JP2014040524A - タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な低燃費性を維持しつつ、接着性能、破壊特性を改善できるタイヤ用ゴム組成物、およびこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、およびそれを用いた空気入りタイヤに関する。
タイヤのベースドレッドに使用されるゴム組成物には、高い低燃費性が強く要求される一方で、接着性能、破壊特性のバランス向上も重要であり、これらの性能を確保するため、従来から様々な工夫がなされている(例えば、特許文献1)。
その中で、低燃費性向上には、フィラーやオイルの配合量を減らす方法が広く知られている。しかし、このようなフィラーやオイルの減量による低燃費性に特化したゴム組成物は、接着性能、破壊特性が低下してしまい、タイヤの成形工程での接着不良によるトラブルや、タイヤの耐久性が低下するおそれがある。
これに対して、接着性能を改善するためにフェノール系樹脂を、破壊特性を改善するためにテルペン系樹脂をそれぞれ添加することで、各性能の向上を図る技術が知られている。
一方、ベーストレッドに必要な、接着性能、破壊特性の両方の性能を向上させるためには、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂を併用することが考えられるが、両方の樹脂を同時に配合すると、期待する接着性能と破壊特性の向上が得られないという問題がある。
これは、それぞれの樹脂のポリマーへの溶解性(相溶性)が異なるために、それぞれの樹脂が均一にポリマーに分散することが困難であり、単純な併用で十分に性能向上をさせることはできていないのが現状である。
特開2011−132306号公報
本発明は、前記課題を解決し、良好な低燃費性を維持しつつ、接着性能、破壊特性を改善できるタイヤ用ゴム組成物、およびこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
樹脂100質量%中のフェノール系化合物(a)の共重合割合が10〜40質量%、テルペン系化合物(b)の共重合割合が60〜90質量%であることが好ましい。
上記樹脂の重量平均分子量が1100以上であることが好ましい。
フェノール系化合物(a)がフェノールおよび/またはアルキルフェノールであり、テルペン系化合物(b)が水酸基を持たない環状不飽和炭化水素であることが好ましい。
テルペン系化合物(b)がα−ピネン、β−ピネン、3−カレン、リモネンおよびジペンテンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、樹脂の配合量が、ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラック及び/又はシリカを含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ベーストレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、粘弾性スペクトロメーターを用いて、温度50℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で測定したtanδが0.2以下であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有するタイヤ用ゴム組成物であるので、良好な低燃費性を維持しつつ、接着性能、破壊特性を改善でき、該ゴム組成物をタイヤ部材(特に、ベーストレッド)に使用することにより、低燃費性、接着性能、破壊特性に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有する。
本発明では、ゴム成分として、イソプレン系ゴムを含むゴム組成物において、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂を含有するため、良好な低燃費性を維持しつつ、接着性能、破壊特性を同時に改善できる。
なお、本明細書において、接着性能とは、ゴムとゴムの間の接着しやすさを意味し、接着性能が良好なほど、タイヤの成形工程での接着不良によるトラブルを抑制できる。
本発明では、ゴム成分として、イソプレン系ゴムが使用される。
イソプレン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられる。NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、NR、IRが好ましい。
イソプレン系ゴムの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。40質量%未満であると、低燃費性、破壊特性が悪化するおそれがある。また、イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。80質量%を超えると、接着性能が悪化するおそれがある。イソプレン系ゴムの含有量が上記範囲内であると、低燃費性、接着性能、破壊特性がバランスよく得られる。
本発明で使用できるイソプレン系ゴム以外のゴム成分としては、特に限定されないが、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、低燃費性、接着性能、破壊特性がバランスよく得られるという理由から、SBR、BRが好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。なかでも、本発明の効果が好適に得られるという理由から、E−SBRが好ましい。
SBR中のスチレン含有率は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。10質量%未満では、破壊特性が低下するおそれがある。また、該スチレン含有率は、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。35質量%を超えると、低燃費性、破壊特性が低下するだけでなく、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなってしまう傾向がある。
SBRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満では、充分な接着性能が得られないおそれがある。また、SBRの含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。40質量%を超えると、低燃費性、破壊特性が悪化するおそれがある。SBRの含有量が上記範囲内であると、低燃費性、接着性能、破壊特性がバランスよく得られる。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、耐摩耗性、破壊特性が良好であるという理由から、BRのシス含量は90質量%以上が好ましい。
BRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満では、充分な耐摩耗性、破壊特性が得られないおそれがある。また、BRの含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。40質量%を超えると、充分な接着性能が得られないおそれがある。BRの含有量が上記範囲内であると、低燃費性、接着性能、破壊特性がバランスよく得られる。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴム、SBR、及びBRの合計含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。60質量%未満であると、充分な低燃費性、接着性能、破壊特性が得られない傾向がある。また、該合計含有量の上限は特に限定されず、100質量%でもよい。
本発明では、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂が使用される。
(a)フェノール系化合物としては、フェノール性水酸基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール(アルコキシ基の炭素原子数はアルキル基と同様である。)、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を含有するハロゲン化フェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどの1価のフェノール類が挙げられる。なかでも、良好な低燃費性を維持しつつ、接着性能、破壊特性を改善できる点から、フェノール、o、m、p位の少なくとも1つがアルキル基で置換されたアルキルフェノールが好ましく、アルキルフェノール(特に、p位がアルキル基で置換されたアルキルフェノール)がより好ましい。
アルキルフェノールにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。
アルキルフェノールの具体例としては、例えば、メチルフェノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デシルフェノール、ジノニルフェノールが挙げられ、o、m、p位のいずれが置換されたものでもよい。なかでも、t−ブチルフェノールが好ましい。
アルコキシフェノールとしては、前述のアルキルフェノールのアルキル基に対応するアルコキシ基で置換されたメトキシフェノールなどが挙げられる。
ハロゲン化フェノールとしては、例えば、クロロフェノール、ブロモフェノールが挙げられる。
不飽和炭化水素基含有フェノールとしては、1分子中に少なくとも1個のヒドロキシフェニル基を含み、かつフェニル基の水素原子のうちの少なくとも1個が不飽和炭化水素基で置換された化合物が挙げられる。不飽和炭化水素基における不飽和結合としては、二重結合、三重結合が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、炭素原子数2〜10のアルケニル基が挙げられる。不飽和置換基含有フェノールの具体例としては、イソプロペニルフェノール、ブテニルフェノールなどが挙げられる。これらのフェノール系化合物は単独でも2種以上を併用してもよい。
(b)テルペン系化合物は、(Cの組成で表される炭化水素およびその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物が挙げられる。テルペン系化合物は特に限定されないが、環状不飽和炭化水素が好ましく、また、水酸基を持たない化合物が好ましい。
テルペン系化合物の具体例としては、α−ピネン、β−ピネン、3−カレン(δ−3−カレン)、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールなどが挙げられる。なかでも、良好な低燃費性を維持しつつ、接着性能、破壊特性を改善できる点から、α−ピネン、β−ピネン、3−カレン(δ―3―カレン)、ジペンテン、リモネンが好ましく、α−ピネン、β−ピネン、3−カレンがより好ましく、α−ピネン、β−ピネンが更に好ましい。これらのテルペン系化合物は単独でも2種以上を併用してもよい。
前記樹脂(100質量%)を構成する各共重合成分の配合比率(質量%)は、テルペン系化合物(b)>フェノール系化合物(a)の関係を満足することが好ましい。テルペン系化合物量がフェノール系化合物量以下では、充分な破壊特性が得られなくなる傾向がある。
前記樹脂(100質量%)におけるフェノール系化合物(a)の共重合割合は、10〜40質量%であり、20〜40質量%が好ましい。10質量%未満では、充分な接着性能が得られず、40質量%を超えると、充分な破壊特性が得られなくなる傾向がある。
なお、共重合割合とは、樹脂(100質量%)を構成する各共重合成分の比率(質量%)を意味する。
テルペン系化合物(b)の共重合割合は、60〜90質量%であり、60〜80質量%が好ましい。60質量%未満では、充分な破壊特性が得られず、90質量%を超えると、充分な接着性能が得られなくなる傾向がある。
前記樹脂の軟化点は特に限定されないが、30〜180℃が好ましく、40〜160℃がより好ましく、50〜150℃がさらに好ましい。軟化点が30℃未満であれば、充分な接着性能が得られなくなる傾向となり、180℃を超えると、充分な接着性能が得られなくなる傾向がある。
なお、樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
前記樹脂の重量平均分子量Mwは特に限定されないが、1100〜3000が好ましく、1150〜1500がより好ましく、1200〜1400が更に好ましい。Mwが1100未満であれば、充分な破壊特性、低燃費性(特に、破壊特性)が得られなくなる傾向があり、3000を超えると、充分な接着性能が得られなくなる傾向がある。
なお、本明細書において、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、標準ポリスチレンより換算した値である。
前記樹脂は、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を公知の方法で共重合することにより合成できる。例えば、トルエンなどの有機溶媒中に、BFなどの触媒存在下において、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を任意の順序で滴下し、所定の温度および時間反応させることにより調製できる。
樹脂の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜15質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、1.5〜7質量部がさらに好ましい。0.5質量部未満では、充分な接着性能、破壊特性(特に、接着性能)が得られない傾向となり、15質量部を超えると、破壊特性が低下する傾向がある。
本発明では、補強用充填剤として、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなど、従来タイヤ用ゴム組成物において慣用されるもののなかから任意に選択して用いることができ、なかでも、カーボンブラック、シリカが好ましく、カーボンブラックがより好ましい。カーボンブラックを使用することにより、破壊特性、接着性能を向上できる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなど、タイヤ工業において一般的なものを用いることができる。なお、カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は好ましくは30m/g以上、より好ましくは50m/g以上である。NSAが30m/g未満では、充分な破壊特性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは好ましくは300m/g以下、より好ましくは120m/g以下、更に好ましくは90m/g以下である。NSAが300m/gを超えると、カーボンブラックの分散性が悪く、破壊特性、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30量部以上、更に好ましくは50量部以上である。20質量部未満では、充分な破壊特性、接着性能が得られない傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。150質量部を超えると、発熱が大きくなり、低燃費性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックの分散性が悪く、破壊特性、低燃費性が低下する傾向がある。
本発明では、イソプレン系ゴムを含むゴム組成物において、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂を含有するため、カーボンブラックを減量することなく、上記量とすることができ、良好な低燃費性を維持しつつ、接着性能、破壊特性を同時に改善でき、良好な低燃費性、接着性能、破壊特性を高次元で得られる。
シリカとカーボンブラックの合計100質量%中のカーボンブラックの含有量は、本発明の効果が好適に得られるという理由から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
本発明のゴム組成物には、上記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、粘着付与剤、ワックス、軟化剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明で使用できる軟化剤としては、特に限定するものではないが、例えば、オイルであればアロマチックオイル、プロセスオイル、パラフィンオイル等の鉱物油が挙げられる。これら軟化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、低燃費性と工程通過性がバランスよく得られるという理由から、プロセスオイルが好ましい。
本発明では、本発明の効果が好適に得られるという理由から、オイルの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。なお、オイルの配合量には、油展ゴムに含まれるオイルも含まれる。
本発明では、イソプレン系ゴムを含むゴム組成物において、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂を含有するため、オイルを上記量としても、良好な接着性能、破壊特性が得られ、良好な低燃費性、接着性能、破壊特性を高次元で得られる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、ベーストレッドに好適に使用できる。
ベーストレッドとは、多層構造を有するトレッドの内層部である。2層構造のトレッドの場合には、表面層(キャップトレッド)及び内面層(ベーストレッド)から構成される。
多層構造のトレッドは、シート状にしたものを、所定の形状に張り合わせる方法や、2本以上の押出し機に装入して押出し機のヘッド出口で2層以上に形成する方法により作製することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物(加硫後)は、粘弾性スペクトロメーターを用いて、温度50℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で測定したtanδが0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。該tanδの下限は特に限定されず、低ければ低いほどよい。
tanδが上記範囲内であると、良好な低燃費性を確保できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でベーストレッドなどの形状に成形した後、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
製造例1、2
<使用薬品>
レジンの合成に使用した薬品を以下に示す。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
トルエン:関東化学(株)製
α−ピネン:東京化成工業(株)製
3−カレン:東京化成工業(株)製
p−tブチルフェノール:和光純薬工業(株)製
三フッ化ホウ素(BF):東京化成工業(株)製
炭酸ナトリウム:東京化成工業(株)製
<合成方法>
温度計、攪拌装置、冷却器、Dean−Starkトラップを備えた三口フラスコを十分に窒素置換し、そこにトルエン200gを添加した。これにp−tブチルフェノールを40g添加し、攪拌、還流を2時間行った。触媒としてBFガスを1.2g添加し、α−ピネン60gを90分程度の時間で滴下し、40℃において60分間窒素下で攪拌しながら重合を行った。反応終了後、炭酸ナトリウム1.2gを100mlの水に溶解したものを添加して反応を停止させ、水洗を繰り返すことで触媒を除去した。減圧蒸留することでトルエン、未反応モノマーを除去し目的とするレジンAを得た。
表1の添加量に変更する他は、レジンAとほぼ同様の方法でレジンBを合成した。
合成したレジンの組成、軟化点、分子量を表1に示す。なお、分子量、軟化点は以下の方法で測定した。
(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)の測定)
Mw、Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
(軟化点)
軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度を軟化点とした。
Figure 2014040524
実施例および比較例
<使用薬品>
実施例および比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
SBR:Nipol1502(日本ゼオン(株)製、E−SBR、スチレン含有率:23.5質量%)
BR:BR130B(宇部興産(株)製、シス含量:97質量%)
カーボンブラック:N330(キャボットジャパン(株)製、NSA:75m/g)
オイル:ダイアナプロセスAH−24(出光興産(株)製プロセスオイル)
レジンA、B:製造例1、2で合成
レジンC:YSレジンPX1250(テルペン樹脂、ヤスハラケミカル(株)製)
レジンD:Koresin(p−tブチルフェノール樹脂、BASF社製)
酸化亜鉛:酸化亜鉛(三井金属鉱業(株)製)
ステアリン酸:ステアリン酸「椿」(日油(株)製)
老化防止剤:アンチゲン6C(住友化学(株)製)(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:サンノックN(大内新興化学工業(株)製)
硫黄:粉末硫黄(軽井沢硫黄(株)製)
加硫促進剤:ノクセラーCZ(大内新興化学工業(株)製、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
<ゴム組成物の製造法>
表2に示す配合処方にしたがって、(株)神戸製鋼製1.7Lバンバリーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の材料を150℃で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて80℃で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫することにより、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物を使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表2に示す。
<評価方法>
(低燃費性)
上記加硫ゴム組成物からなるゴムスラブシート(2mm×130mm×130mm)から測定用試験片を切り出し、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、測定用試験片のtanδを測定した。結果を実測値で示すと共に、比較例1の結果を100として指数表示した。指数が大きいほど、低燃費性に優れる。
(破壊特性)
JIS K6251:2010に基づいて、得られた加硫ゴム組成物からダンベル状6号形試験片を作製し、該試験片を用いて25℃雰囲気下において、引張試験を実施して、破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)を測定した。そして、破壊エネルギーとして、TB×EB(MPa・%)/2を算出した。各配合の破壊エネルギーを算出し、比較例1の破壊エネルギーを100として指数表示した。指数が大きいほど、破壊特性に優れることを示す。
(接着性能)
得られた加硫ゴム組成物について、JIS−T 9233にもとづいて製作されたタックテスト装置を用いて、タックテスト(粘着力測定)を行った。比較例1の測定値を100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど接着性能に優れる。
(接着性能指数)=(各配合のタックテスト測定値)/(比較例1のタックテスト測定値)×100
Figure 2014040524
表2の結果から、テルペンのレジンを配合した比較例2では、良好な破壊特性が得られたものの、接着性能が低く、実施例に比べて性能バランスが劣っていた。また、p−tブチルフェノールのレジンを配合した比較例3では、良好な接着性能が得られたものの、破壊特性が低く、実施例に比べて性能バランスが劣っていた。また、これらをブレンドした比較例4では、破壊特性、接着性能が共に低く、性能バランスは悪かった。
一方、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂(レジンA、B)とを含有する実施例は、良好な低燃費性を維持しつつ、接着性能、破壊特性を改善でき、低燃費性、接着性能、破壊特性に優れていた。

Claims (10)

  1. イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、(a)フェノール系化合物および(b)テルペン系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有するタイヤ用ゴム組成物。
  2. 樹脂100質量%中のフェノール系化合物(a)の共重合割合が10〜40質量%、テルペン系化合物(b)の共重合割合が60〜90質量%である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記樹脂の重量平均分子量が1100以上である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. フェノール系化合物(a)がフェノールおよび/またはアルキルフェノールであり、テルペン系化合物(b)が水酸基を持たない環状不飽和炭化水素である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. テルペン系化合物(b)がα−ピネン、β−ピネン、3−カレン、リモネンおよびジペンテンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項4記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 樹脂の配合量が、ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. カーボンブラック及び/又はシリカを含む請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. ベーストレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 粘弾性スペクトロメーターを用いて、温度50℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で測定したtanδが0.2以下である請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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