JP2014034508A - 炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】支持シャフトの熱膨張などによらずに、成長結晶の成長量を正確に把握することが可能SiC単結晶の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】台座9の上に例えば高融点金属炭化物にて構成される台座マーカ9aを設ける。これにより、X線観察時に台座マーカ9aを基準点として、基準点からSiC単結晶20の成長表面までの距離を算出することで、SiC単結晶20の成長量を算出できる。したがって、従来と比較して、SiC単結晶20の成長量をより正確に把握することが可能となる。そして、このようにSiC単結晶20の成長量を正確に把握しながら、SiC単結晶20を成長させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)単結晶で構成される種結晶に対して原料ガスを供給することでSiC単結晶の製造を行うSiC単結晶の製造装置および製造方法に関するものである。
従来より、SiC単結晶製造装置として、例えば特許文献1に示される構造のSiC単結晶製造装置が提案されている。この従来のSiC単結晶製造装置では、SiC単結晶の成長結晶と同じ高さにおいて、円筒形状の真空容器の周囲の所定の場所にX線発生源を配置すると共に、真空容器を挟んでX線発生源と反対側にX線カメラを配置している。つまりX線発生源とX線カメラとが成長結晶を挟んで対向する向きで水平に設置されるようにしており、X線発生源からX線照射を行うと共にX線カメラで透過してきたX線を撮影することで、成長結晶の表面位置を測り、成長量を算出している。
特開2006−89365号公報
しかしながら、上記した特許文献1に示されるSiC単結晶製造装置では、SiC単結晶を成長させるための種結晶が配置される台座の支持シャフトの温度変化に伴う熱膨張により、成長量を正確に算出できないという問題が発生する。この問題について以下に説明する。
X線画像によって台座の先端位置から成長結晶の表面までの距離を正確に測ることができれば、成長結晶の成長量を正確に把握できる。ところが、X線画像では黒鉛などで構成される台座や支持シャフトおよびSiC単結晶が薄い陰で映るため、X線画像だけでは成長量を正確に把握することが困難である。このため、支持シャフトの長さや台座の厚みなどとX線画像とから成長結晶の成長量を算出している。
支持シャフトは、台座を挟んで種結晶の反対側に延設された部材であり、この支持シャフトの長さや支持シャフトを通じての台座および種結晶の引き上げ量を把握できる。そして、支持シャフトの長さおよび引き上げ量が分かれば、SiC単結晶製造装置内に配置される坩堝上部からの支持シャフトの先端位置、つまり台座の先端位置が分かる。このため、X線画像の濃淡で把握できるSiC単結晶の表面位置と台座の先端位置の差から種結晶の厚み分を差し引くことで、成長結晶の成長量を算出することが可能となる。
しかし、支持シャフトの長さが温度変化に伴う熱膨張により、初期時の長さから変化してしまうと、それによって台座の先端位置が変わってしまう。このため、支持シャフトの長さを正確に把握できなくなり、成長結晶の成長量を正確に算出することができなくなるのである。
本発明は上記点に鑑みて、支持シャフトの熱膨張などによらずに、成長結晶の成長量を正確に把握することが可能なSiC単結晶の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1ないし9に記載の発明では、台座(9)を挟んで水平方向において対向する位置に配置されたX線発生源(14)およびX線カメラ(15)と、台座もしくは支持シャフト(11a)における台座との連結部のうち、種結晶(5)が設置される表面から所定距離の位置に配置され、X線透過率が台座と異なる材質で構成された台座マーカ(9a)と、を備えていることを特徴としている。
このように、台座マーカを設けるようにしている。このため、X線観察時に台座マーカを基準点として、基準点からSiC単結晶(20)の成長表面までの距離を算出することで、SiC単結晶の成長量を算出できる。したがって、従来と比較して、SiC単結晶の成長量をより正確に把握することが可能なSiC単結晶製造装置とすることができる。
具体的には、請求項10に記載したように、X線発生源からSiC単結晶および台座に向けてX線照射を行うと共に、SiC単結晶および台座を通過してきたX線をX線カメラにて撮影し、X線画像に映し出される台座マーカからSiC単結晶の成長表面までの距離に基づいて、SiC単結晶の成長量を算出することができる。これにより、SiC単結晶の成長量を正確に検出しながら、SiC単結晶を成長させることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面図である。 図1に示すSiC単結晶製造装置1における台座9の近傍の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1における台座9の近傍の拡大断面図である。 他の実施形態で説明するSiC単結晶製造装置1における台座9の近傍の拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1に示すように、SiC単結晶製造装置1は、底部に備えられた流入口2を通じて原料ガス供給源3からの原料ガス3aを供給すると共に、上部の流出口4を通じて原料ガス3aのうちの未反応ガスを排出する。そして、SiC単結晶製造装置1は、装置内に配置したSiC単結晶基板からなる種結晶5上にSiC単結晶20を成長させることにより、SiC単結晶20のインゴットを形成する。
SiC単結晶製造装置1には、原料ガス供給源3、真空容器6、第1断熱材7、加熱容器8、台座9、第2断熱材10、回転引上機構11、第1、第2加熱装置12、13、X線発生源14およびX線カメラ15が備えられている。
原料ガス供給源3は、キャリアガスと共にSiおよびCを含有するSiCの原料ガス3a(例えば、シラン等のシラン系ガスとプロパン等の炭化水素系ガスの混合ガス)を流入口2より供給する。
真空容器6は、石英ガラスなどで構成され、中空円筒状を為しており、キャリアガスや原料ガス3aの導入導出が行え、かつ、SiC単結晶製造装置1の他の構成要素を収容すると共に、その収容している内部空間の圧力を真空引きすることにより減圧できる構造とされている。この真空容器6の底部に原料ガス3aの流入口2が設けられ、上部(具体的には側壁の上方位置)に原料ガス3aの流出口4が設けられている。
第1断熱材7は、円筒形状を為しており、真空容器6に対して同軸的に配置され、中空部により原料ガス導入管7aを構成している。第1断熱材7は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にて覆った黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしてある。
加熱容器8は、坩堝に相当する部材であり、中空形状で構成され、種結晶5の表面にSiC単結晶20を成長させる反応室を構成している。加熱容器8は、例えば黒鉛や表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物にて覆った黒鉛などで構成されることで、熱エッチングが抑制できるようにしてある。本実施形態の場合、加熱容器8の内壁面に沿って高融点金属炭化物円筒部材8aを配置することで、加熱容器8の内壁面を覆った構造としてある。ただし、X線発生源14からX線カメラ15に向かって照射されるX線の照射経路中においては高融点金属炭化物円筒部材8aに透過窓8bを形成してあり、高融点金属炭化物円筒部材8aがX線の照射の妨げにならないようにしてある。この加熱容器8は、台座9を囲むように、台座9に対して原料ガス3aの流動方向の上流側より下流側まで配置されている。この加熱容器8により、流入口2から供給された原料ガス3aを種結晶5に導くまでに、原料ガス3aに含まれたパーティクルを排除しつつ、原料ガス3aを分解している。
具体的には、加熱容器8は、中空円筒状部材を有した構造とされ、本実施形態の場合は底部にリング状部材8cが組み合わされることで有底円筒状部材とされている。加熱容器8の底部を構成するリング状部材8cには、第1断熱材7の原料ガス導入管7aと連通させられるガス導入口8dが備えられ、第1断熱材7の原料ガス導入管7aを通過してきた原料ガス3aがガス導入口8dを通じて加熱容器8内に導入される。
また、加熱容器8の中空円筒状部分には、反応室を構成する内壁表面よりも内部に埋め込まれるように坩堝マーカ8eが備えられている。このように坩堝マーカ8eを加熱容器8の内部に埋め込むことで、熱エッチングを抑制することが可能となる。例えば、坩堝マーカ8eは、2000℃以上の融点を有する材料で構成され、かつ、加熱容器8の構成材料、つまり黒鉛よりもX線の透過率が低い材質で構成される。特に、坩堝マーカ8eを高融点金属炭化物によって構成すると、熱エッチングをより確実に防げるため好ましい。
坩堝マーカ8eは、加熱容器8の中空円筒状部分のうちX線発生源14からX線カメラ15に向かって照射されるX線照射経路中に備えられている。本実施形態では、中空円筒状部分の同じ高さの位置の1周全域に坩堝マーカ8eを形成してリング状としてあり、一周全域においてSiC単結晶20の成長方向と同方向における坩堝マーカ8eの寸法を一定寸法としている。
台座9は、図1および図2に示す拡大図に示されるように、加熱容器8の中心軸と同軸的に配置された板状部材で構成されている。例えば、台座9は、黒鉛にて構成されている。この台座9に、種結晶5が貼り付けられ、種結晶5の表面にSiC単結晶20を成長させる。台座9は、成長させたい種結晶5の形状と対応する形状、例えば円盤形状で構成されている。
また、台座9の上面、つまり種結晶5が配置される面と反対側の面は、回転引上機構11に備えられたパイプ状の支持シャフト11aに連結されている。この台座9の上面に台座マーカ9aが配置されている。台座9のうち種結晶5が設置される表面から台座9の上面までの距離は所定距離とされ、台座9の厚み分とされている。このため、台座マーカ9aが設置された位置は、台座9のうち種結晶5が設置される表面から所定距離の位置とされている。
具体的には、台座9の上面のうち支持シャフト11aの内側に台座マーカ9aを配置してある。このように、台座マーカ9aが台座9および支持シャフト11aにて囲まれた空間内に配置してあるため、熱エッチングを抑制することが可能となる。例えば、台座マーカ9aは、2000℃以上の融点を有する材料で構成され、かつ、台座9の構成材料、つまり黒鉛よりもX線の透過率が低い材質で構成される。例えば、台座マーカ9aを高融点金属炭化物によって構成することができ、このように高融点金属炭化物によって台座マーカ9aを構成した場合、熱エッチングをより確実に防げるため好ましい。
台座マーカ9aもX線発生源14からX線カメラ15に向かって照射されるX線照射経路中に位置している。本実施形態の場合、台座マーカ9aをリング状部材にて構成しており、SiC単結晶20の成長方向と同方向における台座マーカ9aの幅を一定幅とし、台座マーカ9aの軸方向端面が水平に合わせられている。また、台座マーカ9aには、SiC単結晶20の成長方向と同方向を幅方向とする一定幅の溝9bを有した構成とされている。
第2断熱材10は、加熱容器8や台座9の外周を囲む外周断熱材を構成する。本実施形態では、第2断熱材10は、円筒形状で構成されており、例えば黒鉛で構成されている。第2断熱材10についても、表面をTaC(炭化タンタル)やNbC(炭化ニオブ)などの高融点金属炭化物で覆った黒鉛によって構成することで、熱エッチングを抑制できる構成とすることも可能である。ただし、この場合にもX線発生源14からX線カメラ15に向かって照射されるX線を遮蔽しないように、高融点金属炭化物に透過窓が形成されるようにする必要がある。
回転引上機構11は、パイプ状の支持シャフト11aを介して台座9の回転および引上げを行う。支持シャフト11aは、一端が台座9のうちの種結晶5の貼付面と反対側の面に接続されており、他端が回転引上機構11の本体に接続されている。この支持シャフト11aも、例えば黒鉛で構成される。このような構成により、支持シャフト11aと共に台座9、種結晶5およびSiC単結晶20の回転および引き上げが行え、SiC単結晶20の成長面が所望の温度分布となるようにしつつ、SiC単結晶20の成長に伴って、その成長表面の温度を常に成長に適した温度に調整できる。
第1、第2加熱装置12、13は、加熱コイル(誘導加熱用コイルや直接加熱用コイル)によって構成され、真空容器6の周囲を囲むように配置されている。本実施形態の場合、第1、第2加熱装置12、13を誘導加熱用コイルによって構成している。これら第1、第2加熱装置12、13は、それぞれ独立して温度制御できるように構成されており、第1加熱装置12は、加熱容器8の下方と対応した位置に配置され、第2加熱装置13は、台座9と対応した位置に配置されている。したがって、第1加熱装置12によって加熱容器8の下方部分の温度を制御することができ、第2加熱装置13によって台座9や種結晶5およびSiC単結晶20の周囲の温度を制御することができる。これら第1、第2加熱装置12、13の配置場所は、X線発生源14からX線カメラ15に照射されるX線を遮蔽しないように設定されており、第1、第2加熱装置13の間からX線照射が行えるようにしてある。
X線発生源14は、真空容器6の周囲においてSiC単結晶20と同じ高さで配置され、SiC単結晶20に向かってX線照射を行う。X線照射は、ある程度広範囲に行われ、SiC単結晶20の成長表面、坩堝マーカ8eおよび台座マーカ9aが含まれる範囲となるように行われる。X線発生源14は、独立して上下に動かすことが可能であり、X線照射の角度も微調整できるようになっている。
X線カメラ15は、坩堝を構成する反応容器8や真空容器6を挟んでX線発生源14と反対側においてSiC単結晶20と同じ高さで配置され、X線発生源14が照射したX線を撮影する。このX線カメラ15が撮影したX線画像を図示しないマイクロコンピュータなどの成長量算出手段に取り込み、取り込んだX線画像に基づいてSiC単結晶20の成長量を算出している。X線カメラ15についても、独立して上下に動かすことが可能となっている。
このような構造により、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1が構成されている。続いて、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1を用いたSiC単結晶20の製造方法について説明する。
まず、台座9に種結晶5を取り付け、加熱容器8内に設置する。そして、第1、第2加熱装置12、13を制御し、所望の温度分布を付ける。すなわち、種結晶5の表面において原料ガス3aが再結晶化されることでSiC単結晶20が成長しつつ、加熱容器8内において再結晶化レートよりも昇華レートの方が高くなる温度となるようにする。
また、真空容器6を所望圧力にしつつ、必要に応じてArやHeなどの不活性ガスによるキャリアガスやH2やHClなどのエッチングガスを導入しながら原料ガス導入管7aを通じて原料ガス3aを導入する。これにより、原料ガス3aが図1中の矢印で示したように流動し、種結晶5に供給されてSiC単結晶20が成長させられる。そして、回転引上機構11によって支持シャフト11aを介して台座9や種結晶5およびSiC単結晶20を回転させつつ、SiC単結晶20の成長レートに合せて引上げる。これにより、SiC単結晶20の成長表面の高さがほぼ一定に保たれ、成長表面温度の温度分布を制御性良く制御することが可能となるため、結晶性良くSiC単結晶20を成長させることが可能となる。
このとき、必要に応じてX線観察を行うことでSiC単結晶20の成長量を算出する。具体的には、X線発生源14よりX線照射を行い、それをX線カメラ15で撮影し、図示しないマイクロコンピュータに取り込み、そのX線画像を映し出す。そして、このX線画像の濃淡に基づいてSiC単結晶20の成長量を算出する。
台座マーカ9aは、台座9を構成する黒鉛やSiC単結晶20および種結晶5を構成するSiCよりもX線の透過率が低いため、X線画像では台座9やSiC単結晶20および種結晶5よりも濃く映る。このため、SiC単結晶20の成長表面は、種結晶5などと共にX線画像では薄く映るが、台座マーカ9aとの濃淡の差や反応室内において何もない空間との濃淡の差は明らかであるため、台座マーカ9aから成長表面までの距離は分かる。したがって、X線観察時に台座マーカ9aを基準点として、基準点からSiC単結晶20の成長表面までの距離を算出し、台座9や種結晶5の厚み分を差し引けば、SiC単結晶20の成長量を算出できる。
このようにしてSiC単結晶20の成長量を算出する場合、台座マーカ9aからSiC単結晶20の成長表面までの間に台座9や種結晶5が介在することになる。このため、温度変化に伴う台座9や種結晶5の熱膨張の影響で、台座マーカ9aからSiC単結晶20の成長表面までの距離が変化する可能性がある。しかしながら、台座9の厚みや種結晶5の厚みは、支持シャフト11aの長さと比較すれば十分に短いため、台座9や種結晶5の熱膨張による影響は無視できる程度に小さい。また、支持シャフト11aの熱膨張の影響を受けることなくSiC単結晶20の成長量を算出できる。したがって、従来と比較して、SiC単結晶20の成長量をより正確に把握することが可能となる。
なお、X線は徐々に広がりながら照射される。このため、X線画像はX線の広がりに応じた倍率で大きくなり、SiC単結晶20の成長量もX線の広がりに応じた倍率で大きく算出されることになる。このため、X線画像からSiC単結晶20の成長量を算出する際には、X線の広がりに応じた倍率で割ると、正確なSiC単結晶20の成長量となる。このときの倍率は、X線発生源14からX線カメラ15までの距離で一義的に決まるが、台座マーカ9aに形成しておいた溝9bの幅を用いて演算により求めることもできる。すなわち、台座マーカ9aに形成した溝9bの幅については予め把握しているため、X線画像に現れた台座マーカ9aと対応する影に存在する溝9bと対応する凹みの幅を算出し、当該凹みの幅と溝9bの幅との比を求めることで倍率を算出できる。
また、X線が正確に水平、つまりSiC単結晶20の成長方向に対して垂直に照射されるように、X線発生源14やX線カメラ15の水平レベルを設定する必要がある。このため、台座マーカ9aや坩堝マーカ9bを用いて水平レベルを設定するようにしている。
例えば、本実施形態のように、台座マーカ9aをリング状にした場合、X線照射が水平に行われていれば台座マーカ9aと対応するX線画像が直線状になるが、X線照射が水平に対して傾斜しているとそのX線画像が直線状にならず、長辺が円弧状になった太鼓形状になる。このため、台座マーカ9aのX線画像の偏平率からX線照射が水平に行われているか否かを判定でき、X線画像に合わせてX線発生源14やX線カメラ15の上下位置やX線発生源14のX線照射の角度を調整することで水平レベルを設定することが可能となる。同様に、本実施形態では、坩堝マーカ8eについてもリング状としてあるため、坩堝マーカ8eのX線画像が直線状となるようにX線発生源14やX線カメラ15の上下位置やX線発生源14のX線照射の角度を調整することで水平レベルを設定することも可能となる。
さらに、これら台座マーカ9aと坩堝マーカ8eとの相対的な位置関係から、各部材の熱膨張に関係なく、加熱容器8内におけるSiC単結晶20の位置を決定することもできる。
以上説明したように、本実施形態におけるSiC単結晶製造装置1では、台座マーカ9aを設けるようにしている。このため、X線観察時に台座マーカ9aを基準点として、基準点からSiC単結晶20の成長表面までの距離を算出することで、SiC単結晶20の成長量を算出できる。したがって、従来と比較して、SiC単結晶20の成長量をより正確に把握することが可能となる。そして、このようにSiC単結晶20の成長量を正確に把握しながら、SiC単結晶20を成長させることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して台座9および台座マーカ9aを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図3に示すように、本実施形態では、台座9の内部に空洞部を構成し、この空洞部内に複数段の板状部材を有した構成の台座マーカ9aを配置している。各段の板状部材の間には各段の間の距離が一定となるように支持部9cによって支持してある。このように、複数段の板状部材を有した台座マーカ9aを用いることもできる。この場合、複数段の板状部材の間を溝9bとして、X線の広がりに応じたX線画像の倍率を算出することができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、台座マーカ9aや坩堝マーカ8eの一例を示したが、これらを上記各実施形態で説明した形状以外の形状によって構成しても良い。
例えば、図4に示すように、台座マーカ9aを複数段の板状部材を積み重ねた構造とし、各段の間に台座マーカ9aを構成する材料とX線の透過率が異なる材料、例えば黒鉛で構成された挟持板9dを配置した構成としても良い。この場合、台座マーカ9aに溝9bが形成された構造にはならないが、台座マーカ9aと挟持板9dとのX線の透過率が異なっているため、X線画像としては台座マーカ9aに溝9bを形成した場合と対応する隙間が形成された状態となる。したがって、挟持板9dの板厚とX線画像において台座マーカ9aの格段の間に構成される隙間とから、X線画像の倍率を算出することができる。
また、水平レベルの設定を行うのに、必ずしも台座マーカ9aや坩堝マーカ8eをリング状とする必要もない。単に水平レベルの設定を行うのであれば、台座マーカ9aもしくは坩堝マーカ8eを同じ高さの位置に同じ厚みとされた少なくとも2つの部材で構成し、X線照射においてその少なくとも2つの部材がX線の通過する線上に配置されるようにすれば良い。つまり、2つの部材がX線の通過経路と加熱容器8との交差する2点に配置されるようにすれば良い。その場合、X線画像中での各部材の影が重なって所望の厚さの影となるようにすれば良い。
また、台座マーカ9aを台座9の上面に設置したが、支持シャフト11aのうち台座9との連結部に備えるようにしても良い。すなわち、支持シャフト11aのうち台座9の近傍となる連結部であれば、熱膨張による影響が少ない。このため、この位置に台座マーカ9aを配置しても、SiC単結晶20の成長量を正確に検出することができる。
さらに、台座マーカ9aに一定幅の溝9bを設けているが、SiC単結晶20の成長方向と同方向において一定幅とされた穴を設けるようにしても良い。
1 SiC単結晶製造装置
3a 原料ガス
5 種結晶
8 加熱容器
8a 高融点金属炭化物円筒部材
8e 坩堝マーカ
9 台座
9a 台座マーカ
11a 支持シャフト
12、13 第1、第2加熱装置
20 SiC単結晶

Claims (10)

  1. 反応室を構成する中空形状の坩堝としての加熱容器(8)と、
    前記加熱容器内に配置された台座(9)と、
    前記加熱容器を加熱する加熱装置(12、13)と、
    前記台座に連結される支持シャフト(11a)を有し、該支持シャフトを介して前記台座を上方に引上げる引上機構(11)とを備え、
    前記台座に対して炭化珪素単結晶基板からなる種結晶(5)を設置し、前記加熱装置にて前記台座の周囲を加熱しつつ前記種結晶の表面に炭化珪素の原料ガス(3a)を供給することで前記種結晶の表面に炭化珪素単結晶(20)を結晶成長させる炭化珪素単結晶製造装置であって、
    前記台座を挟んで水平方向において対向する位置に配置されたX線発生源(14)およびX線カメラ(15)と、
    前記台座もしくは前記支持シャフトにおける前記台座との連結部のうち、前記種結晶が設置される表面から所定距離の位置に配置され、X線透過率が前記台座と異なる材質で構成された台座マーカ(9a)と、を備えていることを特徴とする炭化珪素単結晶製造装置。
  2. 前記台座マーカが前記台座および前記支持シャフトによって囲まれた空間内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶製造装置。
  3. 前記台座マーカには、前記炭化珪素単結晶の成長方向と同方向を幅方向とする一定幅の溝(9b)または穴が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶製造装置。
  4. 前記台座マーカは、リング状部材にて構成され、該リング状部材で構成された台座マーカの軸方向端面が水平に合わせられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶製造装置。
  5. 前記台座マーカは高融点金属炭化物にて構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶製造装置。
  6. 前記加熱容器の内部に、前記X線発生源から照射されたX線の通過経路と前記加熱容器とが交差する2点に配置され、X線透過率が前記加熱容器と異なる材質で構成された坩堝マーカ(8e)が備えられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶製造装置。
  7. 前記坩堝マーカは、前記加熱容器を1周するリング状とされていることを特徴とする請求項6に記載の炭化珪素単結晶製造装置。
  8. 前記加熱容器の内壁面に沿って高融点金属炭化物円筒部材(8a)が備えられており、前記X線発生源から照射されたX線の通過経路中において、前記高融点金属炭化物円筒部材には前記X線を通過させる透過窓(8b)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶製造装置。
  9. 前記加熱装置は、前記加熱容器の下方を加熱する第1加熱装置(12)と前記台座および前記炭化珪素単結晶の周囲の温度を制御する第2加熱装置(13)とを有し、前記X線発生源からのX線照射が前記第1加熱装置と前記第2加熱容器の間から行われることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶製造装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶製造装置を用いて前記炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    前記X線発生源から前記炭化珪素単結晶および前記台座に向けてX線照射を行うと共に、前記炭化珪素単結晶および前記台座を通過してきたX線を前記X線カメラにて撮影し、X線画像に映し出される前記台座マーカから前記炭化珪素単結晶の成長表面までの距離に基づいて、前記炭化珪素単結晶の成長量を算出しながら、前記炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
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