JP2014031071A - 車両用インシュレータ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート状の3つの発泡樹脂層21〜23を積層する。中間の発泡樹脂層22には、気泡に加えて多数の小孔22aを形成しておく。これら発泡樹脂層21,22,23どうしの間には、流動性を有する接着剤層31を塗布する。そして、3つの発泡樹脂層21〜23の積層体を車両1の被取付面18の形状に合わせて成形し、かつ接着剤層31を上記成形時以降の硬化反応にて硬化させる。
【選択図】図3
Description
また、特許文献1に記載のインシュレータは、低密度フェルトからなる吸音材と、高密度フェルトかなる吸音材とを積層した構造になっている。低密度フェルトからなる吸音材がトーボードに面し、高密度フェルトからなる吸音材が車室に面している。
本発明は、車両用インシュレータの吸音性又は遮音性を確保しながら軽量化を図るとともに、容易に製造できるようにすることを目的とする。
互いに積層された3つのシート状の発泡樹脂層と、これら発泡樹脂層どうしの間に介在された接着剤層と、を備え、
前記3つの発泡樹脂層のうち中間の発泡樹脂層は、気泡に加えて多数の小孔を有し、かつ前記3つの発泡樹脂層の積層体が、前記被取付面に合うよう成形されており、
前記接着剤層が、流動性を有する状態から前記成形時以降の硬化反応によって硬化する性質を有していることを特徴とする。
また、本発明方法は、車両における、凹面部又は凸面部を有する被取付面に設けられる車両用インシュレータの製造方法であって、
3つの発泡樹脂層をシート状に形成し、かつ1の発泡樹脂層には、気泡に加えて多数の小孔を形成し、
前記1の発泡樹脂層を他の2つの発泡樹脂層にて挟むようにして、これら3つの発泡樹脂層を積層するとともに、これら発泡樹脂層どうしの間には、流動性を有する接着剤層を塗布し、
その後、前記3つの発泡樹脂層の積層体を前記被取付面の形状に合わせて成形し、かつ前記接着剤層を前記成形時以降の硬化反応にて硬化させることを特徴とする。
また、3つの発泡樹脂層の積層体を被取付面の形状に合わせて成形する際、この時点では接着剤層が流動性を有しているために発泡樹脂層どうしが面内方向に相対変位(スライド)できる。したがって、被取付面に凹面部又は凸面部があっても、インシュレータを上記被取付面に合った形状に容易に成形できる。
これによって、3つの発泡樹脂層を別々に発泡成形する必要が無く、製造工程を効率化して製造コストを低減できる。また、3つの発泡樹脂層が互いに同じ材質及び発泡倍率であっても、中間の発泡樹脂層を更に多孔構造にすることで、騒音の吸収帯域を確実に広くできる。
図1は、車両1の前側の一部分を示したものである。車両1は、エンジンルーム2と、車室3を有している。ボディパネル4が、エンジンルーム2及び車室3の底部を画成している。ボンネット5が、エンジンルーム2の上部を画成している。フロントガラス6が、車室3の上側の前面を画成している。エンジンルーム2内にエンジン7が搭載されている。エンジンルーム2と車室3は、トーボード8(遮断パネル)にて仕切られている。トーボード8の車室側にインストルメントパネル9が設けられている。トーボード8とインストルメントパネル9との間にヒータユニット10が設置されている。エンジン7とヒータユニット10がヒーターホースやハーネス等の接続手段11にて接続されている。車室3の底部にはフロアカーペット12が設けられている。
まず、ポリウレタンを発泡成形する。この発泡成型体を一定厚みにスライスすることによって、平らなシート状のスライスウレタンを作製する。各スライスウレタンが、発泡樹脂層21,22,23となる。したがって、3つの発泡樹脂層21,22,23が同一素材及び同一発泡率になる。そうすることで、製造工程を効率化でき、製造コストを低減できる。更に、3つの発泡樹脂層21,22,23を同一厚みにすることで、製造コストを一層低減できる。特に、ここまでの工程は、中間の発泡樹脂層22を他の発泡樹脂層21,23と区別する必要がないため、製造工程を一層効率化できる。
詳述すると、吸音性又は遮音性に関しては、両側の発泡樹脂層21,23によって高周波の騒音を吸収できるとともに、多数の小孔22a付きの中間発泡樹脂層22によって低周波の騒音を吸収できる。3つの発泡樹脂層21,22,23が互いに同じ材質及び発泡倍率であっても、中間の発泡樹脂層22を発泡構造に加えて多孔構造にすることで、騒音の吸収帯域を確実に広くできる。
また、重さに関しては、インシュレータ20をウレタン製にすることによって、従来のフェルト製のインシュレータよりも低密度にでき、ひいては軽量化できる。また、インシュレータ20をスライスウレタンの積層構造にすることで、従来の一体物(単層)のモールドウレタン製のインシュレータよりも、所望の吸音性を確保するのに必要な厚みを十分に小さくでき、ひいては十分に軽量化できる。加えて、中間の発泡樹脂層22に多数の小孔22aを形成することで、インシュレータ20全体の重さを更に、少なくとも10%程度軽量化できる。この結果、従来に比べて半分〜3分の1程度の重さにすることができる。
例えば、インシュレータは、3つの発泡樹脂層を有していればよく、発泡樹脂層が4つ以上有ってもよい。
中間の発泡樹脂層22の発泡度合い(気泡の平均径又は気泡の密度等)を、両側の発泡樹脂層21,23の発泡度合いと異ならせてもよい。各層21〜23の発泡度合いを互いに異ならせてもよい。発泡樹脂層22の小孔22aを省いてもよい。
発泡樹脂層22の小孔22aは、発泡樹脂層22の発泡成形と同時に当該発泡成形用の金型によって形成することにしてもよい。
3つの発泡樹脂層21,22,23の材質や厚みが互いに異なっていてもよい。発泡樹脂の成分は、ポリウレタンに限られず、ポリエチレン、ポリプロピレン等の他の樹脂成分であってもよい。
接着剤層31は、成形時以降に硬化反応を起こして硬化するものであればよく、成形時に硬化するものの他、成形後に硬化するものであってもよい。
接着剤層31が成形時以降に硬化するようになっている限り、発泡樹脂層21,22,23の積層体を成型する方法は、上記ホットプレス成型に代えて、上記積層体を予め加熱したうえで常温の金型に入れて加圧するコールドプレス成型であってもよい。
本発明のインシュレータは、トーボードに限られず、ルーフトリムやピラートリムに設けてもよい。一般に、ルーフトリム用のインシュレータは、ルーフトリムの上側面すなわち車室とは反対側の面(被取付面)に設けられる。被取付面が、凹面部及び凸面部のうち何れか一方だけを有していてもよい。
2 エンジンルーム
3 車室
4 ボディパネル
5 ボンネット
6 フロントガラス
7 エンジン
8 トーボード(被取り付け部材)
8e 貫通孔
9 インストルメントパネル
10 ヒータユニット
11 接続手段
18 被取付面
18a 凹面部
18b 凸面部
20 トーボードインシュレータ
20e 貫通孔
21 第1発泡樹脂層(他の発泡樹脂層)
22 第2発泡樹脂層(1の発泡樹脂層)
22a 小孔
23 第3発泡樹脂層(他の発泡樹脂層)
31 接着剤層
Claims (3)
- 車両における、凹面部又は凸面部を有する被取付面に設けられる車両用インシュレータであって、
互いに積層された3つのシート状の発泡樹脂層と、これら発泡樹脂層どうしの間に介在された接着剤層と、を備え、
前記3つの発泡樹脂層のうち中間の発泡樹脂層は、気泡に加えて多数の小孔を有し、かつ前記3つの発泡樹脂層の積層体が、前記被取付面に合うよう成形されており、
前記接着剤層が、流動性を有する状態から前記成形時以降の硬化反応によって硬化する性質を有していることを特徴とする車両用インシュレータ。 - 車両における、凹面部又は凸面部を有する被取付面に設けられる車両用インシュレータの製造方法であって、
3つの発泡樹脂層をシート状に形成し、かつ1の発泡樹脂層には、気泡に加えて多数の小孔を形成し、
前記1の発泡樹脂層を他の2つの発泡樹脂層にて挟むようにして、これら3つの発泡樹脂層を積層するとともに、これら発泡樹脂層どうしの間には、流動性を有する接着剤層を塗布し、
その後、前記3つの発泡樹脂層の積層体を前記被取付面の形状に合わせて成形し、かつ前記接着剤層を前記成形時以降の硬化反応にて硬化させることを特徴とする車両用インシュレータの製造方法。 - 発泡樹脂体をスライスすることによって前記3つのシート状の発泡樹脂層を形成し、次に、前記1の発泡樹脂層に前記多数の小孔を形成することを特徴とする請求項2に記載の車両用インシュレータの製造方法。
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JPH01200938A (ja) * | 1988-02-06 | 1989-08-14 | Arakawa Shatai Kogyo Kk | 凹部を有するクッション材の表皮接着方法 |
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JP2010036675A (ja) * | 2008-08-04 | 2010-02-18 | Howa Textile Industry Co Ltd | 車両用軽量多層構造防音材 |
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