JP2014036010A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】過充電時の耐性と高い電池性能(例えば、優れたサイクル特性や入出力特性)とを兼ね備えた、信頼性の高い非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】本発明に係る非水電解液二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)は、正極と負極とを有する電極体と、非水電解液と、を電池ケース内に収容した構成である。上記電池ケースは、該電池ケースの内圧上昇時に作動する電流遮断機構を備えている。また、上記電極体の空隙の体積(V)に対する上記非水電解液の体積(V)の比(V/V)は、1.5≦V/V≦1.71(好ましくは1.55≦V/V≦1.65)である。
【選択図】図6

Description

本発明は、非水電解液二次電池に関する。詳しくは、電池内圧の上昇によって作動する電流遮断機構を備えた非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池その他の二次電池は、既存の電池に比べ、小型、軽量かつ高エネルギー密度であって、出力密度に優れる。このため近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として好ましく用いられている。
車両駆動用電源等に用いられる非水電解液二次電池では、性能向上の一環として、更なるサイクル特性の向上が検討されている。これに係る技術として、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1には、正極と負極とセパレータにおける空隙の合計体積に対して、注入する非水電解液の体積を0.9〜1.6倍に設定することで、電解液の枯渇等を抑制し得、サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を実現し得る旨が記載されている。
特開2010−113804号公報
ところで、このような非水電解液二次電池は一般に電圧が所定の領域(例えば3.0V〜4.2V)に収まるよう制御された状態で使用されるが、誤操作等により電池に通常以上の電流が供給されると、所定の電圧を超えて過充電状態となる場合がある。そこで、かかる過充電に対処するため、電池ケース内の圧力が所定値以上になると充電電流を遮断する電流遮断機構(CID:Current Interrupt Device)を備えた密閉構造の電池が提案されている。一般に、電池が過充電状態になると電解液の非水溶媒等が電気分解され、ガスが発生する。上記電流遮断機構は、このガスを検知して電池の充電経路を切断することで、それ以上の過充電を防止し得るようになっている。
しかしながら、本発明者の検討によれば、このような電流遮断機構を備えた電池では製造工程(典型的にはエージング処理)で非水電解液が分解しガスが発生した場合、出荷時に電池ケース内の圧力(電池内圧)が高くなり、それによって電流遮断機構の誤作動等を生じる虞があった。本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池内圧の上昇によって作動する電流遮断機構を備えた非水電解液二次電池であって、過充電時の耐性と高い電池性能(例えば、優れたサイクル特性)とを兼ね備えた非水電解液二次電池を提供することである。
本発明により提供される非水電解液二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)は、正極と負極とを有する電極体と、非水電解液と、を電池ケース内に収容した構成である。上記電池ケースは、該電池ケースの内圧上昇時に作動する電流遮断機構を備えている。また、上記電極体の空隙の体積(V)に対する上記非水電解液の体積(V)の比(V/V)は、1.5≦V/V≦1.71(例えば1.55≦V/V≦1.71、好ましくは1.55≦V/V≦1.7、より好ましくは1.55≦V/V≦1.65)である。
上記比の値が1.5≦V/Vを満たす非水電解液二次電池では、製造工程で非水電解液の分解によって生じたガス(例えば炭酸ガスや水素ガス)を好適に非水電解液中に吸収させることができる。したがって、電池の出荷時における電池内圧を低減することができ、電流遮断機構の誤作動や電池ケースの変形等の不具合を抑制することができる。また、過充電時には、非水電解液が分解して多くのガスを発生し、電流遮断機構を迅速に作動させることができる。さらに、液枯れが生じ難く、高い電池性能(例えばサイクル特性)をも実現し得る。加えて、V/V≦1.71を満たす非水電解液二次電池では、非水電解液に含まれる支持塩が偏在化することを抑制し得、高い電池性能(例えば入出力特性)を実現し得る。このように、本発明によれば過充電時の耐性と電池性能(サイクル特性や入出力特性)とを高いレベルで両立し得る電池を提供することができる。
ここで「非水電解液の体積(V)」は、電解液の質量W(g)を真密度ρ(g/cm)で除すこと(V=W/ρ)で、求めることができる。「真密度ρ」は、重量を実体積で除した値であり、例えば定容積膨張法(気体置換型ピクノメータ法)等の一般的な密度測定法によって測定することができる。また「電極体の空隙の体積(V)」は、正極の空隙の体積(V)と、負極の空隙の体積(V)と、セパレータの空隙の体積(V)と、の総和(V=V+V+V)で求めることができる。
上記V、VおよびVは、例えば、見かけの体積から各構成材料の合計体積を差し引くことによって求めることができる。より具体的には、例えば、それぞれ下記(1)〜(3)の式により求めることができる。
(1)正極の空隙の体積(V)=正極の見かけの体積−{(正極活物質の重量/正極活物質の真密度)+(正極用バインダの重量/正極用バインダの真密度)+(正極用導電材の重量/正極用導電材の真密度)+(正極集電体の重量/正極集電体の真密度)}
(2)負極の空隙の体積(V)=負極の見かけの体積−{(負極活物質の重量/負極活物質の真密度)+(負極用バインダの重量/負極用バインダの真密度)+(負極用増粘剤の重量/負極用増粘剤の真密度)+(負極集電体の重量/負極集電体の真密度)}
(3)セパレータの空隙の体積(V)=セパレータの見かけの体積−{Σ(多孔質シート材料の重量/多孔質シート材料の真密度)+(耐熱層用無機フィラーの重量/耐熱層用無機フィラーの真密度)+(耐熱層用バインダの重量/耐熱層用バインダの真密度)}
上記「見かけの体積」は、平面視での面積S(cm)と厚みT(cm)との積によって算出することができる。また「平面視での面積S」は、例えば、正極シートのサンプルを打ち抜き機やカッターなどで正方形や長方形に切り出すことにより得ることができる。「厚みT」は、例えばマイクロメータや厚み計(例えばロータリーキャリパー計)等により計測することができる。また、上記「真密度ρ」は、一般的な定容積膨張法(気体置換型ピクノメータ法)等の密度測定装置によって測定することができる。
なお、本明細書において「非水電解液二次電池」とは常温(例えば25℃)において液状を呈する非水電解液(典型的には、非水溶媒中に支持塩を含む電解液)を備えた電池をいう。また、「リチウムイオン二次電池」とは、支持塩としてリチウムイオンを利用し、正負極間のリチウムイオンの移動により充放電が実現される二次電池をいう。
ここで開示される好適な一態様では、上記非水電解液は、所定の電池電圧を超えた際に分解してガスを発生し得るガス発生剤を含んでいる。ガス発生剤は、電池が過充電状態になると正極において速やかに酸化分解され、典型的には水素イオン(H)を生じる。そして、該水素イオンが非水電解液中に拡散して負極で還元されることによって水素ガス(H)が発生する。これにより電池ケース内の圧力が迅速に上昇するため、より早い段階で電流遮断機構を作動させることができる。かかるガス発生剤の好適例としては、シクロアルキルベンゼン化合物、ビフェニル化合物、アルキルビフェニル化合物等が挙げられる。これらの化合物は共役系をとりやすく、電子授受が容易である。このため過充電時において大量のガスを迅速に発生させることができる。また、ガス発生剤はあまりに大量に添加すると電池の抵抗成分ともなり得るため、かかる添加量は、上記非水電解液100質量部に対し0.5質量部〜5質量部(例えば0.5質量部〜4質量部)とすることが好ましい。
本発明の他の側面として、非水電解液二次電池を製造する方法が提供される。かかる製造方法は、以下の工程を包含する。
(S1)正極と負極とを有する電極体を、内圧上昇時に作動する電流遮断機構を備えた電池ケース内に収容すること。
(S2)上記電池ケース内に、体積基準で、上記電極体が有する空隙の1.5倍〜1.71倍の非水電解液を注入すること。
(S3)上記電極体に対して、所定の充電電圧まで充電処理を行うこと。
(S4)上記充電処理後に、40℃〜85℃の温度域で少なくとも10時間以上保持すること。
注入する非水電解液の体積を電極体が有する空隙の1.5倍以上とすることで、電池が過充電状態になった際に非水電解液が好適に分解し、電流遮断機構を迅速に作動させることができる。さらに、かかる電池では液枯れが生じ難く、高性能(例えばサイクル特性)を実現し得る。また、注入する非水電解液の体積を電極体が有する空隙の1.71倍以下とすることで、電池の内部抵抗を低減し得、高性能(例えば入出力特性)を実現し得る。さらに、室温以上の温度(典型的には40℃〜85℃、例えば50℃〜80℃)で比較的長時間保持することにより、製造工程で生じたガス(例えば炭酸ガスや水素ガス)が好適に非水電解液中に溶解(吸収)され得る。したがって、出荷時における電池内圧を低減することができ、電流遮断機構の誤作動や電池ケースの変形等の不具合が発生することを抑制し得る。このように、ここで開示される製造方法によれば、過充電時の耐性と電池性能(サイクル特性や入出力特性)とを高いレベルで両立し得る非水電解液二次電池を提供することができる。
上述の通り、ここで開示される非水電解液二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)は、電池性能を良好に保ちつつ、且つ過充電時には高い信頼性を発揮し得る。例えば、充放電を繰り返しても容量低下が少なく、且つ過充電時には大量ガスを発生させて電流遮断機構を適切に作動することができる。したがって、かかる特徴を活かして、例えばハイブリッド車両、電気車両の動力源(駆動電源)として好適に利用し得る。
一実施形態に係る非水電解液二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図1の非水電解液二次電池のII−II線断面図である。 一実施形態に係る、非水電解液二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 非水電解液の注入量(cm)に対する、電池ケース内の残空間の割合(体積%)と、電池ケース内の圧力(MPa)と、を示すグラフである。 サイクル特性試験における1サイクルの充放電パターンを示す図である。 Va/Vbに対する、電池ケース内の圧力(MPa)と、サイクル特性試験の劣化サイクル数と、を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る電池を搭載した車両(自動車)を示す側面図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
特に限定することを意図したものではないが、以下では本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池の概略構成として、扁平に捲回された電極体(捲回電極体)と非水電解液とを扁平な直方体形状(箱型)の容器に収容した形態の非水電解液二次電池を例として本発明を詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池の概略構成を図1〜図3に示す。図2に示すように、非水電解液二次電池100は、長尺状の正極シート10と長尺状の負極シート20とが長尺状のセパレータシート40を介して扁平に捲回された形態の電極体(捲回電極体)80が、図示しない非水電解液とともに、該捲回電極体80を収容し得る形状(扁平な箱型)の電池ケース50に収容された構成を有する。
≪電池ケース≫
図1および図2に示すように、電池ケース50は、上端が開放された扁平な直方体状の電池ケース本体52と、その開口部を塞ぐ蓋体54とを備える。電池ケース50の上面(すなわち蓋体54)には、電池ケース内部で発生したガスをケースの外部に排出するための安全弁55が備えられている。蓋体54にはまた、捲回電極体80の正極10と電気的に接続する正極端子70と、該電極体80の負極20と電気的に接続する負極端子72と、が設けられている。電池ケース50の材質としては、例えば、アルミニウム、スチール等の金属材料;ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料;が挙げられる。なかでも、放熱性向上やエネルギー密度を高める目的から、比較的軽量な金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金)を好ましく採用し得る。また、該ケースの形状(容器の外形)は、例えば、円形(円筒形、コイン形、ボタン形)、六面体形(直方体形、立方体形)、袋体形、およびそれらを加工し変形させた形状等であり得る。
≪電流遮断機構≫
図2に示すように、電池ケース50の内部には、電池ケースの内圧上昇により作動する電流遮断機構30が設けられている。電流遮断機構30は、電池ケース50の内圧が上昇した場合に、少なくとも一方の電極端子から電極体80に至る導電経路を切断することで充電電流を遮断し得るように構成されている。この実施形態では、電流遮断機構30は、蓋体54に固定した正極端子70と電極体80との間に設けられ、電池ケース50の内圧が上昇した場合に正極端子70から電極体80に至る導電経路を切断するように構成されている。
上記電流遮断機構30は、例えば導通部材を含み得る。この実施形態では、導通部材は、第一部材32と第二部材34とを備えている。そして、電池ケース50の内圧が上昇した場合に第一部材32および第二部材34の少なくとも一方(ここでは第一部材32)が変形して他方から離隔することにより上記導電経路を切断するように構成されている。この実施形態では、第一部材32は変形金属板32であり、第二部材34は上記変形金属板32に接合された接続金属板34である。変形金属板(第一部材)32は、中央部分が下方へ湾曲したアーチ形状を有し、その周縁部分が集電リード端子35を介して正極端子70の下面と接続されている。また、変形金属板32の湾曲部分33の先端が接続金属板34の上面と接合されている。接続金属板34の下面(裏面)には正極集電板74が接合され、かかる正極集電板74が電極体80の正極シート10に接続されている。このようにして、正極端子70から電極体80に至る導電経路が形成されている。
また、電流遮断機構30は、プラスチック等により形成された絶縁ケース38を備えている。絶縁ケース38は、変形金属板32を囲むように設けられ、変形金属板32の上面を気密に密閉している。この気密に密閉された湾曲部分33の上面には、電池ケース50の内圧が作用しない。また、絶縁ケース38は、変形金属板32の湾曲部分33を嵌入する開口部を有しており、該開口部から湾曲部分33の下面を電池ケース50の内部に露出させている。この電池ケース50の内部に露出した湾曲部分33の下面には、電池ケース50の内圧が作用する。
かかる構成の電流遮断機構30において、電池ケース50の内圧が高まると、該内圧が変形金属板32の湾曲部分33の下面に作用し、下方へ湾曲した湾曲部分33が上方へ押し上げられる。この湾曲部分33の上方への押し上げ力は、電池ケース50の内圧が上昇するに従い増大する。そして、電池ケース50の内圧が設定圧力を超えると、湾曲部分33が上下反転し、上方へ湾曲するように変形する。かかる湾曲部分33の変形によって、変形金属板32と接続金属板34との接合点36が切断される。このことにより、正極端子70から電極体80に至る導電経路が切断され、充電電流が遮断されるようになっている。
なお、この実施形態では、内圧上昇時に変形する導通部材が、第一部材32と第二部材34とに分けて構成されている場合を例示したが、これに限定されない。例えば、導通部材が1つの部材であってもよい。また、電流遮断機構30は正極端子70側に限らず、負極端子72側に設けてもよい。さらに、電流遮断機構30は、上述した変形金属板32の変形を伴う機械的な切断に限定されず、例えば電池ケース50の内圧をセンサで検知し、該センサで検知した内圧が設定圧力を超えると充電電流を遮断するような外部回路を電流遮断機構として設けることもできる。
電池ケース50の内部には、扁平形状の捲回電極体80が図示しない非水電解液とともに収容される。本実施形態に係る捲回電極体80の構成は、図3に示すように、捲回電極体80を組み立てる前段階において長尺状(帯状)のシート構造(シート状電極体)を有している。捲回電極体80は、長尺状の正極集電体12の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層14が形成された正極シート10と、長尺状の負極集電体22の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層24が形成された負極シート20とを、長尺状のセパレータシート40とともに重ね合わせて長尺方向に捲回し、かかる捲回電極体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって作製し得る。
≪正極シート10≫
図3に示すように、正極シート10は、正極集電体12と該正極集電体上に形成された少なくとも正極活物質を含む正極活物質層14とを備えている。このような正極シート10は、正極活物質と必要に応じて用いられる導電材やバインダ(結着剤)等とを適当な溶媒に分散させたペースト状またはスラリー状の組成物(正極活物質スラリー)を、長尺状の金属箔からなる正極集電体12に付与し、該組成物を乾燥させることにより好ましく作製することができる。正極集電体12には、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性部材が好適に使用され得る。また、上記溶媒としては水性溶媒および有機溶媒のいずれも使用可能であり、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることができる。
<正極活物質>
正極活物質としては、従来から非水電解液二次電池に用いられる物質の1種または2種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、リチウムと少なくとも1種の遷移金属元素とを構成金属元素として含む、層状構造やスピネル構造等のリチウム遷移金属化合物;ポリアニオン型(例えばオリビン型)のリチウム遷移金属化合物;等を用いることができる。なかでも、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/3)を主成分とする正極活物質(典型的には、実質的にリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物からなる正極活物質)は、熱安定性に優れ、高エネルギー密度を実現し得ることから好ましく用いることができる。
ここで、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物とは、Li,Ni,CoおよびMnのみを構成金属元素とする酸化物のほか、Li,Ni,CoおよびMn以外に他の少なくとも1種の金属元素(すなわち、Li,Ni,CoおよびMn以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)を含む酸化物をも包含する意味である。かかる金属元素は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、鉄(Fe)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pb)、白金(Pt)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ランタン(La)、セリウム(Ce)のうちの1種または2種以上の元素であり得る。このようなリチウム遷移金属酸化物(典型的には粒子状)としては、例えば、従来公知の方法で調製されるリチウム遷移金属酸化物粉末をそのまま使用することができる。例えば、平均粒径が20μm以下(典型的には0.1μm〜20μm、例えば0.5μm〜15μm、好ましくは1μm〜10μm)の範囲にある二次粒子によって実質的に構成されたリチウム遷移金属酸化物粉末を正極活物質として好ましく用いることができる。
<導電材>
該導電材としては、例えば炭素材料を用いることができる。より具体的には、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック)、コークス、活性炭、黒鉛、炭素繊維(PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維)、カーボンナノチューブ等の炭素材料から選択される、1種または2種以上であり得る。なかでも、比較的粒径が小さく比表面積が大きいカーボンブラック(典型的には、アセチレンブラック)を好ましく用いることができる。あるいは、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いることもできる。
<バインダ>
バインダとしては、使用する溶媒に溶解または分散可能なポリマーを用いることができる。例えば、水性溶媒を用いた正極合剤組成物においては、カルボキシメチルセルロース(CMC;典型的にはナトリウム塩)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類;を好ましく採用することができる。また、非水溶媒を用いた正極合剤組成物においては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)等を好ましく採用することができる。
正極活物質層全体に占める正極活物質の割合は、凡そ50質量%以上(典型的には50質量%〜95質量%)とすることが適当であり、通常は凡そ70質量%〜95質量%であることが好ましい。導電材を使用する場合、正極活物質層全体に占める導電材の割合は、例えば凡そ2質量%〜20質量%とすることができ、通常は凡そ2質量%〜15質量%とすることが好ましい。バインダを使用する場合、正極活物質層全体に占めるバインダの割合は、例えば凡そ0.5質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。
正極集電体12の単位面積当たりに設けられる正極活物質層14の質量(この実施形態のように正極集電体12の両面に正極活物質層14を有する構成では両面の合計質量。)は、例えば5mg/cm〜40mg/cm(典型的には10mg/cm〜30mg/cm)程度とすることが適当である。正極集電体12の各々の面に設けられる正極活物質層14の質量は、通常、概ね同程度とすることが好ましい。また、正極活物質スラリーの乾燥後、適当なプレス処理(例えば、ロールプレス法、平板プレス法等の従来公知の各種プレス方法を採用することができる。)を施すことによって、正極活物質層14の厚みや密度、空隙率を調整することができる。正極活物質層14の密度は、例えば1.5g/cm〜4g/cm(典型的には2g/cm〜3g/cm)程度とすることができる。また、正極活物質層14の空隙率は、例えば5体積%〜40体積%(好ましくは20体積%〜40体積%)程度とすることができる。上記範囲とすることで、所望の容量を維持しつつ、リチウムイオンの拡散抵抗を低く抑えることができる。このため、非水電解液二次電池の入出力特性とエネルギー密度とを高いレベルで両立させることができる。
≪負極シート20≫
図3に示すように、負極シート20は、負極集電体22と該負極集電体上に形成された少なくとも負極活物質を含む負極活物質層24とを備えている。このような負極シート20は、負極活物質と必要に応じて用いられるバインダ(結着剤)等とを適当な溶媒に分散させたペースト状またはスラリー状の組成物(負極活物質スラリー)を長尺状の金属箔からなる負極集電体22に付与し、該組成物を乾燥させて負極活物質層24を形成することにより好ましく作製することができる。負極集電体22には、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性材料が好適に使用され得る。上記溶媒としては、水性溶媒および有機溶媒のいずれも使用可能であり、例えば水を用いることができる。
<負極活物質>
負極活物質としては、従来から非水電解液二次電池に用いられる物質の1種または2種以上の材料を特に限定することなく使用することができる。特に限定されるものではないが、例えば、天然黒鉛(石墨)、人造黒鉛、ハードカーボン(難黒鉛化炭素)、ソフトカーボン(易黒鉛化炭素)、カーボンナノチューブ等の炭素材料;酸化ケイ素、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ニオブ、酸化錫、リチウムケイ素複合酸化物、リチウムチタン複合酸化物(Lithium Titanium Composite Oxide:LTO、例えばLiTi12、LiTi、LiTi)、リチウムバナジウム複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム錫複合酸化物等の金属酸化物材料;窒化リチウム、リチウムコバルト複合窒化物、リチウムニッケル複合窒化物等の金属窒化物材料;スズ、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、リチウム等の金属もしくはこれらの金属元素を主体とする金属合金からなる金属材料;等を用いることができる。なかでも特に、還元電位(vs.Li/Li)が凡そ0.5V以下、より好ましくは0.2V以下(例えば0.1V以下)の負極活物質は、高いエネルギー密度を実現し得るため、好ましい。かかる低電位となり得る材料としては、黒鉛系の炭素材料(典型的にはグラファイト粒子)が挙げられる。負極活物質の形状は、通常、平均粒径0.5μm〜20μm(典型的には1μm〜15μm、例えば4μm〜10μm)程度の粒子状であることが好ましい。
バインダとしては、上記正極活物質層用のバインダとして例示したポリマー材料から適当なものを選択することができる。具体的には、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が例示される。その他、分散剤や導電材等の各種添加剤を適宜使用することもできる。
負極活物質層全体に占める負極活物質の割合は、凡そ50質量%以上とすることが適当であり、好ましくは90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%)である。バインダを使用する場合には、負極活物質層全体に占めるバインダの割合を例えば凡そ1質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1質量%〜5質量%とすることが適当である。
負極集電体22の単位面積当たりに設けられる負極活物質層24の質量(この実施形態のように負極集電体22の両面に負極活物質層24を有する構成では両面の合計質量)は、例えば5mg/cm〜20mg/cm(典型的には10mg/cm〜15mg/cm)程度とすることが適当である。負極集電体22の各々の面に設けられる負極活物質層24の質量は、通常、概ね同程度とすることが好ましい。また、負極活物質スラリーの乾燥後、適当なプレス処理(例えば、ロールプレス法、平板プレス法等の従来公知の各種プレス方法を採用することができる。)を施すことによって、負極活物質層24の厚みや密度、空隙率を調整することができる。負極活物質層の密度は、例えば0.5g/cm〜2g/cm(典型的には1g/cm〜1.5g/cm)程度とすることができる。また、負極活物質層24の空隙率は、例えば5体積%〜50体積%(好ましくは35体積%〜50体積%)程度とすることができる。負極活物質層の密度を上記範囲とすることで、非水電解液との界面を好適に保ち、サイクル特性と入出力特性とを高いレベルで両立させることができる。
≪セパレータシート40≫
正負極シート10、20間に配置されるセパレータシート40としては、一般的な非水電解液二次電池のセパレータと同様の各種多孔質シート等を用いることができる。好適例として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔質樹脂シート(フィルム、不織布等)が挙げられる。かかる多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複数構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。多孔性樹脂シートの厚さは、例えば10μm〜40μm程度であることが好ましい。気孔率(空隙率)は20体積%〜90体積%(典型的には30体積%〜80体積%、好ましくは40体積%〜60体積%)程度のものを好ましく採用し得る。なお、本明細書において「気孔率」とは、上記測定によって得られる気孔容積(cm)を見かけの体積(cm)で除して、100を掛けることにより算出した値をいう。
また、上記多孔質シートの片面または両面(典型的には片面)に、多孔質の耐熱層を備えた耐熱性セパレータであってもよい。この耐熱層は、例えば、無機フィラーとバインダとを含む層であり得る。例えば、アルミナ、ベーマイト(組成式Al・HOで示されるアルミナ一水和物)、シリカ、チタニア、カルシア、マグネシア、ジルコニア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の無機フィラーを好ましく採用し得る。無機フィラーの性状としては、粒状、繊維状、フレーク状等の粉末状が好ましい。無機フィラー粉末の平均粒径は、例えば0.05μm〜2μm(典型的には0.1μm〜2μm、好ましくは0.4μm〜0.7μm)程度であり得る。あるいは、平均粒径0.5μm〜5μmのフレーク状(板状)の無機フィラーを用いてもよい。
≪捲回電極体80≫
上記正極シート10と負極シート20とをセパレータシート40を介して対向させ、積層して、図3に示すような捲回電極体80を作製する。このとき、正極シート10の正極活物質層非形成部と負極シート20の負極活物質層非形成部とがセパレータシート40の幅方向の両側からそれぞれはみ出すように、正極シート10と負極シート20とを幅方向にややずらして重ね合わせる。このように重ね合わせた積層体を捲回することにより捲回体を形成し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平状の捲回電極体80を作製し得る。
捲回電極体80の捲回軸方向における中央部分には、捲回コア部分(すなわち正極シート10の正極活物質層14と負極シート20の負極活物質層24とセパレータシート40とが密に積層された部分)が形成される。また、捲回電極体80の捲回軸方向の両端部では、正極シート10および負極シート20の電極活物質層非形成部の一部がそれぞれ捲回コア部分から外方にはみ出ている。かかる正極側はみ出し部分および負極側はみ出し部分には、正極集電板74(図2)および負極集電板76(図2)がそれぞれ付設されており、上述の正極端子70および負極端子72とそれぞれ電気的に接続される。
電極体の空隙の体積(V)、すなわち正極の空隙の体積(V)と負極の空隙の体積(V)とセパレータの空隙の体積(V)との総和(V=V+V+V)は、構築する電池の大きさ等に因るため特に限定されないが、例えば10cm〜500cm(典型的には20cm〜200cm、好ましくは50cm〜100cm)程度であり得る。
特に限定するものではないが、上記正極活物質の単位質量当たりの理論容量(mAh/g)と該正極活物質の質量(g)との積で算出される正極容量(C(mAh))と、上記負極活物質の単位質量当たりの理論容量(mAh/g)と該負極活物質の質量(g)との積で算出される負極容量(C(mAh))との比(C/C)は、通常1.0〜2.0とすることが適当であり、1.2〜1.9(例えば1.7〜1.9)とすることが好ましい。対向する正極容量と負極容量の割合は、電池容量(または不可逆容量)やエネルギー密度に直接的に影響し、電池の使用条件等(例えば急速充電)によってはリチウムの析出を招き易くなる。対向する正負極の容量比を上記範囲とすることで、電池容量やエネルギー密度等の電池性能を良好に維持しつつ、リチウムの析出を好適に抑制することができる。
≪非水電解液≫
非水電解液は、非水溶媒中に支持塩を溶解または分散させたものを用いる。非水電解液は常温(例えば25℃)で液状を呈し、電池の使用環境下(例えば0℃〜60℃の温度環境下)で液状を呈することがより好ましい。
支持塩としては、一般的な非水電解液二次電池と同様のものを、適宜選択して使用することができる。例えば、リチウムイオン二次電池で用いられるリチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、Li(CFSON、LiCFSO等が例示される。このような支持塩は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。特に好ましい支持塩としてLiPFが挙げられる。また、非水電解液は上記支持塩の濃度が0.7mol/L〜1.3mol/Lの範囲内となるように調製することが好ましい。
非水溶媒としては、一般的な非水電解液二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ビニレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が例示される。なお、上記カーボネート類とは、環状カーボネートおよび鎖状カーボネートを包含する意味であり、上記エーテル類とは、環状エーテルおよび鎖状エーテルを包含する意味である。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
好ましい一態様として、カーボネート類を主体とする非水溶媒が挙げられる。電解液としてかかる非水溶媒を含む場合、後述するセルの充電処理において負極活物質表面に良質な被膜を形成し得るため、好ましい。なかでも比誘電率の高いECや、酸化電位が高い(電位窓の広い)DMCやEMC等を好適に用いることができる。例えば、非水溶媒として1種または2種以上のカーボネート類を含み、それらカーボネート類の合計体積が非水溶媒全体の体積の60体積%以上(より好ましくは75体積%以上、さらに好ましくは90体積%以上であり、実質的に100体積%であってもよい。)を占める非水溶媒を好ましく用いることができる。
ここで開示される非水電解液二次電池において、電池ケース内の電解液の量は、上記電極体が有する空隙の1.5倍〜1.71倍(体積基準)である。換言すれば、電極体の空隙の体積(V)に対する非水電解液の体積(V)の比(V/V)は、1.5≦V/V≦1.71(典型的には1.55≦V/V≦1.71、例えば1.55≦V/V≦1.7、好ましくは1.55<V/V<1.7、より好ましくは1.55<V/V≦1.65、特に好ましくは1.55<V/V<1.65)である。1.5>V/Vの場合、製造工程(典型的にはエージング処理)で発生したガスの量が、非水電解液の吸収し得るガスの量を上回り、セル出荷時の電池内圧が上昇する場合がある。他方、V/V>1.71の場合、余剰の非水電解液によって支持塩の偏在化が生じ、入出力特性が悪化する場合がある。1.5≦V/V≦1.71の範囲を満たす場合、過充電時の耐性と電池性能(例えば、優れたサイクル特性や入出力特性)とを高いレベルで両立し得る非水電解液二次電池を実現し得る。
特に限定されるものではないが、電池ケースの体積から上記電極体と上記非水電解液との合計体積を除した残空間の体積は、該電池ケース100体積%に対して20体積%以下(例えば5体積%〜20体積%、典型的には10体積%〜20体積%)とすることができる。かかる場合、電池内圧を好適に低減することができる。
≪ガス発生剤≫
好ましい他の一態様では、上記非水電解液は、所定の電池電圧を超えた際に分解してガスを発生し得る添加剤(ガス発生剤)を含んでいる。ガス発生剤としては、所定の電池電圧を超えた際に分解してガスを発生し得る化合物(すなわち、酸化電位(vs.Li/Li+)が正極の充電上限電位以上であって、かかる電位を超えて過充電状態となった場合に分解してガスを発生し得るような化合物)であれば、同様の用途で用いられているもののなかから1種または2種以上を特に限定することなく使用することができる。具体的には、ビフェニル化合物、アルキルビフェニル化合物、シクロアルキルベンゼン化合物、アルキルベンゼン化合物、有機リン化合物、フッ素原子置換芳香族化合物、カーボネート化合物、環状カルバメート化合物、脂環式炭化水素等の芳香族化合物が挙げられる。
より具体的な化合物(および該化合物の有する酸化電位(vs.Li/Li+))としては、ビフェニル(4.5V)、シクロヘキシルベンゼン(4.6V)、1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン(4.8V)、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン(4.8V)、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン(4.8V)、1−ブロモ−4−シクロヘキシルベンゼン(4.8V)、trans−ブチルシクロヘキシルベンゼン(4.6V)、シクロペンチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン(4.9V)、tert−ペンチルベンゼン(4.8V)、1−フルオロ−4−tert−ブチルベンゼン(4.9V)、1−クロロ−4−tert−ブチルベンゼン(4.9V)、1−ブロモ−4−tert−ブチルベンゼン(4.9V)、tert−ペンチルベンゼン(4.8V)、1−フルオロ−4−tert−ペンチルベンゼン(4.8V)、1−クロロ−4−tert−ペンチルベンゼン(4.8V)、1−ブロモ−4−tert−ペンチルベンゼン(4.8V)、tert−アミノベンゼン、ターフェニル、2−フルオロビフェニル、3−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン、tris−(t−ブチルフェニル)ホスフェート(4.8V)、フェニルフルオライド(4.9V)、4−フルオロフェニルアセテート(4.7V)、ジフェニルカーボネート(4.9V)、メチルフェニルカーボネート(4.8V)、ビスターシャリーブチルフェニルカーボネート(4.7V)、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等が例示される。
例えば、正極の充電上限電位(vs.Li/Li+)が凡そ4.0〜4.3V程度に設定される電池では、ビフェニルやシクロヘキシルベンゼンを好ましく採用し得る。これらのガス発生剤は酸化電位が(vs.Li/Li+)が凡そ4.5〜4.6Vと比較的低いため、過充電の初期段階で酸化分解を生じ、速やかにガスを発生させ得る。また、かかる化合物は共役系をとりやすく電子授受が容易であるため、過充電時に多量の水素ガスを発生させ得る。したがって、電流遮断機構をより迅速且つ的確に作動させることができ、電池の信頼性を一層高めることができる。
ガス発生剤の非水電解液中の濃度は特に限定されないが、過充電防止機構を作動させるのに十分なガス量を確保する観点からは、上記非水電解液100質量部に対して、凡そ0.1質量部以上が適当であり、好ましくは0.5質量部以上である。ただし、ガス発生剤は電池反応の抵抗成分となり得るため、過剰に添加した場合、入出力特性が低下する虞がある。かかる観点からは、該ガス発生剤の量を凡そ5質量部以下、好ましくは4質量部以下に抑えることが適当である。例えば0.1質量部〜5質量部(典型的には0.5質量部〜5質量部)が適当であり、0.1質量部〜4質量部(特には0.5質量部〜4質量部)が好適である。
上記作製した捲回電極体80を電池ケース本体52に収容し(S1)、上記電池ケース内に所定量の非水電解液を注入し(S2)、電池ケース本体52の開口部を蓋体54との溶接等により封止することにより、本実施形態に係る非水電解液二次電池100の構築(組み立て)が完成する。なお、ここで開示される製造方法において、電池ケース内に注入する電解液の量は、上記捲回電極体80が有する空隙の1.5倍〜1.71倍(体積基準)である。
電池ケース本体52の封止プロセスや電解液の配置(注液)プロセスは、従来のリチウムイオン電池の製造で行われている手法と同様にして行うことができる。構築された電池には、典型的には、所定の条件で充電処理(コンディショニング処理)が施される。好ましい一態様では、上記充電処理を行った後、電池性能の安定化等を目的として、所定の条件下で電池を保持(放置)するエージング処理が施される。また、必要に応じてさらにガス抜きや品質検査等の工程を行ってもよい。
<コンディショニング処理>
コンディショニング処理では、上記電極体に対して所定の充電電圧まで充電処理を行う(S3)。この充電処理によって非水電解液(典型的には該非水電解液中の非水溶媒)が分解され、該非水溶媒の由来の被膜が活物質の表面に形成され得る。これにより活物質と非水電解液との界面が安定化され、それ以後の充放電における非水電解液(典型的には非水溶媒)の分解を好適に抑制することができる。
充電処理における正負極端子間の電圧(典型的には最高到達電圧)は、該電池の上限電圧を大きく上回らない程度に設定することが好ましい。かかる電圧は、使用する電極材料(活物質)や非水電解液(非水溶媒)等によっても異なるが、例えば上限電圧を4.1Vとする電池では2V〜4.5V(典型的には3.5V〜4.2V)に調整することが適当である。電圧を調整する際は、充電開始から正負極端子間電圧が所定値に到達するまで定電流で充電する定電流充電(CC充電)により行ってもよく、あるいは充電開始から正負極端子間電圧が所定値に到達するまで定電流で充電し、さらに定電圧で所定時間充電する定電流定電圧充電(CCCV充電)により行ってもよい。通常は、CCCV充電方式を好ましく採用し得る。CC充電時(CCCV充電方式におけるCC充電時であり得る。)の充電レートは特に限定されず、例えば1/50C〜5C(1Cは、1時間で満充放電可能な電流の値)程度とすることができる。通常は、上記充電レートを1/30C〜2C程度(例えば1/20C〜1C)程度とすることが適当である。充電レートが低すぎると、処理効率が低下しがちである。また、充電レートが高すぎると、正極活物質が劣化したり、形成される皮膜の均質性が低下したり、該皮膜の還元分解防止性能が低下傾向となったりすることがあり得る。
<エージング処理>
好ましい一態様では、上記充電状態を保ったまま所定の時間保持する(S4)。かかる保持時間は、保持する環境条件(例えば温度条件)や電池の構成材料等によっても変化し得るため特に限定されないが、例えば5時間〜300時間とすることができ、典型的には10時間〜200時間、好ましくは20時間〜150時間である。保持時間が短すぎると上記非水溶媒の分解によって発生したガス(例えば炭酸ガス)を非水電解液中に十分に溶解(吸収)しきれず、出荷時の電池内圧が高い状態となり得る。また、活物質表面の被膜の形成が不十分または不均質となって、非水電解液の分解防止効果が低下し易くなることがあり得る。一方、保持時間が長すぎると作業効率が低下したり、条件によっては充放電(電荷の吸蔵および放出)に伴う抵抗が上昇し易くなったりすることがあり得る。上記範囲とすることで、電流遮断機構の誤作動等が抑制され、過充電時の信頼性と電池性能(サイクル特性や入出力特性)とを高いレベルで両立し得る電池を実現することができる。
かかる充電状態での保持は、室温より高温の環境(例えば40℃以上、典型的には40℃〜85℃、好ましくは50℃〜80℃、より好ましくは60℃〜80℃)で行うこともできる。高温環境下でエージング処理(保持)を行うことによって、比較的短時間で活物質の表面にムラなく被膜を形成することができるため、作業性やコストの観点から好ましい。また、上記温度条件を85℃以下とすることで、保持の途中で正極活物質に含まれる遷移金属元素の一部が溶出することを抑制し得る。
なお、上記コンディショニング処理やエージング処理は一回でもよく、例えば二回以上繰り返し行うこともできる。さらに、電池性能に大きな悪影響を与えない範囲内で、その他の操作(例えば、拘束等による圧力の負荷や超音波の照射)を併用することもできる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
(例1)
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3粉末(平均粒径:1.5μm)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)とを、これらの材料の質量比が91:6:3となり、且つ固形分濃度が約70質量%となるようにN−メチルピロリドン(NMP)と混合して、正極活物質層形成用のスラリー状組成物(正極活物質スラリー)を調製した。この正極活物質スラリーを、厚み凡そ15μmの長尺状アルミニウム箔(正極集電体)の両面に、目付量が(両面で)27mg/cm(固形分基準)となるように帯状に塗布して乾燥することにより、正極集電体の両面に正極活物質層が設けられた正極シートを作製した。これをロールプレスして、厚み110μm、正極活物質層の空隙率を30%、電極密度を2.8g/cmに調整した。
次に、負極活物質としての天然黒鉛粉末(平均粒径:5μm、比表面積:3m/g)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの材料の質量比が98:1:1となり、且つ固形分濃度が約45質量%となるようにイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用のスラリー状組成物(負極活物質スラリー)を調製した。この負極活物質スラリーを、厚み凡そ10μmの長尺状銅箔(負極集電体)の両面に、目付量が(両面で)14mg/cm(固形分基準)となるように帯状に塗布して乾燥することにより、負極集電体の両面に負極活物質層が設けられた負極シートを作製した。これをロールプレスして、厚み125μm、負極活物質層の空隙率を42%、電極密度を1.3g/cmに調整した。
そして、上記作製した正極シートおよび負極シートを2枚のセパレータシート(ここでは、ポリエチレン(PE)の両面にポリプロピレン(PP)が積層された三層構造であって、厚み20μm、気孔率48体積%のものを用いた。)を介して対面に配置し捲回した後、その捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって、扁平形状の捲回電極体を作製した。そして、電池ケースの蓋体に正極端子および負極端子を取り付け、これらの端子を電極体の端部において露出した正極集電体(正極活物質層の未塗工部)および負極集電体(負極活物質層の未塗工部)にそれぞれ溶接した。また、正極端子と捲回電極体との間には、図2に示すような電流遮断機構を設置した。このようにして蓋体と連結された電極体を、該電池ケースの開口部からその内部に収容し、開口部と蓋体を溶接した。
次に、蓋体に設けられた電解液注入孔から非水電解液(ここでは、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させた非水電解液を用いた。)を125g(すなわち上記電極体が有する空隙の1.3倍(体積基準)の非水電解液)を注入した。なお、この非水電解液の密度は1.23g/cmだった。そして、上記電池ケース内に、さらにシクロヘキシルベンゼン(CHB)とビフェニル(BP)とを、上記非水電解液100質量部に対して、それぞれ約2質量部となるよう注入した後、電池ケースの開口部を気密に封口した。このようにして、本例に係る非水電解液二次電池を構築した。
(例2)
上記非水電解液の注入量を、135g(すなわち上記電極体が有する空隙の1.4倍(体積基準))としたこと以外は例1と同様にして、本例に係る非水電解液二次電池を得た。
(例3)
上記非水電解液の注入量を、145g(すなわち上記電極体が有する空隙の1.5倍(体積基準))としたこと以外は例1と同様にして、本例に係る非水電解液二次電池を得た。
(例4)
上記非水電解液の注入量を、155g(すなわち上記電極体が有する空隙の1.61倍(体積基準))としたこと以外は例1と同様にして、本例に係る非水電解液二次電池を得た。
(例5)
上記非水電解液の注入量を、165g(すなわち上記電極体が有する空隙の1.71倍(体積基準))としたこと以外は例1と同様にして、本例に係る非水電解液二次電池を得た。
(例6)
上記非水電解液の注入量を、175g(すなわち上記電極体が有する空隙の1.81倍(体積基準))としたこと以外は例1と同様にして、本例に係る非水電解液二次電池を得た。
例1〜例6の非水電解液二次電池の構成を表1に纏める。
Figure 2014036010
<高温エージング処理>
上記構築した電池のそれぞれに対し、室温(約25℃)下において、0.3Cの定電流で4.1VまでCC充電した後、同電圧で合計時間が2時間になるまでCV充電を行い、電池電圧を調整した。内圧センサを取り付けた後、かかる充電状態を保持したまま60℃の恒温槽内で20時間の高温エージング処理を行った。エージング処理後の各電池を恒温槽から取り出して室温(25℃)まで冷却した後、電池ケース内に含まれるガスを定量し、かかる値を用いて電池内圧の算出を行った。より具体的には、測定されたガスの体積(cm)を電池ケース内の残空間体積(cm)で除した値に、0.1013(MPa)を掛けることによって、電池内圧(MPa)を算出した。例えば、例1の場合は、{ガス体積19.3(cm)/残空間体積78.4(cm)}×0.1013(MPa)によって、電池内圧(MPa)を算出した。結果を表2の「電池内圧」の欄および図4,6に示す。
Figure 2014036010
表2および図4,6に示すように、Va/Vbが大きくなるほど(すなわち、非水電解液の量が増加するほど)電池内圧は減少する傾向にあった。非水電解液量を増加させると電池ケース内の残空間の体積(すなわち、電池ケースの体積から電極体と非水電解液との合計体積を除した空間)が減少することから、当初、電池内圧は非水電解液の量が増加するほど電池内圧が高い値を示すことが予想された。しかし実際は、図4に示すように、非水電解液の量が増加するほど電池内圧は減少した。これは、非水電解液のガス吸収効果によるものと考えられる。
<サイクル特性試験>
上記高温エージング処理後の各電池について、先ず初期抵抗を測定した。即ち、25℃の温度条件下、1C(5A)でSOC60%の充電状態に調整した後、25℃の温度条件下、1C(5A)で10秒間の定電流放電を行い、このときの電流(I)−電圧(V)のプロット値の一次近似直線の傾きから初期抵抗値を求めた。
次に、上記初期抵抗測定後の各電池について、図5に示す充放電パターンを1サイクルとして、充放電サイクルを繰り返した。図5中の(1)、(2)の詳細を下記に示す。
(1)15C(200A)の定電流で10秒間充電(CC充電)し、5秒間休止する。
(2)15C(200A)の定電流で10秒間放電(CC放電)し、5秒間休止する。
そして、300サイクル毎に上記初期抵抗と同様の手法でIV抵抗値を測定した。IV抵抗値が上記初期抵抗値の1.5倍となった場合に、電池が劣化したものと判断し、その地点のサイクル数を「劣化サイクル」とした。結果を表2の「劣化サイクル」の欄および図6に示す。
表2および図6に示すように、劣化サイクル数はVa/Vbが大きくなるほど(すなわち、非水電解液の量が増加するほど)低下する傾向にあり、非水電解液の量が165gを超えると急激に低下することが判明した。
以上の結果から、1.5≦V/Vを満たす電池では、製造工程で生じたガスを好適に非水電解液中に吸収させることができ、電池内圧を低減し得ることが示された。また、かかる電池では液枯れが生じ難く、高性能(例えばサイクル特性)を実現し得ることが示された。加えて、V/V≦1.71を満たす電池では、非水電解液に含まれる支持塩が偏在化することを抑制し、高い電池性能(例えば入出力特性)を実現し得ることが示された。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
ここで開示される技術により提供される非水電解液二次電池は、上記のように出荷時の電池内圧が低減され、且つ優れた電池性能を示し得ることから、各種用途向けとして好適に利用可能である。例えば、自動車等の車両に搭載されるモータ(電動機)用電源として好適に使用し得る。したがって、ここで開示される技術によると、図7に模式的に示すように、かかる非水電解液二次電池(組電池の形態であり得る。)100を電源として備える車両1(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車、原動機付自転車、電動アシスト自転車、電動車いす等)が提供され得る。なお、かかる非水電解液二次電池は、それらの複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態で使用されてもよい。
1 自動車(車両)
10 正極シート(正極)
12 正極集電体
14 正極活物質層
20 負極シート(負極)
22 負極集電体
24 負極活物質層
30 電流遮断機構
32 変形金属板(導通部材;第一部材)
33 湾曲部分
34 接続金属板(導通部材;第二部材)
35 集電リード端子
36 接合点
38 絶縁ケース
40 セパレータシート(セパレータ)
50 電池ケース
52 電池ケース本体
54 蓋体
70 正極端子
72 負極端子
74 正極集電板
76 負極集電板
80 捲回電極体
100 非水電解液二次電池

Claims (9)

  1. 正極と負極とを有する電極体と、非水電解液と、を電池ケース内に収容した非水電解液二次電池であって、
    前記電池ケースは、該電池ケースの内圧上昇時に作動する電流遮断機構を備え、
    ここで、前記電極体の空隙の体積(V)に対する前記非水電解液の体積(V)の比(V/V)は、1.5≦V/V≦1.71である、非水電解液二次電池。
  2. 前記電極体の空隙の体積(V)に対する前記非水電解液の体積(V)の比(V/V)は、1.55≦V/V≦1.65である、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記非水電解液は、所定の電池電圧を超えた際に分解してガスを発生し得るガス発生剤を含む、請求項1または2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 前記ガス発生剤として、シクロアルキルベンゼン化合物、ビフェニル化合物、およびアルキルビフェニル化合物から選択される1種または2種以上を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池。
  5. 前記ガス発生剤の量は、前記非水電解液100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下である、請求項3または4に記載の非水電解液二次電池。
  6. 非水電解液二次電池を製造する方法であって:
    正極と負極とを有する電極体を、内圧上昇時に作動する電流遮断機構を備えた電池ケース内に収容すること;
    前記電池ケース内に、体積基準で、前記電極体が有する空隙の1.5倍以上1.71倍以下の非水電解液を注入すること;
    前記電極体に対して、所定の充電電圧まで充電処理を行うこと;および
    前記充電処理後に、40℃以上85℃以下の温度域で少なくとも10時間以上保持すること;
    を包含する、非水電解液二次電池の製造方法。
  7. 前記非水電解液に、所定の電池電圧を超えた際に分解してガスを発生し得るガス発生剤を含ませる、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記ガス発生剤として少なくとも、シクロアルキルベンゼン化合物、ビフェニル化合物、およびアルキルビフェニル化合物から選択される1種または2種以上を用いる、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記ガス発生剤は、前記非水電解液100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下となるよう添加する、請求項7または8に記載の製造方法。
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