JP2016003596A - オイルポンプおよび車両用油圧回路 - Google Patents

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裕介 林
Yusuke Hayashi
裕介 林
孝洋 先山
Takahiro Sakiyama
孝洋 先山
典之 荒巻
Noriyuki Aramaki
典之 荒巻
大田原 昌弘
Masahiro Otawara
昌弘 大田原
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Abstract

【課題】駆動後に遅滞なく所望のオイルの吐出圧を確保できる、信頼性の高いオイルポンプおよび車両用油圧回路を提供する。
【解決手段】リリーフバルブ42は、リリーフ孔34内に配置され、第1連通孔と第2連通孔との間に、2つの流路を形成し、これら流路を選択的に切り替え可能な第1弁体51および第2弁体52と、これら弁体51,52を、第1連通孔を閉塞する方向に向かって付勢する第1コイルバネ54および第2コイルバネ55と、を有し、第1連通孔に存在するオイルによって第1弁体51および第2弁体52が押圧される際、第1弁体51および第2弁体52は、第1の流路を形成してオイルを開放ポートへ導く一方、第1連通孔に存在するエアによって第1弁体51および第2弁体52が押圧される際、第1弁体51および第2弁体52は、第2の流路を形成してエアを開放ポートへ導く。
【選択図】図5

Description

この発明は、オイルポンプおよび車両用油圧回路に関するものである。
従来から、例えば車両に搭載されているミッション等の油圧装置にオイルを供給するオイルポンプを備えた車両用油圧回路が知られている。また、近年、車両の静粛性向上や燃費改善のために、車両の一時停止時にエンジンを一旦オフする、いわゆるアイドルストップ機能を備えた車両が増えてきている。このようなアイドルストップ機能を備えた車両に搭載されるオイルポンプは、オイルタンクに貯留されたオイルを吸入ポートから吸入し、吐出ポートからオイルを吐出して油圧装置に供給する。
また、オイルポンプには、吐出されるオイルの圧力が大きくなりすぎないように制御するリリーフバルブが設けられていることが多い。リリーフバルブは、オイルポンプの吐出油路側に設けられ、この吐出油路内のオイルの圧力が所定値以上に達すると弁体が開放される。そして、この弁体が開放されることにより、吐出油路内のオイルが排出され、吐出油路内のオイルの圧力が所定値内に収まる。これにより、再び弁体が閉じられる(例えば、特許文献1参照)。
特開昭57−146968号公報
ところで、オイルタンク内のオイルには、エア(気泡)が含まれている場合がある。このエアが吸入ポート内の容積の多くを占めているような状態にあると、オイルポンプ作動時に、オイルタンクから新たにオイルが吸入されることなく、吸入ポート内のオイルの殆どが圧送されてしまうおそれがある。このような場合、吸入ポートからオイルポンプのポンプ室を経て吐出ポートに至る間が一時的にエアで満たされてしまう。
このような状態になると、オイルポンプが駆動しても吐出油路内の圧力が大きくならないので、リリーフバルブの弁体が開放されない。エアは粘性もなく、オイルに比べて微小な隙間でも通過可能なため、吐出側のエアは、ポンプ室の僅かな隙間を通って吸入側に戻されることでポンプが空転してしまう。このため、再びオイルポンプがオイルを自吸し、オイルを所望の圧力まで昇圧させるのに時間を要してしまうという課題がある。
このようなオイルポンプを車両のミッション装置に適用した場合、アイドルストップ機能により一時的に停止したエンジンを再スタートさせる際にアクセルペダルを踏み込んでも、ミッション内に規定の油圧が作用していない。このため、実際に車両が加速に転じるまでに時間差が生じ、運転者が違和感を覚えるという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、駆動後に遅滞なく所望のオイルの吐出圧を確保できる、信頼性の高いオイルポンプおよび車両用油圧回路を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係るオイルポンプは、オイルを圧送するポンプ部と、前記ポンプ部から圧送された前記オイルの圧力を制御するリリーフ手段と、前記リリーフ手段を介して排出される前記オイルが通流する開放油路と、を備えたオイルポンプであって、前記リリーフ手段は、ケースと、前記ケースに設けられたリリーフ孔と、前記ポンプ部から圧送された前記オイルを前記リリーフ孔に導く第1連通部と、前記リリーフ孔と前記開放油路とを連通する第2連通部と、前記リリーフ孔内に配置され、前記第1連通部と前記第2連通部との間に、少なくとも2つの流路を形成し、これら流路を選択的に切り替え可能な弁部と、前記弁部を、前記第1連通部を閉塞する方向に向かって付勢する付勢部材と、を有し、前記第1連通部に存在する前記オイルによって前記弁部が押圧される際、前記弁部は、第1の前記流路を形成して前記オイルを前記開放油路へ導く一方、前記第1連通部に存在するエアによって前記弁部が押圧される際、前記弁部は、第2の前記流路を形成して前記エアを前記開放油路へ導くことを特徴とする。
このように構成することで、オイルポンプ駆動後にエアのみを速やかに解放できるので、遅滞なく所望のオイルの吐出圧を確保することができ、信頼性の高いオイルポンプを提供できる。
本発明に係るオイルポンプにおいて、前記弁部は、前記ケースに対してスライド移動自在に設けられた第1弁体と、前記第1弁体と同軸上に設けられ、かつ前記第1弁体に対してスライド移動自在に設けられた第2弁体と、を備え、前記ケースと前記第1弁体との相対位置が変化することにより、第1の前記流路が形成される一方、前記第1弁体と前記第2弁体との相対位置が変化することにより、第2の前記流路が形成されることを特徴とする。
このように構成することで、リリーフ手段を簡素な構造にすることができ、かつ小型化できる。
本発明に係るオイルポンプは、前記第2弁体をスライド移動自在に保持するホルダ部を備え、前記第1弁体は、有底筒状に形成され、該第1弁体の底壁で前記第1連通部を閉塞可能なように配置され、前記第1弁体の前記底壁に、該底壁の内側と前記第1連通部とを連通する第1貫通孔が形成されると共に、前記第1弁体の周壁に、該周壁の内側と前記第2連通部とを連通する窓部が形成され、前記ホルダ部は、有底筒状に形成され、該ホルダ部の開口部を前記第1弁体の前記底壁に向けて配置され、前記ホルダ部の底壁に、該底壁の内側と前記第1弁体の周壁の内側とを連通する第2貫通孔が形成され、前記ホルダ部の周壁と前記第1弁体の周壁との間に、前記第2貫通孔と前記窓部とを連通する前記流路が形成され、前記第2弁体は、前記ホルダ部の開口部に配置され、前記第2弁体の端面で前記第1貫通孔を閉塞可能に設けられ、前記第2弁体の側面と前記ホルダ部の周壁との間に、前記第1貫通孔、前記ホルダ部の開口部、および前記第2貫通孔を連通する前記流路が形成され、前記付勢部材は、前記ホルダ部を前記第1弁体の底壁に向かって付勢する第1ばねと、前記ホルダ部内に設けられ前記第2弁体を前記第1弁体の底壁に向かって付勢する第2ばねと、を有することを特徴とする。
このように構成することで、リリーフ手段を、より簡素な構造で、かつ小型化できる。
本発明に係るオイルポンプは、前記オイルにより駆動する被駆動部に前記ポンプ部を取り付けるためのブラケットを備え、前記ブラケットに、前記リリーフ手段が一体的に設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、オイルポンプ全体の構造を簡素化できると共に、小型化できる。
本発明に係るオイルポンプは、前記ポンプ部は、前記ブラケットに取り付けられるポンプケースと、前記ポンプケースに設けられたポンプ室と、前記ポンプ室に回転自在に配置されたアウタロータと、前記アウタロータの径方向内側に回転自在に設けられ、前記アウタロータと協働して前記オイルを吸入して該オイルを吐出する作動室を形成するインナロータと、を有するトロコイド式ポンプであることを特徴とする。
ここで、オイルを圧送するポンプとして、ポンプの作動室の容積変化によりオイルを吐出するトロコイド式ポンプを用いた場合、オイルに含まれるエアによって性能がばらつきやすい。しかしながら、上記のように構成することで、オイルポンプの信頼性を向上できる。
本発明に係るオイルポンプは、前記ポンプ部と一体的に設けられた電動モータを備え、前記電動モータによって前記ポンプ部を駆動することを特徴とする。
このように、電動モータを駆動源としたオイルポンプに好適に用いることができる。
本発明に係る車両用油圧回路は、上記に記載のオイルポンプと、前記オイルが貯留されるオイルタンクと、前記オイルタンクと前記ポンプ部とを接続する吸入油路と、前記ポンプ部から圧送された前記オイルを、該オイルにより駆動する被駆動部へと導く吐出油路と、車両のエンジンにより駆動される機械式ポンプと、を備え、前記開放油路は、前記リリーフ手段を介して排出されたオイルを、前記被駆動部から前記オイルタンクに前記オイルを戻すリターン油路に導くことを特徴とする。
このように構成することで、オイルポンプ駆動後にエアのみを速やかに解放できるので、遅滞なく所望のオイルの吐出圧を確保することができる。このため、アイドルストップ機能により一時的に停止した車両を、運転者がエンジンを再スタートさせるためにアクセルペダルを踏み込むと、速やかにミッション内に規定の油圧を作用させることができる。よって、延滞なく車両が加速に転じるようになり、信頼性の高い車両用油圧回路を提供できる。
本発明によれば、オイルポンプ駆動後にエアのみを速やかに解放できるので、遅滞なく所望のオイルの吐出圧を確保することができ、信頼性の高いオイルポンプおよび車両用油圧回路を提供できる。
本発明の実施形態における車両用油圧回路の概略構成図である。 本発明の実施形態におけるブラケットをポンプ本体側からみた平面図である。 本発明の実施形態におけるブラケットを接続部材側からみた平面図である。 本発明の実施形態におけるリリーフバルブの分解斜視図である。 本発明の実施形態におけるリリーフバルブの構成を示す断面図である。 本発明の実施形態における第1弁体の斜視図である。 本発明の実施形態における第2弁体の斜視図である。 本発明の実施形態におけるリリーフバルブの動作説明図である。 本発明の実施形態におけるリリーフバルブの動作説明図である。 本発明の実施形態におけるリリーフバルブの動作説明図である。 本発明の実施形態におけるリリーフバルブの動作説明図である。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(車両用油圧回路)
図1は、車両用油圧回路1の概略構成図である。
同図に示すように、車両用油圧回路1は、車両に搭載された被駆動部としてのミッション3と、オイルタンク(オイルサンプ)4と、オイルタンク4に貯留されたオイルをミッション3に供給するための機械式ポンプ5、および電動ポンプ6と、ミッション3側に設けられ、電動ポンプ6とミッション3とを連結する接続部材2と、を主構成としている。
機械式ポンプ5は不図示のエンジンに連結されており、このエンジンの駆動力を利用して駆動するようになっている。通常、車両用油圧回路1は、機械式ポンプ5をメインポンプとして使用し、エンジンが停止した際に機械式ポンプ5に代わって電動ポンプ6を駆動させ、ミッション3にオイルを供給する。
また、車両用油圧回路1は、機械式ポンプ5とオイルタンク4とを連結する第1吸入油路7と、機械式ポンプ5とミッション3とを連結する第1吐出油路8と、ミッション3とオイルタンク4とを連結する第1リターン油路(システムリターン油路)9と、を備えている。
そして、機械式ポンプ5が駆動すると、第1吸入油路7を介してオイルタンク4から機械式ポンプ5にオイルが吸入され、このオイルが第1吐出油路8を介してミッション3に圧送される。ミッション3で使用されたオイルは、第1リターン油路9を介してオイルタンク4に戻される。
接続部材2は、電動ポンプ6とオイルタンク4とを連結する第2吸入油路10と、電動ポンプ6と第1吐出油路8とを連結する第2吐出油路11と、電動ポンプ6と第1リターン油路9とを連結する第2リターン油路12と、を備えている。
そして、機械式ポンプ5が停止して電動ポンプ6が駆動すると、第2吸入油路10を介してオイルタンク4から電動ポンプ6の後述するポンプ室24にオイルが吸入され、このオイルが第2吐出油路11および第1吐出油路8を介してミッション3に圧送される。
また、接続部材2の第2吐出油路11の途中には、逆止弁13が設けられており、機械式ポンプ5を駆動させた際、機械式ポンプ5から圧送されたオイルが第2吐出油路11を逆流しないようになっている。また、機械式ポンプ5によって付与される油圧は、電動ポンプ6による油圧よりも高く設定されており、機械式ポンプ5が作動中に、電動ポンプ6が作動しても逆止弁13が開くことはなく、ミッション3には規定の油圧が付与されるようになっている。
さらに、第2吐出油路11内のオイルの圧力が所定値以上になった場合、その圧力を解放するために、後述するリリーフ手段42により、オイルを第2リターン油路12を介して第1リターン油路9に戻すようになっている。
(電動ポンプ)
電動ポンプ6は、モータ部14と、モータ部14に連結されモータ部14と同軸上に配置されたポンプ部15と、を備えている。
モータ部14は、例えば樹脂により形成されたモータケース16と、モータケース16内にインサート成形によって固定されたステータ17と、ステータ17の径方向内側に、回転自在に設けられたロータ18と、を備えたいわゆるブラシレスモータである。モータ部14に外部電源(例えば、バッテリ)からの電力を供給することにより、ロータ18が回転する。ロータ18の回転軸19は、ポンプ部15内に向かって突出しており、このポンプ部15と連結されている。
ポンプ部15は、モータ部14側に配置され、オイルを吸入、吐出するポンプ本体21と、ポンプ本体21のモータ部14とは反対側に配置され、接続部材2に電動ポンプ6を固定するためのブラケット22と、を備えている。
ポンプ本体21は、モータ部14およびブラケット22に挟持されるように固定されたポンプケース23を有している。ポンプケース23は、例えばアルミダイキャストにより形成されている。ポンプケース23内には、略円筒状のポンプ室24が形成されており、ここに略リング状のアウタロータ25が回転自在に設けられている。
また、アウタロータ25の径方向内側には、インナロータ26が回転自在に設けられている。このインナロータ26に、モータ部14の回転軸19の一端が固定されている。
そして、これらアウタロータ25とインナロータ26とにより、いわゆるトロコイド式ポンプが構成される。すなわち、アウタロータ25の図示しない内歯と、インナロータ26の図示しない外歯とにより形成される空間の容積を変化させることで、オイルを吸入してこのオイルを吐出する作動室27が形成される。
図2は、ブラケット22をポンプ本体21側からみた平面図、図3は、ブラケット22を接続部材2側からみた平面図である。
図2、図3に示すように、ブラケット22は、例えばアルミダイキャストにより形成され、ポンプケース23の端面23aと接合可能に平板状に形成されている。そして、ブラケット22は、ポンプケース23側の端面22aとは反対側の端面22bに、接続部材2が連結される。
なお、ポンプケース23の端面23aには、このポンプケース23とブラケット22との間のシール性を確保するための不図示のOリングが設けられている。
また、以下の説明では、ブラケット22において、ポンプケース23側の端面22aを、ポンプケース側端面22aと称し、ポンプケース側端面22aとは反対側の端面22bを接続部材側端面22bと称して説明する。
ブラケット22の外周部には、このブラケット22とポンプケース23およびモータケース16とを不図示のボルトによって締結固定するための2つの雌ネジ部32が刻設されている。雌ネジ部32は、ブラケット22を厚さ方向に貫通するように形成されている。
また、ブラケット22の外周部には、このブラケット22を接続部材2に不図示のボルトによって締結固定するための3つのボルト座33(第1ボルト座33a、第2ボルト座33b、第3ボルト座33c)が、周方向にほぼ等間隔で3箇所形成されている。各ボルト座33には、不図示のボルトを挿通可能な挿通孔33dが形成されている。
さらに、ブラケット22のポンプケース側端面22aには、モータ部14の回転軸19に対応する箇所に、この回転軸19の一端を受け入れる凹部31が形成されている。この凹部31に回転軸19の一端が当接することにより、回転軸19の振れを抑制できる。
また、ブラケット22には、ポンプケース23のポンプ室24に対応する箇所に、吸入ポート28および吐出ポート29が形成されている。
より具体的には、吸入ポート28は、ポンプ室24のオイル吸入側に対応する位置に、ブラケット22を厚さ方向に貫通するように丸孔状に形成された第1通路28aと、ポンプケース側端面22a側に溝状に形成され、凹部31に向かって延びる第2通路28bと、第2通路28bに連なるように溝状に形成され、凹部31の周囲に沿って平面視略C字状に延びる第3通路28cとにより構成されている。第2通路28bと第3通路28cは、ブラケット22単体では、ポンプケース側端面22a側が開口しているが、この開口が、ポンプケース側端面22aとポンプケース23の端面23aとを重ね合わせることにより閉塞され、オイルが通流する流路となる。
一方、吐出ポート29は、ポンプ室24のオイル吐出側に対応する位置に、ブラケット22を厚さ方向に貫通するように形成されている。そして、吐出ポート29は、段付き孔状に形成されている。すなわち、吐出ポート29は、ポンプケース側端面22a側に形成された丸孔状の第1通路29aと、接続部材側端面22b側に形成され、第1通路29aよりも開口面積の小さい第2通路29bとが連通形成されたものである。また、第2通路29bの形状は、吸入ポート28の第3通路28cの形状と凹部31を中心に略点対称となるように、平面視で略C字状になっている。
また、ブラケット22の接続部材側端面22bには、吸入ポート28に対応する位置に開放ポート37が形成されている。開放ポート37は、後述のリリーフバルブ42から排出されたオイルを排出するためのものであって、接続部材側端面22bの吸入ポート28に対応する位置にザグリ加工を施すことにより形成される。
なお、吸入ポート28と開放ポート37との区画方法については後述する。
また、ブラケット22の第2ボルト座33bと第3ボルト座33cとの間の側面22c、換言すれば、ブラケット22をポンプケース側端面22aからみたとき(図2参照)、吐出ポート29側(図2における下側)となる側面22cには、リリーフ孔34が形成されている。さらに、ブラケット22には、リリーフ孔34の先端部と、吐出ポート29とを連通する第1連通孔35が形成されている。また、ブラケット22には、リリーフ孔34の軸方向略中央部と開放ポート37とを連通する第2連通孔36が形成されている。
ここで、リリーフ孔34は、吐出ポート29を通流するオイルの圧力を制御するためのリリーフバルブ42を構成している。
(リリーフバルブ)
図4は、リリーフバルブ42の分解斜視図、図5は、リリーフバルブ42の構成を示す断面図である。
図4、図5に示すように、リリーフバルブ42は、リリーフ孔34の他に、このリリーフ孔34内に収納され、それぞれ同軸上に配置された第1弁体51、第2弁体52、ホルダ部53、第1コイルバネ54、および第2コイルバネ55を主構成としている。
リリーフ孔34は、ブラケット22の側面22cから凹部31を避けてブラケット22のほぼ中央に至る間に形成されている。また、リリーフ孔34は、側面22c側がブラケット22の中央側よりも段差により拡径された段付き孔状に形成されている。すなわち、リリーフ孔34は、側面22c側の大径孔34aと、大径孔34aにおける側面22cとは反対側端に連通形成された小径孔34bと、大径孔34aと小径孔34bとの間の段差部34cとにより構成されている。そして、小径孔34bの先端部と、第1連通孔35とが連通されている。また、大径孔34aにおける小径孔34b側と、第2連通孔36とが連通されている。なお、大径孔34aの側面22c側には、後述するキャップボルト41の雄ネジ部41bと螺合する雌ネジ部34dが刻設されている。
図6は、第1弁体51の斜視図である。
図4〜図6に示すように、第1弁体51は略有底円筒状に形成されており、底壁51aを小径孔34b側に向けた状態で大径孔34a内に収納されている。第1弁体51の周壁51bの外径は、大径孔34aの内径とほぼ同一か、または若干小さくなる程度に設定されている。このため、大径孔34a内に、第1弁体51がスライド移動自在に設けられる。また、大径孔34aと小径孔34bとの段差部34cに第1弁体51の底壁51aが当接した状態では、この底壁51aによって小径孔34bが閉塞(シール)される。この結果、第1連通孔35が閉塞される。
さらに、第1弁体51の底壁51aの径方向略中央には、第1貫通孔56が形成されている。また、第1弁体51の周壁51bには、軸方向略中央よりもやや底壁51a側に、周方向全体に亘って括れ部57が形成されている。さらに、括れ部57の溝内には、一対の窓部58が周壁51bの厚さ方向に貫通するように形成されている。一対の窓部58は、第1弁体51の径方向中央部を挟んで対向するように、配置されている。
ここで、リリーフ孔34の段差部34cに第1弁体51の底壁51aが当接した状態では、括れ部57とブラケット22に形成されている第2連通孔36とが連通するよう対向した状態となる。
第1弁体51内には、第2弁体52と、この第2弁体52をスライド移動自在に保持するホルダ部53とが収納されている。
ホルダ部53は略有底円筒状に形成されており、開口部53aを第1弁体51の底壁51a側に向けた状態で収納されている。ホルダ部53の開口部53aの外周縁には、外フランジ部59が形成されている。この外フランジ部59の外径は、第1弁体51の周壁51bの内径とほぼ同一か、または若干小さくなる程度に設定されている。このため、第1弁体51内に、ホルダ部53がスライド移動自在に設けられる。
また、ホルダ部53の軸方向の長さは、第1弁体51の軸方向の長さの約2倍程度に設定されている。このため、ホルダ部53は、底壁53bが第1弁体51の開口部51cを介して軸方向外側に突出した状態になっている。
ホルダ部53の底壁53bには、径方向略中央に第2貫通孔61が形成されている。また、ホルダ部53の周壁53cは、内周面側が段付き形状になっている。すなわち、周壁53の内周面側には、ホルダ部53の軸方向略中央から開口部53aに至る間に形成された大径孔62aと、ホルダ部53の軸方向略中央から底壁53cに至る間に形成された小径孔62bと、大径孔62aと小径孔62bとの間の段差部62cとが設けられている。
大径孔62aの内径は、第1弁体51の第1貫通孔56の直径よりも大きく設定されている。また、小径孔62bの内径は、ホルダ部53の第2貫通孔61の直径よりも大きく設定されている。そして、大径孔62a内に、第2弁体52が収納されている。
図7は、第2弁体52の斜視図である。
図5、図7に示すように、第2弁体52は略円柱状に形成されており、その外径は、ホルダ部53の大径孔62aの内径とほぼ同一か、または若干小さくなる程度に設定されている。このため、第2弁体52の端面がホルダ部53の開口部53aを介して第1弁体51の底壁51aに当接している状態では、この底壁51aに形成されている第1貫通孔56が第2弁体52によって閉塞(シール)された状態になる。この結果、第2弁体52によってリリーフ孔34の小径孔34bおよび第1連通孔35が閉塞された状態になる。
一方、第2弁体52が第1弁体51の底壁51aから離間する方向にスライド移動した場合、第2弁体52のスライド移動は、ホルダ部53の段差部62cによって規制される。この場合、第2弁体52におけるホルダ部53の底壁53c側の端面が、大径孔62aと小径孔62bとの段差部62cに当接し、第2弁体52によって小径孔62bが閉塞(シール)される。
また、第2弁体52の外周面は2方取りされており、軸方向全体に亘って形成された一対の平坦面52aが第2弁体52の径方向中央部を挟んで対向するように設けられている。
さらに、第2弁体52におけるホルダ部53の底壁53c側の端面には、径方向略中央に、突出部63が一体成形されている。
また、図4、図5に示すように、ホルダ部53内には、このホルダ部53の底壁53bと第2弁体52との間に、第2コイルバネ55が僅かに圧縮変形した状態で収納されている。第2コイルバネ55の外径は、ホルダ部53の小径孔62bの内径とほぼ同一か、または若干小さくなる程度に設定されると共に、第2貫通孔61の直径よりも大きくなるように設定されている。このため、第2コイルバネ55がホルダ部53の小径孔62bから抜け落ちることがない。
ここで、第2弁体52に形成されている突出部63の外径は、第2コイルバネ55の内径とほぼ同一か、または若干大きくなる程度に設定されている。このため、第2コイルバネ55の第2弁体52の端部は、突出部63に外嵌固定されて位置決めされた状態になる。これにより、ホルダ部53の大径孔62a内において、第2コイルバネ55がバタつくことがない。また、第2コイルバネ55によって、第2弁体52には、常時、第1弁体51の底壁51aに向かう押圧力が付勢される。
さらに、第1弁体51の周壁51bとホルダ部53の周壁53cとの間には、第1コイルバネ54が収納されている。第1コイルバネ54の自由長さは、ブラケット22のリリーフ孔34における大径孔34aの軸方向の長さとほぼ同一か、または若干長くなる程度に設定されている。
ここで、ブラケット22のリリーフ孔34に形成されている雌ネジ部40には、キャップボルト41の雄ネジ部41bがワッシャ41aを介在させて螺入されている。
キャップボルト41を螺入することにより、第1コイルバネ54が僅かに圧縮変形した状態で大径孔34a内に収納される。そして、第1コイルバネ54のバネ力は、ホルダ部53の外フランジ部59に作用し、さらに、この外フランジ部59を介して第1弁体51の底壁51aに作用する。これにより、第1弁体51およびホルダ部53には、常時、リリーフ孔34の段差部34cに向かう押圧力が付勢される。
ここで、第2コイルバネ55の外径およびバネ圧は、第1コイルバネ54の外径およびバネ圧よりも小さく設定されている。このため、第2コイルバネ55のバネ力は、第1コイルバネ54のバネ力と比較して小さい。すなわち、第2弁体52は、第1弁体51と比較して弱い押圧力で第2コイルバネ55のバネ力に抗してスライド移動する。
(リリーフバルブの動作)
図8〜図11に基づいて、リリーフバルブ42の動作について、より具体的に説明する。
図8〜図11は、リリーフバルブ42の各工程の動作説明図である。
図8に示すように、リリーフバルブ42の通常状態(電動ポンプ6が停止中、または、吐出ポート29内が低圧の状態)は、第1コイルバネ54によって、リリーフ孔34の段差部34cに第1弁体51の底壁51aが当接している。このため、第1弁体51によって、リリーフ孔34の小径孔34bが閉塞(シール)されている。また、第2コイルバネ55によって、第1弁体51の底壁51aに第2弁体52の端面が当接している。このため、第2弁体52によって、第1弁体51の第1貫通孔56が閉塞(シール)されている。
このような状態から、電動ポンプ6を駆動させたのにも関わらず、殆どオイルが吐出ポート29を通流せず、エアのみが僅かに圧送されているような場合、リリーフ孔34の小径孔34bを介して第1弁体51にかかるエアの圧力が小さい。このため、第1コイルバネ54のバネ力に抗して、第1弁体51がスライド移動することがない。
一方、第2弁体52にも、リリーフ孔34の小径孔34b、および第1弁体51の第1貫通孔56を介してエアの圧力がかかる。第2弁体52は、第1弁体51がスライド移動しないようなエアの圧力でも第2コイルバネ55のバネ力に抗してスライド移動するように設定されている。このため、電動ポンプ6を駆動させたのにも関わらず、殆どオイルが吐出ポート29を通流せず、エアのみが僅かに圧送されているような場合であっても、第2弁体52は、スライド移動することができる。
なお、第2コイルバネ55のバネ力は、電動ポンプ6を駆動させたのにも関わらず、殆どオイルが吐出ポート29を通流せず、エアのみが僅かに圧送されるような場合であっても、第2弁体52がスライド移動可能な程度のバネ力に設定されている。
図9に示すように、第2コイルバネ55のバネ力に抗して第2弁体52がスライド移動を始めると、第1弁体51の第1貫通孔56が開放される。すると、リリーフ孔34の小径孔34bに流入したエアが、第1貫通孔56を介してホルダ部53内に流入する。
ここで、第2弁体52には平坦面52aが形成されているので、この平坦面52aとホルダ部53の周壁53cとの間に隙間が形成される。この隙間は、エアが通流する流路71として機能する。このため、ホルダ部53内に流入したエアは、流路71を通流し、ホルダ部53の第2貫通孔61を介してリリーフ孔34の大径孔34a内に流入する。
さらに、大径孔34a内に流入したエアは、ホルダ部53の周壁53cと第1弁体51の周壁51bとの間を通流し、この周壁51bに形成されている窓部58を介して第1弁体51の括れ部57に流入する。すなわち、ホルダ部53の周壁53cと第1弁体51の周壁51bとの間は、エアを通流する流路72として機能する。
ここで、リリーフ孔34の段差部34cに第1弁体51の底壁51aが当接した状態では、括れ部57とブラケット22に形成されている第2連通孔36とが連通するよう対向した状態とされている。このため、括れ部57に流入したエアは、第2連通孔36を介して開放ポート37に導かれて外部(接続部材2側)へ排出される。
このように、第1弁体51と第2弁体52との相対位置が変化することにより、リリーフ孔34の小径孔34bから開放ポート37に至る間に、第1貫通孔56、流路71,72、窓部58(括れ部57)を通るエア流路73(第2の流路)が形成される。電動ポンプ6が駆動されると、このエア流路73を介し、吸入ポート28〜吐出ポート29の間に存在するエアが排出される。このため、電動ポンプ6がオイルタンク4から確実にオイルを自吸し、吸入ポート28〜吐出ポート29間がオイルで満たされる。吐出ポート29側がオイルで満たされると、吐出ポート29側のオイルの圧力が速やかに大きくなる。
図10に示すように、吸入ポート28〜吐出ポート29間の無駄なエアが抜け切ってオイルの圧力が大きくなると、エアの圧力よりも大きなオイルの圧力によって、第2弁体52が、ホルダ部53の小径孔62b側いっぱいまで押圧され、段差部62cに当接する。これにより、ホルダ部53の小径孔62bが閉塞(シール)され、エア流路73が遮断される。このため、吐出ポート29側のオイルの圧力が無駄に低下することがない。
図11に示すように、吐出ポート29側のオイルの圧力がさらに大きくなり、所定の圧力以上になると、リリーフ孔34の小径孔34bを介して第1弁体51にかかるオイルの圧力も大きくなる。このため、第1弁体51が、第2弁体52、ホルダ部材53ごと、第1コイルバネ54のバネ力に抗してスライド移動する。
なお、第1コイルバネ54のバネ力は、吐出ポート29を通流するオイルの圧力が所定値以上に大きくなった場合に、第1弁体51がスライド移動するバネ力に設定されている。
第1コイルバネ54のバネ力に抗して第1弁体51がスライド移動すると、リリーフ孔34の小径孔34b、第2連通孔36が開放される。すると、この小径孔34bを介してリリーフ孔34の大径孔34aにオイルが流入する。そして、このオイルは、開放ポート37を介して外部(接続部材2側)へ排出される。これにより、吐出ポート29側のオイルの圧力が所定値よりも小さい値に収まる。
このように、リリーフ孔34(ブラケット22)と第1弁体51との相対位置が変化することにより、リリーフ孔34の小径孔34bから開放ポート37に至る間に、オイル流路74(第1の流路)が形成される。換言すれば、オイル流路74は、リリーフ孔34の大径孔34aの内周面と第1弁体51との間に形成される。
図1に戻り、上述のように構成されたリリーフバルブ42を備えたブラケット22は、接続部材2に取り付けた状態で、接続部材2の第2吸入油路10と吸入ポート28の第1通路28aとが同軸上に配置され、これら第2吸入油路10と第1通路28aとが吸入側ジョイントパイプ43を介して連結される。
また、接続部材2の第2吐出油路11と吐出ポート29の第1通路29aとが同軸上に配置され、これら第2吐出油路11と第1通路29aとが吐出側ジョイントパイプ44を介して連結される。そして、各ジョイントパイプ43,44の軸方向両端側には、それぞれOリング45a,45bが装着され、第2吸入油路10と吸入ポート28の第1通路28aとの接続箇所のシール性、および第2吐出油路11と吐出ポート29の第1通路29aとの接続箇所のシール性が確保されている。
ここで、図1、図3に示すように、ブラケット22の接続部材側端面22bにおいて、同一位置に形成されている吸入ポート28と開放ポート37は、接続部材2の第2吸入油路10と吸入ポート28の第1通路28aとを吸入側ジョイントパイプ43を介して連結することにより、この吸入側ジョイントパイプ43が隔壁となって区画される。すなわち、開放ポート37は、吸入側ジョイントパイプ43の周囲に設けられた状態になる。
また、開放ポート37は、接続部材2にブラケット22を取り付けた状態で、接続部材2の第2リターン油路12と連結されるようになっている。
なお、ブラケット22の接続部材側端面22bには、このブラケット22と接続部材2との間のシール性を確保するために環状溝22d内に図示しないOリングが設けられており、開放ポート37から吐出されたオイルが外部に流出しないようになっている。
(車両用油圧回路の動作)
次に、図1に基づいて、車両用油圧回路1の動作について説明する。
同図に示すように、車両のミッション3を駆動させる場合、不図示のエンジンが駆動している間は、機械式ポンプ5が作動される。つまり、エンジンの動力が機械式ポンプ5に伝達されてこの機械式ポンプ5が駆動し、オイルタンク4から第1吸入油路7を介してオイルが吸入される。機械式ポンプ5に吸入されたオイルは、第1吐出油路8を介してミッション3に圧送される。ミッション3で使用されたオイルは、第1リターン油路9を介してオイルタンク4に戻される。
一方、例えば、アイドルストップ等によりエンジンが停止した際には、電動ポンプ6を使用してミッション3にオイルを供給する。この場合、不図示のバッテリ等から電力が供給されてモータ部14が駆動すると、このモータ部14の回転軸19に連結されているポンプ部15のインナロータ26、アウタロータ25が回転する。すると、オイルタンク4のオイルが、第2吸入油路10、吸入ポート28を介してポンプ本体21に吸入される。そして、吐出ポート29、第2吐出油路11にオイルが圧送され、その油圧により逆止弁13を開放させ、第1吐出油路8を介してミッション3にオイルが圧送される。
ミッション3で使用されたオイルは、機械式ポンプ5の駆動時と同様、第1リターン油路9を介してオイルタンク4に戻される。
ここで、機械式ポンプ5による油圧が第1吐出油路8に残存しており、逆止弁13が開放せずに吐出ポート29を通流するオイル(エア)の圧力が所定値以上に高まった場合、リリーフバルブ42が作動し、吐出ポート29のオイル(エア)がリリーフバルブ42を介して開放ポート37に導かれる。開放ポート37に導かれたオイル(エア)は、第2リターン油路12、第1リターン油路9を介してオイルタンク4に戻される。なお、リリーフバルブ42の動作については、前述したので、ここでの詳細な説明は省略する。
上述の実施形態のように、リリーフバルブ42には、2つの弁体51,52(第1弁体51、第2弁体52)が設けられている。また、それぞれバネ力の異なる第1コイルバネ54、第2コイルバネ55によって、各弁体51,52を付勢している。そして、第1弁体51と第2弁体52との相対位置が変化することにより、エア流路73(第2の流路)が形成され、吸入ポート28〜吐出ポート29間の無駄なエアのみを効率よく、かつ速やかに排出できるようにしている。このため、遅滞なく吐出ポート29側の所望のオイルの吐出圧を確保することができる。
また、リリーフ孔34(ブラケット22)と第1弁体51との相対位置が変化することにより、オイル流路74(第1の流路)が形成されるので、吐出ポート29側のオイルの圧力を所定の圧力に維持することができる。
さらに、エア流路73およびオイル流路74の2つの流路73,74を形成可能なリリーフバルブ42を実現するために、このリリーフバルブ42の主たる構成を、それぞれ同軸上に配置されたリリーフ孔34、第1弁体51、第2弁体52、ホルダ部53、第1コイルバネ54、および第2コイルバネ55とした。このため、2つの流路73,74を形成できるにも関わらず、構造が簡素で小型なリリーフバルブ42とすることができる。
また、ブラケット22にリリーフ孔34を形成することにより、ブラケット22とリリーフバルブ42とを一体化できる。このため、電動ポンプ6全体の構造を簡素化できると共に、小型化できる。
さらに、ポンプ部15を、アウタロータ25とインナロータ26とからなるいわゆるトロコイド式ポンプとした場合であっても、オイルにエアが含まれている場合のポンプ性能の低下を抑えることができる。このため、電動ポンプ6、車両用油圧回路1の作動信頼性を向上できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、2つの弁体51,52を用いて2つの流路73,74を形成可能なリリーフバルブ42について説明した。しかしながら、弁体の個数、および流路の個数は、2つに限られるものではなく、上述のような構成を採用することで、複数の弁体を用いて複数の流路を形成可能なリリーフバルブとすることができる。
また、上述の実施形態では、ブラケット22にリリーフ孔34を形成し、このリリーフ孔34にリリーフバルブ42を構成する部品を収納することにより、ブラケット22をリリーフバルブ42のケースとして機能させた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、別途リリーフバルブ42のケースを設け、ブラケット22とリリーフバルブ42とを別体に構成してもよい。
さらに、上述の実施形態では、ブラケット22に、吸入ポート28、吐出ポート29および開放ポート37を一体的に設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、吸入ポート28、吐出ポート29および開放ポート37がそれぞれ別々の油路に連結されていれば、これら吸入ポート28、吐出ポート29および開放ポート37を一体的に設けなくてもよい。
1…車両用油圧回路
2…接続部材
3…ミッション
4…オイルタンク
5…機械式ポンプ
6…電動ポンプ
9…第1リターン油路(リターン油路)
10…第2吸入油路(吸入油路)
11…第2吐出油路(吐出油路)
14…モータ部(電動モータ)
15…ポンプ部
22…ブラケット(ケース)
23…ポンプケース
24…ポンプ室
25…アウタロータ
26…インナロータ
27…作動室
34…リリーフ孔
35…第1連通孔(第1連通部)
36…第2連通孔(第2連通部)
37…開放ポート(開放油路)
42…リリーフバルブ(リリーフ手段)
51…第1弁体
51a…底壁
51b…周壁
52…第2弁体
53…ホルダ部
53a…開口部
54…第1コイルバネ(第1ばね)
55…第2コイルバネ(第2ばね)
56…第1貫通孔
58…窓部
61…第2貫通孔
71,72…流路
73…エア流路(第1の流路)
74…オイル流路(第2の流路)

Claims (7)

  1. オイルを圧送するポンプ部と、
    前記ポンプ部から圧送された前記オイルの圧力を制御するリリーフ手段と、
    前記リリーフ手段を介して排出される前記オイルが通流する開放油路と、
    を備えたオイルポンプであって、
    前記リリーフ手段は、
    ケースと、
    前記ケースに設けられたリリーフ孔と、
    前記ポンプ部から圧送された前記オイルを前記リリーフ孔に導く第1連通部と、
    前記リリーフ孔と前記開放油路とを連通する第2連通部と、
    前記リリーフ孔内に配置され、前記第1連通部と前記第2連通部との間に、少なくとも2つの流路を形成し、これら流路を選択的に切り替え可能な弁部と、
    前記弁部を、前記第1連通部を閉塞する方向に向かって付勢する付勢部材と、
    を有し、
    前記第1連通部に存在する前記オイルによって前記弁部が押圧される際、前記弁部は、第1の前記流路を形成して前記オイルを前記開放油路へ導く一方、
    前記第1連通部に存在するエアによって前記弁部が押圧される際、前記弁部は、第2の前記流路を形成して前記エアを前記開放油路へ導くことを特徴とするオイルポンプ。
  2. 前記弁部は、
    前記ケースに対してスライド移動自在に設けられた第1弁体と、
    前記第1弁体と同軸上に設けられ、かつ前記第1弁体に対してスライド移動自在に設けられた第2弁体と、
    を備え、
    前記ケースと前記第1弁体との相対位置が変化することにより、第1の前記流路が形成される一方、
    前記第1弁体と前記第2弁体との相対位置が変化することにより、第2の前記流路が形成されることを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプ。
  3. 前記第2弁体をスライド移動自在に保持するホルダ部を備え、
    前記第1弁体は、有底筒状に形成され、該第1弁体の底壁で前記第1連通部を閉塞可能なように配置され、
    前記第1弁体の前記底壁に、該底壁の内側と前記第1連通部とを連通する第1貫通孔が形成されると共に、前記第1弁体の周壁に、該周壁の内側と前記第2連通部とを連通する窓部が形成され、
    前記ホルダ部は、有底筒状に形成され、該ホルダ部の開口部を前記第1弁体の前記底壁に向けて配置され、
    前記ホルダ部の底壁に、該底壁の内側と前記第1弁体の周壁の内側とを連通する第2貫通孔が形成され、
    前記ホルダ部の周壁と前記第1弁体の周壁との間に、前記第2貫通孔と前記窓部とを連通する前記流路が形成され、
    前記第2弁体は、前記ホルダ部の開口部に配置され、前記第2弁体の端面で前記第1貫通孔を閉塞可能に設けられ、
    前記第2弁体の側面と前記ホルダ部の周壁との間に、前記第1貫通孔、前記ホルダ部の開口部、および前記第2貫通孔を連通する前記流路が形成され、
    前記付勢部材は、前記ホルダ部を前記第1弁体の底壁に向かって付勢する第1ばねと、前記ホルダ部内に設けられ前記第2弁体を前記第1弁体の底壁に向かって付勢する第2ばねと、を有することを特徴とする請求項2に記載のオイルポンプ。
  4. 前記オイルにより駆動する被駆動部に前記ポンプ部を取り付けるためのブラケットを備え、
    前記ブラケットに、前記リリーフ手段が一体的に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のオイルポンプ。
  5. 前記ポンプ部は、
    前記ブラケットに取り付けられるポンプケースと、
    前記ポンプケースに設けられたポンプ室と、
    前記ポンプ室に回転自在に配置されたアウタロータと、
    前記アウタロータの径方向内側に回転自在に設けられ、前記アウタロータと協働して前記オイルを吸入して該オイルを吐出する作動室を形成するインナロータと、
    を有するトロコイド式ポンプであることを特徴とする請求項4に記載のオイルポンプ。
  6. 前記ポンプ部と一体的に設けられた電動モータを備え、
    前記電動モータによって前記ポンプ部を駆動することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のオイルポンプ。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のオイルポンプと、
    前記オイルが貯留されるオイルタンクと、
    前記オイルタンクと前記ポンプ部とを接続する吸入油路と、
    前記ポンプ部から圧送された前記オイルを、該オイルにより駆動する被駆動部へと導く吐出油路と、
    車両のエンジンにより駆動される機械式ポンプと、を備え、
    前記開放油路は、前記リリーフ手段を介して排出されたオイルを、前記被駆動部から前記オイルタンクに前記オイルを戻すリターン油路に導くことを特徴とする車両用油圧回路。
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