JP2020026467A - 加硫ゴム - Google Patents

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Abstract

【課題】 制振性の改質に優れ、伸び、耐摩耗性等のバランスに優れる新規な加硫ゴムを提供するものである。【解決手段】 ゴム100重量部に対して、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂、好ましくは重クロロホルム中、室温下で1H−NMRにて測定したスペクトルにおいて、5.8〜6.5ppmのピーク面積(A)と4.8〜5.8ppmのピーク面積(B)の合計が全ピーク面積に対して0%を超え、7.5%以下の範囲内にあり、その際のピーク面積(A)とピーク面積(B)の比として表される(A/B)が0.01以上0.2以下の範囲内にある部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂5〜30重量部を含む加硫ゴム。【選択図】 なし

Description

本発明は、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂を含む新規な加硫ゴムに関するものであり、特に、制振性の改質に優れ、伸び、耐摩耗性等のバランスに優れる加硫ゴムに関するものである。
近年、各種産業においては、高度な性能バランスを有するゴム(加硫ゴム)の出現に関する要求が多くなっている。ゴムの性能や加工性を向上することを目的に、ゴムに樹脂を配合することが提案されている。ゴムに相溶性の高い水素添加樹脂を配合することでウェットグリップ性を改良する方法が提案されている(例えば特許文献1〜4参照。)。その際の水素化する原料の樹脂として、スチレン系樹脂、C5留分またはC9留分を重合して得られる石油樹脂、C5留分とC9留分を共重合して得られる石油樹脂、ジシクロペンタジエン等を重合して得られる石油樹脂等が提案されている。
また、加硫ゴムのウェットグリップ性を改良するため、イソブチレンと芳香族ビニル化合物からなるブロック共重合体とゴム成分に粘着付与樹脂を配合することが提案されている(例えば特許文献5参照。)。そして、粘着付与樹脂として、脂環族系石油樹脂及びその水素化物、芳香族系石油樹脂及びその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂及びその水素化物、ジシクロペンタジエン系石油樹脂及びその水素化物等が提案されている。
さらに、ジシクロペンタジエン樹脂の分子構造の違いが報告されている(例えば非特許文献1,2参照。)。そして、非特許文献1には、フリーデルクラフツ触媒による重合(カチオン重合)と、ディールスアルダー反応を伴う重合(熱重合)により得られたジシクロペンタジエン樹脂の分子構造について報告されている。カチオン重合では、ジシクロペンタジエンのように炭素数10個の環構造を維持したまま、重合が進行する。一方、熱重合では、ジシクロペンタジエンの一部が熱分解によりシクロペンタジエンとなり、ディールスアルダー反応により炭素数が5、10、15、20個程度の環構造に変化すると共に、それらのビニレン基の重合反応が進行する。熱重合ではジシクロペンタジエンから環構造が変化するため、カチオン重合により得られたジシクロペンタジエン樹脂との分子構造が大きく異なることが報告されている。
また、非特許文献2には、ジシクロペンタジエンのカチオン重合において、2つのビニレン基の反応、及びそれらの異性化により、炭素数10個の環構造ではあるが、4つの分子構造を形成することが報告されている。
特開2008−174696号公報 特開2009−138025号公報 特開2011−88988号公報 特開2011−88998号公報 特開2003−113287号公報
石油学会誌,27巻,26頁(1984年) Journal of Polymer Science:PartA,34巻,3527頁(1996年)
しかし、特許文献1〜5に提案の方法においては、ゴムと樹脂の相溶性が不十分であり、得られる加硫ゴムは耐摩耗性が満足できない、ゴムよりガラス転移点が高い樹脂を配合するため粘度が増加する、シリカや末端変性ゴムの使用量が制限される、混練不良によりゴムの性能が低下する、という課題を有するものである上に、水添ジシクロペンタジエン系樹脂の分子構造について何ら言及されていないものであった。
また、非特許文献1、2には、重合方法の選択により分子構造の異なるジシクロペンタジエン系樹脂が得られることの記載はなされているが、水添ジシクロペンタエン系樹脂については何ら言及のなされていないものであった。
そこで、本発明は、ゴムの改質性、更には制振性の改質に優れ、伸び、耐摩耗性等のバランスに優れる加硫ゴムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特定の構造を有する新規な部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂を配合してなる加硫ゴムが、優れた制振特性を発揮し、制振性の改質に優れ、伸び、耐摩耗性等のバランスに優れるゴムとなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ゴム100重量部に対して、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂5〜30重量部を含むことを特徴とする加硫ゴムに関するものである。
以下に、本発明に関して詳細に説明する。
本発明の加硫ゴムは、ゴム100重量部に対して、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂5〜30重量部を含んでなる加硫物である加硫ゴムである。
そして、本発明の加硫ゴムを構成するゴムとしては、ゴムと称される範疇に属するものであればよく、例えば炭素・炭素二重結合を有するジエン系ゴムを例示することができ、より具体的には天然ゴム(NRと記す場合もある。)、ポリイソプレンゴム(IRと記す場合もある。)、ポリブタジエンゴム(BRと記す場合もある。)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBRと記す場合もある。)等が挙げられる。これらは単独で使用しても混合して使用しても良い。該ゴムの製造方法は特に制限されず、アニオン重合品であっても、乳化重合品であっても良い。その分子量やミクロ構造は特に制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。なかでも、加硫ゴムとした際に伸び、耐摩耗性のバランスを高度に向上した加硫ゴムの提供が可能となることから、SBRを50重量%以上含むものであることが好ましく、特に相溶性を高めて耐摩耗性をも含めたバランスに優れるものとなることからNR、IR、BRのうち少なくとも1種以上をSBRと併用するものであることが好ましい。
また、本発明の加硫ゴムを構成する部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂としては、ジシクロペンタジエン系樹脂を部分水添したものであれば如何なるものであってもよく、中でも極めて制振効果に優れる加硫ゴムとすることが可能となることから、重クロロホルム中、室温下でH−NMR(プロトン核磁気共鳴装置)にて測定したスペクトルにおいて、5.8〜6.5ppmのピーク面積(A)(以下、(A)と略記する場合がある。)と4.8〜5.8ppmのピーク面積(B)(以下、(B)と略記する場合がある。)の合計が全ピーク面積に対して0%を超え、7.5%以下の範囲内にあり、その際の(A)と(B)の比として表される(A/B)が0.01以上0.2以下の範囲内にある部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂であることが好ましい。その際の5.8〜6.5ppm及び4.8〜5.8ppmのピークは、それぞれジシクロペンタジエンのノルボルネン環とシクロペンテン環のビニレン基のプロトンに由来したピークであり、シクロペンタジエン系樹脂を水添することによりこれらピークは減少するものである。そして、(A)と(B)の合計が全ピーク面積に対しては、0%を超え、7.5%以下の範囲内にあることにより、ゴム、特にスチレン−ブタジエン系ゴム(以下、SBRと略記する場合がある)との相溶性、取扱性に優れるものとなり、特に0.1%以上7.0%以下の範囲内にあることが好ましい。また、(A)と(B)の比である(A/B)は、0.01以上0.2以下の範囲内であることによりゴムの改質効果に優れるものなり、好ましくは0.01以上0.15以下の範囲内であることが好ましい。
部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂とは、ジシクロペンタジエン系樹脂を部分水素化してなるものであり、水素化の際には主にジシクロペンタジエン系樹脂を構成する炭素・炭素二重結合の水素化が進行するものである。そして、特に加硫ゴムとした際にゴムとの相溶性に優れ、その改質効果に優れる加硫ゴムとなることから該炭素・炭素二重結合の水素化率が40〜99%の部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂であることが好ましく、特に55〜95%のものであることが好ましい。
また、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂は、特にゴムとの相溶性に優れるものとなることから、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算値として測定した際の重量平均分子量(Mw)が600以上2500以下のものが好ましく、更に600以上2000以下のものが好ましい。
さらに、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂としては、特にゴムとの相溶性や加硫ゴムの生産性に優れるものとなることから、JIS K−2207を準拠した軟化点が70℃以上140℃以下のものであることが好ましく、更に80℃以上130℃以下のものが好ましい。
該部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂は、ジシクロペンタジエン系樹脂を部分水素化することにより入手可能であり、その際のジシクロペンタジエン系樹脂としては、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂とすることが可能であれば如何なるものであってもよく、ジシクロペンタジエン類を重合することにより得ることが可能である。ジシクロペンタジエン類としては、一般的に石油類の熱分解および精製により得られるジシクロペンタジエン類として知られているものであれば如何なるものを用いることも可能であり、例えばジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、これらの混合物等のジシクロペンタジエン類を挙げることができる。その際には、ゴム、特にSBRとの相溶性に悪影響を与えない範囲内で、他のモノマーを共重合することも可能である。例えばイソプレン、ピペリレン、シクロペンタジエン等のC5単量体、及びスチレン、置換スチレン、インデン、置換インデン等のC9単量体等を挙げることができる。
該ジシクロペンタジエン系樹脂を得る際の重合反応としては、本発明の部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂とすることが可能であれば如何なるものであってもよく、例えばフリーデルクラフツ型触媒を用いたカチオン重合法を挙げることができる。なお、熱重合法により得られるジシクロペンタジエン系樹脂とカチオン重合法により得られるジシクロペンタジエン系樹脂とではその分子構造が異なり、カチオン重合法によるジシクロペンタジエン系樹脂の部分水添はより先進性に優れる加硫ゴムを提供することを可能とするものである。カチオン重合法における該フリーデルクラフツ型触媒としては、例えば三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三フッ化ホウ素、これらのフェノール錯体、これらのブタノール錯体、これらのメタノール錯体等が挙げられ、中でも三フッ化ホウ素フェノール錯体、三フッ化ホウ素ブタノール錯体、三フッ化ホウ素メタノール錯体が好ましい。その際の重合温度は0℃以上100℃以下が好ましく、特に好ましくは0℃以上80℃以下である。また、フリーデルクラフツ型触媒の添加量としては、任意であり、その中でも特に生産効率に優れた製造方法となることから、該混合物100重量部に対して0.1重合部以上2.0重量部以下であることが好ましい。さらに、重合時間としては、0.1時間以上10時間以下の範囲が好ましい。反応圧力は大気圧以上1MPa以下が好ましい。
本発明の加硫ゴムを構成する部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂は、該ジシクロペンタジエン系樹脂を水素化触媒存在下、公知の方法により部分水素化することで製造することが出来る。水素化触媒としては、例えばニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、モリブデン等の酸化物、硫化物等の金属化合物が挙げられ、多孔質で表面積の大きい珪藻土、アルミナ、シリカ、カーボン、チタニア等の担体に担持したのものでも良い。
水素化反応の条件は、所望の水素化率となるように水素圧、温度、触媒量、溶剤の使用量を適宜調整すればよい。
そして、本発明の加硫ゴムは、制振性の改質に優れ、伸び、耐摩耗性等のバランスに優れ、加工性にも優れるものとなることからゴム100重量部に対して、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂5〜30重量部を含むものである。ここで、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂が5重量部未満である場合、制振性能に劣るものとなる。一方、30重量部を越える場合、加工性に劣るものとなる。
本発明の加硫ゴムは、ゴム100重量部に対して、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂5〜30重量部を配合し、さらに硫黄、過酸化物等に例示される加硫剤を配合し加硫を行うことにより加硫物、つまり加硫ゴムとなるものである。その際の加硫剤の配合量に制限はなく、中でも効率的に加硫ゴムを製造することが可能となることからゴム100重量部に対して0.3〜10重量部、特に0.5〜5重量部の範囲とすることが好ましい。また、本発明の目的を逸脱しない範囲においてさらに充填剤、改質剤等を含むものであってもよい。そして、その際の充填剤としては、シリカを挙げることができ、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を挙げることができる。その際の配合量としては、ゴム100重量部に対して5〜200重量部の範囲が好ましく、特に10〜150重量部の範囲とすることが好ましく、更に20〜120重量部の範囲とすることが望ましい。
また、シリカに代表される充填剤を用いる際には(加硫)ゴム成分との結合・分子間力に優れる加硫ゴムとなることからシランカップリング剤に代表されるカップリング剤を併用することが好ましく、該シランカップリング剤としては、例えばスルフィド系、メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系等の各種シランカップリング剤を挙げることができる。
本発明の加硫ゴムは、更に例えばカーボンブラックを配合するものであってもよく、該カーボンブラックとしては、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを挙げることができる。また、該カーボンブラックの含有量としては、性能、取り扱性に優れる加硫ゴムとなることから、ゴム100重量部に対して10〜60重量部の範囲で含むものであることが好ましい。
さらに、本発明の加硫ゴムは、さらに通常樹脂組成物やゴム組成物に配合される添加剤を含むものであってもよく、例えば、加硫促進剤、加硫促進助剤、ステアリン酸、亜鉛華、可塑剤、オイル、老化防止剤、通常樹脂組成物、フェノール系抗酸化剤、リン系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、ラクトン系抗酸化剤、紫外線吸収剤、顔料、炭酸カルシウム、ガラスビーズなどを挙げることができる。
本発明の加硫ゴムは、ゴム100重量部に対し、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂5〜30重量部、加硫剤、さらに場合によっては、充填剤、改質剤、加硫助剤等の各種配合剤を配合し、ロール等の混錬機により混錬・加硫処理を行うことにより製造することができる。
本発明により、制振性の改質に優れ、伸び、耐摩耗性等のバランスに優れる新規な加硫ゴムを提供することが可能となる。
以下に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例において用いた原料、分析、試験法は下記の通りである。
1.原料
(1)ジシクロペンタジエン系樹脂原料
ジシクロペンタジエン:和光純薬製試薬。
メチルシクロペンタジエンダイマー(ジメチルジシクロペンタジエン):東京化成製試薬。
トルエン:和光純薬製試薬、超脱水グレード。
所定の組成となるように重合に用いる原料を調製した。原料の組成を表1に示す。なお、表1中のDCPDはジシクロペンタジエンの略記である。
重合触媒:三フッ化ホウ素メタノール(アルドリッチ製)。
(2)DCPD系樹脂の水素化
水素化触媒:パラジウム−硫酸バリウム(アルドリッチ製、パラジウム10%)。
溶媒:ヘプタン(和光純薬製試薬)。
2.分析方法
(1)軟化点:JIS K−2207に従って測定。
(2)分子量:ポリスチレンを標準物質としてゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。
(3)水添DCPD系樹脂のH−NMR測定:重クロロホルム中で核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−ECZ400S/LI、周波数400MHz)によりH−NMRスペクトルを測定した。
(4)水素化率:H−NMRスペクトルの測定における4.8〜6.5ppm付近の炭素・炭素二重結合由来のピーク面積を基に、以下の式により水素化率を算出した。
水素化率=(1−(水添樹脂のピーク面積/原料樹脂のピーク面積))×100(%)。
(5)制振性:粘弾性測定装置(ユービーエム社製、(商品名)Rheogel E−4000)を使用し、周波数10Hzでtanδを測定し、25℃の値を制振性の指標とし、水添DCPD系樹脂を添加していない比較例1、4の測定値を100として指数表示した。この値が大きい程、制振性が良好であると判断した。
制振性=((25℃の測定tanδ値)/(比較例1、4のtanδ値))×100
(6)引張破断伸び:JIS K−6264の試験法に準じて測定した。厚み2mmの加硫ゴム組成物のシートをダンベル型に打ち抜き、引張破断伸びを測定した。水添DCPD系樹脂を添加していない比較例1、4の測定値を100として指数表示し、この値が大きい程、引張破断伸びが良好であると判断した。
破断伸び指数=((測定破断伸び)/(比較例1、4の破断伸び))×100
(7)耐摩耗性:JIS K−6264の試験法に準じて測定した。摩耗試験はDIN型摩耗試験機で測定した。10N荷重下、摩耗距離40mでの摩耗量を測定した。水添DCPD系樹脂を添加していない比較例1、4の値を100として指数表示した。この値が大きい程、耐摩耗性が良好であると判断した。
耐摩耗性指数=((比較例1、4の摩耗量)/(測定摩耗量))×100
製造例1(原料油の調製)
表1に示す原料油A、Bは市販の原料を用いて所定の濃度に調製した。原料油の組成を表1に示す。
Figure 2020026467
製造例2(DCPD系樹脂の製造)
内容積2リットルのガラス製オートクレーブに表1に示す原料油500gを仕込んだ。次に、窒素雰囲気下で80℃に加熱した後、フリーデルクラフツ型触媒として三フッ化ホウ素メタノール錯体(アルドリッチ製)を原料油100重量部に対して、0.5重量部を加えて80℃で2時間重合した。苛性ソーダ水溶液を添加した後、水相を除去した。
そして、窒素導入管、温度計および脱気管が付いた0.5リットルセパラブルフラスコに得られた油相400gを添加した。窒素導入管より7ml/分の流速で窒素を導入し、30分かけて220℃に昇温した後、更に30分加熱し未反応油の蒸留除去を行い、DCPD系樹脂を得た。
原料油A、Bを用いて得られたDCPD系樹脂をそれぞれ樹脂A、Bとした。重合収率、および樹脂A、Bの物性(分子量、軟化点、NMR分析値)を表2に示す。
Figure 2020026467
製造例3(水添DCPD系樹脂の製造)
1Lオートクレーブに樹脂AまたはB100g、所定量のパラジウム−硫酸バリウム触媒、及びヘプタン100gを添加した。250℃に昇温し、水素圧10MPaで水素化を行った。表3に示す触媒量、及び反応時間により水素化率を調整した。
濾過により触媒を除去後、窒素導入管、温度計および脱気管が付いた1リットルセパラブルフラスコに得られた樹脂溶液を添加し、窒素導入管より7ml/分の流速で窒素を導入し、30分かけて220℃に昇温した後、更に30分加熱し溶剤の蒸留除去を行い、水添DCPD系共重合樹脂を得た。
得られた水添DCPD系樹脂(A1〜B4)の物性(水素化率、分子量、軟化点、NMR分析値)を表3に示す。
Figure 2020026467
実施例1
バンバリーミキサー(容量2リットル)にて、溶液重合品の油展スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR1)(旭化成(株)製、(商品名)タフデン3835、ゴム成分:100重量部、オイル成分:37.5重量部)137.5重量部を30秒間素練り後、ステアリン酸(花王(株)製、(商品名)ルナックS−20)を2重量部、シリカ(EVONIK製、(商品名)Ultrasil9000GR)を80重量部、シランカップリング剤(大阪ソーダ製、(商品名)CABRUS−4)を6.4重量部、及び製造例3で得られた水添DCPD系樹脂A1を投入し、全練り時間5分後取り出した。取り出し時のコンパウンド温度を140〜150℃となるようにラム圧や回転数で調整した。得られたコンパウンドを室温にて冷却した後、更に老化防止剤(大内新興製、(商品名)ノクラック6C)を2重量部、亜鉛華(堺化学工業製)を3.5重量部、加硫促進剤1(大内新興製、(商品名)ノクセラーCZ)を1.5重量部、加硫促進剤2(大内新興製、(商品名)ノクセラーD)を1.5重量部、加硫剤として硫黄(鶴見化学工業製)を1.5重量部を添加して約1分間混練り(取り出し時の温度を110℃以下とする)後、8インチロールを用いてシーティングしてゴム組成物を得た。
更に蒸気加熱プレスを用い、加硫温度150℃、加硫時間30分で加硫し加硫ゴムを得た。得られた加硫ゴムの特性(制振性、引張破断伸び、耐摩耗性)を測定した。その結果を表4に示す。
Figure 2020026467
実施例2,3
水添DCPD系樹脂A1の代わりに、水添DCPD系樹脂A2,A3を用いた以外は、実施例1と同様の方法により加硫ゴムを得た。その評価結果を表4に示す。
比較例1
水添DCPD系樹脂A1を用いないこと以外は、実施例1と同様の方法により加硫物を得た。その評価結果を表4に示す。
比較例2,3
水添DCPD系樹脂A1の代わりに、水添DCPD系樹脂A4,未水添のDCPD系樹脂Aを用いた以外は、実施例1と同様の方法により加硫物を得た。その評価結果を表4に示す。
実施例4
溶液重合品の油展スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR1)(旭化成(株)製、(商品名)タフデン3835、ゴム成分:100重量部、オイル成分:37.5重量部)137.5重量部の代わりに、溶液重合品のスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR2)(JSR(株)製、(商品名)SL563)80重量部と、ポリブタジエンゴム(BR)(JSR(株)製、(商品名)BR01)20重量部を用い、水添DCPD系樹脂A1の代わりに、水添DCPD系樹脂B1を用いた以外は、実施例1と同様の方法により加硫ゴムを得た。その評価結果を表5に示す。
Figure 2020026467
実施例5,6
水添DCPD系樹脂B1の代わりに、水添DCPD系樹脂B2,B3を用いた以外は、実施例4と同様の方法により加硫ゴムを得た。その評価結果を表5に示す。
比較例4
水添DCPD系樹脂B1を用いないこと以外は、実施例4と同様の方法により加硫物を得た。その評価結果を表5に示す。
比較例5,6
水添DCPD系樹脂B1の代わりに、水添DCPD系樹脂B4,未水添のDCPD系樹脂Bを用いた以外は、実施例4と同様の方法により加硫物を得た。その評価結果を表5に示す。
本発明は加硫ゴムに関するものであり、特に、制振性の改質に優れ、伸び、耐摩耗性のバランスに優れる新規な加硫ゴムを提供するものであり、その産業的価値は極めて高いものである。

Claims (5)

  1. ゴム100重量部に対して、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂5〜30重量部を含むことを特徴とする加硫ゴム。
  2. 部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂が、重クロロホルム中、室温下でH−NMRにて測定したスペクトルにおいて、5.8〜6.5ppmのピーク面積(A)と4.8〜5.8ppmのピーク面積(B)の合計が全ピーク面積に対して0%を超え、7.5%以下の範囲内にあり、その際のピーク面積(A)とピーク面積(B)の比として表される(A/B)が0.01以上0.2以下の範囲内にある部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の加硫ゴム。
  3. 部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂が、カチオン重合系ジシクロペンタジエン系樹脂の部分水添物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加硫ゴム。
  4. ゴムが、スチレン−ブタジエンゴムを50重量%以上含むジエン系ゴムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加硫ゴム。
  5. ゴム100重量部に対して、部分水添ジシクロペンタジエン系樹脂5〜30重量部、加硫剤0.3〜10重量部を配合し、加硫を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加硫ゴムの製造方法。
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