JP2014024685A - 高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器および高純度多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents
高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器および高純度多結晶シリコンの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014024685A JP2014024685A JP2012163661A JP2012163661A JP2014024685A JP 2014024685 A JP2014024685 A JP 2014024685A JP 2012163661 A JP2012163661 A JP 2012163661A JP 2012163661 A JP2012163661 A JP 2012163661A JP 2014024685 A JP2014024685 A JP 2014024685A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicon
- polycrystalline silicon
- reactor
- supply nozzle
- zinc
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Silicon Compounds (AREA)
Abstract
【課題】高純度多結晶シリコンの回収工程における容器内での作業を不要にできると共に、回収工程を、作業者が容易に安全かつ短時間で実施でき、高純度多結晶シリコンの生産性を向上できる高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器を提供すること。
【解決手段】本発明の高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器は、亜鉛ガス供給ノズル[A]と、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]と、排気ガス抜き出し口[C]と、所定の回収窓部[D]とを備えていることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器は、亜鉛ガス供給ノズル[A]と、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]と、排気ガス抜き出し口[C]と、所定の回収窓部[D]とを備えていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、四塩化ケイ素ガスを亜鉛ガスで還元して高純度多結晶シリコンを製造するために用いられる高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器およびそれを用いた高純度多結晶シリコンの製造方法に関する。
近年、地球温暖化を防止するための有力な手段として、太陽電池に対する関心が益々高まってきている。太陽電池は、シリコン系、化合物系、有機系などに大別できるが、シリコン系の太陽電池の実用化が最も進んでいる。さらに、シリコン系太陽電池として、結晶シリコン系、アモルファスシリコン系などが挙げられる。この結晶シリコン系太陽電池では、その原料として高純度多結晶シリコンが使用されている。
高純度多結晶シリコンの製造法としては、シーメンス法や亜鉛還元法などが知られている。中でも、反応効率が良いことや未反応の原料の再利用が容易なこと、さらには低コスト高純度の結晶シリコンを低コストで製造し得ることから、亜鉛還元法が注目されている。この方法は、四塩化ケイ素(テトラクロロシラン:SiCl4)が亜鉛(還元剤)によって還元されて、シリコンおよび塩化亜鉛が生じる反応に基づくものである。この還元反応は、通常、高温の温度条件(例:800〜1200℃)下で実施され、生成する塩化亜鉛はガス状である。
亜鉛還元法による高純度な多結晶シリコンを製造するに当たり、図1に示すような、縦型反応容器1が使用されている。
縦型反応容器1は、亜鉛ガス供給ノズル3、四塩化ケイ素ガス供給ノズル2、排気ガス抜き出し口4を基本的な構成として備えており、後述する特許文献2に記載の縦型反応容器のように、反応容器1の周囲(外周面)に加熱手段9を備えている場合もある。
縦型反応容器1は、亜鉛ガス供給ノズル3、四塩化ケイ素ガス供給ノズル2、排気ガス抜き出し口4を基本的な構成として備えており、後述する特許文献2に記載の縦型反応容器のように、反応容器1の周囲(外周面)に加熱手段9を備えている場合もある。
上記亜鉛ガス供給ノズル3は、亜鉛ガスを反応容器内に供給するためのノズルであり、通常、亜鉛ガスは、亜鉛(固体)Aを亜鉛溶融炉5に供して液化亜鉛を調製し、この液化亜鉛を亜鉛蒸発炉6に供して調製される。一方、上記四塩化ケイ素ガス供給ノズル2は、四塩化ケイ素ガスを反応容器内に供給するためのノズルである。かかる四塩化ケイ素ガスは、通常、四塩化ケイ素(液体)Bを四塩化ケイ素気化装置8に供して調製される。また、通常、反応容器1の内部に供給されるに先だって、亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガスは、それぞれ過熱炉7において高温条件下に曝される。
亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガスが、それぞれ亜鉛ガス供給ノズル2および四塩化ケイ素ガス供給ノズル2を介して、反応容器1の内部に供給されると、800〜1200℃程度の温度条件下で、下記反応式(1)のような還元反応が進行し、シリコンが生成する。上記反応により生成したシリコンは、四塩化ケイ素ガス供給ノズル2に付着し、やがて、四塩化ケイ素供給ノズル2に付番Fで示されるように、管状に凝集した多結晶シリコンFへと成長する。
なお、塩化亜鉛、反応しなかった四塩化ケイ素および亜鉛等を含む排気ガスは、排気ガス抜き出し口4を介して、反応容器1の外部に排出される。排出された排気ガスは、塩化亜鉛回収タンク10に供されて、塩化亜鉛Cが回収され、さらに第1四塩化ケイ素凝縮装置11と第2四塩化ケイ素凝縮装置12とで循環させて、四塩化ケイ素Dが回収され、四塩化ケイ素および亜鉛等が低減された排気ガスEとして回収される。
上記反応を停止後、四塩化ケイ素ガス供給ノズル2に形成された管状に凝集した多結晶シリコンF(以下、単に「多結晶シリコン」と略記することがある。)を回収する。たとえば、管状の多結晶シリコンFの自重によって、あるいは、反応容器1の下部を開放し、作業者が、頭上に位置する多結晶シリコンFに機械的なショックを与えることによって、反応容器の下部に落下させて回収する。
回収後、再び、亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガスを反応容器に供給して、管状の多結晶シリコンFを形成させて、回収する操作が繰り返される。
このような亜鉛還元法による高純度な多結晶シリコンを製造するために使用される縦型反応容器は、たとえば、特許文献1〜2にて開示されている。
このような亜鉛還元法による高純度な多結晶シリコンを製造するために使用される縦型反応容器は、たとえば、特許文献1〜2にて開示されている。
しかしながら、特許文献1〜2で開示される態様を含め、従来の縦型反応器では、多結晶シリコンに機械的ショックを与えて回収する場合において、その作業性と作業者の安全の確保に課題があった。すなわち、多結晶シリコンの回収は、先ず反応容器の温度を外気温まで下げ、原料ガスや排気ガスを空気で置換した後、反応容器の下部を開放し、作業者が反応器内部に入って行うことになるが、作業者の頭上に位置する四塩化ケイ素ガス供給ノズルに下がった多結晶シリコンFを、脚立等の足場を確保しつつ、手または回収用治具を用いて回収するのは作業性が悪いばかりでなく、また回収に伴う結晶シリコンの微粉等の落下により作業者の安全をも脅かすことになる。
さらには、作業のための反応器温度の降温、反応器の開放、多結晶シリコンの回収および反応器復元作業等には時間を要するので、高純度多結晶シリコンの製造における生産性の点でも課題があった。
本発明者らは、鋭意検討の結果、高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器において、特定の構成を有する回収窓部を備え、長尺形状である結晶シリコン回収用治具で回収できるような構成を採用すると、従来技術では解決できなかった課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、高純度多結晶シリコンの回収工程における容器内での作業を不要にできると共に、回収工程を、作業者が容易に安全かつ短時間で実施でき、高純度多結晶シリコンの生産性を向上できる高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器およびそれを用いた高純度多結晶シリコンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1] 少なくとも、亜鉛ガス供給ノズル[A]と、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]と、排気ガス抜き出し口[C]と、多結晶シリコン回収用の回収窓部[D]とを備えた高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器であり、回収窓部[D]は、連結管(d1)、気密蓋(d2)および耐熱物(d3)で構成され、連結管(d1)は着脱可能な耐熱物(d3)で充填され、連結管(d1)の一端に開閉可能な気密蓋(d2)を備え、他端は反応器壁と多結晶シリコンが回収可能な位置で結合し、さらに、回収窓部[D]の気密蓋(d2)を開閉し、耐熱物(d3)を取り出した後、連結管(d1)を介して長尺形状の結晶シリコン回収用治具を挿入し、前記供給ノズルBに付着した多結晶シリコンに機械的ショックを与えて該シリコンを落下させるために用いられる、高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器。
[1] 少なくとも、亜鉛ガス供給ノズル[A]と、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]と、排気ガス抜き出し口[C]と、多結晶シリコン回収用の回収窓部[D]とを備えた高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器であり、回収窓部[D]は、連結管(d1)、気密蓋(d2)および耐熱物(d3)で構成され、連結管(d1)は着脱可能な耐熱物(d3)で充填され、連結管(d1)の一端に開閉可能な気密蓋(d2)を備え、他端は反応器壁と多結晶シリコンが回収可能な位置で結合し、さらに、回収窓部[D]の気密蓋(d2)を開閉し、耐熱物(d3)を取り出した後、連結管(d1)を介して長尺形状の結晶シリコン回収用治具を挿入し、前記供給ノズルBに付着した多結晶シリコンに機械的ショックを与えて該シリコンを落下させるために用いられる、高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器。
[2] 結晶シリコン回収用治具の少なくとも1つの端部が、L字型またはT字型の形状を有している、[1]に記載の高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器。
[3] 下記工程(1)〜(3)を順次実施することを特徴とする高純度多結晶シリコンの回収方法;
工程(1):[1]または[2]の高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器を用いて、亜鉛ガス供給ノズル[A]から亜鉛ガスと、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]から四塩化珪素ガスとを反応容器内に供給し、亜鉛ガスと四塩化ケイ素とを反応させて、高純度多結晶シリコンを製造する工程、
工程(2):気密蓋(d2)を開口し、耐熱物(d3)を連結管から取り出し、連結管(d1)を介して、長尺状である結晶シリコン回収用治具を反応容器内に挿入し、結晶シリコン回収用治具を用いて、前記供給ノズル[B]に付着した高純度多結晶シリコンに機械的ショックを与え、該シリコンを反応容器の下部へ落下させる工程、
工程(3):反応容器の下部に落下した高純度多結晶シリコンを回収する工程。
[3] 下記工程(1)〜(3)を順次実施することを特徴とする高純度多結晶シリコンの回収方法;
工程(1):[1]または[2]の高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器を用いて、亜鉛ガス供給ノズル[A]から亜鉛ガスと、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]から四塩化珪素ガスとを反応容器内に供給し、亜鉛ガスと四塩化ケイ素とを反応させて、高純度多結晶シリコンを製造する工程、
工程(2):気密蓋(d2)を開口し、耐熱物(d3)を連結管から取り出し、連結管(d1)を介して、長尺状である結晶シリコン回収用治具を反応容器内に挿入し、結晶シリコン回収用治具を用いて、前記供給ノズル[B]に付着した高純度多結晶シリコンに機械的ショックを与え、該シリコンを反応容器の下部へ落下させる工程、
工程(3):反応容器の下部に落下した高純度多結晶シリコンを回収する工程。
本発明の高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器によれば、高純度多結晶シリコンの回収に際しての反応器内での作業が不要になると共に、回収窓部から、結晶シリコン回収用治具を用いて、作業者が容易に安全かつ短時間で高純度多結晶シリコンの回収作業を実施できるので、高純度多結晶シリコンの製造における生産性を向上できる。
以下、本発明に係る縦型反応器およびそれを用いた高純度多結晶シリコンの製造方法について、図面(図2〜3)を適宜使用しながら説明する。
1.高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器
本発明に係る縦型反応器は、下記化学反応式に基づく亜鉛還元法による高純度多結晶シリコンを製造するために用いられる。ここで、高純度多結晶シリコンとは、いわゆるソーラーグレードシリコン(solar-grade silicon, SOG-Si, 太陽電池級シリコン)または半導体用シリコンの原料として使用できる程度の純度を有するものを指し、たとえば、純度99.99%以上、好ましくは純度99.999%以上の多結晶シリコンをいう。
1.高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器
本発明に係る縦型反応器は、下記化学反応式に基づく亜鉛還元法による高純度多結晶シリコンを製造するために用いられる。ここで、高純度多結晶シリコンとは、いわゆるソーラーグレードシリコン(solar-grade silicon, SOG-Si, 太陽電池級シリコン)または半導体用シリコンの原料として使用できる程度の純度を有するものを指し、たとえば、純度99.99%以上、好ましくは純度99.999%以上の多結晶シリコンをいう。
図2〜3に示されるように、高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器1(以下、単に「反応器」と称することもある。)は、亜鉛ガス供給ノズル[A]3と、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]2と、排気ガス抜き出し口[C]4と、連結管(d1)13a〜13d、気密蓋(d2)16および耐熱物(d3)15を有する回収窓部[D]とを、必須構成部材として備え、必要に応じてその他の構成部材(たとえば、空気吐出部14)を備えていてもよい。
また、後述するように、シリコン回収用治具を用いて、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]2に付着した多結晶シリコンに機械的ショックを与えて、該多結晶シリコンを反応容器下部へ落下させた場合に、容易に、落下した多結晶シリコンを回収する(落下した多結晶シリコンを反応容器の外部(系外)に取り出す)ために、反応容器の下部には、通常、反応器上部と下部を分離可能なフランジ結合など、閉開自在な構造を有している。
本発明の反応容器は、反応器材質等から多結晶シリコンに含まれる不純物濃度等を考慮すると、炭化ケイ素、窒化ケイ素、石英ガラス等の材質で構成されていることが好ましい。
本発明の縦型反応器の内部形状および材質は、亜鉛ガスを容器内に均一に分散させ、その中に四塩化ケイ素ガスをノズル[B]から直線的に降下させるようにガスの流れを制御して、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の下端から鉛直方向に管状凝集多結晶シリコンを成長させ得るものであれば、特に制限されることなく用いることができる。
ただし、原料ガスの流れの挙動を考慮すれば、反応容器の内部形状は、円形の天板を有する円柱体または円錐台の形状や、ドーム型が好ましい。
ただし、原料ガスの流れの挙動を考慮すれば、反応容器の内部形状は、円形の天板を有する円柱体または円錐台の形状や、ドーム型が好ましい。
ノズル(亜鉛ガス供給ノズル[A]および四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B])
亜鉛ガス供給ノズル[A]および四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]は、それぞれ、亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガスを反応容器内に供給するための、管状構造を有するノズル(パイプ)であれば特に限定されない。また、本発明の反応容器は、亜鉛ガス供給ノズル[A]および四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の他に、管状構造を有し、反応容器の内部に、窒素ガス等のキャリアガスを供給するためのノズル(キャリアガス供給ノズル)を備えていてもよい。
亜鉛ガス供給ノズル[A]および四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]は、それぞれ、亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガスを反応容器内に供給するための、管状構造を有するノズル(パイプ)であれば特に限定されない。また、本発明の反応容器は、亜鉛ガス供給ノズル[A]および四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の他に、管状構造を有し、反応容器の内部に、窒素ガス等のキャリアガスを供給するためのノズル(キャリアガス供給ノズル)を備えていてもよい。
亜鉛ガス供給ノズル[A]
亜鉛ガス供給ノズル[A]の各種形状(たとえば、口径、肉厚等)および反応器内への挿入長さ(反応容器内部のノズルの長さ)は特に限定されない。
亜鉛ガス供給ノズル[A]の各種形状(たとえば、口径、肉厚等)および反応器内への挿入長さ(反応容器内部のノズルの長さ)は特に限定されない。
たとえば、亜鉛ガス供給ノズル[A]の挿入長さは、四塩化珪素ガス供給ノズル[B]の挿入長さ)に比べて、同等あるいは短くすることが好ましい。
亜鉛ガス供給ノズル[A]の材質としては、後述する反応器の材質と同様のものを例示することができる。
亜鉛ガス供給ノズル[A]の材質としては、後述する反応器の材質と同様のものを例示することができる。
亜鉛ガス供給ノズル[A]の取り付け位置および本数は、好ましくは、亜鉛ガスを容器内に充分に拡散させることが可能になるように取り付け位置および本数が限定されていることが好ましい。亜鉛ガス供給ノズル[A]は、たとえば、反応器上部の天板に配置されていてもよいし、反応器の側面または底面に配置されていてもよい。また、亜鉛ガス供給ノズル[A]の本数は、1本であっても、2本以上であってもよい。
取り扱いなどを考慮すれば、図2に示されるように、亜鉛ガス供給ノズル[A]は、天板から下方に(鉛直方向に)垂下して設置されていることが好ましい。
取り扱いなどを考慮すれば、図2に示されるように、亜鉛ガス供給ノズル[A]は、天板から下方に(鉛直方向に)垂下して設置されていることが好ましい。
四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]
縦型反応器1において、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の形状(口径、肉厚等)および反応器内への挿入長さは特に限定されない。また、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の材質としては、後述する反応器の材質と同様のものを例示することができる。
縦型反応器1において、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の形状(口径、肉厚等)および反応器内への挿入長さは特に限定されない。また、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の材質としては、後述する反応器の材質と同様のものを例示することができる。
管状集合多結晶シリコンの生成および成長を考慮すれば、たとえば、口径を10〜100mm、肉厚を2〜15mmとすることが好ましい。
四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の本数は、隣り合うノズル(亜鉛ガス供給ノズル[A]および/または四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B])から放出されるガス同士が干渉して流れを乱すことがないように配置されていることが好ましい。
四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の本数は、隣り合うノズル(亜鉛ガス供給ノズル[A]および/または四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B])から放出されるガス同士が干渉して流れを乱すことがないように配置されていることが好ましい。
四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の本数としては、1本であっても、2本以上であってもよい。また、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]が途中から分岐して二股またはそれ以上の分岐を有するもの、または、二股以上で異なるノズル径の組み合わせを有するものであっても、経時的にみれば、いずれの場合でも、多結晶シリコンが同様に生成して成長する。そのため、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の本数は、ノズルの分岐やノズル径の組み合わせによって制限されることはなく、成長させる多結晶シリコンの大きさと反応器の大きさとを考慮して、ノズルの本数および間隔を適宜設定すればよい。
また、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の開口端において成長する多結晶シリコンが器壁に接することがないように、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]が設置されていることが好ましい。
反応容器の上面において、亜鉛ガス供給ノズル[A]を中心として、その周囲に、複数の四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]が配置されていてもよいし、たとえば、図3に示されるように、反応容器の上面において、亜鉛ガス供給ノズル[A]3を中心とした円の円周上または略円周上に、複数本(たとえば、6本)の四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]2が配置されていてもよい。このような構成は、多結晶シリコンの均一生成という観点から好ましい。
各種加熱手段および過熱手段
原料ガス(亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガス)は、公知の加熱手段で調製される。このような加熱手段としては、たとえば、図2〜3では図示しないが、図1で示される亜鉛溶融炉5および亜鉛蒸発炉6や、図1における四塩化ケイ素気化装置8が挙げられる。このような加熱手段によって、亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガスが調製され、それぞれ、亜鉛ガス供給ノズル[A]および四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]を介して反応容器内に供給される。
原料ガス(亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガス)は、公知の加熱手段で調製される。このような加熱手段としては、たとえば、図2〜3では図示しないが、図1で示される亜鉛溶融炉5および亜鉛蒸発炉6や、図1における四塩化ケイ素気化装置8が挙げられる。このような加熱手段によって、亜鉛ガスおよび四塩化ケイ素ガスが調製され、それぞれ、亜鉛ガス供給ノズル[A]および四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]を介して反応容器内に供給される。
また、原料ガスが反応容器内に供給されるに先だって、原料ガスを、反応容器内において亜鉛還元法に適した温度にするために、図1に示すように、過熱炉7(図2〜3では図示しない。)を備えていることが好ましい。ここで、亜鉛還元法に適した温度とは、たとえば、800〜1200℃である。
また、反応器内部の温度の均一化という観点から、反応器内において亜鉛還元法に適した温度(例:800〜1200℃)を維持するために、図1に示すように、反応器の外側(外周部)に、電気式加熱器等の加熱手段9(図2〜3では図示しない。)を有することが好ましい。
回収窓部[D]および多結晶シリコン回収用治具
回収窓部[D]は、連結管(d1)、気密蓋(d2)および耐熱物(d3)で構成され、連結管(d1)の一端は反応器壁と多結晶シリコンが回収可能な位置で結合され、他端には、気密蓋(d2)が閉開可能な状態で設置されている。さらに、連結管(d1)の内部(すなわち、連結管(d1)と気密蓋(d2)と、連結管(d1)が反応器に結合している面とから形成される内部空間)には、耐熱物(d3)が着脱可能な状態で(前記内部空間から取り外しおよび挿入が可能な状態で)充填されている。
回収窓部[D]は、連結管(d1)、気密蓋(d2)および耐熱物(d3)で構成され、連結管(d1)の一端は反応器壁と多結晶シリコンが回収可能な位置で結合され、他端には、気密蓋(d2)が閉開可能な状態で設置されている。さらに、連結管(d1)の内部(すなわち、連結管(d1)と気密蓋(d2)と、連結管(d1)が反応器に結合している面とから形成される内部空間)には、耐熱物(d3)が着脱可能な状態で(前記内部空間から取り外しおよび挿入が可能な状態で)充填されている。
なお、回収窓部[D]における、上記「気密蓋(d2)を開口し、耐熱物(d3)を連結管から取り出した状態」は、後述する結晶シリコン回収用治具を反応器内部に挿入できるような状態になっており、かかる状態を「開口状態」と称し、耐熱物(d3)を連結管に挿入し、気密蓋(d2)を閉口した状態を「閉口状態」と称することもある。
このような回収窓部[D]の構成において、「開口状態」では反応器の内部に結晶シリコン回収用治具の挿入を可能とする一方で、「閉口状態」では、反応器の内部から外部への熱の流出を防ぎ、反応器内の温度(たとえば、800〜1200℃)を容易に維持できる。
本発明の反応器に形成された回収窓部[D]の位置は、上述のように、結晶シリコン回収用治具を用いて、前記供給ノズル[B]に付着した多結晶シリコンに機械的ショックを与え、該シリコンを反応器の下部へ落下させることが可能であれば、特に限定されるものではない。回収窓部[D]の位置をこのようにするには、たとえば、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]に形成された多結晶シリコンと回収窓部[D]の気密蓋(d2)と間の最短距離[L1](たとえば、直線距離)と、結晶シリコン回収用治具の両端において、一方の端部からもう一方の端部までの長さ(長尺方向の長さ)[L2]とが、
[L2]≧[L1]
となるようにすればよい。すなわち、結晶シリコン回収用治具の長尺方向の長さ[L2]が、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]に形成された多結晶シリコンと回収窓部[D]との最短距離[L1]よりも大きい。
[L2]≧[L1]
となるようにすればよい。すなわち、結晶シリコン回収用治具の長尺方向の長さ[L2]が、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]に形成された多結晶シリコンと回収窓部[D]との最短距離[L1]よりも大きい。
結晶シリコン回収用治具の長尺方向の長さ[L2]は、多結晶シリコンの回収の際に、供給ノズル[B]に付着した多結晶シリコンに機械的ショックを与えることを考慮して、適宜調整されてもよい。多結晶シリコンの回収の際の作業性を考慮すると、結晶シリコン回収用治具の長尺方向の長さ[L2]は、最短距離[L1]の2倍以下にあることが好ましい。
回収窓部[D]は、「閉口状態」の際は、反応器内から原料ガスや排気ガスが漏出しないように、十分な気密が維持でき、「閉口状態」にした時は、結晶シリコン回収用治具が、反応器内に設置できる構造を有している限り特に限定されない。
たとえば、連結管(d1)として円管であり、気密蓋(d2)として閉止フランジ(ブラインドフランジ)とした態様が挙げられる。ここで、それぞれの材質は、炭化ケイ素、窒化ケイ素、石英ガラス、セラミックと鋼とを含む複合体などが挙げられる。
また、耐熱物(d3)は、回収窓部[D]が「閉口状態」にあるときは、連結管(d1)内に充填されており、亜鉛還元法に基づいてシリコンを生成する際に、反応器内の温度を高温(例:800〜1200℃)にした場合でも、反応器の内部から外部への熱の流出を防ぐのに十分な輻射熱の遮断性およびこのような高温にも耐え得る耐熱性を有する限り、特に限定されない。たとえば、材料物性として、0.02〜0.7W/mKの熱伝導度を有するものが挙げられる。また、耐熱物(d3)の形状は、連結管(d1)から着脱可能な形状である限り限定されない。
たとえば、連結管(d1)の形状が、円柱状および角柱状である場合、耐熱物(d3)の形状もそれぞれ円柱状および角柱状であり、連結管(d1)から着脱可能な形状であることが好ましい。たとえば、円柱状の耐熱物(d3)の上面および下面(円形面)の直径が、連結管(d1)の内径(直径)よりも若干小さく(たとえば、d3はd1の80〜99%、好ましくは90〜99%)、円柱状の耐熱物(d3)の上面と下面との最大長さ(最大距離)を、連結管(d1)の両端間の長さ(気密蓋(d2)の設置面と反応器の設置面との距離)と等しくすることが好ましい。
また、耐熱物(d3)は、上述のように、反応器の内部から外部への熱の流出を防ぐことができる限り、シート状、ブランケット状、ボード状、その他のモールド成形品であってもよい。
耐熱物(d3)の材質は、耐熱物(d3)が円柱状である場合、耐火セメント、炭化ケイ素、窒化ケイ素、などであることが好ましく、耐熱物(d3)がシート状である場合、セラミックファイバー、ガラスクロス、ケイ酸カルシウム、パーライトなどであることが好ましい。
結晶シリコン回収用治具は、回収窓部[D]が「開口状態」である際に、連結管(d1)を介して、反応器内に挿入できるとともに、前記供給ノズル[B]に付着した多結晶シリコンに機械的ショックを、好ましくは安全かつ短時間で機械的ショックを与え得るものである限り特に限定されない。
結晶シリコン回収用治具は、把手が棒状であり、多結晶シリコンに接する端部がL字またはT字形状に変形されているものであってもよい。また、多結晶シリコンに機械的ショックを与えやすいという観点からは、L字またはT字形状の端部が棒軸に対して45〜100度の折れ角を有していることが好ましい。
また、結晶シリコン回収用治具は、上記L字またはT字形状に変形された端部(変形端部)を有するとともに、該変形端部とは異なる端部を治具の棒軸を中心に回転した際に、変形端部が回転して描く円の直径が、挿入する連結管(d1)の内径を100%とした場合、10〜80%の範囲にあることが好ましい。このような範囲にすると、回収窓部[D]の「開口状態」の際に、連結管(d1)を介して、反応器内部に挿入し易く、操作し易いという利点がある。
結晶シリコン回収用治具の表面は、必要に応じて被覆材で被覆されていてもよい。
結晶シリコン回収用治具および被覆材の、材質は、チタン、タンタル、ジルコニウム、ジルコニア、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、石英ガラスの何れか、あるいはこれらを組み合わせであることが好ましい。結晶シリコンへの汚染の可能性を考慮した場合、炭化ケイ素、窒化ケイ素、石英ガラスがより好ましい。
結晶シリコン回収用治具および被覆材の、材質は、チタン、タンタル、ジルコニウム、ジルコニア、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、石英ガラスの何れか、あるいはこれらを組み合わせであることが好ましい。結晶シリコンへの汚染の可能性を考慮した場合、炭化ケイ素、窒化ケイ素、石英ガラスがより好ましい。
その他の窓部[D’]
本発明の反応器は、前述の回収窓部[D]の他に、回収窓部[D]と同様の構成から成る、すなわち連結管、気密蓋、耐熱物からなる単数または複数のその他の窓部[D’]を有していてもよい。その他の窓部[D’]は、たとえば、反応器内部を照明するために使用されてもよいし、反応器内部を観察・モニタリングするために使用されてもよい。その他の窓部[D’]の形成位置は、回収窓部[D]とは異なって、用途に応じて適宜選択することができる。
本発明の反応器は、前述の回収窓部[D]の他に、回収窓部[D]と同様の構成から成る、すなわち連結管、気密蓋、耐熱物からなる単数または複数のその他の窓部[D’]を有していてもよい。その他の窓部[D’]は、たとえば、反応器内部を照明するために使用されてもよいし、反応器内部を観察・モニタリングするために使用されてもよい。その他の窓部[D’]の形成位置は、回収窓部[D]とは異なって、用途に応じて適宜選択することができる。
回収窓部[D]と同様に、その他の窓部[D’]も、「開口状態」では反応器の内部を照明で明るくしたり、内部の状態を観察やモニタリングしたりできる一方で、「閉口状態」では、反応器の内部から外部への熱の流出を防ぐことができるために、反応器内の温度(たとえば、800〜1200℃)を容易に維持できる。
なお、回収窓部[D]及び/またはその他の窓部[D’]が複数ある場合、回収窓部[D]は、四塩化珪素ガス供給ノズル[B]の先端から水平に伸ばした線が反応器の器壁と交差する円周上に均等に配置されるのが望ましい。その他の窓部[D’]の場合、配置される位置は任意であるが相互の干渉を避けるために反応器の円周上に均等に配置されるのが好ましい。
その他の部材
上記化学反応(1)を経て生じる排気ガスは、シリコン、塩化亜鉛ガス、未反応の原料ガス(四塩化ケイ素ガス、亜鉛ガス)を含む。図2の付番4は、このような排気ガスを反応器の外部に排出されるための、排気ガス抜き出し口を示す。図2〜3では図示しないが、図1に示すように、塩化亜鉛Cを回収するための塩化亜鉛回収タンク10を備えることが好ましく、更には、四塩化ケイ素Dを回収するために、排気ガスが第1四塩化ケイ素凝縮装置11と第2四塩化ケイ素凝縮装置12とで循環できるように連結管で結合されていることが好ましい。なお、回収された四塩化ケイ素は再利用してもよいが、図1の付番Eで示されるような、四塩化ケイ素および塩化ケイ素の含有量が低減された排気ガスは、適切に処理される。
上記化学反応(1)を経て生じる排気ガスは、シリコン、塩化亜鉛ガス、未反応の原料ガス(四塩化ケイ素ガス、亜鉛ガス)を含む。図2の付番4は、このような排気ガスを反応器の外部に排出されるための、排気ガス抜き出し口を示す。図2〜3では図示しないが、図1に示すように、塩化亜鉛Cを回収するための塩化亜鉛回収タンク10を備えることが好ましく、更には、四塩化ケイ素Dを回収するために、排気ガスが第1四塩化ケイ素凝縮装置11と第2四塩化ケイ素凝縮装置12とで循環できるように連結管で結合されていることが好ましい。なお、回収された四塩化ケイ素は再利用してもよいが、図1の付番Eで示されるような、四塩化ケイ素および塩化ケイ素の含有量が低減された排気ガスは、適切に処理される。
高純度多結晶シリコンの製造方法
本発明の高純度多結晶シリコンの製造方法は、下記工程(1)〜(3)を順次実施することを特徴とし、必要に応じて、工程(1)の前、各工程の間、あるいは工程(3)の後に、任意工程を実施してもよい。
本発明の高純度多結晶シリコンの製造方法は、下記工程(1)〜(3)を順次実施することを特徴とし、必要に応じて、工程(1)の前、各工程の間、あるいは工程(3)の後に、任意工程を実施してもよい。
工程(1):上述した本発明の反応器を用いて、亜鉛ガス供給ノズル[A]から亜鉛ガスと、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]から四塩化珪素ガスとを反応器内に供給し、亜鉛ガスと四塩化ケイ素ガスとを反応させて、高純度多結晶シリコンを製造する工程、
工程(2):気密蓋(d2)を開口し、耐熱物(d3)を連結管から取り出し、連結管(d1)を介して、結晶シリコン回収用治具を反応器内に挿入し、結晶シリコン回収用治具を用いて、前記供給ノズル[B]に付着した高純度多結晶シリコンに機械的ショックを与え、該シリコンを反応器の下部へ落下させる工程、
工程(3):反応器の下部に落下した高純度多結晶シリコンを回収する工程。
工程(2):気密蓋(d2)を開口し、耐熱物(d3)を連結管から取り出し、連結管(d1)を介して、結晶シリコン回収用治具を反応器内に挿入し、結晶シリコン回収用治具を用いて、前記供給ノズル[B]に付着した高純度多結晶シリコンに機械的ショックを与え、該シリコンを反応器の下部へ落下させる工程、
工程(3):反応器の下部に落下した高純度多結晶シリコンを回収する工程。
工程(1)は、本発明の反応器を用いて、亜鉛ガス供給ノズル[A]から亜鉛ガスと、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]から四塩化珪素ガスとを反応器内に供給し、亜鉛ガスと四塩化ケイ素ガスとを反応させて、たとえば図2の付番Fに示されるように、高純度多結晶シリコンを製造する工程である。
反応器内に供給される四塩化ケイ素ガスと亜鉛ガスとのモル比(四塩化ケイ素ガス/亜鉛ガス)は、亜鉛還元法によるシリコンの生成反応(すなわち上記反応式(1)の反応)が進行する限り特に限定されないが、好ましくは1/10〜10/1であり、より好ましくは1/4〜4/1である。このようなモル比で、原料ガスを反応器内に供給することで、安定的に、多結晶シリコンを生成させ、生成したシリコンを成長させて、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の先端に管状の高純度多結晶シリコンを形成することができる。
工程(1)では、通常、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]の先端に高純度多結晶シリコンを形成して、反応を停止した後、空気吐出口および排ガス抜き出し口を開き、空気置換を実施する。
工程(2)は、気密蓋(d2)を開口し、耐熱物(d3)を連結管から取り出し(すなわち「開口状態」にして)、連結管(d1)を介して、結晶シリコン回収用治具を反応器内に挿入し、結晶シリコン回収用治具を用いて、前記供給ノズル[B]に付着した高純度多結晶シリコンに機械的ショックを与え、該シリコンを反応器の下部へ落下させる工程である。
工程(2)で、上記高純度多結晶シリコンに機械的ショックを与えるにあたっては、結晶シリコン回収用治具を手動であるいは自動で操作してもよい。
また、反応器内部の温度は、十分な安全性が確保できれば、特に限定されないが、外気温(反応器外部の温度)まで冷却した後に、工程(2)を実施することが好ましい。
また、反応器内部の温度は、十分な安全性が確保できれば、特に限定されないが、外気温(反応器外部の温度)まで冷却した後に、工程(2)を実施することが好ましい。
なお、上記多結晶シリコン製造用縦型反応器が、図3の付番13cおよび13dで示されるように、その他の窓部[D’]を有する場合、反応器内部を照明するために、その他の窓部[D’]内部に照明器や、観測モニターを設置してもよい。この場合、工程(2)を、観測モニターを見ながら、実施できる。
以下、実施例に基づき、本発明について更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
円形の天井板と底板とを有する円筒形の石英容器(内径:500mm、高さ:1500mm)において、天井板の円の中心に、1本の亜鉛ガス供給ノズル[A](石英製、管状、内径(直径):35mm)を設置し、該ノズルからの距離が175mmになるように、6本の四塩化珪素ガス供給ノズル[B](石英製、管状、内径(直径):25mm)を設置した。ここで、6本の四塩化珪素ガス供給ノズル[B]は、図3に示されるように、亜鉛ガス供給ノズル[A]を中心として、半径175mmの円周上に、均等に設置されている。また、上記亜鉛ガス供給ノズル[A]および6本の四塩化珪素ガス供給ノズル[B]は、鉛直方向を向いており、これらの石英容器内部への挿入の長さ(反応器内部のノズルの長さ)は、200mmである。
[実施例1]
円形の天井板と底板とを有する円筒形の石英容器(内径:500mm、高さ:1500mm)において、天井板の円の中心に、1本の亜鉛ガス供給ノズル[A](石英製、管状、内径(直径):35mm)を設置し、該ノズルからの距離が175mmになるように、6本の四塩化珪素ガス供給ノズル[B](石英製、管状、内径(直径):25mm)を設置した。ここで、6本の四塩化珪素ガス供給ノズル[B]は、図3に示されるように、亜鉛ガス供給ノズル[A]を中心として、半径175mmの円周上に、均等に設置されている。また、上記亜鉛ガス供給ノズル[A]および6本の四塩化珪素ガス供給ノズル[B]は、鉛直方向を向いており、これらの石英容器内部への挿入の長さ(反応器内部のノズルの長さ)は、200mmである。
次いで、容器内部において、上記四塩化珪素ガス供給ノズル[B]の先端から、水平に伸ばした先が容器内部の器壁と交差する円周上に下記窓部を、図3で示されるように4基設置した。
窓部は、連結管(酸化ケイ素製、円管、長さ:600mm、内径(直径):100mm)と気密装置(気密蓋)と耐熱物として、円柱状のセラミックファイバー製のモールド成型品(円柱状、長さ(円柱の高さ):400mm、円柱の上面および下面の直径:98mm)とを備えている。ここで、耐熱物は、連結管の内部(すなわち、連結管と気密蓋と、連結管が容器に結合している面とから形成される内部空間)に着脱可能な状態で挿入され、さらにガラスクロス製シートが充填されている。また、酸化ケイ素製反応器の下部に、排気ガス抜き出し口および空気吐出用口として、それぞれ、内径100mmおよび35mmの連結管を設置した。さらに、石英容器の外周囲を、電気式加熱器(加熱手段)で覆った。以上のように、図2〜3に示されるような縦型反応器を製造した。
[実施例2]
実施例1で製造された縦型反応器において、電気式加熱器(加熱手段)で反応器内部の温度を950℃に設定し、四塩化ケイ素ガス供給ノズルおよび亜鉛ガス供給ノズルを介して、容器内部に原料ガス(四塩化ケイ素ガスと亜鉛ガス、それぞれの温度:950℃)を供給し、亜鉛還元法でシリコン反応を実施した。この時の原料ガスにおいて、四塩化ケイ素ガスと亜鉛ガスとの比率(モル比)は、0.7/1.0(四塩化ケイ素ガス/亜鉛ガス)であった。また、四塩化ケイ素ガス供給ノズルおよび亜鉛ガス供給ノズルにおける、一本あたりの流速は、それぞれ、800〜1000mm/sおよび300〜500mm/sと測定された。
実施例1で製造された縦型反応器において、電気式加熱器(加熱手段)で反応器内部の温度を950℃に設定し、四塩化ケイ素ガス供給ノズルおよび亜鉛ガス供給ノズルを介して、容器内部に原料ガス(四塩化ケイ素ガスと亜鉛ガス、それぞれの温度:950℃)を供給し、亜鉛還元法でシリコン反応を実施した。この時の原料ガスにおいて、四塩化ケイ素ガスと亜鉛ガスとの比率(モル比)は、0.7/1.0(四塩化ケイ素ガス/亜鉛ガス)であった。また、四塩化ケイ素ガス供給ノズルおよび亜鉛ガス供給ノズルにおける、一本あたりの流速は、それぞれ、800〜1000mm/sおよび300〜500mm/sと測定された。
原料ガスの供給開始から8時間後に、原料ガスの供給を停止し、反応器内部の温度を外気温までに冷却した。次いで、空気吐出用口を開放して、反応器内部の雰囲気を空気で置換した後、窓部から耐熱物を取り出して、容器内部を目視観察したところ、四塩化ケイ素ガス供給ノズルの先端部に、管状に凝集した高純度多結晶シリコンが付着していることが確認された。
次いで、図3の付番13cおよび13dに相当する窓部から、耐熱物を取り出して、観測用モニターおよび照明器を設置した。また、図3の付番13aに相当する窓部からも、耐熱物を取り出した。かかる窓部(13aに相当)から、先端部の形状がL字状に加工された棒状の回収用治具を挿入し、付番13cおよび13dに相当する窓部に設置された照明モニターで観察しながら、2本の四塩化ケイ素ガス供給ノズルの先端部に付着した高純度多結晶シリコンを、回収用治具で機械的ショックを与えて、反応器の底部に落下させた。その後、反応器の底部を開放して、高純度多結晶シリコンを回収した。
このように、高純度多結晶シリコンの回収工程における容器内での作業が不要にできること、および、回収工程を、作業者が容易に安全かつ短時間で実施できること、さらには、高純度多結晶シリコンの生産性を向上できることが確認された。
1:縦型反応器
2:四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]
3:亜鉛ガス供給ノズル[A]
4:排気ガス抜き出し口[C]
5:亜鉛溶融炉
6:亜鉛蒸発炉
7:過熱炉
8:四塩化ケイ素気化装置
9:加熱手段
10:塩化亜鉛回収タンク
11:第1四塩化ケイ素凝縮装置
12:第2四塩化ケイ素凝縮装置
13a〜13d:連結管(d1)
15:耐熱物(d3)
16:気密蓋(d2)
14:空気吐出部
A:亜鉛
B:四塩化ケイ素
C:回収された塩化亜鉛
D:回収された四塩化ケイ素
E:四塩化ケイ素および塩化亜鉛の含有量が低減された排気ガス
F:多結晶シリコン
2:四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]
3:亜鉛ガス供給ノズル[A]
4:排気ガス抜き出し口[C]
5:亜鉛溶融炉
6:亜鉛蒸発炉
7:過熱炉
8:四塩化ケイ素気化装置
9:加熱手段
10:塩化亜鉛回収タンク
11:第1四塩化ケイ素凝縮装置
12:第2四塩化ケイ素凝縮装置
13a〜13d:連結管(d1)
15:耐熱物(d3)
16:気密蓋(d2)
14:空気吐出部
A:亜鉛
B:四塩化ケイ素
C:回収された塩化亜鉛
D:回収された四塩化ケイ素
E:四塩化ケイ素および塩化亜鉛の含有量が低減された排気ガス
F:多結晶シリコン
Claims (3)
- 少なくとも、亜鉛ガス供給ノズル[A]と、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]と、排気ガス抜き出し口[C]と、多結晶シリコン回収用の回収窓部[D]とを備えた高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器であり、
前記回収窓部[D]は、連結管(d1)、気密蓋(d2)および耐熱物(d3)で構成され、連結管(d1)は着脱可能な耐熱物(d3)で充填され、連結管(d1)の一端に開閉可能な気密蓋(d2)を備え、他端は反応器壁と多結晶シリコンが回収可能な位置で結合し、
さらに、回収窓部[D]の気密蓋(d2)を開閉し、耐熱物(d3)を抜き出した後、連結管(d1)を介して長尺形状の結晶シリコン回収用治具を挿入し、前記供給ノズル[B]に付着した多結晶シリコンに機械的ショックを与えて該シリコンを落下させるために用いられる、高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器。 - 結晶シリコン回収用治具の少なくとも1つの端部が、L字型またはT字型の形状を有している、請求項1に記載の高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器。
- 下記工程(1)〜(3)を順次実施することを特徴とする高純度多結晶シリコンの製造方法;
工程(1):請求項1または2の高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器を用いて、亜鉛ガス供給ノズル[A]から亜鉛ガスと、四塩化ケイ素ガス供給ノズル[B]から四塩化珪素ガスとを反応器内に供給し、亜鉛ガスと四塩化ケイ素ガスとを反応させて、高純度多結晶シリコンを製造する工程、
工程(2):気密蓋(d2)を開口し、耐熱物(d3)を連結管から取り出し、連結管(d1)を介して、結晶シリコン回収用治具を反応器内に挿入し、結晶シリコン回収用治具を用いて、前記供給ノズル[B]に付着した高純度多結晶シリコンに機械的ショックを与え、該シリコンを反応器の下部へ落下させる工程、
工程(3):反応器の下部に落下した高純度多結晶シリコンを回収する工程。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012163661A JP2014024685A (ja) | 2012-07-24 | 2012-07-24 | 高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器および高純度多結晶シリコンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012163661A JP2014024685A (ja) | 2012-07-24 | 2012-07-24 | 高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器および高純度多結晶シリコンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014024685A true JP2014024685A (ja) | 2014-02-06 |
Family
ID=50198692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012163661A Pending JP2014024685A (ja) | 2012-07-24 | 2012-07-24 | 高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器および高純度多結晶シリコンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014024685A (ja) |
-
2012
- 2012-07-24 JP JP2012163661A patent/JP2014024685A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI454599B (zh) | Polycrystalline silicon rods and their manufacturing devices | |
KR101577452B1 (ko) | 다결정 실리콘 반응로 | |
TWI386526B (zh) | 高純度多結晶矽的製造方法及製造裝置 | |
NO20084722L (no) | Oket polysilisium utfelling i en CVD reaktor | |
JP4692247B2 (ja) | 高純度多結晶シリコンの製造方法 | |
US20140004377A1 (en) | Polycrystalline silicon rod | |
KR101731410B1 (ko) | 다결정 실리콘의 증착 방법 | |
JP4692324B2 (ja) | 高純度多結晶シリコンの製造装置 | |
KR101545201B1 (ko) | 열 플라스마 유동층 반응장치 및 이를 이용한 실리콘의 제조방법 | |
JP2014024685A (ja) | 高純度多結晶シリコン製造用縦型反応器および高純度多結晶シリコンの製造方法 | |
JP2015048295A (ja) | 多結晶シリコンの掻き取り装置および掻き取り方法 | |
JP5155708B2 (ja) | クロロシラン類含有ガスの水素還元方法およびクロロシラン類の水素還元用装置 | |
JP5180947B2 (ja) | 多結晶シリコン製造用の反応炉の洗浄方法 | |
JP5059665B2 (ja) | シリコン製造装置 | |
JP4545497B2 (ja) | シリコンの製造方法およびシリコン製造装置 | |
WO2018151140A1 (ja) | シリコン析出用芯線、該芯線の製造方法、および多結晶シリコンの製造方法 | |
US20130280896A1 (en) | Apparatus for producing polycrystalline silicon and method therefor | |
JPH06127922A (ja) | 多結晶シリコン製造用流動層反応器 | |
JP5088966B2 (ja) | 多結晶シリコンの製造方法及び多結晶シリコン製造用の反応炉 | |
JP5335074B2 (ja) | 多結晶シリコンの製造方法及び多結晶シリコン製造用の反応炉 | |
JP5383604B2 (ja) | 多結晶シリコン製造用の反応炉 | |
JP5383573B2 (ja) | 多結晶シリコン製造用の反応炉及びそれを用いる多結晶シリコンの製造方法 | |
JP2014043384A (ja) | 排ガスの処理装置およびそれを用いた排ガスの処理方法 | |
JP2015113251A (ja) | 多結晶シリコン製造装置および製造方法 | |
JP2013014501A (ja) | 高純度シリコン及びその製造方法 |