JP2011074154A - 二輪車トレッド用ゴム組成物及び二輪車用タイヤ - Google Patents

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JP2011074154A JP2009225331A JP2009225331A JP2011074154A JP 2011074154 A JP2011074154 A JP 2011074154A JP 2009225331 A JP2009225331 A JP 2009225331A JP 2009225331 A JP2009225331 A JP 2009225331A JP 2011074154 A JP2011074154 A JP 2011074154A
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隆行 永瀬
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Abstract

【課題】グリップ性能と耐チャンキング性能を両立できる二輪車トレッド用ゴム組成物、及びこれを用いた二輪車用タイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分と、酸と、窒素化合物と、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物と、粘着付与樹脂とを含む二輪車トレッド用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、二輪車トレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた二輪車用タイヤに関する。
従来より、二輪車用タイヤ(特にモトクロス用)のトレッドゴムに関して、窒素化合物と酸を配合し、ヒステリシスロスを発生させ、さらにグリップ性能を向上させるために粘着付与樹脂を併用する方法が用いられてきた(例えば、特許文献1)。しかし、窒素化合物、酸、粘着付与樹脂を配合することにより、グリップ性能を向上させることはできるものの、耐チャンキング性能が低下してしまうという問題があった。
特開2008−163108号公報
本発明は、前記課題を解決し、グリップ性能と耐チャンキング性能を両立できる二輪車トレッド用ゴム組成物、及びこれを用いた二輪車用タイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、酸と、窒素化合物と、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物と、粘着付与樹脂とを含む二輪車トレッド用ゴム組成物に関する。
上記ゴム成分として、天然ゴムと、ブタジエンゴム又はスチレンブタジエンゴムとを含むことが好ましい。
上記酸が、カルボン酸又はフェノール誘導体であることが好ましい。
上記窒素化合物が、イミダゾール類であることが好ましい。
上記ゴム成分100質量部に対して、20質量部以上のカーボンブラックを含むことが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いた二輪車用タイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分と、酸と、窒素化合物と、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物と、粘着付与樹脂とを含む二輪車トレッド用ゴム組成物であるので、グリップ性能を向上させたまま、耐チャンキング性能を向上させることができ、グリップ性能と耐チャンキング性能を両立させた二輪車用タイヤを提供できる。なお、チャンキングとは、タイヤのトレッドゴムにおけるゴム欠け、剥離をいう。耐チャンキング性能が高いほど、チャンキングを抑制できる。
本発明の二輪車トレッド用ゴム組成物は、ゴム成分と、酸と、窒素化合物と、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物と、粘着付与樹脂とを含む。
本発明で使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムを使用してもよい。これらジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、タイヤ用としての破壊特性とグリップ特性が良好であるという理由から、NR、SBR、BRが好ましく、NRと、BR又はSBRとを併用することがより好ましい。
NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
本発明のゴム組成物がNRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、NRが有する高い破壊特性が発現しないおそれがある。NRの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。50質量%を超えると、tanδが低下することで、グリップ性能が低下するおそれがある。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは35質量%以上である。10質量%未満であると、tanδが低く、高いグリップ性能が得られないおそれがある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。50質量%を超えると、常温でのゴム硬度が高すぎるため、グリップ性能を発揮できないおそれがある。
本発明のゴム組成物がSBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。30質量%未満であると、SBRが有するグリップ特性が得られないおそれがある。SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、グリップ性能は良好であるが、破壊強度が充分に得られないおそれがある。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、耐摩耗性が良好であるという理由から、BRのシス含量は95質量%以上が好ましい。
本発明のゴム組成物がBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、耐摩耗性の向上が充分に得られないおそれがある。BRの含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。30質量%を超えると、tanδが低下することで、グリップ性能が低下するおそれがある。
本発明では、酸が使用される。酸としては、特に限定されず、例えば、カルボン酸、フェノール誘導体、スルホン酸等が挙げられる。なかでも、加硫特性に悪影響を与えにくいという理由から、カルボン酸、フェノール誘導体が好ましい。
カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸などの脂肪族モノカルボン酸、コハク酸、マレイン酸などの脂肪族ジカルボン酸、安息香酸、安息香酸誘導体、ケイ皮酸、ナフトエ酸などの芳香族モノカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。なかでも、芳香族モノカルボン酸が好ましく、安息香酸及び安息香酸誘導体がより好ましい。安息香酸誘導体としては、例えば、安息香酸に炭化水素基(アルキル基、アルコキシ基等)、水酸基等の官能基が導入されたものが挙げられ、具体的には、p−メチル安息香酸、p−メトキシ安息香酸、p−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、サリチル酸等が挙げられる。
フェノール誘導体としては、下記一般式(I)〜(IV)に示す化合物等が挙げられる。
Figure 2011074154
Figure 2011074154
Figure 2011074154
Figure 2011074154
上記一般式(I)〜(IV)において、R〜Rは、同一又は異なって、炭素数1〜10(好ましくは1〜6)の炭化水素基である。該炭化水素基としては、炭素数1〜10(好ましくは1〜6)のアルキル基、炭素数1〜10(好ましくは1〜6)のアルケニル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基等を挙げることができる。
nおよびn’は、同一又は異なって、0または1〜3の整数である。nおよびn’は、1〜2であることが好ましい。
mおよびm’は、同一又は異なって、1または2の整数である。mおよびm’は、1であることが好ましい。
sは、1〜3の整数である。sは、1〜2であることが好ましい。
tは、0または1〜3の整数である。tは、1〜2であることが好ましい。
Xは、酸素原子、硫黄原子およびハロゲン原子からなる群より選択される原子または該原子を含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基またはそれらの不飽和基を挙げることができる。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、i−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基等を、また、不飽和基としてビニレン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、シクロヘキシレン基、エステル結合含有基、芳香族基等を挙げることができる。Xの好ましい具体例は、次の(1)〜(3)である。また、エステル結合含有基は、−CO−O−を含むグループであり、具体例として下記の(4)〜(7)で表されるものを例示することができる。
Figure 2011074154
上記一般式(I)〜(IV)で表されるフェノール誘導体の具体例としては、例えば、2−tert−ブチルフェノール;2−エチル−6−メチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;3−メチル−2,6−ビス(1−メチルエチル)フェノール;4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;3−メチル−2,6−ビス(1−メチルプロピル)フェノール;2−ブチル−6−エチルフェノール;4−ブチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェノール;6−tert−ブチル−2,3−ジメチルフェノール;2−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2−シクロヘキシル−6−tert−ブチルフェノール;2−シクロヘキシル−6−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール;4,4'−ジヒドロキシビフェニル;4,4'−チオビスフェノール;ヒドロキノン;1,5−ヒドロキシナフタレン;4,4'−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4'−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4'−エチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4'−プロピリデンビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4'−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4'−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4'−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2'−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)等を挙げることができる。なかでも、窒素化合物と水素結合を形成しやすいという理由から、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)が好ましい。
上記酸は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部未満であると、窒素化合物と水素結合を充分に形成できないおそれがある。酸の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。10質量部を超えると、破壊特性の低下を招くおそれがある。
本発明では、窒素化合物が使用される。窒素化合物は、水素結合を形成できるものが好ましく、このような窒素化合物をゴム組成物中に配合することで、中温条件(30〜50℃)下でのグリップ性能を向上させることができる。
窒素化合物は、チッ素を含む環状構造を1つ以上有することが好ましい。チッ素を含む環状構造を1つも含まないと、高温グリップ性能を改善できない傾向がある。
このような窒素化合物としては、例えば、ピペリジン誘導体、イミダゾール類、カプロラクタム類などがあげられる。なかでも、汎用品で入手しやすいという理由から、イミダゾール類が好ましい。
窒素化合物としてイミダゾール類を使用する場合、下記一般式(V)で表されるイミダゾール類を使用することが好ましい。
Figure 2011074154
(式中、Rは、同一又は異なって、1価の直鎖状の炭化水素基、フェニル基、−OH、―CN、−NH2または−SHである。yは0〜4の整数であり、y個のRの合計炭素数は10以下である。)
なかでも、立体障害が少なく酸との反応が効果的に起こりやすいという理由から、Rとしては、1価の直鎖状の炭化水素基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。また、強い水素結合を形成しやすいという理由から、1価の直鎖状の炭化水素基(アルキル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい)と、フェニル基の組合せがより好ましい。
置換基Rの数yは0〜4の整数が好ましく、置換基Rの数が多いと立体障害となりうるという理由から、1〜2がより好ましく、2が更に好ましい。
また、y個のRの合計炭素数は10以下が好ましく、7以下がより好ましい。Rの合計炭素数が11以上では、立体障害が大きく、効果的に水素結合を形成することができず、グリップ性能の充分な改善効果が得られない傾向がある。
上記一般式(V)で表されるイミダゾール類の具体例としては、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、1−シアノイミダゾール、2−シアノイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルイミダゾール、1−エチル−2−ベンジルイミダゾール等が挙げられる。なかでも、加硫特性への悪影響が低く、酸との水素結合が形成しやすいという理由から、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾールが好ましい。
窒素化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種以上を組み合わせても効果が小さく、さらにゴム強度が低下するという理由から、1種のみで用いるのが好ましい。
窒素化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部未満であると、酸化合物と充分な水素結合が形成されないおそれがある。窒素化合物の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。10質量部を超えると、破壊特性が低下するおそれがある。
本発明では、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物が使用される。アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を配合することにより、グリップ性能の低下を抑制しつつ、耐チャンキング性能を向上できる。アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 2011074154
(式中、gは0又は1〜10の整数であり、fは2〜4の整数であり、Rは炭素数5〜12のアルキル基である。)
アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物のゴム中への分散性が良い点から、gは1〜9の整数が好ましい。また、耐チャンキング性能の向上が効率よく得られる点から、fは2〜4の整数が好ましく、2がより好ましい。fが4を超えると、熱的に不安定となる傾向があり、fが1であるとアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物中の硫黄含有率(硫黄の重量)が少なくなる。ゴム中への分散性が良い点から、Rの下限は好ましくは炭素数5以上、より好ましくは6以上のアルキル基であり、上限は好ましくは炭素数12以下、より好ましくは炭素数9以下のアルキル基である。アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の具体例としては、gが0〜10、fが2、RがC17のアルキル基で、硫黄含有率が24質量%のタッキロールV200(田岡化学工業(株)製)が挙げられる。上記アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部未満であると、架橋が充分に進まず、耐チャンキング性能が向上しないおそれがある。アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは9質量部以下である。10質量部を超えると、架橋点が過剰に生成されることで、ゴムの伸びが低下し、耐チャンキング性能の低下が生じるおそれがある。
本発明では、粘着付与樹脂が使用される。粘着付与樹脂とは、一般には分子量が数百から数千の熱可塑性樹脂で、天然ゴムや合成ゴムに配合することによって粘着性を付与する樹脂をいい、種々の天然樹脂及び合成樹脂を使用することができる。具体的には、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂などの天然樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、石炭系樹脂、キシレン系樹脂などの合成樹脂が使用できる。上記粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ゴムとの相溶性が高く、破壊強度の低下が少ないという理由から、石油系樹脂が好ましい。
石油系樹脂は、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解により、エチレン、プロピレンなどの石油化学基礎原料とともに副生するオレフィンやジオレフィン等の不飽和炭化水素を含む分解油留分を混合物のままフリーデルクラフツ型触媒により重合して得られる。該石油系樹脂としては、ナフサの熱分解によって得られるC 留分を(共)重合して得られる脂肪族系石油樹脂、ナフサの熱分解によって得られるC 留分を(共)重合して得られる芳香族系石油樹脂、前記C 留分とC 留分を共重合して得られる共重合系石油樹脂、水素添加系,ジシクロペンタジエン系等の脂環式化合物系石油樹脂、スチレン,置換スチレン,スチレンと他のモノマーとの共重合体等のスチレン系樹脂等の石油系樹脂が挙げられる。ナフサの熱分解によって得られるC 留分には、通常1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン等のオレフィン系炭化水素、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,2−ブタジエンなどのジオレフィン系炭化水素等が含まれる。また、C 留分を(共)重合して得られる芳香族系石油樹脂とは、ビニルトルエン、インデンを主要なモノマーとする炭素数9の芳香族を重合した樹脂であり、ナフサの熱分解によって得られるC 留分の具体例としては、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、γ−メチルスチレン等のスチレン同族体やインデン、クマロン等のインデン同族体等が挙げられる。商品名としては、三井石油化学社製ペトロジン、ミクニ化学社製ペトライト、日本石油化学社製ネオポリマー、東洋曹達社製ペトコール、新日鐵化学(株)製エスクロン等がある。
また、本発明では、tanδの向上幅が大きくなるという理由から、前記C留分からなる石油樹脂を変性した変性石油樹脂が、好適に使用される。変性石油樹脂としては、不飽和脂環式化合物で変性したC系石油樹脂、水酸基を有する化合物で変性したC系石油樹脂、不飽和カルボン酸化合物で変性したC系石油樹脂等が挙げられる。
粘着付与樹脂の軟化点は、50℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。粘着付与樹脂の軟化点が50℃未満では、高温条件下でのグリップ性能が低下する傾向がある。また、粘着付与樹脂の軟化点は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。粘着付与樹脂の軟化点が150℃をこえると、混練時の分散性が低下する傾向がある。
なお、粘着付与樹脂の軟化点は、環球法(JIS K2207)により測定した値である。
粘着付与樹脂の酸価(mgKOH/g)は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上である。0.1未満であると、tanδの充分な向上が得られないおそれがある。
粘着付与樹脂の酸価は、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.4以下である。
0.5を超えると、ゴムとの相溶性が悪化し、破壊強度の低下を招くおそれがある。
酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものである。
粘着付与樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは11質量部以上、特に好ましくは20質量部以上である。1質量部未満であると、tanδの充分な向上が得られないおそれがある。粘着付与樹脂の含有量は、好ましくは35質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。35質量部を超えると、ゴムが硬くなり、グリップ性能が低下し、また、破壊強度の低下も大きくなるおそれがある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができるとともに、グリップ性能と耐チャンキング性能を改善できる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は90m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。90m/g未満では、ゴムのtanδが低く、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は128m/g以下が好ましく、120m/g以下がより好ましい。128m/gを超えると、ゴムのモジュラスが低下することで、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
上記ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。20質量部未満では、充分な補強性が確保できないおそれがある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。120質量部を超えると、ゴムが硬くなりすぎることで、グリップ性能が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ等の補強用充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッド、サイドウォールに好適に使用できる。
本発明の二輪車用タイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのトレッドの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して二輪車用タイヤを製造できる。また、ストリップを巻きつけて作製するSTW工法により二輪車用タイヤを製造してもよい。
本発明の二輪車用タイヤは、自動二輪車用タイヤとして好適に用いられ、特にモトクロス用タイヤとして好適に用いられる。本発明により得られる二輪車用タイヤは、グリップ性能と耐チャンキング性能を両立できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
SBR:旭化成(株)製のタフデン4350(スチレン含有量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:97質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:111m/g)
老化防止剤6C:フレキシス社製サントフレックス13
老化防止剤224:フレキシス社製ノクラック224
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属工業(株)製の酸化亜鉛2種
アロマオイル:ジャパンエナジー社製のプロセスX−260
粘着付与樹脂1:新日鐵化学(株)製のエスクロンV120(軟化点:120℃、酸価:0.30mgKOH/g)
粘着付与樹脂2:新日鐵化学(株)製のエスクロンG90(軟化点:90℃、酸価:0.18mgKOH/g)
窒素化合物1:四国化成(株)製の1B2MZ(1−ベンジル−2−メチルイミダゾール)
窒素化合物2:四国化成(株)製の1.2DMZ(1,2−ジメチルイミダゾール)
酸1:川口化学(株)製のアンテージW300(4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール))
酸2:川口化学(株)製のアンテージW400(2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール))
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
架橋剤:田岡化学工業(株)製のタッキロールV200(アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物)
実施例1〜7及び比較例1〜6
表1に示す配合内容に従い、BP型バンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、硫黄、加硫促進剤、架橋剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤、架橋剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で12分間加硫することで二輪車用試験タイヤを製造した。
得られた二輪車用試験タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(グリップ性能)
得られた二輪車用試験タイヤを排気量600ccの自動二輪車の全輪に装着し(リムサイズ:6.25×17、内圧290kPa)、テストコース(WET路面)を実車走行し、ドライバーの官能評価によりグリップ性能を評価した。結果は、比較例1を3として、指数表示した。指数が大きいほどWET路面におけるグリップ性能が良好である。
(耐チャンキング性能)
得られた二輪車用試験タイヤを排気量600ccの自動二輪車の全輪に装着し(リムサイズ:6.25×17、内圧290kPa)、テストコース(WET路面)を15km実車走行した。15km走行後の二輪車用試験タイヤのブロック欠けの大きさ、数により耐チャンキング性能を評価した。結果は、比較例1を100として、指数表示した。指数が大きいほど、耐チャンキング性能が良好である。
Figure 2011074154
酸と、窒素化合物と、粘着付与樹脂と、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物とを含む実施例では、グリップ性能を向上させたまま、耐チャンキング性能を向上させることができた。実施例1と実施例5とを比較すると、実施例5よりも軟化点および酸価の高い粘着付与樹脂を用いた実施例1の耐チャンキング性能が高い傾向が見られた。実施例3と実施例4とを比較すると、フェニル基とメチル基を有するイミダゾール類を使用した実施例3の方が、グリップ性能、耐チャンキング性能共に高い傾向が見られた。実施例4と実施例6とを比較すると、粘着付与樹脂の量が25質量部と実施例4よりも多い実施例6の方が、グリップ性能、耐チャンキング性能共に高い傾向が見られた。
一方、酸、窒素化合物、粘着付与樹脂、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物のいずれも含まない比較例1では、グリップ性能、耐チャンキング性能を両立できなかった。酸、窒素化合物を含み、粘着付与樹脂、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を含まない比較例2は、耐チャンキング性能が劣っていた。酸、窒素化合物、粘着付与樹脂を含み、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を含まない比較例3、4は、耐チャンキング性能が大きく劣っていた。酸、窒素化合物、粘着付与樹脂を含まず、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を含む比較例5は、グリップ性能が大きく劣っていた。粘着付与樹脂を含まず、酸、窒素化合物、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を含む比較例6は、実施例と比較して、グリップ性能、耐チャンキング性能をバランスよく両立できなかった。

Claims (6)

  1. ゴム成分と、酸と、窒素化合物と、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物と、粘着付与樹脂とを含む二輪車トレッド用ゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分として、天然ゴムと、ブタジエンゴム又はスチレンブタジエンゴムとを含む請求項1記載の二輪車トレッド用ゴム組成物。
  3. 前記酸が、カルボン酸又はフェノール誘導体である請求項1又は2記載の二輪車トレッド用ゴム組成物。
  4. 前記窒素化合物が、イミダゾール類である請求項1〜3のいずれかに記載の二輪車トレッド用ゴム組成物。
  5. 前記ゴム成分100質量部に対して、20質量部以上のカーボンブラックを含む請求項1〜4のいずれかに記載の二輪車トレッド用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いた二輪車用タイヤ。
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