JP7293892B2 - ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関するものであり、特に、タイヤのトレッド部に用いた際に、ウェットグリップ性、耐摩耗性に優れ、粘度を低減することで加工性の向上を可能とするタイヤ用として優れるゴム組成物に関するものである。
近年、自動車の高性能化、高機能化に伴い、タイヤ性能への要求が高まっている。例えば、相反関係にあるウェットグリップ性、転がり抵抗性及び耐摩耗性を向上したタイヤが求められている。また、転がり抵抗性を改善するためゴムにシリカを配合する技術や、シリカの分散性を高めるため末端にシリカと親和性の高い、又は化学結合し得る官能基を導入した末端変性ゴムを使用する技術が利用されている。その一方で、シリカや末端変性ゴムの使用により粘度が上昇するため、加工性の向上が求められている。
そして、タイヤの機械特性の向上や未加硫のゴム組成物に良好な粘着性を付与することを目的に、ゴムに脂肪族/芳香族共重合樹脂(例えば特許文献1参照。)、脂肪族/脂環族共重合樹脂(例えば特許文献2参照。)を配合することが提案されている。
また、乾燥路面、湿潤路面の両方で高い制動性能を有することを目的に、天然ゴムを70質量%以上含むゴム成分に対して、C5系樹脂、C5/C9系樹脂、C9樹脂などの熱可塑性樹脂を配合すること(例えば特許文献3参照。)が提案されている。
その一方で、熱可塑性エラストマー等をベースポリマーとするホットメルト型粘着性組成物として配合した際に、適度のタック、粘着力、保持性のバランスに優れる粘着性を付与する脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂(例えば特許文献4参照。)が提案されている。
特許第5309529号公報 特許第5375101号公報 特許第6346325号公報 特開2018-83857号公報
しかし、特許文献1~2に提案の方法においては、主なゴムとして天然ゴム、充填剤としてカーボンブラックの配合について提案されたものであり、ウェットグリップ性、耐摩耗性、その両立については検討がされていない。特許文献3に提案の方法においては、ゴムと樹脂との相溶性が不十分であり、粘度が高くなるため加工性が悪化しシリカの使用量が制限されるという課題を有しており、得られるタイヤ組成物の性能には改良の余地を有するものであった。
また、特許文献4に提案の脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂は、ゴム組成物としての検討は何らなされておらず、その効果についても何ら提案はなされていないものであった。
そこで、本発明は、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランスに優れ、粘度を低減することで加工性の向上を可能とするゴム組成物、特にタイヤ用ゴム組成物及びそれを用いたタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、ジエン系ゴムに対して、特定の共重合石油樹脂を配合することでウェットグリップ性、耐摩耗性や、加工性を改善することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ジエン系ゴムに対して、少なくとも脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂を含んでなるゴム組成物であって、該脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂が、下記特性(1)~(3)のいずれをも満足するものであることを特徴とするゴム組成物に関するものである。
(1)JIS K-2531(1960)(環球法)に準拠した軟化点が75~110℃。
(2)標準ポリスチレンを標準物質とし、JIS K-0124(1994年)に準拠し、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量/数平均分子量が2.3~3.0。
(3)プロトンNMRにより測定した(i)脂肪族性水素比率が79~85%、(ii)ジシクロペンタジエン類二重結合性水素比率が9~7%、(iii)芳香族性水素比率が12~8%。
以下に、本発明に関して詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムに対して少なくとも脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂を含んでなるものである。
本発明のゴム組成物を構成するジエン系ゴムとしては、炭素・炭素二重結合を有するジエン系ゴムに属する範疇のものであれば制限はなく、例えば天然ゴム(NRと記す場合もある。)、ポリイソプレンゴム(IRと記す場合もある。)、ポリブタジエンゴム(BRと記す場合もある。)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBRと記す場合もある。)等が挙げられる。これらは単独で使用しても混合して使用しても良い。ジエン系ゴムの製造方法は特に制限されず、アニオン重合品であっても、乳化重合品であっても良い。その分子量やミクロ構造は特に制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。特に相溶性を高めて耐摩耗性をも含めたバランスに優れるものとなることからNR、IR、BRのうち少なくとも1種以上をSBRと併用するものであることが好ましい。
本発明のゴム組成物を構成する脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂は、石油の分離・精製により得られる脂肪族留分であるC5留分、芳香族留分であるC9留分及びジシクロペンタジエン類(DCPDと記す場合もある。)留分を共重合してなる石油樹脂であり、中でも、(1)JIS K-2531(1960)(環球法)に準拠した軟化点が75~110℃、(2)標準ポリスチレンを標準物質とし、JIS K-0124(1994年)に準拠し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPCと記す場合もある。)により測定した重合平均分子量(Mwと記す場合もある。)/数平均分子量(Mnと記す場合もある。)が2.3~3.0、(3)プロトンNMRにより測定した(i)脂肪族性水素比率が79~85%、(ii)DCPD類二重結合性水素比率が9~7%、(iii)芳香族性水素比率が12~8%を示す脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂である。そして、該脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂は、C5留分に由来する脂肪族成分、C9留分に由来する芳香族成分、ジシクロペンジエン類留分に由来するDCPD類成分を共重合成分として構成される石油樹脂である。
該脂肪族成分を構成する成分としては、例えばブテン、ブタジエン、イソブテン等の炭素数4の脂肪族化合物;2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、イソプレン、ピペリレン等の炭素数5の鎖状脂肪族化合物;シクロペンタジエン等の炭素数5の環状脂肪族化合物;1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-ヘキセン、2-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、2-メチル-2-ペンテン、3-メチル-2-ペンテン、4-メチル-2-ペンテン、2-エチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-1-ブテン等の炭素数6の鎖状脂肪族化合物;メチルシクロペンタジエン等の炭素数6の環状脂肪族化合物;1-へプテン、2-へプテン、3-へプテン、2-メチル-3-ヘキセン、4-メチル-2-ヘキセン、3,4-ジメチル-2-ペンテン等の炭素数7の鎖状脂肪族化合物;これらの混合物、さらにはC5留分と称される混合物に基づく成分を挙げることができ、特に入手が容易であり、粘着付与剤として優れた性能を有することから、炭素数4~6の鎖状脂肪族化合物に基づく成分であることが好ましい。
該芳香族成分を構成する成分としては、例えばスチレン等の炭素数8の芳香族化合物;α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン等の炭素数9の芳香族化合物;1-メチルインデン、2-メチルインデン、3-メチルインデン等の炭素数10の芳香族化合物;2,3-ジメチルインデン、2,5-ジメチルインデン等の炭素数11の芳香族化合物;これらの混合物、さらにはC9留分と称される混合物に基づく成分を挙げることができ、特に入手が容易であり、粘着付与剤として優れた性能を有することから、炭素数8~10の芳香族化合物に基づく成分であることが好ましい。
DCPD類成分を構成する成分としては、例えばジシクロペンタジエン等の炭素数10の環状脂肪族化合物;メチルジシクロペンタジエン等の炭素数11の環状脂肪族化合物;ジメチルジシクロペンタジエン等の炭素数12の環状脂肪族化合物;これらの混合物、さらにはジシクロペンタジエン類留分と称される混合物に基づく成分を挙げることができ、特に入手が容易であり、粘着付与剤として優れた性能を有することから、炭素数10~12のジシクロペンタジエン化合物に基づく成分が挙げられる。
該脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂は、(1)JIS K-2531(1960)(環球法)に準拠し、測定した軟化点が75~110℃のものであり、80~100℃であることが好ましい。ここで、軟化点が75℃未満である場合、又は110℃を超える場合、タイヤとした際の性能のバランスに劣るゴム組成物となる。
該脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂は、標準ポリスチレンを標準物質とし、JIS K-0124(1994年)に準拠し、GPCにより測定したMw/Mnが2.3~3.0のものである。ここで、Mw/Mnが2.3未満のものである場合、又は3.0を超えるものである場合、ゴム組成物とした際の混合性(相溶性)に劣るものとなり、タイヤとした際にはその性能に劣るものとなる。また、ゴム組成物とした際に加工性に優れるものとなることから、Mwが2000~4000の脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類石油樹脂であることが好ましい。
該脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂は、(i)脂肪族性水素比率が79~85%、(ii)DCPD類二重結合性水素比率が9~7%、(iii)芳香族性水素比率が12~8%を示す脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂であり、それぞれの水素化比率は、クロロホルム-dを溶媒として用いたプロトンNMRにより測定・観測したスペクトルの面積百分率により下記(ア)~(ウ)の条件により測定することができる。
(ア)0.2~4.0ppmに観測される脂肪族成分に由来する水素の面積比率により求める。
(イ)4.4~6.3ppmに観測されるDCPD類成分の二重結合に由来する水素の面積比率により求める。
(ウ)6.3~7.6ppmに観測される芳香族成分に由来する水素の面積比率により求める。
これら上記(1)~(3)のいずれをも満足する脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂は、ジエン系ゴムとの相溶性に優れるものである。
該脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂の製造方法としては特に制限はなく、いかなる方法で製造しても差し支えなく、例えば、石油類の熱分解により得られる、沸点範囲が20~110℃の留分(C5留分;脂肪族成分)、沸点範囲が140~280℃の留分(C9留分;芳香族成分)、ジシクロペンタジエン類留分を含む混合物を原料油として用い、この混合物に触媒を加え、加熱し重合することにより製造できる。重合に用いる触媒としては、特に限定はなく、例えば三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三フッ化ホウ素あるいはその錯体等が挙げられる。中でも触媒活性に優れることから、三フッ化ホウ素のフェノール錯体が好ましい。重合時の溶媒は、C5留分およびC9留分中の飽和炭化水素を挙げることができる。また、原料油としては、特に軟化点、色相に優れる脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂が得られることから、脂肪族成分35~45重量%、芳香族成分24~15重合%及びDCPD類成分50~31重量%を混合配合してなる原料油であることが好ましい。
製造を行う際の重合温度としては、特に制限はなく、重合活性が高く生産性に優れるものとなることから、20~80℃が好ましく、特に30~60℃であることが好ましい。また、触媒量及び重合時間は、温度や原料油中の水分濃度により適宜選択可能であり、通常、例えば、原料油に対して触媒0.1~2.0重量%、重合時間0.1~10時間が好ましい。反応圧力も特に制限はなく、大気圧~1MPaが好ましい。雰囲気も特に制限はなく、中でも窒素雰囲気が好ましい。
そして、本発明のゴム組成物としては、特にウェットグリップ性、耐摩耗性に優れ、加工性にも優れるタイヤ用のゴム組成物、タイヤとなることからジエン系ゴム100重量部に対して、該脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂を3~30重量部含むものであることが好ましい。
また、本発明のゴム組成物は、更になる転がり抵抗性を改良したものとするため、シリカを配合することも出来る。その際のシリカとしては、特に制限はなく、市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を使用することができ、特に、湿式シリカであることが好ましい。シリカの使用量としては、ジエン系ゴム100重量部に対して5~200重量部の範囲が好ましく、更に好ましくは、10~150重量部の範囲とすることが望ましく、より更に好ましくは、20~120重量部の範囲とすることが望ましい。特に、該水添スチレン系共重合樹脂を含む本発明のゴム組成物は、粘度の低減化が可能となることから、シリカを60重量部以上含むような高含有率であっても加工性に優れると共に、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランスに優れるタイヤを提供することが可能なゴム組成物となる。
シリカを使用する際にはシランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤を併用することにより、シランカップリング剤を介してジエン系ゴムとシリカとの結合が強化され、ウェットグリップ性、転がり抵抗性、耐摩耗性のバランスを高度に向上することが出来る。シランカップリング剤としては、例えばスルフィド系、メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系等のシランカップリング剤、等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独、または2種以上用いることが出来る。
本発明のゴム組成物においては、上記シリカ以外にも補強性充填剤として、例えばカーボンブラックなどを併用することができ、該カーボンブラックとしては、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを用いることができる。また、該カーボンブラックの含有量としては、転がり抵抗性に優れるものとなることから、ジエン系ゴム100重量部に対し、10~60重量部であることが好ましい。
さらに、本発明のゴム組成物は、さらに通常樹脂組成物やゴム組成物に配合される添加剤を使用してもよい。例えば、硫黄を始めとする架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、ステアリン酸、亜鉛華、可塑剤、オイル、老化防止剤などの配合剤を加えても良い。これらの配合剤としては市販品を好適に使用することができる。
さらに、本発明のゴム組成物は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、通常樹脂組成物、ゴム組成物に配合される添加剤、例えばフェノール系抗酸化剤、リン系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、ラクトン系抗酸化剤、紫外線吸収剤、顔料、炭酸カルシウム、ガラスビーズなどを配合しても良い。
そして、本発明のゴム組成物とは、ジエン系ゴムを含むものであれば如何なる組成、形態、形状物をも含むものであり、架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等を含み架橋(加硫)を行った架橋物(加硫物)であってもよい。
本発明のゴム組成物は、ウェットグリップ性、耐摩耗性に優れることから、タイヤのトレッドとして用いることにより、ウェットグリップ性、耐摩耗性に優れるタイヤを提供することが可能となる。
本発明により、ウェットグリップ性、耐摩耗性に優れ、粘度を低減することで加工性の向上を可能とするゴム組成物及びそれを用いたタイヤを提供することが可能となる。
以下に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例において用いた分析、試験法は下記の通りである。
脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂の分析方法を下記に示す。
~Mn、Mw~
標準ポリスチレンを標準物質とし、JIS K-0124(1994年)に準拠してGPCにより測定した。
~軟化点~
JIS K-2531(1960)(環球法)に準拠した方法で測定した。
~色相~
50重量%トルエン溶液として、ASTM D-1544-63Tに従って測定した。
~プロトンNMR(核磁気共鳴スペクトル)測定~
共重合石油樹脂をクロロホルム-d(和光純薬工業(株)製)に溶解させ、通常のNMR測定法で測定した。得られたスペクトルについて、下記の計算式に基づき面積比率より水素比率を求めた。
面積比率(%)=(各ピーク面積)/(全ピーク面積の合計)×100
なお、各ピークの帰属は次の通りである。
脂肪族性水素ピーク:0.2~4.0ppm。
DCPD類二重結合性水素ピーク:4.4~6.3ppm。
芳香族性水素ピーク:6.3~7.6ppm。
~ムーニー粘度測定~
ムーニー粘度計(島津製作所製 (商品名)SMV-200型)を用い125℃、L型ロータにて測定した。共重合石油樹脂を添加していない比較例1のムーニー粘度を100として以下の式によりムーニー粘度指数を算出し、該ムーニー粘度指数を評価基準とした。この値が大きい程、粘度低減効果が高いと判断した。
ムーニー粘度指数=((比較例1のムーニー粘度)/(測定ムーニー粘度))×100
~ウェットグリップ性~
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度0℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、0℃の値をウェットグリップ性とし、共重合石油樹脂を添加していない比較例1の測定値を100として指数表示した。
ウェットグリップ性=((0℃の測定tanδ値)/(比較例1の0℃のtanδ値))×100
この値が大きい程、ウェットグリップ性が良好であると判断した。
~転がり抵抗性~
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、60℃の値を転がり抵抗性とし、共重合石油樹脂を添加していない比較例1の値を100として指数表示した。
転がり抵抗性指数=((比較例1の60℃のtanδ値)/(60℃の測定tanδ値)}×100
この値が大きい程、転がり抵抗性が良好であると判断した。
~耐摩耗性~
JIS K-6264の試験法に準じて測定した。摩耗試験はアクロン型摩耗試験機で測定した。傾角15°、分銅6ポンド、試験回数1000rpmでの摩耗減容を測定した。共重合石油樹脂を添加していない比較例1の値を100として指数表示した。
耐摩耗性指数=((比較例1の摩耗量)/(測定摩耗量))×100
この値が大きい程、耐摩耗性が良好であると判断した。
製造例1
内容積2リットルのガラス製オートクレーブに、原料油としてナフサの分解により得た脂肪族成分40重量%、芳香族成分20重量%およびDCPD類成分40重量%からなる原料油を調製し仕込んだ。次に、窒素雰囲気下で40℃に調節した後、フリーデルクラフツ型触媒として三フッ化ホウ素フェノール錯体(ステラケミファ(株)製)を原料油100重量部に対して、1.0重量部加えて2時間重合した。その後、苛性ソーダ水溶液で触媒を除去し、油相の未反応油を蒸留して脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂(樹脂Aと称する。)を得た。評価結果を表1に示す。
製造例2
原料油としてナフサの分解により得た脂肪族成分40重量%、芳香族成分20重量%およびDCPD類成分40重量%からなる原料油の代わりに、脂肪族成分40重量%、芳香族成分25重量%およびDCPD類成分35重量%からなる原料油を調製した以外は、製造例1と同様の方法により、脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂(樹脂Bと称する。)を得た。評価結果を表1に示す。
製造例3
原料油としてナフサの分解により得た脂肪族成分40重量%、芳香族成分20重量%およびDCPD類成分40重量%からなる原料油の代わりに、脂肪族成分40重量%、芳香族成分15重量%およびDCPD類成分45重量%からなる原料油を調製した以外は、製造例1と同様の方法により、脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂(樹脂Cと称する。)を得た。評価結果を表1に示す。
製造例4
原料油としてナフサの分解により得た脂肪族成分40重量%、芳香族成分20重量%およびDCPD類成分40重量%からなる原料油の代わりに、脂肪族成分45重量%、芳香族成分25重量%およびDCPD類成分30重量%からなる原料油を調製した以外は、製造例1と同様の方法により、石油樹脂(樹脂Dと称する。)を得た。評価結果を表1に示す。
製造例5
原料油としてナフサの分解により得た脂肪族成分40重量%、芳香族成分20重量%およびDCPD類成分40重量%からなる原料油の代わりに、脂肪族成分34重量%、芳香族成分15重量%およびDCPD類成分51重量%からなる原料油を調製した以外は、製造例1と同様の方法により、石油樹脂(樹脂Eと称する。)を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 0007293892000001
実施例1
バンバリーミキサー(容量1.7リットル)にて、溶液重合品の末端変性スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(変性S-SBR)((株)JSR製、(商品名)HPR-350)80重量部とポリイソプレンゴム(IR)((株)JSR製、(商品名)IR2200)20重量部(合計ジエン系ゴム100重量部)を30秒間素練り後、ステアリン酸(新日本理化製)を2重量部、シリカ(東ソー・シリカ製、(商品名)Nipsil AQ)を45重量部、シランカップリング剤(信越シリコーン製、(商品名)KBE46)を3.6重量部、及び製造例1で得られた樹脂Aを投入し、全練り時間5分後取り出した。取り出し時のコンパウンド温度を140~150℃となるようにラム圧や回転数で調整した。得られたコンパウンドを室温にて冷却した後、更に老化防止剤(大内新興製、(商品名)810NA)を1重量部、亜鉛華(井上石灰工業製)を3重量部、加硫促進剤1(大内新興製、(商品名)ノクセラーCZ)を1.2重量部、加硫促進剤2(大内新興製、(商品名)ノクセラーD)を1.5重量部、加硫剤として硫黄(鶴見化学工業製)を1.5重量部、添加して約1分間混練り(取り出し時の温度を110℃以下とする)後、8インチロールを用いてシーティングしてゴム組成物(未加硫物)の物性(ムーニー粘度)を測定した。結果を表2に示す。
更に蒸気加熱プレスを用い、加硫温度150℃、加硫時間30分で加硫しゴム組成物(加硫物)を得た。得られたゴム組成物(加硫物)の特性(耐摩耗性、転がり抵抗性、ウェットグリップ性)を測定した。その結果を表2に示す。
実施例2~3
樹脂Aの代わりに、樹脂B及びCを用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゴム組成物(未加硫物、加硫物)を調製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例4~5
樹脂A10重量部の代わりに、表2に示す量を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゴム組成物(未加硫物・加硫物)を調製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0007293892000002
比較例1
樹脂Aを用いないこと以外は、実施例1と同様の方法によりゴム組成物(未加硫物、加硫物)を得た。その評価結果を表3に示す。
比較例2~3
樹脂Aの代わりに、樹脂D及びEを用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゴム組成物(未加硫物・加硫物)を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例4
樹脂Aの代わりに、脂肪族-芳香族共重合石油樹脂((商品名)ペトロタック90HM、東ソー社製;樹脂Fと記す。)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゴム組成物(未加硫物・加硫物)を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例5
樹脂Aの代わりに、石油樹脂((商品名)クイントン U-190、日本ゼオン社製;樹脂Gと記す。)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゴム組成物(未加硫物・加硫物)を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例6
樹脂Aの代わりに、石油樹脂((商品名)T-REZ RD104、日本ゼオン社製;樹脂Hと記す。)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゴム組成物(未加硫物・加硫物)を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例7
樹脂Aの代わりに、石油樹脂((商品名)コーポレックス2100、東邦化学工業社製;樹脂Iと記す。)を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりゴム組成物(未加硫物・加硫物)を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0007293892000003
本発明のゴム組成物は、ウェットグリップ性、耐摩耗性に優れるタイヤのトレッド用ゴムとして、使用可能であり、その産業的価値は極めて高いものである。

Claims (6)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対して、少なくとも脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂3~30重量部を含んでなるゴム組成物であって、該脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂が、石油類の熱分解による沸点範囲20~110℃の脂肪族留分、沸点範囲140~280℃の芳香族留分及びジシクロペンタジエン類留分の共重合体であり、下記特性(1)~(3)のいずれをも満足するものであることを特徴とするゴム組成物。
    (1)JIS K-2531(1960)(環球法)に準拠した軟化点が75~110℃。
    (2)標準ポリスチレンを標準物質とし、JIS K-0124(1994年)に準拠し、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量/数平均分子量が2.3~3.0。
    (3)プロトンNMRにより測定した(i)0.2~4.0ppmに観測される脂肪族成分に由来する脂肪族性水素比率が79~85%、(ii)4.4~6.3ppmに観測されるジシクロペンタジエン類成分に由来するジシクロペンタジエン類二重結合性水素比率が9~7%、(iii)6.3~7.6ppmに観測される芳香族成分に由来する芳香族性水素比率が12~8%。
  2. 脂肪族-芳香族-ジシクロペンタジエン類共重合石油樹脂が、石油類の熱分解による沸点範囲20~110℃の脂肪族留分35~45重量%、沸点範囲140~280℃の芳香族留分24~15重量%及びジシクロペンタジエン類留分50~31重量%の混合配合を原料油とする共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. ジエン系ゴムが、スチレン-ブタジエンゴムを50重量%以上含むジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. ジエン系ゴムが、スチレン-ブタジエンゴムと天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴムのうち少なくとも1種のゴムとの混合ジエン系ゴムであることを特徴とする請求項3に記載のゴム組成物。
  5. タイヤを構成する加硫ゴム組成物であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 請求項5に記載のゴム組成物によりトレッドを構成することを特徴とするタイヤ。
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