JP2014037330A - 石膏組成物、石膏系固化材及び石膏系建材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、他の菌の生育を抑制することなく、硫酸還元菌の増殖を選択的に抑制して、硫化水素の発生を抑制することが可能な石膏組成物、石膏系固化材及び石膏系建材を提供する。
【解決手段】焼石膏(A)と、キレート化Al(B)とを含有し、前記焼石膏(A)100質量部に対し、前記キレート化Al(B)を0.01〜20質量部の範囲で含有していることを特徴とする石膏組成物。
【選択図】なし
【解決手段】焼石膏(A)と、キレート化Al(B)とを含有し、前記焼石膏(A)100質量部に対し、前記キレート化Al(B)を0.01〜20質量部の範囲で含有していることを特徴とする石膏組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、石膏を硫黄源とする硫化水素の発生を抑制し得る石膏組成物、石膏系固化材及び石膏系建材に関するものである。
近年、不法投棄された石膏を硫黄源として硫化水素が発生することが問題となっている。この硫化水素の発生には硫酸還元菌が関わっていることが知られている。
硫酸還元菌は、硫酸イオンを電子受容体として有機物を酸化し、エネルギーを獲得する細菌である。前記硫酸還元菌は種類によってその生育温度域が異なり、高温性菌、中温性菌、低温性菌および好冷性菌が存在する。また、生育pHの違いによって、中性付近で良く生育する菌と、酸性あるいはアルカリ性の条件で良く生育する菌が存在する。また、生存域も海洋泥、一般土壌、熱水噴出域、パイプラインの中等と広域にわたる。
前記硫酸還元菌による硫化水素の発生事例としては、廃石膏ボードからの硫化水素の発生が報告されている。廃石膏ボードは主成分である硫酸カルシウム(硫酸イオン)の他、糊や紙(栄養分)を含む。従って、土壌中の硫酸還元菌が廃石膏ボードを資化し、硫化水素が発生する場合がある。
この硫化水素は毒性や腐食性が強く、悪臭を放つ物質であるため、多量に生成されると問題となる。そこで、硫酸還元菌の増殖を抑制し、硫化水素の生成を抑制することが試みられている。例えば、本出願人の一は、石膏を主材とする土壌処理材に、アントラキノン化合物を添加することにより、硫酸還元菌の増殖を抑制し、硫化水素の生成を抑制する方法を開示している(特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に記載の方法は、非常に高価なアントラキノン化合物を用いるために、製造コストの面で問題があった。特に土壌処理材等の大量に使用される用途においては、コストが障害となって利用が拡大されないという実情があった。
そこで、本出願人の一は、石膏組成物に、アルミニウム硫酸塩水和物[Al2(SO4)3・nH2O(n=6、10、16、18、27)]等の特定のアルミニウム化合物を添加することにより、硫酸還元菌の増殖を抑制し、硫化水素の生成を抑制する方法も開示している(特許文献2参照)。
特許文献2に記載の方法は、アントラキノン化合物と比較して安価で入手し易いアルミニウム化合物を用いるため、特許文献1に記載の方法が有する製造コストという問題を解決し得るものである。しかし、以下の点において未だ改良の余地を残すものであった。
即ち、特許文献2に記載の方法によれば、硫酸還元菌の増殖を抑制し、硫化水素の生成を抑制することは可能であるものの、硫酸還元菌以外の菌(以下、「他の菌」と記す。)の増殖を抑制してしまう場合があった。他の菌の増殖が抑制された場合、土壌等の微生物相が破壊され、悪臭の発生、植物の生育障害等の問題を生ずる恐れがある。従って、他の菌の増殖を抑制することなく、硫酸還元菌の増殖を選択的に抑制して、硫化水素の発生を抑制することが可能な石膏組成物、石膏系固化材、石膏系建材等が切望されている。
本発明は、前記従来技術の課題を解決するためになされたものである。即ち、本発明は、他の菌の増殖を抑制することなく、硫酸還元菌の増殖を選択的に抑制して、硫化水素の発生を抑制することが可能な石膏組成物、石膏系固化材及び石膏系建材を提供するものである。
本発明者らは前記課題について鋭意検討を行った結果、キレート化Alに硫酸還元菌の増殖を選択的に抑制する作用があることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、石膏(A)と、キレート化Al(B)とを含有し、前記石膏(A)100質量部に対し、前記キレート化Al(B)を0.01〜20質量部の範囲で含有していることを特徴とする石膏組成物が提供される。
本発明においては、前記キレート化Al(B)の代わりに、Al3+源(b−1)及びキレート剤(b−2)を含有していることが好ましい。また、本発明においては、前記Al3+源(b−1)が、Al2O3、AlCl3、Al(OH)3及びAl2(SO4)3からなる群より選択される少なくとも一種のAl化合物であることが好ましい。
本発明においては、前記石膏の一部又は全部が、廃石膏であることが好ましい。また、本発明においては、前記石膏の一部又は全部が、焼石膏であることが好ましい。
本発明によれば、前記石膏組成物を含有することを特徴とする石膏系固化材が提供される。また、本発明によれば、前記石膏組成物に水を加え、成形し、固化させてなることを特徴とする石膏系建材が提供される。
本発明に係る石膏組成物は、硫酸還元菌の増殖を抑制することができるため、硫化水素の生成を抑制することが可能である。一方、本発明に係る石膏組成物は、他の菌の増殖を抑制しないため、土壌等の微生物相が破壊されることもなく、悪臭の発生、植物の生育障害等の問題を生ずるおそれはない。
以下、本発明について詳細に説明する。但し、本発明は下記の実施形態に限定されず、その発明特定事項を有する全ての対象を含むものである。
[1]石膏組成物:
本発明に係る石膏組成物は、石膏(A)を主たる成分とする石膏組成物であり、前記石膏(A)に加えて、キレート化Al(B)を含有し、石膏(A)100質量部に対し、キレート化Al(B)を0.01〜20質量部の範囲で含有していることを特徴とするものである。
本発明に係る石膏組成物は、石膏(A)を主たる成分とする石膏組成物であり、前記石膏(A)に加えて、キレート化Al(B)を含有し、石膏(A)100質量部に対し、キレート化Al(B)を0.01〜20質量部の範囲で含有していることを特徴とするものである。
[1−1]石膏:
本発明にいう「石膏」とは、硫酸カルシウムを主成分とする鉱物であり、硫酸カルシウムの1/2水和物、二水和物、無水和物等を挙げることができる。従って、本発明においては、前記石膏のうちの1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いることができる。硫酸カルシウムの1/2水和物(CaSO4・1/2H2O)は、半水石膏や焼石膏とも称される。例えばβ型半水石膏、α型半水石膏等を挙げることができる。
本発明にいう「石膏」とは、硫酸カルシウムを主成分とする鉱物であり、硫酸カルシウムの1/2水和物、二水和物、無水和物等を挙げることができる。従って、本発明においては、前記石膏のうちの1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いることができる。硫酸カルシウムの1/2水和物(CaSO4・1/2H2O)は、半水石膏や焼石膏とも称される。例えばβ型半水石膏、α型半水石膏等を挙げることができる。
また、本発明においては、前記石膏の一部又は全部が焼石膏であることが好ましい。本発明にいう「焼石膏」には、前記半水石膏の他に空気中の水分を吸収して容易に半水石膏に変化する無水硫酸カルシウム(CaSO4、可溶性無水石膏又はIII型無水石膏とも称される。)も含まれるものとする。
従って、本発明における焼石膏としては、β型半水石膏、α型半水石膏、III型無水石膏のうちの1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いることができる。
また、焼石膏の原料石膏としては、天然物(バサニ石<bassanite>等)、副生石膏、廃石膏のいずれも用いることができる。但し、製造コスト、リサイクル促進、環境保護等の観点から、石膏の一部又は全部が、廃石膏であることが好ましい。
[1−2]キレート化Al:
「キレート化Al」は、Al3+と、キレート剤とから形成されており、より具体的には、中心原子となるAl3+にキレート剤が配位した錯体を指す。キレート化Alは、後述するAl3+源とキレート剤を混合することで速やかに形成される。
「キレート化Al」は、Al3+と、キレート剤とから形成されており、より具体的には、中心原子となるAl3+にキレート剤が配位した錯体を指す。キレート化Alは、後述するAl3+源とキレート剤を混合することで速やかに形成される。
「キレート剤」とは、Al3+に配位してキレート化Alを形成する多座配位子である。本発明において、キレート剤の種類は特に限定されない。例えば鎖状配位子であってもよいし、環状配位子であってもよい。
鎖状配位子としては、例えばシュウ酸、マロン酸、酒石酸、グルタル酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸(いずれも2座配位子)等の多価カルボン酸類;エチレンジアミン(EDA、2座配位子)等の多価アミン類;エチレンジアミン四酢酸(EDTA、6座配位子)等のアミノポリカルボン酸類;2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン(いずれも2座配位子)等のビピリジン類;等を挙げることができる。
環状配位子としては、例えばポルフィリン類(4座配位子);クラウンエーテル類(化合物により配座数が異なる。例えば18−クラウン−6は6座配位子);等を挙げることができる。
前記キレート剤の中では、Al3+に配位して容易にキレート化Alを形成するキレート剤であることが好ましい。また、本発明は自然環境中で実施することが多いため、環境に悪影響を与えないキレート剤であることが更に好ましい。具体的には、クエン酸、マロン酸、酒石酸、グルタル酸、リンゴ酸、マレイン酸等を挙げることができる。
キレート剤の形態は特に限定されない。但し、粉末状のキレート剤を用いることが好ましい。通常、主材となる石膏は粉末状のものが用いられる。従って、粉末状のキレート剤を用いた方が取り扱いが容易となる。
Al3+とキレート剤の量比については特に限定されない。キレート剤の種類によりアルミニウムとの安定な錯体を形成するモル比は異なる。但し、添加したAl3+源の全量がキレート化し、Al3+が溶存するように、キレート化剤の添加量(モル比)を調節することが望ましい。例えば、Al3+源とシュウ酸が安定な錯体を形成するモル比は1:3、Al3+源とクエン酸が安定な錯体を形成するモル比は1:2、Al3+源とEDTAが安定な錯体を形成するモル比は1:1である。
なお、後述するように、キレート化Alは、安価で入手し易いアルミニウム化合物から形成することが可能であり、アントラキノン化合物を用いる場合に比して製造コストの低廉化を図ることができる。特に、キレート剤として、安価で入手し易い2〜4価の有機酸を用いた場合、製造コストの低廉化の効果が大きい。
本発明に係る石膏組成物は、前記石膏(A)100質量部に対し、前記キレート化Al(B)を0.01〜20質量部の範囲で含有している。キレート化Alの含有量を0.01質量部以上とすることで、他の菌の増殖を抑制することなく、硫酸還元菌の増殖を選択的に抑制して、硫化水素の発生を抑制するという効果を得ることができる。また、キレート化Alの含有量を20質量部に至るまでは前記効果を得ることができる。
但し、硫化水素の発生をより確実に抑制すること、及びキレート化Alを多量に加えても量に応じて抑制効果が増大するわけではなく、製造コストが上昇することを考慮すると、石膏(A)100質量部に対し、キレート化Al(B)を0.1〜10質量部の範囲で含有していることが好ましく、0.2〜2質量部の範囲で含有していることが更に好ましい。
[1−3]Al3+源:
本発明に係る石膏組成物には、キレート化Al(B)の代わりに、Al3+源(b−1)及びキレート剤(b−2)を含有するものも含まれる。Al3+源とキレート剤が個別に添加されていても、石膏組成物の製造過程又は使用時には水が添加されるため、石膏組成物中に速やかにキレート化Alが形成される。
本発明に係る石膏組成物には、キレート化Al(B)の代わりに、Al3+源(b−1)及びキレート剤(b−2)を含有するものも含まれる。Al3+源とキレート剤が個別に添加されていても、石膏組成物の製造過程又は使用時には水が添加されるため、石膏組成物中に速やかにキレート化Alが形成される。
「Al3+源」とは、水の存在下においてキレートの中心原子となるAl3+を生成し得る物質である。具体的な物質の種類は特に限定されない。但し、Al2O3、AlCl3、Al(OH)3及びAl2(SO4)3からなる群より選択される少なくとも一種のAl化合物であることが好ましい。なお、「少なくとも一種」であるから、前記化合物の一種を単独で用いてもよいし、前記化合物を二種以上併用してもよい。
「Al2O3、AlCl3、Al(OH)3及びAl2(SO4)3」には、これらの無水物は勿論のこと、水和物も含まれる。また、これらの化合物の形態は、結晶であってもよいし、アモルファス(例えば非晶質アルミナ等)であってもよい。更に、これらの化合物として、純物質を用いる必要はなく、混合物を用いてもよい。例えば、これらの化合物を含有する鉱物をAl3+源として用いることもできる。
[2]石膏系固化材、石膏系建材:
既述のように、本発明に係る石膏組成物は、石膏及びキレート化Alを所定比率で含有するものである。従って、本発明には前記組成を満たす全ての石膏組成物が含まれ、その用途は限定されない。例えば、石膏の化学的反応(水和反応)を利用しない用途で用いられる石膏組成物も本発明の範囲に含まれる。水和反応を利用しない用途で用いられる石膏組成物としては、運動場等で使用する白線用ライン材、肥料等を挙げることができる。
既述のように、本発明に係る石膏組成物は、石膏及びキレート化Alを所定比率で含有するものである。従って、本発明には前記組成を満たす全ての石膏組成物が含まれ、その用途は限定されない。例えば、石膏の化学的反応(水和反応)を利用しない用途で用いられる石膏組成物も本発明の範囲に含まれる。水和反応を利用しない用途で用いられる石膏組成物としては、運動場等で使用する白線用ライン材、肥料等を挙げることができる。
但し、本発明に係る石膏組成物は、石膏の水和反応を利用する用途、具体的には石膏系固化材又は石膏系建材として好適に用いることができる。本発明に係る石膏系固化材は、本発明に係る石膏組成物のうち、特に石膏の一部又は全部が焼石膏であるものを含有することを特徴とするものである。また、本発明に係る石膏系建材は、本発明に係る石膏組成物のうち、特に石膏の一部又は全部が焼石膏であるものに水を加え、成形し、固化させてなることを特徴とするものである。
焼石膏(半水石膏。III型無水石膏も含む。)は、水和反応により容易に二水石膏(CaSO4・2H2O)に変化し、強度の高い固化物を形成する性質がある。従って、本発明に係る石膏組成物のうち、石膏の一部又は全部が焼石膏であるものは、石膏系固化材及び石膏系建材として好適に用いることができる。
本発明に係る石膏系固化材及び石膏系建材は、他の菌の増殖を抑制することなく、硫酸還元菌の増殖を選択的に抑制して、硫化水素の発生を抑制することができる。また、従来の石膏系固化材や石膏系建材と比較して、何ら遜色のない性能(強度、耐火性、遮音性、耐震性等)、施工作業性を有する。
石膏系固化材は、それ自体を固化させるものであってもよいし、他のものと混合して混合物全体を固化させるものであってもよい。それ自体を固化させるものとしては、例えば、石膏プラスター(塗り壁材)、石膏ボード用目地処理材(パテ)等の湿式材料(石膏系湿式塗材)等を挙げることができる。他のものと混合して混合物全体を固化させるものとしては、例えば、建設残土、汚泥、泥土等を固化させるための土壌処理用固化材等(石膏系土壌改良材)を挙げることができる。
石膏系建材としては、天井材、壁材、床材等に使用される石膏板、或いは石膏ブロック等を挙げることができる。前記石膏板としては、例えば、石膏板の表面がボード用原紙により被覆された石膏ボード;石膏板の表面がガラス繊維マット(シート)により被覆されたガラスマット石膏ボード;石膏板の内部(表面から1〜2mm内側)にガラス繊維マット(シート)が埋設された石膏板を含む。また、前記石膏板はその用途を構造用に限定されるものではない。例えば化粧用、吸音用、吸湿用等の機能性を有する石膏板にも適用できる。
[3]本発明の効果:
本発明の石膏組成物、石膏系固化材及び石膏系建材は、これらが硫酸還元菌の存在する環境下に置かれた場合に、他の菌の増殖を抑制することなく、硫酸還元菌の増殖を選択的に抑制して、硫化水素の発生を抑制するという効果を奏する。
本発明の石膏組成物、石膏系固化材及び石膏系建材は、これらが硫酸還元菌の存在する環境下に置かれた場合に、他の菌の増殖を抑制することなく、硫酸還元菌の増殖を選択的に抑制して、硫化水素の発生を抑制するという効果を奏する。
「硫酸還元菌の存在する環境」は、硫酸還元菌の存在が確認可能な限り、特に制限はない。例えば硫酸還元菌が広く分布する一般土壌や下水汚泥等の嫌気環境を挙げることができる。
硫酸還元菌としては、例えば、デスルホビブリオ属(Desulfovibrio;グラム陰性嫌気性桿菌、同らせん菌)、デスルフロモナス属(Desulfuromonas;グラム陰性嫌気性桿菌、同らせん菌)、デスルフィトバクテリウム属(Desulfitobacterium;グラム陰性偏性嫌気性菌)、デスルホトマキュラム属(Desulfotomaculum;グラム陽性内生胞子形成桿菌)等を挙げることができる。
デスルホビブリオ属の細菌の具体例としては、デスルホビブリオ・ブルガリス(Desulfovibrio vulgaris)、デスルホビブリオ・アフリカヌス(Desulfovibrio africanus)、デスルホビブリオ・デスルフリカンス(Desulfovibrio desulfuricans)、デスルホビブリオ・ギガス(Desulfovibrio gigas)等を挙げることができる。デスルホトマキュラム属の細菌の具体例としては、デスルホトマクルム・ルミニス(Desulfotomaculum ruminis)等を挙げることができる。
本発明の石膏組成物等は、前記硫酸還元菌全般、即ちグラム陰性菌に対しても、グラム陽性菌に対しても、古細菌に対しても前記効果を奏する。中でも、中温域(20〜45℃)かつ中性域(pH5〜9)で生息する硫酸還元菌に対して好適に用いることができる。既述のデスルホビブリオ・ブルガリス、デスルホビブリオ・アフリカヌス、デスルホビブリオ・デスルフリカンス、デスルホビブリオ・ギガス、デスルホトマキュラム・ルミニスは、「中温域(20〜45℃)かつ中性域(pH5〜9)で生息する硫酸還元菌」である。
本発明の石膏組成物等は、キレート化Alが硫酸還元機構に作用し、これにより硫酸還元菌の硫酸還元機構が停止し、硫酸還元菌の増殖を選択的に抑制していると考えられる。「選択的」とは、増殖抑制効果が硫酸還元菌に対して特異的であること、即ち、硫酸還元菌に対する増殖抑制効果と比較して、硫酸還元菌以外の菌(他の菌)に対する増殖抑制効果は殆ど無いことを意味する。
「他の菌」の代表例としては、エセルシア・コリ(Escherichia coli;通性嫌気性グラム陰性桿菌、和名:大腸菌)、クロストリジウム・ブチリウム(Clostridium butyricum;グラム陽性内生胞子形成桿菌、和名:酪酸菌)等を挙げることができる。
なお、本発明の効果は、硫酸還元菌の増殖を抑制する点にあり、殺菌や除菌のように直接的に細菌数を減少させることまでは必要としない。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例の構成のみに限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」、「%」は特に断らない限り質量基準である。
[前培養]
参考例、参考比較例、実施例及び比較例においては、代表的な基準株である以下の菌株を用いた。Desulfovibrio vulgariss DSM 644Tについては、ドイツ国の標準菌株保存機関であるDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)から、その他の菌については製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンターから入手した。これらの菌株については分譲機関指定の培地を用いて前培養を行った。前培養期間は約1週間とした。
(1)硫酸還元菌:Desulfovibrio vulgariss DSM 644T
(2)大腸菌:Escherichia coli NBRC 102203T
(3)酪酸菌:Clostridium butyricum NBRC 13949T
参考例、参考比較例、実施例及び比較例においては、代表的な基準株である以下の菌株を用いた。Desulfovibrio vulgariss DSM 644Tについては、ドイツ国の標準菌株保存機関であるDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)から、その他の菌については製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンターから入手した。これらの菌株については分譲機関指定の培地を用いて前培養を行った。前培養期間は約1週間とした。
(1)硫酸還元菌:Desulfovibrio vulgariss DSM 644T
(2)大腸菌:Escherichia coli NBRC 102203T
(3)酪酸菌:Clostridium butyricum NBRC 13949T
[継代培養]
前培養を行った後、菌体のみを回収し、各菌について表1〜表3に示す組成の培地にて継代培養を行った。前記継代培養後、集菌・洗浄した菌体を、実施例及び比較例にて使用した。なお、表中の「脱イオン水/Al水溶液」は、調製したAl水溶液の濃度が0mMの系では脱イオン水を用い、調製したAl水溶液の濃度が2mM、20mMの系では後述するAl溶液を用いたことを示す。
前培養を行った後、菌体のみを回収し、各菌について表1〜表3に示す組成の培地にて継代培養を行った。前記継代培養後、集菌・洗浄した菌体を、実施例及び比較例にて使用した。なお、表中の「脱イオン水/Al水溶液」は、調製したAl水溶液の濃度が0mMの系では脱イオン水を用い、調製したAl水溶液の濃度が2mM、20mMの系では後述するAl溶液を用いたことを示す。
[Al溶液(AlCl3水溶液)の調整]
所定量のAlCl3・6H2Oを蒸留水に添加し、オートクレーブにて加熱溶解した後、KOH水溶液を適量添加して、pHを7.0付近に調整した。これにより、AlCl3の濃度が2mM、20mMの培地添加用AlCl3水溶液を調製した。このAlCl3水溶液を参考比較例1の方法に供した。
所定量のAlCl3・6H2Oを蒸留水に添加し、オートクレーブにて加熱溶解した後、KOH水溶液を適量添加して、pHを7.0付近に調整した。これにより、AlCl3の濃度が2mM、20mMの培地添加用AlCl3水溶液を調製した。このAlCl3水溶液を参考比較例1の方法に供した。
[Al溶液(キレート化Al水溶液)の調整]
所定量のAlCl3・6H2Oを蒸留水に添加し、オートクレーブにて加熱溶解した後、加熱溶解したAlCl3・6H2O水溶液に、前記水溶液中のAlCl3と等モル量のクエン酸、及び水を添加し、1時間撹拌した。その後、KOH水溶液を適量添加して、pHを7.0付近に調整した。これにより、クエン酸・Alキレートの濃度が2mM、20mMの培地添加用キレート化Al水溶液を調製した。このキレート化Al水溶液を参考例1の方法に供した。
所定量のAlCl3・6H2Oを蒸留水に添加し、オートクレーブにて加熱溶解した後、加熱溶解したAlCl3・6H2O水溶液に、前記水溶液中のAlCl3と等モル量のクエン酸、及び水を添加し、1時間撹拌した。その後、KOH水溶液を適量添加して、pHを7.0付近に調整した。これにより、クエン酸・Alキレートの濃度が2mM、20mMの培地添加用キレート化Al水溶液を調製した。このキレート化Al水溶液を参考例1の方法に供した。
加熱溶解したAlCl3・6H2O水溶液に、前記水溶液中のAlCl3と等モル量のシュウ酸、及び水を添加することを除いては、参考例1と同様にして、シュウ酸・Alキレートの濃度が2mM、20mMの培地添加用キレート化Al水溶液を調製した。このキレート化Al水溶液を参考例2の方法に供した。
加熱溶解したAlCl3・6H2O水溶液に、前記水溶液中のAlCl3と等モル量のEDTA、及び水を添加することを除いては、参考例1と同様にして、EDTA・Alキレートの濃度が2mM、20mMの培地添加用キレート化Al水溶液を調製した。このキレート化Al水溶液を参考例3の方法に供した。
[Al添加培地の調製]
前記のように調製したAlCl3水溶液またはキレート化Al水溶液に、予めオートクレーブで滅菌処理した表1〜表3に記載の培地の成分を、表1〜表3に記載の組成比となるように添加し、Al添加培地を調製した。このAl添加培地を水酸化カリウムと塩酸を適量添加して、表1〜表3に記載のpHに調整して用いた。
前記のように調製したAlCl3水溶液またはキレート化Al水溶液に、予めオートクレーブで滅菌処理した表1〜表3に記載の培地の成分を、表1〜表3に記載の組成比となるように添加し、Al添加培地を調製した。このAl添加培地を水酸化カリウムと塩酸を適量添加して、表1〜表3に記載のpHに調整して用いた。
[培養]
滅菌済み100ml(公称)バイアル瓶に、前記Al添加培地100mlと二水石膏0.15gを投入し、バイアル瓶中に脱酸素した窒素ガスを一定時間吹き込むことによって、バイアル瓶内を嫌気状態とした。次いで、前記培地に、菌体濃度が106個となるように、継代培養した各菌体(硫酸還元菌、大腸菌、酪酸菌)を植菌した。その後、ブチルゴム栓およびアルミシールによりバイアル瓶を密封し、37℃のインキュベータ内で振盪培養を行った。振盪培養は、水酸化物が沈殿しない程度の振盪回数(110回/分)で行った。培養液からは、1日ごとにサンプルを抜き取り、評価に使用した。
滅菌済み100ml(公称)バイアル瓶に、前記Al添加培地100mlと二水石膏0.15gを投入し、バイアル瓶中に脱酸素した窒素ガスを一定時間吹き込むことによって、バイアル瓶内を嫌気状態とした。次いで、前記培地に、菌体濃度が106個となるように、継代培養した各菌体(硫酸還元菌、大腸菌、酪酸菌)を植菌した。その後、ブチルゴム栓およびアルミシールによりバイアル瓶を密封し、37℃のインキュベータ内で振盪培養を行った。振盪培養は、水酸化物が沈殿しない程度の振盪回数(110回/分)で行った。培養液からは、1日ごとにサンプルを抜き取り、評価に使用した。
なお、比較参考例1、参考例1〜3においては、AlCl3水溶液またはキレート化Alを添加していない培地に二水石膏を添加し、嫌気状態にした後に継代培養した菌体を植菌したものについても同様の試験を行い、対照データとした。
[評価方法(タンパク量測定)]
バイアル瓶から培地1mlを採取し、培地成分を取り除き、滅菌蒸留水1mlに懸濁させた。その懸濁液から超音波破砕機によってタンパクを抽出し、BCA法(ビシンコニン酸法)によりタンパク量を測定した。このタンパク量により各菌体に対する増殖抑制効果(制菌効果)を評価した。
バイアル瓶から培地1mlを採取し、培地成分を取り除き、滅菌蒸留水1mlに懸濁させた。その懸濁液から超音波破砕機によってタンパクを抽出し、BCA法(ビシンコニン酸法)によりタンパク量を測定した。このタンパク量により各菌体に対する増殖抑制効果(制菌効果)を評価した。
[評価結果]
参考例1の方法(クエン酸・Alキレートの添加)について、硫酸還元菌に対する制菌効果を表したグラフを図1に、大腸菌に対する制菌効果を表したグラフを図2に、酪酸菌に対する制菌効果を表したグラフを図3に示す。また、参考比較例1の方法(AlCl3の添加)について、硫酸還元菌に対する制菌効果を表したグラフを図4に、大腸菌に対する制菌効果を表したグラフを図5に、酪酸菌に対する制菌効果を表したグラフを図6に示す。これらのグラフにおいて、横軸は経過時間(単位:時間)を示し、縦軸はタンパク量(単位:mg/L)の対数値を示す。
参考例1の方法(クエン酸・Alキレートの添加)について、硫酸還元菌に対する制菌効果を表したグラフを図1に、大腸菌に対する制菌効果を表したグラフを図2に、酪酸菌に対する制菌効果を表したグラフを図3に示す。また、参考比較例1の方法(AlCl3の添加)について、硫酸還元菌に対する制菌効果を表したグラフを図4に、大腸菌に対する制菌効果を表したグラフを図5に、酪酸菌に対する制菌効果を表したグラフを図6に示す。これらのグラフにおいて、横軸は経過時間(単位:時間)を示し、縦軸はタンパク量(単位:mg/L)の対数値を示す。
参考比較例1の方法(AlCl3の添加)によれば、図4〜図6に示すように、硫酸還元菌、大腸菌、酪酸菌の全ての培養液においてタンパク量の増加が抑制された。即ち、参考比較例1の方法によれば、硫酸還元菌の増殖が抑制されるのみならず、大腸菌や酪酸菌の増殖も抑制された。
また、参考例1の方法(クエン酸・Alキレートの添加)によれば、図1に示すように、硫酸還元菌の培養液においてはタンパク量の増加が抑制された。即ち、硫酸還元菌の増殖が抑制された。
一方、図2及び図3に示すように、大腸菌、酪酸菌の培養液においては、Alキレートを添加しても、不添加の場合と同様にタンパク量が増加した。即ち、大腸菌および酪酸菌の増殖は抑制されておらず、参考例1の方法については、選択的な制菌効果が認められた。なお、グラフには示さなかったが、参考例2の方法(Al・シュウ酸キレートの添加)及び参考例3の方法(Al・EDTAキレートの添加)についても、参考例1と同様の選択的制菌効果が認められた。
[石膏組成物の調製]
表4に記載の組成を有する石膏組成物を調製した(実施例1〜5、比較例1及び2)。石膏としては、廃石膏を粉砕し焼成して得られた焼石膏を、Al3+源としては、AlCl3を、キレート剤としては、クエン酸を用いた。
表4に記載の組成を有する石膏組成物を調製した(実施例1〜5、比較例1及び2)。石膏としては、廃石膏を粉砕し焼成して得られた焼石膏を、Al3+源としては、AlCl3を、キレート剤としては、クエン酸を用いた。
滅菌済み100ml(公称)バイアル瓶に、表1に記載の培地100mlと、実施例1〜5、比較例1及び2のいずれかの石膏組成物2gを投入した。更に、水酸化カルシウム水溶液を適量添加してpHを6.5に調整した。このpH調製は、培養液が酸性側に振れて菌が生息できない環境になることを防止するために行ったものである。
次いで、バイアル瓶中に脱酸素した窒素ガスを一定時間吹き込むことによって、バイアル瓶内を嫌気状態とした。更に、前記培地に、菌体濃度が106個となるように、継代培養した硫酸還元菌を植菌した。その後、ブチルゴム栓およびアルミシールによりバイアル瓶を密封し、37℃のインキュベータ内で100時間、振盪培養を行った。振盪培養は、水酸化物が沈殿しない程度の振盪回数(110回/分)で行った。なお、前記培養条件は、硫化水素を発生させるために行った非常に硫化水素が発生しやすい環境条件であり、決して土壌改質現場や不法投棄等の現場を再現したものではないことを付言しておく。
[評価方法(タンパク量測定)]
バイアル瓶から培地1mlを採取し、培地成分を取り除き、滅菌蒸留水1mlに懸濁させた。その懸濁液から超音波破砕機によってタンパクを抽出し、BCA法(ビシンコニン酸法)によりタンパク量を測定した。このタンパク量により各菌体に対する増殖抑制効果(制菌効果)を評価した。その結果を表5に示す。
バイアル瓶から培地1mlを採取し、培地成分を取り除き、滅菌蒸留水1mlに懸濁させた。その懸濁液から超音波破砕機によってタンパクを抽出し、BCA法(ビシンコニン酸法)によりタンパク量を測定した。このタンパク量により各菌体に対する増殖抑制効果(制菌効果)を評価した。その結果を表5に示す。
[評価方法(硫化水素発生量)]
バイアル瓶から採取した培養液を孔径0.22μmのメンブレンフィルターで濾過し、蒸留水によって適宜希釈してHPLC(高速液体クロマトグラフィー)により硫化水素発生量を測定した。HPLCとしては、ポンプ、カラムオーブン、陰イオン分析カラム、UV検出器からなる東ソー社製のHPLCシステムを使用した。その結果を表5に示す。
バイアル瓶から採取した培養液を孔径0.22μmのメンブレンフィルターで濾過し、蒸留水によって適宜希釈してHPLC(高速液体クロマトグラフィー)により硫化水素発生量を測定した。HPLCとしては、ポンプ、カラムオーブン、陰イオン分析カラム、UV検出器からなる東ソー社製のHPLCシステムを使用した。その結果を表5に示す。
実施例1〜5の石膏組成物は、比較例1の石膏組成物(AlCl3及びAlキレート不添加)と比較して、硫化水素発生量、タンパク量とも顕著に減少しており、硫酸還元菌の増殖が抑制された。なお、硫化水素発生量が0にならなかったのは、培養液中に若干溶解している硫化水素が検出されたためと考えられる。即ち、実施例2〜5の石膏組成物(Alキレート0.2〜20質量部)は十分なレベルで硫化水素の発生を抑制することができており、特に実施例3〜5の石膏組成物(Alキレート2〜20質量部)はほぼ完全に硫化水素の発生を抑制することができた。
また、実施例4の石膏組成物のデータから、Alキレートは10質量部も添加すれば十分に硫化水素の発生を抑制することができると考えられる。従って、製造コストの面を考慮すれば、実施例1〜4の石膏組成物(Alキレート0.02〜10質量部)が好ましいと言え、硫化水素の発生をほぼ完全に抑制することができ、しかも低コストで製造し得るという点で、実施例2又は3の石膏組成物(Alキレート0.2〜2質量部)が更に好ましいと言える。
一方、比較例2の石膏組成物(Alキレート0.002質量部)は、比較例1の石膏組成物(AlCl3及びAlキレート不添加)と比較すると、硫化水素発生量、タンパク量とも減少しており、硫酸還元菌の増殖が抑制されていると認められた。しかし、その効果は不十分なものであった。
なお、実施例1〜5の石膏組成物を、含水比率40%の泥土1m3に対して100kg添加後、十分に混練して固化処理を行った結果、処理物はいずれも固化されており、ハンドリングに耐え得る十分な強度を有するものであった。また、そのいずれもが、環境への影響のない中性と判断される範囲であることを確認した。
また、実施例1〜5の石膏組成物は、粉粒状で水と反応して硬化するJIS A6904に記載のせっこうプラスター、JIS A6914に記載の石膏ボード用目地処理材、又は水を加え、板状に成形し、固化させたJIS A6901に記載の石膏ボード製品等を製造した際に、製造ラインで何らの問題を引き起こすこともなかった。
更に、実施例1〜5の石膏組成物は、前記せっこうプラスター、石膏ボード用目地処理材、石膏ボード製品等の性能や施工作業性に何らの悪影響を及ぼさないことも確認した。さらに、実施例1〜5の石膏組成物を原料として製造された石膏ボードや石膏プラスターをサンプルとして、同様の試験を実施したところ、従来のものと比較して硫化水素の発生が明らかに抑制された。
本発明に係る石膏組成物は、硫化水素の発生を抑制可能な石膏組成物、石膏系固化材及び石膏系建材として好適に用いることができる。より具体的には、白線用ライン材、肥料、石膏プラスター(塗り壁材)、石膏ボード用目地処理材(パテ)、建設残土、汚泥、泥土等を固化させるための土壌処理用固化材等の石膏系固化材、瓦礫剥離剤として利用することができる。また、天井材、壁材、床材等の石膏板(石膏ボードを含む。)、或いは石膏ブロック、構造用石膏板、化粧用、吸音用、吸湿用等の機能性を有する石膏板等の石膏系建材として利用することができる。
Claims (7)
- 石膏(A)と、キレート化Al(B)とを含有し、
前記石膏(A)100質量部に対し、前記キレート化Al(B)を0.01〜20質量部の範囲で含有していることを特徴とする石膏組成物。 - 前記キレート化Al(B)の代わりに、Al3+源(b−1)及びキレート剤(b−2)を含有している請求項1に記載の石膏組成物。
- 前記Al3+源(b−1)が、Al2O3、AlCl3、Al(OH)3及びAl2(SO4)3からなる群より選択される少なくとも一種のAl化合物である請求項2に記載の石膏組成物。
- 前記石膏の一部又は全部が、廃石膏である請求項1〜3の何れか一項に記載の石膏組成物。
- 前記石膏の一部又は全部が、焼石膏である請求項1〜4の何れか一項に記載の石膏組成物。
- 請求項5に記載の石膏組成物を含有することを特徴とする石膏系固化材。
- 請求項5に記載の石膏組成物に水を加え、成形し、固化させてなることを特徴とする石膏系建材。
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