JP2014029245A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱庫外に設けられた案内部内の結露防止効果を得ることができ、また、加熱庫内の被加熱物の加熱効率を高くすることができ、さらに、加熱庫内の被加熱物の塩分や油分を大幅に低減できる加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器は、加熱庫外に設けられ、蒸気発生装置からの水蒸気を加熱庫内に案内する蒸気ダクトと、蒸気ダクト内に配置された過熱蒸気生成ヒータ20と、制御装置100とを備える。制御装置100は、飽和蒸気発生ヒータ57で発生させた水蒸気を使用する加熱調理の開始時、過熱蒸気生成ヒータ20がオンになる一方、飽和蒸気発生ヒータ57がオフになるように、飽和蒸気発生ヒータ57および過熱蒸気生成ヒータ20を制御した後、蒸気ダクトの予熱が完了したと判定すると、過熱蒸気生成ヒータ20をオンからオフに切り替える一方、飽和蒸気発生ヒータ57をオフからオンに切り替える。
【選択図】図3

Description

本発明は加熱調理器に関する。
従来、加熱調理器としては、特開2001−263668号公報に開示されたものがある。この加熱調理器は、過熱蒸気発生装置が加熱庫内に過熱水蒸気を吹き込む前に、加熱庫内に設置された加熱ヒータをオンにして、加熱庫の内壁の温度が100℃になるまで予熱を行う。これにより、上記過熱蒸気発生装置が加熱庫内に過熱水蒸気を吹き込んだときに、加熱庫の内壁で結露が生じるのを防ごうとしている。
特開2001−263668号公報
しかしながら、上記加熱庫内と連通する案内部(例えばダクト)を加熱庫外に設けた場合、加熱庫の内壁の温度を100℃にしてから、過熱蒸気発生装置が加熱庫内に過熱水蒸気を吹き込むと、案内部内での結露発生の恐れの問題が生じてしまう。
また、上記加熱庫の内壁の温度が100℃になるまで、加熱庫内の加熱ヒータをオンにすると、加熱庫内の食品の表面温度が高くなりすぎてしまう。この状態で、上記過熱蒸気発生装置が加熱庫内に過熱水蒸気を吹き込んでも、食品の表面で凝縮する過熱水蒸気の量が少なくなってしまう。したがって、上記食品に大量の凝縮潜熱を食品に与えることができず、食品の加熱効率が悪いという問題もある。
また、上記食品の表面で凝縮する過熱水蒸気の量が少なくなると、少量の凝縮水しか食品の表面に付着しなくなるので、食品の塩分や油分を凝縮水で低減する効果が下がってしまうという問題もある。
そこで、本発明の課題は、加熱庫外に設けられた案内部内の結露防止効果を得ることができ、また、加熱庫内の被加熱物の加熱効率を高くすることができ、さらに、加熱庫内の被加熱物の塩分や油分を大幅に低減できる加熱調理器を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の加熱調理器は、
被加熱物を収容する加熱庫と、
蒸気発生ヒータで水を加熱して水蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
上記加熱庫外に設けられ、上記蒸気発生装置からの水蒸気を上記加熱庫内に案内する案内部と、
上記案内部内に配置された加熱ヒータと、
制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記蒸気発生ヒータで発生させた水蒸気を使用する加熱調理の開始時、上記加熱ヒータがオンになる一方、上記蒸気発生ヒータがオフになるように、上記蒸気発生ヒータおよび加熱ヒータを制御する第1の加熱制御ステップと、
上記第1の加熱制御ステップを行った後、上記案内部の予熱が完了したか否かを判定する判定ステップと、
上記判定ステップによって、上記案内部の予熱が完了したと判定されると、上記加熱ヒータをオンからオフに切り替える一方、上記蒸気発生ヒータをオフからオンに切り替える第2の加熱制御ステップと
を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、上記第1の加熱制御ステップは、蒸気発生ヒータで発生させた水蒸気を使用する加熱調理の開始時、加熱ヒータがオンになる一方、蒸気発生ヒータがオフになるように、蒸気発生ヒータおよび加熱ヒータを制御する。そして、上記判定ステップによって、案内部の予熱が完了したと判定されると、第2の加熱制御ステップが、加熱ヒータをオンからオフに切り替える一方、蒸気発生ヒータをオフからオンに切り替える。このとき、上記案内部の予熱は完了しているので、蒸気発生ヒータが発生した水蒸気が案内部内に入っても、案内部内で結露が発生するのを防ぐことができる。
また、上記加熱庫外の案内部内に加熱ヒータを配置しており、この案内部の予熱が完了したと判定されると、加熱ヒータがオンからオフに切り替わるので、加熱庫内の被加熱物の表面の温度は高くなりすぎない。したがって、上記被加熱物の表面で生じる凝縮水の量を増やすことができるので、被加熱物に大量の凝縮潜熱を与えることができ、その結果、被加熱物の加熱効率を高くすることができる。
また、上記被加熱物の表面に大量の凝縮水を付着させることができるので、被加熱物の塩分や油分を凝縮水で低減する効果を高くすることができる。
一実施形態の加熱調理器は、
上記案内部内の空気を上記加熱庫内へ送るための送風装置を備え、
上記第1の加熱制御ステップは、上記蒸気発生ヒータで発生させた水蒸気を使用する加熱調理の開始時、上記送風装置がオフになるように、上記送風装置を制御する。
上記実施形態によれば、上記第1の加熱制御ステップは、蒸気発生ヒータで発生させた水蒸気を使用する加熱調理の開始時、送風装置がオフになるように、送風装置を制御するので、案内部の予熱を迅速に完了させることができる。
一実施形態の加熱調理器では、
上記第2の加熱制御ステップは、上記判定ステップによって、上記案内部の予熱が完了したと判定されると、上記送風装置をオフからオンに切り替える。
上記実施形態によれば、上記第2の加熱制御ステップは、判定ステップによって、案内部の予熱が完了したと判定されると、送風装置をオフからオンに切り替えるので、加熱ヒータで生成した過熱蒸気を加熱庫に効率良く供給することができる。
一実施形態の加熱調理器は、
上記案内部の温度を検出するための温度センサを備え、
上記判定ステップは、上記温度センサによって検出された上記案内部内の温度が予め設定された予熱完了温度になっているか否かを判定することにより、上記案内部の予熱が完了したか否かを判定する。
上記実施形態によれば、上記判定ステップは、温度センサによって検出された案内部内の温度が予め設定された予熱完了温度になっているか否かを判定することにより、案内部の予熱が完了したか否かを判定するので、判定ステップの判定の信頼性を高めることができる。
一実施形態の加熱調理器では、
上記判定ステップは、上記加熱ヒータのオンから経過した時間が予め設定された時間を越えたか否かを判定することにより、上記案内部の予熱が完了したか否かを判定する。
上記実施形態によれば、上記判定ステップは、加熱ヒータのオンから経過した時間が予め設定された時間を越えたか否かを判定することにより、案内部の予熱が完了したか否かを判定するので、判定ステップの判定の信頼性を高めることができる。
本発明の加熱調理器は、加熱庫外に設けられ、蒸気発生装置からの水蒸気を加熱庫内に案内する案内部を備え、第1の加熱制御ステップが、蒸気発生ヒータで発生させた水蒸気を使用する加熱調理を開始時、加熱ヒータがオンになる一方、蒸気発生ヒータがオフになるように、蒸気発生ヒータおよび加熱ヒータを制御した後、判定ステップによって、案内部の予熱が完了したと判定されると、第2の加熱制御ステップが、加熱ヒータをオンからオフに切り替える一方、蒸気発生ヒータをオフからオンに切り替えるので、蒸気発生ヒータによる水蒸気が案内部内に入っても、案内部内で結露が発生するのを防ぐことができる。
また、上記加熱庫外の案内部内に加熱ヒータを配置しており、この案内部の予熱が完了したと判定されると、加熱ヒータがオンからオフに切り替わることによって、加熱庫内の被加熱物の表面の温度は高くなりすぎないので、被加熱物の表面で生じる凝縮水の量を増やすことができる。したがって上記被加熱物に大量の凝縮潜熱を与えることができるので、被加熱物の加熱効率を高くすることができる。
また、上記被加熱物の表面に大量の凝縮水を付着させることができるので、被加熱物の塩分や油分を凝縮水で低減する効果を高くすることができる。
図1は本発明の一実施形態の加熱調理器の概略斜視図である。 図2は上記加熱調理器の模式断面図である。 図3は上記加熱調理器の制御ブロック図である。 図4は上記加熱調理器の飽和蒸気発生ヒータ、過熱蒸気生成ヒータおよび循環ファン用モータのオン/オフのタイミングを示す図である。 図5は上記加熱調理器の制御装置の制御を説明するためのフローチャートである。 図6は図5は上記加熱調理器の制御装置の他の制御を説明するためのフローチャートである。
図1は、本発明の一実施形態の加熱調理器を前側の斜め上方から見た概略斜視図である。
上記加熱調理器は、直方体形状のケーシング1と、このケーシング1内に設けられ、前側に開口部を有する加熱庫2(図2参照)と、この加熱庫2の開口部を開閉する扉3とを備えている。この扉3は、耐熱ガラス4と、この耐熱ガラス4の上方に位置するハンドル5と、耐熱ガラス3の右側方に設けられた操作パネル6とを有している。また、操作パネル6にはカラー液晶表示部7およびボタン群8を設けている。そして、ケーシング1の後部の上側かつ右側には排気ダクト8を設けている。また、扉2の下方には、ケーシング1の下部に着脱可能な露受容器9を配置している。
図2は、上記加熱調理器を左右方向に平行な鉛直面で切った断面を模式的に示す図である。
上記加熱調理器では、水タンク11から供給された水を蒸気発生装置12の飽和蒸気発生ヒータ57(図3参照)で加熱して飽和水蒸気を生成する。この飽和水蒸気は、蒸気供給通路(図示せず)を介して、加熱庫2の右側面に取り付けられた循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍に供給される。なお、飽和蒸気発生ヒータ57は蒸気発生ヒータの一例である。
上記蒸気供給通路に接続された蒸気供給管34を、加熱庫2の右側面と平行になるように、循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍に取り付けている。また、循環ユニット14内には、蒸気吸込口15に対向するように循環ファン18を配置している。この循環ファン18は、ファンモータ19によって回転駆動される。なお、循環ファン18,ファンモータ19は送風装置の一例である。
上記加熱調理器は、加熱庫2外に設けられた蒸気ダクト90を備えている。この蒸気ダクト90は蒸気発生装置12からの飽和水蒸気を加熱庫2内に案内する。より詳しくは、蒸気ダクト90は、L字状に屈曲していて、加熱庫2の上面および左側面を覆うように、加熱庫2に取り付けられている。この蒸気ダクト90は、加熱庫2の上面側に固定された第1ダクト部91と、この第1ダクト部91の左側方から下側に屈曲する屈曲部92と、加熱庫2の左側面側に固定され、屈曲部92を介して第1ダクト部91に連なる第2ダクト部93とを有している。なお、蒸気ダクト90は案内部の一例である。
上記蒸気ダクト90の第1ダクト部91には、過熱蒸気生成ヒータ20を収納している。また、蒸気ダクト90の第1ダクト部91と、過熱蒸気生成ヒータ20とが過熱蒸気生成装置21を構成している。なお、過熱蒸気生成装置は、蒸気ダクトとは別に設けてもよい。また、過熱蒸気生成ヒータ20は加熱ヒータの一例である。
また、上記蒸気ダクト90の第1ダクト部91の右側は、循環ユニット14の上部に設けられた蒸気供給口22に連通している。加熱庫2の天面には、複数の第1蒸気吹出口24が設けられており、蒸気ダクト90の第1ダクト部91は、第1蒸気吹出口24を介して加熱庫2内に連通している。一方、蒸気ダクト90の第2ダクト部93は、加熱庫2の左側面に設けられた複数の第2蒸気吹出口25を介して加熱庫2内に連通している。
また、上記蒸気ダクト90と加熱庫2との隙間は、耐熱樹脂などによりシールされている。また、加熱庫2および蒸気ダクト90は、加熱庫2の前面開口を除いて断熱材により覆われている。
上記循環ユニット14と過熱蒸気生成装置21と加熱庫2とそれらを接続する接続部材とによって、蒸気の循環経路が形成されている。そして、この循環経路における循環ユニット14の加熱庫2との境界部に、蒸気発生装置12で生成された飽和水蒸気が供給される。
また、上記ケーシング1内の下側にはマグネトロン58(図5参照)が配置されている。このマグネトロン58で発生したマイクロ波は、導波管(図示せず)によって加熱庫2の下部中央下に導かれ、モータ37によって駆動される回転アンテナ38によって攪拌されながら加熱庫2内の上方に向かって放射されて被加熱物27を加熱する。
上記被加熱物27をマイクロ波で加熱する場合、トレイ30や網40を使わないで、加熱庫2内の下側または底面近傍に被加熱物27を配置する。
また、上記ケーシング1内の下側には、冷却ファン部(図示せず)や電装品部17なども配置している。この電装品部17は、加熱調理器の各部を駆動する駆動回路やこの駆動回路を制御する制御回路等を有している。
なお、図2において、28は加熱庫2内に供給された過熱水蒸気などを循環ユニット14内に吸い込むための吸込口であり、36は吸込口28から循環ユニット14へ向かう過熱蒸気などが通過する蒸気導入室であり、39A,39B,39Cはトレイ30の両端部を係止する係止部である。
図3は上記加熱調理器の制御ブロック図である。
上記加熱調理器は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなる制御装置100を電装品部17(図2参照)内に備えている。この制御装置100には、循環ファン用モータ19,過熱蒸気生成ヒータ20,冷却ファン用モータ51,給気ダンパ用モータ52,排気ダンパ用モータ53,操作パネル6,庫内温度センサ54,解凍センサ55,給水ポンプ56,飽和蒸気発生ヒータ57およびマグネトロン58が接続されている。操作パネル6からの信号および庫内温度センサ54,解凍センサ55からの検出信号に基づいて、制御装置100は、循環ファン用モータ19,過熱蒸気生成ヒータ20,冷却ファン用モータ51,給気ダンパ用モータ52,排気ダンパ用モータ53,操作パネル6,給水ポンプ56,飽和蒸気発生ヒータ57およびマグネトロン58などを制御する。なお、庫内温度センサ54は温度センサの一例である。
上記庫内温度センサ54は、加熱庫2(図2参照)に取り付けられ、加熱庫2内の温度を示す検出信号を制御装置100へ送出する。
上記給水ポンプ56は水タンク11内の水を蒸気発生装置12に送る。これにより、蒸気発生装置12に内蔵された飽和蒸気発生ヒータ57が上記水を加熱して発生した飽和水蒸気を循環ユニット14内に供給できるようになっている。
図4は、上記飽和蒸気発生ヒータ57、過熱蒸気生成ヒータ20および循環ファン用モータ19のオン/オフのタイミングを示す図である。
上記制御装置100(図3参照)は、蒸気発生ヒータ57で発生させた水蒸気を使用する加熱調理の開始時、過熱蒸気生成ヒータ20がオンになる一方、飽和蒸気発生ヒータ57および循環ファン用モータ19がオフになるように、過熱蒸気生成ヒータ20、飽和蒸気発生ヒータ57および循環ファン用モータ19を制御する。そして、蒸気ダクト90の予熱が完了すると、制御装置100は、過熱蒸気生成ヒータ20をオンからオフに切り替えられる一方、飽和蒸気発生ヒータ57および循環ファン用モータ19をオフからオンに切り替える。そして、過熱蒸気生成ヒータ20がオンからオフに切り替わる一方、飽和蒸気発生ヒータ57および循環ファン用モータ19がオフからオンに切り替わってから、予め設定された時間が経過すると、制御装置100は、過熱蒸気生成ヒータ20をオフからオンに切り替える一方、飽和蒸気発生ヒータ57をオンからオフに切り替える。このとき、循環ファン用モータ19のオンは継続するが、循環ファン用モータ19の回転速度を上げる。すなわち、制御装置100は、過熱蒸気生成ヒータ20がオンからオフに切り替わる一方、飽和蒸気発生ヒータ57がオフからオンに切り替わってから、予め設定された時間が経過するまでの間は、循環ファン用モータ19の回転速度が比較的遅くなるように、循環ファン用モータ19を制御すると共に、過熱蒸気生成ヒータ20がオンからオフに切り替わる一方、飽和蒸気発生ヒータ57がオフからオンに切り替わってから、予め設定された時間が経過すると、循環ファン用モータ19の回転速度が比較的速くなるように、循環ファン用モータ19を制御する。この過熱蒸気生成ヒータ20および循環ファン用モータ19のオンと、飽和蒸気発生ヒータ57のオフとは、加熱調理が終了するまで継続する。
以下、図5のフローチャートを用いて、上記加熱調理を行うときの制御装置100の制御について説明する。
まず、上記制御装置100の制御がスタートすると、ステップS101で、蒸気発生ヒータ57で発生させた水蒸気を使用する加熱調理の開始時、過熱蒸気生成ヒータ20をオンする一方、飽和蒸気発生ヒータ57および循環ファン用モータ19をオフする。なお、ステップS101は第1の加熱制御ステップの一例である。
次に、ステップS102で、庫内温度センサ54が送出した信号に基づいて、加熱庫2内の温度が例えば95℃以上になっているか否かを判定する。このステップS102で、加熱庫2内の温度が95℃以上になっていると判定されると、次のステップS103に進む。一方、ステップS102で、加熱庫2内の温度が95℃以上になっていないと判定されると、再び、ステップS102を行う。なお、ステップS102は判定ステップの一例である。
次に、ステップS103で、過熱蒸気生成ヒータ20をオフする一方、飽和蒸気発生ヒータ57および循環ファン用モータ19をオンする。このとき、循環ファン18が過熱蒸気生成ヒータ20に送る風が弱風となるように、循環ファン用モータ19の回転速度を比較的遅くする。なお、ステップS103は第2の加熱制御ステップの一例である。
次に、ステップS104で、過熱蒸気生成ヒータ20をオフする一方、飽和蒸気発生ヒータ57および循環ファン用モータ19をオンしてから、予め設定された時間が経過したか否かを判定する。このステップS104で、予め設定された時間が経過したと判定すると、次のステップ105に進む。一方、ステップS104で、予め設定された時間が経過していないと判定すると、再び、ステップS104を行う。
次に、ステップS105で、過熱蒸気生成ヒータ20をオンする一方、飽和蒸気発生ヒータ57をオフする。このとき、循環ファン用モータ19のオンは維持するが、循環ファン18が過熱蒸気生成ヒータ20に送る風が強風となるように、循環ファン用モータ19の回転速度を比較的速くする。
最後に、ステップS106で、上記加熱調理が開始してから、ユーザの操作パネル6への操作に対応する加熱調理時間が経過したか否かを判定する。このステップS106で、上記加熱調理時間が経過したと判定すると、制御装置100の制御がエンドになる。一方、ステップS106で、上記加熱調理時間が経過していないと判定すると、再び、ステップS106を行う。
このように、上記飽和蒸気発生ヒータ57で発生させた水蒸気を使用する加熱調理の開始時、過熱蒸気生成ヒータ20がオンなるように、飽和蒸気発生ヒータ57がオフになるようにした後、加熱庫2内の温度が95℃以上になっていると判定されると、過熱蒸気生成ヒータ20をオンからオフに切り替える一方、飽和蒸気発生ヒータ57をオフからオンに切り替えるので、飽和蒸気発生ヒータ57による水蒸気が蒸気ダクト90内に入っても、蒸気ダクト90内で結露が発生するのを防ぐことができる。
また、上記加熱庫2外の蒸気ダクト90内に過熱蒸気生成ヒータ20を配置しており、加熱庫2内の温度が95℃以上になっていると判定されると、過熱蒸気生成ヒータ20をオンからオフに切り替えるので、加熱庫2内の被加熱物27の表面の温度は高くなりすぎない。したがって、被加熱物27の表面で生じる凝縮水の量を増やすことができるので、被加熱物27に大量の凝縮潜熱を与えることができる。その結果、被加熱物27の加熱効率を上げることができる。
また、上記被加熱物27の加熱効率を上げることができるので、被加熱物27に良好な焼き色がつくようにしつつ、加熱調理時間(加熱調理が開始してから終了するまでに要する時間)を短縮することができる。
また、上記被加熱物27の表面に大量の凝縮水を付着させることができるので、被加熱物27の塩分や油分を凝縮水で大きく低減できる。
また、上記蒸気飽和蒸気発生ヒータ57で発生させた水蒸気を使用する加熱調理の開始時、循環ファン用モータ19がオフになるようにするので、蒸気ダクト90の予熱を短時間で終わらせることができる。
また、上記加熱庫2内の温度が95℃以上になっていると判定されると、循環ファン用モータ19をオフからオンに切り替えるので、過熱蒸気生成ヒータ20で生成した過熱蒸気を加熱庫2内に効率良く供給することができる。
また、上記循環ファン用モータ19をオフからオンに切り替えたとき、循環ファン18が過熱蒸気生成ヒータ20に送る風が弱風となるので、食品近辺で優先的に蒸気が循環し、効率良く食品を加熱することができる。
また、上記加熱庫2内の温度が95℃以上になっていれば、加熱庫2外の蒸気ダクト90の予熱は完了しているとみなすことができる。したがって、ステップS102の判定の信頼性を高めることができる。
上記実施形態の加熱調理器では、オーブンレンジなどにおいて、過熱水蒸気または飽和水蒸気を用いることによって、ヘルシーな調理を行うことができる。例えば、本発明の加熱調理器では、温度が100℃以上の過熱水蒸気または飽和水蒸気を食品表面に供給し、食品表面に付着した過熱水蒸気または飽和水蒸気が凝縮して大量の凝縮潜熱を食品に与えるので、食品に熱を効率よく伝えることができる。また、凝縮水が食品表面に付着して塩分や油分が凝縮水と共に滴下することにより、食品中の塩分や油分を低減できる。さらに、加熱庫内は過熱水蒸気または飽和水蒸気が充満して低酸素状態となることにより、食品の酸化を抑制した調理が可能となる。ここで、低酸素状態とは、加熱庫内において酸素の体積%が10%以下(例えば0.5〜3%)である状態を指す。
上記実施形態において、ステップS103で、過熱蒸気生成ヒータ20をオフする一方、飽和蒸気発生ヒータ57をオンにしてから、予め設定された時間が経過するまでの間(図4で弱風と示している時間)は、循環ファン用モータ19の回転速度を1000rpm〜2000rpmとすると共に、ステップS105で、過熱蒸気生成ヒータ20をオフする一方、飽和蒸気発生ヒータ57をオンにしてから、予め設定された時間が経過した後の間(図4で強風と示している時間)は、循環ファン用モータ19の回転速度を3000rpm〜6000rpmとしてもよい。このようにする場合も、図4で弱風と示している時間の循環ファン用モータ19の回転速度は、図4で強風と示している時間の循環ファン用モータ19の回転速度よりも遅くする方がよい。
上記実施形態では、ステップS102で、庫内温度センサ54が送出した信号に基づいて、加熱庫2内の温度が例えば95℃以上になっていると判定されると、次のステップS103に進んでいたが、加熱庫2内の温度が、加熱庫2外の蒸気ダクト90の予熱は完了しているとみなすことができる温度になっているのであれば、次のステップS103に進むようにしてもよい。
上記実施形態において、ステップS105で、過熱蒸気生成ヒータ20をオフする一方、飽和蒸気発生ヒータ57をオンにしてから、予め設定された時間が経過した後は、過熱蒸気生成ヒータ20および飽和蒸気発生ヒータ57を例えば一分間おきに交互にオンするようにしてもよい。
上記実施形態では、ステップS101とステップS103との間で、加熱庫2内の温度が95℃以上になっているか否かを判定するステップS102を行っていたが、ステップS101とステップS103との間で、過熱蒸気生成ヒータ20をオンする一方、飽和蒸気発生ヒータ57および循環ファン用モータ19をオフしてから、予め設定された時間が経過したか否かを判定するステップを行ってもよい。
すなわち、上記蒸気発生ヒータ57で発生させた水蒸気を使用する加熱調理を行うとき、図6のフローチャートにしたがって制御装置100の制御が行われるようにしてもよい。
図6のステップS101,ステップS103〜S106は、図5のステップS101,ステップS103〜S106と同じステップである。
図6のステップS202では、過熱蒸気生成ヒータ20をオンする一方、飽和蒸気発生ヒータ57および循環ファン用モータ19をオフしてから、予め設定された時間が経過したか否かを判定する。このステップS202で、上記予め設定された時間が経過したと判定されると、次のステップ103に進む。一方、ステップS202で、上記予め設定された時間が経過していないと判定されると、再び、ステップS202を行う。なお、ステップS202は判定ステップの一例である。
このように、上記過熱蒸気生成ヒータ20をオンする一方、飽和蒸気発生ヒータ57および循環ファン用モータ19をオフしてから、予め設定された時間が経過していれば、加熱庫2外の蒸気ダクト90の予熱は完了しているとみなすことができる。したがって、ステップS202の判定の信頼性を高めることができる。
また、図1の加熱調理器以外の加熱調理器(例えば特開2010−266187号公報や特開2011−247570号公報に開示されている加熱調理器)であっても、図5または図6のフローチャートの同様のフローチャートにしたがって、蒸気発生ヒータで発生させた水蒸気を使用する加熱調理を行ってもよい。
1 ケーシング
2 加熱庫
12 蒸気発生装置
18 循環ファン
19 ファンモータ
20 過熱蒸気生成ヒータ
54 庫内温度センサ
57 飽和蒸気発生ヒータ
90 蒸気ダクト
100 制御装置

Claims (5)

  1. 被加熱物を収容する加熱庫と、
    蒸気発生ヒータで水を加熱して水蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    上記加熱庫外に設けられ、上記蒸気発生装置からの水蒸気を上記加熱庫内に案内する案内部と、
    上記案内部内に配置された加熱ヒータと、
    制御装置と
    を備え、
    上記制御装置は、
    上記蒸気発生ヒータで発生させた水蒸気を使用する加熱調理の開始時、上記加熱ヒータがオンになる一方、上記蒸気発生ヒータがオフになるように、上記蒸気発生ヒータおよび加熱ヒータを制御する第1の加熱制御ステップと、
    上記第1の加熱制御ステップを行った後、上記案内部の予熱が完了したか否かを判定する判定ステップと、
    上記判定ステップによって、上記案内部の予熱が完了したと判定されると、上記加熱ヒータをオンからオフに切り替える一方、上記蒸気発生ヒータをオフからオンに切り替える第2の加熱制御ステップと
    を行うことを特徴とする加熱調理器。
  2. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    上記案内部内の空気を上記加熱庫内へ送るための送風装置を備え、
    上記第1の加熱制御ステップは、上記蒸気発生ヒータで発生させた水蒸気を使用する加熱調理の開始時、上記送風装置がオフになるように、上記送風装置を制御することを特徴とする加熱調理器。
  3. 請求項2に記載の加熱調理器において、
    上記第2の加熱制御ステップは、上記判定ステップによって、上記案内部の予熱が完了したと判定されると、上記送風装置をオフからオンに切り替えることを特徴とする加熱調理器。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の加熱調理器において、
    上記案内部の温度を検出するための温度センサを備え、
    上記判定ステップは、上記温度センサによって検出された上記案内部内の温度が予め設定された予熱完了温度になっているか否かを判定することにより、上記案内部の予熱が完了したか否かを判定することを特徴とする加熱調理器。
  5. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の加熱調理器において、
    上記判定ステップは、上記加熱ヒータのオンから経過した時間が予め設定された時間を越えたか否かを判定することにより、上記案内部の予熱が完了したか否かを判定することを特徴とする加熱調理器。
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