JP2014031297A - 多結晶シリコン棒の選択方法、多結晶シリコン塊の製造方法、及び、単結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

多結晶シリコン棒の選択方法、多結晶シリコン塊の製造方法、及び、単結晶シリコンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】単結晶シリコン製造用原料として好適な多結晶シリコンを高い定量性と再現性で選別し、単結晶シリコンの安定的製造に寄与する技術を提供すること。
【解決手段】本発明に係る多結晶シリコン棒の選択方法では、多結晶シリコン棒から採取された板状試料の主面に電子線を照射して得られる電子後方散乱回折像を解析し、粒径が0.5μm以上の結晶粒が検出されない領域の総和面積が、電子線照射された面積全体の10%以下であること(条件1)、および、粒径が0.5μm以上で3μm未満の範囲にある結晶粒の個数が、検出された結晶粒の全体の45%以上であること(条件2)、を同時に満足する多結晶シリコン棒を単結晶シリコン製造用原料として選択する。係る多結晶シリコン棒を用いて単結晶シリコンの育成を行うと、結晶線の消失が生じない。その結果、単結晶シリコンの安定的製造が可能となる。
【選択図】図3A

Description

本発明は単結晶シリコン製造用原料として用いられる多結晶シリコン棒の選択方法に関し、より具体的には、単結晶シリコンを安定的に製造するために好適な、無配向性の多結晶シリコン棒を選択する方法に関する。
半導体デバイス等の製造に不可欠な単結晶シリコンは、CZ法やFZ法により結晶育成され、その際の原料として多結晶シリコン棒や多結晶シリコン塊が用いられる。このような多結晶シリコン材料は多くの場合、シーメンス法により製造される(特許文献1等参照)。シーメンス法とは、トリクロロシランやモノシラン等のシラン原料ガスを加熱されたシリコン芯線に接触させることにより、該シリコン芯線の表面に多結晶シリコンをCVD(Chemical Vapor Deposition)法により気相成長(析出)させる方法である。
例えば、CZ法で単結晶シリコンを結晶育成する際には、石英ルツボ内に多結晶シリコン塊をチャージし、これを加熱溶融させたシリコン融液に種結晶を漬けて転位線を消滅させ、無転位化させた後に所定の直径となるまで徐々に径拡大させて結晶の引上げが行われる。このとき、シリコン融液中に未溶融の多結晶シリコンが残存していると、この未溶融多結晶片が対流により固液界面近傍を漂い、転位発生を誘発して結晶線を消失させてしまう原因となる。
また、特許文献2には、多結晶シリコンロッド(多結晶シリコン棒)をシーメンス法で製造する工程中に該ロッド中で針状結晶が析出することがあり、かかる多結晶シリコン棒を用いてFZ法による単結晶シリコン育成を行うと、上述の不均質な微細構造によって個々の晶子がその大きさに相応して均一には溶融せず、不溶融の晶子が固体粒子として溶融帯域をとおって単結晶ロッドへと通り抜けて未溶融粒子として単結晶の凝固面に組み込まれ、これにより欠陥形成が引き起こされる旨が報告されているが、FZ法による単結晶化では1回のFZ操作により単結晶が得られる生産性の高い多結晶シリコンが求められている。
この問題に対し、特許文献2では、多結晶シリコン棒の長軸方向に対して垂直に切り出された試料面を研磨乃至ポリシングし、エッチング後に組織の微結晶を光学顕微鏡下でも視認できる程度にコントラストを高めて針状結晶のサイズとその面積割合を測定し、その測定結果に基づいてFZ単結晶シリコン育成用原料としての良否を判断する手法を提案している。
特公昭37−18861号公報 特開2008−285403号公報
2006IEEE/SEMI Advanced Semiconductor Manufacturing Conference予稿集 244〜246ページ
しかし、特許文献2に開示の手法のような光学顕微鏡下での視認による良否判断は、観察試料面のエッチングの程度や評価担当者の観察技量等に依存して結果に差が生じ易いことに加え、定量性や再現性にも乏しい。このため、単結晶シリコンの製造歩留まりを高める観点からは良否判断の基準を高めに設定しておく必要があり、結果として、多結晶シリコン棒の不良品率は高くなってしまう。
また、本発明者らが検討したところによれば、特許文献2に開示の手法では良品と判定された多結晶シリコン棒を用いた場合であっても、FZ法による単結晶シリコンロッドの育成工程で転位が発生し結晶線が消失することがあることも判明した。
従って、単結晶シリコンを高い歩留まりで安定的に製造するためには、単結晶シリコン製造用原料として好適な多結晶シリコンを高い定量性と再現性で選別する技術が求められる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、単結晶シリコン製造用原料として好適な多結晶シリコンを高い定量性と再現性で選別し、単結晶シリコンの安定的製造に寄与する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る多結晶シリコン棒の選択方法は、単結晶シリコン製造用原料として用いる多結晶シリコン棒を選択するための方法であって、多結晶シリコン棒から採取された板状試料の主面に電子線を照射して得られる電子後方散乱回折像を解析して、下記の2条件を同時に満足する多結晶シリコン棒を単結晶シリコン製造用原料として選択する、ことを特徴とする。
条件1:粒径が0.5μm以上の結晶粒が検出されない領域の総和面積が、電子線照射された面積全体の10%以下であること。
条件2:粒径が0.5μm以上で3μm未満の範囲にある結晶粒の個数が、検出された結晶粒の全体の45%以上であること。
好ましくは、前記板状試料は、前記多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を主面とするように採取される。
例えば、前記板状試料は、前記多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を底面とする柱状試料からスライスにより採取される。
本発明に係る多結晶シリコン塊の製造方法は、上述の方法により選択された多結晶シリコン棒を破砕する工程を備えている。
また、本発明に係る単結晶シリコンの製造方法では、上述の方法により選択された多結晶シリコン棒をシリコン原料として用いたり、上述の方法により得られた多結晶シリコン塊を原料として用いる。
本発明に係る方法で多結晶シリコンの結晶配向度を評価し、これにより良品として選択された多結晶シリコン棒を用いてFZ法により結晶育成を行ったり、多結晶シリコンブロックから得られた塊を用いてCZ法により結晶育成することにより、単結晶シリコンの安定的な製造に寄与することができる。
電子後方散乱回折像を得るための装置構成の概要を説明するためのブロック図である。 化学気相法で析出させて育成された多結晶シリコン棒からの、電子後方散乱回折測定用の板状試料の採取例について説明するための図である。 化学気相法で析出させて育成された多結晶シリコン棒からの、電子後方散乱回折測定用の板状試料の採取例について説明するための図である。 板状試料から得られた結晶粒の粒度分布についての解析結果例であり、0.5μm以上3μm未満の粒径の結晶粒の方位マッピング像(IPFマップ)および(001)極点図である。 板状試料から得られた結晶粒の粒度分布についての解析結果例であり、3μm以上5μm未満の粒径の結晶粒の方位マッピング像(IPFマップ)および(001)極点図である。 板状試料から得られた結晶粒の粒度分布についての解析結果例であり、5μm以上10μm未満の粒径の結晶粒の方位マッピング像(IPFマップ)および(001)極点図である。 板状試料から得られた結晶粒の粒度分布についての解析結果例であり、10μm以上30μm未満の粒径の結晶粒の方位マッピング像(IPFマップ)および(001)極点図である。
以下に、図面を参照して本発明に係る多結晶シリコン棒の選択方法について説明する。なお、以降においては、本発明の方法により選択された多結晶シリコン棒をFZ法による単結晶シリコンの製造に用いる場合を例に説明するが、
選択された多結晶シリコン棒を破砕して結晶配向性の低い多結晶シリコン塊を得、これをCZ法による単結晶シリコンの製造用原料として用いるようにしてもよいことは言うまでもない。
先ず、電子後方散乱回折測定法(EBSD法)について簡単に説明しておく。EBSD法により得られる電子後方散乱回折像(EBSP)は、透過型電子顕微鏡で観察される菊池線と同一の原理で発生する。結晶試料に電子線を照射すると複数のバンドが得られるが、個々のバンドはそれぞれ一つの結晶面からの回折によって生じ、バンドの幅や強度は格子定数をはじめとする結晶構造に依存している。また、バンド同士が交差する角度やそれらが現れる位置は、結晶方位によって一義的に決まっている。従って、EBSP中に現れるパターンを解析することにより、物質を同定したり結晶方位を知ることができる。
近年の電子顕微鏡では測定からデータ解析までが自動化され、従来に比較して分析に要する時間が大幅に短縮され、しかも、結晶方位以外にも結晶粒径や第二相分離などの情報も迅速に取得可能である。従って、このような装置系で多結晶試料から得られたEBSPを解析すれば、結晶粒それぞれの情報を迅速に得ることができる。
図1は、電子後方散乱回折像を得るための装置構成の概要を説明するためのブロック図である。走査型顕微鏡(SEM)100は、照射系コントロールユニット101、試料ステージコントロールユニット102、およびカメラコントロールユニット103を備えており、これらのコントロールユニットはコンピュータ109により制御される。
鏡筒内に設けられた試料ステージ104上にセットされた試料105に電子線106を照射すると、結晶面からの回折が生じて複数のバンドが得られ、これがスクリーン107上にEBSPとして投影され、高感度カメラ108により撮影され、このEBSPが画像情報としてコンピュータ109に取り込まれて解析される。
コンピュータ109は、SEM100の本体を制御する処理部109a、画像の撮影乃至取込を制御する処理部109b、取込画像に基づいて結晶構造の解析を行う演算部109c、データを格納しておく記録部109dを備えており、上記EBSPは演算部109cにより画像解析され、結晶構造が既知の試料についてシミュレーションにより得られた画像とのパターン比較等により結晶方位の決定等がなされる。決定された結晶方位は角度表記の数値データとして位置座標(x,y)などとともに記録され、これらのデータをもとに結晶方位をマッピングしたり結晶粒界を表示させたりするなどの多用な解析を行うことができる。
このようなEBSD法をシリコン材料の評価に適用した例は既に報告があり、例えば、非特許文献1ではアモルファスシリコンの単結晶化を検討する際のツールとしてEBSD法が用いられ、当該文献にはEBSD法により得られた単結晶シリコンや多結晶シリコン等のEBSPおよびその解析結果が示されている。
上述したように、特許文献2に開示の手法のような光学顕微鏡下での視認による良否判断は、観察試料面のエッチングの程度や評価担当者の観察技量等に依存して結果に差が生じ易いことに加え、定量性や再現性にも乏しい。しかも、本発明者らの検討したところによれば、顕微鏡観察による良否判定の結果とシリコンの単結晶化率とが必ずしも一致しないという問題もある。そこで、本発明者らは、単結晶シリコン製造用原料として好適な多結晶シリコン棒を選択(選別)するための手法としてEBSD法を適用することを試みることとし、EBSD法での評価・解析結果と単結晶化率との相関について検討を行った。
EBSD法による評価を行う際には、EBSPのピクセルサイズが例えば0.5μmであれば、概ね0.5μm以上の粒径の結晶粒を確認することができる。また、EBSPの形成に寄与する全試料面の粒径マッピングを行うこともできる。
特許文献2では、FZ法による単結晶シリコンの製造用原料としては粒径の大きな結晶粒はなるべく含まない多結晶シリコン棒が好ましい旨が開示されている。このような事情もあり、本発明者らがEBSD法での評価・解析を開始するに際し、当初は、粒径の小さな結晶粒をなるべく多く含む多結晶シリコン棒の方が単結晶シリコン製造用原料として好適であると考えていた。
しかし、検討を進めて行くと、粒径が0.5μmを下回るような微細な結晶粒を多く含む多結晶シリコン棒を用いてFZ法による単結晶シリコンの育成を行うと、1回の処理での単結晶化(ワンパス)の確率は必ずしも高くないことが明らかとなってきた。
具体的には、多結晶シリコン棒から採取した板状試料の電子後方散乱回折像の解析結果として、粒径が0.5μm以上の結晶粒が検出されない領域の総和面積が電子線照射された面積全体の10%以下である多結晶シリコン棒を用いた場合には結晶線が消失しない一方、上記条件を満足しない多結晶シリコン棒の場合には結晶線が消失し易いことが判明した。
また、粒径が0.5μm以上で3μm未満の範囲にある結晶粒の個数が検出された結晶粒の全体の45%以上である多結晶シリコン棒を用いた場合には結晶線が消失しない一方、上記条件を満足しない多結晶シリコン棒の場合には結晶線が消失し易いことも判明した。
そこで、本発明に係る多結晶シリコン棒の選択方法では、多結晶シリコン棒から採取された板状試料の主面に電子線を照射して得られる電子後方散乱回折像を解析し、粒径が0.5μm以上の結晶粒が検出されない領域の総和面積が、電子線照射された面積全体の10%以下であること(条件1)、および、粒径が0.5μm以上で3μm未満の範囲にある結晶粒の個数が、検出された結晶粒の全体の45%以上であること(条件2)、を同時に満足する多結晶シリコン棒を単結晶シリコン製造用原料として選択する。
なお、ここでいう「粒径」は、電子後方散乱回折像の解析により検出された結晶粒のそれぞれにつきその面積を求め、当該面積を有する円の直径で定義付けている。
図2Aおよび図2Bは、化学気相法(シーメンス法)で析出させて育成された多結晶シリコン棒10からの、電子後方散乱回折測定用の板状試料20の採取例について説明するための図である。図中、符号1で示したものは、表面に多結晶シリコンを析出させてシリコン棒とするためのシリコン芯線である。なお、この例では、多結晶シリコン棒10の結晶粒径の径方向依存性の有無を確認すべく3つの部位(CTR:シリコン芯線1に近い部位、EDG:多結晶シリコン棒10の側面に近い部位、R/2:CTRとEGDの中間の部位)から板状試料20を採取しているが、このような部位からの採取に限定されるものではない。
図2Aで例示した多結晶シリコン棒10の直径は概ね120mmであり、この多結晶シリコン棒10の側面側からシリコン芯線1側に至る3つの部位(CTR:シリコン芯線1に近い部位、EDG:多結晶シリコン棒10の側面に近い部位、R/2:CTRとEGDの中間の部位)から、直径が概ね20mmで長さが概ね60mmのロッド11をくり抜く。この図に示した例では、ロッド11は、多結晶シリコン棒10の径方向に垂直な断面を底面とする柱状試料となる。
そして、図2Bに図示したように、これらのロッド11の長軸方向に垂直な断面を主面とする板状試料20を概ね2mmの厚みでスライスして採取する。従って、この場合、板状試料20は、多結晶シリコン棒10の径方向に垂直な断面を主面とするように採取されることになる。
なお、ロッド11を採取する部位や直径は上記例に限定する必要はなく、多結晶シリコン棒10全体の性状を合理的に推定可能であれば、どの部位から採取してもよい。多結晶シリコン棒10の直径やくり抜くロッド11の直径、或いは、くり抜くロッド11の長さ等を考慮して定めればよい。また、板状試料20についても、ロッド11の適当な部位から採取すればよい。
さらに、板状試料20は、多結晶シリコン棒10の長軸方向に垂直な断面を主面とするように採取してもよい。例えば、多結晶シリコン棒10の長軸方向と垂直な主面をもつ概ね2mmの厚みの板状試料をスライスにより採取し、この板状試料のシリコン芯線1に近い部位(CTR)、多結晶シリコン棒10の側面に近い部位(EDG)、CTRとEGDの中間の部位(R/2)から、直径が概ね20mmの板状試料20を採取するようにしてもよい。
採取した板状試料20は、EBSD測定に先立ち、研磨により表面の平坦性を高めておくことが好ましい。シリコン結晶の研磨には種々の方法が知られており、いずれの方法を用いても良いが、例えば振動研磨装置を用いることができる。
先ず、異なる析出条件下で育成された多結晶シリコン棒(A〜E)を5本準備した。これらの多結晶シリコン棒のそれぞれにつき、図2Aおよび図2Bで示した採取方法で、厚みが約2mmで直径が約20mmの板状試料(20CTR、20EDG、20R/2)を得た。なお、多結晶シリコン棒Eについては20CTRと20R/2の取得に失敗し20EDGのみを得た。
これらの板状試料につき、EBSD法による解析を行った。用いた装置は、極低加速走査型電子顕微鏡(ZEISS社製、SUPRA40VP)およびEBSD装置(EDAX(TSL)社製、Hikari High Speed EBSD Detector)である。電子線照射条件は、電子顕微鏡観察時は加速電圧を5kVとし、EBSD時は加速電圧を20kVとした。これにより得られた画像を解析して、粒径が0.5μm以上の結晶粒を含まない領域の面積及び粒径が0.5μm以上の結晶粒につき粒径分布および個数分布を求めた。
図3A〜Dは板状試料から得られた結晶粒の粒度分布についての解析結果例(左図:方位マッピング像(IPFマップ)、右図:(001)極点図)であり、それぞれ、0.5μm以上3μm未満の粒径の結晶粒(図3A)、3μm以上5μm未満の粒径の結晶粒(図3B)、5μm以上10μm未満の粒径の結晶粒(図3C)、10μm以上30μm未満の粒径の結晶粒(図3D)についてのものである。
これらの多結晶シリコン棒から得られた板状試料毎の結晶粒径分布とFZ操作1回における結晶線の消失の有無を表1に纏めた。なお、この表において、結晶粒径分布のI〜Vはそれぞれ、0.5μm未満(I)、0.5μm以上で3μm未満(II)、3μm以上で5μm未満(III)、5μm以上で10μm未満(IV)、10μm以上で30μm未満(V)である。
また、分布I(0.5μm未満)については、当該分布領域(粒径が0.5μm以上の結晶粒が検出されない領域)の総和面積(SI)の電子線照射された面積全体(S0)に対する比(SI/S0)を示しており、その他の分布II〜Vについては、それぞれの分布にカウントされた結晶粒の個数(N)の粒径が0.5μm以上の結晶粒の総数(Ntot)に対する比(N/Ntot)を示している。
表1に示したとおり、粒径が0.5μm以上の結晶粒が検出されない領域の総和面積が、電子線照射された面積全体の10%以下であること(条件1)、および、粒径が0.5μm以上で3μm未満の範囲にある結晶粒の個数が、検出された結晶粒の全体の45%以上であること(条件2)、を同時に満足する多結晶シリコン棒CおよびDにおいては結晶線の消失は生じていない。一方、上記2つの条件の少なくとも一方を満足しない多結晶シリコン棒A,B,およびEにおいては、結晶線の消失が認められた。
このように、本発明に係る方法で選択された多結晶シリコン棒をシリコン原料として用いることとすれば、単結晶シリコンの安定的製造が可能となる。
また、当該方法により選択された多結晶シリコン棒を破砕して多結晶シリコン塊を得て、これを原料として用いることとしても、単結晶シリコンの安定的製造が可能となる。
本発明は、単結晶シリコン製造用原料として好適な多結晶シリコンを高い定量性と再現性で選別し、単結晶シリコンの安定的製造に寄与する技術を提供する。
1 シリコン芯線
10 多結晶シリコン棒
11 ロッド
20 板状試料
100 走査型顕微鏡
101 照射系コントロールユニット
102 試料ステージコントロールユニット
103 カメラコントロールユニット
104 試料ステージ
105 試料
106 電子線
107 スクリーン
108 高感度カメラ
109 コンピュータ
109a SEMの本体を制御する処理部
109b 画像の撮影乃至取込を制御する処理部
109c 演算部
109d 記録部

Claims (6)

  1. 単結晶シリコン製造用原料として用いる多結晶シリコン棒を選択するための方法であって、多結晶シリコン棒から採取された板状試料の主面に電子線を照射して得られる電子後方散乱回折像を解析して、下記の2条件を同時に満足する多結晶シリコン棒を単結晶シリコン製造用原料として選択する、ことを特徴とする多結晶シリコン棒の選択方法。
    条件1:粒径が0.5μm以上の結晶粒が検出されない領域の総和面積が、電子線照射された面積全体の10%以下であること。
    条件2:粒径が0.5μm〜3μmの範囲にある結晶粒の個数が、検出された結晶粒の全体の45%以上であること。
  2. 前記板状試料は、前記多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を主面とするように採取される、請求項1に記載の多結晶シリコン棒の選択方法。
  3. 前記板状試料は、前記多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を底面とする柱状試料からスライスにより採取される、請求項2に記載の多結晶シリコン棒の選択方法。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法により選択された多結晶シリコン棒を破砕する工程を備えている多結晶シリコン塊の製造方法。
  5. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法により選択された多結晶シリコン棒をシリコン原料として用いる単結晶シリコンの製造方法。
  6. 請求項4に記載の方法により得られた多結晶シリコン塊を原料として用いる単結晶シリコンの製造方法。
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