JP2015048295A - 多結晶シリコンの掻き取り装置および掻き取り方法 - Google Patents

多結晶シリコンの掻き取り装置および掻き取り方法 Download PDF

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賦 下口
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Abstract

【課題】亜鉛還元法の縦型の反応器で製造した多結晶シリコンを回収する場合、反応器を開放して人力に拠って掻き落とす他なく、セラミック製の反応器の冷却、加熱の繰り返しと反応器の解体、組み立ての繰り返しが避けられなかった。そこで、これらを回避し1)多結晶シリコンの生産性を改善し、2)製造エネルギーの利用効率を改善し、3)セラミック製反応器の寿命を延ばす、ことのできる多結晶シリコンの掻き取り装置を提供する。【解決手段】外から、反応器3の上部を貫通して反応器内部に達する掻き取り装置でテトラクロロシランガス導入管1の管口に残る多結晶シリコンCを掻き取ることで上記の課題を解決できる。掻き取り装置10は、ハンドル13、主軸11、及び掻き取り棒12からなる可動部と、グランドシール部30、外皮部20、さらに反応器への挿入管2aを備え、反応器の気密維持及び反応器外のハンドル操作を可能とする断熱対策が施されている。【選択図】図2

Description

本発明は、多結晶シリコンの掻き取り装置および掻き取り方法に関する。詳しくは、テトラクロロシランガスを亜鉛ガスで還元して多結晶シリコンの管状集合体を得る縦型の反応器において、多結晶シリコンの生産効率および生産エネルギー効率を高める、多結晶シリコンの管状集合体の掻き取り装置および掻き取り方法に関する。
特許文献1は、亜鉛還元法によって、本発明の同様の製品を得る多結晶シリコンの製造方法について開示する。特許文献1の多結晶シリコンの製造方法は、反応器として縦型の反応器を使用し、反応温度800〜1200℃でテトラクロロシランガスを亜鉛ガスで還元して多結晶シリコンを得る製造方法であるが、発明の効果として、次のように開示する。
特許文献1の製造方法は、縦型の反応器を使用し、反応器上方に設置されたシリコン塩化物ガス(本発明のテトラクロロシランガスに相当)供給ノズルの直下に、シリコン結晶が管状に集合した多結晶シリコン(本発明の多結晶シリコンの管状集合体に相当)を生成させることができ、シーメンス法のように種棒などを用いることなく、多結晶シリコンを連続的に成長させることができる。
なお、特許文献1の製造方法において、多結晶シリコンは成長するにつれ自重でノズルから外れて落下するため、ノズルの詰まり等は生じない。また、この製造方法によって得られる多結晶シリコンは、適当な長さに成長させた後、振動や掻き取り等の機械的な方法で落とすことも可能であると開示する。
しかしながら、この振動や掻き取り等の機械的な方法について、特許文献1には当該分野の技術者が実施できる程度に明確かつ十分な開示はされておらず、開示内容としては、実施例1〜4において、四塩化珪素(テトラクロロシラン)ガスおよび亜鉛ガスの供給を停止し、反応器を冷却した後、解体時に反応内を観察し、または、反応器下部を開放して四塩化珪素ガスの供給ノズル(本発明のテトラクロロシランガス導入管に相当)に付着した多結晶シリコンの生成状況、または、反応器底部への落下を確認したとするに留まる。
特開2007−145663号公報
特許文献1に開示された多結晶シリコンの製造方法によれば、セラミック材料(石英または炭化珪素製)の縦型の反応器を用いて、反応温度800〜1200℃でテトラクロロシランガスを亜鉛ガスで還元して、シリコン結晶が管状に集合した多結晶シリコンを製造することができ、成長した多結晶シリコンは自重で落下するとされている。
しかしながら特許文献1の実施例2,3に開示されるように、反応停止時において、成長途中の多結晶シリコンは、四塩化珪素(テトラクロロシラン)ガスの供給ノズル(本発明の導入口に相当)に垂下したまま残留している。
その多結晶シリコンを回収するには、原料ガスの導入を止め、反応器を外気温まで冷却した後、解体または反応器下部を開放して、上方に位置する四塩化珪素ガスの供給ノズルに垂下する多結晶シリコンに、人が掻き取り棒等を用いて機械的衝撃を加え、下方へ落として回収する必要があった。
すなわち、特許文献1に開示された回収方法では、多結晶シリコンの回収に伴う反応器の冷却と反応器の解体、再反応に伴う反応器の組み立てと加熱の繰り返しが避けられず、
1)それらの繰り返しに長い時間や日数を必要とするので、多結晶シリコンの生産性とその製造に費やすエネルギーの利用効率が低くなる。
2)セラミック材料の熱膨張や収縮の繰り返しが、セラミック製反応器の寿命を短縮する。
などの課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、多結晶シリコン回収時の反応器の冷却と解体、再反応時の反応器の組み立てと加熱の繰り返しを回避して、
1)多結晶シリコンの生産性を改善し、
2)製造エネルギーの利用効率を改善し、
3)セラミック製反応器の寿命を延ばす、
ことのできる多結晶シリコンの掻き取り装置および掻き取り方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、製品(多結晶シリコン)の回収時に反応器を解体することなく、縦型の反応器の上部を貫通して設けられた掻き取り装置で、テトラクロロシランガス導入管の管口から垂下する多結晶シリコンの管状集合体を掻き落とすことで、上記課題が解決されることを見出した。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1]
亜鉛還元法によって多結晶シリコンを製造する縦型の反応器に用いられ、ハンドル、主軸、および掻き取り棒からなる可動部と、グランドシール部、外皮部、さらに挿入管を備え、前記反応器のテトラクロロシランガス導入管の管口に垂下する前記多結晶シリコンの管状集合体を掻き取る多結晶シリコンの掻き取り装置であって、
前記可動部が、
前記反応器の外部からグランドシール部、外皮部、挿入管の順に挿通されて前記反応器内に達する前記主軸と、
前記主軸の上端に接続され、前記反応器外に位置する前記ハンドルと、
前記主軸の下端に接続され、前記反応器内に位置する前記掻き取り棒と、
を備え、
前記反応器外に位置する前記ハンドルを介して前記反応器内に位置する前記掻き取り棒を操作することで、前記テトラクロロシランガス導入管の管口に垂下する前記多結晶シリコンの管状集合体を掻き取るよう構成されている、多結晶シリコンの掻き取り装置。
[2]
前記反応器が、
前記反応器内の上部にテトラクロロシランガス室を備えるとともに、外周に加熱装置を備え、
さらに外部から前記テトラクロロシランガス室の中央部を縦方向に貫通して前記反応器内へ挿入される亜鉛ガス導入管を備え、
前記テトラクロロシランガス導入管が、前記テトラクロロシランガス室の下端に配設されたテトラクロロシランガス分散板を貫通して前記反応器内に挿入される、[1]に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
[3]
前記亜鉛ガス導入管の、前記テトラクロロシランガス室の中央部を縦方向に貫通する縦管が、
前記主軸の挿通される前記挿入管としても兼用可能に構成されている、[2]に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
[4]
前記グランドシール部および前記外皮部が、前記主軸の上下移動を可能とする構造であり、
前記掻き取り棒が、
反応時において、前記テトラクロロシランガス分散板と前記テトラクロロシランガス導入管の管口との間の位置に収納され、
前記多結晶シリコンの管状集合体の掻き取り時において、前記テトラクロロシランガス導入管の管口よりも下側の位置に引き出されるよう構成されている、[2]または[3]に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
[5]
前記ハンドルと前記主軸との接続が、
着脱が可能なキー溝接続、または前記主軸の上端の2面並行加工による差し込み接続のいずれかであり、且つ回転トルクを伝達できる構造である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
[6]
前記外皮部が、石英製の外皮筒を備え、
前記外皮筒は、上端に石英製の上端フランジが設けられているとともに、下端に石英製の下端フランジおよび石英製のスリーブが設けられ、
少なくとも前記石英製の下端フランジおよびスリーブを不透明とすることにより、前記反応器内から前記外皮部へと透過する光を遮断し、前記スリーブによって前記主軸の振れを防止するよう構成されている、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
[7]
前記外皮筒と前記主軸の間にセラミック製のブランケットからなる断熱材を備え、これにより前記外皮筒の上端の温度上昇を抑える、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
[8]
前記外皮筒の側方に、前記外皮部内に窒素ガスをパージする透明石英製のノズルを備える、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
[9]
前記上端フランジよりもさらに上方には、前記グランドシール部が設けられ、
前記グランドシール部は、
セラミックまたは金属製のグランドシール付き蓋と、
前記グランドシール付き蓋の内方に設けられたスペーサーと、
前記スペーサーの上下に設けられたダブルOリングと、
前記グランドシール付き蓋の上方に設けられ、前記グランドシール付き蓋の内方に配設された前記スペーサーおよびダブルOリングを保持するOリング押さえと、
を備え、
さらに前記グランドシール部内に窒素ガスをパージするセラミックまたは金属製のノズルを備える、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
[10]
前記上端フランジと前記グランドシール部のグランドシール付き蓋との間に、Oリングを配設し、
さらに前記上端フランジの下部にリングジョイントを配設し、
前記リングジョイントを介した上端フランジと前記グランドシール付き蓋とを、上下の押さえフランジで挟持し、
前記ダブルOリングおよび前記上端フランジと前記グランドシール付き蓋との間に配設した前記Oリングによって前記反応器の気密を維持し、かつ前記外皮部と前記グランドシール部とを固定する、[9]に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
[11]
亜鉛還元法を用い、縦型の反応器のテトラクロロシランガス導入管の管口に垂下されて成る多結晶シリコンの管状集合体を掻き取るための多結晶シリコンの掻き取り方法であって、
可動部、グランドシール部、外皮部、さらに挿入管を備え、前記反応器の上部から前記反応器内に貫通して設けられた掻き取り装置を用い、
前記可動部が、
前記反応器の外部からグランドシール部、外皮部、挿入管の順に挿通されて前記反応器内に達する前記主軸と、
前記主軸の上端に接続され、前記反応器外に位置する前記ハンドルと、
前記主軸の下端に接続され、前記反応器内に位置する前記掻き取り棒と、
を備え、
前記反応器外に位置する前記ハンドルを介して前記反応器内に位置する前記掻き取り棒を操作することで、前記テトラクロロシランガス導入管の管口に垂下する前記多結晶シリコンの管状集合体を掻き取る、多結晶シリコンの掻き取り方法。
[12]
前記反応器は、
前記反応器内の上部にテトラクロロシランガス室を備えるとともに、外部から前記テトラクロロシランガス室の中央部を縦方向に貫通して前記反応器内へ挿入される亜鉛ガス導入管を備え、
前記亜鉛ガス導入管の、前記テトラクロロシランガス室の中央部を縦方向に貫通する縦管を、前記主軸の挿通される前記挿入管として兼用する、[11]に記載の多結晶シリコンの掻き取り方法。
[13]
前記多結晶シリコンの反応時において、
前記掻き取り棒を、前記テトラクロロシランガス室の下端に設けられたテトラクロロシランガス分散板と前記テトラクロロシランガス導入管の管口の間の位置に待機させ、
前記多結晶シリコンの管状集合体の掻き取り時において、
前記テトラクロロシランガス導入管の管口よりも下側の位置に引き出される、[12]に記載の多結晶シリコンの掻き取り方法。
[14]
前記掻き取り装置の前記外皮部が、石英製の外皮筒を備え、
前記外皮筒は、外皮筒の上端に石英製の上端フランジが設けられているとともに、外皮筒の下端に石英製の下端フランジおよび石英製のスリーブが設けられ、
前記石英製の上端フランジ,下端フランジ,スリーブを不透明とすることにより、前記反応器内から前記外皮部へと透過する光を遮断し、前記スリーブによって前記主軸の振れを防止する、[11]〜[13]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り方法。
[15]
前記外皮筒と前記主軸との間にセラミック製のブランケットからなる断熱材を備えることにより、前記外皮筒の上端の温度上昇を抑える、[11]〜[14]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り方法。
[16]
前記外皮筒の側方に設けられた石英製のノズルで前記外皮部内に窒素ガスをパージする、[11]〜[15]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り方法。
本発明によれば、多結晶シリコン回収時の反応器の冷却と解体、再反応時の反応器の組み立てと加熱の繰り返しを回避して、
1)多結晶シリコンの生産性を改善し、
2)製造エネルギーの利用効率を改善し、
3)セラミック製反応器の寿命を延ばす、
多結晶シリコンの掻き取り装置および掻き取り方法を提供することができる。
図1は、本発明の掻き取り装置が備えられた多結晶シリコンの製造装置を示した図である。 図2は、図1に示した多結晶シリコンの製造装置において、本発明の掻き取り装置の部分を拡大して示した図である。
本発明は、多結晶シリコンの掻き取り装置および掻き取り方法に関する。
詳しくは、テトラクロロシランガスを亜鉛ガスで還元して多結晶シリコンの管状集合体を得る縦型の反応器において、多結晶シリコンの生産効率および生産エネルギー効率を高める、多結晶シリコンの管状集合体の掻き取り装置および掻き取り方法に関する。
本発明の掻き取り装置および掻き取り方法の特徴は、従来技術では多結晶シリコンの管状集合体の掻き取り時に必要とした反応器の冷却と解体、再反応時の組み立てと過熱を排除して、高生産性、省エネルギーを達成したことにある。
以下、図1、2を使って、本発明を詳細に説明する。
(製造装置の説明)
<製造装置の構成の概要>
図1に示すように、本発明で用いる多結晶シリコンの製造装置は、概略、反応器3、台座50、回収部60で構成され、必要に応じ分解と組み立てが可能である。
組み立て時の気密は、前記反応器3と台座50の接続の場合、反応器3の据え付け部54の隙間に金属線補強セラミック繊維のパッキンを埋め込んで維持され、また台座50と回収部60の接続の場合、各々の外皮の機械的接続によって維持される。
<反応器3の構造>
図2に示すように、本発明の反応器3は、反応器内の上部にテトラクロロシランガス室1aを備え、亜鉛ガスBを導入する亜鉛ガス導入管2が、反応器3の外部から前記テトラクロロシランガス室1aの中央部を縦方向に貫通し、その後、反応器3内の下方に向かって開口し、テトラクロロシランガスAが、一旦テトラクロロシランガス室1aに貯留された後、テトラクロロシランガス分散板1bを貫通するように取り付けられたテトラクロロシランガス導入管1が、反応器3内の下方に向かって開口する。
<反応器3の材質>
多結晶シリコンCが、800〜1200℃の高温に曝される反応器3の部材から発生する不純物で汚染されないように、反応器3および付属するテトラクロロシランガス導入管1,亜鉛ガス導入管2の材質は、炭化珪素、窒化珪素、石英等から選択されるのが好ましく、石英がより好ましい。
<台座50の構造>
図1に示すように、台座50は、キャスタブル53とそれを包む鋼製外皮からなり、キャスタブル53は、その中央部に縦方向の貫通穴を持つ円筒状であって、貫通穴の内壁外皮筒の上端に、反応器3の据え付け部54を備え、貫通穴の内壁中間に排ガス管4を備え、排ガス管4の入り口の下部より台座50の外皮筒の下端に至るまで、貫通穴を円錐台状に拡げたピストンバルブの弁座51を備える。さらに、台座50の外皮筒の下端開口部外周に、水冷装置を備えるOリング52を備える。
<台座50の材料>
台座50を構成するキャスタブル53の材質は、多結晶シリコンCが部材由来の不純物で汚染されない限りにおいて特定されないが、SiO2およびAl23が主成分であるのが好ましい。
<回収部60の構造>
回収部60は、外皮で囲われた容器内に、ピストンバルブの弁体61、多結晶シリコンCの押し出し装置62、回収容器63、および窒素ガス噴射装置65を備える。
<回収部60の材質>
回収部60の材質は、本発明の目的を達成する限りにおいて特定されないが、台座50の外皮筒の下端開口部を開放した際、前記回収部60が反応器3からの輻射熱に晒される時間が短く、高温度の多結晶シリコンCの滞留時間も短いため、前記回収部60の内壁(外皮の内側)、押し出し装置62の温度は、一連の掻き取り作業中において300℃を越えることが無い。
よって、前記回収部60の内壁、押し出し装置62、および窒素ガス噴射装置65の材質は鋼製であってもよいが、さらに金属部材との接触による多結晶シリコンCの汚染を避けるには、回収部60の内壁、押し出し装置62の材質を、SiO2およびAl23が主成分のキャスタブル、炭化珪素、窒化珪素、または石英等を内張りした鋼製とするのが好ましい。
また、多結晶シリコンCの回収容器63の材質は、容器からの汚染を避けるため、炭化珪素、窒化珪素、石英等から選択されるのが好ましく、石英がより好ましい。
<ピストンバルブの特徴>
ピストンバルブは、ピストンバルブの弁体61、スクリュージャッキおよびその駆動部からなり、前記スクリュージャッキの伸縮によって、前記ピストンバルブの弁体61は上昇および下降して台座50の下端開口部の開閉を行う。
本発明の前記ピストンバルブの弁体61は、円錐台状のキャスタブルとそれを支持する鍔付きフランジ61aからなり、さらに、前記キャスタブルの側面にリング状に複数配したセラミック繊維製断熱材61bを備える。
<ピストンバルブの材質>
ピストンバルブ各部の材質は、本発明の目的を達成する限りにおいて特定されないが、800〜1200℃の反応温度に曝されるピストンバルブの弁体61のキャスタブルの材質は、十分に断熱効果を持ったSiO2およびAl23が主成分であるのが好ましい。
また、前記キャスタブルを支持する鍔付きフランジ61aの温度は、反応温度下の多結晶シリコンCの掻き取り作業中においても300℃を越えることが無く、またスクリュージャッキの温度は、反応温度下の多結晶シリコンCの掻き取り作業においても、前記ピストンバルブの弁体61により反応器3からの輻射熱が遮られるため100℃を越えることが無いので、これらの材質は、回収部60の部材と同様に、鋼製であってよい。
前記回収部60の外に置かれるスクリュージャッキの駆動部は常温であるため、鋼製であってよい。
<気密維持の方法>
反応中における台座50の下端開口部の気密維持は、ピストンバルブの弁体61の閉止とそれに伴う複数の補助手段によって達成される。
補助手段の一つは、鍔付きフランジ61aの鍔面によるOリング52の圧縮による気密維持である。
なお、ピストンバルブの弁座51の逆円錐形状の内壁による、前記ピストンバルブの弁体61のキャスタブル側面にリング状に備える円錐形状のセラミック繊維製断熱材61bにより、Oリング52の位置までプロセスガスが回り込むことを極力防ぐことができる。
<Oリング52>
台座50の外皮筒の下端開口部外周に水冷装置を備えたOリング52を設けることで、反応器3からの輻射熱に直接曝されることがなく、かつ水冷装置で水冷されるため、前記Oリング52の温度は100℃を越えることは無い。
前記水冷装置を備えたOリング52の材質は、本発明の目的を達成する限りにおいて特定されないが、例えば、常温で205℃、突発的温度上昇で315℃の耐熱性および耐酸性を備えたバイトン(登録商標)フッ素ゴムが好ましい。
<セラミック繊維製断熱材61bの材質>
セラミック繊維製断熱材61bの材質は、本発明の目的を達成する限りにおいて特定されないが、SiO2およびAl23が主成分の耐熱性および耐酸性を備えたセラミック繊維が好ましく、Al23の含有量が40%以上の、1000℃〜1500℃の耐熱性を備えたリフラクトリーセラミックファイバー、または、Al23の含有量が70%以上の、1000℃〜1700℃の耐熱性を備えたアルミナ繊維から選ばれるのがより好ましい。
(多結晶シリコンの製造プロセスの説明)
図1に示す多結晶シリコンの製造装置のピストンバルブの弁体61で台座50の外皮筒の下端開口部を封じ、反応器3の加熱装置5で反応器3を反応器内温度が反応温度800〜1200℃になるまで加熱し、排ガスDを排ガス管4で排気しながら、同じく800〜1200℃に過熱された原料ガスのテトラクロロシランガスAと亜鉛ガスBを前記反応器3内に導入して、テトラクロロシランガスAの導入管1の管口で多結晶シリコンC(多結晶シリコンの管状集合体)を成長させる。
成長した多結晶シリコンCは、反応時間の経過とともに、管口から自重で離脱して、反応器3の下部および台座50の貫通穴を通って、閉止(上限)位置にあるピストンバルブの弁体61上に落下する。
しかし、多結晶シリコンCの回収時においては、まだ成長途中で、テトラクロロシランガスAの導入管1の管口に垂下したまま残るものがある。この残存する多結晶シリコンCを、反応器3の上部に備えられた掻き取り装置10を用いて掻き落とす。
なお、本発明の掻き取り装置10は、反応中にも拘わらず任意の時間に作動させることができる。
<多結晶シリコンCの回収方法>
多結晶シリコンCを回収するため、まず、前記反応器3の温度を800〜1200℃に保ったまま、排ガスDを排気しながら、原料ガスの供給を停止して反応器3内を窒素ガスで置換する。その後、反応器3の加熱装置5を停止し、前記ピストンバルブの弁体61をスクリュージャッキで回収部60内の多結晶シリコンCの押し出し(下限)位置まで降下させ、押し出し装置62で、前記ピストンバルブの弁体61上の多結晶シリコンCを押し出して、回収容器63へ回収する。
なお、ピストンバルブを開放して多結晶シリコンCを回収するまでの間、加熱装置5を停止せずに作業を行うことも可能である。
<反応再開>
多結晶シリコンCの回収の後、再び、ピストンバルブの弁体61をスクリュージャッキで閉止(上限)位置まで上昇させ、原料ガスを供給して反応を再開する。
<掻き取り装置10の概要>
本発明の掻き取り装置10は、図2に示したように主軸11、ハンドル13、および掻き取り棒12からなる可動部と、グランドシール部、外皮部、さらに挿入管2aを備える。グランドシール部とハンドル13を反応器3の加熱装置5の外に設け、汎用素材の使用や手動操作を可能とする。前記主軸11と掻き取り棒12の材質は窒化珪素が好ましく、操作を行うハンドル13の材質は金属であるのが好ましい。
<主軸11>
掻き取り装置10の主軸11は、反応器3の外部からグランドシール部、外皮部、さらに挿入管2aを通って反応器3内に達し、その上端がハンドル13に接続され、下端が反応器3内の掻き取り棒12に接続される。
<ハンドル13>
ハンドル13と主軸11との接続部にトルクメータを設け、ハンドル13操作時の反力を計測することも可能である。ハンドル13は主軸11よりも外径方向に突出しているため、主軸11の落下は、ハンドルがグランドシール部に引っ掛かることで防止することができる。
<掻き取り棒12(掻き取り棒12の収納と引き出し)>
掻き取り棒12の形状は、掻き取り棒12が本発明の目的を達する限りにおいて特段の制約は無いが、略T字型に構成されるのが好ましい。
また、後述するグランドシール部および外皮部のグランドシールおよびダブルOリング32の摩擦力の調整により、主軸11の上下移動を可能とすることができるので、反応時には、掻き取り棒12を前記テトラクロロシランガス導入管1の管口の上側に収納して、多結晶シリコンCの付着と反応ガス流れへの干渉を回避し、多結晶シリコンCの掻き取り時には、テトラクロロシランガス導入管1の管口の下側に引き出して使用する。
<挿入管2a(亜鉛ガス導入管2の縦管を挿入管2aとしても兼用)>
主軸11を反応器3内に引き込むための挿入管2aは、独立して設けることも可能であるが、図2に示すように、挿入管2aとして、外部から反応器3へ亜鉛ガスBを導入する亜鉛ガス導入管2の縦管を兼用することで、反応器3上部の構造が複雑になるのを回避することができる。
<外皮部>
外皮部は、石英製の外皮筒20と、外皮筒20の上端の石英製の上端フランジ21と、外皮筒20の下端の石英製の下端フランジ22および石英製のスリーブ23からなっている。なお、外皮筒20を構成する石英は透明石英であることが好ましく、上端フランジ21,下端フランジ22,スリーブ23を構成する石英は不透明石英であることが好ましい。これにより、反応器3内から外皮部へ透過する光を遮断している。
なお、上端フランジ21を構成する石英を透明石英としても良く、この場合には、外皮筒20の上端フランジ21とグランドシール付き蓋との間に、さらに不透明石英リング(図示せず)を配することで、上記の場合と同様、反応器3内から外皮部へ透過する光を遮断することができる。
図2に示すように、主軸11のグランドシール部まで反応器3を外気に曝さず、ハンドル13の自動および手動操作が可能なように外皮筒20の上端の温度上昇を抑えるため、主軸11を外皮部で被うとともに、外皮筒20と主軸11の間にセラミック製のブランケットからなる断熱材24を設けている。
また、外皮筒20の中間部に設けられた石英製のノズルから窒素ガスEをパージして反応器3の雰囲気ガスを押さえこむことができる。ノズルを構成する石英は、透明石英であることが好ましい。
外皮筒20の上端のフランジ(テーパー継ぎ手)状に加工された部分(上端フランジ21)は、前記グランドシール部とのOリング41およびリングジョイント42を用いた押さえフランジ40による接続に適し、この押さえフランジ40によるフランジ接続で反応器3の気密を維持することができる。
この際、上端フランジ21,下端フランジ22,スリーブ23を構成する石英は不透明石英であるため、上端フランジ21の上面の温度上昇は抑えられ、Oリング41の耐熱温度以下の温度を維持してOリング41の劣化が生ずることを防止している。
また、外皮筒20の下端の下端フランジ22と主軸11との間に、スリーブ23を設けて主軸11の振れを防止する構造を備える。
<グランドシール部>
グランドシール部は、上端フランジ21の上方に設けられる。グランドシール部は、セラミックまたは金属製のグランドシール付き蓋30、Oリング押さえ31、ダブルOリング32、およびスペーサー33からなる。
Oリング押さえ31とグランドシール付き蓋30の間に、スペーサー33をダブルOリング32で挟み、Oリング押さえ31をボルトで締め込んで挟持し、反応器3の気密を得ることができる。
グランドシール付き蓋30、Oリング押さえ31、およびスペーサー33の材質には、セラミックが好ましく、より好ましくは窒化珪素である。ダブルOリング32にはシリコンゴムまたはフッ素ゴムが好ましく、より好ましくはフッ素ゴム(例えばデュポン製バイトン(登録商標))である。
グランドシール部に設けられたセラミックまたは金属製のノズルから窒素ガスEをパージして反応器3の雰囲気ガスを押さえこむことができる。
<外皮部とグランドシール部の気密>
上端フランジ21とグランドシール付き蓋30の間にOリング41を配設するとともに、上端フランジ21と下方の押さえフランジ40との間にリングジョイント42を配設して、上端フランジ21とグランドシール付き蓋30を、押さえフランジ40で挟みボルトを締め込んで挟持する。
これにより上端フランジ21とグランドシール付き蓋30との間に配設したOリング41と、グランドシール付き蓋30内に配設されたダブルOリング32によって反応器3の気密を維持し、かつ、外皮部とグランドシール部を固定する。
本発明のOリング41には、シリコンゴムまたはフッ素ゴム(例えばデュポン製バイトン(登録商標))が好ましく、より好ましくはフッ素ゴムである。リングジョイント42には、金属丸棒をリング状に加工してから半分に切断し、これをセラミックテープで巻いたものが好ましい。
本発明によれば、多結晶シリコン回収時の反応器3の冷却と解体、再反応時の反応器3の組み立てと加熱の繰り返しを回避して、
1)多結晶シリコンの生産性を改善し、
2)製造エネルギーの利用効率を改善し、
3)セラミック製反応器3の寿命を延ばす、
多結晶シリコンの掻き取り装置および掻き取り方法を提供することができる。
<多結晶シリコンの製造装置>
図1に示す、多結晶シリコンの製造装置を用いて、多結晶シリコンの回収実験を行った。反応器3には、内径500mm、高さ1500mmの石英製の円筒容器を用いた。
反応器3の天井の中心に、内径35mmの石英製の亜鉛ガス導入管2が1本、さらに亜鉛ガス導入管2を中心として半径175mmの円周を等間隔に分割する位置に内径35mmの石英製のテトラクロロシランガス導入管1が6本取り付けられている。
<多結晶シリコンの製造装置の気密>
図1に示す、多結晶シリコンの製造装置において、テトラクロロシランガス導入管1、排ガス管4およびピストンバルブの弁座51を閉じ、亜鉛ガス導入管2から窒素ガスEを吹き込んで、多結晶シリコンの製造装置の気密試験を行い、反応器3の気密(0.5kPa)を維持できることを確認した。
ピストンバルブの弁座51の閉鎖は、スクリュージャッキによってピストンバルブの弁体61を、押付け力約2tで、台座50の下端およびピストンバルブの弁座51に押付けて、台座50の下端開口部の外周の水冷装置を備えるOリング52、および弁体61側面の2箇所に備えられたリング状のセラミック繊維製断熱材61bを圧縮して行った。
<多結晶シリコンの製造装置の温度分布>
予め、図1の多結晶シリコンの製造装置を使って、原料を入れずに、反応器3を加熱装置5で950℃に3時間に渡って加熱して、ピストンバルブの弁体61の各部他に熱電対を配置して温度分布を測定した。
3時間後の、ピストンバルブの弁体61の上面は、反応温度の影響で約900℃であった。ピストンバルブの弁体61の側面には、上面から側面に至って約900〜100℃の温度勾配が形成されていた。
また、台座50の下端に備わるOリング52の水冷装置の除熱量を制御して、反応器3の950℃加熱時においても、ピストンバルブの弁体61の鍔付きフランジ61aの温度が、約80℃になるように設定した。
<多結晶シリコンの製造装置の運転>
外部のテトラクロロシラン気化器および亜鉛気化器で、それぞれ950℃に加熱されたテトラクロロシランガスAおよび亜鉛ガスBを原料ガスとして、それぞれ時間当たり170Kgおよび130Kgの割合で、反応器3の加熱装置5で950℃に加熱された反応器3内に送り込んで、多結晶シリコンCを生成させる亜鉛還元反応を実施した。
<落下サイン、反応停止>
多結晶シリコンCの落下時において、反応器3内部の圧力および温度トレンドに多結晶シリコンCの落下を示す瞬時ピークおよび変化が現れるので、あらましの多結晶シリコンCの落下回数を予想することができた。1時間毎に回収操作を入れながら約3時間に渡って反応を終了した。なお、落下サインは、他にも台座に設置した震動計でも検知し、DCSにも検出した。
<ピストンバルブ開放>
10〜15時間毎の回収操作は、次のように行った。
まず、原料ガスの供給を止め、さらに、反応器3の加熱装置5を停止した後、反応器3の上部に設けられた掻き取り装置10のハンドル13の操作によって、掻き取り棒12を収納位置からテトラクロロシランガスAの導入管1の管口の下側まで引き出して、テトラクロロシランガスAの導入管1の管口に残存する多結晶シリコンCを掻き落とし、次に、ピストンバルブの弁体61を開放した。その後、スクリュージャッキにて、ピストンバルブの弁体61を閉止(上限)位置から押し出し(下限)位置まで降下させる所要時間は、約2分であった。
<観測結果>
ピストンバルブの弁体61が、押し出し(下限)位置まで降下した後、回収部60の外皮に設置した覘き窓(図示せず)から回収部60内を目視で確認したところ、ピストンバルブの弁体61の降下過程で、多結晶シリコンCの約1/3がピストンバルブの弁体61よりこぼれていた。
<押し出し回収>
押し出し装置62を作動して、ピストンバルブの弁体61の上面の多結晶シリコンCを、約1分で回収容器63へ回収した。
<窒素ガス噴射回収>
押し出し装置62の押し出し面を、約1分で壁面の待機位置まで移動させた後、窒素ガス噴射装置65を用いて、ピストンバルブの弁体61よりこぼれた多結晶シリコンCを、窒素ガス噴射により約2分で回収容器63へ全量回収した。同時に、ピストンバルブの弁体61の側面、および鍔付きフランジ61aの付着物の払い落としを実施した。
<最後の開放後の観測>
開放されたピストンバルブの弁体61の観察では、排ガスのうち、亜鉛ガス(沸点908℃、融点419℃)および塩化亜鉛ガス(沸点732℃、融点275℃)は、ピストンバルブの弁体61の側面で固化し、セラミック繊維製断熱材61bより下部への侵入が見られなかった。
排ガスのうち、テトラクロロシランガス(沸点57℃)もまた、鍔付きフランジ61aの温度がテトラクロロシランの沸点(57℃)温度以上、すなわち約80℃に維持されているので、ピストンバルブの弁体61より下部への侵入が見られなかった。
<回収作業に伴う回収部60の温度変化>
回収作業に伴う、上面温度が約900℃であるピストンバルブの弁体61からの輻射により、回収部60内の温度は約90℃に上昇したが、スクリュージャッキにて弁体61を閉止(上限)位置まで上昇させた時間約2分を加え、一連の回収作業に要した時間が合計約8分間であったために、回収部60の外皮温度は50℃以上に上昇することは無かった。
さらに、ピストンバルブの弁体61の傘下に位置するスクリュージャッキの温度は外気温度に近い温度であった。
<運転再開>
多結晶シリコンCの回収作業を終了した後、反応器3内部を窒素ガスEで一定時間置換した後、所定の手順で原料ガスの供給を開始し、多結晶シリコンCの製造を再開した。
<ポリシリコンの回収部60からの取り出し>
反応時間が1時間に及ぶ度に、上記の回収作業を繰り返し、3時間に渡った反応を終了した後、ピストンバルブの閉止を確認して、回収部60内を空気で置換し、フランジ64を切離して多結晶シリコンCの取り出しを行った。
取り出された多結晶シリコンCの量から、本実験では、反応単位時間当たり約23Kgの多結晶シリコンCが製造されていたことが分かった。
A テトラクロロシランガス
B 亜鉛ガス
C 多結晶シリコン
D 排ガス
E 窒素ガス
1 テトラクロロシランガス導入管
1a テトラクロロシランガス室
1b テトラクロロシランガス分散板
2 亜鉛ガス導入管
2a 挿入管
3 反応器
4 排ガス管
5 反応器の加熱装置
10 掻き取り装置
11 主軸
12 掻き取り棒
13 ハンドル
14 不透明石英リング
20 外皮筒
21 上端フランジ
22 下端フランジ
23 スリーブ
24 断熱材
30 グランドシール付き蓋
31 Oリング押さえ
32 ダブルOリング
33 スペーサー
40 押さえフランジ
41 Oリング
42 リングジョイント
50 台座
51 ピストンバルブの弁座
52 水冷装置を備えるOリング
53 キャスタブル
54 反応器の据え付け部
61 ピストンバルブの弁体
61a 鍔付きフランジ
61b セラミック繊維製断熱材
62 多結晶シリコンの押し出し装置
63 回収容器
60 回収部
64 フランジ
65 窒素ガス噴射装置

Claims (16)

  1. 亜鉛還元法によって多結晶シリコンを製造する縦型の反応器に用いられ、ハンドル、主軸、および掻き取り棒からなる可動部と、グランドシール部、外皮部、さらに挿入管を備え、前記反応器のテトラクロロシランガス導入管の管口に垂下する前記多結晶シリコンの管状集合体を掻き取る多結晶シリコンの掻き取り装置であって、
    前記可動部が、
    前記反応器の外部からグランドシール部、外皮部、挿入管の順に挿通されて前記反応器内に達する前記主軸と、
    前記主軸の上端に接続され、前記反応器外に位置する前記ハンドルと、
    前記主軸の下端に接続され、前記反応器内に位置する前記掻き取り棒と、
    を備え、
    前記反応器外に位置する前記ハンドルを介して前記反応器内に位置する前記掻き取り棒を操作することで、前記テトラクロロシランガス導入管の管口に垂下する前記多結晶シリコンの管状集合体を掻き取るよう構成されている、多結晶シリコンの掻き取り装置。
  2. 前記反応器が、
    前記反応器内の上部にテトラクロロシランガス室を備えるとともに、外周に加熱装置を備え、
    さらに外部から前記テトラクロロシランガス室の中央部を縦方向に貫通して前記反応器内へ挿入される亜鉛ガス導入管を備え、
    前記テトラクロロシランガス導入管が、前記テトラクロロシランガス室の下端に配設されたテトラクロロシランガス分散板を貫通して前記反応器内に挿入される、請求項1に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
  3. 前記亜鉛ガス導入管の、前記テトラクロロシランガス室の中央部を縦方向に貫通する縦管が、
    前記主軸の挿通される前記挿入管としても兼用可能に構成されている、請求項2に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
  4. 前記グランドシール部および前記外皮部が、前記主軸の上下移動を可能とする構造であり、
    前記掻き取り棒が、
    反応時において、前記テトラクロロシランガス分散板と前記テトラクロロシランガス導入管の管口との間の位置に収納され、
    前記多結晶シリコンの管状集合体の掻き取り時において、前記テトラクロロシランガス導入管の管口よりも下側の位置に引き出されるよう構成されている、請求項2または3に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
  5. 前記ハンドルと前記主軸との接続が、
    着脱が可能なキー溝接続、または前記主軸の上端の2面並行加工による差し込み接続のいずれかであり、且つ回転トルクを伝達できる構造である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
  6. 前記外皮部が、石英製の外皮筒を備え、
    前記外皮筒は、上端に石英製の上端フランジが設けられているとともに、下端に石英製の下端フランジおよび石英製のスリーブが設けられ、
    少なくとも前記石英製の下端フランジおよびスリーブを不透明とすることにより、前記反応器内から前記外皮部へと透過する光を遮断し、前記スリーブによって前記主軸の振れを防止するよう構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
  7. 前記外皮筒と前記主軸の間にセラミック製のブランケットからなる断熱材を備え、これにより前記外皮筒の上端の温度上昇を抑える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
  8. 前記外皮筒の側方に、前記外皮部内に窒素ガスをパージする透明石英製のノズルを備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
  9. 前記上端フランジよりもさらに上方には、前記グランドシール部が設けられ、
    前記グランドシール部は、
    セラミックまたは金属製のグランドシール付き蓋と、
    前記グランドシール付き蓋の内方に設けられたスペーサーと、
    前記スペーサーの上下に設けられたダブルOリングと、
    前記グランドシール付き蓋の上方に設けられ、前記グランドシール付き蓋の内方に配設された前記スペーサーおよびダブルOリングを保持するOリング押さえと、
    を備え、
    さらに前記グランドシール部内に窒素ガスをパージするセラミックまたは金属製のノズルを備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
  10. 前記上端フランジと前記グランドシール部のグランドシール付き蓋との間に、Oリングを配設し、
    さらに前記上端フランジの下部にリングジョイントを配設し、
    前記リングジョイントを介した上端フランジと前記グランドシール付き蓋とを、上下の押さえフランジで挟持し、
    前記ダブルOリングおよび前記上端フランジと前記グランドシール付き蓋との間に配設した前記Oリングによって前記反応器の気密を維持し、かつ前記外皮部と前記グランドシール部とを固定する、請求項9に記載の多結晶シリコンの掻き取り装置。
  11. 亜鉛還元法を用い、縦型の反応器のテトラクロロシランガス導入管の管口に垂下されて成る多結晶シリコンの管状集合体を掻き取るための多結晶シリコンの掻き取り方法であって、
    可動部、グランドシール部、外皮部、さらに挿入管を備え、前記反応器の上部から前記反応器内に貫通して設けられた掻き取り装置を用い、
    前記可動部が、
    前記反応器の外部からグランドシール部、外皮部、挿入管の順に挿通されて前記反応器内に達する前記主軸と、
    前記主軸の上端に接続され、前記反応器外に位置する前記ハンドルと、
    前記主軸の下端に接続され、前記反応器内に位置する前記掻き取り棒と、
    を備え、
    前記反応器外に位置する前記ハンドルを介して前記反応器内に位置する前記掻き取り棒を操作することで、前記テトラクロロシランガス導入管の管口に垂下する前記多結晶シリコンの管状集合体を掻き取る、多結晶シリコンの掻き取り方法。
  12. 前記反応器は、
    前記反応器内の上部にテトラクロロシランガス室を備えるとともに、外部から前記テトラクロロシランガス室の中央部を縦方向に貫通して前記反応器内へ挿入される亜鉛ガス導入管を備え、
    前記亜鉛ガス導入管の、前記テトラクロロシランガス室の中央部を縦方向に貫通する縦管を、前記主軸の挿通される前記挿入管として兼用する、請求項11に記載の多結晶シリコンの掻き取り方法。
  13. 前記多結晶シリコンの反応時において、
    前記掻き取り棒を、前記テトラクロロシランガス室の下端に設けられたテトラクロロシランガス分散板と前記テトラクロロシランガス導入管の管口の間の位置に待機させ、
    前記多結晶シリコンの管状集合体の掻き取り時において、
    前記テトラクロロシランガス導入管の管口よりも下側の位置に引き出される、請求項12に記載の多結晶シリコンの掻き取り方法。
  14. 前記掻き取り装置の前記外皮部が、石英製の外皮筒を備え、
    前記外皮筒は、外皮筒の上端に石英製の上端フランジが設けられているとともに、外皮筒の下端に石英製の下端フランジおよび石英製のスリーブが設けられ、
    前記石英製の上端フランジ,下端フランジ,スリーブを不透明とすることにより、前記反応器内から前記外皮部へと透過する光を遮断し、前記スリーブによって前記主軸の振れを防止する、請求項11〜13のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り方法。
  15. 前記外皮筒と前記主軸との間にセラミック製のブランケットからなる断熱材を備えることにより、前記外皮筒の上端の温度上昇を抑える、請求項11〜14のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り方法。
  16. 前記外皮筒の側方に設けられた石英製のノズルで前記外皮部内に窒素ガスをパージする、請求項11〜15のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの掻き取り方法。
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