JP2014022440A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Tatsuya Nishimura
達也 西村
Kyoji Kamata
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Abstract

【課題】未焼成の積層体をプレスした際の積層体の歪みを抑制することができる積層セラミック電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】積層セラミック電子部品の製造方法は、内部電極を表面に設けた複数のセラミックグリーンシートを積み重ねて、互いに対向する第1主面10aおよび第2主面10bと、外周面10cとを有しているマザー積層体10を形成する工程と、マザー積層体10を上仕切り用剛体板14および下仕切り用剛体板12によって挟み込んだ後、マザー積層体10の外周面10c、並びに、上切り用剛体板14および下仕切り用剛体板12のそれぞれの外周面14c,12cを、弾性体枠22によって覆うように保持し、マザー積層体10を静水圧プレスして圧着する工程と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、積層コンデンサなどの積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
一般的に、積層セラミック電子部品は、以下のような製造方法で作成される。
先ず、セラミック材料のスラリーが作成される。このスラリーはドクターブレード法でシート状に成形され、セラミックグリーンシートが作成される。このセラミックグリーンシートの表面に、内部電極が形成される。
次に、内部電極を表面に形成したセラミックグリーンシートが、複数枚積み重ねられ、未焼成の積層体が形成される。未焼成の積層体はプレスされ、積み重ねられたセラミックグリーンシートが圧着された後、所定の製品サイズに切断され、焼成される。焼成された積層体は、その表面に外部電極が形成されて製品とされる。
ここで、未焼成の積層体をプレスする方法としては、例えば、特許文献1に記載されている静水圧プレス法が知られている。この静水圧プレス法は、図17に示すように、下仕切り用剛体板70の上に額縁形状の金属製枠72が載置される。そして、未焼成の積層体60が、下仕切り用剛体板70と金属製枠72とによって形成された凹部71内に入れられた後、さらに袋(図示せず)に入れられて真空密封される。この後、未焼成の積層体60を含む組立体は、水中に沈められて、水に圧力が加えられる。これによって、未焼成の積層体60には、矢印Fで示す静水圧がかけられて圧着される。
また、特許文献2に記載されている静水圧プレス法も知られている。この静水圧プレス法は、未焼成の積層体が金属製枠内に入れられた後、さらに袋に入れられて真空密封される。この後、未焼成の積層体は、その第1主面および第2主面に保持用治具が当接され、保持用治具によって保持された状態で、水中に沈められて、水に圧力が加えられる。これによって、未焼成の積層体には、静水圧がかけられて圧着される。
特開平2−161713号公報 特開平8−213275号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の静水圧プレス法は、未焼成の積層体60を金属製枠72内に入れる方法であるため、作業性などを考慮して、金属製枠72の内周面72aと未焼成の積層体60の外周面60cとの間に、所定の隙間Sを確保しておく必要があった。なお、隙間Sは未焼成の積層体60の寸法バラツキによっても生じる。さらに、静水圧は、金属製枠72の内周面72aに対向していない積層体60の第1主面60aおよび第2主面60bには印加されるけれども、金属製枠72の内周面72aに対向している積層体60の外周面60cには印加されない。
このため、図18に示すように、静水圧が未焼成の積層体60の第1主面60aおよび第2主面60bに印加されると、積層体60が変形して、金属製枠72の内周面72aと積層体60の外周面60cとの間に形成されている隙間Sを埋め、積層体60に歪みが生じるという問題があった。
それゆえに、本発明の目的は、未焼成の積層体をプレスした際の積層体の歪みを抑制することができる積層セラミック電子部品の製造方法を提供することである。
本発明は、
内部電極を表面に設けた複数のセラミックグリーンシートを積み重ねて、互いに対向する第1主面および第2主面と、外周面とを有している積層体を形成する工程と、
積層体の第1主面および第2主面に、それぞれ、第1仕切り用剛体板および第2仕切り用剛体板を当接させて、積層体を第1仕切り用剛体板および第2仕切り用剛体板によって挟み込んだ後、積層体の外周面、並びに、第1仕切り用剛体板および第2仕切り用剛体板のそれぞれの外周面を、弾性体枠によって覆うように保持し、積層体をプレスして圧着する工程と、
を備えていること、を特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法である。
本発明では、積層体の外周面、並びに、第1仕切り用剛体板および第2仕切り用剛体板のそれぞれの外周面を、弾性体枠によって覆うように保持するため、積層体の外周面と弾性体枠の内周面との間に隙間は生じない。さらに、プレス圧が、積層体の第1主面、第2主面および外周面に均等に印加される。このため、プレス圧が積層体に印加されても、積層体は変形しにくく、歪みも生じにくい。
また、本発明は、弾性体枠の材質はゴムであること、を特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法である。ゴム製の弾性体枠は、積層体の外周面、並びに、第1仕切り用剛体板および第2仕切り用剛体板のそれぞれの外周面を、容易に覆うことができる。
また、本発明は、
内部電極を表面に設けた複数のセラミックグリーンシートを積み重ねて、互いに対向する第1主面および第2主面と、外周面とを有している積層体を形成する工程と、
積層体の第1主面および第2主面に、それぞれ、第1仕切り用剛体板および第2仕切り用剛体板を当接させて、積層体を第1仕切り用剛体板および第2仕切り用剛体板によって挟み込んだ後、積層体をプレスして圧着する工程と、を備え、
積層体の外形寸法と第1仕切り用剛体板および第2仕切り用剛体板のそれぞれの外形寸法との差が、±1mm以下であること、
を特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法である。
本発明では、プレス圧が、積層体の第1主面、第2主面および外周面に均等に印加される。このため、プレス圧が積層体に印加されても、積層体は変形しにくく、歪みも生じにくい。
また、本発明は、プレスが静水圧プレスであること、を特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法である。これにより、積層体の第1主面、第2主面および外周面に、静水圧が均等にかつ容易に印加される。
また、本発明は、プレスが積層体を多段プレスすること、を特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法である。これにより、未焼成の積層体が、生産性良く圧着される。
本発明によれば、未焼成の積層体をプレスした際に、プレス圧が、積層体の第1主面、第2主面および外周面に均等に印加される。従って、未焼成の積層体をプレスした際の積層体の変形や歪みを抑制することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第1の実施の形態を説明するためのマザー積層体を示す斜視図である。 弾性体枠によって保持された、仕切り用剛体板やマザー積層体などからなる組立体を説明するための構成断面図である。 弾性体枠を説明するための平面図である。 組立体が袋に真空密封された状態を示す斜視図である。 組立体が静水圧プレス装置にセットされた状態を示す概略断面図である。 (A)は本実施の形態の静水圧プレス法を説明するための構成断面図であり、(B)はその模式平面図である。 本実施の形態の静水圧プレス前後のマザー積層体の状態を示す模式平面図である。 本実施の形態の製造方法によって得られた積層コンデンサを示す斜視図である。 図8に示した積層コンデンサの断面図である。 本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第2の実施の形態を説明するための構成断面図である。 本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第3の実施の形態を説明するための構成断面図である。 本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第4の実施の形態を説明するための構成断面図である。 比較例のプレス方法を説明するための構成断面図である。 試料の測定箇所を示すプロット図である。 実施例のマザー積層体の歪み量を測定した結果を示すグラフである。 比較例のマザー積層体の歪み量を測定した結果を示すグラフである。 (A)は従来のプレス法を説明するための構成断面図であり、(B)はその模式平面図である。 従来の静水圧プレス前後の積層体の状態を示す模式平面図である。
(第1の実施の形態)
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第1の実施の形態を、積層コンデンサを例にして説明する。
先ず、セラミック材料の粉末が、有機バインダおよび有機溶剤と共に混合され、スラリーとされる。セラミック材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などを主成分とする誘電体セラミックが用いられる。あるいは、これらの主成分に、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分が添加されたものが用いられる。
このスラリーは、ドクターブレード法によってシート状に成形された後、乾燥されてセラミックグリーンシート1(図1参照)とされる。セラミックグリーンシート1の厚みは、0.5〜50μmであることが好ましい。
次に、セラミックグリーンシート1の上に、例えば、スクリーン印刷法などによって、内部電極用導電性ペーストが塗布され、所定の内部電極パターン2(もしくは内部電極パターン4)が形成される。内部電極パターン2,4の材料としては、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどが用いられる。内部電極パターン2,4の厚みは、0.3〜2.0μmであることが好ましい。
次に、図1に示すように、内部電極パターン2,4が形成されていない外層用セラミックグリーンシート1が、所定枚数積み重ねられた後、その上に、内部電極パターン2が形成された内層用セラミックグリーンシート1と内部電極パターン4が形成された内層用セラミックグリーンシート1とが交互に所定枚数積み重ねられる。さらに、その上に、内部電極パターン2,4が形成されていない外層用セラミックグリーンシート1が、所定枚数積み重ねられる。
こうして、マザー積層体10が作成される。マザー積層体10は、互いに対向する第1主面(上側主面)10aおよび第2主面(下側主面)10bと、外周面10cとを有している。
次に、マザー積層体10は、静水圧プレス法などによって、セラミックグリーンシート1の積み重ね方向にプレスされ、圧着される。
より具体的には、図2に示すように、下仕切り用剛体板12、第1PETフィルム16、マザー積層体10、第2PETフィルム17、ラバーシート20および上仕切り用剛体板14が、この順に積み重ねられる。
すなわち、マザー積層体10の第2主面10bに、第1PETフィルム16を介して下仕切り用剛体板12が当接される。マザー積層体10の第1主面10aに、第2PETフィルム17およびラバーシート20を介して上仕切り用剛体板14が当接される。これによって、マザー積層体10は、下仕切り用剛体板12および上仕切り用剛体板14によって挟み込まれる。なお、PETフィルム16,18およびラバーシート20は、必ずしも必要なものではない。
下仕切り用剛体板12および上仕切り用剛体板14の材料としては、例えば、金属などが用いられる。
PETフィルム16,17は、プレス後のマザー積層体10と仕切り用剛体板12,14との分離を容易にする。PETフィルム16,17の厚みは、例えば、30〜250μmである。
ラバーシート20は、内部電極パターン2,4が配設されている部分にかかるプレス圧と、その他のセラミックグリーンシート1のみの部分にかかるプレス圧とが、均一になるように機能して、セラミックグリーンシート1の相互の密着力を十分なものにする。
その後、マザー積層体10の外周面10c、下仕切り用剛体板12の外周面12cおよび上仕切り用剛体板14の外周面14cが、図3に示す弾性体枠22によって覆われるように保持される。こうして、仕切り用剛体板12,14やマザー積層体10や弾性体枠22などからなる組立体24Aが、組み立てられる。
額縁形状の弾性体枠22は、4辺を構成している枠部22a,22b,22c,22dの横断面がコ字形をしている。弾性体枠22の枠部22a,22b,22c,22dは、一体化されていることが好ましい。なぜなら、弾性体枠22が、プレス時において、組立体24Aから外れ難く、安定して組立体24Aを保持できるからである。
枠部22a,22b,22c,22dの上端部は、それぞれ、上仕切り用剛体板14の外周面14cの上側稜部を回り込んで、上仕切り用剛体板14の第1主面(上側主面)14aに延在している。枠部22a,22b,22c,22dの下端部は、それぞれ、下仕切り用剛体板12の外周面12cの下側稜部を回り込んで、下仕切り用剛体板12の第2主面(下側主面)12bに延在している。従って、組立体24Aは、堅固に保持され、型崩れを防止することができ、後工程での取り扱いが容易になる。
弾性体枠22の材質は、例えば、ゴムやビニールなどであり、従来の金属製枠と比較して軽量となる。特に、ゴムの場合、組立体24Aに、弾性体枠22が容易に取り付けられ、型崩れも起こし難い。
次に、マザー積層体10が、プレスされて圧着される。プレスの方法は、例えば、静水圧プレス法などが用いられる。静水圧プレス法は、図4に示すように、組立体24Aが、袋48に入れられて真空密封される。このとき、仕切り用剛体板12,14の角部が、弾性体枠22によって囲われているため、静水圧がかけられても、仕切り用剛体板12,14の角部による袋48の損傷や破れが防止される。
次に、図5に示すように、袋48に真空密封された組立体24Aは、静水圧プレス装置50の水槽52内の水56の中に浸漬される。その後、水槽52は蓋54によって閉じられ、水槽52内の水56に静水圧が加圧される。これによって、図6に示すように、マザー積層体10の主面10a,10bが、それぞれ、仕切り用剛体板12,14を介して均等に矢印Fで示す静水圧で加圧されると共に、マザー積層体10の外周面10cが、弾性体枠22を介して均等に矢印Fで示す静水圧で加圧される。
ここで、仕切り用剛体板12,14、PETフィルム16,17、マザー積層体10およびラバーシート20の外形寸法は、相互に等しいことが好ましい。
ただし、マザー積層体10の外形寸法が、仕切り用剛体板12,14の外形寸法より若干(1mm程度)小さい場合でも、静水圧プレスにおいて、マザー積層体10のプレス歪みは殆んど悪化しない。これは、弾性体枠22が、その伸縮性によって、仕切り用剛体板12,14とマザー積層体10との相互の外形寸法の変動に追従することができるからである。すなわち、弾性体枠22が、下仕切り用剛体板12の外周面12cと上仕切り用剛体板14の外周面14cとの間に形成された凹部に沿って窪むため、マザー積層体10の外周面10cにも均等に静水圧を印加することができるからである。
一方、マザー積層体10の外形寸法が、仕切り用剛体板12,14の外形寸法より若干(1mm程度)大きい場合は、静水圧プレスにおいて、マザー積層体10のプレス歪みは大きく悪化する。
以上のように、マザー積層体10の外周面10c、並びに、仕切り用剛体板12,14のそれぞれの外周面12c,14cが、弾性体枠22によって覆うように保持されているため、マザー積層体10の外周面10cと弾性体枠22の内周面との間に隙間は生じない。さらに、静水圧が、マザー積層体10の第1主面10a、第2主面10bおよび外周面10cに均等に印加される。このため、図7に示すように、静水圧がマザー積層体10に印加されても、マザー積層体10は変形しにくく、歪みも生じにくい。
次に、組立体24Aが袋48から取り出され、マザー積層体10から弾性体枠22や仕切り用剛体板12,14などが外された後、マザー積層体10は所定の製品サイズにカットされる。製品サイズにカットされた未焼成の積層体30は、バレル研磨などによって、角部や稜部に丸みが形成される。
次に、積層体30が焼成される。焼成温度は、セラミックグリーンシート1や内部電極パターン2,4の材料に依存するけれども、900〜1300℃であることが好ましい。セラミックグリーンシート1は、焼成によって誘電体セラミック層となる。誘電体セラミック層1の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましい。
次に、図8に示すように、焼成後の積層体30の両端部に、外部電極用導電性ペーストが浸漬法によって塗布され、焼き付けられる。これによって、積層体30の両端部に、それぞれ、外部電極32,34が形成される。外部電極32,34の材料としては、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどが用いられる。外部電極32,34の厚み(最も厚い部分)は、10〜50μmであることが好ましい。焼付け温度は、700〜900℃であることが好ましい。
なお、外部電極32,34は、めっき法によって形成したり、熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂を硬化させて形成したりしてもよい。
この後、はんだ付け性や耐湿性などを良好にするため、必要に応じて、外部電極32,34の表面にめっき層が形成される。めっき層の材料としては、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどが用いられる。めっき層は、複数層で構成されていてもよい。好ましくは、Niめっき層(一次めっき層)とSnめっき層(二次めっき層)の2層構造である。1つのめっき層の厚みは、1〜10μmであることが好ましい。さらに、応力緩和のための導電性樹脂層が、外部電極32,34とめっき層との間に形成されていてもよい。
このようにして得られた積層コンデンサ36は、図9に示すように、内部電極パターン2と内部電極パターン4とが、厚み方向において、誘電体セラミック層1を介して対向している。この内部電極パターン2と内部電極パターン4とが、誘電体セラミック層1を介して対向している部分に静電容量が形成されている。
内部電極パターン2の左側端部2aは、積層体30の左側端面に引き出されて外部電極32に電気的に接続されている。内部電極パターン4の右側端部4aは、積層体30の右側端面に引き出されて外部電極34に電気的に接続されている。
(第2の実施の形態)
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第2の実施の形態を、積層コンデンサを例にして説明する。
第2の実施の形態は、マザー積層体を多段プレス(2段プレス)することを残して、前記第1の実施の形態と同様のものである。
より具体的には、図10に示すように、組立体24Bは、下仕切り用剛体板12、第1PETフィルム16、第1マザー積層体10、第2PETフィルム17、第1ラバーシート20、中間仕切り用剛体板13、第2ラバーシート21、第3PETフィルム18、第2マザー積層体11、第4PETフィルム19および上仕切り用剛体板14が、この順に積み重ねられることによって組み立てられる。
すなわち、第1マザー積層体10の第2主面10bは、第1PETフィルム16を介して、下仕切り用剛体板12に当接される。第1マザー積層体10の第1主面10aは、第2PETフィルム17および第1ラバーシート20を介して、中間仕切り用剛体板13の下側面に当接される。
同様に、第2マザー積層体11の第2主面11bは、第2ラバーシート21および第3PETフィルム18を介して、中間仕切り用剛体板13の上側面に当接される。第2マザー積層体11の第1主面11aは、第4PETフィルム19を介して、上仕切り用剛体板14に当接される。これによって、第1マザー積層体10は、下仕切り用剛体板12および中間仕切り用剛体板13によって挟み込まれ、第2マザー積層体11は、中間仕切り用剛体板13および上仕切り用剛体板14によって挟み込まれる。なお、PETフィルム16〜19およびラバーシート20,21は、必ずしも必要なものではない。
その後、マザー積層体10の外周面10c、下仕切り用剛体板12の外周面12c、中間仕切り用剛体板13の外周面13cおよび上仕切り用剛体板14の外周面14cが、弾性体枠22によって覆われるように保持される。
次に、マザー積層体10,11が、前記第1の実施の形態の製造方法と同様に、静水圧プレスされて圧着される。これ以降の製造方法は、前記第1の実施の形態の製造方法と同様の方法であるため、その説明は省略する。第2の実施の形態は、マザー積層体を多段プレスしているため、生産性が向上する。
(第3の実施の形態)
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第3の実施の形態を、積層コンデンサを例にして説明する。
第3の実施の形態の製造方法は、弾性体枠22を使用しないことを残して、前記第1の実施の形態の製造方法と同様のものである。
より具体的には、図11に示すように、組立体24Cは、下仕切り用剛体板12、第1PETフィルム16、マザー積層体10、第2PETフィルム17、ラバーシート20および上仕切り用剛体板14が、この順に積み重ねられることによって組み立てられる。
すなわち、マザー積層体10の第2主面10bに、第1PETフィルム16を介して下仕切り用剛体板12が当接される。マザー積層体10の第1主面10aに、第2PETフィルム17およびラバーシート20を介して上仕切り用剛体板14が当接される。これによって、マザー積層体10は、下仕切り用剛体板12および上仕切り用剛体板14によって挟み込まれる。なお、PETフィルム16,18およびラバーシート20は、必ずしも必要なものではない。
ここで、マザー積層体10の外形寸法と仕切り用剛体板12,14の外形寸法との差は、±1mm以下に設定されている。これにより、後工程のプレス工程において、マザー積層体10のプレス歪みは殆んど悪化しない。一方、マザー積層体10の外形寸法と仕切り用剛体板12,14の外形寸法との差が、±1mmを越える場合は、後工程のプレス工程において、マザー積層体10のプレス歪みは大きく悪化する。
次に、マザー積層体10が、プレスされて圧着される。プレスの方法は、例えば、静水圧プレス法などが用いられる。静水圧プレス法は、図4に示すように、組立体24Cが、袋48に入れられて真空密封される。
次に、図5に示すように、袋48に真空密封された組立体24Cは、静水圧プレス装置50の水槽52内の水56の中に浸漬される。その後、水槽52は蓋54によって閉じられ、水槽52内の水56に静水圧が加圧される。これによって、マザー積層体10の主面10a,10bが、それぞれ、仕切り用剛体板12,14を介して均一に加圧されると共に、マザー積層体10の外周面10cが、それぞれ、袋48を介して均一に加圧される。
次に、組立体24Cが袋48から取り出され、マザー積層体10から仕切り用剛体板12,14などが外された後、マザー積層体10は所定の製品サイズにカットされる。これ以降の製造方法は、前記第1の実施の形態の製造方法と同様の方法であるため、その説明は省略する。
第3の実施の形態は、弾性体枠22を使用しないため、前記第1の実施の形態の製造方法と比較して、組立体24Cの取り扱いが煩雑となる。また、静水圧プレスの際に、組立体24Cを袋48に入れる作業性が低下する。しかしながら、静水圧が、マザー積層体10の第1主面10a、第2主面10bおよび外面面10cに均等にかかるので、マザー積層体10の変形や歪みを抑制することができる。
(第4の実施の形態)
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第4の実施の形態を、積層コンデンサを例にして説明する。
第4の実施の形態は、マザー積層体を多段プレス(2段プレス)することを残して、前記第3の実施の形態と同様のものである。
より具体的には、図12に示すように、組立体24Dは、下仕切り用剛体板12、第1PETフィルム16、第1マザー積層体10、第2PETフィルム17、第1ラバーシート20、中間仕切り用剛体板13、第2ラバーシート21、第3PETフィルム18、第2マザー積層体11、第4PETフィルム19および上仕切り用剛体板14が、この順に積み重ねられることによって組み立てられる。
すなわち、第1マザー積層体10の第2主面10bは、第1PETフィルム16を介して、下仕切り用剛体板12に当接される。第1マザー積層体10の第1主面10aは、第2PETフィルム17および第1ラバーシート20を介して、中間仕切り用剛体板13の下側面に当接される。
同様に、第2マザー積層体11の第2主面11bは、第2ラバーシート21および第3PETフィルム18を介して、中間仕切り用剛体板13の上側面に当接される。第2マザー積層体11の第1主面11aは、第4PETフィルム19を介して、上仕切り用剛体板14に当接される。これによって、第1マザー積層体10は、下仕切り用剛体板12および中間仕切り用剛体板13によって挟み込まれ、第2マザー積層体11は、中間仕切り用剛体板13および上仕切り用剛体板14によって挟み込まれる。
次に、マザー積層体10,11が、前記第3の実施の形態の製造方法と同様に、静水圧プレスされて圧着される。これ以降の製造方法は、前記第3の実施の形態の製造方法と同様の方法であるため、その説明は省略する。第4の実施の形態は、マザー積層体を多段プレスしているため、生産性が向上する。
(実施例と比較例)
実施例として、弾性体枠を使用した前記第2の実施の形態の製造方法で、マザー積層体10,11が合計4つ作成された。
マザー積層体10,11のセラミックグリーンシート1の焼成前の厚みは、2.9μmである。セラミック材料はBaTiO3である。外層用セラミックグリーンシート1は28枚で、内層用セラミックグリーンシート1は334枚である。内部電極2の焼成前の厚みは0.65μmである。内部電極2の材料はNiである。弾性体枠22の材料はゴムである。下仕切り用剛体板12、中間仕切り用剛体板13および上仕切り用剛体板14の材料は、金属である。
また、比較例として、図13に示す従来の金属製枠72を使用した静水圧プレス方法で、マザー積層体60,61が合計4つ作成された。
図13に示すように、マザー積層体60,61よりサイズの大きい下仕切り用剛体板70の上に額縁形状の金属製枠72が載置される。そして、下仕切り用剛体板70と金属製枠72とによって形成された凹部71内に、第1PETフィルム76、第1マザー積層体60、第2PETフィルム77、第1ラバーシート80、中間仕切り用剛体板73、第2ラバーシート81、第3PETフィルム78、第2マザー積層体61、第4PETフィルム79および上仕切り用剛体板74が、この順に積み重ねられる。
マザー積層体60,61のセラミックグリーンシートや内部電極などの仕様は、マザー積層体10,11と同様である。
(プレス後のマザー積層体の歪み量測定)
作成した静水圧プレス後のマザー積層体10,11(実施例)とマザー積層体60,61(比較例)のそれぞれの歪み量が、Nicon社製のNEXIV(VMR3020)を用いて測定された。
図14に示すように、静水圧プレス後のマザー積層体10,11,60,61の内部電極2の中心座標点「1」〜「81」が、原点位置(図14において、内部電極2の中心座標点「41」の位置)からプロットされてグラフ化された。
そして、内部電極2の中心座標点の縦列(Y軸方向に平行な列)ごとに、内部電極2の中心座標点のX方向の位置ずれが数値化され、正方向の最大位置ずれ量と負方向の最大位置ずれ量との合計値が、縦列ごとの歪み量として算出される。
例えば、左端の縦列の歪み量を算出する場合を例にして、具体的に説明する。内部電極2の中心座標点「1」と中心座標点「73」とを結んだ直線に対して、中心座標点「10」、中心座標点「19」、中心座標点「28」、中心座標点「37」、中心座標点「46」、中心座標点「55」および中心座標点「64」のそれぞれのX方向のずれ量が測定される。表1は測定結果を示す。
Figure 2014022440
表1から、正方向の最大位置ずれ量は、中心座標点「19」のX方向のずれ量+5であり、負方向の最大位置ずれ量は、中心座標点「37」のY方向のずれ量−6である。従って、両者の合計値(すなわち、左端の縦列の歪み量)は5+6=11となる。図14には、左端の縦列のX方向のずれ量を折れ線L1で表示している。折れ線L1は、辺中央部が膨張している。
同様に、内部電極2の中心座標点の横列(X軸方向に平行な列)ごとに、内部電極2の中心座標点のY方向の位置ずれが数値化され、正方向の最大位置ずれ量と負方向の最大位置ずれ量との合計値が、横列ごとの歪み量として算出される。
例えば、上端の横列の歪み量を算出する場合を例にして、具体的に説明する。内部電極2の中心座標点「1」と中心座標点「9」とを結んだ直線に対して、中心座標点「2」、中心座標点「3」、中心座標点「4」、中心座標点「5」、中心座標点「6」、中心座標点「7」および中心座標点「8」のそれぞれのY方向のずれ量が測定される。表2は測定結果を示す。
Figure 2014022440
表2から、正方向の最大位置ずれ量は、中心座標点「1」および中心座標点「9」のY方向のずれ量0であり、負方向の最大位置ずれ量は、中心座標点「5」のY方向のずれ量−8である。従って、両者の合計値(すなわち、上端の横列の歪み量)は0+8=8となる。図14には、上端の横列のY方向のずれ量を折れ線L2で表示している。折れ線L2は、辺中央部が収縮している。
(実施例および比較例のプレス後のマザー積層体の歪み量測定結果)
図15は、実施例の4つのマザー積層体10,11(試料1〜試料4)の歪み量を示すグラフである。
各グラフの下側に記載されている数値は、縦列ごとの歪み量であり、各グラフの右側に記載されている数値は、横列ごとの歪み量である。さらに、試料1〜試料4のそれぞれのマザー積層体の、全体の歪み量の平均値(全体Ave.)と、4辺の外周部分のみの歪み量の平均値(外周Ave.)とが算出され、その算出値が記載されている。4辺の外周部分のみの歪み量の平均値が算出されるのは、特に外周部分が歪むためである。
グラフから、4つのマザー積層体(試料1〜試料4)の、全体の歪み量の平均値は15.1μmであり、4辺の外周部分のみの歪み量の平均値は17.9μmであった。
一方、図16は、比較例の4つのマザー積層体60,61(試料5〜試料8)の歪み量を示すグラフである。グラフから、4つのマザー積層体(試料5〜試料8)の、全体の歪み量の平均値は26.4μmであり、4辺の外周部分のみの歪み量の平均値は35.1μmであった。
以上の結果から、弾性体枠22を使用したプレス方法は、従来の金属製枠72を使用したプレス方法と比較して、マザー積層体の歪み量を抑制することが認められた。従って、後工程のマザー積層体の製品サイズへのカット工程などにおいて、良好な作業性が得られる。また、完成品の積層コンデンサの外形サイズや静電容量なども良好なものとなり、信頼性を向上させることができる。
なお、この発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
例えば、セラミックグリーンシートの材料としては、誘電体セラミックの他に、PZT系セラミックなどの圧電体セラミック、スピネル系セラミックなどの半導体セラミック、フェライトなどの磁性体セラミックを用いることができる。
圧電体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品は圧電部品として機能する。半導体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品はサーミスタとして機能する。磁性体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品はインダクタとして機能する。ただし、インダクタの場合は、内部電極はコイル状の導体パターンが採用される。
1 セラミックグリーンシート
2,4 内部電極パターン
10,11 マザー積層体
10a,11a 第1主面
10b,11b 第2主面
10c,11c 外周面
12,13,14 仕切り用剛体板
12c,13c,14c 外周面
22 弾性体枠
24A,24B,24C,24D 組立体

Claims (5)

  1. 内部電極を表面に設けた複数のセラミックグリーンシートを積み重ねて、互いに対向する第1主面および第2主面と、外周面とを有している積層体を形成する工程と、
    前記積層体の第1主面および第2主面に、それぞれ、第1仕切り用剛体板および第2仕切り用剛体板を当接させて、前記積層体を前記第1仕切り用剛体板および前記第2仕切り用剛体板によって挟み込んだ後、前記積層体の外周面、並びに、前記第1仕切り用剛体板および第2仕切り用剛体板のそれぞれの外周面を、弾性体枠によって覆うように保持し、前記積層体をプレスして圧着する工程と、
    を備えていること、を特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記弾性体枠の材質はゴムであること、を特徴とする、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 内部電極を表面に設けた複数のセラミックグリーンシートを積み重ねて、互いに対向する第1主面および第2主面と、外周面とを有している積層体を形成する工程と、
    前記積層体の第1主面および第2主面に、それぞれ、第1仕切り用剛体板および第2仕切り用剛体板を当接させて、前記積層体を前記第1仕切り用剛体板および前記第2仕切り用剛体板によって挟み込んだ後、前記積層体をプレスして圧着する工程と、を備え、
    前記積層体の外形寸法と前記第1仕切り用剛体板および前記第2仕切り用剛体板のそれぞれの外形寸法との差が、±1mm以下であること、
    を特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記プレスは、静水圧プレスであること、を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記プレスは、前記積層体を多段プレスすること、を特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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