JP2014030801A - 自動車排ガス浄化用助触媒材およびその製造方法 - Google Patents

自動車排ガス浄化用助触媒材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比較してセリウムの利用率を向上させる自動車排ガス浄化用助触媒材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】試料名CZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16は、800℃でのCe利用率が91%〜97%を有するものであるので、そのCZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16のCe利用率が、従来のようなコアシェル構造を有する例えば試料名CZ−120、CZ−100、CZ−50のようなセリアジルコニア材16やセリアとジルコニアとが均一に固溶された試料名CZsのような均一固溶体のセリアジルコニア材16に比較して向上する。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車排ガスを浄化するように排ガス中のミクロの空間で酸素/燃料(A/F)比率を、調整する自動車排ガス浄化用助触媒材およびその製造方法に関する。
自動車排ガス浄化用助触媒材は、例えば特許文献1の背景技術に示すようなセリアとジルコニアとが均一に固溶された均一固溶体のセリアジルコニア材が用いられている。このような、セリアジルコニア材で構成された自動車排ガス浄化用助触媒材は、酸化還元電位が比較的小さく、周囲の雰囲気によって結晶構造中の酸素を吸放出する酸素貯蔵能(Oxygen Strage Capasity)を有している。
ところで、近年セリウム原料価格の高騰、および不安定性から自動車排ガス浄化用助触媒材のセリウムの量を低減化する必要性が指摘されており、自動車排ガス浄化用助触媒材におけるセリウムの量を低減してジルコニアの量を増加させたジルコニアリッチの組成に注目が集まっている。しかしながら、ジルコニアは、触媒活性物質である白金などの貴金属を金属状態で保たせるアンカー効果が低いため、自動車排ガス浄化用助触媒材の表面に存在するジルコニウムが多いほど触媒活性が低下すると言われている。
そこで、近年ジルコニアの周りにセリアを担持させたコアシェル構造を持つ、例えば特許文献2乃至4に示すような自動車排ガス浄化用助触媒材が開発されてきている。
特開2007−136339号公報 特許第4179215号公報 特開2009−279544号公報 特開2004−74138号公報
ところで、上記のようなコアシェル構造を有する自動車排ガス浄化用助触媒材において、例えば特許文献2の自動車排ガス浄化用助触媒材ではセリア(CeO)の含有量が40mol%以上65mol%以下であることを特徴としており、一方、特許文献3では特許文献2のコアシェル構造を有する自動車排ガス浄化用助触媒材は高温時にコアのジルコニアとシェルのセリアとの固溶が進んでしまい耐熱性に課題があるから1000℃で焼成しても固溶が容易に進まない材料を提案している。
しかしながら、上記のようなコアシェル構造を有する自動車排ガス浄化用助触媒材においても、さらにその自動車排ガス浄化用助触媒材に含まれるセリウムの量の低減化が求められており、自動車排ガス浄化用助触媒材に含まれているセリアを更に有効に使用して、自動車排ガス浄化用助触媒材のOSC量を更に高めるすなわちセリウムの利用率(%)を更に向上させることが望まれている。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、従来に比較してセリウムの利用率を向上させる自動車排ガス浄化用助触媒材およびその製造方法を提供することにある。
本発明者等は以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、コアシェル構造の自動車排ガス浄化用助触媒材におけるコアの原料であるジルコニアゾル中のジルコニア粒子の平均粒子径D50を比較的小さなナノオーダの値に調整することによって、そのコアシェル構造の自動車排ガス浄化用助触媒材のOSC量が、従来のようなコアシェル構造の自動車排ガス浄化用助触媒材やセリアとジルコニアとが均一に固溶された均一固溶体の自動車排ガス浄化用助触媒材に比較して高くなり、セリウムの利用率(%)を90%を超える値に向上させることができることを見いだした。本発明はこのような知見に基づいて為されたものである。
前記目的を達成するための本発明の自動車排ガス浄化用助触媒材の要旨とするところは、(a) コアがジルコニアでそのコアの表面にセリアジルコニアとセリアとが存在している自動車排ガス浄化用助触媒材であって、(b) 前記自動車排ガス浄化用助触媒材は、800℃でのセリウムの利用率が91%〜97%を有するものである。
本発明の自動車排ガス浄化用助触媒材によれば、前記自動車排ガス浄化用助触媒材は、800℃でのセリウムの利用率が91%〜97%を有するものであるので、前記自動車排ガス浄化用助触媒材のセリウムの利用率が、従来のようなコアシェル構造を有する自動車排ガス浄化用助触媒材やセリアとジルコニアとが均一に固溶された均一固溶体の自動車排ガス浄化用助触媒材に比較して向上する。
ここで、好適には、前記コアの原料であるジルコニアゾル中のジルコニア粒子の平均粒子径D50は、9nm〜25nmである。このため、前記ジルコニア粒子の平均粒子径D50が比較的小さくなり比表面積が比較的大きくなるので、そのジルコニア粒子の周りに担持されたセリアが比較的薄くなり、焼成させた時にコアのジルコニアとセリアとの固溶がほぼ完全に進ませられる。なお、前記ジルコニア粒子の平均粒子径D50は、測定されたジルコニア粒子の積算重量が全重量の1/2のときの粒径である。
また、好適には、前記セリアの含有量が前記セリアジルコニア全体の5mol%以上30mol%以下である。このため、前記自動車排ガス浄化用助触媒材に含有されるセリウムの量を好適に低減化させることができる。
また、好適には、前記自動車排ガス浄化用助触媒材は、乾燥されることによってガラス化され、且つ焼成されたものであることから、その後の粉砕によってセリウムの利用率が従来に比較して高く平均粒子径がミクロンオーダーの粒子が得られる。
また、好適には、(a) ジルコニアゾルに、硝酸セリウムを溶解させる溶解工程と、(b) 前記溶解工程によって得られた溶解液にアンモニア水を加え攪拌することによってその溶解液中のセリウムの少なくとも一部を担持したジルコニアを含むアルカリ性のスラリーを得る第1担持工程と、(c) 前記第1担持工程によって得られたスラリーを湿式粉砕することによって更に強固に前記セリウムを前記ジルコニアに担持させる第2担持工程と、(d) 前記第2担持工程によって得られたスラリー中からその固形分を分離するろ過工程と、(e) 前記ろ過工程によって分離された固形分を乾燥させてガラス化させる乾燥工程と、(f) 前記乾燥工程によって得られた乾燥粉を焼成する仮焼成工程と、(g) 前記仮焼成工程によって焼成された粉末をその仮焼成工程の焼成温度より高い温度で再度焼成する本焼成工程とを、含む製造方法によって、自動車排ガス浄化用助触媒材が製造される。
前記自動車排ガス浄化用助触媒材の製造方法によれば、前記溶解工程においてジルコニアゾルに、硝酸セリウムが溶解され、前記第1担持工程において前記溶解工程によって得られた溶解液にアンモニア水を加え攪拌することによってその溶解液中のセリウムの少なくとも一部を担持したジルコニアを含むアルカリ性のスラリーが得られ、前記第2担持工程において前記第1担持工程によって得られたスラリーを湿式粉砕することによって更に強固に前記セリウムが前記ジルコニアに担持され、前記ろ過工程において前記第2担持工程によって得られたスラリー中からその固形分が分離され、前記乾燥工程において前記ろ過工程によって分離された固形分が乾燥されてガラス化され、前記仮焼成工程において前記乾燥工程によって得られた乾燥粉が焼成され、前記本焼成工程において前記仮焼成工程によって焼成された粉末がその仮焼成工程の焼成温度より高い温度で再度焼成されることにより、セリウムの利用率が従来に比較して高く、セリアの使用量が少なくても浄化性能が得られる自動車排ガス浄化用助触媒材が製造される。
また、好適には、前記溶解工程において、前記ジルコニアゾルに溶解される前記硝酸セリウムは、硝酸セリウム(III)六水和物、硝酸セリウム(IV)アンモニウム水和物、硝酸セリウム(III)六水和物を過酸化水素水で酸化処理をしてセリウムを四価にした水溶液等が使用される。
本発明の自動車排ガス浄化用助触媒材が適用された三元触媒コンバータである自動車排ガス浄化用触媒装置の触媒相の一部を拡大して示す模式図である。 図1の自動車排ガス浄化用助触媒材を拡大して示す模式図である。 図2の自動車排ガス浄化用助触媒材の製造方法を説明する工程図である。 図1の自動車排ガス浄化用触媒装置の製造方法を説明する工程図である。 図3の製造方法で製造された自動車排ガス浄化用助触媒材のセリウムの利用率(Ce利用率)の算出結果を示す図である。 図5の組成比Ce/Zr=20/80である自動車排ガス浄化用助触媒材のCe1mol当たりのOSC量およびCe利用率を示す図である。 図6の試料名CZ−120、CZ−100、CZ−50、CZ−09の自動車排ガス浄化用助触媒材のOSC性能の評価結果を示す図である。 図6の試料名CZ−09の自動車排ガス浄化用助触媒材における図3の乾燥工程後の乾燥粉に粉末X線回折(XRD)を行ったその乾燥粉のXRDパターンを示す図である。 図6の試料名CZ−120、CZ−100、CZ−50、CZ−09、CZsの自動車排ガス浄化用助触媒材に粉末X線回折を行ったそれら自動車排ガス浄化用助触媒材のXRDパターンを示す図である。 図6の試料名CZ−120の自動車排ガス浄化用助触媒材のイメージ図である。 図6の試料名CZsの自動車排ガス浄化用助触媒材のイメージ図である。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確には描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用された自動車排ガス浄化用触媒装置の一部である表面を拡大して示す模式図である。上記自動車排ガス浄化用触媒装置は、内燃機関からの排ガス中に含まれる有害成分である一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)および窒素酸化物(NOx)を浄化させる三元触媒コンバータであり、上記内燃機関からの排ガスを挿通させる複数の挿通穴を有し例えば多孔質セラミックで構成されたハニカム形状の図示しない本体部材と、上記内燃機関からの排ガス中に含まれる有害成分を浄化させるためにその本体部材の複数の挿通穴の内周面に設けられた触媒相10とによって構成されている。なお、図1は、前記三元触媒コンバータの触媒相10の一部を拡大させた模式図である。
図1に示すように、触媒相10には、前記本体部材の複数の挿通穴の内周面に担持されたアルミナ粉末12と、そのアルミナ粉末12の表面12aに触媒活性物質である例えば白金14の粉末と共に担持された助触媒であるセリアジルコニア材(自動車排ガス浄化用助触媒材)16とが備えられている。なお、図1では、コアシェル構造のナノオーダの粒子であるセリアジルコニア材16が複数個団粒構造に結合された平均粒子径がミクロンオーダーの粒子18の周りに複数の白金14が担持されている。
図2に示すように、セリアジルコニア材16は、コアがジルコニア粒子(ジルコニア)16aで構成され、そのジルコニア粒子16aの表面16bの周りにセリアジルコニア16cとセリアとが担持されたコアシェル構造である。なお、セリアジルコニア16cは、コアのジルコニア粒子16aの周りに担持されたセリア粒子が焼成によってコアのジルコニア粒子16aと反応しそのほぼ全部が固溶したものである。また、図2には示されていないが、セリアジルコニア16cの外周部16dの一部は、ジルコニア粒子16aと固溶せずセリアとなっている。
セリアジルコニア材16は、排ガス中の酸素濃度が運転条件などにより変動することによって白金14の効率が悪くなるのを抑制するために、触媒相10の周囲の酸素が過剰な時は酸素を貯蔵し、触媒相10の周囲の酸素が不足した時は酸素を放出する酸素貯蔵能を有する酸素貯蔵能材として機能する。
セリアジルコニア材16は、そのコアを形成するジルコニア粒子16aの原料であるジルコニアゾル20中のジルコニア粒子16aの平均粒子径D50(nm)を比較的小さなナノオーダの所定範囲内に調整することにより、そのセリアジルコニア材16のCe1mol当たりのOSC量(L・mol−1)が従来のコアシェル構造のセリアジルコニア材やセリアとジルコニアとが均一に固溶された均一固溶体のセリアジルコニア材のCe1mol当たりのOSC量(L・mol−1)よりも高くなって、Ce利用率(セリウムの利用率)が好適に高くなる。なお、上記OSC量とは、酸素を貯蔵供給する能力の量すなわち酸素放出量(L)である。
以下において、セリアジルコニア材16の製造方法およびそのセリアジルコニア材16を用いた前記自動車排ガス浄化用触媒装置の製造方法を図3、図4を用いて説明する。そして、図3の製造方法によって平均粒子径D50が前記所定範囲内に調整されたジルコニア粒子16aを用いたセリアジルコニア材16と、平均粒子径D50(nm)が前記所定範囲から外れるジルコニア粒子16aを用いた従来のようなコアシェル構造のセリアジルコニア材と、前記均一固溶体のセリアジルコニア材とを製造し、それらセリアジルコニア材のCe1mol当たりのOSC量(L・mol−1)およびCe利用率(%)とを比較させることによって、ジルコニアゾル20中のジルコニア粒子16aの平均粒子径D50を所定範囲内にすることにより従来のコアシェル構造のセリアジルコニア材や前記均一固溶体のセリアジルコニア材よりもセリアジルコニア材16のCe1mol当たりのOSC量(L・mol−1)およびCe利用率(%)が高くなることを示す。
図3に示すように、先ず、溶解工程P1において、平均粒子径D50(nm)が9nm〜25nmの範囲内であるジルコニア粒子16aを分散させたジルコニアゾル20に、硝酸セリウム(III)六水和物(硝酸セリウム)24を溶解させた。なお、ジルコニア粒子16aの平均粒子径D50(nm)は、動的光散乱(DLS)法を用いて測定したものである。また、ジルコニア粒子16aの平均粒子径D50(nm)は、粒径が測定されたジルコニア粒子16aの積算重量が全重量の1/2のときの粒径である。また、ジルコニアゾル20は、例えば日産化学工業株式会社の超微粒子ジルコニアゾル、ZR−20AS等を使用してもよい。
次に、第1担持工程P2において、溶解工程P1によって得られた溶解液にアンモニア水26を沈殿剤として加えて攪拌することによって、その溶解液のpHを酸性から中性、中性からアルカリ性にしてその溶解液中のセリウムの少なくとも一部を沈殿させ担持したジルコニアを含むアルカリ性のスラリーが得られる。
次に、第2担持工程P3において、第1担持工程P2によって得られた上記アルカリ性のスラリーを任意のジルコニアボールを使いボールミルで3〜24時間湿式粉砕することによって、第1担持工程P2よりも更に強固に前記セリウムを前記ジルコニアに担持させる。
次に、ろ過工程P4において、第2担持工程P3によって得られたスラリー中からその固形分を分離させる。また、次に、乾燥工程P5において、ろ過工程P4によってスラリー中から分離された固形分を80℃で12時間以上乾燥させることによってガラス化された乾燥粉が得られる。
次に、仮焼成工程P6において、乾燥工程P5によって得られた乾燥粉が、焼成温度(℃)500℃〜600℃の範囲内で焼成される。
次に、本焼成工程P7において、仮焼成工程P6によって焼成された粉末が、焼成温度(℃)800℃で再度焼成される。これによって、セリアジルコニア材16が製造される。次いで、必要に応じてミクロンオーダーの平均粒子径となるように粉砕され分級される。
以下に、図3の製造工程P1〜P7によって製造されたセリアジルコニア材16を用いた前記自動車排ガス浄化用触媒装置の製造方法を示す。図4に示すように、先ず、第1混合工程P8において、触媒活性物質である白金(Pt)14などの貴金属の硝酸塩などの水溶液中に、アルミナ12などの耐火性無機酸化物の粉末とセリアジルコニア材16とを混合させる。
次に、第1乾燥・焼成工程P9において、第1混合工程P8によって得られた混合液を、乾燥させてその後焼成させる。
次に、第2混合工程P10において、第1乾燥・焼成工程P9によって得られた粉末を、ボールミル等を用いて湿式粉砕してスラリー化させる。
次に、スラリー塗布工程P11において、混合工程P10によって得られたスラリーを多孔質セラミックで構成されたハニカム形状の本体部材に塗布する。
次に、第2乾燥・焼成工程12において、スラリー塗布工程P11によってスラリーが塗布された前記本体部材を、乾燥させてその後焼成させる。これによって、セリアジルコニア材16が用いられた前記自動車排ガス浄化用触媒装置が製造される。
ここで、図3の製造工程P1〜P7において、図5に示すように、溶解工程P1における硝酸セリウム(III)六水和物24を溶解するものを、ジルコニアゾル20或いは水にジルコニア粉を分散させたものに変更させ、溶解工程P1におけるジルコニアゾル20中のジルコニア粒子16aの平均粒子径D50を9(nm)〜50(nm)の範囲内すなわち9(nm)、25(nm)、50(nm)に変化させるか或いは溶解工程P1における上記水に分散された上記ジルコニア粉の平均粒子径D50を100(nm)〜120(nm)の範囲内すなわち100(nm)、120(nm)に変化させることによって、5種類のセリアジルコニア材16すなわち試料名CZ−09、CZ−25、CZ−50、CZ−100、CZ120のセリアジルコニア材16を製造し、それらセリアジルコニア材16のCe1mol当たりのOSC量(L・mol−1)を測定しCe利用率(%)を算出した。なお、試料名CZ−09、CZ−25、CZ−50、CZ−100、CZ−120のセリアジルコニア材16は、そのセリアジルコニア材16の組成比Ce/Zrが図5に示すように変化させられてそれぞれ製造されている。すなわち、上記試料名CZ−120のセリアジルコニア材16は、そのセリアジルコニア材16の組成比Ce/Zrが10/90、20/80、40/60になるように3種類製造されている。また、上記試料名CZ−100のセリアジルコニア材16は、そのセリアジルコニア材16の組成比Ce/Zrが20/80になるように製造されている。また、上記試料名CZ−50のセリアジルコニア材16は、そのセリアジルコニア材16の組成比Ce/Zrが20/80、30/70になるように2種類製造されている。また、上記試料名CZ−25のセリアジルコニア材16は、そのセリアジルコニア材16の組成比Ce/Zrが10/90になるように製造されている。また、上記試料名CZ−09のセリアジルコニア材16は、そのセリアジルコニア材16の組成比Ce/Zrが20/80になるように製造されている。また、比較例の一つとして、硝酸ジルコニル二水和物と硝酸セリウム(III)六水和物とを用い、一般的な中和共沈法を用いてセリアとジルコニアとが均一に固溶された均一固溶体である試料名CZsのセリアジルコニア材16を製造し、そのセリアジルコニア材16のCe1mol当たりのOSC量(L・mol−1)を測定しCe利用率(%)を算出した。なお、試料名CZsのセリアジルコニア材16の製造において、乾燥は120℃で12h、その後、焼成温度600℃で仮焼成した後に焼成温度800℃で再度焼成させた。また、上記試料名CZsのセリアジルコニア材16は、そのセリアジルコニア材16の組成比Ce/Zrが10/90、20/80、30/70、40/60になるように4種類製造されている。
以下、図5乃至図9を用いて、試料名CZ−09、CZ−25、CZ−50、CZ−100、CZ−120、CZsのセリアジルコニア材16の測定結果を示す。なお、試料名CZ−25(実施例1)、CZ−09(実施例2)のセリアジルコニア材16が実施例に対応し、それ以外すなわち試料名CZ−120(比較例1)、CZ−100(比較例2)、CZ−50(比較例3)、CZs(比較例4)のセリアジルコニア材16が比較例に対応している。また、試料名CZ−09、CZ−25のセリアジルコニア材16におけるジルコニアゾル20に含まれているジルコニア粒子16aの平均粒子径D50(nm)は、動的光散乱(DLS)法により粒子径を評価するマルバーン社製ゼータサイザーナノNanoZS(Red badge)を用いて測定したものであり、試料名CZ−120、CZ−100、CZ−50、CZsのセリアジルコニア材16におけるジルコニア粉およびジルコニアゾル20中のジルコニア粒子16aの平均粒子径D50(nm)は、電子顕微鏡(TEM)観測により評価し測定したものである。
また、セリアジルコニア材16における図7のOSC性能の評価および図5および図6のCe1mol当たりのOSC量(L・mol−1)の測定は、大倉理研製固定床ガス吸着装置BP−1を用いた。すなわち、セリアジルコニア材16のOSC性能の評価は、ペレット状にした例えば試料名CZ−09、CZ−50、CZ−100、CZ−120のセリアジルコニア材16の試料を石英ガラス管内に設置し、5%水素/アルゴン雰囲気下で昇温速度10℃/minで800℃まで昇温還元し、熱伝導度検出器(TCD)によってガス組成変化をモニタリングすることでセリアジルコニア材16の試料からの酸素放出挙動を示す図7に示すようなTPR曲線を検出して、そのTPR曲線と図7に任意に引かれたベースラインBLとによって囲まれた800℃までの面積すなわちセリアジルコニア材16の試料から放出された酸素放出量を求めて、セリアジルコニア材16のOSC性能を評価した。なお、図7のTPR曲線は、セリアジルコニア材16の試料中に貯蔵された酸素が水素と反応して水となることによって、熱伝導度の比較的高い水素が消費されて図7に示すように低下する。また、セリアジルコニア材16におけるCe1mol当たりのOSC量(L・mol−1)の測定は、上述したように、各セリアジルコニア材16の試料のTPR曲線を検出して、その検出されたTPR曲線と図7に任意に引かれたベースラインBLとによって囲まれた800℃までの面積すなわちセリアジルコニア材16の試料から放出された酸素放出量を求めて算出した。つまり、セリアジルコニア材16におけるCe1mol当たりのOSC量(L・mol−1)とは、セリアジルコニア材16の試料中のCe1mol当たりの酸素放出量すなわち800℃まで昇温還元した時にセリアジルコニア材16の試料から抜けた酸素量である。
また、セリアジルコニア材16における図5および図6に示すCe利用率(%)は、下記の数式(1)により算出される。なお、下記の6.2(L/mol)は、全てのCeが有効に使用された時のCe1mol当たりのOSC量(L/mol)であり、下記の数式(2)により算出される。また、数式(2)における試料1g当たりのOSC量(標準状態)は、上述のOSC性能の評価による昇温還元後、5%水素/アルゴン雰囲気下からアルゴン雰囲気下に切り換え600℃でTPR曲線のTCDSignalの値が一定になるまで雰囲気置換処理を行い、その後100%酸素パルスを飽和するまで試料に導入することで実験的に得られたものである。また、数式(2)において、上記試料はCeZr(1−a)であり、aは試料CeZr(1−a)に含有されたCeの量の割合である。
Ce利用率(%)=各試料のCe1mol当たりのOSC量(L/mol)÷6.2(L/mol)×100% ・・・(1)
Ce1mol当たりのOSC量(L/mol)=( 140.116×a+91.22×(1−a)+32 )× 試料1g当たりのOSC量(L/mol)÷a ・・・(2)
図7の測定結果から示すように、試料名CZ−09のセリアジルコニア材16は、TPR曲線が均一な1ピークのみがあり、下向きの酸素放出量を示すピークが明らかに他の試料すなわち試料名CZ−120、CZ−100、CZ−50のセリアジルコニア材16よりも大きく、セリアジルコニア材16が実用される実用温度800℃までのOSC性能が高い。また、図6の測定結果から示すように、セリアジルコニア材16における組成比Ce/Zrが20/80である試料CZ−120、CZ−100、CZ−50、CZ−09、CZsのセリアジルコニア材16において、CZ−09のセリアジルコニア材16がCZ−120、CZ−100、CZ−50、CZsのセリアジルコニア材16よりもCe1mol当たりのOSC量(L・mol−1)が大きく、ゆえにCe利用率(%)が97%と高くほぼ全てのCeが有効に使われている。また、図5の測定結果から示すように、セリアジルコニア材16における組成比Ce/Zrが10/90、20/80、30/70、40/60と違うものにおいて、組成比Ce/Zrが20/80であるCZ−09のセリアジルコニア材16と組成比Ce/Zrが10/90であるCZ−25のセリアジルコニア材16とは、そのCe利用率(%)が90%以上であり、その他の試料CZ−120、CZ−100、CZ−50、CZsのセリアジルコニア材16に比較して高かった。なお、図には示していないが、組成比Ce/Zrが5/95や30/70の時において、CZ−25およびCZ−09のセリアジルコニア材16のCe利用率(%)は、その他の試料CZ−120、CZ−100、CZ−50、CZsのCe利用率(%)より高くなる。また、図5に示すように、CZ−120、CZ−100、CZ−50、CZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16はコアシェル構造を有するコアシェル粒子(ジルコニアコア)であり、CZsのセリアジルコニア材16はジルコニアとセリアとが均一に固溶された固溶体であり、それらセリアジルコニア材16の粒子構造は、例えばSTEM−EDX(Scanning Transmission Electron Microscope −Energy Dispersive X-ray Spectoroscopy)により観察した。
このため、図5に示すように、試料名CZ−120、CZ−100、CZ−50、CZ−25、CZ−09、CZsのセリアジルコニア材16において、実施例であるCZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16は、平均粒子径D50が所定範囲すなわち9nm〜25nm内に調整されたジルコニア粒子16aを使用することによって、他の試料すなわち従来のようなコアシェル構造を有する比較例であるCZ−120、CZ−100、CZ−50のセリアジルコニア材16やジルコニアとセリアとが均一に固溶された比較例であるCZsのセリアジルコニア材16よりも、Ce1mol当たりのOSC量(L・mol−1)が大きく、ゆえに800℃でのCe利用率が91%〜97%と高くほぼ全てのCeが有効に使われたと考えられる。また、実施例であるCZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16は、例えば組成比Ce/Zrが5/95〜30/70すなわちセリアの含有量がセリアジルコニア全体の5mol%以上30mol%以下である時に、800℃でのCe利用率(%)がCZ−120、CZ−100、CZ−50、CZsのセリアジルコニア材16より高くなる。なお、実施例であるCZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16は、例えば組成比Ce/Zrが10/90〜20/80すなわちセリアの含有量がセリアジルコニア全体の10mol%以上20mol%以下である時に、800℃であるCe利用率(%)が91%〜97%とCZ−120、CZ−100、CZ−50、CZsのセリアジルコニア材16より好適に高くなる。
また、CZ−120、CZ−100、CZ−50、CZ−25、CZ−09、CZsのセリアジルコニア材16において、乾燥工程P5後の乾燥粉に粉末X線回折(XRD)を行ったが、実施例であるCZ−25とCZ−09との乾燥粉だけに例えば図8のXRDパターンに示すようにガラスの特徴のハローピークが見られ、特異的にガラス化した。なお、上記ハローピークは、図8の20°付近の一点鎖線で囲まれた部分に突き出たピークであり、図8はCZ−09の乾燥粉のXRDパターンである。このため、ガラス化された乾燥粉を使用することによって好適にセリアジルコニア材16のCe利用率(%)が向上すると考えられる。また、上記ガラス化された乾燥粉を、焼成し粉砕すると、Ce利用率(%)が比較例に比較して高く平均粒子径がミクロンオーダーである複数のセリアジルコニア材16が結合された粒子18が得られた。このため、平均粒子径D50が9(nm)〜25(nm)の範囲内のジルコニア粒子16aを使用することによって比較例に比べジルコニア16aの粒径が小さく有効比表面積が大きくなり、セリウムが薄く担持されてその結果固溶が進むので、そのミクロンオーダーの複数のセリアジルコニア材16が結合された粒子18でも内部のセリウムは有効に作用してCe利用率(%)が向上すると考えられる。なお、上記ガラス化された乾燥粉を、焼成し粉砕すると、Ce利用率(%)が比較例に比較して高く平均粒子径がナノオーダーの粒子18が一部含まれている。
また、CZ−120、CZ−100、CZ−50、CZ−09、CZsのセリアジルコニア材16の固溶状態を評価するために、それらセリアジルコニア材16に粉末X線回折(XRD)を行った。図9は、それらセリアジルコニア材16のXRDパターンである。図9によれば、CZ−09のセリアジルコニア材16は、CZsのセリアジルコニア材16とほぼ同等の回折パターンを示し、CZ−120、CZ−100、CZ−50のセリアジルコニア材16に見られた2θ=48°のジルコニアのピークもほぼ見られなくなっていることから、セリアジルコニア材16におけるコアのジルコニア粒子16aとセリアとがほぼ固溶していることが明らかである。このため、平均粒子径D50が9(nm)〜25(nm)の範囲内のジルコニア粒子16aを使用することによって、比較例に比べジルコニア16aの粒径が小さく有効比表面積が大きくなりセリウムがジルコニア粒子16aに薄く担持されるので、その後の焼成によってコアシェル構造を有するセリアジルコニア材16におけるコアのジルコニア粒子16aとセリア粒子とがほぼ固溶してCe利用率(%)が向上すると考えられる。なお、CeOよりCeZrOのほうが酸素を放出し易くなるのでコアのジルコニア粒子16aとセリア粒子とが固溶するとCe利用率(%)が向上する。
図9の測定結果等から、例えば、CZ−09、CZ−120、CZsのセリアジルコニア材16は、図2、図10、図11のような形状であると考えられる。なお、図2はCZ−09のセリアジルコニア材16のイメージ図であり、図10はCZ−120のセリアジルコニア材16のイメージ図であり、図11はCZsのセリアジルコニア材16のイメージ図である。図10のCZ−120のセリアジルコニア材16は、コアのジルコニア粒子16aの周りに担持されたセリア粒子16eが焼成によりコアのジルコニア粒子16aと反応しセリアジルコニア16cになるが、その一部が固溶せずセリア単独の状態が残っていると考えられる。一方、図2のCZ−09のセリアジルコニア材16は、ジルコニア粒子16aの粒子径が小さく有効比表面積が高いため、ジルコニア粒子16aの表面16bのセリアはほぼ全て固溶した状態になっていると考えられる。また、図11のCZsのセリアジルコニア16は、ジルコニアとセリアとが均一に固溶された均一固溶体すなわちセリアジルコニア16fとなっていると考えられる。なお、CZ−25のセリアジルコニア材16のイメージ図は、図2とほぼ同様であり、CZ−100、CZ−50のセリアジルコニア材16のイメージ図は、図10とほぼ同様であると考えられる。
上述のように、実施例である試料名CZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16によれば、そのCZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16は、800℃でのCe利用率が91%〜97%を有するものであるので、そのCZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16のCe利用率が、従来のようなコアシェル構造を有する例えば試料名CZ−120、CZ−100、CZ−50のようなセリアジルコニア材16やセリアとジルコニアとが均一に固溶された試料名CZsのような均一固溶体のセリアジルコニア材16に比較して向上する。
また、実施例である試料名CZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16によれば、コアの原料であるジルコニアゾル20中のジルコニア粒子16aの平均粒子径D50は、9nm〜25nmである。このため、ジルコニア粒子16aの平均粒子径D50が比較的小さくなり比表面積が比較的大きくなるので、そのジルコニア粒子16aの周りに担持されたセリアが比較的薄くなり、焼成させた時にコアのジルコニアとセリアとの固溶がほぼ完全に進ませられる。
また、実施例である試料名CZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16によれば、セリアの含有量がセリアジルコニア全体の5mol%以上30mol%以下、好適には10mol%以上20mol%以下である。このため、CZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16に含有されるセリウムの量を好適に低減化させることができる。
また、実施例である試料名CZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16によれば、そのCZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16は、乾燥工程P5により乾燥されることによってガラス化され、且つ仮焼成工程P6および本焼成工程P7により焼成されたものであることから、その後の粉砕工程によってCe利用率(%)が従来に比較して高く平均粒子径がミクロンオーダーの複数のセリアジルコニア材16が結合された粒子18が得られる。
試料名CZ−25、CZ−09のセリアジルコニア16の製造方法によれば、溶解工程P1においてジルコニアゾル20に、硝酸セリウム(III)六水和物24が溶解され、第1担持工程P2において溶解工程P1によって得られた溶解液にアンモニア水26を加え攪拌することによってその溶解液中のセリウムの少なくとも一部を担持したジルコニアを含むアルカリ性のスラリーが得られ、第2担持工程P3において第1担持工程P2によって得られたスラリーを湿式粉砕することによって更に強固に前記セリウムが前記ジルコニアに担持され、ろ過工程P4において第2担持工程P3によって得られたスラリー中からその固形分が分離され、乾燥工程P5においてろ過工程P4によって分離された固形分が乾燥されてガラス化され、仮焼成工程P6において乾燥工程P5によって得られた乾燥粉が焼成され、本焼成工程P7において仮焼成工程P6によって焼成された粉末がその仮焼成工程P6の焼成温度より高い温度で再度焼成されることにより、Ce利用率(%)が従来に比較して高く、セリアの使用量が少なくても浄化性能が得られるCZ−25、CZ−09のセリアジルコニア材16が製造される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
本実施例のセリアジルコニア材16において、そのセリアジルコニア材16が複数結合された粒子18には、触媒活性物質である白金14が担持されていたが、白金14に代えて例えば、パラジウム、ロジウム等の触媒が使用されても良い。
また、本実施例のセリアジルコニア材16において、そのセリアジルコニア材16は、仮焼成工程P6における仮焼成と本焼成工程P7における本焼成とによる二段階焼成により製造されたが、必ずしも二段階焼成によって製造される必要はなく一回の焼成で製造されても良い。
また、本実施例のセリアジルコニア材16において、溶解工程P1において、ジルコニアゾル20に、硝酸セリウムである硝酸セリウム(III)六水和物24を溶解させたが、硝酸セリウム(III)六水和物24に代えて例えば、硝酸セリウム(IV)アンモニウム水和物、硝酸セリウム(III)六水和物24を過酸化水素水で酸化処理をしてセリウムを四価にした水溶液等が使用されても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
16:セリアジルコニア材(自動車排ガス浄化用助触媒材)
16a:ジルコニア粒子(ジルコニア)
16b:表面
16c:セリアジルコニア
20:ジルコニアゾル
24:硝酸セリウム(III)六水和物(硝酸セリウム)
26:アンモニア水
P1:溶解工程
P2:第1担持工程
P3:第2担持工程
P4:ろ過工程
P5:乾燥工程
P6:仮焼成工程
P7:本焼成工程

Claims (5)

  1. コアがジルコニアで該コアの表面にセリアジルコニアとセリアとが存在している自動車排ガス浄化用助触媒材であって、
    前記自動車排ガス浄化用助触媒材は、800℃でのセリウムの利用率が91%〜97%を有するものであることを特徴とする自動車排ガス浄化用助触媒材。
  2. 前記コアの原料であるジルコニアゾル中のジルコニア粒子の平均粒子径D50は、9nm〜25nmであることを特徴とする請求項1の自動車排ガス浄化用助触媒材。
  3. 前記セリアの含有量が前記セリアジルコニア全体の5mol%以上30mol%以下であることを特徴とする請求項1または2の自動車排ガス浄化用助触媒材。
  4. 前記自動車排ガス浄化用助触媒材は、乾燥されることによってガラス化され、且つ焼成されたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の自動車排ガス浄化用助触媒材。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1の自動車排ガス浄化用助触媒材の製造方法であって、
    ジルコニアゾルに、硝酸セリウムを溶解させる溶解工程と、
    前記溶解工程によって得られた溶解液にアンモニア水を加え攪拌することによって該溶解液中のセリウムの少なくとも一部を担持したジルコニアを含むアルカリ性のスラリーを得る第1担持工程と、
    前記第1担持工程によって得られたスラリーを湿式粉砕することによって更に強固に前記セリウムを前記ジルコニアに担持させる第2担持工程と、
    前記第2担持工程によって得られたスラリー中からその固形分を分離するろ過工程と、
    前記ろ過工程によって分離された固形分を乾燥させてガラス化させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程によって得られた乾燥粉を焼成する仮焼成工程と、
    前記仮焼成工程によって焼成された粉末を該仮焼成工程の焼成温度より高い温度で再度焼成する本焼成工程と
    を含む自動車排ガス浄化用助触媒材の製造方法。
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