクト部材20は、本体不織布層30Aが内側不織布層30Bよりも繊維間の空隙が大きく形成されている。
ダクト部材20は、非圧縮の本体不織布層30Aの嵩密度が、同じく非圧縮の外側不織布層30Cの嵩密度と同等になっている。ダクト部材20は、積層シート26が面方向へ伸びて成形されるダクト本体22の本体不織布層30Aの目付量が、積層シート26を面方向へ伸ばして成形しない(積層シート26を圧縮していない)外側不織布層30Cの目付量よりも小さくなっている。ダクト部材20は、非圧縮の本体不織布層30Aが繊維間の空隙を保ちつつ、成形時に本体不織布層30Aが面方向へ伸びることで、内側不織布層30Bに比べて面方向の繊維間の空隙が大きくなっている。従って、ダクト部材20は、本体不織布層30Aが外側不織布層30Cよりも繊維間の空隙が大きく形成されている。
ダクト部材20は、非圧縮の外側不織布層30Cの嵩密度が、圧縮された内側不織布層30Bの嵩密度よりも小さくなっている。ダクト部材20は、積層シート26を面方向へ伸ばして成形しないフランジ部24において、内側不織布層30Bの目付量と外側不織布層30Cの目付量が同等になっている。ダクト部材20は、フランジ部24において圧縮された内側不織布層30Bを有する内側部分が、ダクト本体22やフランジ部24の外側部分と比べて嵩密度が大きくなるため剛性が高くなっている。
本体不織布層30Aは、元(成形前)の積層シート26の不織布層30よりも薄い、例えば1mm~8mmの範囲に設定される。本体不織布層30Aは、元の積層シート26の不織布層30と同等の嵩密度である、例えば15kg/m~500kg/mの範囲に設定され、より好ましくは30kg/m~250kg/mの範囲に設定するとよい。本体不織布層30Aは、元の積層シート26の不織布層30の目付量よりも小さい、75g/m~750g/mの範囲に設定される。内側不織布層30Bは、元の積層シート26の不織布層30よりも薄い、例えば0.3mm~3mmの範囲に設定される。内側不織布層30Bは、元の積層シート26の不織布層30の嵩密度よりも大きい、例えば50kg/m~1000kg/mの範囲に設定される。内側不織布層30Bは、元の積層シート26の不織布層30と同様の目付量である、150g/m~1000g/mの範囲に設定される。なお、外側不織布層30Cは、厚さ、嵩密度および目付量が、元の積層シート26の不織布層30と同等である。
前述したダクト部材20は、基部44から突出する凸状部46を有する凸型42と、凸状部46を挟む位置に、基部44と相対するように設けられた一対の押圧部50,50を有する凹型48とを備えた成形型40によって成形して得られる。具体的には、まず、発泡体層28と不織布層30とが積層された積層シート26を用意し、積層シート26をヒータ等の加熱手段によって加熱して軟化させる。積層シート26を、発泡体層28側を凸型42の型面に向けて、凸型42に重ねるようにセットする(図3(a)参照)。なお、積層シート26の不織布層30が凹型48に向くことになる。
凹型48を凸型42に近づけるように相対的に移動し、凸状部46を挟むように離して配置された一対の押圧部50,50によって、積層シート26を不織布層30側から基部44に向けて押さえ付ける(図3(b)参照)。この際、一対の押圧部50,50は、積層シート26の端縁よりも内側を押さえるように設定されており、一対の押圧部50,50の間と反対側へ積層シート26が余っている。積層シート26において凸状部46を挟む部位が一対の押圧部50,50に当たって押されることで、積層シート26において一対の押圧部50,50に押される部位の間が、凸状部46に当たる(図3(b)参照)。これにより、積層シート26において一対の押圧部50,50に押される部位の間が、凸状部46に当たって面方向へ伸ばされつつ凸状部46の形状に沿うように変形し、凸状部46の外形に合わせて溝状のダクト本体22が成形される。ここで、積層シート26を押圧部50で押さえるとき、凸状部46からの真空吸引によって積層シート26(発泡体層28)を凸状部46に沿わせている。
押圧部50と基部44との間に積層シート26の一部を挟んで圧縮することで、ダクト本体22の端縁から屈曲して外側へ延びるフランジ部24を成形する(図3(c)参照)。このとき、基部44における凸状部46に連なる部位と押圧部50との間で積層シート26が圧縮されて、フランジ部24におけるダクト本体22に連なる内側部分が形成される。一方で、積層シート26における押圧部50に押される部位よりも外側の部位が、フランジ部24における内側部分に連なる外側部分となる。積層シート26における一対の押圧部50,50で押さえる部位よりも外側にある不織布層30を圧縮することなく、フランジ部24が形成される。このように、ダクト本体22を成形する際に、凸型42の凸状部46に発泡体層28が当たるが、凹型48の押圧部50以外が不織布層30に当たらず、押圧部50が当たる部位以外で不織布層30は厚み方向へ圧縮されない。また、フランジ部24を成形する際に、凸型42の基部44に発泡体層28が当たるが、凹型48の押圧部50以外が不織布層30に当たらず、押圧部50が当たる部位以外で不織布層30は厚み方向へ圧縮されない。更に、フランジ部24における内側部分に連なる外側部分の不織布層30(外側不織布層30C)は、厚み方向へ圧縮されないと共に、面方向に伸ばされない。
ダクト部材20は、積層シート26におけるフランジ部24となる部位の一部のみを押さえてダクト本体22およびフランジ部24が成形されて、成形時に積層シート26におけるダクト本体22となる部位が押圧部50または凹型48で押さえられない。また、積層シート26の発泡体層28側を凸型42の型面に当てて成形しているので、積層シート26を凸型42の型面に沿わせて賦形するとき、積層シート26におけるダクト本体22となる部位の不織布層30が凸型42の型面に押さえ付けられない。このように、前記製造方法によれば、ダクト本体22が、非圧縮の本体不織布層30Aで構成されると共に、フランジ部24の内側部分が、圧縮された内側不織布層30Bで構成されたダクト部材20を簡単に得ることができる。得られたダクト部材20は、ダクト本体22が非圧縮の本体不織布層30Aで構成されていることで、適度な空隙の存在による不織布特有の吸音効果が発揮されるから、本体不織布層30Aは吸音性に優れている。これにより、吸音材を後付けすることなく、軽量で吸音性に優れたダクト部材20とすることができる。しかも、ダクト部材20は、圧縮された内側不織布層30Bによって、フランジ部24の内側部分の剛性が向上している。また、非圧縮の本体不織布層30Aは、適度な空隙の存在により、断熱性が向上し、ダクト部材20に結露が発生することを効果的に抑えることができる。
ダクト部材20は、非圧縮の本体不織布層30Aが、圧縮された内側不織布層30Bよりも厚く、かつ嵩密度および目付量が小さいことから、適度な空隙の存在による不織布特有の吸音効果が発揮される。このように、ダクト部材20は、空気流通路Eを画成するダクト本体22の本体不織布層30Aが吸音性に優れているので、車両のエンジンや走行時のロードノイズ、ルーフパネルに落ちる雨音等に起因する騒音を好適に抑えることができる。
積層シート26における押圧部50で押さえる部位よりも外側にある不織布層30を圧縮および伸ばすことなく、フランジ部24を形成することで、圧縮された内側不織布層30Bおよび非圧縮の外側不織布層30Cを、1つの成形工程で簡単に形成することができる。得られたダクト部材20は、フランジ部24におけるダクト本体22に繋がる内側部分の外側に連なる外側部分が、非圧縮の外側不織布層30Cで構成されていることで、不織布本来の柔軟性やクッション性を有するものとなっている。ダクト部材20は、走行時の振動等でフランジ部24が他の物品と擦れ合うことがあっても、外側不織布層30Cが良好な緩衝性を発揮して異音の発生を防止することができる。ダクト部材20は、本体不織布層30Aが、外側不織布層30Cよりも薄く形成されているものの、本体不織布層30Aおよび外側不織布層30Cの嵩密度が同等であることから、本体不織布層30Aにおいて適度な空隙の存在による不織布特有の吸音効果および断熱効果が保たれている。従って、ダクト部材20は、空気流通路Eを画成するダクト本体22の本体不織布層30Aが吸音性に優れているので、車両走行時に、ダクト部材20の外側で発生する様々な騒音を好適に抑えることができる。また、ダクト部材20は、外側不織布層30Cが断熱性に優れているので、結露の発生を抑えることができる。
積層シート26を押圧部50で押さえるとき、凸状部46からの真空吸引によって積層シート26を凸状部46に沿わせてダクト本体22を成形しているので、ダクト本体22を形良く、安定して形成することができる。ここで、積層シート26を凸状部46に吸着させても、凸状部46に当たるのは発泡体層28であるので、真空吸引によって不織布層30が潰れるなどの悪影響はない。
(変更例)
前述したことに限らず、例えば以下のようにしてもよい。
(1)実施例では、フランジ部の内側部分を構成する不織布層を圧縮し、フランジの外側部分を構成する不織布層を非圧縮としたが、これに限らず、フランジ部全体を圧縮する構成であってもよい。
(2)実施例では、ルーフトリムなどの車体を構成するパネル部材にダクト部材を取り付けてダクトを構成するようにしたが、これに限らず、2つのダクト部材を、フランジ部同士を突き当てるように組み合わせて、ダクトを構成してもよい。
(3)積層シートを圧縮して成形する内側不織布層は、ダクト部材の空気流通方向上流側から下流側までの全体に亘って連続して設けても、空気流通方向に互いに間隔をあけて非連続で設けても、何れであってもよい。ダクト部材は、圧縮した内側不織布層が空気流通方向に連続して存在することで、剛性を向上させることができる。また、ダクト部材は、圧縮した内側不織布層を非連続で設けた場合、圧縮した内側不織布層の間に存在する非圧縮の不織布層によって、吸音性をより向上させることができる。
(4)実施例では、ダクト本体を構成する本体不織布層全体を非圧縮としたが、ダクト本体を構成する不織布の一部を圧縮して、圧縮した不織布層からなる本体圧縮部を設けてもよい。例えば、ダクト部材の端部や曲がり部等に本体圧縮部を設ければ、ダクト部材の剛性を向上させることができる。この構成であっても、ダクト本体に非圧縮の本体不織布層が存在しているので、ダクト部材の吸音性や断熱性を向上させることができる。
(5)実施例では、発泡体層と不織布層とを接合して積層シートとした後、積層シートを成形してダクト部材としたが、別体の発泡体層と不織布層を成形型にそれぞれセットし、発泡体層と不織布層とを一緒に成形することでダクト部材としてもよい。その際、発泡体層と不織布層の接合は、例えば、ホットメルトシートを間に挟んでおけば、成形と共に両者を接合することができる。
(6)積層シートは、発泡体層および不織布層の他に、他の層を含んでいてもよい。この場合、発泡体層の内側(空気流通路側)に他の層を設けても、不織布層の外側(ダクト本体の外面側)に他の層を設けても、両側に他の層を設けても、何れであってもよい。また、他の層は、ダクト部材の全面に設けても、一部にのみ設けても、何れであってもよい。例えば、発泡体層の内側(空気流通路側)に非通気性の合成樹脂製のフィルムを配置すれば、ダクト部材の剛性を向上させると共に、見栄えをよくすることができる。また、非通気性の合成樹脂製のフィルムによって、空気流通路内を流れる空気の圧力損失が高くなることを防止することができる。例えば、不織布層の外側に、発泡体シートを配置すれば、吸音性や断熱性を更に向上することができる。その際、発泡体シートは、不織布層の全面に接合してもよく、一部にのみ接合しても、何れであってもよい。なお、他の層を配置する場合、積層シートとして予め構成しても、ダクト部材を成形してから後付けしてもよい。
(7)実施例の製造方法は、押圧部で不織布層を圧縮してフランジ部の不織布層に凹みを残したが、これに限らない。例えば図4に示す製造方法のように、押圧部50の押圧面に先端に返しが付いた鉤状の針52を設けて(図4(a)参照)、押圧部50で不織布層30を押さえるときに針52を不織布層30に突き刺す(図4(b)参照)。そして、型開きするときに、不織布層30の繊維を針52に引っ掛けて、圧縮された繊維をほぐすことで(図4(c)参照)、フランジ部24の不織布層30を復元させるようにしてもよい(図4(d)参照)。
20 ダクト部材,22 ダクト本体,24 フランジ部,26 積層シート,
28 発泡体層,30 不織布層,30A 本体不織布層(不織布層),
30B 内側不織布層(不織布層),30C 外側不織布層(不織布層),
42 凸型,44 基部,46 凸状部,50 押圧部

Claims (7)

  1. 発泡体層と不織布層とを積層した積層シートの成形品であるダクト部材であって、
    前記発泡体層を凹みの内側に配置した溝形に形成されたダクト本体と、
    前記ダクト本体と一体的に形成され、該ダクト本体における対向する端縁のそれぞれから該ダクト本体の凹みの外側へ延びるフランジ部と、を備え、
    前記ダクト本体は、非圧縮の前記不織布層が全体に存在するように構成され、
    前記フランジ部は、少なくとも前記ダクト本体に連なる内側部分が、圧縮された前記不織布層で構成されている
    ことを特徴とするダクト部材。
  2. 発泡体層と不織布層とを積層した積層シートの成形品であるダクト部材であって、
    前記発泡体層を凹みの内側に配置した溝形にそれぞれ形成され、並行配置された複数のダクト本体と、
    前記ダクト本体と一体的に形成され、該ダクト本体における対向する端縁のそれぞれから該ダクト本体の凹みの外側へ延びるフランジ部と、を備え、
    隣り合う前記ダクト本体の端縁の間が、前記フランジ部で繋がり、
    前記ダクト本体は、非圧縮の前記不織布層が少なくとも存在するように構成され、
    前記フランジ部は、少なくとも前記ダクト本体に連なる内側部分が、圧縮された前記不織布層で構成されている
    ことを特徴とするダクト部材。
  3. 発泡体層と不織布層とを積層した積層シートの成形品であるダクト部材と、
    ルーフトリムと、を備え、
    前記ダクト部材は、
    前記発泡体層を凹みの内側に配置した溝形に形成され、前記ルーフトリムとの間に空気流通路を形成するダクト本体と、
    前記ダクト本体と一体的に形成され、該ダクト本体における対向する端縁のそれぞれから該ダクト本体の凹みの外側へ延びるフランジ部と、を備え、
    前記ダクト本体は、非圧縮の前記不織布層が少なくとも存在するように構成され、
    前記フランジ部は、少なくとも前記ダクト本体に連なる内側部分が、圧縮された前記不織布層で構成されている
    ことを特徴とするダクト。
  4. 発泡体層と不織布層とを積層した積層シートを成形して得られるダクト部材の製造方法であって、
    前記積層シートの発泡体層を凸型に向けて配置し、
    前記積層シートを、前記凸型の基部から突出する凸状部を挟む位置で該基部へ向けて押圧部によって押さえることで該積層シートを該凸状部に沿わせて、該凸状部に沿わせた前記不織布層の少なくとも一部を圧縮することなく溝状のダクト本体を成形し、
    前記押圧部によって前記積層シートを前記基部に押さえて、前記ダクト本体の端縁から延びるフランジ部を成形する
    ことを特徴とするダクト部材の製造方法
  5. 前記積層シートにおける前記押圧部で押さえる部位よりも外側にある前記不織布層を圧縮することなく、前記フランジ部を形成する請求項4記載のダクト部材の製造方法。
  6. 前記積層シートを前記押圧部で押さえるとき、前記凸状部からの真空吸引によって該積層シートを該凸状部に沿わせる請求項4または5記載のダクト部材の製造方法。
  7. 前記積層シートにおける前記凸状部に沿わせた部分全体を、前記不織布層を圧縮することなく前記ダクト本体を成形する請求項4~6の何れか一項に記載のダクト部材の製造方法。
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