JP2014030672A - カテーテル - Google Patents
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Abstract
カテーテルの先端を一方の冠動脈の入口に挿入した状態で、先端より基端方向設けられた開口部が他方の冠動脈の入口の方向に開口しているカテーテルを提供することを課題とする。
【解決手段】
カテーテル1が、先端に位置する第1の開口部300と、第1の開口部300の基端側に位置し、第1の方向に湾曲している第1の湾曲部4と、第1の湾曲部4の基端側に位置し、第2の方向に湾曲している第2の湾曲部5と、第1の湾曲部4と第2の湾曲部5との間に設けられた中間部6と、中間部6に設けられた第2の開口部7と、を備え、第1の方向と第2の方向とは、中間部6の横断面視において、同じ側の方向であって、第2の開口部7が、中間部6の横断面視において、第1の方向及び第2の方向とは反対側の方向に開口している。
【選択図】図1
Description
CTOとは、例えば、左冠動脈の血管が長年に亘って徐々に閉塞されることにより左冠動脈内の血管が完全に閉塞した病変である。左冠動脈内にCTOを発症した場合には、CTOによって完全に閉塞した血管よりも末梢方向の血管内に血液を送り込む為、右冠動脈等から血管が新生して左冠動脈の末梢とつながり側副血行路を形成していることが多い。
このような左冠動脈のCTOを治療する為には、左冠動脈のCTOを治療する際に用いられる左冠動脈用のカテーテルと、右冠動脈から造影剤を注入して、側副血行路を通じて、CTOによりも末梢方向の左冠動脈を造影(以下、対側造影と記す。)する目的で使用される右冠動脈用のカテーテルの計2本のカテーテルが使用されている。
また、第1の方向と第2の方向とが同じ側の方向とは、中間部の横断面視を基準にして、第1の方向と第2の方向とが、中間部の横断面視の上側に向いている方向、または、下側に向いている方向である。
また、第1の方向及び第2の方向とは反対側の方向とは、中間部の横断面視を基準にして、第1の方向及び第2の方向とが中間部の横断面視の上側に向いている場合には、下側に向く方向、または、第1の方向及び第2の方向とが中間部の横断面視の下側に向いている場合には、上側に向く方向である。
上述した第1の方向、第2の方向、同じ側の方向、反対側の方向については、後述の段落にて、図を用いて詳細に説明を行う。
図1は、本発明の第1実施形態を示すカテーテルの構成図であり、(a)はカテーテルの全体図であり、(b)は(a)の平面図であり、(c)は(a)のA−A断面におけるカテーテルの横断面図である。
尚、特に断りが無い限り、先端チップ3が配置されている側をカテーテルの先端側、コネクタ9が設けられている側をカテーテルの基端側として定義して、これ以降の説明を行う。
図1(a)、(b)において、第1の湾曲部4は、中間部6に対して、第1の湾曲部4の線分Lbと中間部6の中心線Lcとの成す角度θ1を有するように形成されている。さらに、第2の湾曲部5は、中間部6に対して中間部6の中心線Lcとカテーテル本体2の中心線Ldとが成す角度θ2を有するように形成されている。
また、第2の湾曲部5は、その両端が破線DL3と破線DL4に位置するように湾曲しているので、第2の湾曲部5の第2の方向は、中間部6の横断面視において、AR2側の右斜め方向(矢印Bの方向)に向いている。
すなわち、第1の方向と第2の方向とは、同じ側(AR2側)に向いていることになる。
図2は、左冠動脈101内に閉塞病変(図示せず)が存在すると仮定した状態で、カテーテル1の先端(第1の開口部300)を左冠動脈101内に挿入した図である。カテーテル1は患者の大腿動脈から挿入され、大動脈100を通ってカテーテル1の先端(第1の開口部300)が左冠動脈101内に挿入されており、第1の開口部300を介してガイドワイヤ等の第1の医療機器10が、左冠動脈101内に挿入されている。
内層201の材質としては、PTFE(ポリテトラフルオロチレン)等のフッ素系樹脂や、HDPE(高密度ポリエチレン)等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。これらの樹脂からなる内層201は、摩擦抵抗が低い為、マイクロカテーテル等の医療機器がカテーテル1のルーメン204内をスムーズに通過しやすくなるので好ましい。
本実施形態のカテーテル1は、例えば、下記の工程(1)〜(5)を経ることにより好適に製造することができる。
まず、カテーテル用の芯材にフッ素系樹脂をディッピング方式や押出し方式にて被覆し、カテーテル用の芯材の外周に内層201を形成し、この形成された内層201をナフタレン−ナトリウム錯体を用いて内層201の表面を処理する。
次に、内層201を形成したカテーテル用の芯材の外周を複数本のステンレス鋼線を編み組んで、内層201の表面に補強体202を設ける。
次に、押出し装置を用いて内層201と補強体202との表面にポリアミドエラストマー樹脂を被覆して、外層203を形成する。
外層203を形成した後、カテーテル用の芯材の両端を引っ張ることで、カテーテル用の芯材が内層201の内部から抜き取られ、カテーテル用の芯材が抜き取られた箇所がルーメン204を形成して、カテーテル本体2を作製することができる。
カテーテル本体2の外層203よりも柔軟なポリウレタンエラストマーを先端チップ用の芯線に押出し成形し、芯線を引抜いた後、先端チップ3の長さに切断しておく。
次に、カテーテル本体2の先端に先端チップ3を形成する為の芯金を挿入する。
次に、この芯金に先端チップ3を通して先端チップ3の基端の端面とカテーテル本体2の先端の端面とが接触した状態にして、これらの端部を覆う様に熱収縮チューブを被覆する。
次に、熱収縮チューブを加熱することで、熱収縮チューブが収縮し、この収縮力と加熱とを利用して、先端チップ3をカテーテル本体2に溶着させる。その後、芯金を抜き取り、カテーテル本体2の先端に溶着された先端チップ3を作製することができる。
同じ側の方向に湾曲している第1の湾曲部4と第2の湾曲部5と、第1の湾曲部4と第2の湾曲部5との間に位置する中間部6とを有する金型を用意して、この金型に先端チップ3が設けられたカテーテル本体2をセットし、この金型を加熱することで、第1の湾曲部4と、第2の湾曲部5と、中間部6とを有したカテーテル本体2を形成することができる。
カテーテル本体2とコネクタ9とを接着する前に、予め射出成形法や押出し成形法を用いてコネクタ9を形成しておく。コネクタ9は、1種類の材質から形成してもよいが、コネクタ9の各部に求められる剛性や柔軟性を考慮して、複数の材質から形成しても良い。
カテーテル本体2の基端部とコネクタ9の先端部とをシアノアクリレート系等の一般的な接着剤によって接着することで、カテーテル本体1を作製することができる。尚、カテーテル本体2とコネクタ9とを接着する際は、お互いのルーメン204が接着剤によって塞がれないように配慮する必要がある。
中間部6の内、第1の湾曲部4の第1の方向及び第2の湾曲部5の第2の方向とは反対側の方向において、YAGレーザー等による穴あけ加工やセンターポンチ等の機械的な穴あけ加工を行うことによって、中間部6に第2の開口部7を設けることで、第2の開口部7を有したカテーテル1を作製することができる。
また、外層203を形成する樹脂についても、基端側に剛性の高いグレードの樹脂を用いて、先端側に向うほど剛性の低いグレードの樹脂を用いることで、カテーテル本体2の剛性が先端に向って減少するカテーテル本体2を作製しても良い。ただし、この場合において、先端チップ3を形成する樹脂の剛性は、カテーテル本体2の最先端部を形成する樹脂の剛性よりも低くなるように、樹脂のグレードを調整しておくことが好ましい。
また、先端チップ3とカテーテル本体2とを溶着する場合には、上述したように端面同士を接触させても良いが、一部の端部が他方の端部を覆うように配置した状態での溶着であっても良く、それぞれの要求に応じた中で公知の方法を採用することができる。
次に、第2実施形態のカテーテル11について、以下に説明する。図3に記載されたカテーテル11は、カテーテル11の中間部6の横断面視を示した図である。図3において、カテーテル11は、カテーテル11の第2の開口部17が設けられている位置が第1実施形態のカテーテル1の第2の開口部7が設けられている位置と異なっている点を除いて、第1実施形態のカテーテル1と同じ形態を有しており、第1実施形態と共通する部分については、図中では同じ符号を付すこととする。
また、第2の湾曲部5は中間部6の横断面視を基準にすると、その両端が破線DL3と破線DL4との間に位置するように湾曲しているので、第2の湾曲部5の湾曲方向(以下、本実施形態において第2の湾曲方向とする。)は、AR2側の線分CL2上の矢印Bの方向である。なお、線分CL2は、この中間部6の横断面視における第2の方向の中心線を示している。
また、線分CL1と線分CL2は、AR2側からAR1側に向って延長されている。
図3から明らかな様に、第2の開口部17の開口方向(AR1側:矢印D)は第1の方向(AR2側:矢印A)及び第2の方向(AR2側:矢印B)とは、反対側の方向である。
次に、図4を用いて、第3実施形態のカテーテル21について、以下、説明する。図4に記載されたカテーテル21は、カテーテル21の中間部6の横断面視を示した図である。図4において、カテーテル21は、カテーテル21の第2の開口部27が設けられている位置が第1実施形態のカテーテル1の第2の開口部7が設けられている位置と異なっている点を除いて、第1実施形態のカテーテル1と同じ形態を有しており、第1実施形態と共通する部分については、図中では同じ符号を付すこととする。
また、第2の湾曲部5は中間部6の横断面視を基準にすると、その両端が破線DL3と破線DL4との間に位置するように湾曲しているので、第2の湾曲部5の湾曲方向(以下、本実施形態において第2の湾曲方向とする。)は、AR2側の線分CL2上の矢印Bの方向である。なお、線分CL2は、この中間部6の横断面視における第2の方向の中心線を示している。
図4から明らかな様に、第2の開口部27の開口方向(AR1側:矢印E)は第1の方向(AR2側:矢印A)及び第2の方向(AR2側:矢印B)とは、反対側の方向である。
次に第4実施形態のカテーテル31について、図5を用いて、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。第1実施例と共通する部分については、図中では同じ符号を付すこととする。
図5は、本実施形態を示すカテーテル31の構成図であり、(a)はカテーテル31の全体図であり、(b)は(a)の平面図であり、(c)は(a)のA−A断面におけるカテーテル31の横断面図である。
次に、第5実施形態のカテーテル41について、図6を用いて、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。第1実施形態と共通する部分については、図中では同じ符号を付すこととする。
図6は、本実施形態を示すカテーテル41の構成図であり、(a)はカテーテル41の全体図であり、(b)は(a)のA−A断面におけるカテーテル41の横断面図である。 なお、図6(a)は、理解を容易にするため、カテーテル41の長さ方向を短縮し、カテーテル41の全体を模式的に図示しているため、全体の寸法は実際とは異なる。
図7は、右冠動脈102内に閉塞病変(図示せず)が存在すると仮定した状態で、カテーテル41の先端(第1の開口部300)を右冠動脈102内に挿入した図である。カテーテル41は患者の大腿動脈から挿入され、大動脈100を通ってカテーテル31の先端(第1の開口部300)が右冠動脈102内に挿入されており、第1の開口部300を介してガイドワイヤ等の第1の医療機器10が、右冠動脈102内に配置されている。
図8(a)又は(c)は、第2の開口部57、67が設けられた中間部6における縦断面視の拡大図である。また、図8(b)又は(d)は、図8(a)又は(c)の平面図である。
また、図9(b)において、第2の開口部87は、カテーテル本体2の中間部6の長軸方向(線分Le)と交差する方向(線分Lf)に沿った長軸の楕円形状となっている。
2 カテーテル本体
201 内層
202 補強体
203 外層
204 ルーメン
3 先端チップ
300 第1の開口部
4、14、24 第1の湾曲部
5、15、25 第2の湾曲部
6、16 中間部
7、17、27、37、47、57、
67、77、87 第2の開口部
9 コネクタ
10 第1の医療機器
20 第2の医療機器
100 大動脈
101 左冠動脈
102 右冠動脈
Claims (8)
- 先端に位置する第1の開口部と、
前記第1の開口部の基端側に位置し、第1の方向に湾曲している第1の湾曲部と、
前記第1の湾曲部の基端側に位置し、第2の方向に湾曲している第2の湾曲部と、
前記第1の湾曲部と前記第2の湾曲部との間に設けられた中間部と、
前記中間部に設けられた第2の開口部と、を備え、
前記第1の方向と前記第2の方向とは、前記中間部の横断面視において、同じ側の方向であって、
前記第2の開口部が、前記中間部の横断面視において、前記第1の方向及び前記第2の方向とは反対側の方向に開口している、カテーテル。 - 請求項1に記載のカテーテルにおいて、
前記第2の開口部は、前記中間部の横断面視において、前記第1の方向の反対方向に向って延長した線と前記第2の方向の反対方向に向って延長した線との間に配置されている、カテーテル。 - 請求項1に記載のカテーテルにおいて、
前記第2の開口部は、前記中間部の横断面視において、前記第1の方向と前記第2の方向との間の中心を通る線を、前記第1の方向及び前記第2の方向とは反対側の方向に向って延長した線上に配置されている、カテーテル。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載のカテーテルにおいて、
前記第2の開口部は、表面側の面積が裏面側の面積よりも大きい形態を有している、カテーテル。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のカテーテルにおいて、
前記第2の開口部は、前記表面側の面積及び前記裏面側の面積よりも小さい面積であって、表面と裏面との間に位置する縁部を有している、カテーテル。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカテーテルにおいて、
前記第2の開口部は、前記中間部の長軸方向において、前記中間部の中間位置よりも基端側に配置されている、カテーテル。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のカテーテルにおいて、
前記第2の開口部は、楕円形状である、カテーテル。 - 請求項7に記載のカテーテルにおいて、
前記第2の開口部は、前記中間部の長軸方向と交差する方向に沿った長軸の楕円形状である、カテーテル。
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