JP2018201575A - カテーテルおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】先端部の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできるカテーテルを提供する。
【解決手段】先端側と基端側を有するカテーテル1であって、カテーテル1は外筒部材10と、外筒部材内10の内筒部材20と、を有し、内筒部材20は、先端部21であって軸23上に第1点31と第1点31よりも先端側の第2点32とを有し、第1点31において先端側に向かう第1接線ベクトル41と第2点32において先端側に向かう第2接線ベクトル42とがなす角度θ1は、第2点32が外筒部材10の先端12よりも基端側に配置されているときよりも第1点31が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されているときの方が大きい。
【選択図】図5

Description

本発明は、先端部の屈曲度合いを手元からの操作で調整することができるカテーテルおよびその製造方法に関する。
消化管や血管は屈曲の角度が急峻な場合があるため、先端部を屈曲可能に構成することによって体腔内に挿入しやすいカテーテルが提供されている。例えば、特許文献1には、内部にメインルーメンを有する長尺の管状本体を備えるカテーテルであって、樹脂材料により形成された管状本体と、管状本体のメインルーメンの外周に樹脂材料よりも硬質な材料で形成された補強層と、管状本体の遠位端側に装着されたマーカーと、を備えるカテーテルが記載されている。当該カテーテルは、マーカーが補強層よりも管状本体の長手方向の遠位側に、補強層と離間して配置されている。また、管状本体は外層を有しており、外層は少なくとも1つのサブルーメンを有し、サブルーメンの内部に摺動可能に操作線が挿通され、操作線の近位端部を牽引することにより、管状本体の遠位端部が屈曲することが開示されている。
特開2012−100827号公報
しかし、操作線(牽引ワイヤ)を牽引することで遠位端部を屈曲させるカテーテル、特に内視鏡で胆管や膵管を造影する検査(Endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)の分野で使用するカテーテルは、先端部の曲率半径Rの大きさや屈曲度合いの観点からは改善の余地がある。ERCPでは、通常、内視鏡を十二指腸乳頭の近傍まで挿入し、乳頭を介して胆管や膵管カテーテルを挿入し、当該カテーテルを用いて胆管や膵管内に造影剤を注入する。当該カテーテルの内腔にガイドワイヤを通した後、バスケットカテーテル、バルーンカテーテル、ステント等のメインデバイスを胆管または膵管に配置する。ERCPにおいて、(1)乳頭形状由来のカニュレーション操作が困難な場合、(2)外科手術後に消化管の一部が切除され再縫合された後、内視鏡が通過するルート由来で操作が困難になった場合、(3)上部胆管内の複雑なルートにガイドワイヤが通過困難な場合、(4)経胃肝内胆管ドレナージ(EUS-guided hepaticogastrostomy:EUS-HGS)や経十二指腸肝外胆管ドレナージ(EUS-guided choledochoduodenostomy:EUS-CDS)を行う際に、通常のアプローチと異なり肝内胆管からのガイドワイヤや造影用カテーテルの挿通が難しいことがあった。通常は、胆管の走行に合わせてカテーテルや、ガイドワイヤのバックアップとして挿通するカテーテルの軸線を合わせることで解決できる。しかし、上記(1)〜(4)の場合には、胆管や膵管の入口部分が大きく屈曲しているためカテーテルの軸線を合わせることが難しかったり、胆管や膵管の分岐部においてカテーテルを所望の方向に延在させることが難しかったため、手技が長引くことがしばしばあり、術者にストレスを引き起こしていた。そこで、本発明は、曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできるカテーテルを提供することを目的とする。
上記課題を解決し得た本発明のカテーテルは、先端側と基端側を有するカテーテルであって、外筒部材と、外筒部材内の内筒部材と、を有し、内筒部材は、先端部であって軸上に第1点と、該第1点よりも先端側の第2点とを有し、第1点において先端側に向かう第1接線ベクトルと第2点において先端側に向かう第2接線ベクトルとがなす角度は、第2点が外筒部材の先端よりも基端側に配置されているときよりも、第1点が外筒部材の先端よりも先端側に配置されているときの方が大きい点に要旨を有する。本発明のカテーテルは、外筒部材と内筒部材の相対位置を調整することによって、内筒部材の先端部の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。このため、消化管や血管の形状に沿ってカテーテルやガイドワイヤを進退させやすくなり、手技時間の短縮や術者への負荷軽減が可能となる。
内筒部材は、軸上であって第2点よりも先端側に第3点を有し、第2接線ベクトルと、第3点において先端側に向かう第3接線ベクトルとがなす角度は、第3点が外筒部材の先端よりも基端側に配置されているときよりも、第1点が外筒部材の先端よりも先端側に配置されているときの方が大きいことが好ましい。
内筒部材の先端部は、線材が巻回されたコイルから形成されていることが好ましい。
線材は、Ni−Ti合金またはステンレス鋼から構成されていることが好ましい。
内筒部材は、コイルよりも基端側が網目構造を有する筒状体から形成されていることが好ましい。
コイルの外側には樹脂から構成されている外層が形成されていることが好ましい。
コイルの内側には樹脂から構成されている内層が形成されていることが好ましい。また、コイルの内側が露出していてもよい。
内筒部材は軸上の第2点よりも先端側に第4点を有し、第1接線ベクトルと、第2接線ベクトルと、第4点において先端側に向かう第4接線ベクトルとが同一平面上にないことが好ましい。
第1接線ベクトルおよび第2接線ベクトルに対して第4接線ベクトルが垂直であることが好ましい。
第1点が外筒部材の先端よりも先端側に配置されているときの第1接線ベクトルと第2接線ベクトルとがなす角度が0度超180度以下であることが好ましい。
また、上記課題を解決し得た本発明の他のカテーテルは、先端側と基端側を有するカテーテルであって、外筒部材と、外筒部材内の内筒部材と、を有し、内筒部材は、先端部であって軸上に第1点と、該第1点よりも先端側の第2点とを有し、第1点において先端側に向かう第1接線ベクトルと第2点において先端側に向かう第2接線ベクトルとがなす角度は、第1点が外筒部材の先端よりも先端側に配置されているときよりも第2点が外筒部材の先端よりも基端側に配置されているときの方が大きい点に要旨を有する。本発明のカテーテルは、外筒部材と内筒部材の相対位置を調整することによって、外筒部材の先端部の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。このため、消化管や血管の形状に沿ってカテーテルやガイドワイヤを進退させやすくなり、手技時間の短縮や術者への負荷軽減が可能となる。
本発明はまた、カテーテルの製造方法も提供する。本発明のカテーテルの製造方法は、線材が巻回されたコイルを屈曲させた状態で加熱する工程と、コイルの内側に内層を形成した後でコイル内に芯材を挿入して、コイルの外側に外層を形成し、内筒部材を製造する工程と、内筒部材を外筒部材内に挿入する工程と、を有する点に要旨を有する。これにより、コイルの曲率半径Rや屈曲度合い等のパラメータの設計の自由度を高くすることができるため、消化管や血管内の形状に合った内筒部材を有するカテーテルを製造することができる。
本発明のカテーテルは、外筒部材と内筒部材の相対位置を調整することによって、外筒部材または内筒部材の先端部の曲率半径Rを小さくすることができ、また、屈曲度合いを大きくすることもできる。このため、消化管や血管の形状に沿ってカテーテルやガイドワイヤを進退させやすくなり、手技時間の短縮や術者への負荷軽減が可能となる。
また、本発明のカテーテルの製造方法によれば、コイルの曲率半径Rや屈曲度合い等のパラメータの設計の自由度を高くすることができるため、消化管や血管内の形状に合った内筒部材を有するカテーテルを製造することができる。
本発明のカテーテルの平面図を表す。 図1に示したカテーテルのII−II断面図を表す。 図1に示したカテーテルの基端側の構成例を示す断面図(一部平面図)を表す。 カテーテルの先端部の構成例を示す断面図(一部平面図)を表す。 カテーテルの先端部の構成例を示す断面図(一部平面図)を表す。 内筒部材の先端部の平面図を表す。 内筒部材の先端部の平面図を表す。 内筒部材の先端部の平面図を表す。 内筒部材の先端部の斜視図を表す。 カテーテルの先端部の他の構成例を示す断面図(一部平面図)を表す。 カテーテルの先端部の他の構成例を示す断面図(一部平面図)を表す。
本発明のカテーテルは、先端側と基端側を有するカテーテルであって、外筒部材と、外筒部材内の内筒部材と、を有し、内筒部材は、先端部であって軸上に第1点と第1点よりも先端側の第2点とを有し、第1点において先端側に向かう第1接線ベクトルと第2点において先端側に向かう第2接線ベクトルとがなす角度は、第2点が外筒部材の先端よりも基端側に配置されているときよりも、第1点が外筒部材の先端よりも先端側に配置されているときの方が大きいものである。
本発明の他のカテーテルは、先端側と基端側を有するカテーテルであって、外筒部材と、外筒部材内の内筒部材と、を有し、内筒部材は、先端部であって軸上に第1点と第1点よりも先端側の第2点とを有し、第1点において先端側に向かう第1接線ベクトルと第2点において先端側に向かう第2接線ベクトルとがなす角度は、第1点が外筒部材の先端よりも先端側に配置されているときよりも、第2点が外筒部材の先端よりも基端側に配置されているときの方が大きいものである。
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
本発明においてカテーテルは医療用のカテーテル全般を指し、マイクロカテーテルを含む。カテーテルは、ERCPで造影剤を注入するために好適に用いられる。カテーテルはカテーテルの延在方向に対して一方側と他方側を有し、一方側がカテーテルの先端側(すなわち、処置対象側の方向)であって、他方側がカテーテルの基端側(すなわち、手元側の方向)である。カテーテルの基端から先端へ向かう方向を軸方向と称する。
図1および図2を参照してカテーテルの構成について説明する。図1は、本発明のカテーテル1の平面図であり、図2には、図1に示したカテーテル1のII−II断面図を示している。図1には、先端側から基端側にわたってガイドワイヤを挿通するオーバーザワイヤ型のカテーテル1の構成例を示している。
カテーテル1は、外筒部材10と、外筒部材10内の内筒部材20とを有している。外筒部材10および内筒部材20は、それぞれ一方側と他方側を有する長尺の筒状部材である。外筒部材10は、内筒部材20が挿通される内腔を有している。外筒部材10に対する内筒部材20の位置を変えることで、外筒部材10の先端12から内筒部材20の先端部21が露出するようになっている。内筒部材20はガイドワイヤが挿通される内腔を有している。以降の説明では外筒部材10および内筒部材20をまとめて「筒部材」と称することがある。
ここで、内筒部材20の先端部21は、内筒部材20の先端22を含み、例えば、内筒部材20の先端22から10cm以内の領域であることが好ましく、より好ましくは5cm以内、さらに好ましくは1cm以内の領域である。同様に、外筒部材10の先端部11は外筒部材10の先端12を含み、例えば、外筒部材10の先端12から15cm以内の領域であることが好ましく、より好ましくは12cm以内、さらに好ましくは10cm以内の領域である。
筒部材としては、押出成形によって押出された樹脂チューブ、線材を特定のパターンで配置することによって形成された筒状体、またはこれらを組み合わせたものが挙げられる。線材が特定のパターンで配置された筒状体としては、線材が単に交差される、または編み込まれることによって網目構造を有する筒状体や、線材が巻回されたコイルが示される。網目構造の種類は特に制限されず、コイルの巻き数や密度も特に制限されない。コイルは、軸方向の全体にわたって一定の密度で巻回されていてもよく、軸方向の位置によって異なる密度で巻回されていてもよい。外筒部材が樹脂チューブであり、内筒部材が網目構造を有する筒状体、線材が巻回されたコイルまたはこれらの組み合わせであることが好ましい。また、外筒部材と内筒部材がいずれも樹脂チューブであってもよい。
筒部材は好ましくは樹脂材料または金属材料から構成される。筒部材を構成する樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂が好適に用いられる。また、筒部材を構成する線材は、例えば、ステンレス鋼、チタン、Ni−Ti合金、Co−Cr合金等から構成されている単線または撚線の金属線材であってもよい。また、線材はポリアリレート繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、PBO繊維、炭素繊維等の繊維材料であってもよい。繊維材料は、モノフィラメントであっても、マルチフィラメントであってもよい。
筒部材は、単層から構成されていてもよく、複数層から構成されていてもよい。図2では、外筒部材10が単層から構成されており、内筒部材20がコイル24と、コイル24の外側に設けられた外層25と、コイル24の内側に設けられた内層26の三層から構成されている例を示した。筒部材は、一部が単層から構成されており、他部が複数層から構成されていてもよい。
造影剤等の流体から外筒部材10を保護するために、外筒部材10の内側表面にはコーティング剤が塗布されていてもよい。また、内筒部材20に対するガイドワイヤの摺動性を高めるために、内筒部材20の内側表面には潤滑剤が塗布されていてもよい。コーティング剤や潤滑剤としては、公知のコーティング剤や潤滑剤を用いることができる。
内筒部材20の軸23は、一方側から他方側に延在している長軸である。内筒部材20の軸方向は、内筒部材20の長軸方向を意味する。
内筒部材20は、先端部21であって軸23上に第1点31と、第1点31よりも先端側の第2点32とを有している。本発明では、第1点31において先端側に向かう接線ベクトルを「第1接線ベクトル41」と称し、第2点32において先端側に向かう接線ベクトルを「第2接線ベクトル42」と称する。本発明において、接線ベクトルは大きさが同一の単位ベクトルである。第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42とがなす角度をθ1とする。なす角度θ1は0度から180度までの値で表される。本発明では、外筒部材10と内筒部材20の相対位置を調整すること、つまり外筒部材10の先端12から露出する内筒部材20の長さを変えることによって、外筒部材10の先端部11または内筒部材20の先端部21の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。
第1点31と第2点32は、内筒部材20の先端部21に配置されていればよく、その位置は特に限定されない。ただし、第1点31と第2点32が配置される都合上、第1点31は内筒部材20の先端22には配置されない。内筒部材20の軸方向において、第1点31は、内筒部材20の先端22から15cm以内、12cm以内、10cm以内、8cm以内または5cm以内の位置に配置することができる。また、第1点31は、内筒部材20の先端22から0.1cm以上、1cm以上、2cm以上、または3cm以上の位置に配置することができる。
第2点32は、内筒部材20の先端22に配置されていてもよく、先端22よりも基端側に配置されていてもよい。内筒部材20の軸方向における第1点31および第2点32の離間距離は、例えば、0.5cm以上、1cm以上、2cm以上、または3cm以上とすることができる。また、内筒部材20の軸方向における第1点31および第2点32の離間距離の上限は特に制限されないが、例えば、15cm以下や10cm以下にすることができる。内筒部材20の軸方向における先端22および第2点32の離間距離は、先端22および第1点31の離間距離の5分の1以上または4分の1以上の長さであってもよく、2分の1以下または3分の1以下の長さであってもよい。
図3は、図1に示したカテーテルの基端側の構成例を示している。図1および図3に示すように、内筒部材20の操作性を向上させるため、内筒部材20の基端側には把持部材50が接続されていてもよい。把持部材50としては、例えば、内筒部材20の基端側を挿入可能な筒状部材が挙げられる。
また、外筒部材10と内筒部材20の相対位置を調整しやすくするために、外筒部材10の基端側には外筒部材10を把持するための補助把持部材51が接続されていてもよい。補助把持部材51としては、外筒部材10の基端側を内腔に挿通可能な筒状部材が挙げられる。把持部材50や補助把持部材51の材料としては、例えば、ABSやポリカーボネート等の合成樹脂や、ポリウレタン発泡体等の発泡プラスチックを用いることができる。把持部材50の内腔は、内筒部材20の内腔と連通していてもよい。把持部材の内腔は、ガイドワイヤの挿通路以外に、薬剤や生体体腔内の流体等の通路として機能させてもよい。また、外筒部材の内腔であって内筒部材の外側と連通している補助把持部材の内腔を、薬剤や生体体腔内の流体等の通路として機能させてもよい。
内筒部材20と把持部材50、外筒部材10と補助把持部材51の接合は、接着剤や熱溶着など従来公知の接合手段を用いて行うことができる。把持部材50は、補助把持部材51よりも基端側に配置されている。補助把持部材51の基端には、例えば環状の抵抗部材52が設けられていてもよい。これにより、把持部材50に対する補助把持部材51の位置が意図せずにずれることを防止できるため、外筒部材10と内筒部材20の相対位置を固定することができる。
次に、外筒部材10と内筒部材20の構成例について、図面を参照して詳しく説明する。
[外筒部材と内筒部材の構成例]
内筒部材の先端部の曲率半径Rを小さくしたり、屈曲度合いを大きくすることができる態様を示す。図4〜図5はカテーテル1(1A)の先端部の構成例を示す断面図(一部平面図)を表す。図4に示すように、内筒部材20の第2点32が外筒部材10の先端12よりも基端側に配置されているときには、内筒部材20の屈曲していた部分は外筒部材10によって屈曲度合いが緩和される。中でも、第2点32が内筒部材20の先端22に配置される場合に、屈曲度合いが最も緩和される。
一方、図5に示すように、第1点31が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されているときは、内筒部材20は元の形状に復元し、第2点32が外筒部材10の先端12よりも基端側に配置されているときと比較してなす角度θ1が大きくなる。すなわち、第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42とがなす角度θ1は、第2点32が外筒部材10の先端12よりも基端側に配置されているときよりも、第1点31が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されているときの方が大きい。このように外筒部材10と内筒部材20の相対位置を調整することによって、内筒部材20の先端部21の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。
図示していないが、第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42とがなす角度θ1は、第1点31が外筒部材10の先端12よりも基端側に配置され、かつ、第2点32が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されているときよりも、第1点31が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されているときの方が大きいことが好ましい。このように外筒部材10と内筒部材20の相対位置を調整することによって、内筒部材20の先端部21の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。
内筒部材20の先端部21は、外筒部材10の先端部11よりも弾性を有していることが好ましい。これにより、内筒部材20は外筒部材10内に収納可能となる。このため、外筒部材10と内筒部材20の相対位置を調整することによって、内筒部材20の先端部21の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。具体的には、外筒部材10の先端部11のショア硬度が、内筒部材20の先端部21よりも大きいことが好ましい。ショア硬度はISO868:2003 プラスチック・デュロメータ硬さ試験方法に基づき計測される。
内筒部材20の先端部21は、線材が巻回されたコイル24から形成されていることが好ましい。これにより、内筒部材20の先端部21が弾性変形しやすくなる。
内筒部材20を形成するコイル24の線材としては、上述した材料を用いることができるが、線材はNi−Ti合金またはステンレス鋼から構成されていることが好ましい。Ni−Ti合金やステンレス鋼は、生体適合性に優れるとともに弾性変形しやすいため安全性を確保しつつ、内筒部材20の先端部21の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。
内筒部材20の先端部21がコイル24から形成されており、コイル24よりも基端側が網目構造を有する筒状体から形成されていることが好ましい。コイル24により内筒部材20の先端部21の屈曲度合いを大きくすることができるとともに、網目構造を有する筒状体により把持部材50から内筒部材20の先端部21へのトルクの伝達性が良好となる。
内筒部材20は、その一部または全部を単層または複数層から構成することができる。内筒部材20が複数層から構成されている場合、層数は特に限定されないが、例えば2層以上や3層以上にすることができ、上限は例えば5層以下にすることができる。
内筒部材20の少なくとも一部において、コイル24の外側には樹脂から構成されている外層25が形成されていることが好ましい。中でも、内筒部材20の最外層が樹脂層から構成されていることが好ましい。これにより、内筒部材20の外側表面を造影剤等の流体から保護することができる。
内筒部材20の少なくとも一部において、コイル24の内側には樹脂から構成されている内層26が形成されていることが好ましい。中でも、内筒部材20の最内層が樹脂層から構成されていることが好ましい。内筒部材20の内腔にはガイドワイヤが挿通されるが、コイル24の内側に樹脂層を設けることによって、内筒部材20に対するガイドワイヤの摺動性が向上する。一方、内筒部材20の製造工程を簡略化するためには、コイル24の内側が露出していてもよい。すなわち、コイル24の内側表面の少なくとも一部には樹脂層が形成されていなくてもよく、コイル24の内側表面の全体に樹脂層が形成されていなくてもよい。
内筒部材20の先端部21が外筒部材10の先端12から露出しているときの内筒部材20の先端部21の形状は特に制限されないが、少なくとも一部が一方向または多方向に屈曲している形状とすることができる。内筒部材20の先端部21は、一部に屈曲している形状を有していればよく、他部に直線形状を有していてもよい。具体的に、内筒部材20の先端部21の少なくとも一部は、湾曲していてもよく、折り曲げられていてもよく、より具体的にはL字形状、J字形状、V字形状、U字形状、C字形状、円弧形状、渦巻き形状、これらを組み合わせた形状、またはこれらと直線形状を組み合わせた形状にすることができる。
第1点31が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されているときの第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42がなす角度θ1は0度超であることが好ましく、より好ましくは30度以上、さらに好ましくは60度以上、さらにより好ましくは90度以上であり、また、180度以下であることが好ましく、より好ましくは160度以下、さらに好ましくは140度以下である。なす角度θ1を上記範囲に設定することで、内筒部材20の先端部21の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。
第1点31が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されているときの第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42がなす角度θ1をθ11とする。第2点32が外筒部材10の先端12よりも基端側に配置されているときの第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42がなす角度θ1をθ12とする。角度θ11とθ12の差は、180度未満であることが好ましく、より好ましくは160度以下、さらに好ましくは140度以下であり、また、30度以上であることが好ましく、より好ましくは60度以上、さらに好ましくは90度以上である。このように角度θ11とθ12を設定すれば、手技中に調整可能な屈曲度合いの範囲を広げることができるため、カテーテル1の挿通ルートが難しい場合であっても、円滑にカテーテル1を進退させることができる。
なお、第1点31が外筒部材10の先端12よりも基端側に配置され、かつ、第2点32が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されているときの第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42のなす角度θ1(θ13)は、角度θ11よりも小さいことが好ましい。
図6〜図9を用いて内筒部材20の先端部21の形状の一例について説明する。図6〜図8は、内筒部材20の先端部21の平面図を表し、図9は内筒部材20の先端部21の斜視図を表す。図6〜図9の説明において、単に「内筒部材の先端部」と記載されているときは、外筒部材10の先端12から内筒部材20の先端部21が露出しているときの内筒部材20の先端部21の形状を指すものとする。
図6〜図8に示すように、先端部21において内筒部材20の軸23の全体が一の平面上に延在していることが好ましい。このように先端部21が平面的に曲げられた形状を有する内筒部材20は、内筒部材20を回転させることで、内筒部材20の先端部21を消化管や血管の形状に沿わせることができる。
図6には内筒部材20の先端部21が一方向に曲げられている例を示す。内筒部材20の先端面は、内筒部材20の径方向の外方を向いている。内筒部材20の先端面は平面に形成されていてもよく、曲面に形成されていてもよい。
図7〜図9には内筒部材20の先端部21が多方向に曲げられている例を示す。図7において、内筒部材20の先端部21は基端側に折り返されている。詳細には、内筒部材20の先端部21の基端側では、内筒部材20の軸23が径方向の外方に延在するように曲げられており、先端部21の先端側では、内筒部材20の軸23が径方向の内方に延在するように曲げられている。このように内筒部材20の先端部21は、軸23が径方向の外方に曲げられている部分と、径方向の内方に曲げられている部分を有していることが好ましい。また、内筒部材20の先端面が、内筒部材20の径方向の内方を向いていることが好ましい。このような内筒部材20は、軸23が径方向の外方に曲げられている部分を外筒部材10に収納することによって、当初、軸23が径方向の内方に曲げられていた、先端部21の先端側は外方に向かって延在する。このため、外筒部材10と内筒部材20の相対位置を調整することによって、内筒部材20の先端部21の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。さらに、カテーテル1の挿通ルートが分岐している等、複雑な場合であっても、円滑にカテーテル1を進退させることができる。なお、内筒部材の径方向において内方とは、内筒部材20の先端部21の基端における軸23に向かう方向を指し、径方向において外方とは、内方と反対側に向かう放射方向を指す。
図7において、内筒部材20は、軸23上であって第2点32よりも先端側に第3点33を有している。この場合、第2接線ベクトル42と、第3点33において先端側に向かう第3接線ベクトル43とがなす角度θ2は、第3点33が外筒部材10の先端12よりも基端側に配置されているときよりも、第1点31が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されているときの方が大きいことが好ましい。これにより、内筒部材20の先端部21の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。
図示していないが、第3点33は内筒部材20の先端22に設けられていてもよい。内筒部材20の軸方向における第2点32と第3点33の離間距離は、内筒部材20の軸方向における第1点31と第2点32の離間距離と同様に設定することができる。内筒部材20の軸方向における第1点31および第2点32の離間距離と、内筒部材20の軸方向における第2点32および第3点33の離間距離は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
第1接線ベクトル41と第3接線ベクトル43は同一平面上にあってもよく、同一平面上になくてもよい。第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42のなす角度θ1と、第2接線ベクトル42と第3接線ベクトル43のなす角度θ2は、同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、図7に示すようにθ1>θ2であってもよく、図示していないがθ1<θ2であってもよい。第2接線ベクトル42と第3接線ベクトル43のなす角度θ2は、第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42のなす角度θ1と同様の範囲に設定することができる。
図8において、内筒部材20の先端部21の基端側では、内筒部材20の軸23が径方向の外方に延在するように曲げられており、先端部21の先端側では、内筒部材20の軸23が径方向の内方に延在するように曲げられている。内筒部材20の先端部21には、基端側に向かって折り返された部分(第1折り返し部)と、第1折り返し部よりも先端側に、先端側に向かって折り返された部分(第2折り返し部)が設けられている。その結果、内筒部材20は、先端部21が丸まるように延在している、いわゆるピッグテイル形状を有している。これにより、折り返し形状を有している挿通ルートに対しても、円滑にカテーテル1を進退させることができる。また、内筒部材20の先端部21をコンパクトに形成することもできる。なお、内筒部材20の先端部21の先端側は内筒部材20と接触していてもよく、接触していなくてもよい。
乳頭などの狭い部分にカテーテル1を通過させやすくするためには、内筒部材20の先端部21は、先端22に向かって外径が小さくなるものであることが好ましい。その場合、内筒部材20の内腔にガイドワイヤを挿通させやすくするために、内筒部材20の先端部21の内径は一定の大きさを有していることが好ましい。
図9において、内筒部材20の先端部21は、基端側で内筒部材20の軸23が径方向の外方に向かって曲げられており、先端側で内筒部材20の軸23が、第1接線ベクトル41および第2接線ベクトル42を通る仮想平面Pの手前側に向かって曲げられている。このように内筒部材20の先端部21は立体的に曲げられた形状を有していてもよい。内筒部材20の先端部21の形状を、立体的な形状を有している消化管や血管に近づけることで、円滑にカテーテル1を進退させることができ、内筒部材20を過度に回転させる必要もなくなる。
図9に示す内筒部材20の構成について、接線ベクトルを用いて説明する。図9に示す内筒部材20は軸上の第2点32よりも先端側に第4点34を有している。この場合、第1接線ベクトル41と、第2接線ベクトル42と、第4点34において先端側に向かう第4接線ベクトル44とが同一平面上にないことが好ましい。
第1接線ベクトル41および第2接線ベクトル42に対する第4接線ベクトル44の方向は特に限定されない。例えば、第1接線ベクトル41および第2接線ベクトル42を通る平面(仮想平面P)に対して第4接線ベクトル44が0度を超えて傾斜していることが好ましく、45度以上傾斜していることがより好ましい。第1接線ベクトル41および第2接線ベクトル42に対して第4接線ベクトル44が垂直であることがさらに好ましい。図9では、第1接線ベクトル41および第2接線ベクトル42を通る仮想平面Pに対して、第4接線ベクトル44が垂直である例を示した。
第2接線ベクトル42と第4接線ベクトル44のなす角度θ3は、第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42のなす角度θ1と同様の範囲に設定することができる。
第4点34は、第3点33と同様に、内筒部材20の先端22に設けられていてもよい。内筒部材20の軸方向における第2点32と第4点34の離間距離は、内筒部材20の軸方向における第1点31と第2点32の離間距離と同様に設定することができる。内筒部材20の軸方向における第1点31および第2点32の離間距離と、内筒部材20の軸方向における第2点32および第4点34の離間距離は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
内筒部材20の少なくとも一部がコイル24から形成されているカテーテル1は以下の方法で製造することができる。本発明は、線材が巻回されたコイル24を屈曲させた状態で加熱する工程(第1工程)と、コイル24の内側に内層26を形成した後、コイル24内に芯材を挿入して、コイル24の外側に外層25を形成し、内筒部材20を製造する工程(第2工程)と、内筒部材20を外筒部材10内に挿入する工程(第3工程)と、を有するカテーテル1の製造方法も提供する。
(第1工程)
まず、所望の巻き数や密度で巻回されたコイル24を準備する。次いで、線材が巻回されたコイル24を屈曲させた状態で加熱する。加熱温度や加熱時間は、コイル24の材質に応じて適宜設定することができる。この工程を経ることで、コイル24は上述した形状に形成される。第1工程によれば、コイルの曲率半径Rや屈曲度合い等のパラメータの設計の自由度を高くすることができるため、消化管や血管内の形状に合った内筒部材20を製造することができる。別の方法としては予め所定の形状に屈曲されているコイルを準備してもよい。
(第2工程)
コイル24の内側に内層26を形成した後、コイル24内に芯材を挿入し、コイル24の外側に外層25を形成し、内筒部材20を製造する。具体的には、コイル24内に内層26としての筒状部材を挿通させた後、芯材を挿入後、コイル24の外側に外層25を形成して内筒部材20を製造する。コイル24内に挿入される芯材は棒状であることが好ましい。芯材の材料は特に制限されないが、例えば銅、銀、アルミニウム等の金属材料を用いることができる。コイル24の外側に形成される外層25は造影剤等の流体からコイル24の外表面を保護する。コイル24の内側に形成される内層26はガイドワイヤの摺動性を高める。内筒部材20の軸方向において厚みが均一な内層26を形成するためには、芯材の外径は軸方向において一定であることが好ましい。
(第3工程)
内筒部材20を外筒部材10内に挿入する。これにより、内筒部材20の少なくとも一部がコイル24から形成されているカテーテル1が製造される。
(第4工程)
外筒部材10の先端12から露出する内筒部材20の長さの調整や、内筒部材20の回転操作を行いやすくするためには、外筒部材10と内筒部材20を把持部材50等の操作部材に接続することが好ましい。
[外筒部材と内筒部材の他の構成例]
外筒部材の先端部の曲率半径Rを小さくしたり、屈曲度合いを大きくすることができる構成例を示す。なお、「外筒部材と内筒部材の構成例」で説明したカテーテルと同様の構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図10〜図11はカテーテル1(1B)の先端部の他の構成例を示す断面図(一部平面図)を表す。図10に示すように、第1点31が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されているときは、外筒部材10は元の形状に復元し、第2点32が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されている。このとき、第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42は同じ方向であるため、なす角度θ1は0度である。
一方、図11に示すように、第2点32が外筒部材10の先端12よりも基端側に配置されているときには、外筒部材10の屈曲している部分が内筒部材20によって屈曲度合いが緩和される。その結果、第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42は異なる方向を向く。すなわち、内筒部材20において、第1接線ベクトル41と第2接線ベクトル42とがなす角度θ1は、第1点31が外筒部材10の先端12よりも先端側に配置されているときよりも第2点32が外筒部材10の先端12よりも基端側に配置されているときの方が大きい。このように外筒部材10と内筒部材20の相対位置を調整すること、つまり外筒部材10の先端12から露出する内筒部材20の長さを変えることによって、外筒部材10の先端部11の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。
このようなカテーテル1は、内筒部材20の先端部21の一部を外筒部材10の先端12から露出させたときに、外筒部材10の先端部11が曲げられた形状とすることができる。このため、内筒部材20の外側表面と、外筒部材10の内側表面との間の空間に造影剤等の流体を流し、内筒部材20の内腔にガイドワイヤを挿通するのに適している。
内筒部材20によって外筒部材10の先端部11の形状を規制するためには、外筒部材10の先端部11は、内筒部材20の先端部21の少なくとも一部よりも弾性を有していることが好ましい。より好ましくは、外筒部材10の先端部11は、内筒部材20の先端部21の先端側よりも弾性を有していることが好ましい。これにより、外筒部材10と内筒部材20の相対位置を調整することによって外筒部材10の先端部11の曲率半径Rを小さくすることができ、屈曲度合いを大きくすることもできる。具体的には、内筒部材20の先端部21のショア硬度が、外筒部材10の先端部11よりも大きいことが好ましい。
外筒部材10の先端部11は、「外筒部材と内筒部材の構成例」で説明した内筒部材20の先端部21と同様の形状に形成することができる。
図示していないが、内筒部材の先端が外筒部材の先端部よりも基端側に配置されているときには、外筒部材の先端部の形状は内筒部材によって規制されないため、外筒部材の先端部は曲げられる。内筒部材の軸上の第2点が外筒部材の先端部よりも基端側に配置されているときには、第1接線ベクトルと第2接線ベクトルのなす角度θ1は0度となる。この場合、第1接線ベクトルと第2接線ベクトルのなす角度θ1は、第2点が外筒部材の先端部の基端よりも基端側に配置されているときよりも、第2点が外筒部材の先端部に配置されているときの方が大きいものとなる。このようなカテーテルは、内筒部材の内腔に流体が入り込んでもよい場合に好ましく使用することができる。
1:カテーテル
10:外筒部材
11:外筒部材の先端部
12:外筒部材の先端
20:内筒部材
21:内筒部材の先端部
22:内筒部材の先端
23:内筒部材の軸
24:コイル
25:外層
26:内層
31:第1点
32:第2点
33:第3点
34:第4点
41:第1接線ベクトル
42:第2接線ベクトル
43:第3接線ベクトル
44:第4接線ベクトル
50:把持部材
51:補助把持部材
52:抵抗部材

Claims (13)

  1. 先端側と基端側を有するカテーテルであって、
    外筒部材と、
    該外筒部材内の内筒部材と、を有し、
    前記内筒部材は、先端部であって軸上に第1点と該第1点よりも先端側の第2点とを有し、
    前記第1点において先端側に向かう第1接線ベクトルと前記第2点において先端側に向かう第2接線ベクトルとがなす角度は、前記第2点が前記外筒部材の先端よりも基端側に配置されているときよりも、前記第1点が前記外筒部材の先端よりも先端側に配置されているときの方が大きいことを特徴とするカテーテル。
  2. 前記内筒部材は、軸上であって前記第2点よりも先端側に第3点を有し、
    前記第2接線ベクトルと、前記第3点において先端側に向かう第3接線ベクトルとがなす角度は、前記第3点が前記外筒部材の先端よりも基端側に配置されているときよりも、前記第1点が前記外筒部材の先端よりも先端側に配置されているときの方が大きい請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記内筒部材の前記先端部は、線材が巻回されたコイルから形成されている請求項1または2に記載のカテーテル。
  4. 前記線材は、Ni−Ti合金またはステンレス鋼から構成されている請求項3に記載のカテーテル。
  5. 前記内筒部材は、前記コイルよりも基端側が網目構造を有する筒状体から形成されている請求項3または4に記載のカテーテル。
  6. 前記コイルの外側には樹脂から構成されている外層が形成されている請求項3〜5のいずれか一項に記載のカテーテル。
  7. 前記コイルの内側には樹脂から構成されている内層が形成されている請求項3〜6のいずれか一項に記載のカテーテル。
  8. 前記コイルの内側が露出している請求項3〜6のいずれか一項に記載のカテーテル。
  9. 前記内筒部材は軸上の前記第2点よりも先端側に第4点を有し、
    前記第1接線ベクトルと、前記第2接線ベクトルと、前記第4点において先端側に向かう第4接線ベクトルとが同一平面上にない請求項1〜8のいずれか一項に記載のカテーテル。
  10. 前記第1接線ベクトルおよび前記第2接線ベクトルに対して前記第4接線ベクトルが垂直である請求項9に記載のカテーテル。
  11. 前記第1点が前記外筒部材の先端よりも先端側に配置されているときの前記第1接線ベクトルと前記第2接線ベクトルとがなす角度が0度超180度以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載のカテーテル。
  12. 先端側と基端側を有するカテーテルであって、
    外筒部材と、
    該外筒部材内の内筒部材と、を有し、
    前記内筒部材は、先端部であって軸上に第1点と該第1点よりも先端側の第2点とを有し、
    前記第1点において先端側に向かう第1接線ベクトルと前記第2点において先端側に向かう第2接線ベクトルとがなす角度は、前記第1点が前記外筒部材の先端よりも先端側に配置されているときよりも、前記第2点が前記外筒部材の先端よりも基端側に配置されているときの方が大きいことを特徴とするカテーテル。
  13. 線材が巻回されたコイルを屈曲させた状態で加熱する工程と、
    前記コイルの内側に内層を形成した後で前記コイル内に芯材を挿入して、前記コイルの外側に外層を形成し、内筒部材を製造する工程と、
    前記内筒部材を外筒部材内に挿入する工程と、を有することを特徴とするカテーテルの製造方法。
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