JP6141699B2 - タイヤ - Google Patents

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本発明は、分枝共役ジエン共重合体および/またはその水素添加体を含んでなるゴム組成物、並びに、該ゴム組成物を用いて作製したタイヤに関する。
高性能タイヤ、とりわけ、高性能ドライタイヤのトレッドには、一般的に高いグリップ性能および耐摩耗性の両立が強く要求されるため、従来から様々な工夫がなされている。例えば、高いグリップ性能を示すゴム組成物を得るために、ガラス転移温度(Tg)の高いスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)をゴム成分として使用したゴム組成物、プロセスオイルを高軟化点樹脂に等量置換しゴム成分に充填したゴム組成物、軟化剤またはカーボンブラックを高充填したゴム組成物、粒子径の小さいカーボンブラックを使用したゴム組成物、あるいは該SBR、該高軟化点樹脂、該軟化剤またはカーボンブラックを組み合わせて配合したゴム組成物などが知られている。
しかし、Tgの高いSBRを使用したゴム組成物は、温度依存性が大きくなり、温度変化に対する性能変化が大きくなるという問題がある。また、プロセスオイルを高軟化点樹脂に等量置換した場合、置換量が多量であると、該高軟化点樹脂の影響により温度依存性が大きくなるという問題がある。さらに、粒子径の小さいカーボンブラックや多量の軟化剤を使用した場合、カーボンブラックの分散性が悪く、耐摩耗性が低下してしまうという問題点がある。
これらの問題点を改良するために、低分子量スチレン−ブタジエン共重合体を用いたゴム組成物が提案されているが(特許文献1参照)、低分子量スチレン−ブタジエン共重合体には架矯性を有する二重結合が存在するので、一部の低分子量成分がマトリクスのゴム成分と架橋を形成してマトリクスに取り込まれ、十分にヒステリシスを抑制できないという問題がある。また、低分子量成分が架橋によりマトリクスに取り込まれないようにするため、二重結合部を水素添加により飽和結合にした場合、マトリクスとの相溶性が著しく低下し、その結果、低分子成分がブリードしてくるなどの問題がある。
低分子成分のブリードを抑えるためには低分子スチレン−ブタジエン共重合体におけるスチレン含量を40%以上にまで高める方法があるが、スチレン含量が増すと硬さが増し、ハンドリングが困難になるという問題がある。
いずれの場合においても、上記課題を高いレベルで解決したタイヤトレッド用ゴム組成物は、未だに得られていないのが現状である。
ミルセンは、天然に存在する有機化合物で、モノテルペンに属するオレフィンの一種である。ミルセンには、α−ミルセン(2−メチル−6−メチレンオクタ−1,7−ジエン)とβ−ミルセン(7−メチル−3−メチレンオクタ−1,6−ジエン)の2種の異性体が存在する。特許文献2には、ミルセンの重合体が開示されている。
ファルネセンは、イソプレンのオリゴメ化やネロリドールの脱水反応によって化学的に合成されるイソプレノイド化合物の1種であり、主に香料またはその原料として利用されている(特許文献3)。
特開昭63−101440号公報 特開昭63−179908号公報 特開2008−156516号公報
本発明は、耐摩耗性およびグリップ性能を共に高いレベルにまで向上せしめることができるタイヤ用ゴム組成物、および、該タイヤ用ゴム組成物を用いて作製したタイヤを提供しようとするものである。
上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所定のジエン系ゴム成分に、所定の分枝共役ジエン共重合体および/またはその水素添加体を配合することにより、耐摩耗性およびグリップ性能を共に高いレベルにまで向上せしめることができるタイヤ用ゴム組成物、および、該タイヤ用ゴム組成物を用いて作製したタイヤが得られることを見出し、さらに検討を重ねて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]スチレンブタジエンゴム60〜100質量%を含有するジエン系ゴム成分100質量部に対して、分枝共役ジエン共重合体および/またはその水素添加体10〜150質量部を含んでなるタイヤ用ゴム組成物であって、
該分枝共役ジエン共重合体が、一般式(1)
Figure 0006141699
(式中、R1は、炭素数6〜11の脂肪族炭化水素を表す。)
で示される分枝共役ジエン化合物モノマー(1)、一般式(2)
Figure 0006141699
(式中、R2およびR3は、同一もしくは異なって、水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、またはハロゲン原子を表す。)
で示される共役ジエン化合物モノマー(2)、および、一般式(3)
Figure 0006141699
(式中、R4は、水素原子、炭素数1〜3の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基、または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、R5は、水素原子または炭素数1〜3の飽和脂肪族炭化水素基を表す。)
で示されるビニル化合物モノマー(3)から構成されるものであって、該モノマー(1)の共重合比(l)が15〜85質量%、該モノマー(2)の共重合比(m)が0〜70質量%、該モノマー(3)の共重合比(n)が15〜70質量%である、タイヤ用ゴム組成物、
[2]分枝共役ジエン化合物モノマー(1)が、ミルセンおよび/またはファルネセンである上記[1]記載のタイヤ用ゴム組成物、
[3]共役ジエン化合物モノマー(2)が、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンである上記[1]または[2]記載のタイヤ用ゴム組成物、
[4]ビニル化合物モノマー(3)が、スチレン、α−メチルスチレン、α−ビニルナフタレンおよびβ−ビニルナフタレンからなる群から選択される1種または2種以上である上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物、
[5]分枝共役ジエン共重合体の水素添加率が、0〜70%である上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物、
[6]カーボンブラック50〜200質量部をさらに含んでなる上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物、
[7]芳香族系石油樹脂5〜40質量部をさらに含んでなる上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物、
[8]加硫物の300%伸張時応力(M300)が、1.5〜6.0MPaである上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物、
[9]上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、所定のジエン系ゴム成分に、所定の分枝共役ジエン共重合体および/またはその水素添加体を配合することにより、耐摩耗性およびグリップ性能を共に高いレベルにまで向上せしめることができるタイヤ用ゴム組成物、および、該タイヤ用ゴム組成物を用いて作製したタイヤを提供することができる。
特に、本発明によれば、耐摩耗性を維持しながら、初期グリップ性能とドライグリップ性能を向上せしめることができる、という優れた効果が得られる。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、水素添加率を所定の範囲内とすることで、ブリードの発生を抑制することができるものである。
このような本発明のタイヤ用ゴム組成物は、特に、競技(レース等)用あるいはトレッド用として、有用である。
<分枝共役ジエン共重合体とその水素添加体>
本発明の分枝共役ジエン共重合体およびその水素添加体とは、分枝共役ジエン化合物モノマー(1)、共役ジエン化合物モノマー(2)およびビニル化合物モノマー(3)を、所定の共重合比で共重合した分枝共役ジエン共重合体、および、該共重合体を水素添加した分枝共役ジエン共重合体の水素添加体をいう。
本発明の分枝共役ジエン共重合体またはその水素添加体の重量平均分子量(Mw)は、1000以上であれば特に限定はなく、好ましくは2000以上である。Mwが1000未満では流動性の高い液状ポリマーとなる傾向がある。一方、Mwは、300万以下であれば特に限定はない。Mwが300万超ではゴム弾性を持たない固形物となる傾向がある。
グリップ性能と耐摩耗性の両立を図る観点からは、Mwは、3000以上が好ましく、5000以上がより好ましい。Mwが3000未満では、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。一方、Mwは20万以下が好ましく、10万以下がより好ましい。Mwが20万超では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。
分枝共役ジエン共重合体またはその水素添加体において、Mw/Mnの好ましい範囲は、20.0以下、より好ましくは10.0以下である。Mw/Mnが20.0超では、ゴム組成物の硬度低下により加工性が悪化するという問題に至らない傾向がある。一方、Mw/Mnの下限値については、特に制限はなく、1.0以上において特に差し障りはない。
分枝共役ジエン共重合体およびその水素添加体において、水素添加率はブリードを起こさない程度である限り特に限定はないが、そのような水素添加率の範囲としては、例えば、0%〜90%が好ましく、より好ましくは0%〜70%である。
分枝共役ジエン共重合体またはその水素添加体のガラス転移温度(Tg)は、通常、−80℃〜110℃の範囲である。該Tgについては、例えば、−70℃〜70℃が好ましく、より好ましくは−30℃〜30℃である。
<分枝共役ジエン化合物モノマー(1)、共役ジエン化合物モノマー(2)、およびビニル化合物モノマー(3)の各共重合比(l)、(m)、および(n)について>
分枝共役ジエン化合物モノマー(1)の共重合比(l)は、15〜85質量%であれば特に限定はないが、下限値としては、30質量%以上が好ましく、35%以上がさらに好ましい。15%未満では分枝共役ジエン化合物(1)配合による加工性の改善効果が十分に得られない傾向がある。一方、上限値としては、80質量%以下が好ましい。85質量%超では流動性のある重合体となる傾向がある。
共役ジエン化合物(2)の重合比(m)は、0〜70質量%であれば特に限定はないが、上限値としては、好ましくは55質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。mが70質量%超では分枝共役ジエン化合物(1)を共重合させることによる加工性の改善効果が小さくなる傾向がある。なお、mが0質量%の場合、本願の分枝共役ジエン共重合体は、分枝共役ジエン化合物モノマー(1)とビニル化合物モノマー(3)から構成されるものとなるが、かかる態様は、本願発明における好ましい態様の一つである。
ビニル化合物(3)の重合比(n)は、15〜70質量%であれば特に限定はないが、下限値としては、20質量%以上が好ましい。nが15質量%未満では、加工性改善のため分枝共役ジエン化合物(1)を共重合させることによる効果が小さくなる傾向がある。一方、上限値としては、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。nが70質量%超では、共重合体がゴム状とならず樹脂状になり分枝共役ジエン化合物(1)を共重合させることによる効果が小さくなる傾向がある。
分枝共役ジエン共重合体におけるモノマーの重合比の合計は100質量%であるから、(l)と(m)と(n)の合計は100質量%である。従って、例えば、上記(l)、(m)または(n)の好ましい範囲の記述から、いずれか二つの重合比についてその上限値が選択されれば、残りの重合比の下限値は自ずと定まるものである。同様に、いずれか二つの重合比についてその下限値が選択されれば、残りの重合比の上限値は自ずと定まるものである。なお、(m)が0質量%の場合には、(l)と(n)の合計が100質量%であるから、いずれか一方の上限値または下限値が選択されれば、他方の下限値または上限値が自ずと定まるものである。
<分枝共役ジエン化合物モノマー(1)>
分枝共役ジエン化合物モノマー(1)において、炭素数6〜11の脂肪族炭化水素基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基等のノルマル構造のもの、それらの異性体かつ/または不飽和体、並びに、それらの誘導体(例えば、ハロゲン化物、水酸基化物等)が挙げられる。好ましい例としては、4−メチル−3−ペンテニル基、4,8−ジメチル−ノナ−3,7−ジエニル基等、および、それらの誘導体が挙げられる。
分枝共役ジエン化合物(1)の具体例としては、例えば、ミルセン、ファルネセンなどが挙げられる。
本発明において、「ミルセン」とは、α−ミルセン(2−メチル−6−メチレンオクタ−1,7−ジエン)とβ−ミルセンのいずれをも含むものであるが、このうち、以下の構造を有するβ−ミルセン(7−メチル−3−メチレンオクタ−1,6−ジエン)が好ましい。
Figure 0006141699
一方、「ファルネセン」とは、α−ファルネセン((3E,7E)−3,7,11−トリメチル−1,3,6,10−ドデカテトラエン)やβ−ファルネセンなどいずれの異性体も含むものであるが、このうち、以下の構造を有する(E)−β−ファルネセン(7,11−ジメチル−3−メチレン−1,6,10−ドデカトリエン)が好ましい。
Figure 0006141699
分枝共役ジエン化合物(1)としては、1種または2種以上のものを使用することができる。
<共役ジエン化合物モノマー(2)について>
共役ジエン化合物モノマー(2)において、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、このうちメチル基が好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、このうち、塩素原子が好ましい。共役ジエン化合物モノマー(2)の具体例としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が好ましく、このうち、1,3−ブタジエン、イソプレン等が好ましい。共役ジエン化合物(2)としては、1種または2種以上のものを使用することができる。
<ビニル化合物モノマー(3)について>
ビニル化合物モノマー(3)において、R4やR5における炭素数1〜3の飽和脂肪族炭化水素基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、このうちメチル基が好ましい。R4における炭素数3〜8の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基、シクロへプテニル基、シクロオクテニル基等が挙げられ、このうちシクロプロピル基、シクロブチル基が好ましい。R4における炭素数6〜12の芳香属炭化水素基としては、フェニル基、1−エチルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−ビニルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、ベンジル基、フェネチル基、トリル(tolyl)基、キシリル(xylyl)基、ナフチル基などが挙げられる。但し、トリル基におけるベンゼン環上のメチル基の置換位置はオルト−、メタ−もしくはパラ−のいずれの位置も含むものであり、キシリル基におけるメチル基の置換位置も、任意の置換位置のいずれをも含むものである。これらのうち、フェニル基、トリル(tolyl)基、ナフチル基が好ましい。
ビニル化合物(3)の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−ビニルナフタレンまたはβ−ビニルナフタレンが好ましい。ビニル化合物(3)としては、1種または2種以上のものを使用することができる。
本発明に係る分枝共役ジエン共重合体の製造方法について説明する。
分枝共役ジエン化合物モノマー(1)、共役ジエン化合物モノマー(2)およびビニル化合物モノマー(3)の共重合(但し、共役ジエン化合物モノマー(2)の共重合比(m)は0質量%の場合もある)は、各モノマー成分を共重合させるものである限り、共重合させる順序において特に限定はなく、例えば、すべてのモノマーを一度にランダム共重合させてもよいし、あるいは、あらかじめ特定のモノマー(例えば、分枝共役ジエン化合物モノマー(1)のみ、共役ジエン化合物モノマー(2)のみ、ビニル化合物モノマー(3)のみ、あるいは、これらから選ばれる任意のモノマーなど)を共重合させた後に、残りのモノマーを加えて共重合させたり、特定のモノマー毎に予め共重合させたものをブロック共重合させてもよい。このうち、ランダム共重合させることが好ましい。
かかる共重合は、いずれも常法により実施することができ、例えば、アニオン重合反応、配位重合等により実施することができる。
重合方法については特に制限はなく、溶液重合法、乳化重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれをも用いることができるが、このうち、溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、バッチ式および連続式のいずれであってもよい。
<アニオン重合>
該アニオン重合は、アニオン重合開始剤の存在下、適当な溶媒中で実施することができる。アニオン重合開始剤としては、慣用のものをいずれも好適に使用することができ、そのようなアニオン重合開始剤としては、例えば、一般式RLix(但し、Rは1個またはそれ以上の炭素原子を含む脂肪族、芳香族または脂環式基であり、xは1〜20の整数である。)を有する有機リチウム化合物があげられる。適当な有機リチウム化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウムおよびナフチルリチウムが挙げられる。好ましい有機リチウム化合物はn−ブチルリチウムおよびsec−ブチルリチウムである。アニオン重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。重合開始剤の使用量が0.05mmol未満では共重合体がゴム状とならず樹脂状となる傾向があり、35mmolより多い場合には共重合体が軟らかく、分枝共役ジエン化合物(1)を共重合させることによる、加工性に対する効果が小さくなる傾向がある。
また、アニオン重合に用いる溶媒としては、アニオン重合開始剤を失活させたり、重合反応を停止させたりしないものであれば、いずれも好適に用いることができ、極性溶媒または非極性溶媒のいずれも使用することができる。極性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒があげられ、非極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンタンなどの鎖式炭化水素、シクロヘキサンなどの環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを挙げることができる。これら溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
アニオン重合は、さらに極性化合物の存在下に実施するのが好ましい。極性化合物としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、エチルプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジフェニルエーテル、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)などが挙げられる。極性化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。この極性化合物は、ブタジエン部のミクロ構造の制御に関し、1,2−構造の含量を減少させるのに有用である。極性化合物の使用量は、極性化合物の種類および重合条件により異なるが、アニオン重合開始剤とのモル比(極性化合物/アニオン重合開始剤)として0.1以上であることが好ましい。アニオン重合開始剤とのモル比(極性化合物/アニオン重合開始剤)が0.1未満ではミクロ構造を制御することに対する極性物質の効果が十分でない傾向がある。
アニオン重合の際の反応温度は、好適に反応が進行する限り特に限定はないが、通常−10℃〜100℃であることが好ましく、25℃〜70℃であることがより好ましい。また、反応時間は、仕込み量、反応温度、その他条件により異なるが、通常、例えば、3時間程度行えば十分である。
上記アニオン重合は、この分野で通常使用する反応停止剤の添加により、停止させることができる。そのような反応停止剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールまたは酢酸などの活性プロトンを有する極性溶媒およびこれらの混液、またはそれらの極性溶媒とヘキサン、シクロヘキサンなどの無極性溶媒との混液が挙げられる。反応停止剤の添加量は、通常、アニオン重合開始剤に対し、同モル量もしくは2倍モル量程度で十分である。
重合反応停止後、分枝共役ジエン共重合体は、重合溶液から常法により溶媒を除去することにより、または、重合溶液をその1倍量以上のアルコールに注ぎ、分枝共役ジエン共重合体を沈殿させることにより、容易に単離することができる。
<配位重合>
配位重合は、上記アニオン重合におけるアニオン重合開始剤に代えて、配位重合開始剤を用いることにより、実施することができる。配位重合開始剤としては、慣用のものをいずれも好適に用いることができ、そのような配位重合開始剤としては、例えば、ランタノイド化合物、チタン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物等の遷移金属含有化合物である触媒が挙げられる。また、所望により、さらにアルミニウム化合物、ホウ素化合物を助触媒として使用することができる。
ランタノイド化合物は、原子番号57〜71の元素(ランタノイド)のいずれかを含むものであれば特に限定されないが、これらランタノイドのうち、とりわけネオジウムが好ましい。ランタノイド化合物としては、例えば、これら元素のカルボン酸塩、β−ジケトン錯体、アルコキサイド、リン酸塩または亜リン酸塩、ハロゲン化物などが挙げられる。これらの内、取り扱いの容易性から、カルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体が好ましい。チタン化合物としては、例えば、シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換シクロペンタジエニル基または置換インデニル基を含み、かつハロゲン、アルコキシシリル基、アルキル基の中から選ばれる1〜3の置換基を有するチタン含有化合物などが挙げられるが、触媒性能の点から、アルコキシシリル基を1つ有する化合物が好ましい。コバルト化合物としては、例えば、コバルトのハロゲン化物、カルボン酸塩、β−ジケトン錯体、有機塩基錯体、有機ホスフィン錯体などが挙げられる。ニッケル化合物としては、例えば、ニッケルのハロゲン化物、カルボン酸塩、β−ジケトン錯体、有機塩基錯体などが挙げられる。配位重合開始剤として用いる触媒は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
助触媒として用いるアルミニウム化合物としては、例えば、有機アルミノキサン類、ハロゲン化有機アルミニウム化合物、有機アルミニウム化合物、水素化有機アルミニウム化合物などが挙げられる。有機アルミノキサン類としては、例えば、アルキルアルミノキサン類(メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、オクチルアルミノキサン、へキシルアルミノキサンなど)が、ハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、例えば、ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物(ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド)が、有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルキルアルミニウム化合物(トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム)が、水素化有機アルミニウム化合物としては、例えば、水素化アルキルアルミニウム化合物(ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、)が挙げられる。また、ホウ素化合物としては、例えば、テトラフェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート等のアニオン種を含む化合物が挙げられる。これら助触媒も、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
配位重合に関し、溶媒および極性化合物としては、アニオン重合で説明したものを同様に使用することができる。また、反応時間および反応温度もアニオン重合で説明したものと同様である。重合反応の停止および分枝共役ジエン共重合体の単離も、アニオン重合の場合と同様にして行うことができる。
<水素添加>
上記で得られる分枝共役ジエン共重合体の水素添加反応は、常法により実施することができ、金属触媒による接触水素添加、ヒドラジンを用いる方法などをいずれも好適に使用することができる(特開昭59−161415号公報など)。例えば、金属触媒による接触水素添加は、有機溶媒中、金属触媒の存在下、水素を加圧添加することにより実施することができ、該有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等をいずれも好適に使用することができる。これら有機溶媒は、1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、金属触媒としては、例えば、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、ニッケルなどをいずれも好適に使用することができる、これら金属触媒は1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加圧する際の圧力としては、例えば、1〜300kg重/cm2であることが好ましい。
本発明に係る分枝共役ジエン共重合体またはその水素添加体の重量平均分子量(Mw)は、常法により制御することができ、例えば、重合時に仕込む各モノマーの、触媒に対する量を調節することにより制御することができる。例えば、全モノマー/アニオン重合触媒比または全モノマー/配位重合触媒比を大きくすればMwを大きくすることができ、逆に小さくすればMwを小さくすることができる。分枝共役ジエン共重合体の数平均分子量(Mn)についても同様である。
本発明に係る分枝共役ジエン共重合体またはその水素添加体のTgは、常法により制御することができ、例えば、分枝共役ジエン化合物(1)モノマーの仕込量を増加させることにより、相対的に低くすることができ、一方、ビニル化合物(3)の仕込量を増加させることにより、相対的に高くすることができる。
本発明に係る分枝共役ジエン共重合体のムーニー粘度は、常法により制御することができ、例えば、重合時に仕込む分枝共役ジエン化合物(1)モノマーの量を調節することによりにより制御することができる。例えば、分枝共役ジエン化合物(1)モノマーの仕込量を少なくすればムーニー粘度は大きくなり、反対に分枝共役ジエン化合物(1)モノマーの仕込量を多くすればムーニー粘度は小さくなる。なお、ムーニー粘度は、JIS K 6300に準じて測定される。
<分枝共役ジエン共重合体および/またはその水素添加体を用いたゴム組成物>
こうして得られる分枝共役ジエン共重合体および/またはその水素添加体は、タイヤ用ゴム組成物に配合することで、本発明のタイヤ用ゴム組成物を得ることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に使用できるゴム成分としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)が挙げられる。SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用することができる。SBRのスチレン含有率は、25質量%以上が好ましく、35質量%以上がより好ましい。SBRのスチレン含有率が25質量%未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、SBRのスチレン含有率は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。SBRのスチレン含有率が60重量%を超えると、耐摩耗性が低下するだけでなく、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなってしまう傾向がある。ゴム成分中のSBRの含有量は、60質量%以上である。SBRの含有量が60質量%未満の場合、十分な耐熱性、グリップ性能、耐摩耗性が得られない傾向がある。また、SBRの含有量の上限値は特に限定されない。SBRの含有量が100質量%である場合は、本発明の好ましい一態様である。
ゴム成分には、SBR以外の他のゴム成分を配合することができ、そのようなゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。ゴム成分は、2種以上を併用してもよい。なかでも、グリップ性能および耐摩耗性がバランスよく得られるという理由からNRおよび/またはBRを使用することが好ましい。
本発明の分枝共役ジエン共重合体および/またはその水素添加体は、ゴム成分100質量部に対して、10〜150質量部配合することができる。10質量部未満では、これを配合することによる効果が十分に得られない傾向がある。一方、150質量部以上では、耐摩耗性が低くなる傾向がある。好ましい配合量について、下限値としては、15質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましい。一方、上限値としては、好ましくは130質量部以下である。
分枝共役ジエン共重合体および/またはその水素添加体を配合する場合においては、分枝共役ジエン共重合体のみまたは水素添加体のみを配合してもよいし、あるいは、これらを併用して配合してもよい。また、分枝共役ジエン共重合体またはその水素添加体として、1種または2種以上のものを併用してもよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、補強用充填剤を配合することができる。補強用充填在としては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなど、従来タイヤ用ゴム組成物の分野で慣用されるものをいずれも使用できるが、中でも、カーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネス法により製造されたカーボンブラックなどが挙げられ、2種類以上のコロイダル特性の異なるものを併用してもよい。具体的にはGPF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、なかでも、SAFが好適である。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、100m2/g以上が好ましく、105m2/g以上がより好ましく、110m2/g以上がさらに好ましい。一方、該N2SAは、600m2/g以下が好ましく、250m2/g以下がより好ましく、180m2/g以下がさらに好ましい。100m2/g未満では、グリップ性能が低下する傾向があり、600m2/gを超えると、良好な分散が得られにくく、耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001に準拠して求められる。
カーボンブラックのオイル吸油量(OAN)は、50ml/100g以上が好ましく、100ml/100g以上がより好ましい。また、該OANは、250ml/100g以下が好ましく、200ml/100g以下がより好ましく、135ml/100g以下がさらに好ましい。50ml/100g未満では、十分な耐摩耗性が得られないおそれがあり、250ml/100gを超えると、グリップ性能が低下するおそれがある。なお、カーボンブラックのOANは、JIS K6217−4:2008に準拠して測定される。
カーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは80質量部以上、さらに好ましくは100質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下である。50質量部未満では十分な耐摩耗性、グリップ性能が得られないおそれがあり、200質量部を超えると、グリップ性能が低下するおそれがある。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、芳香族系石油樹脂を含むものであってよい。芳香族系石油樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、ロジン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)などが挙げられる。フェノール樹脂としては、例えば、コレシン(BASF社製)、タッキロール(田岡化学工業(株)製)などが挙げられる。クマロンインデン樹脂としては、例えば、エスクロン(新日鉄化学(株)製)、ネオポリマー(新日本石油化学(株)製)などが挙げられる。
芳香族石油系樹脂の軟化点120以上、より好ましくは140℃以上が好ましい。軟化点が120℃未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。一方、軟化点は200℃以下が好ましい。が200℃超では、グリップ性能が低下する傾向がある。ここで、該軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
芳香族系石油樹脂としては、1種または2種以上を使用することができるが、とりわけ、上記温度範囲の中で、軟化点が比較的低い低軟化点樹脂と比較的高い高軟化点樹脂とを併用することがより好ましい。低軟化点樹脂を配合することにより、初期グリップ性能をより改善でき、高軟化点樹脂を配合することにより、走行中の安定したドライグリップ性能がより良好に得られる。よって、低軟化点樹脂と高軟化点樹脂とを併用することにより、初期グリップ性能および走行中の安定したドライグリップ性能を、同時に、より高次元に改善できる。
芳香族系石油樹脂の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、5質量部〜25質量部の範囲である。5質量部未満ではグリップ性能の改善効果が小さくなる傾向があり、一方、25質量部超では、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなる傾向がある。好ましい範囲について、下限値としては10質量部以上であり、上限値としては20質量部以下である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、初期グリップ性能、走行中の安定したドライグリップ性能などの観点から、上記共重合体に加えて、軟化剤を配合してもよい。軟化剤としては、例えば、オイルまたは液状ポリマーを挙げることができる。
オイルとしては、例えば、アロマチックオイル、プロセスオイル、パラフィンオイル等の鉱物油が挙げられる。
液状ポリマーとしては、例えば、液状SBR、液状BR、液状IR、液状SIR(スチレンイソプレンゴム)などが挙げられるが、耐久性とグリップ性能がバランスよく得られるという理由から液状SBRを用いることが好ましい。
軟化剤としては、耐久性とグリップ性能のバランスに優れるという点から、低分子量の液状ポリマーを使用することが好ましい。ここで、液状ポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105であることが好ましい。1×1.03以下では、破壊特性が低下し、十分な耐久性が確保できないおそれがある。一方、2.0×105を超えると、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ生産性が悪化するおそれがある。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、酸化亜鉛を配合することができる。酸化亜鉛としては、特に限定されず、タイヤなどのゴム分野で使用されているものを適宜使用可能であるが、それらのうち、特に、微粒子酸化亜鉛を好適に使用することができる。具体的には、平均一次粒子径200nm以下の酸化亜鉛を使用することが好ましく、より好ましくは100nm以下である。該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上である。なお、酸化亜鉛の平均一次粒子径は、窒素吸着によるBET法により測定した比表面積から換算された平均粒子径(平均一次粒子径)である。
酸化亜鉛を配合する場合、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部以下、より好ましくは1〜5質量部である。酸化亜鉛の含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、加硫促進剤を配合することができる。加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、グアニジン系加硫促進剤などが挙げられ、なかでも、本発明では、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系加硫促進剤を好適に使用することができる。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)等が挙げられる。チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドなどが挙げられ、なかでも、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)などが挙げられ、なかでも、TOT−Nが好ましい。グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、ジフェニルグアニジン(DPG)などが挙げられる。
加硫促進剤を配合する場合、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。1質量部未満では、充分な加硫速度が得られず、良好なグリップ性能、耐摩耗性が得られない傾向があり、15質量部を超えると、ブルーミングを起こし、グリップ性能、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、ワックス、老化防止剤、ステアリン酸、硫黄等の加硫剤、粘着付与剤等を適宜配合することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、特に、空気入りタイヤのトレッド部に用いることが好ましい。また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、競技用ドライタイヤのトレッド部に用いることが好ましい。
該本発明のタイヤは、通常の製造方法により製造できる。すなわち、必要に応じ、前記成分を適宜配合した混合物を混練りし(通常、加硫剤および加硫促進剤以外の成分を混練りした後に、加硫剤および加硫促進剤を加えてさらに混練りする)、未加硫の段階でタイヤのトレッド部の形状に押し出し加工し、タイヤ成型機上で通常の方法により、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて、未加硫タイヤを成形する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱、加圧してタイヤを得る。
本発明のタイヤ用ゴム組成物(加硫物)のM300は、100℃の雰囲気下で、1.5〜6.0MPaであることが好ましく、1.8〜5.5MPaであることがより好ましい。1.5MPa未満では、耐摩耗性が不足する傾向があり、6.0MPaを超えると、グリップ性能が低下する傾向がある。ここでM300とは、300%伸張時応力をいい、JIS K6251:2010に基づき試験片としてダンベル状6号形試験片を使用して測定した値である。
本明細書において、MwおよびMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定され、標準ポリスチレンより換算される。
水素添加(水添)率(%)は、ヨウ素価法を用いてヨウ素価を算出し、以下の計算式に従って求められる。
水添率(%)=〔1−(水添後のヨウ素価)/(水添前のヨウ素価)〕×100
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)により測定される。
ムーニー粘度は、JIS K 6300に準じて測定される。
単に、「1〜99質量%」というときは、両端の値を含むものである。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例にのみ限定されるものではない。
以下に、実施例および比較例の共重合体の合成、並びに、ゴム組成物の製造に用いた各種薬品をまとめて示す。各種薬品は必要に応じて常法に従い精製を行った。
<共重合体の合成に用いた各種薬品>
ヘキサン:関東化学(株)製の無水ヘキサン
イソプロパノール:関東化学(株)製のイソプロパノール
THF:関東化学(株)製のテトラヒドロフラン
ミルセン:和光純薬(株)のβ−ミルセン
ファルネセン:日本テルペン化学(株)の(E)−β−ファルネセン(試薬)
イソプレン:和光純薬(株)のイソプレン
ブタジエン:高千穂化学工業(株)製の1,3−ブタジエン
スチレン:和光純薬(株)のスチレン
<ゴム組成物の製造に用いた各種薬品>
共重合体:本明細書の記載に従い合成したもの
SBR:旭化成ケミカルズ(株)製のタフデン4850(S−SBR;SBR固形分100gに対し、50%のオイルを含有する;スチレン含有量39質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN134(チッ素吸着比表面積(N2SA):146m2/g)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24
芳香族系石油樹脂:BASF社製のコレシン(フェノール系樹脂、軟化点:140℃)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号(平均粒子径:200nm)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
1.分枝共役ジエン共重合体またはその水素添加体
(分枝共役ジエン共重合体の合成)
乾燥し窒素置換した3Lの耐圧ステンレス容器に、ヘキサン 2000ml、モノマーを総量で200g(表1または表2の共重合比に従い、適宜、必要なモノマーを配合)とともにTMEDA(テトラメチルエチレンジアミン) 0.22mmolを加え、さらにn−ブチルリチウム(n−BuLi)60mmolを加えた後、50℃で5時間重合反応を行った。5時間後、1Mイソプロパノール/ヘキサン溶液を60ml滴下し、反応を終了させた。冷却後、反応液を1晩風乾し、さらに2日間減圧乾燥を行い、対応する共重合体 200gを得た。重合添加率(「乾燥重量/仕込量」)は、ほぼ100%であった。
(水素添加体の合成)
1Lの耐圧ステンレス容器に、上記で得た共重合体 200g、THF 300g、10%パラジウムカーボン 10gを加え、窒素置換した後、圧力が5.0kgf/cm2となるように水素置換して、80℃で反応させた。反応終了後、反応液をろ過してパラジウムカーボンを除去した後、ろ液を1晩風乾し、さらに2日間減圧乾燥を行い、目的とする水素添加体(共重合体) 200gを得た。
上記で得た共重合体1〜17について、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、ガラス転移温度Tg、および分枝共役ジエンの共重合比(l)を、以下方法に従い測定した。結果を表1および表2に示す。
(重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnの測定)
Mw、Mnは、東ソー(株)製GPC−8000シリーズの装置、検知器として示差屈折計を用いて測定し、標準ポリスチレンにより校正した。
(ガラス転移温度(Tg)の測定)
各共重合体について、示差走査熱量計(DSC)を用い、昇温速度10℃/分にて開始温度−150℃から最終温度150℃までを測定しTgを算出した。
(分枝共役ジエン化合物(1)の質量%)
該質量%は、熱分解ガスクロマトグラフィー(PGC)による定法によって測定した。すなわち、精製した分枝共役ジエン化合物(1)についての検量線を作製し、PGCによって得られる分枝共役ジエン化合物(1)由来の熱分解物の面積比から共重合体中の分枝共役ジエン化合物(1)の質量%を算出した。熱分解クロマトグラフィーは(株)島津製作所製のガスクロマトグラフ質量分析計GCMS−QP5050Aと日本分析工業(株)製の熱分解装置JHP−330から構成されるシステムを使用した。
Figure 0006141699
Figure 0006141699
2.タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
表2記載の配合に従い、上記で得た共重合体と、上記ゴム組成物製造用の各種薬品(硫黄および加硫促進剤を除く)を、(株)神戸製鋼所製1.7Lバンバリーミキサーにて、170℃で5分間混練りし、混練り物を得た。得られた混練物に、硫黄並びに加硫促進剤を添加して、オープンロールを用いて、170℃で12分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。該未加硫ゴム組成物を、トレッドの形状に成形し、タイヤ成形機上にて他のタイヤ部材とともに貼り合わせて、150℃で30分間プレス加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:215/45R17)を得た。このタイヤに空気を入れ、空気入りタイヤとした。
上記で得た実施例および比較例にかかわる試験用タイヤを用いて、下記の試験を行った。結果を表3および表4に示す。
(ドライグリップ性能)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行った。ベストラップと最終ラップにおける操舵時のコントロール安定性をテストドライバーが総合的に評価し、比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほどドライ路面において、走行中のグリップ性能の低下が小さく、走行中の安定したグリップ性能が良好に得られることを示す。指数値が110以上の場合に特に良好であると判断した。
(初期グリップ性能)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行った。その際に2周目における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示をした(初期グリップ性能指数)。数値が大きいほど初期グリップ性能が高いことを示す。指数値が110以上の場合に特に良好であると判断した。
(耐摩耗性)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて実車走行を行った。その際におけるタイヤトレッドゴムの残溝量を計測し(新品時15mm)、それぞれ比較例1の残溝量を100として指数表示した(耐摩耗性指数)。数値が大きいほど、耐摩耗性が高いことを示す。指数値が96以上の場合に良好であると判断した。
(M300)
各実施例および比較例のタイヤ用ゴム組成物(加硫物)について、JIS K6251:2010に基づき、ダンベル状6号形試験片を作製し、該試験片を用いて100℃雰囲気下引張試験を実施して、300%伸張時応力(M300)(MPa)を測定した。
Figure 0006141699
Figure 0006141699
本発明によれば、耐摩耗性およびグリップ性能を共に高いレベルにまで向上せしめることができるタイヤ用ゴム組成物、および、該タイヤ用ゴム組成物を用いて作製したタイヤを提供することができる。

Claims (8)

  1. スチレンブタジエンゴム100質量%からなるジエン系ゴム成分100質量部に対して、分枝共役ジエン共重合体および/またはその水素添加体10〜70質量部を含んでなるタイヤ用ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有するタイヤであって、
    該分枝共役ジエン共重合体が、一般式(1)
    Figure 0006141699
    (式中、R1は、炭素数6〜11の脂肪族炭化水素を表す。)
    で示される分枝共役ジエン化合物モノマー(1)、一般式(2)
    Figure 0006141699
    (式中、R2およびR3は、同一もしくは異なって、水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、またはハロゲン原子を表す。)
    で示される共役ジエン化合物モノマー(2)、および、一般式(3)
    Figure 0006141699
    (式中、R4は、水素原子、炭素数1〜3の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基、または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、R5は、水素原子または炭素数1〜3の飽和脂肪族炭化水素基を表す。)
    で示されるビニル化合物モノマー(3)から構成されるものであって、該モノマー(1)の共重合比(l)が15〜85質量%、該モノマー(2)の共重合比(m)が0〜70質量%、該モノマー(3)の共重合比(n)が15〜70質量%であって
    前記ゴム組成物が前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して軟化点が120〜200℃である芳香族系石油樹脂5〜40質量部を含むものであるタイヤ
  2. 分枝共役ジエン化合物モノマー(1)が、ミルセンおよび/またはファルネセンである請求項1記載のタイヤ
  3. 共役ジエン化合物モノマー(2)が、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンである請求項1または2記載のタイヤ
  4. ビニル化合物モノマー(3)が、スチレン、α−メチルスチレン、α−ビニルナフタレンおよびβ−ビニルナフタレンからなる群から選択される1種または2種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ
  5. 分枝共役ジエン共重合体の水素添加率が、0〜70%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ
  6. カーボンブラック50〜200質量部をさらに含んでなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ
  7. 芳香族系石油樹脂の配合量が5〜25質量部である請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤ
  8. 加硫物の300%伸張時応力(M300)が、1.5〜6.0MPaである請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤ
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