JP2015113251A - 多結晶シリコン製造装置および製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の多結晶シリコン製造方法では、製品回収時に、反応器の加熱、冷却の繰り返し(ヒートサイクル)と反応器の解体と組み立ての繰り返しが避けられず、1)ヒートサイクルと反応器の解体と組み立てに、長い時間や日数を必要とするので、多結晶シリコンの生産性とその製造に費やすエネルギーの利用効率が低くなる;2)そのヒートサイクルに伴うセラミック材料の熱膨張や収縮の繰り返しが、セラミック製反応器の寿命を短縮する;などの課題があった。
【解決手段】円筒形の反応器を縦方向に貫通孔を備えた台座に据え付け、その台座の貫通孔出口のピストンバルブを閉じて多結晶シリコンを製造した後、反応温度を維持したまま原料ガスを止め、ピストンバルブを開いて、自然または機械的衝撃によりピストンバルブ上に落下した多結晶シリコンを回収する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多結晶シリコン製造装置および製造方法に関する。詳しくは、テトラクロロシランガスを亜鉛ガスで還元する亜鉛還元法によって、管状集合多結晶シリコンを製造して、効率的に回収する多結晶シリコン製造装置および製造方法に関する。
特許文献1は、亜鉛還元法によって、本発明と同様の製品を得る多結晶シリコンの製造法について開示する。特許文献1の多結晶シリコン製造方法は、反応器として縦型の反応器を使用し、反応温度800〜1200℃でテトラクロロシランガスを亜鉛ガスで還元して、反応器頂部に設置されたテトラクロロシランガス導入管の直下に、管状集合多結晶シリコンを生成させ、成長して脱落した多結晶シリコンを、特許文献1の図2に開示されている反応器下部、または反応器と併置された冷却・粉砕装置10で冷却し、必要に応じて粉砕した後、反応器底部または冷却・粉砕装置10に設けられたシャッター型の弁などによって反応器の系外に排出し、あるいは、反応器下部をシリコンの融点である1420℃以上に加熱することにより、シリコンを融解した状態(シリコン融液の状態)で連続的に反応器の系外へ取り出すこともできると開示する。
しかしながら、当該分野の技術者においても実施をすることができる程度に明確かつ十分な開示が無く、具体的な開示としては、実施例1〜4において、四塩化珪素(テトラクロロシラン)ガスおよび亜鉛ガスの供給を停止し、反応器を冷却した後、解体時に内部を観察し、または、反応器下部を開放して四塩化珪素ガスの導入管の管口に付着した多結晶シリコンの生成状況、または、反応器底部への落下を確認したとするに止まる。
一方、特許文献2のシリコン粉製造方法は、本発明の製品が管状集合多結晶シリコンであるのに対し、シリコン粉の製造法であるが、特許文献2の図1に示されるように、亜鉛ガスを鉛直方向に立設された950〜1200℃の反応管10の側周面に設けられた亜鉛ガス供給口30aから、四塩化珪素ガスを亜鉛ガス供給口30aよりも下方から反応管10の中心軸に沿って上方に向かって吐出させてシリコン粉を生成させ、反応管10内の下部に設けられた上下のゲートバルブ102、103からなるシリコン粉堆積部100の下部ゲートバルブ103(閉状態)上に落下したシリコン粉の堆積量を検知手段(図示せず)等により確認した後、上部ゲートバルブ102を閉鎖状態とし、下部ゲートバルブ103を開放状態として、下方のシリコン粉排出口24から、生成シリコン粉を取り出すことができると開示する。
しかしながら、シリコン粉堆積部100が、950〜1200℃に及ぶ反応管の輻射熱や酸性の反応ガス等にさらされる環境下であるにも拘わらず、ゲートバルブ102、103の材質、構造、サイズ、耐熱性、開閉方法、ゲートバルブ103上のシリコン粉堆積量の検知手段、シリコン粉回収方法等について、当該分野の技術者においても実施をすることができる程度の明確かつ十分な開示が無い。
特開2007−145663号公報 特開2009−107896号公報
前述のとおり、特許文献1に、テトラクロロシランガスを亜鉛ガスで還元して多結晶シリコンを製造する縦型反応器から多結晶シリコンを回収する装置および回収する方法が開示されている。特許文献1の多結晶シリコン製造方法によれば、セラミック材料(石英または炭化珪素製)の縦型反応器を用いて、反応温度800〜1200℃でテトラクロロシランガスを亜鉛ガスで還元して、管状集合多結晶シリコンを製造することができるが、その製品を回収するには、原料ガスの導入を止め、縦型反応器を外気温まで冷却した後、解体または反応器下部を開放する(以降、解体と表現する)必要があった。
すなわち、特許文献1の多結晶シリコン製造方法では、反応器の加熱、冷却の繰り返し(ヒートサイクル)と反応器の解体と組み立ての繰り返しが避けられず、
1)ヒートサイクルと反応器の解体と組み立てに、長い時間や日数を必要とするので、多結晶シリコンの生産性とその製造に費やすエネルギーの利用効率が低くなる。
2)そのヒートサイクルに伴うセラミック材料の熱膨張や収縮の繰り返しが、セラミック製反応器の寿命を短縮する。
などの課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、反応器の加熱と冷却を繰り返すヒートサイクル、および反応器の解体と組み立てを繰り返しで生じる機会損失を回避して、
1)多結晶シリコンの生産性を改善し、
2)製造エネルギーの利用効率を改善し、
3)セラミック製反応器の寿命を延ばす、
多結晶シリコン製造装置および製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、円筒形の反応器を、縦方向に貫通孔を備えた台座に据え付け、その台座の貫通孔の下端開口部にピストンバルブを備えて、多結晶シリコンを製造することで、上記課題が解決されることを見出した。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1]テトラクロロシランガスを亜鉛ガスで還元して多結晶シリコンを製造する装置であって、反応器、前記反応器を据え付ける台座および前記台座に接続する回収部からなる多結晶シリコン製造装置。
[2]前記反応器が、頂部に原料ガスとなる前記テトラクロロシランガスと前記亜鉛ガスの容器内への導入管を備え、外周に加熱装置を備えた円筒形の容器である、[1]に記載の多結晶シリコン製造装置。
[3]前記加熱装置で反応温度800〜1200℃に保たれた前記反応器内に、800〜1200℃の温度範囲に過熱された前記テトラクロロシランガスと前記亜鉛ガスを導入して、前記テトラクロロシランガスの導入管の管口に、管状集合多結晶シリコンを成長させる、[1]または[2]に記載の多結晶シリコン製造装置。
[4]前記台座が、キャスタブルおよび鋼製外皮からなり、前記キャスタブルは、中央部に縦方向の貫通孔を持つ円筒状であって、前記貫通孔の内壁上端に、前記反応器の据え付け部を備え、前記貫通孔の内壁中間部に排ガス口を備え、前記排ガス口下部より前記台座の下端開口部に至るまで前記貫通孔を円錐台状に拡げたピストンバルブの弁座を備え、さらに、前記台座下端の開口部外周に水冷されたOリングを備える、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
[5]前記回収部が、前記ピストンバルブ、押し出し装置、回収容器を備える密閉容器からなる、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
[6]前記ピストンバルブが、弁体とスクリュージャッキからなり、前記弁体が、円錐台状のキャスタブルとそれを支持する鍔付き円盤からなり、前記キャスタブルの側面にセラミック繊維製の断熱材をリング状に備える、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
[7]前記弁体の上面および側面に窒素ガスを噴射して、残留する前記多結晶シリコンを掃い落す窒素ガス噴射装置を備える、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
[8]前記弁体の鍔付き円盤鍔面で前記台座の下端開口部外周に備えられた前記Oリングを圧縮して、および、前記弁座で前記円錐台状のキャスタブル側面に備えられた前記セラミック繊維製の断熱材を圧縮して排ガスを封止する、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
[9]前記キャスタブルは、SiO2およびAl23が主成分で、前記セラミック繊維は、SiO2およびAl23が主成分で、前記Oリングはフッ素ゴムである、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
[10]前記回収容器の材質が石英である、[1]〜[9]のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
[11]頂部に前記テトラクロロシランガスと前記亜鉛ガスを前記容器内へ供給する前記導入管を備え、外周に加熱装置を備えた円筒形の前記反応器を、中央部に縦方向の貫通孔を備え、貫通孔内壁中間部に排ガス口を備える前記台座に据え付け、前記回収容器、前記押し出し装置および前記ピストンバルブからなる回収部を、前記台座の下部に接続し、前記ピストンバルブの弁体を閉じて、前記加熱装置で反応温度800〜1200℃に保たれた反応器内に、800〜1200℃の温度範囲に過熱された前記テトラクロロシランガスと前記亜鉛ガスを導入して、前記テトラクロロシランガスの導入管の管口に、針状および樹枝状の管状集合多結晶シリコンを成長させた後、前記反応温度を維持したまま前記原料ガスの供給を一時停止して、自然にまたは機械的衝撃により前記管口から前記多結晶シリコンを前記ピストンバルブの前記弁体上に落下させ、前記ピストンバルブの前記弁体を、スクリュージャッキにて降下して前記台座の下端を開口させた後、前記押し出し装置の押し出し面で前記ピストンバルブの前記弁体のキャスタブル上面にある前記多結晶シリコンを押し出して、さらに前記窒素ガス噴射装置より噴射する窒素ガスで前記ピストンバルブの前記弁体からこぼれた前記多結晶シリコンを押し出して、前記回収容器へ回収する多結晶シリコン製造方法。
[12]前記ピストンバルブの前記弁体を、前記スクリュージャッキで昇降して台座の下端開口部を開閉する、請求[11]の多結晶シリコン製造方法
[13]前記ピストンバルブ弁体の鍔付き円盤鍔面で、前記台座の下端開口部外周に備える水冷された前記Oリングを圧縮して、および、前記台座の前記弁座で前記ピストンバルブの前記弁体の円錐台状キャスタブル側面にリング状に備える前記セラミック繊維製の断熱材を圧縮して排ガスを封止する、[11]または[12]の多結晶シリコン製造方法。
[14]前記ピストンバルブの前記弁体の上面および側面に窒素ガスを噴射して、残留する前記多結晶シリコンを掃い落す窒素ガス噴射装置を備える、[11]〜[13]のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造方法。
本発明によれば、反応器の加熱、冷却を繰り返すヒートサイクルと反応器の解体と組み立ての繰り返しを回避して、
1)多結晶シリコンの生産性を改善し、
2)製造エネルギーの利用効率を改善し、
3)セラミック製反応器の寿命を延ばす、
多結晶シリコン製造装置および製造方法を提供することができる。
図1は、本発明に係る多結晶シリコン製造装置および製造方法を示す図である。
本発明は、テトラクロロシランガスを亜鉛ガスで還元して多結晶シリコンを製造する装置および方法であって、縦方向に、順次、反応器3、反応器3を据え付ける台座10およびその台座10に接続する回収部40を備える多結晶シリコン製造装置および製造方法に関する。
本発明に係る多結晶シリコン製造装置の特徴は、製品回収時に反応器解体を伴う従来型の製造方式を改良して、高生産性、省エネルギーを達成したことにある。また、本発明に係る多結晶シリコン製造装置は、大きく分類すれば、反応器3、台座10、回収部40の3パーツからなり、必要に応じ、各パーツの分解と組み立てが可能である。組み立て時の気密は、反応器3と台座10の接続の場合、据え付け部の隙間に、例えば、金属線補強セラミック繊維のパッキンを埋め込んで、また、台座10と回収部40の接続の場合、台座10の鋼製外皮15と回収部40の外皮45との機械的接続によって維持される。
以下、図1を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
本発明の反応器3は、頂部に原料ガスとなるテトラクロロシランガスAと亜鉛ガスBの容器内への導入管1、2を備え、下部が開放された円筒形の反応器3であって、その外周に電気式の加熱装置4を備える。また、随意に反応器3の頂部または側面に、多結晶シリコンCに機械的な衝撃を加える装置(図示しない)を備えることができる。
多結晶シリコンCが、800〜1200℃の高温に曝される反応器3の部材から発生する不純物で汚染されないように、反応器3および付属する導入管1、2の材質は、炭化珪素、窒化珪素、石英等から選択されるのが好ましく、石英がより好ましい。
台座10は、大きく分類すれば、キャスタブル11、鋼製外皮15からなり、キャスタブル11は、その中央部に縦方向の貫通孔を持つ円筒状であって、貫通孔の内壁上端に、反応器の据え付け部12を備え、貫通孔の内壁中間に排ガス口13を備え、排ガス口13の下部より台座10の下端に至るまで、貫通孔を円錐台状に拡げたピストンバルブの弁座14を備える。キャスタブル11の側面と下端には、鋼製外皮15を備え、さらに、台座10の下端開口部外周に、水冷装置17にて冷却されたOリング16を備える。
キャスタブル11の材質は、多結晶シリコンCが部材由来の不純物で汚染されない限りにおいて特定されないが、SiO2およびAl23が主成分であるのが好ましい。
鋼製外皮15の材質は、本発明の目的を達成する限りにおいて特定されないが、鋼製であることが好ましい。
回収部40は、外皮45で囲われた容器内に、ピストンバルブの弁体20およびスクリュージャッキ24、多結晶シリコンCの押し出し装置30の押し出し面31、多結晶シリコンCの回収容器50を備え、さらにピストンバルブの弁体20に残留する多結晶シリコンCの粉末を掃い落す窒素ガス噴射装置32を備える。
回収部40の材質は、本発明の目的を達成する限りにおいて特定されないが、台座10の下端開口部を開放した際、回収部40が反応器3からの輻射熱に晒される時間が短く、反応温度下の多結晶シリコンCの滞留時間も短いため、回収部40の内壁(外皮45の内側)、押し出し装置30の押し出し面31、および窒素ガス噴射装置32の温度は、一連の回収作業中において300℃を越えることが無い。
よって、回収部40の内壁(外皮45の内側)、押し出し装置30の押し出し面31、および窒素ガス噴射装置32の材質は鋼製であってもよいが、さらに金属部材との接触による多結晶シリコンCの汚染を避けるには、回収部40の内壁、押し出し装置30の押し出し面31を、SiO2およびAl23が主成分のキャスタブル、炭化珪素、窒化珪素、または石英等を内張りした鋼製とするが好ましい。
また、多結晶シリコンCの回収容器50の材質は、多結晶シリコンCの容器からの汚染を避けるため、炭化珪素、窒化珪素、石英等から選択されるのが好ましく、石英がより好ましい。
ピストンバルブは、弁体20、スクリュージャッキ24、およびその駆動部25からなり、スクリュージャッキ24の伸縮によって、弁体20は上昇および下降して台座10の下端開口部の開閉を行う。
本発明のピストンバルブの弁体20は、円錐台状のキャスタブル21とそれを支持する鍔付き円盤22からなり、さらに、キャスタブル21の側面にリング状に複数配したセラミック繊維製の断熱材23を備える。
ピストンバルブ各部の材質は、本発明の目的を達成する限りにおいて特定されないが、800〜1200℃の反応温度に曝される弁体20のキャスタブル21の材質は、十分に断熱効果を持ったSiO2およびAl23が主成分であるのが好ましい。
また、キャスタブル21を支持する鍔付き円盤22の温度は、反応温度下の多結晶シリコンC回収作業中においても300℃を越えることが無く、またスクリュージャッキ24の温度は、反応温度下の多結晶シリコンC回収作業においても、弁体20により反応器3からの輻射熱が遮られるため100℃を越えることが無いので、これらの材質は、回収部40の部材と同様に、鋼製であってよい。
回収部40の外に置かれるスクリュージャッキ24の駆動部25は常温下かであるため、鋼製であってよい。
反応中における台座10下端開口部の気密維持は、ピストンバルブの弁体20の閉止とそれに伴う複数の補助手段によって達成される。
補助手段のひとつは、鍔付き円盤22の鍔面によるOリング16の圧縮による気密維持であり、さらに、補助手段のひとつは、弁座14の逆円錐形状の内壁による、弁体20の円錐台状キャスタブル21側面に複数備えるリング状セラミック繊維製の断熱材23の圧縮による気密維持である。
台座10の下端開口部外周にOリング16を備えることで、反応器3からの輻射熱に直接曝されることがなく、かつ水冷装置17で水冷されるため、Oリング16の温度は100℃を越えることは無い。
Oリング16の材質は、本発明の目的を達成する限りにおいて特定されないが、例えば、常温で205℃、突発的温度上昇で315℃の耐熱性および耐酸性を備えたバイトン(商標)フッ素ゴムが好ましい。
セラミック繊維製の断熱材23の材質は、本発明の目的を達成する限りにおいて特定されないが、SiO2、および、Al23が主成分の耐熱性および耐酸性を備えたセラミック繊維が好ましく、Al23の含有量が40%以上の、1000℃〜1500℃の耐熱性を備えたリフラクトリーセラミックファイバー、または、Al23の含有量が70%以上の、1000℃〜1700℃の耐熱性を備えたアルミナ繊維から選ばれるのがより好ましい。
多結晶シリコン製造装置のピストンバルブの弁体20で台座10の下端開口部を封じ、加熱装置4で反応器3を反応器内温度が反応温度800〜1200℃になるまで加熱し、排ガスDを排ガス口13で排気しながら、同じく800〜1200℃に過熱された原料ガスのテトラクロロシランガスAと亜鉛ガスBを反応器3内に導入して、テトラクロロシランガスAの導入管1の管口に、多結晶シリコンCを成長させる。
反応時の原料ガスの流れは、原料ガス導入圧力および排ガスDの排気量を制御して、層流とするのが好ましい。反応によって生じる排ガスには、原料ガスの一部と反応ガスおよびシリコン微粒子が含まれる。
反応時間が所定の時間を経ると、多結晶シリコンCは、自然にまたは反応中の機械的衝撃により、テトラクロロシランガスAの導入管1の管口から離脱して、反応器3の下部および台座10の貫通孔を通って、上限位置にあるピストンバルブの弁体20のキャスタブル21上に落下する。
多結晶シリコンCの落下後、反応器3の反応温度を800〜1200℃に保ったまま、排ガスDを排気しながら、原料ガスの供給を停止し、ピストンバルブの弁体20をスクリュージャッキ24で回収部内の下限位置まで降下させる。次に、押し出し装置30の押し出し面31で、ピストンバルブの弁体20上の多結晶シリコンCを押し出して、回収容器50へ回収する。さらに、ピストンバルブの弁体20からこぼれた多結晶シリコンCを、複数の噴射口を備えた窒素ガス噴射装置32からの窒素ガスFで、回収容器50へ押出す。回収の後、再び、ピストンバルブの弁体20をスクリュージャッキ24で上限位置まで上昇させ、原料ガスを供給して反応を再開する。
多結晶シリコンCの回収後、ピストンバルブの弁体20は、スクリュージャッキ24で移動させながら、複数の噴射口を備えた窒素ガス噴射装置32から窒素ガスFをキャスタブル21の上面および側面、さらに鍔付き円盤22の鍔面に噴射して、ピストンバルブの弁体20に残留する多結晶シリコンCを掃い落す。
また、ピストンバルブの弁体20から床面にこぼれた多結晶シリコンもまた窒素ガス噴射装置32で回収容器50に回収する。
窒素ガスFの圧力は0.5〜0.7MPaの範囲にあるのが好ましい。
本発明によれば、反応器の加熱と冷却を繰り返すヒートサイクル、および反応器の解体と組み立ての繰り返しで生じる機会損失を回避して、
1)多結晶シリコンの生産性を改善し、
2)製造エネルギーの利用効率を改善し、
3)セラミック製反応器の寿命を延ばす、
多結晶シリコン製造装置および製造方法を提供することができる。
[実施例1]
図1に示す、多結晶シリコン製造装置を用いて、多結晶シリコンの回収実験を行った。反応器3には、内径500mm、高さ1500mmの石英製の円筒容器を用いた。
反応器3の天井の中心に、内径35mmの石英製の亜鉛ガスの導入管2が1本、さらに亜鉛ガスの導入管2を中心として半径175mmの円周を等間隔に分割する位置に内径35mmの石英製のテトラクロロシランガスの導入管1が6本取り付けられている。
図1に示す、多結晶シリコン製造装置において、テトラクロロシランガス導入管1、排ガス口13および弁座14を閉じ、亜鉛ガス導入管2から空気を吹き込んで、多結晶シリコン製造装置の気密試験を行った。その結果、台座10に付属する圧力計5を用いて、反応器3が規定(0.5kPa)の気密を維持できることを確認した。
弁座14の閉鎖は、スクリュージャッキ24によってピストンバルブの弁体20を、押付け力約2tで、台座10下端および弁座14に押付けて、台座10下端開口部の外周に備えるOリング16、および弁体20のキャスタブル21側面の2箇所に備えられたリング状のセラミック繊維製の断熱材23を圧縮して行った。
予め、図1の多結晶シリコン製造装置を使って、原料を入れずに、反応器を反応器の加熱装置4で950℃に3時間に渡って加熱して、ピストンバルブの弁体20の各部他に熱電対を配置して温度分布を測定した。
3時間後の、ピストンバルブの弁体20の上面は、反応温度の影響で約900℃であった。ピストンバルブの弁体20の側面には、上面から側面に至って約900〜100℃の温度勾配が形成されていた。
また、台座10の下端に備わるOリング16の水冷装置17の徐熱量を制御して、反応器の950℃加熱時においても、ピストンバルブの弁体20の鍔付き円盤22の温度が、約80℃になるように設定した。
外部のテトラクロロシラン気化器および亜鉛気化器で、それぞれ950℃に加熱されたテトラクロロシランガスAおよび亜鉛ガスBを原料ガスとして、それぞれ時間当たり170Kgおよび130Kgの割合で、反応器の加熱装置4で950℃に加熱された反応器3内に送り込んで、多結晶シリコンCを生成させる亜鉛還元反応を実施した。
多結晶シリコンCの落下時において、反応器3内部の圧力および温度トレンドに多結晶シリコンCの落下を示す瞬時ピークおよび変化が現れるので、あらましの多結晶シリコンの落下回数を予測することができた。1時間毎に回収操作を入れながら約3時間に渡って反応を終了した。
1時間毎の回収操作は、次のように行った。まず、反応器の頂部設けられた掻き取り装置によりテトラクロロランガスの導入管に残存する多結晶シリコンを掻き落とし、次に、原料ガスの供給を止め、さらに、反応器の加熱装置4を停止した後、ピストンバルブの弁体20を開放して、多結晶シリコンCの回収を実施した。スクリュージャッキ24にて、ピストンバルブの弁体20を閉止(上限)位置から下限位置まで降下させる所要時間は、約2分であった。
ピストンバルブの弁体20が下限位置まで降下した後、回収部40の外皮45に設置した覘き窓から回収部を目視で確認したところ、ピストンバルブの弁体20の降下過程で、多結晶シリコンCの約1/3がピストンバルブの弁体20よりこぼれていた。
押し出し装置30の駆動部25を作動して、押し出し面31で弁体20の上面のポリシリコンを、約1分で回収容器50へ回収した。
押し出し装置30の押し出し面31を、約1分で壁面の待機位置まで移動させたのち、窒素ガス噴射装置32を用いて、弁体20よりこぼれたポリシリコンを、窒素ガス噴射により約2分で回収容器へ全量回収した。同時に、ピストンバルブの弁体20のキャスタブル21側面、および鍔付き円盤22の付着物の払い落としを実施した。
開放されたピストンバルブの弁体20の観察では、排ガスのうち、亜鉛ガス(沸点908℃、融点419℃)および塩化亜鉛ガス(沸点732℃、融点275°)は、ピストンバルブの弁体20の側面で固化し、セラミック繊維製の断熱材23より下部への侵入が見られなかった。
排ガスのうち、テトラクロロシランガス(沸点57℃、)もまた、鍔付き円盤22の温度がテトラクロロシランの沸点(57℃)温度以上、すなわち約80℃に維持されているので、ピストンバルブの弁体20より下部への侵入が見られなかった。
回収作業に伴う、上面温度が約900℃であるピストンバルブの弁体20からの輻射により、回収部40内の温度は約90℃に上昇したが、スクリュージャッキ24にて弁体20を上限位置まで上昇させた時間約2分を加え、一連の回収作業に要した時間が合計約8分間であったために、回収部40の外皮45温度は50℃以上に上昇することは無かった。さらに、弁体20の傘下に位置するスクリュージャッキ24の温度は外気温度に近い温度であった。
多結晶シリコンCの回収作業を終了した後、反応器3内部を窒素ガスで一定時間置換したのち、所定の手順で原料ガスの供給を開始し、多結晶シリコンCの製造を再開した。
反応時間が1時間に及ぶ度に上記の回収作業を繰り返し、3時間に渡った反応を終了した後、ピストンバルブの閉止を確認して、回収部40内を空気で置換し、フランジ41を切離して多結晶シリコンCの取り出しを行った。
取り出された多結晶シリコンCの量から、本実験では、反応単位時間当たり約23Kgの多結晶シリコンCが製造されていたことが分かった。
A テトラクロロシランガス
B 亜鉛ガス
C 多結晶シリコン
D 排ガス
E 排ガス
F 窒素ガス
G 空気
1 テトラクロロシランガスの導入管
2 亜鉛ガスの導入管
3 反応器
4 反応器の加熱装置
5 圧力計
6 温度計
10 台座
11 台座のキャスタブル
12 反応器の据え付け部
13 排ガス口
14 弁座
15 鋼製外皮
16 Oリング
17 O−リングの水冷装置
20 ピストンバルブの弁体
21 弁体のキャスタブル
22 弁体の鍔付き円盤
23 セラミック繊維製の断熱材
24 スクリュージャッキ
25 スクリュージャッキの駆動部
30 押し出し装置
31 押し出し面
32 窒素ガス噴射装置
40 回収部
41 フランジ
42 排ガス出口
43 空気入口
44 Oリング
45 外皮
50 回収容器

Claims (14)

  1. テトラクロロシランガスを亜鉛ガスで還元して多結晶シリコンを製造する装置であって、
    反応器、前記反応器を据え付ける台座および前記台座に接続する回収部からなる多結晶シリコン製造装置。
  2. 前記反応器が、頂部に原料ガスとなる前記テトラクロロシランガスと前記亜鉛ガスの容器内への導入管を備え、外周に加熱装置を備えた円筒形の容器である、請求項1に記載の多結晶シリコン製造装置。
  3. 前記加熱装置で反応温度800〜1200℃に保たれた前記反応器内に、800〜1200℃の温度範囲に過熱された前記テトラクロロシランガスと前記亜鉛ガスを導入して、前記テトラクロロシランガスの導入管の管口に、前記多結晶シリコンの管状集合体を成長させる、請求項1または2に記載の多結晶シリコン製造装置。
  4. 前記台座が、キャスタブルおよび鋼製外皮からなり、前記キャスタブルは、中央部に縦方向の貫通孔を持つ円筒状であって、前記貫通孔の内壁上端に、前記反応器の据え付け部を備え、前記貫通孔の内壁中間部に排ガス口を備え、前記排ガス口下部より前記台座の下端開口部に至るまで前記貫通孔を円錐台状に拡げたピストンバルブの弁座を備え、さらに、前記台座下端の開口部外周に水冷されたOリングを備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
  5. 前記回収部が、前記ピストンバルブ、押し出し装置、回収容器を備える密閉容器からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
  6. 前記ピストンバルブが、弁体とスクリュージャッキからなり、前記弁体が、円錐台状のキャスタブルとそれを支持する鍔付き円盤からなり、前記キャスタブルの側面にセラミック繊維製の断熱材をリング状に備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
  7. 前記弁体の上面および側面に窒素ガスを噴射して、残留する前記多結晶シリコンを掃い落す窒素ガス噴射装置を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
  8. 前記弁体の鍔付き円盤の鍔面で前記台座の下端開口部の外周に備わる前記Oリングを圧縮して、および、前記弁座で前記円錐台状のキャスタブル側面に備わる前記セラミック繊維製の断熱材を圧縮して排ガスを封止する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
  9. 前記キャスタブルは、SiO2およびAl23が主成分で、前記セラミック繊維は、SiO2およびAl23が主成分で、前記Oリングはフッ素ゴムである、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
  10. 前記回収容器の材質が石英である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造装置。
  11. 頂部に前記テトラクロロシランガスと前記亜鉛ガスを前記容器内へ供給する前記導入管を備え、外周に加熱装置を備えた円筒形の前記反応器を、中央部に縦方向の貫通孔を備え、貫通孔内壁中間部に排ガス口を備える前記台座に据え付け、前記回収容器、前記押し出し装置および前記ピストンバルブからなる回収部を、前記台座の下部に接続し、前記ピストンバルブの弁体を閉じて、前記加熱装置で反応温度800〜1200℃に保たれた反応器内に、800〜1200℃の温度範囲に過熱された前記テトラクロロシランガスと前記亜鉛ガスを導入して、前記テトラクロロシランガスの導入管の管口に、針状および樹枝状の前記多結晶シリコンの管状凝集体(以下「管状集合多結晶シリコン」という。)を成長させた後、前記反応温度を維持したまま原料ガスの供給を一時停止して、自然にまたは機械的衝撃により前記管口から前記多結晶シリコンを前記ピストンバルブの弁体上に落下させ、前記ピストンバルブの前記弁体を降下して前記台座の下端を開口した後、前記押し出し装置の押し出し面で前記ピストンバルブの前記弁体のキャスタブル上面にある前記多結晶シリコンを押し出して、さらに窒素ガス噴射装置より噴射する前記窒素ガスで前記ピストンバルブの前記弁体からこぼれた前記多結晶シリコンを押し出して、前記回収容器へ回収する多結晶シリコン製造方法。
  12. 前記ピストンバルブの前記弁体を、前記スクリュージャッキで昇降して前記台座の下端開口部を開閉する、請求項11の多結晶シリコン製造方法。
  13. 前記ピストンバルブの前記弁体の鍔付き円盤鍔面で、前記台座の下端開口部外周に備える水冷された前記Oリングを圧縮して、および、前記台座の前記弁座で前記ピストンバルブの前記弁体の円錐台状キャスタブル側面にリング状に備える前記セラミック繊維製の断熱材を圧縮して排ガスを封止する、請求項11または12の多結晶シリコン製造方法。
  14. 前記ピストンバルブの前記弁体の上面および側面に窒素ガスを噴射して、残留する前記多結晶シリコンを掃い落す窒素ガス噴射装置を備える、請求項11〜13のいずれか1項に記載の多結晶シリコン製造方法。
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