JP2013180928A - ジルコニアとセリアとの複合材料、その製造方法およびそれを含む触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】 良好な酸素貯蔵能と排ガス浄化性能を有する材料、その製造方法及びガス浄化用触媒を提供する。
【解決手段】ジルコニアの表面に相対的に高濃度でセリアを配置し、全金属成分の合計に対するセリウムの含量が2〜50モル%であり、その粒子の一部がセリアとジルコニアの固溶体であるセリアジルコニア複合粒子材料である。ジルコニア粒子およびセリウムイオンを含む水溶液内でpHを5〜10の範囲内に調整してセリアを沈殿生成させたのち、600℃以上で焼成する工程を含む製造方法である。さらに、本複合粒子と白金等の活性金属を含む排ガス浄化用あるいは揮発性有機物化合物浄化用触媒を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】ジルコニアの表面に相対的に高濃度でセリアを配置し、全金属成分の合計に対するセリウムの含量が2〜50モル%であり、その粒子の一部がセリアとジルコニアの固溶体であるセリアジルコニア複合粒子材料である。ジルコニア粒子およびセリウムイオンを含む水溶液内でpHを5〜10の範囲内に調整してセリアを沈殿生成させたのち、600℃以上で焼成する工程を含む製造方法である。さらに、本複合粒子と白金等の活性金属を含む排ガス浄化用あるいは揮発性有機物化合物浄化用触媒を得る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ジルコニアとセリアとを複合化した材料、その製造方法およびそれを含む浄化用触媒に関する。
揮発性有機化合物(VOC)や自動車エンジン等の内燃機関からの排ガス中には、炭化水素(HC)等が含まれるが、これらの物質は、燃焼触媒や排ガス浄化用触媒によって除去できる。また、エンジン排気浄化触媒では、一酸化炭素(CO)及び炭化水素を酸化すると同時に、窒素酸化物(NOx)を還元できる三元触媒によって除去できる。
近年では、セリア(セリウム酸化物、CeOx)、ジルコニア(ジルコニウム酸化物、ZrOx)を単独での使用、あるいは担体の化学的性質を利用して排ガスの浄化を促進するためにアルミナ担体と組み合わせて使用することが提案されている。とくに、排ガス中の酸素濃度の変動を吸収して排ガス浄化能力を高めるために、排ガス中の酸素濃度が高いときに酸素を吸蔵でき、一方酸素濃度が低いときに酸素を放出できる酸素吸蔵能(OSC)を有する材料を、触媒としてあるいは排ガス浄化触媒担体として用いることが行われている。OSCを有する材料として代表的なものはセリアもしくはセリアとジルコニアとの複合材(以下セリアジルコニアという)である。
三元触媒では、内燃機関の空燃比が理論空燃比であることが必要であるので、排ガス中の酸素濃度の変動を吸収して理論空燃比付近の酸素濃度を維持することは高い排ガス浄化能力を発揮するために好ましい。また、VOCの除去においても、このOSCが酸素の活性化機能をもたらし酸化反応による浄化が可能になるといわれている。
このようにセリアもしくはセリアジルコニアは、VOC浄化や排ガス浄化での使用に関して好ましい性質を有するが、しばしば必要とされる耐熱性や耐久性を有さないことがある。そのため高いOSC作用を有するセリアとジルコニアを固溶体化して、耐熱・耐久性を高める方法や各種形態のセリアジルコニア材料が開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。一方、複数の金属酸化物を組み合わせて使用する場合、これらの複数の金属酸化物の粒子を混合することもできる。例えば、セリアとジルコニアを特定組成で均一に混合した複合金属酸化物は良好な酸素吸蔵能及び耐熱性を有することが知られており、広く利用されている。しかしながら、使用状況によっては、有効な表面組成を選択できないという問題もある。
貴金属含有触媒の安定性の向上に対して、セリアジルコニアの粗大な粒子を用いると、白金等貴金属のシンタリング防止を充分に行えないことがある。すなわち、この複合金属酸化物の表面にはセリアとジルコニアの両者が存在するので、微粒子化して高い比表面積を保持しないと貴金属が分散せず、さらに高温では貴金属のシンタリングが防止されなくなり触媒性能の低下を生じる。
本発明の課題は、セリアとジルコニアのそれぞれの性質を良好に発揮できる触媒とするめの複合酸化物粒子、その製造方法、それを含む浄化用触媒を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明によれば、以下の複合材料、その製造方法、それを含む浄化用触媒が提供される。
[1] ジルコニアの表面に相対的に高濃度でセリアを配置したセリアジルコニア粒子であって、全金属成分の合計に対するセリウムの含量が2〜50モル%であり、その粒子の一部がセリアとジルコニアとの固溶体であるセリアジルコニア複合粒子材料。
[2] ジルコニア粒子およびセリウムイオンを含むpH5以上の水溶液において、セリウムを含む沈殿を生成させたのち、600℃以上で焼成する工程を含む前記[1]に記載のセリアジルコニア複合粒子材料の製造方法。
[3] 前記[1]に記載のセリアジルコニア複合粒子材料を含む排ガス浄化用あるいは揮発性有機化合物浄化用触媒。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明の複合材粒子は、ジルコニアの表面に相対的に高濃度でセリアを配置したセリアジルコニア複合粒子であって、全金属成分の合計に対するセリウムの含量が2〜50モル%であり、その粒子の一部がセリアとジルコニアの固溶体となっていることを特徴とするセリアジルコニア複合粒子材料である。より具体的には、ジルコニア表面にセリアを濃化、配置した複合した金属酸化物粒子であり、コアシェル型粒子もしくは粒子の一部がセリアによって濃化されかつその一部がセリアとジルコニアの固溶体である。また、ジルコニア粒子およびセリウムイオンを含む水溶液内でpHを5〜10の範囲内に調整してセリアを沈殿生成させたのち、600℃以上で焼成する工程を含むことによって該複合材粒子が提供される。
本発明の第1の発明である複合材粒子は、ジルコニア材表面にセリアを濃化させ配置した粒子であり、全金属成分の合計に対するセリウムの含量が2〜50モル%が好ましく、3〜40モル%がより好ましく、5〜30モル%がさらに好ましい。また粒子の一部がセリアとジルコニアの固溶体となっていることが好ましい。
上記セリアジルコニア複合粒子を含む触媒組成物によって、排ガス浄化および揮発性有機物化合物浄化用触媒が構成されることが好ましい。
ジルコニア表面にセリア微粒子を配置する複合化は、ジルコニア粒子の表面に粒径10nm以下のセリアを比較的多く含む粒子もしくは凝集粒子、あるいはセリア濃化層があることであり、逆にその粒子内部ではジルコニアを比較的多く含み、その境界付近では、その一部がセリアとジルコニアとの固溶体として存在することである。本複合材の粒子径は0.01〜10μmが好ましく、0.05〜5μmがより好ましい。
上記の比較的多く含むとは、他の部分より相対的に多く、濃化ともいい、粒子の場所による組成分布が傾斜的であることを指す。また、セリア微粒子が表面にあってもジルコニアを主とする成分が一部の表面に露出していてもよく、内部に対して相対的に高い濃度でセリウムを含むように、セリアもしくはセリアジルコニア微粒子が表面に分布してもよい。表面に配置するとは、ジルコニアが主成分の粒子の表面の全体あるいは一部にセリア粒子がある状態をさす。さらに、複合化とは、セリアとジルコニア成分が、粒子として一体化した状態を指す。表面においてセリアが最大100%となり、内部においてジルコニアが最大100%となるが、表面および内部でそれぞれ100%未満であってもよい。
本発明では、表面にセリウム粒子が相対的に多く、内部はジルコニア粒子が相対的に多いことが基本であるが、セリア粒子とジルコニア粒子の間には明確な境界はなくてもよい。組成が連続的に徐々に変化していても不連続で変化してもよい。しかし、組成傾斜の一部としてセリアジルコニア固溶体が形成されていることが好ましい。すなわち、表面にセリウムが相対的に多く、内部はジルコニアが主体の組成となり、その境界では少なくとも一部にセリアとジルコニアの固溶体が存在することが特に好ましい形態である。境界が元素分布で見て1nm程度の粒子あるいは粒子内ドメインを形成しながらその微小領域毎で徐々に組成が変化する、すなわち実質的に傾斜的に連続であることが電子顕微鏡によって分析できる。
さらには、本発明の複合粒子がジルコニア、セリア及び/又はセリア−ジルコニア固溶体を含む場合に、これらがセリウム(Ce)及びジルコニウム(Zr)以外の金属、例えば希土類元素およびアルカリ土類金属からなる群より選択される金属を含んでいてもよい。希土類金属としてイットリウム、スカンジウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテチウムの群から選ばれ、これら希土類金属の酸化物がジルコニア、セリアに加わる。特に、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、イットリウム(Y)を単独もしくは混合状態で含むことがより好ましい。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムが好ましい。これら希土類元素あるいはアルカリ土類金属、特にイットリウムは、ジルコニア、セリア及び、又はセリア−ジルコニア固溶体とその触媒に、優れた耐熱性を提供する傾向がある。
上記粒子構造によって、表面のセリアあるいはセリアジルコニアの酸素貯蔵能を活かし、このセリアとジルコニアを触媒担体として使用したとき、表層からの効率の良い酸素の放出ならびに吸収の作用を発現する。さらにこのセリアとジルコニアを触媒担体として使用したとき、担持される他の貴金属等触媒成分と本発明のセリアジルコニアとの良好な相互作用を得ることができる。
この複合酸化物粒子によれば、ジルコニアによって耐熱性を提供し、またセリアもしくはセリアジルコニア複合粒子によってOSCならびに酸化活性、さらにこの酸化物粒子に白金等の貴金属を担持したときに貴金属の性能を高め、かつ貴金属の高温でのシンタリングを防止する効果がある。
本発明の第2の発明であるセリアジルコニア複合材粒子の製造方法は、ジルコニア粒子およびセリウムイオンを含む水溶液内でpHを5以上、特に5〜10の範囲内に調整して、セリアもしくはセリウム含有粒子を沈殿させたのち、600℃以上で焼成する工程を含む。水溶液やその他溶媒中で混合する工程、固液分離の工程、乾燥、ならびに焼成する工程は通常方法でよいが、とくに、焼成条件が重要であり、600℃以上の温度での焼成が触媒活性の向上の点から好ましい。
本発明の複合材の製造に用いるジルコニア粒子については特に制限されるものではなく、まず通常の操作でジルコニア原料粉を水溶液に懸濁させる。例えば、ジルコニアが10nm以下の微粒子もしくはゾル状であってもよい。あるいはジルコニアが数〜数十μm程度の粒子であっても水中で十分撹拌して懸濁状態することは容易でありその使用を妨げない。さらに、水溶液にあってさらに粒子の懸濁状態の生成を容易にする種々の有機物の添加材を利用することを制限するものではない。さらに、処理すればジルコニア粒子を生成する溶液から、ジルコニアを懸濁した状態を用いて原料とすることもできる。
水溶液内にセリウムイオンを含ませるためには、セリウムの塩類を水に溶解させることにより実現でき、セリウム塩としては、硝酸セリウム、塩化セリウム、硝酸アンモニウムセリウム、酢酸セリウムなどの水溶性塩をセリウム塩として利用できる。さらに、セリウム金属もしくはセリウム酸化物やその他のセリウム含有固体を硝酸やその他の溶解力の高い溶液を用いて溶解させセリウムイオン含有水溶液としてもよい。さらにはセリウムを含む有機酸、例えば各種のカルボン酸や水溶性錯体を原料とすることもできる。
上記の水溶液のpHを調製するときには、ジルコニア粒子およびセリウムイオンを含む水溶液内に、アルカリ性溶液を実現する添加剤を加えてこれらが水溶液内で共存した状態とする。典型的かつ簡易にはアンモニア水を用いればよく、さらにはジメチルアミンやトリメチルアミンなどの有機アミン類、さらには分解してアルカリ性を発現するヘキサメチレンテトラミンや尿素を水溶液内に含ませるなど、多くの添加剤やその混合形態での使用が可能であり、それらの室温以外の冷熱条件でも利用できる。また、アルカリ性を示す既知の金属含有水溶液、例えばアルカリ金属の水酸化物を含む水溶液である水酸化カリウム等がアンモニア等と同様に利用できる。
pHを5〜10の範囲内に調整したのち、セリアの沈殿生成の現象は、セリウムを含む沈殿物の物性により多少の調整を行うが、pHが5未満において沈殿現象を起こさせた場合には、沈殿するセリウム量が少なくなったり、その操作ののちに再溶解などの現象によってセリウムの含量が少なくなり、触媒活性とくに酸素貯蔵能を発現するセリアジルコニア複合粒子の生成が達成しがたい。また、pHが10より超える場合には、アルカリ領域におけるセリアの凝集等の現象のため十分に分散したジルコニア上へのセリア添加の状態が得られ難く好ましくない。アルカリが過剰となると清浄水を多量に要するなど作業が煩雑となるため、経済上も好ましくない。なお、pHは、上記アンモニア水などのアルカリ性を示す添加剤の量ならびにその発生量によって調整すればよいので工程上のいずれの時点でも達成すればよいが、好ましくは最終のpH値とする。
このようにして得られたセリア添加ジルコニアは、遠心分離、ろ過等の操作により、固液分離されたのち、室温〜200℃で乾燥するか、あるいは乾燥せずに焼成する。乾燥条件はとくに問わないが、室温での風乾、凍結乾燥、80℃〜150℃付近の温度での熱乾燥法等によればよい。本発明では600℃以上で焼成する工程を含むことにより達成される。600℃以上の焼成は、セリアとジルコニアとを固着させるのに適当であり、触媒としての使用温度条件を考慮して1200℃以下の焼成が好ましい。これより高温になると凝集現象によって触媒活性や触媒担体性能が十分でないものとなる。また、その焼成時間は、通常20〜180分で焼成すればよい。
また、粉砕やボールミル等の処理を適宜行うことで触媒に適した粉末とする処理を行う。すなわち、原料の混合や、水中でのセリア添加ジルコニアの均一性保持のため沈殿時には十分撹拌すること、また場合により各種ミル操作やボーミル等の混合操作をしてもよく、さらに洗浄、ろ過あるいは乾燥後にミル操作やボーミル等の混合操作を施すことを妨げるものではない。
本発明の第3の発明である、排ガス等の浄化用触媒においては、第1の本発明および第2の発明によって達成されたセリアジルコニア酸化物粒子に、白金、ロジウム、パラジウムのような貴金属、特に白金とその合金類を担持する。複合酸化物粒子への貴金属の担持は、公知の方法を使用して行うことができるが、例えば貴金属の塩及び/又は錯塩を含有する溶液を用いて成分を粉体に吸水担持し、さらに乾燥及び焼成する方法が挙げられる。複合酸化物粒子に対する貴金属の担持量は、0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.2〜2質量%である。また、アルミナ、チタニア、水酸化アルミニウム、水和ジルコニア、水酸化ジルコニウム、ベーマイト等の金属酸化物やその他の触媒成分が共存することを妨げない。
本発明の触媒は、優れた酸素貯蔵能を発現し、さらに白金等の貴金属を高分散化した状態で自動車排ガス浄化用触媒や有機物ガスを含む汚染空気の浄化触媒として使用することができる。本発明の浄化用触媒は、それ自体を成形して用いるだけでなく、モノリス担体、例えばセラミクスハニカムにコートして用いることもできる。
(実施例1:La添加ジルコニア、800℃で熱処理した複合材)
まず、セリアを添加させるジルコニアの微粒子を共沈法にて作製した。2L(リットル)の蒸留水に,ZrO(NO)2・2H2O (和光純薬製) 0.297molとLa(NO3)3・6H2O (和光純薬製) 0.003molを溶解した。これに3倍に希釈した25wt%アンモニア水 (和光純薬製) 135.3mlを撹拌しながら加えた.水中で24時間熟成させた沈殿を洗浄、ろ過,さらに洗浄を行った後,120℃で24時間乾燥させたのち、600℃で仮焼、さらに900℃で5時間熱処理してジルコニア粉末Aを得た。
まず、セリアを添加させるジルコニアの微粒子を共沈法にて作製した。2L(リットル)の蒸留水に,ZrO(NO)2・2H2O (和光純薬製) 0.297molとLa(NO3)3・6H2O (和光純薬製) 0.003molを溶解した。これに3倍に希釈した25wt%アンモニア水 (和光純薬製) 135.3mlを撹拌しながら加えた.水中で24時間熟成させた沈殿を洗浄、ろ過,さらに洗浄を行った後,120℃で24時間乾燥させたのち、600℃で仮焼、さらに900℃で5時間熱処理してジルコニア粉末Aを得た。
このジルコニア粉末Aの5gと,Zrに対してCeのモル比が4:1(Zr:Ce=4:1)となるようにCe(NO3)3・6H2O(和光純薬製)を秤量し,2L(リットル)の蒸留水に加えスターラーで撹拌し溶解させた.pHメーターにてpHを測定した後,撹拌させたまま25wt%アンモニア水を50倍に希釈したアンモニア水溶液を20ml,40ml,50ml,60ml,100ml,152mlをそれぞれ加え,1時間撹拌した後にpHを測定した。24時間沈殿を熟成させた後,ろ過,洗浄し,得られた沈殿物を120℃で24時間乾燥させ、複合材粉末試料を得た。撹拌1時間後のpHは、それぞれ、20mlで5.4、40mlで5.6、50mlで6.6、60mlで7.3、100mlで、8.6、152mlで9.0となり、加えるアンモニア水溶液が多くなるほど水溶液のpHは高くなった。これらの試料を600℃で3時間の熱処理、さらに800℃で3時間の熱処理を行い、本発明のセリアジルコニア複合材粉末試料を得た。
前記熱処理した試料につき粉末X線回折法(XRD)により生成相を評価した。XRDパターンから、単斜晶ジルコニア,正方晶ジルコニア、セリアのピーク(CeO2)が観察できた。セリアのピークは相対的に小さくブロードであるが、加えるアンモニア水溶液の量を増やしpHが高くなるとセリアのピークが強くなり、セリア量が多くなっていくことが分かった。また、セリアのピーク位置が高角度側にわずかにずれることから、一部がジルコニアと固溶体を形成していることが示された。また含有セリア量を蛍光X線分析計で調べたところ、pH増加に伴いセリアの添加量は増加していることが分かった。これにより、ジルコニア粒子表面にセリア相が存在し、一部がセリアジルコニア固溶体を形成している3相構造のセリアジルコニア複合体を得た。
前記複合材粉末試料の酸素貯蔵能を評価するため,ガス吸着量測定装置BP-1S(大倉理研製、特殊仕様)を用いて以下の操作を行った。石英試料管に0.1gに秤量してペレット状にした後2mm程度に砕いた試料を入れ,室温で排気処理後、 600℃で熱処理した試料では、室温から600℃まで流量30ml/minの水素5%/Ar95%混合ガスを石英試料管に流しながら昇温速度10℃/minで昇温,還元した。この間,TCD検出器でガス組成変化をモニターし,さらに600℃で20分間、アルゴン中に保持した後,酸素ガスをパルスで導入し,TCD検出器で酸素吸収量を測定した。 また、上記粉末試料を600℃で3時間の熱処理、さらに800℃で3時間熱処理を行った試料について酸素貯蔵能を評価するため,ガス吸着量測定装置BP-1S(大倉理研製、特殊仕様)を用いて、上記の600℃熱処理試料では、室温から600℃まで流量30ml/minの水素5%/Ar95%混合ガスを石英試料管に流しながら昇温速度10℃/minで昇温、還元した処理において、温度を600℃に代えて800℃として評価を行った。これらの結果を表1に示す。
これらについて、600℃熱処理での酸素吸収量、また800℃熱処理後の酸素吸収量を、触媒1g当たりの吸着O2ガス量と含有するセリア1molあたりの酸素吸収量を、試料合成時のpHの推移に関して調べると、600℃ではpHが6.6の試料において酸素の吸収量が最大となり,また800℃では実施例のいずれの試料も高い酸素貯蔵能を示しセリアが無駄なく酸素の吸収放出に関与できるようになっていることがわかる。
ここでの実施例においてジルコニア表面にセリアが濃化している状態について調べるため、XPS分析装置により、セリウムおよびジルコニウム組成の比を測定した。その結果を表2に示す。いずれも全体の組成よりも表面においてセリウム濃度が高いことがわかる。
さらに、透過電子顕微鏡を用いて粒子の状態を調べた。実施例1において、pH8.6で調製し、600℃で3時間熱処理した粉末の微細構造を、日本電子製JEM2100型透過電子顕微鏡にて観測した写真を図1に示す。粒子の表面においてセリア濃化層が観測されており、XPSによるセリア表面濃化の分析結果に一致した。
(比較例1:pH5未満)
実施例と同様の試薬を用いて作成した、ジルコニア粉末Aを50gと,Zrに対してCeのモル比が4:1(Zr:Ce=4:1)となるようにCe(NO3)3・6H2O(和光純薬製)を秤量し,2L(リットル)の蒸留水に加えスターラーで撹拌し溶解させた.pHメーターにてpHを測定した後,撹拌させたまま25wt%アンモニア水を50倍に希釈したアンモニア水溶液を40ml加え,1時間撹拌させた後のpHは4.2であった。24時間沈殿を熟成させた後,ろ過,洗浄し,得られた沈殿物を120℃で24時間乾燥させ、さらに600℃で3時間の熱処理を行い、比較例1のセリアジルコニア複合粉末試料を得た.実施例1と同様に酸素吸収量等を評価したが、600℃で0.1mL/gの酸素貯蔵能しか得られなかった。また、800℃でも0.6mL/gと小さな値であった。セリウムの付着量は1mol%と少なかったため酸素貯蔵能が低くなったと考えらえる。
実施例と同様の試薬を用いて作成した、ジルコニア粉末Aを50gと,Zrに対してCeのモル比が4:1(Zr:Ce=4:1)となるようにCe(NO3)3・6H2O(和光純薬製)を秤量し,2L(リットル)の蒸留水に加えスターラーで撹拌し溶解させた.pHメーターにてpHを測定した後,撹拌させたまま25wt%アンモニア水を50倍に希釈したアンモニア水溶液を40ml加え,1時間撹拌させた後のpHは4.2であった。24時間沈殿を熟成させた後,ろ過,洗浄し,得られた沈殿物を120℃で24時間乾燥させ、さらに600℃で3時間の熱処理を行い、比較例1のセリアジルコニア複合粉末試料を得た.実施例1と同様に酸素吸収量等を評価したが、600℃で0.1mL/gの酸素貯蔵能しか得られなかった。また、800℃でも0.6mL/gと小さな値であった。セリウムの付着量は1mol%と少なかったため酸素貯蔵能が低くなったと考えらえる。
(実施例2:La添加ジルコニア、1000℃で熱処理した複合材)
実施例1と同様にジルコニア粉末を作製した後、セリアを添加する工程においてpH調整のためアンモニアを添加し(添加量2種類)、直径5mmのジルコニアボールを加えた容器に入れ、これを動転させボールミル処理を10時間行った。以後、実施例1と同様の操作により、600℃仮焼後さらに1000℃で5時間の熱処理を行って試料を作製した。XRD測定より,合成した試料からCeO2相のピーク位置が高角度側へのシフトが観測され、一部のセリアはジルコニアと固溶した複合化状態にあった。石英試料管に0.1gに秤量しペレット状にした後2mm程度に砕いた試料を入れ,室温で排気処理後800℃まで流量30ml/minの水素5%/Ar95%混合ガスを石英試料管に流しながら昇温速度10℃/minで昇温,還元した後ガスをアルゴンにして600℃冷却し20分間放置後,酸素ガスをパルスで導入し,TCD検出器で酸素吸収量を測定した。これらの結果を表3に示す。
実施例1と同様にジルコニア粉末を作製した後、セリアを添加する工程においてpH調整のためアンモニアを添加し(添加量2種類)、直径5mmのジルコニアボールを加えた容器に入れ、これを動転させボールミル処理を10時間行った。以後、実施例1と同様の操作により、600℃仮焼後さらに1000℃で5時間の熱処理を行って試料を作製した。XRD測定より,合成した試料からCeO2相のピーク位置が高角度側へのシフトが観測され、一部のセリアはジルコニアと固溶した複合化状態にあった。石英試料管に0.1gに秤量しペレット状にした後2mm程度に砕いた試料を入れ,室温で排気処理後800℃まで流量30ml/minの水素5%/Ar95%混合ガスを石英試料管に流しながら昇温速度10℃/minで昇温,還元した後ガスをアルゴンにして600℃冷却し20分間放置後,酸素ガスをパルスで導入し,TCD検出器で酸素吸収量を測定した。これらの結果を表3に示す。
実施例2で観測された酸素貯蔵能は、排ガス浄化用触媒として使用するに十分であり、とくに1000℃で熱処理後の試料における測定値であることから耐熱性にすぐれ、添加されたセリア量に相応してほとんどすべてのセリウムが酸化還元に利用される優れた特性を示す。
(実施例3:Y添加ジルコニア、1000℃で熱処理した複合材)
実施例1のランタンをイットリウムに代えてジルコニアの微粒子を共沈法にて作製した.2L(リットル)の蒸留水に,ZrO(NO)2・2H2O (和光純薬製) 0.288molとY(NO3)3・6H2O (和光純薬製) 0.012molを溶解した.3倍に希釈した25wt%アンモニア水. (和光純薬) 135mlを撹拌しながら加えた.水中で24時間熟成させた沈殿を洗浄、ろ過、洗浄を行った後,120℃で24時間乾燥させ600℃で仮焼後さらに900℃で5時間熱処理してジルコニア粉末Bを得た.
実施例1のランタンをイットリウムに代えてジルコニアの微粒子を共沈法にて作製した.2L(リットル)の蒸留水に,ZrO(NO)2・2H2O (和光純薬製) 0.288molとY(NO3)3・6H2O (和光純薬製) 0.012molを溶解した.3倍に希釈した25wt%アンモニア水. (和光純薬) 135mlを撹拌しながら加えた.水中で24時間熟成させた沈殿を洗浄、ろ過、洗浄を行った後,120℃で24時間乾燥させ600℃で仮焼後さらに900℃で5時間熱処理してジルコニア粉末Bを得た.
このジルコニア粉末Bを5gと,Zrに対してCeのモル比が4:1(Zr:Ce=4:1)となるようにCe(NO3)3・6H2O(和光純薬製 PKF2368)を秤量し,2Lの蒸留水に加え,スターラーで撹拌し溶解させ、実施例1と同様の操作で複合材粒子を作製した。アンモニア添加前のpHと添加後撹拌を1時間行った後のpHは、それぞれ、添加量40mlで5.8、同50mlで6.6、同60mlで7.6、同100mlで9.0となり、加えるアンモニア水溶液が多くなるほど,溶液のpHは高くなった.これらを乾燥後、600℃で3時間熱処理し、さらに1000℃で3時間熱処理した。
これらの試料につき相と酸素貯蔵能を評価した。XRD図形には、単斜晶ジルコニア,正方晶ジルコニア、セリアのピークが観察できた.熱処理試料のXRDパターンより、セリアのピークは小さくブロードであるが、加えるアンモニア水溶液の量を増やすとpHが高くなり、これに伴いセリアのピークが強くなり、セリア量が多くなっていくことが分かった。実施例1と同様な操作により、600℃および800℃まで前処理の還元熱処理した試料に対して酸素貯蔵能の評価を行った。これらの結果を表3に示す。
イットリウム添加の場合は、単位Ce量あたりの酸素貯蔵能は600℃、800℃ともにランタン添加の場合と大きな差異はなかった。
(実施例4:La添加ジルコニア、アンモニア代替ヘキサメチレンテトラミン添加)
実施例1で調製したジルコニア(ランタン添加)粉末2.5gを、硝酸セリウム九水和物(Ce(NO3)4・9H2O)1.75gを加えた水溶液500mlに投入し、懸濁させた。次いで、この溶液にアンモニア水20mlを加え、さらに0.0025M(モル)のヘキサメチレンテトラミン(HMT)500mlを加えて攪拌機にて150rpmで撹拌しながら90℃で30分間保持し、pHを9まで変化させ、セリアを生成させた。得られた生成物を吸引濾過して洗浄した後、120℃で一晩乾燥し、600℃で3時間熱処理、さらに900℃で3時間熱処理して、実施例4の試料を作製した。蛍光X線により分析したところCe量は12mol%であった。実施例1と同様に透過型電子顕微鏡を用いてセリアジルコニア複合粒子の形態を観測したところ、ジルコニア粒子表面に厚さ約5nm程度のセリア付着層があり、ジルコニア粒子表面を覆う構造となっていた。さらに、EDS元素分析により、ジルコニアを主成分とする中心部とセリアを主成分とする表面部があることが分った。実施例1と同様に酸素貯蔵能を測定したところ、600℃で1.0mL/g、800℃で5.0mL/g であった。
実施例1で調製したジルコニア(ランタン添加)粉末2.5gを、硝酸セリウム九水和物(Ce(NO3)4・9H2O)1.75gを加えた水溶液500mlに投入し、懸濁させた。次いで、この溶液にアンモニア水20mlを加え、さらに0.0025M(モル)のヘキサメチレンテトラミン(HMT)500mlを加えて攪拌機にて150rpmで撹拌しながら90℃で30分間保持し、pHを9まで変化させ、セリアを生成させた。得られた生成物を吸引濾過して洗浄した後、120℃で一晩乾燥し、600℃で3時間熱処理、さらに900℃で3時間熱処理して、実施例4の試料を作製した。蛍光X線により分析したところCe量は12mol%であった。実施例1と同様に透過型電子顕微鏡を用いてセリアジルコニア複合粒子の形態を観測したところ、ジルコニア粒子表面に厚さ約5nm程度のセリア付着層があり、ジルコニア粒子表面を覆う構造となっていた。さらに、EDS元素分析により、ジルコニアを主成分とする中心部とセリアを主成分とする表面部があることが分った。実施例1と同様に酸素貯蔵能を測定したところ、600℃で1.0mL/g、800℃で5.0mL/g であった。
(比較例2:均質混合物)
実施例1と同様の試薬を用いて、ジルコニアA粉末を作製し、その5gと,Zrに対してCeのモル比が4:1(Zr:Ce=4:1)となるように平均粒径1μmの凝集したセリア粉末を秤量して加え,2L(リットル)の蒸留水に加えスターラーで撹拌し懸濁させた.この均質混合物を120℃で乾燥させ、さらに600℃で3時間の熱処理を行い、比較例2のセリアジルコニア複合粉末試料を得た.実施例1と同様に酸素吸収量等を評価したが、600℃で0.1mL/g、800℃で0.2mL/g であり、酸素吸蔵能は小さかった。
実施例1と同様の試薬を用いて、ジルコニアA粉末を作製し、その5gと,Zrに対してCeのモル比が4:1(Zr:Ce=4:1)となるように平均粒径1μmの凝集したセリア粉末を秤量して加え,2L(リットル)の蒸留水に加えスターラーで撹拌し懸濁させた.この均質混合物を120℃で乾燥させ、さらに600℃で3時間の熱処理を行い、比較例2のセリアジルコニア複合粉末試料を得た.実施例1と同様に酸素吸収量等を評価したが、600℃で0.1mL/g、800℃で0.2mL/g であり、酸素吸蔵能は小さかった。
(比較例3:均質組成粒子)
実施例1のpH8.6の試料と組成が同じになるように13mol%セリウムを含む量において、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸ランタン六水和物、及び硝酸アンモニウムセリウムを精製水に溶解し、次いで、この混合溶液に8wt%アンモニア水を加えて沈殿物を生成した。得られた沈殿物を遠心分離によって分離した後、120℃で3時間真空乾燥し、800℃で5時間焼成してジルコニア−セリア固溶体と考えられる均質組成粒子を得た。実施例1と同様に酸素吸収量等を評価したが、800℃で4.5mL/g であり、有効にセリウム酸化還元に利用されないことがわかった。ここで、原因の詳細は明らかでないが、酸化還元に利用さないセリウムは20%程度であり、粒子の中心部から酸素放出が有効に行われていないことが推察される。
実施例1のpH8.6の試料と組成が同じになるように13mol%セリウムを含む量において、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸ランタン六水和物、及び硝酸アンモニウムセリウムを精製水に溶解し、次いで、この混合溶液に8wt%アンモニア水を加えて沈殿物を生成した。得られた沈殿物を遠心分離によって分離した後、120℃で3時間真空乾燥し、800℃で5時間焼成してジルコニア−セリア固溶体と考えられる均質組成粒子を得た。実施例1と同様に酸素吸収量等を評価したが、800℃で4.5mL/g であり、有効にセリウム酸化還元に利用されないことがわかった。ここで、原因の詳細は明らかでないが、酸化還元に利用さないセリウムは20%程度であり、粒子の中心部から酸素放出が有効に行われていないことが推察される。
以上より、実施例1〜4に示すように本発明のセリアジルコニア複合材は有効な酸素貯蔵能用触媒担体であることがわかる。そして本発明の粉末はセリウムが表面濃化しており、その結果、酸素貯蔵能が比較例1〜3に比して高いことが明らかである。
以下の実施例では活性金属種として白金を担持した触媒を調製してその性能を比較した例を示す。
(実施例5:白金担持して比較)
本実施例では本複合材粒子と活性金属種としての白金を担持した触媒として、実施例1の試料をpH8.6で調製後、800℃で焼成した複合材粉末の触媒性能を調べた。本複合材粉末にジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を含浸させて120℃で乾燥して水分を除去し、これを500℃で2時間焼成して本発明のPt担持触媒を得た。なお、Ptの担持量は1.0wt%であった。排ガス浄化として用触媒の耐熱性および活性評価では排ガスを模擬した耐久用リッチガス及びリーンガスを2分毎に切り替えて、ガス流量500ml/min、ガス濃度は、NO=1000ppm, O2=0.33%, C3H6=400ppm, CO=0.3%, H2=0.1%, H2O=2%, 残部N2 で、リッチ側0.15% H2, リーン側0.3% O2のガスをN2 バランスとして加え、変動周期は250秒で900℃、1時間の耐久試験を行った。この触媒0.1gに対し、ガス流量:500ml/min、ガス濃度:NO=1000ppm, O2=0.33%, C3H6=400ppm, CO=0.3%, H2=0.15%, H2O=2%, 残部N2 で、評価試験用のガスを流し5℃/分の速度で昇温させて、NO、C3H6、COの浄化率が50%になる温度(T50)を調べた。表5にその結果を示す。また、600℃での浄化率を測定した結果を表6に示す。
(実施例5:白金担持して比較)
本実施例では本複合材粒子と活性金属種としての白金を担持した触媒として、実施例1の試料をpH8.6で調製後、800℃で焼成した複合材粉末の触媒性能を調べた。本複合材粉末にジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を含浸させて120℃で乾燥して水分を除去し、これを500℃で2時間焼成して本発明のPt担持触媒を得た。なお、Ptの担持量は1.0wt%であった。排ガス浄化として用触媒の耐熱性および活性評価では排ガスを模擬した耐久用リッチガス及びリーンガスを2分毎に切り替えて、ガス流量500ml/min、ガス濃度は、NO=1000ppm, O2=0.33%, C3H6=400ppm, CO=0.3%, H2=0.1%, H2O=2%, 残部N2 で、リッチ側0.15% H2, リーン側0.3% O2のガスをN2 バランスとして加え、変動周期は250秒で900℃、1時間の耐久試験を行った。この触媒0.1gに対し、ガス流量:500ml/min、ガス濃度:NO=1000ppm, O2=0.33%, C3H6=400ppm, CO=0.3%, H2=0.15%, H2O=2%, 残部N2 で、評価試験用のガスを流し5℃/分の速度で昇温させて、NO、C3H6、COの浄化率が50%になる温度(T50)を調べた。表5にその結果を示す。また、600℃での浄化率を測定した結果を表6に示す。
(比較例4)
比較例3の粉末を用いて、実施例5と同様の工程により、白金を含む触媒を作製した。さらに、同様の熱処理をして評価を行った。結果を表5と6に合わせて示す。
比較例3の粉末を用いて、実施例5と同様の工程により、白金を含む触媒を作製した。さらに、同様の熱処理をして評価を行った。結果を表5と6に合わせて示す。
表5および表6から明らかなように、本発明の触媒は、高温下での耐久試験後においても、比較例3の触媒に比べて性能が優れていることがわかる。
本発明の複合酸化物は揮発性有機化合物の浄化や自動車エンジン等の内燃機関からの排ガスの浄化等に利用できる。
Claims (3)
- ジルコニアの表面に相対的に高濃度でセリアを配置したセリアジルコニア粒子であって、全金属成分の合計に対するセリウムの含量が2〜50モル%であり、その粒子の一部がセリアとジルコニアとの固溶体であるセリアジルコニア複合粒子材料。
- ジルコニア粒子およびセリウムイオンを含むpH5以上の水溶液において、セリウムを含む沈殿を生成させたのち、600℃以上で焼成する工程を含む請求項1に記載のセリアジルコニア複合粒子材料の製造方法。
- 請求項1に記載のセリアジルコニア複合粒子材料を含む排ガス浄化用あるいは揮発性有機物化合物浄化用触媒。
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JP2012045995A JP2013180928A (ja) | 2012-03-02 | 2012-03-02 | ジルコニアとセリアとの複合材料、その製造方法およびそれを含む触媒 |
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