JP2014032861A - 防水コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】雌側コネクタ40が内部に嵌合可能なフード部62が設けられた雄側ハウジング61と、雄型端子50とを備えた雄側コネクタ10であって、雄型端子50は、フード部62の奥壁62Aに設けられた端子挿通孔68からフード部62の内部空間に電気接続部51を突出させた形態で、雄側ハウジング61の雄側キャビティ64内に収容されて、この雄側キャビティ64の内壁に設けられたランス65によって後側から係止されることで、雄側ハウジング61内に保持されており、フード部62の奥壁62Aにおける端子挿通孔68の開口縁には、フード部62の奥壁62Aから突出した電気接続部51の基端部を覆う立設壁69が形成されており、立設壁69には、ランス65を前方に臨ませる治具挿入孔73が形成されているところに特徴を有する。
【選択図】図2
Description
ところが、このような構成にすると、メンテナンス作業のために、雄型端子とランスとの係止状態を解除するランス操作用の治具を挿入する治具挿入孔をフード部の奥壁に形成することになる。しかしながら、治具挿入孔を端子挿通孔とともに一括して形成しようとすると、治具挿入孔を形成した分だけ立設壁が大型化してしまい、これに伴って、フード部も大型化してしまう。
このような構成の防水コネクタによると、治具挿入孔を端子挿入孔と一括して形成することができ、嵌合方向前側から治具挿入孔を通じて、ランスを操作する治具を挿入することができる。これにより、治具挿入孔と端子挿通孔とを一括して形成しつつも、治具挿入孔が形成された分だけ立設壁が大型化することを抑制することができる。この結果、フード部が大型化することを抑制することができる。
前記フード部の奥壁における前記端子挿通孔の開口縁は、矩形状に形成されており、前記立設壁は、前記端子挿通孔の開口縁に対応するように角筒状に形成されている構成としてもよい。ここで、「矩形状」とは、角部が鋭角な矩形のみならず、矩形の角部が僅かに丸みを帯びたものも含むことを意味し、「角筒状」とは、角部が鋭角な角筒のみならず、角部が僅かに丸みを帯びたものも含むことを意味する。
矩形状の端子挿通孔の開口縁に対して、端子挿入孔を塞がないように、立設壁を円筒状に形成すると、立設壁の内周面と端子挿入孔の開口縁との間には、円弧状のギャップが形成されてしまい、その円弧状のギャップの分だけ、立設壁が無駄に大型化してしまう。ところが、上記の構成によると、立設壁が端子挿通孔の開口縁に対応するように角筒状に形成されていることから、端子挿入孔の開口縁と立設壁との間にギャップが生じることを防ぐことができる。これにより、立設壁を円筒状に形成する場合に比べて、立設壁を小型化することができる。ひいては、フード部が大型化することを抑制することができる。
このような構成によると、立設壁と雌側キャビティの内周面とを接触させると共に、治具挿入孔の開口縁を雌側キャビティの開口縁に当接させることで、立設壁と雌側コネクタとの間をシールすることができる。これにより、立設壁やフード部が大型化することを抑制しつつ、さらにキャビティを個別に防水することができる。
このような構成によると、治具挿入孔が形成された立設壁の基端部を雌側キャビティの開口縁に面接触させることにより、キャビティの外側とキャビティの内側との間の距離を大きくすることができる。これにより、キャビティの外側から治具挿入孔を通じてキャビティの内側に水が浸入することをより確実に防ぐことができる。
このような構成によると、治具挿入孔側だけでなく、治具挿入孔とは反対側にも切欠孔を形成しているので、立設壁を切り欠いた分だけ、治具挿入孔および切欠孔が並んだ方向に立設壁をさらに小型化することができる。これにより、立設壁およびフード部が大型化することをさらに抑制することができる。また、切欠孔においても、切欠孔が形成された立設壁の基端部を雌側キャビティの開口縁に面接触させていることから、切欠孔からキャビティ内に水が浸入することを防ぐことができる。
本発明の実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。
本実施形態の防水コネクタは、複数の雄型端子50を収容して、雌側コネクタ40と嵌合される雄側コネクタ10を例示している。なお、以下の説明において、上下方向とは、図1における上下方向を基準とし、前後方向とは、図1における雌側コネクタ40と雄側コネクタ10との嵌合方向を基準として、互いに嵌合する側を前側とする。
雌型端子20は、導電性に優れた金属板材をプレス加工することにより形成されており、角筒状の接続筒部21と、接続筒部21の後方に設けられた電線圧着部22とを備えて構成されている。接続筒部21は前後方向に開口しており、前側開口から雄側コネクタ10の雄型端子50が挿入されることで、雄型端子50と電気的に接続されるようになっている。電線圧着部22は、前後一対ずつの計4つかしめ片23を有している。前側のかしめ片23が電線Wの端末において露出された芯線に圧着され、後側のかしめ片23が電線Wに外嵌された円筒状のゴム栓Gに圧着されることにより、雌型端子20が電線Wの端末に接続されている。
雄型端子50は、雌型端子20の接続筒部21に挿入される細長いピン状の電気接続部51と、電気接続部51の後方に設けられた筒状の端子本体部52と、端子本体部52の後方に設けられた電線圧着部53とを備えて構成されている。
テーパ部70は、端子挿通孔68の開口縁を全周に亘って囲むように略角筒状に形成されており、テーパ部70の前端縁に延出部71が形成されている。
立設壁69の上側内壁に形成された治具挿入孔73は、上側のテーパ部70の上側内壁を切り欠くとともに、上側のテーパ部70から前方に延びる上側の延出部71を全て切り欠くことによって形成されており、雄側キャビティ64内のランス65およびランス65の撓み空間Sが治具挿入孔73を通じて前方に臨んだ状態となっている。すなわち、立設壁69の内側に治具挿入孔73と端子挿通孔68とが一括して形成されており、立設壁69は上側の延出部71を切り欠いた分だけ上下方向に小型化されている。
例えば、フード部の奥壁における端子挿通孔の開口縁に、立設壁が形成されたコネクタにおいて、端子挿通孔の奥部に配されたランスを操作するための治具挿入孔を端子挿通孔とともに一括して形成しようとすると、治具挿入孔を形成した分だけ立設壁が大型化してしまい、これに伴ってフード部も大型化してしまう。
すなわち、フード部62と雌側ハウジング41とが正規の嵌合状態に至ると、立設壁69の幅方向両側において、延出部71が雌側ハウジング41の雌側キャビティ43内に挿入されて、延出部71の外周面と雌側キャビティ43の内周面とが面接触する。また、これと同時に、立設壁69の上下方向両側において、上側のテーパ部(治具挿入孔73の開口縁)70および下側のテーパ部(切欠孔74の開口縁)70が雌側キャビティ43の案内面45と面接触する。これにより、立設壁69が大型化することを抑制しつつ、両ハウジング41,61の隙間から両キャビティ43,64内に水が浸入しないように両ハウジング41,61間をシールし、各キャビティ43,64を個別に防水することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、雄側キャビティを上下二段に構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、雄側キャビティを上下一段や上下三段以上に構成してもよい。
(2)上記実施形態では、立設壁69の下部に切欠孔74を構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、立設壁に切欠孔を設けず、下側のシール部が設けられた構成にしてもよい。
(3)上記実施形態では、立設壁69の上側のテーパ部70の上側内壁に治具挿入孔73が形成された構成にしたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、上側のテーパ部を全て切り欠いた構成にしてもよい。
20:雌型端子
40:雌側コネクタ
43:雌側キャビティ
50:雄型端子
61:雄側ハウジング
62:フード部
64:雄側キャビティ(キャビティ)
65:ランス
68:端子挿通孔
69:立設壁
73:治具挿入孔
74:切欠孔
Claims (5)
- 雌側コネクタが内部に嵌合可能なフード部が設けられた雄側ハウジングと、前記雌側コネクタに設けられた雌型端子と接続される雄型端子とを備えた防水コネクタであって、
前記雄型端子は、前記フード部の奥壁に設けられた端子挿通孔から前記フード部の内部空間に突出した形態で、前記雄側ハウジングに形成されたキャビティ内に収容されて、このキャビティの内壁から嵌合方向前側に向かって片持ち状に延びる弾性変形可能なランスによって嵌合方向後側から係止されることで、前記雄側ハウジング内に保持されており、
前記フード部の奥壁における前記端子挿通孔の開口縁には、前記フード部の奥壁から突出した前記雄型端子の基端部を覆う立設壁が形成されており、
前記立設壁には、前記ランスの前方に位置する部分を嵌合方向に切り欠くことにより前記ランスを嵌合方向前側に臨ませる治具挿入孔が形成されている防水コネクタ。 - 前記フード部の奥壁における前記端子挿通孔の開口縁は、矩形状に形成されており、
前記立設壁は、前記端子挿通孔の開口縁に対応するように角筒状に形成されている請求項1記載の防水コネクタ。 - 前記立設壁は、前記フード部と前記雌側コネクタとが嵌合した際に、前記雌側コネクタに設けられた雌側キャビティ内に挿入されて、前記雌側キャビティの内周面に接触するようになっており、
前記治具挿入孔の開口縁は、前記フード部と前記雌側コネクタとが嵌合した際に、前記雌側キャビティの開口縁と嵌合方向に当接するように形成されている請求項1または請求項2記載の防水コネクタ。 - 前記立設壁の基端部は、前記フード部の奥壁に向かうほど拡幅するテーパ状に形成されており、
前記治具挿入孔の開口縁に配された前記立設壁の基端部は、前記フード部と前記雌側コネクタとが嵌合した際に、前記雌側キャビティの開口縁に面接触するように形成されている請求項3記載の防水コネクタ。 - 前記立設壁において、前記端子挿通孔の軸心を中心に前記治具挿入孔と対向する位置には、前記立設壁を嵌合方向と交差する方向に切り欠いた切欠孔が形成されており、
前記切欠孔の開口縁に配された前記立設壁の基端部は、前記フード部と前記雌側コネクタとが嵌合した際に、前記雌側キャビティの開口縁に面接触するように形成されている請求項4記載の防水コネクタ。
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