JP5947248B2 - 多結晶シリコン棒の選択方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多結晶シリコンの結晶性をX線回折法により評価する方法、および、これを利用して単結晶シリコンを安定的に製造するための原料として好適な多結晶シリコン棒乃至多結晶シリコン塊を選択する方法に関する。
半導体デバイス等の製造に不可欠な単結晶シリコンは、CZ法やFZ法により結晶育成され、その際の原料として多結晶シリコン棒や多結晶シリコン塊が用いられる。このような多結晶シリコン材料は、多くの場合、シーメンス法により製造される(特許文献1等参照)。シーメンス法とは、トリクロロシランやモノシラン等のシラン原料ガスを加熱されたシリコン芯線に接触させることにより、該シリコン芯線の表面に多結晶シリコンをCVD(Chemical Vapor Deposition)法により気相成長(析出)させる方法である。
例えば、CZ法で単結晶シリコンを結晶育成する際には、石英ルツボ内に多結晶シリコン塊をチャージし、これを加熱溶融させたシリコン融液に種結晶を浸漬して転位線を消滅(無転位化)させた後に、所定の直径となるまで徐々に径拡大させて結晶の引上げが行われる。このとき、シリコン融液中に未溶融の多結晶シリコンが残存していると、この未溶融多結晶片が対流により固液界面近傍を漂い、転位発生を誘発して結晶線を消失させてしまう原因となる。
また、特許文献2には、多結晶シリコンロッド(多結晶シリコン棒)をシーメンス法で製造する工程中に該ロッド中で針状結晶が析出することがあり、かかる多結晶シリコン棒を用いてFZ法による単結晶シリコン育成を行うと、個々の晶子の溶融がその大きさに依存するために均一には溶融せず、不溶融の晶子が固体粒子として溶融帯域をとおって単結晶ロッドへと通り抜けて未溶融粒子として単結晶の凝固面に組み込まれ、これにより欠陥形成が引き起こされるという問題が指摘されている。
この問題に対し、特許文献2では、多結晶シリコン棒の長軸方向に対して垂直に切り出された試料面を研磨乃至ポリシングし、エッチング後に組織の微結晶を光学顕微鏡下でも視認できる程度にコントラストを高めて針状結晶のサイズとその面積割合を測定し、その測定結果に基づいてFZ単結晶シリコン育成用原料としての良否を判断する手法を提案している。
特公昭37−18861号公報 特開2008−285403号公報
しかし、特許文献2に開示の手法のような、光学顕微鏡下での視認による良否判断は、観察試料面のエッチングの程度や評価担当者の観察技量等に依存して結果に差が生じ易いことに加え、定量性や再現性にも乏しい。このため、単結晶シリコンの製造歩留まりを高める観点からは、原料となる多結晶シリコンの良否判断の基準を高めに設定しておく必要があり、結果として、多結晶シリコン棒の不良品率は高くなってしまう。
また、本発明者らが検討したところによれば、特許文献2に開示の手法では、良品と判定された多結晶シリコン棒を用いた場合でも、FZ法による単結晶シリコンロッドの育成工程で転位が発生し結晶線が消失することがある一方で、不良品と判定されたものを使用した場合でも、良好にFZ単結晶が得られる場合もあることが確認されている。
従って、単結晶シリコンを高い歩留まりで安定的に製造するためには、単結晶シリコン製造用原料として好適な多結晶シリコンを、高い定量性と再現性で選別する高度な技術が求められる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、単結晶シリコン製造用原料として好適な多結晶シリコンを高い定量性と再現性で選別し、単結晶シリコンの安定的製造に寄与する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る多結晶シリコンの結晶性評価方法は、多結晶シリコンの結晶性をX線回折法により評価する方法であって、前記多結晶シリコンを板状試料とし、該板状試料を第1のミラー指数面<h111>からのブラッグ反射が検出される位置に配置し、スリットにより定められるX線照射領域が前記板状試料の主面上をφスキャンするように該板状試料の中心を回転中心として回転角度φで面内回転させ、前記ミラー指数面からのブラッグ反射強度の前記板状試料の回転角度(φ)依存性を示すチャートを求め、該チャートからベースラインの回折強度値(IB 1)を求め、さらに、前記手法により、第2のミラー指数面<h222>から得られるφスキャン・チャートからベースラインの回折強度値(IB 2)を求め、前記IB 1値と前記IB 2値の大小関係を、前記多結晶シリコンの結晶性の評価指標として用いることを特徴とする。
好ましくは、前記第1および第2のミラー指数面は、<111>面および<220>面である。
また、本発明に係る多結晶シリコン棒の選択方法は、単結晶シリコン製造用原料として用いる多結晶シリコン棒をX線回折法により選択するための方法であって、前記多結晶シリコン棒は化学気相法による析出により育成されたものであり、該多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を主面とする板状試料を採取し、該板状試料を第1のミラー指数面<h111>からのブラッグ反射が検出される位置に配置し、スリットにより定められるX線照射領域が前記板状試料の主面上をφスキャンするように該板状試料の中心を回転中心として回転角度φで面内回転させ、前記ミラー指数面からのブラッグ反射強度の前記板状試料の回転角度(φ)依存性を示すチャートを求め、該チャートからベースラインの回折強度値(IB 1)を求め、さらに、前記手法により、第2のミラー指数面<h222>から得られるφスキャン・チャートからベースラインの回折強度値(IB 2)を求め、前記IB 1値と前記IB 2値の大小関係を判定基準として単結晶シリコン製造用原料としての適否を判断することを特徴とする。
好ましくは、前記第1および第2のミラー指数面は、<111>面および<220>面である。
好ましい態様では、前記板状試料を、半径Rの前記多結晶シリコン棒の径方向の中心からR/3以内の位置から採取し、前記φスキャンを行って前記ベースラインの回折強度値(IB値)を求め、ミラー指数面<111>のIB <111>値がミラー指数面<220>のIB <220>値よりも高く、且つ、前記板状試料を、半径Rの前記多結晶シリコン棒の径方向の中心から2R/3以上で3R/3以内の位置から採取し、前記φスキャンを行って前記ベースラインの回折強度値(IB)を求め、ミラー指数面<220>のIB <220>値がミラー指数面<111>のIB <111>値よりも高い場合に、単結晶シリコン製造用原料として選択する。
例えば、前記多結晶シリコン棒はシーメンス法で育成されたものである。
本発明に係る単結晶シリコンの製造方法では、上述の方法で選択された多結晶シリコン棒乃至当該多結晶シリコン棒を破砕して得られた多結晶シリコン塊を原料として用いる。
本発明の方法で選択された多結晶シリコン棒は、結晶中において、局所的な未溶融状態が生じ難いような熱の流れが実現されるものと考えられる。このため、係る多結晶シリコン棒を用いてFZ法で単結晶育成したり、このような多結晶シリコン棒を破砕して得られた多結晶シリコン塊を用いてCZ法で単結晶育成する場合の、局所的未溶融状態の発生が抑制され、単結晶シリコンの安定的製造が可能となる。
化学気相法で析出させて育成された多結晶シリコン棒からの、X線回折測定用の板状試料の採取例について説明するための図である。 化学気相法で析出させて育成された多結晶シリコン棒からの、X線回折測定用の板状試料の採取例について説明するための図である。 板状試料からのX線回折プロファイルを、θ-2θ法で求める際の測定系例の概略を説明するための図である。 θ-2θのX線回折チャートの一例である。 板状試料からのX線回折プロファイルを、φスキャン法で求める際の測定系例の概略を説明するための図である。 図4に示したφスキャン測定をミラー指数面<111>、<220>、<311>、<400>について行って得られたチャートの一例である。 板状試料からのX線回折プロファイルを、φスキャン法で求める際の他の測定系例の概略を説明するための図である。 図6に示したφスキャン測定をミラー指数面<111>、<220>、<311>、<400>について行って得られたチャートの一例である。 板状試料からのX線回折プロファイルを、φスキャン法で求める際の他の測定系例の概略を説明するための図である。 板状試料のミラー指数面<111>および<220>についてのφスキャン・チャートの例である。
本発明者らは、単結晶シリコンの製造を安定的に行うための多結晶シリコンの品質向上につき検討を進める中で、多結晶シリコン析出時の諸条件の違いにより、多結晶シリコン棒中に含まれる「結晶性」の程度に差異が生じるという知見を得るに至った。
単結晶シリコンとは異なり、多結晶シリコンのブロックは多くの結晶子、結晶粒を含んでおり、これらの結晶面はそれぞれがランダムな方向に向いている(ランダム配向)しているものと考えられがちである。しかし、本発明者らが検討したところによれば、多結晶シリコンブロックに含まれる結晶は、必ずしも完全にはランダム配向しているわけではない。
本発明者らが、化学気相法による析出で育成された多くの異なる多結晶シリコン棒から径方向に垂直な断面を主面とする板状試料を採取し、上記と同様の手法でミラー指数面<hkl>からのブラッグ反射強度を調べたところ、多結晶シリコン棒の製造条件によって、ミラー指数面<hkl>からのブラッグ反射強度のチャートはチャートのベースラインの値(回折強度)が試料により変動していることが判明した。
また、本発明者らの検討によれば、多数の多結晶シリコンロッド(シリコン棒)よりサンプルを採取して、それぞれのサンプルにつき、種々のミラー指数面についてブラッグ反射強度の測定を行い、それぞれの多結晶シリコンロッドを原料としてFZ法で単結晶化を試みたところ、上述したブラッグ反射強度のチャートに現れるベースラインの回折強度値(IB)の異なるミラー指数面間での大小関係が特定の条件を満足する場合には単結晶化の工程で結晶線が消失しない一方、この特定条件を満足しない場合には単結晶化の工程で結晶線が消失する確率が高いことが判明した。
つまり、多結晶シリコン棒中の結晶粒は必ずしもランダム配向化はしておらず、多結晶シリコンの「結晶性」は析出時の諸条件に依存する。
上述の特許文献2には、多結晶シリコンロッド中に存在する針状結晶の割合が多いとFZ法による単結晶引き上げ時に結晶線が消滅する旨が開示されている。特に多結晶シリコンロッドの内側領域に存在する針状結晶はFZ引き上げ時の浮遊帯域(熱溶解帯域)である「絞り」部分を通過しても未溶解な状態となり易く結晶線を消滅させてしまうとされている。
確かに、特許文献2に記載されているような針状結晶が多結晶シリコンロッド中に存在すれば、当該針状結晶は局所的に未溶解な状態となり易く、その結果、FZ法による単結晶引き上げ時に結晶線を消滅させる要因となり得るであろう。
しかし、本発明者らの検討によれば、このような針状結晶の存在が全く認められない多結晶シリコン棒を原料としてFZ法で単結晶シリコンを育成した場合にも、当該多結晶シリコン棒の製造条件(温度、ガス流量、TSC濃度等)により、結晶線消滅の有無に及ぼす明らかな影響が認められた。つまり、単結晶シリコン製造用原料として好適な多結晶シリコン棒の結晶性は、針状結晶の存否や密度ないし存在場所といった観点からのマクロな評価では十分ではなく、よりミクロな観点からの評価がなされるべきである。
そこで、本発明者らは、単結晶シリコン製造用原料として好適な多結晶シリコン棒を選択するために、X線回折法により多結晶シリコンの結晶性を評価することを試みたのである。
その結果、多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を主面とする板状試料を採取し、該板状試料を第1のミラー指数面<h111>からのブラッグ反射が検出される位置に配置し、スリットにより定められるX線照射領域が前記板状試料の主面上をφスキャンするように該板状試料の中心を回転中心として回転角度φで面内回転させ、前記ミラー指数面からのブラッグ反射強度の前記板状試料の回転角度(φ)依存性を示すチャートを求め、該チャートからベースラインの回折強度値(IB 1)を求め、さらに、前記手法により、第2のミラー指数面<h222>から得られるφスキャン・チャートからベースラインの回折強度値(IB 2)を求め、IB 1値とIB 2値の大小関係を判定基準として単結晶シリコン製造用原料としての適否を判断する手法が、上記課題解決に有効であるとの結論に至った。
多結晶シリコン棒を製造する際には、シリコン棒の成長に伴って、表面積当たりに供給される原料ガス量や表面温度も変化する。このため、多結晶シリコン棒の結晶性の部位依存性は、シリコン棒の長軸方向(延伸方向)での部位依存性よりも、半径方向での部位依存性の方が高くなる傾向がある。
そして、本発明者らの検討によれば、この結晶性の半径方向での部位依存性は多結晶シリコン棒の製造条件に依存し、単結晶シリコンの製造用原料として用いた場合に結晶線の消失が生じないものには、ある傾向が認められる。
具体的には、上記の板状試料を、半径Rの多結晶シリコン棒の径方向の中心からR/3以内の位置から採取し、φスキャンを行ってベースラインの回折強度値(IB)を求めた場合に、ミラー指数面<111>のIB <111>値がミラー指数面<220>のIB <220>値よりも高く、半径Rの前記多結晶シリコン棒の径方向の中心から2R/3以上で3R/3以内の位置から採取し、φスキャンを行ってベースラインの回折強度値(IB)を求めた場合に、ミラー指数面<220>のIB <220>値がミラー指数面<111>のIB <111>値よりも高い多結晶シリコン棒は、単結晶シリコンの製造用原料として用いた場合に結晶線消失が生じ難い。
本発明では、上述の方法により多結晶シリコン棒を選択し、これをシリコン原料として用いて単結晶シリコンを製造したり、選択された多結晶シリコン棒を破砕して得られた多結晶シリコン塊をシリコン原料として用いて単結晶シリコンを製造する。これにより、単結晶化において結晶線の消失が起きる問題の発生を抑制することができる。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1A及び図1Bは、シーメンス法などの化学気相法で析出させて育成された多結晶シリコン棒10からの、X線回折プロファイル測定用の板状試料20の採取例について説明するための図である。図中、符号1で示したものは、表面に多結晶シリコンを析出させてシリコン棒とするためのシリコン芯線である。
なお、この例では、多結晶シリコン棒10の結晶性の径方向依存性の有無を確認すべく3つの部位(CTR:シリコン芯線1に近い部位、EDG:多結晶シリコン棒10の側面に近い部位、R/2:CTRとEGDの中間の部位)から板状試料20を採取している。
図1Aで例示した多結晶シリコン棒10の直径は概ね120mmであり、この多結晶シリコン棒10の側面側から、直径が概ね20mmで長さが概ね60mmのロッド11を、シリコン芯線1の長手方向と垂直にくり抜く。
そして、図1Bに図示したように、このロッド11のシリコン芯線1に近い部位(CTR)、多結晶シリコン棒10の側面に近い部位(EDG)、CTRとEGDの中間の部位(R/2)からそれぞれ、多結晶シリコン棒10の径方向に垂直な断面を主面とする厚みが概ね2mmの円板状試料(20CTR、20EDG、20R/2)を採取する。
なお、ロッド11を採取する部位、長さ、および本数は、シリコン棒10の直径やくり抜くロッド11の直径に応じて適宜定めればよく、円板状試料20も、くり抜いたロッド11のどの部位から採取してもよいが、シリコン棒10全体の性状を合理的に推定可能な位置であることが好ましい。
例えば、3枚の円板状試料を取得する場合には、シリコン棒の周の半径に対し、中心部と、中心から半径の2分の1の位置と、外側にある位置の3箇所から円板状試料を取得することが好ましい。
また、円板状試料20の直径を概ね20mmとしたのも例示に過ぎず、直径はX線回折測定時に支障がない範囲で適当に定めればよい。
本発明では、多結晶シリコンの結晶性をX線回折法により評価するにあたり、上述のようにして採取した円板状試料20をミラー指数面<hkl>からのブラッグ反射が検出される位置に配置し、スリットにより定められるX線照射領域が円板状試料20の主面上をφスキャンするように円板状試料20の中心を回転中心として回転角度φで面内回転させ、ミラー指数面<hkl>からのブラッグ反射強度の円板状試料20の回転角度(φ)依存性を示すチャートを求め、該チャートからベースラインを求め、該ベースラインの回折強度値(IB)を結晶性の評価指標として用いる。
ここで、本発明者らの検討によれば、ミラー指数面<111>、<220>、<311>、<400>からのピークは、結晶性の評価に特に有効であるから、上記ミラー指数面<hkl>としては、<111>、<220>、<311>、<400>のミラー指数面のIB値を比較することが好ましいが、特に、<111>面のIB値と<220>面のIB値を比較することが有効である。
また、本発明では、単結晶シリコン製造用原料として用いる多結晶シリコン棒をX線回折法により選択するにあたり、上述の結晶性評価方法を利用する。
すなわち、本発明に係る多結晶シリコン棒の選択方法は、単結晶シリコン製造用原料として用いる多結晶シリコン棒をX線回折法により選択するための方法であって、前記多結晶シリコン棒は化学気相法による析出により育成されたものであり、該多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を主面とする板状試料を採取し、該板状試料を第1のミラー指数面<h111>からのブラッグ反射が検出される位置に配置し、スリットにより定められるX線照射領域が前記板状試料の主面上をφスキャンするように該板状試料の中心を回転中心として回転角度φで面内回転させ、前記ミラー指数面からのブラッグ反射強度の前記板状試料の回転角度(φ)依存性を示すチャートを求め、該チャートからベースラインの回折強度値(IB 1)を求め、さらに、前記手法により、第2のミラー指数面<h222>から得られるφスキャン・チャートからベースラインの回折強度値(IB 2)を求め、前記IB 1値と前記IB 2値の大小関係を判定基準として単結晶シリコン製造用原料としての適否を判断する。
ここでも、上記ミラー指数面<hkl>としては、<111>、<220>、<311>、<400>のミラー指数面のIB値を比較することが好ましく、特に、<111>面のIB値と<220>面のIB値を比較することが有効である。
好ましい態様では、上記の板状試料を、半径Rの多結晶シリコン棒の径方向の中心からR/3以内の位置から採取し、φスキャンを行ってベースラインの回折強度値(IB)を求めた場合に、ミラー指数面<111>のIB <111>値がミラー指数面<220>のIB <220>値よりも高く、かつ、上記の板状試料を、半径Rの前記多結晶シリコン棒の径方向の中心から2R/3以上で3R/3以内の位置から採取し、φスキャンを行ってベースラインの回折強度値(IB)を求めた場合に、ミラー指数面<220>のIB <220>値がミラー指数面<111>のIB <111>値よりも高い多結晶シリコン棒を、単結晶シリコン製造用原料として選択する。
板状試料のミラー指数面<hkl>についてのφスキャン・チャートに現れるベースラインをどのように定義付けるか等については、ミラー指数面<111>および<220>についてのφスキャン・チャートを例に、後述する。
図2は、円板状試料20からのX線回折プロファイルを、いわゆるθ-2θ法で求める際の測定系例の概略を説明するための図である。スリット30から射出されてコリメートされたX線ビーム40(Cu−Kα線:波長1.54Å)は円板状試料20に入射し、円板状試料20をXY平面内で回転させながら、試料回転角度(θ)毎の回折X線ビームの強度を検知器(不図示)で検出して、θ-2θのX線回折チャートを得る。
図3は、上記で得られたθ-2θのX線回折チャートの例で、ミラー指数面<111>、<220>、<311>、<400>からの強いブラッグ反射がそれぞれ、2θ=28.40°、47.24°、55.98°、68.98°の位置にピークとなって現れる。
図4は、円板状試料20からのX線回折プロファイルを、いわゆるφスキャン法で求める際の測定系の概略を説明するための図である。例えば、円板状試料20の上記θを、ミラー指数面<111>からのブラッグ反射が検出される角度とし、この状態で、円板状試料20の中心から周端に渡る領域にスリットにより定められる細い矩形の領域にX線を照射させ、このX線照射領域が円板状試料20の全面をスキャンするように円板状試料20の中心を回転中心としてYZ面内で回転(φ=0°〜360°)させる。
図4は、円板状試料20からのX線回折プロファイルを、いわゆるφスキャン法で求める際の測定系の概略を説明するための図である。例えば、円板状試料20の上記θを、ミラー指数面<111>からのブラッグ反射が検出される角度とし、この状態で、円板状試料20の中心から周端に渡る領域にスリットにより定められる細い矩形の領域にX線を照射させ、このX線照射領域が円板状試料20の全面をスキャンするように円板状試料20の中心を回転中心としてYZ面内で回転(φ=0°〜360°)させる。
図5は、上記φスキャン測定を、ミラー指数面<111>、<220>、<311>、<400>について行って得られたチャートの一例である。この例では、上記何れのミラー指数面に着目してもブラッグ反射強度は略一定であり、ブラッグ反射強度は回転角φにあまり依存せず、粉末試料と同様のチャートとなっている。
図6は、円板状試料20からのX線回折プロファイルをφスキャン法で求める際の他の測定系例の概略を説明するための図で、この図に示した例では、円板状試料20の両周端に渡る領域にスリットにより定められる細い矩形の領域にX線を照射させ、このX線照射領域が円板状試料20の全面をスキャンするように円板状試料20の中心を回転中心としてYZ面内で回転(φ=0°〜180°)させる。
図7は、上記φスキャン測定を、ミラー指数面<111>、<220>、<311>、<400>について行って得られたチャートの一例で、実質的に、図5に示したものと同じφスキャン・チャートが得られている。
図8は、円板状試料20からのX線回折プロファイルをφスキャン法で求める際のもうひとつの測定系例の概略を説明するための図で、この図に示した例では、円板状試料20の主面の全体ではなく、内周領域のみにX線を照射させ、このX線照射領域が円板状試料20の全面をスキャンするように円板状試料20の中心を回転中心としてYZ面内で回転(φ=0°〜180°)させる。
このようなX線照射領域から得られるφスキャン・チャートと、上述の円板状試料20の主面全体から得られるφスキャン・チャートとの差分を求める等の処理を行うと、円板状試料20の面内での結晶性分布を得ることが可能となる。
尤も、図1A〜1Bに示したような態様で採取された円板状試料20については面内での結晶性分布は生じないと考えられるが、本発明に係る結晶性の評価は、シーメンス法等により育成された多結晶シリコン棒の選択方法としてのみならず、多結晶シリコンの結晶粒径をX線回折法により評価する方法としても有意であることは言うまでもない。
従って、例えば、化学気相法による析出で育成された多結晶シリコン棒の径方向と平行に切り出された円板状試料につき面内での結晶性の分布を求めることにより、多結晶シリコン棒内での結晶性分布(ランダム配向性の程度の分布)乃至多結晶シリコン棒の口径拡大に伴う結晶性の変化(ランダム配向性の程度の変化)等を知ることも可能となり、これにより単結晶シリコン製造用原料として好適な多結晶シリコン棒を選択することが可能となる。
板状試料のミラー指数面<hkl>についてのφスキャン・チャートが、図5や図7に示したように、回折強度が概ね一定であれば当該φスキャン・チャートそのものを「ベースライン」として取り扱うことができるが、場合によっては、φスキャン・チャートに「うねり」がみられることがある。
図9は、板状試料のミラー指数面<111>および<220>についての、「うねり」がみられるφスキャン・チャートの例である。なお、これらの試料は同じ多結晶シリコン棒から採取したものであり、これらのφスキャン・チャートは、図6に示した態様の測定で得られたものである。
ミラー指数面<111>についてのφスキャン・チャートをみると、ベースラインに「うねり」がみられるが、φスキャン・チャートの平均回折強度(IB ave)は7.00kcpsであり、この値をミラー指数面<111>のIB値として採用する。
同様に、ミラー指数面<220>についてのφスキャン・チャートをみると、このベースラインにも「うねり」がみられるが、φスキャン・チャートの平均回折強度(IB ave)は3.50kcpsであり、この値をミラー指数面<220>のIB値として採用する。
なお、φスキャン・チャートは、図5や図7に示したような、回折強度が概ね一定であるものばかりではなく、場合によっては、ピーク状の回折強度分布が現れるものもある。φスキャン・チャート中にピーク状の回折強度分布が現れている場合には、S/N比が3以上であるものを「ピーク」と判定し、当該ピーク部分については、ピーク強度の積分を行う際にベースラインを求める手法に従って、ベースラインを定める。
異なる析出条件下で育成された多結晶シリコン棒を13本準備した。これらの多結晶シリコン棒(シリコン棒1〜13)のそれぞれにつき、図1Aおよび1Bで示した3つの部位から、厚みが概ね2mmの円板状試料(20CTR、20EDG、20R/2)を採取し、図6に示した測定系により、ミラー指数面<111>および<220>のφスキャン・チャートを得た。なお、円板状試料20の直径は約20mmである。
なお、板状試料の採取位置は、図1Aおよび1Bで示した3つの部位に限定されるものではなく、例えば、半径Rの多結晶シリコン棒の中心からR/3以内の位置、1R/3〜2R/3以内の位置、2R/3以上で3R/3以内の位置の3か所としてもよい。
これらの多結晶シリコン棒から得られた円板状試料毎のベースラインの回折強度、並びに、多結晶シリコン棒を用いてFZ法による単結晶シリコンロッドの育成を行った際の結晶線消失の有無を表1(実施例)および表2(比較例)に纏めた。なお、表中の数値は各ミラー指数面についてのベースラインの回折強度(IB:単位はkcps)であり、針状結晶の有無は特許文献2に記載の手法で確認を行った。
実施例1〜8のものは何れも、半径Rの多結晶シリコン棒の径方向の中心からR/3以内の位置(中心部)から採取した板状試料のミラー指数面<111>のIB <111>値がミラー指数面<220>のIB <220>値よりも高く、かつ、半径Rの多結晶シリコン棒の径方向の中心から2R/3以上で3R/3以内の位置(表面)から採取した板状試料のミラー指数面<220>のIB <220>値がミラー指数面<111>のIB <111>値よりも高い。
つまり、多結晶シリコン棒の中心部ではミラー指数面<111>の配向傾向がある一方、多結晶シリコン棒の表面側ではミラー指数面<220>の配向傾向がある。
そして、これらの実施例のものは何れも、針状結晶を含有するものであっても、FZ単結晶化の工程で結晶線の消失は生じていない。
これに対して、比較例1〜5のものは、半径Rの多結晶シリコン棒の径方向の中心からR/3以内の位置(中心部)から採取した板状試料のミラー指数面<111>のIB <111>値がミラー指数面<220>のIB <220>値よりも高いが、半径Rの多結晶シリコン棒の径方向の中心から2R/3以上で3R/3以内の位置(表面)から採取した板状試料のミラー指数面<220>のIB <220>値がミラー指数面<111>のIB <111>値よりも高いという条件を満足していない。
つまり、多結晶シリコン棒の中心部と同様に、多結晶シリコン棒の表面側においても、ミラー指数面<111>の配向傾向がある。
そして、これらの実施例のものは、針状結晶が認められないものも含め、何れも、FZ単結晶化の工程で結晶線の消失が生じている。
これらの結果は、特許文献2に開示されているような、目視観察では認められるようなマクロな針状結晶が確認されない多結晶シリコンロッドであっても、これを原料として単結晶シリコンを製造すると、転位発生の誘発に起因する結晶線消失を生じる場合があること、また、これとは逆に、仮にマクロな針状結晶が多結晶シリコンロッドに確認されるものであっても、単結晶シリコンの製造原料として好適であること、を意味している。
多結晶シリコン棒の中心部ではミラー指数面<111>の配向傾向があり、かつ、多結晶シリコン棒の表面側ではミラー指数面<220>の配向傾向がある場合に、何故、結晶線が消失しないのかにつき、本発明者らは以下の様に解釈している。
板状試料は、多結晶シリコン棒の成長軸方向(径方向)に対して垂直な断面を主面とするから、この板状試料のX線回折測定を行った場合、<111>面は成長軸方向と一致する。これに対して<220>面の方向は成長軸方向と45°ズレている。
板状試料が<111>面配向領域と<220>面配向領域を含む場合、当該板状試料の熱拡散率を測定すると、<111>面配向領域と<220>面配向領域の割合に応じた熱拡散率が得られることになる。
本発明者らの実験によれば、<220>面配向領域が優位になると熱拡散率の値が低下し、<111>面配向領域が優位になると熱拡散率の値が上昇した。これは多結晶シリコン中の熱が、結晶軸方向(ミラー指数面に垂直方向)に伝搬している結果に他ならない。
実際のFZ単結晶化工程による熱熔解による操作では、外側が加熱され<111>面配向が優位な場合は成長軸方向に熱を伝搬するのに対して、<220>面配向が優位な場合は成長軸に対して45°ズレた方向へ熱が伝搬する。そして、成長軸に対して45°ズレた方向への熱の伝搬は、多結晶シリコン棒の長軸方向への均熱化に寄与することになる。
FZ法により単結晶育成を行う場合は、前述した如く、固体から液体、液体から固体へと、連続的かつ一定速度でシリコンの相変化が進行するが、この様な連続的相変化が支障なく進行するためには、多結晶シリコン棒の長軸方向への均熱化は極めて重要なファクタであると考えられる。
多結晶シリコン棒の表面側でミラー指数面<220>の配向傾向がある場合に結晶線が消失しない理由は、このような均熱化効果にあるものと考えることができる。
ところで、多結晶シリコン棒の中心部において<220>面配向が優位であると、当該部分の熱が多結晶シリコン棒の長軸方向(上下方向)に伝搬して散逸し易くなる。当該部分は、FZ単結晶化工程でシリコン溶融液が細い形状に絞られる「ネック」に相当し、高温が維持されることが求められる領域である。従って、多結晶シリコン棒の中心部において<220>面配向が優位であると、当該部分への熱集中が阻害されてしまい、安定的な結晶成長が阻害される結果となる。
多結晶シリコン棒の中心部でミラー指数面<111>の配向傾向がある場合に結晶線が消失しない理由は、このような熱集中効果にあるものと考えることができる。
本発明は、単結晶シリコン製造用原料として好適な多結晶シリコンを高い定量性と再現性で選別し、単結晶シリコンの安定的製造に寄与する技術を提供する。
1 シリコン芯線
10 多結晶シリコン棒
11 ロッド
20 板状試料
30 スリット
40 X線ビーム

Claims (2)

  1. 単結晶シリコン製造用原料として用いる多結晶シリコン棒をX線回折法により選択するための方法であって、
    前記多結晶シリコン棒は化学気相法による析出により育成されたものであり、該多結晶シリコン棒の径方向に垂直な断面を主面とする板状試料を採取し、該板状試料を第1のミラー指数面<111>からのブラッグ反射が検出される位置に配置し、スリットにより定められるX線照射領域が前記板状試料の主面上をφスキャンするように該板状試料の中心を回転中心として回転角度φで面内回転させ、前記ミラー指数面からのブラッグ反射強度の前記板状試料の回転角度(φ)依存性を示すチャートを求め、該チャートからベースラインの回折強度値(I B <111> を求め、さらに、前記手法により、第2のミラー指数面<220>から得られるφスキャン・チャートからベースラインの回折強度値(I B <220> を求め、前記 B <111> 値と前記 B <220> 値の大小関係が下記の2条件を同時に満足する場合に、単結晶シリコン製造用原料として選択する、ことを特徴とする多結晶シリコン棒の選択方法。
    条件1:半径Rの前記多結晶シリコン棒の径方向の中心からR/3以内の位置から採取した前記板状試料で得られた前記I B <111> と前記I B <220> が、I B <111> >I B <220> を満足する。
    条件2:半径Rの前記多結晶シリコン棒の径方向の中心から2R/3以上で3R/3以内の位置から採取した前記板状試料で得られた前記I B <111> 値と前記I B <220> 値が、I B <111> <I B <220> を満足する。
  2. 前記多結晶シリコン棒はシーメンス法で育成されたものである、請求項1に記載の多結晶シリコン棒の選択方法。
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