JP4545497B2 - シリコンの製造方法およびシリコン製造装置 - Google Patents

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本発明は、シリコンの製造方法およびシリコン製造装置に関する。より詳しくは、筒状反応容器に析出させたシリコンの量をモニタリングしながら運転条件を制御することを特徴とするシリコンの製造方法および該製造方法に好適に用いられるシリコン製造装置に関する。
現在、様々な分野において利用され、今後さらなる発展および需要が見込まれる半導体や太陽光発電用電池などの原料として、多結晶シリコンが用いられており、高純度の多結晶シリコンを効率良く製造することが求められている。
従来の多結晶シリコンの製造方法としては、たとえば、ベルジャー内部に配置されたシリコン棒の表面を加熱し、これにトリクロロシラン(SiHCl3;以下、TCSともい
う。)やモノシラン(SiH4)などのクロロシラン類と水素等の還元性ガスとを含むシ
リコン析出用原料ガスを接触させて多結晶シリコンを析出させるシーメンス法などが挙げられる。
上記シーメンス法は、高純度なシリコンが得られることを特徴としており、現在、最も一般的な方法として実施されているが、析出がバッチ式であるため、種となるシリコン棒の設置、通電加熱、析出、冷却、取り出し、ベルジャーの洗浄などの極めて煩雑な手順を行なわなければならないという問題点がある。
このような問題点を解決するために、本出願人は、シリコンを効率的に製造できる方法およびその装置として、シリコンの融点未満の温度に加熱した筒状反応容器内にシリコン析出用原料ガスを供給してシリコンを析出させた後、該筒状反応容器の内表面をシリコンの融点温度以上に加熱して、析出したシリコンの一部または全部を溶融することにより、析出したシリコンを落下させて回収する多結晶シリコンの製造方法および該方法に用いられるシリコン製造装置を提案している(特許文献1参照)。
しかしながら、上記のようなシリコン製造方法に用いられる筒状反応容器は、通常、可視光線を透過しない基材、例えばカーボン材などからなるため、内部の析出状況を目視で観察することができない。したがって、反応容器内に実際に析出しているシリコンの量および析出状態を正確に把握することができず、その析出量が過剰または過少となることがあった。
このようにシリコンの析出量が過剰になると、反応容器の固定部が過度の荷重を受けて損傷しやすくなるだけでなく、過剰に析出したシリコンを溶融して落下させた場合、シリコン回収容器の受容量よりも多い量のシリコンが落下して回収容器からあふれる危険性もある。
一方、シリコンの析出量が過少になると、生産性や経済性という面で問題があり、また、装置の異常によって析出不良に陥っている場合、それを早期に発見することができずに反応を継続すれば、状況をさらに悪化させて大きなトラブルに至る可能性がある。
上記のようなシリコンの析出量に起因するトラブルは、通常状態であれば反応排ガスのガス組成をガスクロマトグラフィーなどで測定し、マスバランスを計算することによって、ある程度把握することができる。しかしながら、この方法は間接的な手法であるため、
ガスクロマトグラフィーで測定できない副生成物の量が変化したり、反応容器外でシリコンの析出が発生するなどの異常事態がある場合には、シリコンの析出量を精度よく把握することが難しくなる。さらに、析出したシリコンの溶融落下状態については、ガスクロマトグラフィーでは全く把握することができない。
このように析出したシリコンの溶融落下操作時に、シリコンの落下量が把握できないと以下のような問題が生じる。例えば、析出したシリコンが充分に落下せず、反応容器に析出物が残留したままシリコン析出操作を繰り返すことにより、残留析出物が蓄積して正常な析出が困難になることがある。また、残留した析出物によって反応容器内において異常なガス対流が発生して副生成物が増大する可能性がある。さらに、析出したシリコンの溶融落下操作(加熱操作)を過剰に行なった場合、反応容器が過度に高温化して副生成物が増大したり、反応容器に与える負荷が大きくなって反応容器の寿命が低下することがある。
上記のような問題は、従来のベルジャー容器を用いたシーメンス法では見られなかった問題である。なぜなら、シーメンス法では、シリコンフィラメント上にシリコンを析出させるため、金属製のベルジャー容器であっても該容器にのぞき窓等を設置することにより、析出物の状態を目視で確認するこができ、析出時のトラブルは随時把握することができたからである。また、シーメンス法では、析出したシリコンを全量刈り取り、新規なシリコンフィラメントを再度設置して析出を開始するバッチ式であったため、析出物残留といった回収状態による異常が発生することはありえなかった。
したがって、上記のような問題は、特許文献1に記載のような、筒状反応容器にシリコンを析出させ、析出したシリコンの一部または全部を溶融することにより、析出したシリコンを落下させて回収する方法において、新たに発生した問題であり、多結晶シリコンの生産効率を高める上で、上記問題を解決することが求められている。
WO02/100777号公報
本発明の課題は、シリコンの析出状態を目視的に監視できないシリコン製造装置においても、シリコンの析出量、析出状態および溶融落下状態などを間接的に把握し、効率よく多結晶シリコンを製造する方法および該方法に用いられるシリコン製造装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意研究した結果、シリコンを析出させる筒状反応容器単独の重量を測定することにより、シリコン付着量を精度よくモニタリングすることができ、この結果に基づいて運転条件を調整することにより、多結晶シリコンを効率よく製造することができることを見出した。
すなわち、本発明に係るシリコンの製造方法は、加熱したカーボン製筒状反応容器内にクロロシラン類および水素を供給し、該筒状反応容器の内表面にシリコンを析出させ、析出したシリコンの一部または全部を溶融することにより、該筒状反応容器からシリコンを落下させて回収するに際し、該筒状反応容器単独の重量を測定することにより、該筒状反応容器のシリコン付着量をモニタリングし、該シリコン付着量に基づいて運転条件を制御することを特徴とする。
また、本発明に係るシリコンの製造方法は、前記筒状反応容器単独の重量をロードセルによって直接測定することが好ましい。
上記のようなシリコンの製造方法に用いられる本発明のシリコン製造装置は、金属製密閉容器内に、クロロシラン類と水素とを反応させて内表面にシリコンを析出させるカーボン製筒状反応容器と、該筒状反応容器を支持する支持構造物と、該筒状反応容器の内表面をシリコンの融点温度以上に加熱するための加熱手段と、該筒状反応容器の重量を測定するロードセルと、析出したシリコンの一部または全部を溶融して該筒状反応容器から落下させたシリコンを回収するシリコン回収容器とを備えていることを特徴とする。
前記シリコン製造装置において、前記筒状反応容器の上端がフランジ形状であり、該フランジ部分で前記支持構造物に支持させることにより、該筒状反応容器が吊り下げられていることが好ましい。
また、前記筒状反応容器が、前記ロードセルを介して前記支持構造物に支持されていることが望ましい。
本発明によれば、シリコンの析出状況などを目視で監視できない製造装置においても、反応容器中のシリコン付着量を精度よく把握することができるため、析出反応の異常を早期に発見して対処することができるとともに、多結晶シリコンの製造効率を向上することができる。
以下、本発明に係るシリコンの製造方法および該製造方法に好適に用いられるシリコン製造装置について詳細に説明する。
<シリコン製造方法>
本発明に係るシリコンの製造方法は、シリコンの融点温度未満に加熱したカーボン製の筒状反応容器内に、クロロシラン類および水素を供給してシリコンを析出させ、次いで、該筒状反応容器の内表面をシリコンの融点温度以上に加熱して、析出したシリコンの一部または全部を溶融することにより、該筒状反応容器からシリコンを落下させて回収する際に、該筒状反応容器単独の重量を測定して、筒状反応容器内のシリコン付着量をモニタリングしながら運転条件、例えば筒状反応容器の加熱温度を制御することを特徴とする。
一般的によく行なわれる、装置全体の重量を測定してプロセス制御する方法では、シリコンの析出量に対して装置全体の重量は100倍以上も重いため、析出時の重量増加は把握できたとしても、反応容器に付着しているシリコンの重量と、シリコン回収容器に回収されたシリコンの重量とを精度よく判別することが難しい。そのため、装置全体の重量を測定する方法では、溶融落下操作時における反応容器のシリコン残留量を把握することは実質的に不可能である。
しかしながら、本発明のように反応容器単独の重量を測定することにより、測定誤差を小さくすることができるとともに、反応容器に付着しているシリコンの重量と、落下させたシリコンの重量、すなわちシリコン回収容器に回収されたシリコンの重量とを精度よく把握することができる。なお、反応容器単独の重量を測定する方法としては、速い応答速度で精度よく、かつ、経時的に測定することができることから、ロードセルを用いて直接測定する方法が好ましい。
上記のようにして反応容器単独の重量を測定して、反応容器のシリコン付着量をモニタリングし、析出したシリコンが一定量付着したことを確認して、反応容器の内表面をシリコンの融点温度以上に加熱することにより、シリコンを落下させて回収することができる
。さらに、落下して回収されたシリコンの重量も容易に把握することができるため、シリコン回収容器から回収されたシリコンがあふれることを防止することができる。
また、反応容器単独の重量をモニタリングすることにより、反応容器に析出して付着していたシリコンが完全に落下した後においても、加熱を継続するということを防止することができるため、無駄な加熱時間および加熱コストを低減することができる。このように、反応容器単独の重量を測定してシリコン付着量をモニタリングし、その結果に基づいて運転条件を制御することにより、効率的かつ経済的に多結晶シリコンを製造することができる。
シリコン付着量に基づく運転条件の制御方法としては、加熱手段の出力を調節する方法、分割され独立に制御し得る加熱手段の加熱出力バランスを調節する方法、原料ガス供給量を調節する方法、供給ガス温度を調節する方法、およびこれらの複数の方法を適切に組み合わせる方法などが挙げられる。
このようにして筒状反応容器の重量を監視しながら、該反応容器の温度や温度分布を所望の状態に制御することにより、シリコン析出操作時においては、シリコン生産量を最大効率にすることができ、また、溶融落下操作時においては、過度の昇温による反応容器の材質劣化を防止するとともに、溶融不充分による残留シリコンの防止や閉塞物の解消を効果的に達成することができる。なお、加熱温度を制御する際には、筒状反応容器の外周部などにおける温度を、放射温度計や熱電対などで数箇所測定し、加熱の制御状態を監視することがより好ましい態様である。
また、上記のようにして反応容器単独の重量を測定することにより、析出反応または装置の異常が発生した場合にも、反応時間に対するシリコンの析出量を、安定時の析出量と比較することにより、早期に異常を検知することができ、発生した異常に対して適切な対処を施せば大きなトラブルを未然に防ぐことができる。
<シリコン製造装置>
上記のような本発明のシリコン製造方法に用いられるシリコン製造装置を、図1および図2に例示した装置構造の概略図に基づいて説明する。なお、本発明のシリコン製造装置は、図1および図2に示した態様に限定されるものではない。
本発明のシリコン製造装置は、金属製密閉容器1に覆われている。ここで、密閉とは、プロセスガス(シリコン析出用原料ガス等)は流通しているが、外部の雰囲気からは遮断されていることを意味する。
また、本発明のシリコン製造装置は、上記密閉容器1内に、シリコンを析出させるカーボン製の筒状反応容器2を有し、該反応容器内にクロロシラン類と水素ガスとを含むシリコン析出用原料ガスを供給するための原料ガス供給管3を具備する。ここで、原料ガスとして用いられるクロロシラン類としては、公知の各種クロロシラン類が挙げられ、具体的には、モノシラン、ジクロロシラン(DCS)、トリクロロシラン(TCS)、四塩化ケイ素(STC)などが挙げられる。これらの中では、モノシランまたはTCSが工業的に高純度のものを大量に入手可能であることから好ましい。
さらに、本発明のシリコン製造装置は、上記密閉容器1内に、上記筒状反応容器2を支持する支持構造物4と、該反応容器2の内表面をシリコンの融点温度以上に加熱するための加熱手段5と、該加熱手段5と該反応容器2との間に設けられた断熱材6と、該反応容器2の重量を測定するためのロードセル7と、反応排ガスを排出するためのガス排出管8と、析出したシリコンの一部または全部を溶融して該反応容器2から落下させたシリコン
を回収するシリコン回収容器9とを備えている。
なお、上記反応容器2の外壁と密閉容器1の内壁とによって形成される間隙には、シールガス供給管(図示せず)を設けて、窒素、水素、アルゴンなどのシールガスを供給してもよい。
上記筒状反応容器2は、その内部で析出し、加熱により一部または全部を溶融状態にしたシリコンが自然流下により落下しうる開口部10を下端に有する。また、上記反応容器2の上端は、フランジ形状であることが好ましい。このフランジ部分で上記支持構造物4に支持させることにより、上記反応容器2を吊り下げられた構造とすることができる。なお、上記反応容器2は、上記ロードセル7を介して上記支持構造物4に支持されていることが好ましい。また、上記反応容器2の断面形状や開口部10の形状などは、シリコンの生産効率を阻害することにならなければ、特に制限されない。
上記のように反応容器2の上端をフランジ形状とし、該フランジ部分でロードセル7を介して支持構造物4に支持させて、外反応容器2を吊り下げられた構造とすることにより、該反応容器単独の重量をロードセル7で精度よく直接測定することができ、しかも、シリコンの析出および落下による重量変化を速い応答速度で測定することができる。
本発明のシリコン製造装置は、原料ガスが上記反応容器2と密閉容器1との間隙にリークしないようにするために、上記筒状反応容器2を固定設置する部分、例えば、上記ロードセル6と支持構造物4との間、あるいは上記反応容器2の上端と金属製密閉容器1との間などに、図2に示すようにシール材11、12等を設けて気密構造としてもよい。気密構造は、例えば、面シール、ガスケット、O−リングなどのシール方法によって形成することができる。
上記加熱手段5は、上記反応容器2の内壁をシリコンの融点温度(おおよそ1410〜1430℃)以上に加熱することができるものであれば特に制限されないが、エネルギー効率などを考慮すると、高周波コイルを用いることが好ましい。
上記ガス排出管8は、反応排ガスを系外に排出するためのものであり、該ガス排出管8にガスクロマトグラフィーなどの分析装置を接続することにより、反応排ガスのガス組成を測定してもよい。このように、反応排ガスのガス組成を測定してマスバランスを算出することによって、析出反応の状態や反応効率などをより詳細に把握することができる。
したがって、上述したロードセルによる反応容器単独の重量のモニタリングと、ガスクロマトグラフィーなどによる分析とを併用することにより、反応温度やガス供給量などの運転条件をより高度に制御することができ、その結果、多結晶シリコンの生産効率を改善することができるとともに、早期に異常を検知して大きなトラブルを未然に防ぐことができる。
上記シリコン回収容器9は、上記反応容器2から落下するシリコン融液または部分溶融した固体シリコンを収容し冷却する容器である。このようなシリコン回収容器は、回収作業などを悪化させることがなければ特に限定されず、従来から用いられている回収容器を用いることができる。
上記のような構造を有することにより、ロードセルで反応容器単独の重量を測定しながら、筒状反応容器内にプロセスガスを流通させることができ、上述した本発明に係るシリコン製造方法によって多結晶シリコンを効率的かつ経済的に製造することができる。なお、本発明のシリコン製造装置に、従来のシリコン製造装置で行なわれていた改善措置、例
えば、原料ガスの攪拌を促進して反応効率を高めるために、反応容器の内面に突起物を設ける手段などを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜施してもよい。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下、図2の概略図に従って説明する。
筒状反応容器2として、上部がフランジ加工された等方性グラファイト製の円筒状容器(内径210mm、胴部の肉厚25mm、フランジ部の肉厚55mm、全長4000mm)を用いた。筒状反応容器2を、金属製密閉容器1内の支持構造物4の上に、繊維強化された樹脂製のシール材11およびロードセル7を介して設置した。また、筒状反応容器2の上部と金属製密閉容器1との間にも、テフロン(登録商標)製のシール材12を設置した。さらに、上記金属製密閉容器1、シール材11および12、ロードセル7ならびに筒状反応容器2のそれぞれの接触部には、ガス気密性ペーストを塗布した。
上記筒状反応容器2の内面には、ガス攪拌を促進して反応効率およびシリコン収率を高めるために、鉛直方向での断面が三角形で高さが70mmのオリフィス状突起物(図示せず)を等間隔で6ヶ所設置した。また、加熱手段5としては、筒状反応容器2上部の補助反応部と、それより下部の主反応部とを、それぞれ独立に制御することができる5kHzの高周波加熱手段5を設置した。さらに、筒状反応容器2と加熱手段5との間にはカーボン繊維断熱材6を設置した。
筒状反応容器2の主反応部の内表面温度が1200〜1400℃になるように、主反応部および補助反応部の加熱手段5の加熱出力を各々制御し、原料ガス供給管3から水素1000Nm3/Hおよびトリクロロシラン600kg/Hの混合ガスを供給して反応を開
始し、筒状反応容器2の内表面に固体状シリコンを析出させた。このときの反応圧力は約50kPaGであった。
上記の条件で2時間反応させた後、トリクロロシランの供給を停止し、水素の供給量を半減し、さらに主反応部および補助反応部の加熱手段5の加熱出力を各々上昇させて筒状反応容器2のシリコン析出部を30分間1450〜1700℃に昇温・制御することにより、筒状反応容器2に析出したシリコンを溶融落下させた。このような析出(2時間)−溶融落下(30分間)のサイクルで運転を継続したところ、徐々にロードセル7によって示される重量値が上昇してきた。
そこで、運転開始5日後にロードセル7による重量値を監視しながら、加熱出力、主反応部と補助反応部との加熱出力のバランス、ガス供給量および溶融落下時間を適宜制御し、反応容器のクリーニング運転を行なった。その結果、ガス供給量をさらに減少させることによって、筒状反応用器2の最高温度を1800℃以内に抑えながら、筒状反応容器2の重量をほぼ元の数値に戻すことができた。その後は、当初の運転サイクルに戻しても特に問題なく運転を継続することができ、適宜クリーニング運転を実施することにより30日以上連続運転することができた。
このようにロードセル7によって付着物の残留状況を把握することができたため、クリーニング運転の効果を確認しながら、適切なクリーニング操作条件を設定することができた。すなわち、本発明に係るシリコン製造装置および該装置を用いたシリコン製造方法は、多結晶シリコンの生産性向上および装置類の保護に貢献することが確認された。
[比較例1]
ロードセルを設置しなかったこと以外は、実施例1と同様な反応装置および操作条件にて多結晶シリコンの製造運転を行った。
運転7日目前後から徐々に副生成物であるシリコン微粉の発生量が増大し、また反応装置の差圧も上昇してきた。その後も同条件で運転を継続したが、10日目には反応装置の入口圧力がガス供給設備の制限圧力まで上昇したため、反応容器のクリーニング運転を行なった。クリーニング運転は、差圧を監視し、最高温度を1800℃に抑制しながら、加熱出力、加熱出力バランスおよびガス供給量を制御して行なった。その結果、差圧はほぼ回復したため通常の運転操作を再開したが、シリコン微粉の副生量はあまり減少しなかった。
そこで、運転を停止して装置を開放し、筒状反応容器を切断して観察したところ、筒状反応容器内部において、補助反応部よりやや上部、ならびに、上方に位置するオリフィスの先端部付近に依然として固体シリコンが残留していた。
このように差圧測定では、反応状態に悪影響を及ぼすシリコン付着物の残留状況を充分に把握することができなかったため、クリーニング運転の適切な操作条件を設定することができず、ひいては多結晶シリコンの生産性を低下させる結果となった。
本発明に係るシリコン製造装置の構造例を示す概略図である。 本発明に係るシリコン製造装置の構造例(気密構造)を示す概略図である。
符号の説明
1・・・金属製密閉容器
2・・・筒状反応容器
3・・・原料ガス供給管
4・・・支持構造物
5・・・加熱手段
6・・・断熱材
7・・・ロードセル
8・・・ガス排出管
9・・・シリコン回収容器
10・・・開口部
11・・・シール材
12・・・シール材

Claims (5)

  1. 加熱したカーボン製筒状反応容器内にクロロシラン類および水素を供給し、該筒状反応容器の内表面にシリコンを析出させ、析出したシリコンの一部または全部を溶融することにより、該筒状反応容器からシリコンを落下させて回収するに際し、
    該筒状反応容器単独の重量を測定することにより、該筒状反応容器のシリコン付着量をモニタリングし、該シリコン付着量に基づいて運転条件を制御することを特徴とするシリコンの製造方法。
  2. 前記筒状反応容器単独の重量をロードセルによって直接測定することを特徴とする請求項1に記載のシリコンの製造方法。
  3. 金属製密閉容器内に、
    クロロシラン類と水素とを反応させて内表面にシリコンを析出させるカーボン製筒状反応容器と、
    該筒状反応容器を支持する支持構造物と、
    該筒状反応容器の内表面をシリコンの融点温度以上に加熱するための加熱手段と、
    該筒状反応容器の重量を測定するロードセルと、
    析出したシリコンの一部または全部を溶融して該筒状反応容器から落下させたシリコンを回収するシリコン回収容器と
    を備えていることを特徴とするシリコン製造装置。
  4. 前記筒状反応容器の上端がフランジ形状であり、該フランジ部分で前記支持構造物に支持させることにより、該筒状反応容器が吊り下げられていることを特徴とする請求項3に記載のシリコン製造装置。
  5. 前記筒状反応容器が、前記ロードセルを介して前記支持構造物に支持されていることを特徴とする請求項3または4に記載のシリコン製造装置。
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