JP2014032027A - 放射能検査装置 - Google Patents

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Yoshihiro Inoue
芳浩 井上
Riyuuji Yaguruma
竜司 谷車
Keiji Kitamura
圭司 北村
Junichi Oi
淳一 大井
Kazumi Tanaka
和巳 田中
Susumu Kobayashi
晋 小林
Kazunari Tachibana
一成 橘
Tetsuo Mizuta
哲郎 水田
Atsushi Otani
篤 大谷
Yoshihiko Ide
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Abstract

【課題】 バックグラウンド放射線等の影響を受けることなく、正確に放射線を検出することが可能な放射能検査装置を提供する。
【解決手段】 装置本体1内のコンベア4の上方の位置には、米袋Rから放射される放射線を検出するための第1放射線検出器7が配設されている。そして、この第1放射線検出器7の周囲には、放射線の遮蔽効果を有する鉛から構成され、第1放射線検出器7における下側の領域以外の領域を囲う形状を有する第1放射線遮蔽部材5が配設されている。一方、装置本体1内のコンベア4の下方の位置には、米袋Rから放射される放射線を検出するための第2放射線検出器8が配設されている。そして、この第2放射線検出器8の周囲には、放射線の遮蔽効果を有する鉛から構成され、第2放射線検出器8における上側の領域以外の領域を囲う形状を有する第2放射線遮蔽部材6が配設されている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、食品放射能スクリーニング検査装置等の放射能検査装置に関する。
食品としての米に対して放射能検査を行う食品放射能スクリーニング検査装置においては、例えば、30キログラムの米を収納した米袋をコンベアにより搬送し、このコンベアの上下に配設した放射線検出器により米袋から放射されるガンマ線を検出する構成が採用されている。
なお、特許文献1には、医療用器具や食品中の異物などを非破壊で検査するための放射線検査装置が開示されている。また、特許文献2には、核燃料施設で使用された物品等の放射能汚染を検査する放射能検査装置が開示されている。
ここで、特許文献2に記載の放射能検査装置においては、指令された時間ごとに計数したバックグラウンドの計測値からバックグラウンドの変動量を算出し、バックグラウンド計測値の変動パターンに対し予め記憶しておいたバックグラウンドの変動原因に対する変動パターンを参照してバックグラウンド計測値の変動原因を推定するとともに、推定された原因に応じて測定停止指示または警告表示をおこなうことにより、バックグラウンドの変動があった場合であっても、誤って検出感度の低い状態で測定してしまうことを防止している。
特開2003−130817号公報 特開2007−225507号公報
一般的に、従来の食品検査装置は、装置の設置環境が良好であることを前提としたものであり、設置環境にバックグラウンド放射線が存在する場合には、正確な放射能検査を実行し得ないという問題がある。例えば、食品としての30キログラムの米袋の放射能検査を行う場合、放射能濃度の基準値は1キログラム当たり100Bq(ベクレル)と、比較的低い値であることから、バックグラウンド放射線の大きさによっては、放射線を正確に検出し得ないという問題がある。なお、特許文献2に記載の放射能検査装置のようにバックグラウンド計測値を考慮したとしても、必ずしも放射線を正確に検出しうるものではなく、また、装置構成が複雑となる。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、バックグラウンド放射線の影響を受けることなく、正確に放射線を検出することが可能な放射能検査装置を提供することを目的とする。
また、食品放射能検査装置において食品の全品検査を実行する場合には、多量の食品を連続して検査する必要がある。このような場合において、コンベアに対して連続して食品を載置し、コンベアにより連続して食品を搬送して放射能検査を実行する場合においては、連続して搬送される食品からの放射線が互いに影響し合い、正確な検査値が得られないという問題が生ずる。このような問題を解決するために、一つの食品を検査位置に搬送するたびに、シャッタ等でその食品をその前後の食品から隔離して検査を行うことも考えられるが、このような構成を採用した場合においては、多量の食品を短時間で検査することが不可能となるという問題を生ずる。
この発明は上記課題をも解決するためになされたものであり、被検体を連続して検査する場合においても、正確に放射線を検出することが可能な放射能検査装置を提供することを第2の目的とする。
請求項1に記載の発明は、被検体から放射される放射線を前記被検体の上方から検出する第1放射線検出器と、前記被検体の下方から検出する第2放射線検出器とが配設されたガントリー構造の装置本体と、前記装置本体に形成された搬入口から前記装置本体内に検査を行うべき被検体を搬入するとともに、前記装置本体に形成された搬出口から検査を終了した被検体を搬出するコンベアと、を備えた放射能検査装置において、放射線の遮蔽効果を有する材質から構成され、前記第1放射線検出器における下側の領域以外の領域を囲う形状を有するとともに、前記装置本体に支持された第1放射線遮蔽部材と、放射線の遮蔽効果を有する材質から構成され、前記第2放射線検出器における上側の領域以外の領域を囲う形状を有するとともに、前記装置本体に支持された第2放射線遮蔽部材と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1放射線遮蔽部材は、前記コンベアの上方において、前記搬入口方向に向けて前記コンベアによる前記被検体の搬送方向と逆方向に延びる庇部を備え、前記第2放射線遮蔽部材は、前記コンベアの下方において、前記搬入口方向に向けて前記コンベアによる前記被検体の搬送方向と逆方向に延びる庇部を備える。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1放射線遮蔽部材は、前記コンベアの上方において、前記搬出口方向に向けて前記コンベアによる前記被検体の搬送方向に延びる庇部を備え、前記第2放射線遮蔽部材は、前記コンベアの下方において、前記搬出口方向に向けて前記コンベアによる前記被検体の搬送方向に延びる庇部を備える。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記第1放射線検出器および前記第2放射線検出器は、前記コンベアにより搬送されて移動中の被検体から放射される放射線を検出する。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記放射線の遮断効果を有する材質は、鉛または鉄を含む金属である。
請求項1に記載の発明によれば、第1、第2放射線遮蔽部材の作用により、バックグラウンド放射線の影響を受けることなく、正確に放射線を検出することが可能となる。このとき、ガントリー構造の装置本体により、比重が大きい放射能の遮蔽効果を有する材質から構成される第1、第2放射線遮蔽部材を、コンベアにより搬送される被検体の上下の位置に確実に固定することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、第1放射線遮蔽部材および第2放射線遮蔽部材における搬入口方向に延びる庇部の作用により、現在検査を実行している被検体の検査結果に、次に連続して搬送されてくる被検体からの放射線が影響を与えることを防止することができる。このため、被検体を連続して検査する場合においても、正確に放射線を検出することが可能となる。これにより、多量の被検体を効率的に検査することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、第1放射線遮蔽部材および第2放射線遮蔽部材における搬出口方向に延びる庇部の作用により、現在検査を実行している被検体の検査結果に、先に検査を完了した被検体からの放射線が影響を与えることを防止することができる。これにより、設定値以上の放射線を検出した被検体の次に連続して検査を行った被検体から放射線が検出された場合に、その放射線が先に検査を行った被検体の影響によるものではないことを認識することが可能となる。このため、設定値以上の放射線を検出した被検体の次に連続して検査を行った被検体に対して、再度の放射能検査を行う必要がなくなり、放射能検査を効率的に実行することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、第1放射線検出器および第2放射線検出器がコンベアにより搬送されて移動中の被検体から放射される放射線を検出することから、被検体を連続して搬送しながら放射能検査を実行することが可能となり、多量の被検体を効率的に検査することが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、鉛または鉄を含む金属を使用することにより、第1放射線遮蔽部材および第2放射線遮蔽部材を大型化することなく、効率的に放射線を遮断することが可能となる。
この発明に係る放射能検査装置の斜視図である。 この発明に係る放射能検査装置の正断面概要図である。 この発明に係る放射能検査装置の側断面概要図である。 この発明に係る放射能検査装置の側面図である。 この発明に係る放射能検査装置の装置本体1および第1放射線遮蔽部材5等を取り外して見た平面概要図である。 搬入口2と米袋Rの寸法との関係を示す説明図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る放射能検査装置の斜視図である。図2は、この発明に係る放射能検査装置の正断面概要図である。図3は、この発明に係る放射能検査装置の側断面概要図である。図4は、この発明に係る放射能検査装置の側面図である。図5は、この発明に係る放射能検査装置の装置本体1および第1放射線遮蔽部材5等を取り外して見た平面概要図である。
この放射能検査装置は、その内部に例えば30キログラムの米を収納した米袋Rに対して放射能検査を実行するための食品放射能スクリーニング検査装置であり、米袋Rを搬入するための搬入口2と、米袋Rを搬出するための搬出口3とが形成されたガントリー構造の装置本体1と、搬入口2から装置本体1内に米袋Rを搬入するとともに、搬出口3から検査を終了した米袋Rを搬出する一対のコンベア4(これらを総称する場合には、単に「コンベア4」という)と、検査結果を表示するための表示部9とを備える。ここで、ガントリー構造とは、門型の装置本体1が固定され、この装置本体1に対してコンベア4により搬送される米袋Rが移動する構造を指す。
装置本体1内のコンベア4の上方の位置には、米袋Rから放射される放射線を検出するための第1放射線検出器7が配設されている。そして、この第1放射線検出器7の周囲には、放射線の遮蔽効果を有する鉛から構成され、第1放射線検出器7における下側(コンベア4側)の領域以外の領域を囲う形状を有する第1放射線遮蔽部材5が配設されている。この第1放射線遮蔽部材5は、コンベア4の上方において、搬入口2方向に向けてコンベア4による米袋Rの搬送方向と逆方向に延びる庇部51と、コンベア4の上方において、搬出口3方向に向けてコンベア4による米袋Rの搬送方向に延びる庇部52とを備える。この第1放射線遮蔽部材5は、装置本体1における支持板12により支持されている。この支持板12には、第1放射線遮蔽部材5における下側を向く開口部と対応する開口部が形成されている。
一方、装置本体1内のコンベア4の下方の位置には、米袋Rから放射される放射線を検出するための第2放射線検出器8が配設されている。そして、この第2放射線検出器8の周囲には、放射線の遮蔽効果を有する鉛から構成され、第2放射線検出器8における上側(コンベア4側)の領域以外の領域を囲う形状を有する第2放射線遮蔽部材6が配設されている。この第2放射線遮蔽部材6は、コンベア4の下方において、搬入口2方向に向けてコンベア4による米袋Rの搬送方向と逆方向に延びる庇部61と、コンベア4の下方において、搬出口3方向に向けてコンベア4による米袋Rの搬送方向に延びる庇部62とを備える。この第2放射線遮蔽部材6は、装置本体1における支持板13により支持されている。
第1放射線遮蔽部材5および第2放射線遮蔽部材6は鉛から構成されることから、その重量が大きなものとなる。このため、この放射能検査装置においては、コンベア4の両側から第1放射線遮蔽部材5および第2放射線遮蔽部材6を支持するガントリー構造の装置本体1を採用している。
なお、装置本体1における搬入口2側に配設されたコンベア4と搬出口3側に配設されたコンベア4との間には、案内板41が配設されている。この案内板41は、例えば、カーボン等の放射線吸収率の低い材質から構成されている。このため、米袋Rからの放射線を、コンベア4により遮断されることなく、第2放射線検出器8により効率的に測定することが可能となる。
上述した第1放射線検出器7および第2放射線検出器8は、例えば、シンチレータとフォトマルチプライヤーとを組み合わせることにより、第1放射線遮蔽部材5または第2放射線遮蔽部材6における開口部から放射線を検出する構成を有する。これらの第1放射線検出器7および第2放射線検出器8は、図5にも示すように、コンベア4による米袋Rの搬送方向と直交する方向に、装備されている。これらの第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出領域の米袋Rの搬送方向と直交する方向の幅は、米袋Rの搬送方向と直交する方向における搬入口2の幅と略同一となっている。そして、第1放射線検出器7における放射線の検出面は、第1放射線遮蔽部材5における庇部51および庇部52の下面より上方に配置されており、第2放射線検出器8における放射線の検出面は、第2放射線遮蔽部材6における庇部61および庇部62の上面より下方に配置されている。
図6は、搬入口2と米袋Rの寸法との関係を示す説明図である。
この放射能検査装置においては、装置本体1に形成された搬入口2の大きさは、米を入れた状態の米袋Rの外形寸法に対応させて、可能な限り小さめに設定されている。
図6に示すように、搬入口2の幅W1については、コンベア4により搬送される米袋Rの幅W2の1倍以上1.4倍以下としている。この搬入口2の幅W1が米袋Rの幅W2よりも十分大きかった場合には、米袋Rがコンベア4上に載置されるときに米袋Rがコンベア4の中央付近から搬送方向と直交する方向にずれた位置に載置されて、そのまま装置本体1内に搬送され、放射線量を測定される可能性がある。このように、米袋Rに対して、その搬送方向と直交する方向の位置誤差が生じた場合には、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値にも誤差が生ずることになる。
一方、搬入口2の幅W1の寸法を小さくした場合には、米袋Rが搬入口2を通過するためには、コンベア4に対する米袋Rの搬送方向と直交する方向の位置を一定の位置とする必要が生ずる。このため、搬入口2の幅W1を、小さくすることにより、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出領域の米袋Rの搬送方向と直交する方向の幅が、米袋Rの搬送方向と直交する方向における搬入口2の幅と略同一となっていることと相俟って、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値の精度を一定に維持することが可能となる。なお、搬入口2に対して米袋Rを通過させるためには、搬入口2の幅W1を米袋Rの幅W2の1倍以上とする必要がある。このため、この放射能検査装置においては、搬入口2の幅を米袋Rの幅の1倍以上1.4倍以下としている。また、搬出口3の大きさは、搬入口2と同程度の大きさとなっている。
なお、米袋R自体は、その寸法に規格があり、その幅は一定である。しかしながらこの米袋Rに米を入れた場合には、その外形形状が米の入れ方により若干異なる。このため、搬入口2の幅W1を米を入れた状態の米袋Rの幅W2にあまり近づけると、米袋Rを搬入口2を介して装置本体1内に搬送するときに支障を来すことになる。なお、この明細書で述べる米袋Rの幅(すなわち、被検体の幅)は、米を入れた状態の米袋Rの幅の平均値を意味する。
一方、図6に示すように、搬入口2の高さH1についても、コンベア4により搬送される米袋Rの高さH2の1倍以上1.4倍以下としている。この搬入口2の上端の位置は、第1放射線遮蔽部材5の下面の高さ位置と一致しており、この搬入口2の下端の位置は、第2放射線遮蔽部材6の上面の高さ位置と一致している。そして、これらの距離をできるだけ小さくすることにより、第1、第2放射線検出器7、8を米袋Rにできるだけ接近させることができ、放射線の検出感度を高く維持することが可能となる。
なお、この場合においても、米袋Rに米を入れた場合には、その外形形状が米の入れ方により若干異なることから、搬入口2の高さH1を米を入れた状態の米袋Rの高さH2にあまり近づけると、米袋Rを搬入口2を介して装置本体1内に搬送するときに支障を来すことになる。なお、この明細書で述べる米袋Rの高さ(すなわち、被検体の高さ)も、米を入れた状態の米袋Rの高さの平均値を意味する。
以上のような構成を有する放射能検査装置において、米袋R内の米のスクリーニング検査を実行するときには、操作者がパレット上に載置された多数の米袋Rを順次コンベア4上に載置する。コンベア4上に載置された米袋Rは、搬入口2を介して、装置本体1内に搬入される。そして、この米袋Rが第1放射線検出器7および第2放射線検出器8の間を通過するときに、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8により米袋Rに入れられた米からの放射線が検出される。
このように、この発明に係る放射能検査装置においては、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8がコンベア4により搬送されて移動中の米袋Rから放射される放射線を検出することから、米袋Rを連続して搬送しながら放射能検査を実行することが可能となり、多量の米袋Rを効率的に検査することが可能となる。このため、全ての米袋Rに対してスクリーニング検査を実行する場合においても、検査を短時間で完了することが可能となる。
この時には、第1放射線検出器7は第1放射線遮蔽部材5により、また、第2放射線検出器8は第2放射線遮蔽部材6により、各々、囲まれていることから、バックグラウンド放射線の影響を受けることなく、正確に放射線を検出することが可能となる。このとき、ガントリー構造の装置本体1により、比重が大きい放射線の遮蔽効果を有する材質から構成される第1放射線遮蔽部材5および第2放射線遮蔽部材6を、コンベア4により搬送される米袋Rの上下の位置に確実に固定することが可能となる。
また、この放射線の検出時には、搬入口2の幅が米袋Rの幅の1.4倍以下となっていることから、米袋Rはコンベア4のほぼ中央部に載置された状態で装置本体1内に搬入される。このため、米袋Rのコンベア4上での搬送方向と直交する方向の位置ずれを最小限におさえることができ、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の検出値の精度を一定に維持することが可能となる。
第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の測定値は、予め設定された基準値と比較される。この基準値は、例えば、1キログラム当たり50Bq程度の値である。そして、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の測定値が基準値以下の場合には、表示部9にその旨の表示(例えば、「○」の表示)がなされる。一方、第1放射線検出器7および第2放射線検出器8による放射線の測定値が基準値を越えている場合には、表示部9にその旨の表示(例えば、「×」の表示)とともに、警告音等が発生する。
ところで、このような放射能検査装置において、多量の米袋Rに対するスクリーニング検査を実行するためには、コンベア4に対して連続して米袋Rを載置して装置本体1内に搬入する必要がある。このような場合においては、コンベア4により装置本体1に搬入される米袋Rのピッチが小さなものとなることから、連続して搬送される米袋Rからの放射能が互いに影響し合い、正確な検査値が得られないという問題が生ずる。
この問題を解決するために、搬入口2に放射線遮蔽部材からなるシャッターを設け、検査を実行している米袋R以外の米袋Rからの放射能の影響を低減させることも考えられるが、シャッターの開閉に時間がかかり、検査速度が低下してしまう。
しかしながら、この発明に係る放射能検査装置においては、第1放射線遮蔽部材5および第2放射線遮蔽部材6における搬入口2方向に延びる庇部51、61の作用により、搬入口2にシャッターを設けることなく、現在第1、第2放射線検出器7、8により放射線を測定して検査を実行している米袋Rの検査結果に、次に連続して搬送されてくる米袋Rからの放射線が影響を与えることを防止することが可能となり、シャッターの開閉による検査速度の低下がない。
また、同様に、コンベア4により装置本体1から搬出される米袋Rのピッチが小さくなった場合においては、設定値以上の放射線を検出した米袋Rの次に連続して検査を行った米袋Rから放射線が検出された場合に、この放射線が現在検査中の米袋Rによるものか、あるいは、先に放射線が検出された米袋Rの影響によるものであるのかを認識できず、再度、設定値以上の放射線を検出した米袋Rの次に連続して検査を行った米袋Rを単独で搬送して検査をやり直す必要がある。
この問題を解決するために、搬出口3に放射線遮断部材からなるシャッターを設けることも考えられるが、シャッターの開閉に時間がかかり、検査速度が低下してしまう。
しかしながら、この発明に係る放射能検査装置においては、第1放射線遮蔽部材5および第2放射線遮蔽部材6における搬出口3方向に延びる庇部52、62の作用により、現在検査を実行している米袋Rの検査結果に、先に検査を完了した米袋Rからの放射線が影響を与えることを防止することができる。これにより、設定値以上の放射線を検出した米袋Rの次に連続して検査を行った米袋Rから放射線が検出された場合に、その放射線が先に検査を行った米袋Rの影響によるものではないことを認識することが可能となる。このため、設定値以上の放射線を検出した米袋Rの次に連続して検査を行った米袋Rに対して、再度の放射能検査を行う必要がなくなり、放射能検査を効率的に実行することが可能となる。また、シャッターの開閉による検査速度の低下がない。
なお、上述した実施形態においては、第1放射線遮蔽部材5および第2放射線遮蔽部材6として、鉛製のものを使用している。しかしながら、放射線の遮蔽効果を有する材質であれば、鉛以外の材質を使用してもよい。このような材質としては、鉛または鉄を含む金属を使用することができる。この時の放射線の遮断効率は、第1放射線遮蔽部材5および第2放射線遮蔽部材6の厚さにより異なるが、90%以上であることが好ましい。第1放射線遮蔽部材5および第2放射線遮蔽部材6の材質として鉛を使用した場合には、90%程度の放射線遮断効率を得るために、第1放射線遮蔽部材5および第2放射線遮蔽部材6の厚みを5cm程度とすることが可能となり、装置をコンパクト化することが可能となる。
なお、上述した実施形態においては、第1放射線遮蔽部材5および第2放射線遮蔽部材6における米袋Rの搬送方向の上流側に庇部51、61を配設するとともに、下流側に庇部52、62を配設している。しかしながら、これに加えて、米袋Rの搬送方向の側方に向く庇部を設けてもよい。また、第1放射線遮蔽部材5および第2放射線遮蔽部材における米袋Rの搬送方向の側方全域を、鉛等の放射線の遮蔽効果を有する側板で覆うようにしてもよい。
1 装置本体
2 搬入口
3 搬出口
4 コンベア
5 第1放射線遮蔽部材
6 第2放射線遮蔽部材
7 第1放射線検出器
8 第2放射線検出器
9 表示部
11 フレーム
12 支持板
13 支持板
41 案内板
51 庇部
52 庇部
61 庇部
62 庇部
R 米袋

Claims (5)

  1. 被検体から放射される放射線を前記被検体の上方から検出する第1放射線検出器と、前記被検体の下方から検出する第2放射線検出器とが配設されたガントリー構造の装置本体と、
    前記装置本体に形成された搬入口から前記装置本体内に検査を行うべき被検体を搬入するとともに、前記装置本体に形成された搬出口から検査を終了した被検体を搬出するコンベアと、
    を備えた放射能検査装置において、
    放射線の遮蔽効果を有する材質から構成され、前記第1放射線検出器における下側の領域以外の領域を囲う形状を有するとともに、前記装置本体に支持された第1放射線遮蔽部材と、
    放射線の遮蔽効果を有する材質から構成され、前記第2放射線検出器における上側の領域以外の領域を囲う形状を有するとともに、前記装置本体に支持された第2放射線遮蔽部材と、
    を備えたことを特徴とする放射能検査装置。
  2. 請求項1に記載の放射能検査装置において、
    前記第1放射線遮蔽部材は、前記コンベアの上方において、前記搬入口方向に向けて前記コンベアによる前記被検体の搬送方向と逆方向に延びる庇部を備え、前記第2放射線遮蔽部材は、前記コンベアの下方において、前記搬入口方向に向けて前記コンベアによる前記被検体の搬送方向と逆方向に延びる庇部を備える放射能検査装置。
  3. 請求項2に記載の放射能検査装置において、
    前記第1放射線遮蔽部材は、前記コンベアの上方において、前記搬出口方向に向けて前記コンベアによる前記被検体の搬送方向に延びる庇部を備え、前記第2放射線遮蔽部材は、前記コンベアの下方において、前記搬出口方向に向けて前記コンベアによる前記被検体の搬送方向に延びる庇部を備える放射能検査装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射能検査装置において、
    前記第1放射線検出器および前記第2放射線検出器は、前記コンベアにより搬送されて移動中の被検体から放射される放射線を検出する放射能検査装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の放射能検査装置において、
    前記放射線の遮断効果を有する材質は、鉛または鉄を含む金属である放射能検査装置。
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