JP2006341176A - 触媒担体及び排ガス浄化触媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 白金のような貴金属のシンタリングを良好に防止できる触媒担体の製造方法、及びこの触媒担体を用いる触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】 触媒担体10を製造する本発明の方法は、セリウム塩、アルミニウム塩、第3の金属の塩及び尿素を含有している塩溶液を提供すること、塩溶液を加熱して尿素を分解し、アンモニアを発生させて、塩溶液をアルカリ性にすることによって、セリウム、アルミニウム及び第3の金属の水酸化物を含有する沈殿物を形成すること、並びに得られた凝集物を乾燥及び焼成することを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、触媒担体、特にNO吸蔵還元触媒の用途に好ましい触媒担体の製造方法、及び排ガス浄化触媒の製造方法に関する。
自動車エンジン等の内燃機関からの排ガス中には、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等が含まれる。従って一般に、CO及びHCを酸化し、且つNOを還元する排ガス浄化触媒によって浄化した後で、これらの排ガスを大気中に放出している。この排ガス浄化触媒の代表的なものとしては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等の貴金属をγ−アルミナ等の多孔質金属酸化物担体に担持させた三元触媒が知られている。
この金属酸化物担体は様々な材料で作ることができるが、従来は高表面積を得るためにアルミナを使用することが一般的であった。しかしながら近年では、担体の化学的性質を利用して排ガスの浄化を促進するために、セリア(CeO)、ジルコニア(ZrO)、チタン(TiO)などの様々な他の材料を、アルミナと組み合わせて又は組み合わせないで、使用することも提案されている。
例えば、排ガス中の酸素濃度の変動を吸収して三元触媒の排ガス浄化能力を高めるために、排ガス中の酸素濃度が高いときに酸素を吸蔵し、排ガス中の酸素濃度が低いときに酸素を放出する酸素吸蔵能(OSC能)を有する材料を、排ガス浄化触媒に用いることが行われている。OSC能を有する材料として代表的なものはセリアである。
三元触媒の作用によってCO及びHCの酸化と、NOの還元とが効率的に進行するためには、内燃機関の空燃比が理論空燃比(ストイキ)であることが必要であるので、OSC能を有する材料によって、排ガス中の酸素濃度の変動を吸収し、理論空燃比付近の酸素濃度を維持することは、三元触媒が排ガス浄化能力を発揮するために好ましい。
このようなOSC能を得る目的でのセリアの使用に関しては様々な研究がなされており、例えば特許文献1では、アルミナ粒子とセリア粒子の混合物を基材にコートし、ここに貴金属等の触媒成分を担持させることを開示している。またこの特許文献1では、従来技術として、硝酸セリウムのようなセリウム塩の溶液を多孔質担体に含浸させ、これを乾燥及び焼成してセリア担持触媒担体を得ることも開示している(段落0017等参照)。
特許文献2で示されるように、セリア及びジルコニアを固溶体化してOSC能及び耐熱性を高めることも知られている。
またセリアのOSC能は、例えば特許文献3で示すように、白金のような貴金属とバリウムのようなNO吸蔵材とを担持するNO吸蔵還元触媒での使用に関しても研究されている。このNO吸蔵還元触媒は、燃費の向上を意図したリーンバーンエンジンからの排ガスを浄化するための触媒である。
特許文献1〜3で示されているように、従来技術ではセリアのOSC能を利用することを意図して様々な研究が行われている。また、近年の研究によれば、セリアはOSC能を有するだけでなく、その上に担持される貴金属、特に白金との親和性が強いために、貴金属の粒成長(シンタリング又は焼結)を抑制できることが見出されている。排ガス浄化触媒の使用の間に白金がシンタリングすると、触媒の活性点が減少し、それによってNOの酸化還元効率が低下する。従って白金のシンタリングを抑制することは非常に重要である。
このようにセリアは白金のシンタリング防止に関しても重要である。しかしながら、セリアは比較的シンタリングし易いので、セリア自身がシンタリングし、それによってセリアによる白金のシンタリング防止効果が低下することがある。
これに関して、特許文献4及び5では、アルミニウム塩、セリウム塩及びジルコニウム塩を含有する溶液にアルカリ性溶液を添加して、アルミナ、セリア及びジルコニアが相互に分散している触媒担体を得ることを開示している。
また、特許文献6では、アルミナ、セリア及びジルコニアが相互に分散しているこのような触媒担体を、金属アルコキシドから製造することを提案している。この特許文献6によれば、このようにして製造された触媒担体では、アルミナ、セリア及びジルコニアが特に均一に混合されており、それによって高温での耐久後においても安定したOSC能を有するとしている。
更に、特許文献7では、セリア及びジルコニアの少なくとも一方の粒子と、アルミナの粒子とが高度に均一に分散している触媒担体及びその製造方法について開示している。この特許文献7によれば、セリウム及びジルコニウムの少なくとも一方の塩とアルミニウム塩とを含有する塩溶液を、アルカリ性溶液と短時間で混合することによってこのような触媒担体が得られるとしている。このような触媒担体では、セリア及びジルコニアの少なくとも一方の粒子がアルミナ粒子と高度に均一に分散していることによって、セリア及びジルコニアの少なくとも一方の粒子の焼結が、それらの間のアルミナ粒子によって抑制されている。
特開2001−9280号公報 特開2003−126694号公報 特開2001−276622号公報 特開平10−202101号公報 特開平11−267501号公報 特許3379369号公報 特許3262044号公報
本発明では、セリア、アルミナ及び第3の金属の酸化物を含有する触媒担体の新規の製造方法、及びこのような触媒担体を用いる排ガス浄化触媒の製造方法を提供する。
セリア、アルミナ及び第3の金属の酸化物を含有する触媒担体を製造する本発明の方法は、セリウム塩、アルミニウム塩、第3の金属の塩及び尿素を含有している塩溶液を提供すること;塩溶液を加熱して尿素を分解し、アンモニアを発生させて、塩溶液をアルカリ性にすることによって、セリウム、アルミニウム及び第3の金属の水酸化物を含有する沈殿物を形成すること;並びに得られた凝集物を乾燥及び焼成することを含む。ここで、第3の金属は、セリウム以外の希土類金属、ジルコニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムからなる群から選択される。
触媒担体を製造する本発明の方法によれば、尿素を含有する塩溶液を加熱して尿素を分解し、アンモニアを発生させることによって、塩溶液を均一且つ迅速に塩基性に変化させることができる。このようにして均一且つ迅速に塩溶液を塩基性にすることは、セリウム、アルミニウム及び第3の金属が均一に分散した沈殿物を得ることを可能にする。また、尿素の使用は、加熱等により除去が容易な点でも好ましい。
このようにして得られる凝集物を焼成して得られる触媒担体では、セリアの一次粒子とアルミナの一次粒子とが相互に混合されている。また、第3の金属の酸化物は、これらのセリア及びアルミナのいずれかに固溶しているか、又は単独で一次粒子を形成してセリアの一次粒子及びアルミナの一次粒子と相互に混合されている。セリアとアルミナとは実質的に固溶体を作らないので、本発明の方法によって得られる触媒担体によれば、高温における使用においても、セリアとアルミナとが互いに反応障壁となってそれぞれのシンタリングが抑制される。
また本発明の方法で得られる触媒担体は、セリウム以外の希土類金属、ジルコニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムからなる群から選択される第3の金属の酸化物を含有することによって、比較的塩基性の性質を有することができる。この塩基性は、NO浄化触媒、特にNO吸蔵還元触媒において、NOの吸蔵能、特に高温におけるNOの吸蔵能を高めるために有益である。上記のように、本発明の方法で得られる触媒担体では、複数種の一次粒子が相互に混合されているので、第3の金属によって提供される塩基性を担体全体に分散させることができる。
尚、これらの第3の金属の酸化物のうちのジルコニアは、セリアと固溶して塩基性の性質を提供する。また、希土類金属酸化物は、単独で又は主にセリアと固溶して、塩基性の性質を提供する。また更に、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化マグネシウムは、単独で又は主にアルミナと固溶して、塩基性の性質を提供する。
触媒担体を製造する本発明の方法の1つの態様では、第3の金属の酸化物がジルコニウムであり、且つ触媒担体において、Al:CeOの質量比が75:25〜95:5、CeO:ZrOの質量比が80:20〜40:60である。
本発明の方法のこの態様によれば、NO吸蔵還元触媒のための担体として好ましい触媒担体を得ることができる。
本発明の排ガス浄化触媒の製造方法は、本発明の方法によって得られる触媒担体に、白金、ロジウム及びパラジウムからなる群から選択される貴金属と、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素からなる群より選択されるNO吸蔵材とを担持することを含む。
[触媒担体]
本発明について図1を用いて説明する。ここで図1は本発明の方法によって得られる触媒担体の概念図である。
本発明の方法によって得られる触媒担体10は、セリア、アルミナ及び第3の金属の酸化物を含有する微細な一次粒子から構成されており、例えば図1で示されるように、第3の金属の酸化物−セリア固溶体の一次粒子1とアルミナの一次粒子2とが相互に混合されてなる。また、本発明の方法によって得られる触媒担体では、第3の金属の酸化物−アルミナ固溶体の一次粒子とセリアの一次粒子とが相互に混合されてなっていてもよい。すなわち、第3の金属の酸化物は、その性質に応じて一般にセリア又はアルミナのいずれかに固溶する。
従って例えば第3の金属の酸化物がジルコニア又は希土類金属酸化物である場合、これらの金属酸化物はセリアに固溶する傾向があるので、本発明の方法によって得られる触媒担体では、一般に第3の金属の酸化物−セリア固溶体の一次粒子とアルミナの一次粒子とが相互に混合されてなる。また、第3の金属の酸化物がアルカリ金属、アルカリ土類金属又はマグネシウムの酸化物である場合、これらの金属酸化物はアルミナに固溶する傾向があるので、本発明の方法によって得られる触媒担体では、第3の金属の酸化物−アルミナ固溶体の一次粒子とセリアの一次粒子とが相互に混合されてなる。
但し、本発明の方法によって得られる触媒担体では、セリア、アルミナ及び少なくとも一部の第3の金属の酸化物がそれぞれ独立に一次粒子を構成して、相互に混合されていてもよい。
このように複数種の微細な一次粒子が混合されてなる触媒担体では、互いに相溶性ではない複数種の一次粒子の界面において焼結が抑制される。すなわち、このような触媒担体では、触媒担体全体としての焼結が抑制される。この焼結の抑制効果は、複数種の一次粒子が相互に均等に混合されているときに特に良好に発揮される。
[触媒担体の製造方法]
塩溶液の提供
触媒担体を製造する本発明の方法では始めに、セリウム塩、アルミニウム塩、第3の金属の塩及び尿素を含有している塩溶液、特に塩水溶液を提供する。
ここで用いることができる金属塩としては、水のような媒体に溶解させて、金属イオンを発生させることができる任意の塩を用いることができる。従ってこれらの塩は同じ基を有していても、異なる基を有していてもよい。例えばここで用いることができる金属塩は、塩化物塩、硝酸塩、オキシ硝酸塩又は酢酸塩、特に硝酸塩である。
本発明の方法で用いることができる第3の金属としては、アルカリ金属(リチウムLi、ナトリウムNa、カリウムK、ルビジウムRb、セシウムCs、フランシウムFr)、アルカリ土類金属(カルシウムCa、ストロンチウムSr、バリウムBa、ラジウムRa)、マグネシウムMg、ジルコニウムZr、セリウム以外の希土類金属(スカンジウムSc、イットリウムY、並びにランタノイド(ランタンLa、プラセオジムPr、ネオジムNd、プロメチウムPm、サマリウムSm、ユウロピウムEu、ガドリニウムGd、テルビウムTb、ジスプロシウムDy、ホルミウムHo、エルビウムEr、ツリウムTm、イッテルビウムYb及びルテチウムLu))を挙げることができる。
沈殿物の生成
触媒担体を製造する本発明の方法では次に、セリウム塩、アルミニウム塩、第3の金属の塩及び尿素を含有している塩溶液を加熱して尿素を分解し、アンモニアを発生させ、それによってこの塩溶液をアルカリ性にすることによって、セリウム、アルミニウム及び第3の金属の水酸化物を含有する沈殿物を形成する。
沈殿物の乾燥及び焼成
触媒担体を製造する本発明の方法では最後に、得られた凝集物を乾燥及び焼成することによって、セリア、アルミナ及び第3の金属の酸化物を含有する触媒担体を製造をする。
凝集物からの溶媒成分の除去及び乾燥は、任意の方法及び任意の温度で行うことができ、例えば凝集物を120℃のオーブンに入れて達成できる。このようにして凝集物から溶媒成分を除去及び乾燥して得られた原料を焼成して、触媒担体を得ることができる。焼成は、金属酸化物合成において一般的に用いられる温度、例えば250〜600℃で行うことができる。
尚、凝集物の乾燥の前には洗浄を行うことが好ましく、この洗浄は例えば水、炭素原子数1〜5の低級アルコール等で行うことができる。
本発明の触媒担体の使用においては、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカ等の他の担体材料と混合して使用することもできる。
[排ガス浄化触媒]
排ガス浄化触媒を製造する本発明の方法は、本発明の方法によって得られる触媒担体に白金等の貴金属及びバリウム等のNO吸蔵材を担持させることによって達成できる。これらの貴金属及びNO吸蔵材の担持は任意の方法によって達成できる。例えば白金を担持する場合、ジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を触媒担体に含浸させ、これを乾燥及び焼成して、0.5〜2重量%の白金を担持している排ガス浄化触媒を製造することができる。また他の金属、例えばロジウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属、セリアを除く希土類元素を更に担持させることは、これらの金属の塩を含有する溶液、例えば硝酸ロジウム水溶液、酢酸バリウム溶液を触媒担体に含浸させ、これを乾燥及び焼成して達成できる。
以下に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔参考例〕
硝酸セリウム6水和物16.3g、硝酸アルミニウム9水和物234.5g、及び尿素5000gをイオン交換水1000ccに溶解させ、2時間にわたって撹拌した。この塩溶液を加熱することによって尿素を分解し、複合水酸化物を沈殿させた。
このようにして得られた複合水酸化物沈殿物を含有する塩溶液から水分を濾過し、洗浄し、120℃で2時間にわたって乾燥し、300℃で2時間にわたって焼成して、参考例の触媒担体粉末を得た。この参考例の担体粉末では、Al:CeOの質量比が84:16であった。
その後、白金2g分のジニトロジアンミン白金硝酸水溶液とロジウム0.5g分の硝酸ロジウム水溶液をイオン交換水500cc中に投入した水溶液に、参考例の触媒担体粉末150gを浸し、2時間にわたって撹拌した。更にこの水溶液を120℃で2時間にわたって乾燥し、300℃で1時間にわたって焼成して、貴金属担持粉末を得た。その後、酢酸バリウム38.3gをイオン交換水500ccに投入した溶液に、この貴金属担持粉末を浸漬し、撹拌した後で、120℃で2時間にわたって乾燥し、480℃で5時間にわたって焼成して、参考例の触媒を得た。
〔実施例1〕
硝酸セリウム6水和物16.3g、硝酸アルミニウム9水和物234.5g、オキシ硝酸ジルコニウム3.5g、及び尿素5000gをイオン交換水1000ccに溶解後、2時間にわたって撹拌して混合塩溶液を得たことを除いて参考と同様にして、実施例1の触媒を得た。この実施例1の担体粉末では、Al:CeOの質量比が84:16であり、CeO:ZrOの質量比が80:20であった。
〔実施例2〜4〕
原料塩溶液に含有させるオキシ硝酸ジルコニウムの量を変化させて、担体粉末のCeO:ZrO比がそれぞれ60:40、40:60及び20:80になるようにしたことを除いて実施例1と同様にして、実施例2〜4の触媒を得た。
〔比較例1〕
高比表面積アルミナ粉末124.5gとセリア粉末25.5gとを混合して担体粉末を得たことを除いて参考例と同様にして、比較例の触媒を得た。この比較例の担体粉末では、Al:CeOの質量比が83:17であった。
〔比較例2〕
硝酸セリウム6水和物16.3g及び硝酸アルミニウム9水和物243.5gをイオン交換水1000ccに溶解させ、1時間にわたって撹拌した。その後、この塩溶液を、水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、pHを9に維持したままで複合水酸化物を沈澱させた。
参考例と同様にして、このようにして得られた複合水酸化物沈澱物から触媒担体粉末を得、白金、ロジウム及びバリウムを担持させて、比較例2の触媒を得た。この比較例2の触媒担体では、Al:CeOの質量比が84:16であった。
〔比較例3〕
硝酸セリウム6水和物16.3g、硝酸アルミニウム9水和物243.5g及びオキシ硝酸ジルコニウム8.1gをイオン交換水1000ccに溶解させ、1時間にわたって撹拌した。その後、この塩溶液を、水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、pHを9に維持したままで複合水酸化物を沈澱させた。
参考例と同様にして、このようにして得られた複合水酸化物沈澱物から触媒担体粉末を得、白金、ロジウム及びバリウムを担持させて、比較例3の触媒を得た。この比較例3の触媒担体では、Al:CeOの質量比が84:16であり、CeO:ZrOの質量比が60:40であった。
尚、評価のためには、これらの触媒を1mm角のペレット状に成形して用いた。
〔評価〕
(塩基量)
参考例、実施例及び比較例の担体粉末の塩基量を図2に示す。ここで塩基量とは、触媒に吸着させたCOを温度上昇によって脱離させる昇温脱離法(TRD)で測定されるCOの脱離量を意味する。
(NO浄化率)
触媒ペレット1gを固定床流通式反応器に充填し、下記の表1の組成のリッチガス(ガス流量:6.6L/分)を600℃において10分間流通させ、その後で下記の表1の組成のリーンガス及びリッチガスをそれぞれ2分間づつ交互に流通させた。このリーン/リッチのサイクルの間の入口側NO濃度(ppm)と出口側NO濃度(ppm)とから、NO浄化率を評価した。結果は図3に示す。
Figure 2006341176
〔結果〕
(塩基量)
図2で示されているように、本発明の実施例1〜4の触媒担体では、ジルコニアの存在によって、塩基量が調節されている。
(NO浄化率)
図3で示されているように、触媒担体の塩基量を調節することによって、NO浄化能を変化させることができる。これは、担体の塩基性が、NO吸蔵能に影響を与えていることによると考えられる。特に担体粉末のCeO:ZrO比が80:20〜40:60であるときに、優れたNO浄化が提供されている。
ここで、実施例2の触媒と比較例3の触媒はいずれも、Al:CeOの質量比が84:16であり、CeO:ZrOの質量比が60:40であり、且つ共沈法によって製造されたものである。しかしながら、共沈のためのアルカリ源として尿素を使用した実施例2の触媒は、アルカリ源として水酸化ナトリウムを使用した比較例2の触媒よりも良好なNO浄化率を示している。これは、アルカリ源として尿素を使用し、加熱によってこの尿素を分解してアンモニアを発生させ、塩溶液をアルカリ性にして共沈を行わせることが、セリア−ジルコニアとアルミナとが相互に良好に混合された担体を得るために好ましいことによると考えられる。
(その他)
尚、比較例2及び3では共沈のためのアルカリ源として水酸化ナトリウムを使用しているが、アルカリ源として水酸化カリウムを用いて同様な比較実験も行った。これによれば、アルカリ源として水酸化カリウムを用いた場合、いずれの評価においても、アルカリ源として水酸化ナトリウムを使用した比較例2及び3と同様な結果が得られた。
本発明の触媒担体の概念図である。 参考例、実施例及び比較例の触媒担体の塩基性度を示す図である。 参考例、実施例及び比較例の触媒のNO浄化能を示す図である。
符号の説明
1 第3の金属の酸化物−セリア固溶体(又はセリア)の一次粒子
2 アルミナ(又は第3の金属の酸化物−アルミナ固溶体)の一次粒子
10 本発明の方法によって得られる触媒担体

Claims (3)

  1. セリウム塩、アルミニウム塩、第3の金属の塩及び尿素を含有している塩溶液を提供すること、
    前記塩溶液を加熱して尿素を分解し、アンモニアを発生させて、前記塩溶液をアルカリ性にすることによって、セリウム、アルミニウム及び第3の金属の水酸化物を含有する沈殿物を形成すること、並びに
    前記凝集物を乾燥及び焼成すること、
    を含み、且つ前記第3の金属が、セリウム以外の希土類金属、ジルコニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムからなる群から選択される、セリア、アルミナ及び第3の金属の酸化物を含有する触媒担体の製造方法。
  2. 前記第3の金属がジルコニウムであり、且つ触媒担体において、Al:CeOの質量比が75:25〜95:5、CeO:ZrOの質量比が80:20〜40:60である、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の方法によって得られる触媒担体に、白金、ロジウム及びパラジウムからなる群から選択される貴金属と、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素からなる群より選択されるNO吸蔵材とを担持することを含む、排ガス浄化触媒の製造方法。
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