JP2014020267A - 圧縮機の吸気部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機の始動時,圧縮機本体の吸気口を閉じた状態に維持して原動機の始動負荷を軽減する。
【解決手段】 圧縮機本体40の吸気口43に連通する吸入通路30を設け,前記吸入通路30に容量制御弁10を配置すると共に,前記容量制御弁10に,開弁時,一次側から二次側に対する気体の通過のみを許容する逆止機能を備えた弁体12を設ける。また,前記容量制御弁10の一次側,又は二次側の前記吸入通路30に,レシーバタンク60内の圧力が所定の通常運転開始圧力以上のときに前記吸入通路30を開放する,常時閉型の補助開閉弁20を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は圧縮機の吸気部構造に関し,より詳細には,エンジンや電動機等の原動機によって駆動される圧縮機本体の吸気を制御して,消費側に供給される圧縮気体の圧力が所定の目標圧力に近付くように制御する容量制御装置を備えた圧縮機の吸気部構造に関する。
原動機によって駆動される圧縮機本体に気体を吸い込むと共に圧縮し,空気作業機等が接続された消費側に圧縮気体を供給する圧縮機には,圧縮機本体の二次側圧力に応じて圧縮機本体の吸気量を制御する容量制御装置が設けられており,この容量制御装置により圧縮機本体の吸気量を制御することで圧縮機本体の二次側圧力を所定の目標圧力に近付ける制御(容量制御)を行い,消費側に安定した圧力の圧縮気体を供給できるようにしている。
一例として,図7に示すエンジン駆動型の油冷式スクリュー圧縮機100では,圧縮機本体140の二次側に圧縮機本体140より吐出された圧縮気体を貯留するレシーバタンク160を設けると共に,圧縮機本体140の吸気口143を開閉するバタフライバルブから成る弁体112と,この弁体112の動作を制御するレギュレータ114によって常時開型の容量制御弁110を構成し,この容量制御弁110のレギュレータ114に前述のレシーバタンク160内の圧縮気体を導入する導入回路163を連通すると共に,前記導入回路163を開閉する圧力調整弁である圧力レギュレータ164を設け,これらによって容量制御装置を構成している。
上記の容量制御装置を備えた図7の圧縮機100では,レシーバタンク160内の圧力が圧力レギュレータ164の作動開始圧力未満であり,導入回路163が閉じている時には容量制御弁110のレギュレータ114に対し圧縮気体の導入は行われず,容量制御弁110の弁体112は,レギュレータ114のリターンスプリングの付勢力によって吸気口143を開いた状態にある。
一方,レシーバタンク160内の圧力が圧力レギュレータ164の作動開始圧力以上となって導入回路163が開くと,容量制御弁110のレギュレータ114にはレシーバタンク160からの圧縮気体が導入され,容量制御弁110は導入された圧縮気体の圧力に応じて吸気口143を絞り又は閉じることで,レシーバタンク160の圧力が所定の目標圧力を維持するよう抑制する。
なお,図7中の符号180は圧縮機本体140の二次側圧力とレシーバタンク160内の圧力をパイロット圧として作動するオートレリーフバルブであり,圧縮機本体140が停止して圧縮機本体140の二次側圧力がレシーバタンク160内の圧力未満に低下すると,放気回路166を開放してレシーバタンク160内の圧縮気体を放気する。
以上のように構成された圧縮機において,吸気口143を開いた状態で圧縮機本体140を始動させると,圧縮機本体140は大量の気体を吸い込んで圧縮することで大きな負荷を発生し,これを駆動する原動機150に対しても大きな負荷がかかることから,原動機150の始動がもたつく始動渋滞が生じたり,始動直後の低回転速度で不安定な運転状態にある原動機150を停止させたりしてしまう等の始動不良が発生する。
そこで,圧縮機100の始動時に圧縮機本体140の吸気口143を閉じて,圧縮機本体140に大量の気体が吸い込まれることを防止することで,原動機150に加わる負荷を軽減する,始動負荷軽減装置120が提案されている。
このような始動負荷軽減装置120として,図7の圧縮機100にあっては,導入回路163に圧力レギュレータ164をバイパスするバイパス回路122を設けると共に,このバイパス回路122を開閉する始動バルブ121を設けている。
この構成では,圧縮機100の始動前に始動バルブ121を手動操作してバイパス回路122を開くことで,レシーバタンク160内の圧力が圧力レギュレータ164を介さずに容量制御弁110のレギュレータ114に導入でき,その結果,圧縮機100の始動により圧縮機本体140が圧縮気体の吐出を開始してレシーバタンク160内の圧力が容量制御弁110のレギュレータ114の作動開始圧力迄上昇すると,バタフライバルブ112によって吸気口143が閉ざされ,以降,原動機150に加わる負荷が軽減できるようになっている。
そして,圧縮機100が始動して原動機150が安定した運転状態となった後に始動バルブ121を再度手動操作してバイパス回路122を閉じることで,レシーバタンク160内の圧力が圧力レギュレータ164の作動開始圧力になるまで圧縮機本体140の吸気口143を全開状態とし,その後レシーバタンク160内の圧力が圧力レギュレータ164の作動開始圧力以上となったら容量制御弁110のレギュレータ114に導入された圧縮気体の圧力に応じて吸気口143を絞り又は閉じる容量制御が開始されるようになっている。
また,別の始動負荷軽減装置の構成として,前掲の図7を参照して説明した圧縮機と同様に圧縮機本体の吸気口を開閉するバタフライバルブと,このバタフライバルブをレシーバタンク内の圧力によって開閉操作するレギュレータによって構成した容量制御弁を備えた圧縮機において,容量制御弁にレギュレータの他にバタフライバルブを開閉制御するためのソレノイドを設け,始動直後からの所定時間,前記ソレノイドに対する通電を継続することで,バタフライバルブを閉状態に維持する始動負荷軽減装置も提案されている(特許文献1の図1,図7等)。
更に,同様にバタフライバルブとレギュレータによって構成された容量制御弁を備えた圧縮機において,容量制御弁のレギュレータとレシーバタンクとを連通する導入回路にミニコンプレッサの吐出口を連通し,圧縮機の始動前に予めミニコンプレッサを運転してレギュレータを作動させてバタフライバルブで吸気口を閉じておくことで,圧縮機の始動を負荷の軽減された状態で行うことができるようにすることも提案されている(特許文献2参照)。
なお,前述した構成の容量制御装置を備えた圧縮機100では,圧縮機本体140の吐出口とレシーバタンク160とを連通する吐出回路141に逆止弁144を設け,圧縮機本体140を停止した際にレシーバタンク160内の圧縮気体が圧縮機本体140側に逆流しないようにする必要がある(図7,特許文献1の図6中の符号15,引用文献2の図3中の符号15を参照)。
また,圧縮機本体140が油冷式である場合,レシーバタンク160内に回収された潤滑油を圧縮機本体140の作用空間に給油するための給油回路142を設け,レシーバタンク160内の圧力を利用してレシーバタンク160内に回収された潤滑油を圧縮機本体140に給油可能と成すと共に,この給油回路142中に圧縮機本体140の二次側圧力を作動圧力として給油回路142を開くオイルチェックバルブ145を設け,圧縮機本体140の二次側圧力が低下する圧縮機100の停止時には,このオイルチェックバルブ145が給油回路142を閉じるように構成して,停止後の,レシーバタンク160内の圧力によって圧縮機本体140に急激に潤滑油が導入されることを防止している(図7参照)。
特開平9−242673号公報 実用新案登録第3039941号公報
以上で説明した始動負荷軽減装置中,図7を参照して説明した始動負荷軽減装置120では,始動毎に手動で始動バルブ121を操作する必要があり操作が煩雑である。
しかも,図7に示した始動負荷軽減装置120の構成では,原動機150の始動から容量制御弁110のレギュレータ114が作動する迄,吸気口143は開いたままの状態にあるため,始動時及び始動直後における圧縮機本体140の負荷を低減することができない。
一方,特許文献1,2に記載の発明では,例えばソレノイドの励磁やミニコンプレッサの始動を,圧縮機本体の始動スイッチ等と連動させて自動化することが可能で,図7を参照して説明した始動負荷軽減装置120のような手動操作の煩雑さからは開放され,さらに始動時,及び始動直後における圧縮機本体140の負荷を軽減することができる。
しかし,特許文献1,2に記載の構成では,圧縮機本体の吸気口の閉塞を,電力の供給を受けて作動するソレノイドやミニコンプレッサに依存するため,圧縮機の始動時,原動機がエンジンである場合にはセルモータの使用により電気回路内の急激な電圧降下が生じ,また,原動機が電動機である場合には,電動機の始動に大きな始動電流を必要とすることで,電源電圧の急激な降下が起こる等して,供給電圧が不安定になると,ソレノイドやミニコンプレッサがバタフライバルブを閉状態に維持できずに吸気口を開いてしまい,原動機の始動負荷を十分に軽減できない場合が生じる。
しかも,前掲の特許文献2に記載の構成では,ミニコンプレッサの始動から容量制御弁のレギュレータに所定圧力の圧縮気体が導入されるまでの間,吸気口の閉塞は行われないことから,吸気口を閉じた状態で原動機を始動しようとすれば,原動機の始動に先立ち,予めミニコンプレッサを始動させておく必要があり,原動機を始動させる迄に,所定の待機時間が必要となる。
なお,図7に示す容量制御弁110を備えた構成では,圧縮機本体140からレシーバタンク160に至る吐出回路141に逆止弁144を設けると共に,給油回路142中にオイルチェックバルブ145を設けて圧縮機100の停止時に給油回路142を閉じることができるようにしており,これにより圧縮機本体140の停止によって圧縮機本体140側の圧力が低下した場合であっても,レシーバタンク160内の高圧の圧縮気体や潤滑油が圧縮機本体140内に急激に流れ込むことが無いようになっている。
しかし,このように逆止弁144やオイルチェックバルブ145を回路中に設ける構成の採用により,圧縮機の構成部品数が増える。特に,オイルチェックバルブ145にあっては給油回路142中に単にオイルチェックバルブ145を取り付けるだけでなく,パイロット圧を得るための配管を吐出回路141に連通する等の配管作業も必要となるため,このような部品点数の増加や組み立て工数の増加が,圧縮機100のコストを押し上げることとなる。
しかも,このような逆止弁144やオイルチェックバルブ145を設けてレシーバタンク160からの圧縮気体や潤滑油の導入を防止したとしても,圧縮機本体140が停止すれば圧縮機本体140内で圧縮途中にあった圧縮気体が急激に膨張を起こすため,圧縮機本体140の吸気口143側に向かう圧縮気体や潤滑油の逆流を完全には防止できない。
そして,このような逆流が生じ得るにも拘わらず,図7を参照して説明した圧縮機100,及び,前掲の特許文献1,2に記載の圧縮機の構成では,圧縮機100の停止時に容量制御弁110のバタフライバルブ112は吸気口143を全開とした状態にあるため,逆流した圧縮気体や潤滑油は,吸気口143及びバタフライバルブ112を越えてエアフィルタ170を通過して,圧縮機100の防音箱内に吹き出すおそれがあり,前述した逆止弁144やオイルチェックバルブ145を設けることにより逆流する圧縮気体や潤滑油の量や勢いを低減できたとしても,エアフィルタ170に対する潤滑油の付着や,防音箱内に収容された機器類に対する潤滑油の付着を完全には防止することができない。
なお,特許文献1,2に記載の構成において,このような圧縮気体や潤滑油の逆流による吹き出しを防止しようとすれば,圧縮機の停止時にもソレノイドやミニコンプレッサに対する通電を継続して圧縮機本体の吸気口を閉じた状態に維持することも考えられるが,このような構成の採用は,装置の消費電力を増加させることとなり経済的でないだけでなく,装置の電源がバッテリーである場合には,バッテリー上がりを発生させる原因にもなる。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたもので,比較的簡単な構成でありながら,始動時に電気系の回路に急激な電圧降下等が生じた場合であってもこれに影響されることなく圧縮機本体の吸気口を確実に閉塞した状態に維持することができ,従って原動機が始動渋滞を起こしたり,安定運転に移行する前に停止する等の始動不良を起こすことをより確実に防止できると共に,吐出回路に対する逆止弁の設置や,給油回路に対するオイルチェックバルブの設置を省略しても,圧縮機の停止時において圧縮気体や潤滑油が吹き出すことを防止できる圧縮機の吸気部構造を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の圧縮機1の吸気部構造は,エンジンや電動機等の原動機50によって駆動される圧縮機本体40と,前記圧縮機本体40が吐出した圧縮気体を貯留するレシーバタンク60と,前記レシーバタンク60内の圧力が所定の容量制御開始圧力以上となったときに前記圧縮機本体40の吸気口43を絞り又は閉じる容量制御を行う,常時開型の容量制御弁10を備えた圧縮機において,
前記圧縮機本体40の吸気口43に連通する吸入通路30を設け,前記吸入通路30に前記容量制御弁10を配置すると共に,前記容量制御弁10に,開弁時,一次側から二次側に対する気体の通過のみを許容する逆止機能を備えた弁体12を設け,
前記容量制御弁10の一次側,又は二次側の前記吸入通路30に,前記レシーバタンク60内の圧力が前記容量制御開始圧力よりも低圧の所定の通常運転開始圧力以上のときに前記吸入通路30を開放する,常時閉型の補助開閉弁20を設けたことを特徴とする(請求項1;図1,図5参照)。
上記構成の圧縮機1の吸気部構造において,前記補助開閉弁20による前記吸入通路30の閉塞時に,前記補助開閉弁20の一次側と二次側とを連通する微小連通路39を設けることができる〔請求項2;図3(a),(b)参照〕。
この場合,圧縮機1の始動後,所定の回転速度(例えば原動機50の運転状態が安定する回転速度,例えば原動機がエンジンである場合のアイドル回転速度)以上に上昇した後に,前記レシーバタンク60内の圧力が前記通常運転開始圧力以上に上昇する圧縮機本体40の吸気量を生じさせる流路面積に前記微小連通路39を形成する(請求項3,4)。
また,上記構成の圧縮機1の吸気部構造では,例えば補助スプリング28(図4参照)の着脱や付け変え等によって,前記通常運転開始圧力の設定を,前記補助開閉弁20の作動開始圧力の変更により可変としても良い(請求項5;図4参照)。
なお,前述の圧縮機の吸気部構造では,補助開閉弁20が,レシーバタンク60内の圧力が通常運転開始圧力以上のときに前記吸入通路30を開放するものとしていたが,この構成に代え,前記補助開閉弁20が,前記原動機の運転状態が安定する所定の回転速度以上のときに前記吸入通路を開放するように構成しても良い(請求項6)。
上記構成において,前記所定の回転速度は,原動機の可変速度制御範囲における下限回転速度以上であって,前記可変速度制御範囲における上限回転速度未満において設定可能である(請求項7)。
以上説明した本発明の構成により,本発明の吸気部構造を備えた圧縮機1によれば,圧縮機1の始動からレシーバタンク60内の圧力が所定の通常運転開始圧力以上に上昇する迄,又は前記原動機の回転速度が,原動機の運転状態が安定する所定の回転速度以上に上昇する迄,圧縮機本体40の吸気口43が補助開閉弁20によって閉ざされた状態にあることから,容量制御弁10が開いた状態にあるものの,圧縮機1の始動を吸気口43を閉じた負荷の軽減された状態で行うことができた。
しかも,このような吸気口43の閉塞は,常時閉型の補助制御弁20によって行うものであることから,原動機50であるエンジンの始動時におけるセルモータの使用や,原動機である電動機を始動するための始動電流の投入によって電気回路内の電圧に大きな変動が生じた場合であっても,これに影響されることなく確実に吸気口を閉状態に維持することができた。
一方,圧縮機1の停止時,レシーバタンク60内の圧縮気体や潤滑油は圧縮機本体40に急激に流れ込み,吸気口43や吸入通路30,及びエアフィルタ70等を通過して防音箱内に吹き出そうとするが,容量制御弁10が逆止機能付の弁体12を備えることにより容量制御弁10を越えて圧縮気体や潤滑油が逆流することが無い。
その結果,図7を参照して説明した従来の圧縮機の構成とは異なり,圧縮機本体40より吐出された圧縮気体をレシーバタンク60内に導入する吐出回路41に逆止弁を設ける必要がなく,また,レシーバタンク60で回収された潤滑油を圧縮機本体40に供給する給油回路42中にオイルチェックバルブやそのパイロット回路を設ける必要がなくなり,部品点数の減少と組み立て工数の減少によって圧縮機1の製造コストの低下を図ることができた。
補助開閉弁20による前記吸入通路30の閉塞時,前記補助開閉弁20の一次側と二次側とを連通する微小連通路39を設け,始動時においても圧縮機本体40に対する僅かな吸気を許容することで,レシーバタンク60内の圧力を緩やかに上昇させることができ,これにより始動開始時においても,レシーバタンク60内の圧力を利用して圧縮機本体40に潤滑油の供給を行うことができた。
この場合,前記微小連通路39の流路面積を,圧縮機1の始動後,原動機の運転状態が安定する所定の回転速度以上に上昇した後に、レシーバタンク内の圧力が通常運転開始圧力以上に上昇する圧縮機本体40の吸気量を生じさせる寸法に調整することで,原動機の回転速度が上昇する前に補助開閉弁が吸入通路を開いてしまうことがなく,圧縮機本体40の負荷トルクの上昇を抑制し,これにより原動機50が停止等することを防止できた。
前記補助開閉弁20の作動開始圧力を調整可能として前記通常運転開始圧力の設定を可変とした構成にあっては,例えば圧縮機の設置場所における外気温度や標高(酸素濃度)等の使用条件に応じて,始動後,どのタイミングで吸気口43を開放して容量制御を開始する(原動機50に負荷をかけ始める)かを,適宜適切な状態に調整することができた。
本発明の圧縮機の説明図。 容量制御弁及び補助開閉弁部分の要部断面図。 補助開閉弁の弁体部分の拡大図であり,(a)は閉弁時に弁体(バタフライバルブ)をボディ内周面に隙間無く接触させた例,(b)は弁体とボディ内周に隙間を設けた例。 容量制御弁,及び補助スプリングを備えた補助開閉弁部分の要部断面図。 補助開閉弁の取付位置の変形例を示す本発明の圧縮機の説明図。 図5の圧縮機における容量制御弁と補助開閉弁部分の要部拡大図。 従来の圧縮機の概略説明図。
以下に,添付図面を参照しながら本発明の圧縮機について説明する。
〔圧縮機の構成〕
図1中の符号1は本発明の圧縮機であり,この圧縮機1は,圧縮機本体40,前記圧縮機本体40を駆動するエンジンや電動機等の原動機50,前記圧縮機本体40より吐出された圧縮気体を貯留するレシーバタンク60を備え,圧縮機本体40より吐出された圧縮気体を,レシーバタンク60内に貯留した後,レシーバタンク60に連通された供給回路62を介して図示せざる空気作業機等が接続された消費側に供給することができるようになっている。
本実施形態にあっては,前述の圧縮機本体40として油冷式のスクリュ圧縮機を使用しており,レシーバタンク60内には,吐出回路41を介して潤滑油との気液混合流体として導入された圧縮気体から油分を分離するためのセパレータ61が設けられていると共に,レシーバタンク60内で回収された潤滑油を再度圧縮機本体40に供給するための給油回路42が設けられている。
なお,圧縮機1に装備する圧縮機本体40が,冷却水と共に気体を圧縮する水冷式のものである場合には,図1に示す給油回路42は,レシーバタンク内に回収された冷却水を圧縮機本体40に供給する給水回路となる。
また,気体の圧縮に潤滑油も冷却水も必要としない,オイルフリー圧縮機では,給油回路42に対応する構成を省略することができる。
前述の圧縮機本体40の吸気口43には内部に吸入通路30が形成されたボディ3を取り付けると共に,このボディ3内に形成された吸入通路30をレシーバタンク60内の圧力に応じて開閉して容量制御を行う容量制御弁10と,圧縮機1の始動時,容量制御弁10の一次側又は二次側(図1では二次側)において吸入通路30を閉じる補助開閉弁20が設けられており,図示の実施形態では,前述のボディ3が,容量制御弁10と補助開閉弁20の共通の弁箱となっている。
なお,説明の便宜のため,図2に示すようにボディ3内に形成された吸入通路30を,容量制御弁10の一次側の部分31,容量制御弁の二次側の部分(補助開閉弁20の一次側の部分)32,補助開閉弁20の二次側の部分33にそれぞれ異なる符号を付して説明する。
本実施形態にあっては,この容量制御弁10を常時開型のものとして形成し,レシーバタンク60内の圧力が所定の容量制御開始圧力以上になったときに吸入通路30を絞り始め,更に圧力が上昇すると,容量制御弁10を完全に閉ざすよう構成した。
この容量制御弁10には,開弁時,一次側から二次側に対する気体の通過を許容するが,二次側から一次側への気体の流れを阻止する,逆止機能付きの弁体12を設けている。
このような逆止機能を備えた容量制御弁10として,本実施形態にあっては,図2に示すピストンバルブ式の容量制御弁を採用した。
図2に示すピストンバルブ式の容量制御弁10は,弁箱であるボディ3内に一体的に形成され,弁体12の一次側にあたる吸入通路30の部分31をエアフィルタ70を介して圧縮機1の防音箱(図示せず)内に大気開放すると共に,二次側を成す吸入通路30の部分32を,後述する補助開閉弁20の弁体(バタフライバルブ)21を介して圧縮機本体40の吸気口43に連通している。
この容量制御弁10の弁体12は,弁軸12aと,弁軸12aの一端に取り付けられた円板状のフランジ12bを備えたキノコ形を有しており,この弁体12のフランジ12b周縁部を吸入通路30中に設けた弁座13に圧接することで,吸入通路30を閉じることができるようになっている。
前述のボディ3内には,吸入通路30と円筒状のスリーブ34を介して連通するシリンダ35が設けられており,このスリーブ34内に,前述の弁体12の弁軸12aが先端をシリンダ35側に向けて進退移動可能に挿入されている。
一方,このスリーブ34を介して吸入通路30(吸入通路30の部分32)と連通する前述のシリンダ35には,ピストン軸14aとこのピストン軸14aの一端に取り付けられた円板状のフランジ14bを備えたピストン14が収容され,このピストン14のピストン軸14aの先端部が,弁体12に向けて前記スリーブ34内に進退移動可能に挿入されている。
前述のシリンダ35内において,ピストン14はピストンスプリング15によって弁体12より離間する方向に付勢されていると共に,シリンダ35の端部を塞ぐカバー36によって後退位置が規制されている。
また,弁軸12aの先端とピストン軸14aの先端間には,両先端間を比較的弱い力で離間する方向に付勢する弁体付勢スプリング16が取り付けられており,開弁時,この弁体付勢スプリング16の付勢力によって弁体12のフランジ12bは吸入通路30中に設けた弁座13に緩やかに押し付けられている。
なお,前述のカバー36には,入口36a及び出口36bが設けられており,入口36aを介して,カバー36とピストン14のフランジ14b間に形成された受圧室37に作動圧を導入することができるようになっていると共に,出口36bを介して受圧室37内の作動圧を逃がすことができるようになっている。
なお,図2中の符号12cは弁体12の弁軸12b中に形成された逃がし通路であり,この逃がし通路12cによりピストン軸14aと弁軸12a間の間隔が変化した際に,両軸端間の間隔に吸入通路30内の気体を吸排気できるようにすることで,弁体12及びピストン14の進退移動が円滑に行われるようにしている。
以上のように構成された容量制御弁10では,受圧室37に対する圧縮気体の導入が行われていない開弁時には,弁体12のフランジ12bは弁座13に緩やかに押し当てられた状態にあるため,弁体12の一次側の圧力に対し二次側の圧力が低くなると,弁体12のフランジ12bが弁座13から離れて気体の通過を許容する,開弁状態にあるが,この開弁状態においても弁体12の二次側から一次側に向かって気体が逆流しようとすると,弁体12のフランジ12bが弁座13に押し当てられて吸入通路30を閉ざすため,このような逆流は阻止されている。
そして,このように構成された容量制御弁10を閉弁状態と成す場合には,受圧室37内に圧縮気体を導入してピストンスプリング15及び弁体付勢スプリング16の付勢力に抗してピストン14を弁体12側にスライドさせると,ピストン軸14aの先端がスプリング軸12aの先端に突合して,弁体12のフランジ12bは弁座13より離れることができなくなり,これにより吸入通路30が完全に閉塞する。
このような容量制御弁10を備えた本実施形態にあっては,図1に示すようにカバー36に設けた入口36aを,圧力調整弁である圧力レギュレータ64を備えた容量制御用導入回路63を介してレシーバタンク60に連通すると共に,出口36bを絞り72を備えた逃がし回路71を介して大気開放(図示の例ではエアフィルタ70を介して大気開放)している。
従って,後述する補助開閉弁20が吸入通路30を開放した通常運転に移行した状態では,レシーバタンク60内の圧力が圧力レギュレータ64の作動圧力未満の状態では容量制御弁10に対する圧縮気体の導入は無く,吸入通路30を開いた状態にあり,圧縮機本体40に対して外気が吸気される。
一方,レシーバタンク60内の圧力が圧力レギュレータ64の作動圧力である容量制御開始圧力以上となって容量制御弁10の受圧室37に圧縮気体の導入が開始されると,受圧室37に対する導入圧力に応じてピストン14が前進して弁体12の移動範囲を制限し,更に,レシーバタンク60内の圧力が上昇すると,ピストン14のピストン軸14aの先端が弁体12の弁軸12aの先端に突合し,弁体12のフランジ12bは弁座13より離れることができなくなって,吸入通路30が完全に塞がれるようになっている。
このように本発明では,容量制御弁10の弁体12に,開弁時に一次側から二次側に対する気体の流れのみを許容する逆止弁の機能を付与したことにより,図7を参照して説明した従来の圧縮機の回路構成では不可欠な構成であった吐出回路の逆止弁,及び給油回路のオイルチェックバルブのいずれも設ける必要が無くなっている。
以上のように構成された容量制御弁10の一次側,又は二次側には,吸入通路30を開閉制御する常時閉型の補助開閉弁20を更に設ける。
図1及び図2に示す実施形態にあっては,この補助開閉弁20を,弁体であるバタフライバルブ21と,このバタフライバルブ21を開閉するベロフラム型のレギュレータ22の組合せによって形成し,レギュレータ22に設けたリターンスプリングの付勢力によってバタフライバルブ21が常時閉方向に付勢されていると共に,レギュレータ22の受圧室を補助制御用導入回路65を介してレシーバタンク60に連通することで,レギュレータ22の受圧室に導入されるレシーバタンク60内の圧力が前述の容量制御開始圧力よりも低い,所定の通常運転開始圧力以上に上昇すると,前記スプリングの付勢力に抗してレギュレータ22が作動し始め、その後圧力の上昇に応じてバタフライバルブ21の開度を拡大し,やがて全開となるようになっている。
図2に示す実施形態において,この補助開閉弁20は,容量制御弁10と同様,前述のボディ3を弁箱とするもので,ボディ3内に形成された吸入通路30のうち,容量制御弁10の二次側の部分32に前述のバタフライバルブ21を設けると共に,前記ボディ3に形成されたブラケット38にレギュレータ22を取り付けた構成としている。
なお,図1,2に示す例では補助開閉弁20を容量制御弁10の二次側に設けるものとしているが,図5及び図6に示すように,補助開閉弁20を容量制御弁10の一次側に設けるものとしても良い。
図2に示す構成例において,バタフライバルブ21の支軸25は前述のボディ3に設けた軸孔(図示せず)に回動可能に軸支されていると共に,ボディ3を貫通させて支軸25を突出させており,このボディ外に突出した支軸25にレバー26を取り付け,更に,このレバー26にレギュレータ22に設けたロッド27を連結することで,レギュレータ22のロッド27の進退移動に伴って,バタフライバルブ21を開閉操作できるようになっている。
図示の実施形態において,レギュレータ22としてベロフラム型のものを使用しており,レギュレータ22のボディ内に形成された受圧室23内の圧力が上昇すると,カップ状のベロフラムが裏返りながらリターンスプリング24の付勢力に抗してピストンを図中右側に移動させ,ピストンに連結されたロッド27の突出長さが増加するようになっている。
前述のバタフライバルブ21による閉弁時,バタフライバルブ21の一次側と二次側の空間は微小連通路39によって僅かに連通しており,このような微小連通路39は,図3(a)に示すように補助開閉弁20の閉弁時,バタフライバルブ21の外縁とボディ3の内壁との間に隙間が形成されない構成を採用しつつ,ボディ3やバタフライバルブ21に貫通孔を形成し,又は両空間を連通する配管(図示せず)を設ける等してこれを前述の微小連通路39としても良く,又は,図3(b)に示すようにバタフライバルブ21の全閉時,バタフライバルブ21の外周とボディ3の内壁との間にわずかな隙間δが生じるように形成し,この隙間δを前述の微小連通路39としても良い。
バタフライバルブ21が閉じた状態で前述の微小連通路39を介して圧縮機本体40に吸い込ませる気体の量,即ち,微小連通路39の流路面積は,圧縮機本体40を駆動する原動機50の回転速度の立ち上がりの状態に応じて実験的に求めることができる。
ここで,原動機50の始動後,圧縮機本体40が吸い込む気体の量が多いと,圧縮機本体40の二次側圧力の上昇も急激なものとなるために,短時間で圧縮機本体40の負荷トルクが上昇するために原動機の回転速度の上昇が鈍くなり,始動渋滞や原動機の停止といった動作不良が発生し得る。
これとは反対に,原動機50の始動後,圧縮機本体40が吸い込む外気の量がゼロ,又はこれに近い状態であると,圧縮機本体40を駆動するために必要な動力は低く抑えることができるために,始動渋滞や原動機の停止は回避できるものの,圧縮機本体に対する給油をレシーバタンク60内の圧力を利用して行っている場合には,圧縮機本体40の各部に対する給油不足が生じるおそれがある。
従って,圧縮機本体40に対する給油をレシーバタンク60の圧力を利用して行う場合,上記観点より前述した微小連通路39を適切な吸気量を発生し得る流路面積で形成することが好ましい。
このような吸気量の決定は,圧縮機1の始動から原動機の運転状態が安定する所定の回転速度以上に上昇した後に,レシーバタンク内の圧力が通常運転開始圧力となるように微小連通路39の流路面積を決定する。
以上のように構成した補助開閉弁20のレギュレータ22の受圧室は,図1に示すように補助制御用導入回路65を介してレシーバタンク60に連通し,レシーバタンク60内の圧力が,レギュレータ22の作動開始圧力以上に上昇すると,導入圧力に応じてバタフライバルブ21が吸入通路30を開き始め,所定の通常運転開始圧力以上に上昇すると,レギュレータ22はバタフライバルブ21を全開にして,補助開閉弁20による吸気の制御が終了して,前述した容量制御弁10のみで容量制御が行われるようになっている。
なお,図1に示す実施形態にあっては,前述の容量制御用導入回路63と,補助制御用導入回路65とをそれぞれ別の回路として設けているが,例えば容量制御用導入回路63を圧力レギュレータ64の一次側で分岐して分岐回路を設け,これを補助開閉弁20のレギュレータ22に連通することで,容量制御用導入回路63と,補助制御用導入回路65の一部共有化を図るものとしても良い。
また,図1及び図2に示す実施形態にあっては,補助開閉弁20の作動開始圧力がレギュレータ22に設けたリターンスプリング24の付勢力によって決定される構成となっているが,レギュレータ22のリターンスプリング24の他に,図4に示すように補助スプリング28を設け,リターンスプリング24と補助スプリング28の双方によってバタフライバルブ21を閉方向に付勢するものとしても良い。
このように補助スプリング28を設けた構成にあっては,補助スプリング28の着脱によって,又は,補助スプリング28を異なる付勢力のものに交換することにより,更には補助スプリング28の一端側に取り付けた張力調整ネジ(図示せず)によって補助スプリング28の張力を変更することにより,バタフライバルブ21を閉位置に付勢する付勢力を変化させることができるようにしても良く,これにより,補助開閉弁20の作動開始圧力を変更乃至は調整することで,通常運転開始圧力の設定を変更でき,圧縮機1の使用環境の変化等に対応して,圧縮機1の始動から容量制御が開始されるまでの時間を変更することが可能となる。
なお,図示の実施形態にあっては,補助開閉弁20を,レシーバタンク60内の圧力を作動圧力として動作するものとして説明したが,前述したようにレシーバタンク60内の圧力が通常運転開始圧力以上のときに常時閉型の補助開閉弁20を動作させるものであれば,前述した構造に代えてその他の既知の構成を採用しても良い。
また,前述した実施形態の説明では,補助開閉弁20をレシーバタンク60内の圧力に応じて動作させる構成を採用したが,この構成に代え,圧縮機1の始動後,原動機50の運転状態が安定する所定の回転速度以上となったときに,補助開閉弁20が前述の吸入通路30を開放するように構成するものとしても良い。
この場合,補助開閉弁20による吸入通路30の開放を,原動機が前述した所定の回転速度以上となった後に行わせる構成としては,レシーバタンク60内の圧力を作動圧力とする補助開閉弁20を設けると共に,微小連通路39の開孔面積を比較的狭く形成して始動時におけるレシーバタンク60内の圧力上昇を緩やかなものとすることで,原動機の回転速度が前記所定の回転速度に迄上昇した後,これに後れてレシーバタンク60内の圧力が補助開閉弁20の作動圧力迄上昇するように構成しても良く,又は,検出された原動機50の回転速度に基づいて補助開閉弁20を動作させる構成を採用しても良く,原動機50の回転速度が前述した所定の回転速度以上となったときに吸入通路30を開放し得るものであれば,既知の各種の構成を採用可能である。
また、レシーバタンク内の圧力を目標圧力に近づくように、原動機の回転速度を可変速度制御する圧縮機にあっては、圧縮機1の始動前に閉じている前記補助開閉弁20を、圧縮機1の始動後、原動機50の可変速度制御範囲における下限回転速度以上であって,前記可変速度制御範囲における上限回転速度未満の所定の回転速度に上昇した後、開放するようにしてもよく、前記所定の回転速度は、レシーバタンク60内の圧力が目標圧力となり容量制御弁10の弁体12が完全に閉じた状態のときの原動機50の回転速度であるアンロード回転速度とすることが好ましい。
なお,図1,図5中の符号80は容量制御弁10の二次側圧力をパイロット圧とするオートレリーフバルブであり,このオートレリーフバルブ80をレシーバタンク60に連通された放気回路66中に設け,圧縮機本体の停止に伴う容量制御弁10の二次側圧力の上昇により放気回路66を開放して,レシーバタンク60内の圧縮気体を放気できるようにしている。
〔圧縮機の動作等〕
始動時
図1〜3は,停止した状態の圧縮機1の各部の状態を示している。
この状態から原動機50を始動して圧縮機本体40を回転させると,圧縮機本体40は吸気口43から吸気を行おうとするが,圧縮機本体40の吸気口43に連通された吸入通路30は,補助開閉弁20のバタフライバルブ21によって閉ざされているため,図3(a)(b)に示した微小連通路39によって許容されるわずかな量の気体しか吸入できず,その結果,負荷が軽減された状態で圧縮機の始動を開始することができる。
容量制御弁10の弁体12に設けたフランジ12bは,レシーバタンク60内の圧力が低い状態,従って,容量制御弁10の受圧室37に対する圧縮気体の導入が行われていない開弁時においても弁座13に当接しているが,この当接は弁体付勢スプリング16による緩やかな当接であり,容量制御弁10の一次側から二次側に対する気体の通過を制限するものとはなっていない。
従って,前述した微小連通路39を介して圧縮機本体40による吸引が開始されて,この吸引によって弁体12の二次側にある吸入通路30の部分32が負圧になると容量制御弁10の弁体12が弁座13より離間して,わずかに外気の吸入が行われる。
このように,原動機50の始動直後では補助開閉弁20のバタフライバルブ21が吸入通路30を閉じていて圧縮機本体40に対する外気の吸い込み量が大幅に規制されていることから,圧縮機本体40の吐出側圧力(レシーバタンク60内の圧力)の上昇は極めて緩やかとなるため,圧縮機本体40の負荷トルクの上昇も緩やかなものとなり,始動直後の状態にあり,未だ回転速度が低く不安定な運転状態にある原動機50に加わる負荷の上昇を緩やかなものとすることができる。
その結果,微小連通路39の流路面積を適切に設定することで,原動機50が安定した運転状態となる回転速度まで,補助開閉弁を閉じておき,圧縮機本体40の負荷トルクの上昇を抑制し,これにより始動渋滞や原動機の停止が発生することを好適に防止することができる一方,圧縮機本体40に対する給油をレシーバタンク60内の圧力を利用して行う場合であっても,給油を適切に行うことができるようになっている。
以上のようにして,レシーバタンク40内の圧力が緩やかに上昇すると,補助開閉弁20のレギュレータ22に導入される圧縮気体の圧力も徐々に上昇し,この圧力がレギュレータ22の作動圧力を超えると,レギュレータ22はレシーバタンク60内の圧力上昇に伴いバタフライバルブ21の開度を拡大する。
そして,レシーバタンク60内の圧力が更に上昇して所定の通常運転開始圧力に迄上昇すると,補助開閉弁20は吸入通路30を開き,補助開閉弁20による吸気の制御が終了する。
これにより,圧縮機本体40の吸気制御は,容量制御弁10,容量制御弁10の受圧室37とレシーバタンク60とを連通する容量制御用導入回路63,及び前記容量制御用導入回路36中に設けられた圧力レギュレータ64によって構成される容量制御装置のみにより行われる既知の容量制御に移行する。
停止制御
以上のようにして運転されていた圧縮機1の原動機50を停止すると,圧縮機本体40も回転を停止するため,圧縮機本体40の二次側に設けられたレシーバタンク60内の圧縮気体と潤滑油が,圧縮機本体40及びその一次側に向かって急激に流れ込もうとする。
しかし,前述したように本発明の圧縮機1では容量制御弁10の弁体12に逆止機能を持たせているため,このようにして圧縮気体や潤滑油が流れ込むことにより容量制御弁10の二次側の圧力が上昇すると,容量制御弁10の弁体12に設けたフランジ12bは弁座13に押し当てられて吸入通路30を閉じるため,容量制御弁10を越えて圧縮気体や潤滑油が逆流することが無く,従って,エアフィルタ70を介して防音箱内に潤滑油が吹き出してエアフィルタ70や圧縮機1の構成機器等を汚染することがない。
また,このように容量制御弁10の弁体12に逆止機能を持たせたことで,本発明の圧縮機1では,図7を参照して説明した従来の圧縮機とは異なり,吐出回路41に逆止弁を設ける必要が無く,また,給油回路42にオイルチェックバルブを設ける必要もない。
一方,圧縮機本体40の停止時には,レシーバタンク60内の圧縮気体や潤滑油が圧縮機本体40や容量制御弁10の二次側にある吸入通路30の部分32迄導入されることで,圧縮機本体40が回転しているときには負圧の状態にあった容量制御弁10の二次側の圧力が急激に上昇する。
その結果,容量制御弁10の二次側圧力の上昇をパイロット圧とするオートレリーフバルブ80が放気回路66を開き,このオートレリーフバルブ80の動作によってレシーバタンク60内の圧縮気体がエアフィルタ70を介して圧縮機1の防音箱内で放気される。
エアフィルタ70を介して放気されるレシーバタンク60内の圧縮気体は,レシーバタンク60に設けたセパレータ61によって油分の除去が行われることから,この放気によりエアフィルタ70や防音箱内に収容された圧縮機の構成機器が潤滑油によって汚染されることはない。
このようにして,レシーバタンク60内の圧縮気体の放気が行われることで,圧縮機1に設けられた空気回路内の圧力が低下し,レシーバタンク60内の圧力が補助開閉弁20に設けたレギュレータ22の作動開始圧力未満に迄低下すると,補助開閉弁20のバタフライバルブ21は吸入通路30を閉じる。
そして,レギュレータ22に設けたリターンスプリング24の付勢力(補助スプリング28を備える場合には,これに加えて補助スプリング28の付勢力)によって常時閉型に形成された補助開閉弁20は,電力等の供給を受けることなく,以後,吸入通路30を閉状態に維持すると共に,圧縮気体や潤滑油のエアフィルタ70側への流入は,補助開閉弁20と容量制御弁10によって二重に阻止される。
1 圧縮機
3 ボディ
10 容量制御弁
12 弁体
12a 弁軸
12b フランジ
12c 逃がし通路
13 弁座
14 ピストン
14a ピストン軸
14b フランジ
15 ピストンスプリング
16 弁体付勢スプリング
20 補助開閉弁
21 バタフライバルブ
22 レギュレータ
23 受圧室
24 リターンスプリング
25 支軸
26 レバー
27 ロッド
28 補助スプリング
30 吸入通路
31〜33 部分(吸入通路の)
34 スリーブ
35 シリンダ
36 カバー
36a 入口
36b 出口
37 受圧室
38 ブラケット
39 微小連通路
40 圧縮機本体
41 吐出回路
42 給油回路
43 吸気口
50 原動機
60 レシーバタンク
61 セパレータ
62 供給回路
63 容量制御用導入回路
64 圧力レギュレータ
65 補助制御用導入回路
66 放気回路
70 エアフィルタ
71 逃がし回路
72 絞り
80 オートレリーフバルブ
100 圧縮機
110 容量制御弁
112 弁体(バタフライバルブ)
114 レギュレータ
120 始動負荷軽減装置
121 始動バルブ
122 バイパス回路
140 圧縮機本体
141 吐出回路
142 給油回路
143 吸気口
144 逆止弁
145 オイルチェックバルブ
150 原動機
160 レシーバタンク
161 セパレータ
162 供給回路
163 導入回路
164 圧力レギュレータ
166 放気回路
170 エアフィルタ
180 オートレリーフバルブ

Claims (7)

  1. 原動機によって駆動される圧縮機本体と,前記圧縮機本体が吐出した圧縮気体を貯留するレシーバタンクと,前記レシーバタンク内の圧力が所定の容量制御開始圧力以上となったときに前記圧縮機本体の吸気口を絞り又は閉じる容量制御を行う,常時開型の容量制御弁を備えた圧縮機において,
    前記圧縮機本体の吸気口に連通する吸入通路を設け,前記吸入通路に前記容量制御弁を配置すると共に,前記容量制御弁に,開弁時,一次側から二次側に対する気体の通過のみを許容する逆止機能を備えた弁体を設け,
    前記容量制御弁の一次側,又は二次側の前記吸入通路に,前記レシーバタンク内の圧力が前記容量制御開始圧力よりも低圧の所定の通常運転開始圧力以上のときに前記吸入通路を開放する,常時閉型の補助開閉弁を設けたことを特徴とする圧縮機の吸気部構造。
  2. 前記補助開閉弁による前記吸入通路の閉塞時に,前記補助開閉弁の一次側と二次側とを連通する微小連通路を設けたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機の吸気部構造。
  3. 前記微小連通路を,圧縮機の始動後,原動機が所定の回転速度以上に上昇した後に,前記レシーバタンク内の圧力が前記通常運転開始圧力以上に上昇する圧縮機本体の吸気量を生じさせる流路面積に形成したことを特徴とする請求項2記載の圧縮機の吸気部構造。
  4. 前記所定の回転速度を,原動機の運転状態が安定する回転速度の範囲内で設定したことを特徴とする請求項3記載の圧縮機の吸気部構造。
  5. 前記通常運転開始圧力の設定を、前記補助開閉弁の作動開始圧力の変更により可変としたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の圧縮機の吸気部構造。
  6. 原動機によって駆動される圧縮機本体と,前記圧縮機本体が吐出した圧縮気体を貯留するレシーバタンクと,前記レシーバタンク内の圧力が所定の容量制御開始圧力以上となったときに前記圧縮機本体の吸気口を絞り又は閉じる容量制御を行う,常時開型の容量制御弁を備えた圧縮機において,
    前記圧縮機本体の吸気口に連通する吸入通路を設け,前記吸入通路に前記容量制御弁を配置すると共に,前記容量制御弁に,開弁時,一次側から二次側に対する気体の通過のみを許容する逆止機能を備えた弁体を設け,
    前記容量制御弁の一次側,又は二次側の前記吸入通路に,前記原動機の運転状態が安定する所定の回転速度以上のときに前記吸入通路を開放する,常時閉型の補助開閉弁を設けたことを特徴とする圧縮機の吸気部構造。
  7. 前記所定の回転速度が,原動機の可変速度制御範囲における下限回転速度以上であって,前記可変速度制御範囲における上限回転速度未満であることを特徴とする請求項3,4又は6のいずれか1項記載の圧縮機の吸気部構造。
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